JPH0215410B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、シート後部に荷室を有する車両に使
用されるリヤシートに係り、前倒し可能に構成し
たシートバツク構造に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種のシートバツク構造として、例え
ば、実開昭57−91636号公報に記載されているよ
うな構造が知られている。

この構造は、シートバツクの左右両側部に側部
フレームが設けられると共、上下両側部に上部フ
レーム及び下部フレームが設けられて、四角の枠
が形成されていて、また、下部フレームは、その
左右両端部が、側部フレームの下部の前後方向の
略中央に固着され、さらに、この下部フレームの
左右両端部が車体に対しヒンジピンを介して回動
可能に支持されたものであつた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上述のような従来構造にあつて
は、以下に列挙する問題点があつた。

下部フレームがシートバツクの前後方向の略
中央位置に設けられているため、シートバツク
を前倒しする際には、下部フレーム（回転中
心）よりも下側及び後方部分が回動するための
隙間を、シートバツク下端部とシートバツク後
方の車体フロアの前端部との間に確保しなけれ
ばならず、見栄えが悪い。

シートバツクの構造部材として、全体として
四角の枠しかないため、剛性が低い。

本発明は、このような従来の問題点に着目して
成されたもので、シートバツク下部とその後方の
車体フロアとの間との隙間を小さくできると共
に、剛性の高いシートバツク構造を提供すること
を目的としている。

（課題を解決するための手段） 上述の目的を達成するため、本発明のシートバ
ツク構造では、シートバツクに、シートバツクの
骨格を形成し、かつ、前倒し可能に構成されたシ
ートバツクフレームが設けられたシートバツク構
造において、前記シートバツクフレームが、板材
により四角の枠状に形成され、前記シートバツク
の外周側縁を構成するパネルフレームと、このパ
ネルフレームの内周に全周に亘つて固着されたパ
イプフレームとで構成され、前記パイプフレーム
は、底部を形成する下部パイプがシートバツクの
下端後端部に配設され、かつ、少なくとも、パイ
プ下部の一端がシートバツク側方に延長されて、
車体に設けられたヒンジピンに回転自在に挿入さ
れている手段とした。

（作用） 本発明のシートバツク構造では、シートバツク
を前倒しにする際の回転中心となる下部パイプ
が、シートバツクの下端後端部に配設されている
ため、シートバツクを前倒しする際に、回転中心
よりも後側を通つて移動する部分がない。

シートバツクフレームをパネルフレームとパイ
プフレームとで構成したため、剛性が高い。

（実施例） 以下、本発明実施例のシートバツク構造を、第
１図〜第７図により、説明する。

第１図は実施例構造のシートバツク１を有した
シート装置を示す斜視図であつて、シートバツク
１は、車幅方向で２分割された、いわゆるスプリ
ツトシートとなつている。

図中２はシートクツシヨン、３は車体側に固設
されたストライカ、４は車体側のストライカ３に
係止された図外のロツク装置を解除する解除用ノ
ブである。

上記シートバツク１の内部には、第２図に示す
ような、パイプフレーム５とバツクパネル７とか
ら構成されたシートバツクフレーム６が設けられ
ている。

前記パイプフレーム５は、円筒パイプにより四
角の枠状に形成されている。また、前記バツクパ
ネル７は、シートバツク１の背面を構成するボー
ド７１と、このボード７１の外周縁部に四角の枠
状に立設されたフランジ部（パネルフレーム）７
２とにより断面〓形状の皿状に形成されている。
そして、前記パイプフレーム５はフランジ部７２
の内周全周に亘つて設けられると共に、フランジ
部７２の後端に配設されて、つまり、シートバツ
ク１の後端下端部に配設され、かつ、このフラン
ジ部７２とボード７１とに溶接等により固着され
ている。

そして、前記パイプフレーム５の下部パイプ５
１の先端は、シートバツク１の側方に延長され、
樹脂製のブツシユ８が嵌着されている。

上記シートバツク１を前倒し可能に装着する場
合には、第３図に示すように、シートバツク１の
側方に延長されたパイプフレーム５の端部が、車
体側ブラケツト９に固着されたヒンジピン１０に
ブツシユ８を介して回転自在に挿入されると共
に、シートバツク１の中央側下端部は、第４図に
示すように、左右一対を成すシートバツク１の背
面がセンタヒンジ１１に固定ねじ１２等を介して
固着され、左右一対を成すシートバツク１が、そ
れぞれ単独に前倒し可能に装着される。

上記センタヒンジ１１は、第５図及び第６図に
示すように、車体側へ固着されるセンタブラケツ
ト１１ａと、このセンタブラケツト１１ａの左右
にワツシヤ１１ｄを介して回転自在に枢支された
Ｌ型のサイドブラケツト１１ｂ，１１ｃとからな
り、それぞれ固定ねじ１２により取り付けられ
る。

ここで、上記センタヒンジ１１のサイドブラケ
ツト１１ｂ，１１ｃが固着されるシートバツク１
の中央側下端部には、第７図に示すように、バツ
クパネル７の内側に位置してウエルデイングナツ
ト１３を固着したブラツト１４がパイプフレーム
５に溶着されている。

以上説明したように、本実施例のシートバツク
構造では、シートバツクフレーム６を、断面円形
のパイプにより四角の枠状に形状したパイプフレ
ーム５と、断面〓形状の皿状のバツクパネル７か
ら構成し、さらに、前記パイプフレーム５の下部
パイプ５１をバツクパネル７の後端下部に固着し
た構成としたため、シートバツク１の回転中心
（ヒンジピン１０中心）よりも下や後方に存在す
る部分を少なくして、シートバツク１を前倒しし
た際に、ヒンジピン１０中心よりも後側を通る部
分がなくなり、シートバツク１の下端部がその後
方の車体フロア１００等に当たり難くなる。これ
により、シートバツク１と後方の車体フロア１０
０との隙間を小さくすることができる。

また、シートバツクフレーム６を、パイプフレ
ーム５と、断面〓形状の皿状のバツクパネル７か
ら構成したため、剛性が高く、座り心地を向上さ
せることができると共に、パイプ径を太くするよ
りも軽量化を図ることができる。特に、実施例の
場合には、パネルフレームとしてのフランジ部７
２とシートバツク１の背面を構成するボード部７
１を一体にしたため、高い剛性を得ることができ
る。

（発明の効果） 以上説明したように、本実施例のシートバツク
構造では、シートバツクフレームを、四角の枠状
に形成したパネルフレームと、このパネルフレー
ムの内周に全周に亘つて固着されたパイプフレー
ムから構成したため、シートバツクの剛性が向上
して、座り心地が向上されるという効果が得られ
る。

また、下部パイプをシートバツクの下端後端部
に配設したため、シートバツクを前倒しする際
に、シートバツクの回転中心よりも後側を通つて
移動する部分をなくすことができ、これれによつ
て、シートバツクと、その後方の車体フロアとの
間に隙間を設ける必要がなくなつて、見栄えが向
上するという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例構造のシートバツクを有したシ
ート装置を示す斜視図、第２図は実施例構造の要
部であるシートバツクフレームを示す斜視図、第
３図は実施例構造のヒンジピンの部分を示す拡大
断面図、第４図は実施例のシートバツクの装着時
を示す説明図、第５図及び第６図は、実施例構造
のセンタヒンジを示す上面図及び斜視図、第７図
は実施例構造のシートバツクの要部を示す一部破
断した斜視図である。 １……シートバツク、５……パイプフレーム、
６……シートバツクフレーム、７……バツクパネ
ル、１０……ヒンジピン、７１……ボード部、７
２……フランジ部（パネルフレーム）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シートバツクに、シートバツクの骨格を形成
   し、かつ、前倒し可能に構成されたシートバツク
   フレームが設けられたシートバツク構造におい
   て、 前記シートバツクフレームが、板材により四角
   の枠状に形成され、前記シートバツクの外周側縁
   を構成するパネルフレームと、このパネルフレー
   ムの内周に全周に亘つて固着されたパイプフレー
   ムとで構成され、 前記パイプフレームは、底部を形成する下部パ
   イプがシートバツクの下端後端部に配設され、か
   つ、少なくとも、パイプ下部の一端がシートバツ
   ク側方に延長されて、車体に設けられたヒンジピ
   ンに回転自在に挿入されていることを特徴とする
   シートバツク構造。