JPH0213319B2 - - Google Patents

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JPH0213319B2
JPH0213319B2 JP56163393A JP16339381A JPH0213319B2 JP H0213319 B2 JPH0213319 B2 JP H0213319B2 JP 56163393 A JP56163393 A JP 56163393A JP 16339381 A JP16339381 A JP 16339381A JP H0213319 B2 JPH0213319 B2 JP H0213319B2
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JP
Japan
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circuit
signal
key
data
output
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JP56163393A
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JPS5865486A (ja
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Toshio Tomizawa
Hideo Suzuki
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
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Publication of JPS5865486A publication Critical patent/JPS5865486A/ja
Priority to US06/693,211 priority patent/US4558624A/en
Publication of JPH0213319B2 publication Critical patent/JPH0213319B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/02Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2210/00Aspects or methods of musical processing having intrinsic musical character, i.e. involving musical theory or musical parameters or relying on musical knowledge, as applied in electrophonic musical tools or instruments
    • G10H2210/095Inter-note articulation aspects, e.g. legato or staccato

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は鍵タツチに応じたアタツクピツチコ
ントロールを行なう電子楽器に関する。 アタツクピツチコントロールとは、音の出始め
の短期間の間楽音のピツチを変調する制御であ
る。例えば管楽器における吹き始めのピツチの乱
れのように音の出始めのピツチの乱れを模倣する
ために、このアタツクピツチコントロールという
技法が電子楽器において用いられる。従来の電子
楽器におけるアタツクピツチコントロールでは、
基準ピツチに対する最大ピツチずれ量等の制御要
素は選択スイツチ等によつて一旦設定されると以
後その設定が変更されない限り常に一定であつ
た。そのため、表現力に乏しいアタツクピツチコ
ントロールしか実現できなかつた。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、
表現力豊かなアタツクピツチコントロールを実現
する電子楽器を提供することを目的とする。この
目的の達成のため、この発明では、鍵の押圧力あ
るいは押圧速度あるいは押圧速さ等にもとづき鍵
タツチを検出するタツチ検出手段を具備した電子
楽器において、押鍵検出出力に応答して、押鍵時
から所定期間の間徐々に時間変化する変調制御信
号を発生し、この変調制御信号に応じて楽音発生
手段で発生する楽音信号のピツチを変調制御する
アタツクピツチ変調制御信号発生手段と、前記タ
ツチ検出手段の出力に応じて、前記アタツクピツ
チ変調制御信号発生手段で発生する前記変調制御
信号の時間変化における最大値を制御する制御手
段とを具えたことを特徴としている。 このように、楽音信号のピッチを変調制御する
ための変調制御信号の時間変化の最大値を鍵タツ
チに応じて制御するようにしたことにより、鍵タ
ツチに応じた表現力豊かなアタツクピツチコント
ロールを実現することができるようになる。ま
た、鍵タツチに応じて音の出始めの最大ピツチず
れが制御されることにより、各種のアタツク装飾
音を付加する効果を鍵タツチに応じて実現するこ
とができるようにもなる。 以下添付図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明しよう。 発明の基本構成を示す実施例の説明 第1図に示す実施例はこの発明の基本構成を示
すもので、鍵盤410は複数の鍵を具えており、
この鍵盤410で押圧された鍵を押鍵検出装置4
12で検出する。楽音発生装置413は押鍵検出
装置412の出力にもとづき押圧鍵に対応する楽
音信号を発生する。タツチ検出装置411は鍵盤
410で押圧された鍵に関する押圧力あるいは押
圧速度あるいは押圧深さ等(要するに鍵タツチを
検出し得るものであれば何でもよい)にもとづき
鍵タツチを検出する。アタツクピツチ制御装置4
14は、楽音発生装置413で発生する楽音信号
のピツチを音の出始めで(発音開始時点から所定
期間の間で)変調制御するためのもので、かつそ
のピツチ変調における変調要素の1つまたは複数
をタツチ検出装置411の出力に応じて制御す
る。押鍵検出装置412は、新たな鍵が押圧され
たときその新たな鍵の発音開始タイミングに対応
してアタツクピツチスタート信号ASSを発生し、
アタツクピツチ制御装置414に与える。アタツ
クピツチ制御装置414は変調信号発生手段を含
んでおり、アタツクピツチスタート信号ASSに
もとづき変調信号の発生動作を開始する。典型的
なアタツクピツチコントロールのための変調信号
は、初期の深さ(ピツチずれ)が最大であり、以
後次第にその深さが減衰するエンベロープによつ
て深さ制御された周期的な信号である。勿論、変
調信号のエンベロープ形状は上述のような典型例
に限定されるわけではない。タツチ検出装置41
1は、鍵の押し始めにおける鍵タツチを示すイニ
シヤルタツチ検出信号を出力し、アタツクピツチ
制御装置414に与える。アタツクピツチ制御装
置414では、このイニシヤルタツチ検出信号に
応じて前記変調信号のエンベロープの最大値(典
型的には初期値)を設定する。この変調信号によ
つて楽音発生装置413で発生する楽音信号のピ
ツチを変調する。その結果、鍵タツチに応じたア
タツクピツチコントロールが付与された楽音信号
が発生し、サウンドシステム415を経て発音さ
れる。 より詳細な実施例の全体構成説明 次に、この発明を適用した電子楽器のより具体
的な実施例につき第2図以降の図を参照して説明
する。第2図は、第3図以降に分割して示された
電子楽器の各詳細部分の関連を大まかに示す全体
構成ブロツク図である。鍵盤10は楽音の音高
(音名)を選択するための複数の鍵を具えている。
タツチセンサ11は各鍵のタツチを検出して鍵タ
ツチに対応する出力信号を生じるものである。押
鍵検出部12は鍵盤10で押圧された鍵を検出し
押圧鍵を示す情報TDMを出力する。この押鍵検
出部12では各鍵に対応するキースイツチを走査
するようになつており、そのためにカウンタ13
の出力が利用される。発音割当て回路(キーアサ
イナ)14は押圧鍵に対応する楽音を限られた数
の楽音発生チヤンネルのいずれかに割当てて発生
させるためのものであり、一実施例として単音キ
ーアサイナ14Aと複音キーアサイナ14Bとを
含んでおり、この電子楽器を単音モードまたは複
音モードのどちらか一方で選択的に動作させるこ
とができるようになつている。そのために発音割
当て回路14に関連して単音モード選択スイツチ
MONO−SWが設けられており、該スイツチ
MONO−SWがオンのとき単音モード選択信号
MONOとして“1”が該回路14及びその他必
要な回路に与えられてこの電子楽器が単音モード
で動作するようになつている。スラー効果選択ス
イツチSL−SWはスラー効果を選択するためのス
イツチであり、該スイツチSL−SWがオンのとき
スラーオン信号SLONとして“1”が発音割当て
回路14に与えられ、スラー効果が可能になる。
この実施例においてスラー効果とは、単音モード
でこの電子楽器が動作しているときに押圧鍵がレ
ガート形式で変更された(古い押圧鍵を完全に離
鍵する前に新しい押圧鍵を押圧する)場合、発生
楽音のピツチを古い押圧鍵のピツチから新しい押
圧鍵のピツチへと滑らかに変化させることをい
う。 各種効果設定操作子群15は、ビブラート、イ
ニシヤルタツチコントロール、アフタータツチコ
ントロール等の各種効果の制御要素(時間、スピ
ード、レベル等)の制御量を設定するための可変
操作子を夫々具えており、そこにおいて、タツチ
コントロール用の制御要素に対応する操作子はタ
ツチセンサ11の出力信号の感度を調整するよう
になつている。各種効果の一例を示せば、ピツチ
コントロール関係が、「ビブラート」、「デイレイ
ビブラート」、「アタツクピツチコントロール」、
「アフタータツチビブラート」及び前述の「スラ
ー」などであり、レベルコントロール関係が「イ
ニシヤルタツチレベルコントロール」、「アフター
タツチレベルコントロール」、「エンベロープのサ
ステイン時間制御」などである。「デイレイビブ
ラート」は楽音の発音開始時から或る時間経過後
にビブラートを徐々に付与する効果であり、「ア
タツクピツチコントロール」は楽音の立上り時に
おいてビブラートを付与する効果である。この実
施例では、「アタツクピツチコントロール」は鍵
タツチに応答して(好ましくはイニシヤルタツチ
に応答して)制御されるようになつている。「ア
フタータツチビブラート」は鍵タツチ特に持続的
押圧状態における鍵タツチに応答してビブラート
を制御するものである。「イニシヤルタツチレベ
ルコントロール」は鍵を押し下げたときのつまり
押圧当初の鍵タツチ(これをイニシヤルタツチと
いう)に応じて楽音のレベルを制御すること、
「アフタータツチレベルコントロール」は持続的
押圧状態における鍵タツチ(これをアフタータツ
チという)に応じて楽音のレベルを制御するこ
と、である。イニシヤルタツチ及びアフタータツ
チに応じた制御は音高(ピツチ)、音量(レベル)
のみならず音色その他の楽音要素に対しても行な
える。 この実施例では、操作子群15から出力される
各操作子に対応する設定データはアナログ電圧で
表わされており、アナログ電圧マルチプレクサ1
6でこれらのアナログ電圧を時分割多重化する。
アナログ/デイジタル変換(以下単にA/D変換
という)部17は、A/D変換器18と制御及び
記憶部19とを含んでおり、マルチプレクスされ
たアナログ電圧をA/D変換すると共に、デイジ
タル変換された各操作子の設定データを夫々記憶
し、デマルチプレクスする。マルチプレクサ16
における時分割多重化とA/D変換部17におけ
る制御のためにカウンタ13の出力が利用され
る。 この実施例ではイニシヤルタツチとアフタータ
ツチの検出を共通のタツチセンサを用いて行なう
ようにしている。すなわち、タツチセンサ11と
してアフタータツチ検出可能なものを用い、この
タツチセンサ11の出力信号を鍵押圧開始時から
所定時間の間イニシヤルタツチ検出のために選択
し、選択したタツチセンサ出力信号にもとづいて
イニシヤルタツチを検出するようにしている。例
えば、鍵押圧開始時から所定時間の間選択したタ
ツチセンサ出力信号のピーク値をホールドし、こ
のピーク値をイニシヤルタツチ検出信号として用
いる。そのために、鍵押圧開始時から所定時間
(例えば人間の聴覚ではほとんど無視できる程度
の10ms程度の時間)の間発音割当て回路14か
らイニシヤルセンシング信号ISを出力し、この信
号ISによつてマルチプレクサ16及びA/D変換
部17を制御してこの間は専ら上述のイニシヤル
タツチ検出を行なうようにしている。同時に、発
音割当て回路14では、イニシヤルセンシング信
号ISを出力する間は楽音の発音開始を遅らすよう
にしている。これは、イニシヤルタツチが検出さ
れる前に発音開始されるのを禁止し、発音開始と
同時にイニシヤルタツチコントロールを施すよう
にするためである。尚、前述の通り、この実施例
ではアタツクピツチコントロールもイニシヤルタ
ツチに応じて行なわれる。 効果付与回路20は、ピツチコントロール関係
の各種効果を付与するための回路であり、ビブラ
ート、デイレイビブラート、アタツクピツチコン
トロール、及びアフタータツチビブラートに関し
ては楽音周波数を変調するための変調信号VAL
を出力し、スラー効果に関してはスラー効果を付
与した楽音周波数情報SKCを出力する。A/D
変換部17から出力される各種効果設定操作子の
設定データのうちピツチコントロール関係の設定
データが効果付与回路20に与えられ、レベルコ
ントロール関係の設定データは楽音信号発生部2
1に与えられる。発音割当て回路14から効果付
与回路20にはアタツクピツチスタート信号AS
とスラースタート信号SS及び単音モードのとき
の押圧鍵を示すキーコードMKCが与えられる。
尚、単音キーアサイナ14Aにおいては押圧鍵の
中の単一鍵(例えば最高または最低押圧鍵)を選
択して単音モード用の押圧鍵キーコードMKCと
して出力するようになつている。 アタツクピツチデータROM(リードオンリメ
モリの略)22には、アタツクピツチコントロー
ルを付与すべき各種音色に対応してアタツクピツ
チ制御データAPS,APR,APERを夫々予じめ
記憶している。アタツクピツチコントロールは、
例えば各音色に適した態様で制御が行なわれるよ
うになつており、管楽器の吹き始めのピツチの乱
れを表現できることから特に管楽器系音色に適し
た効果である。そのため、音色選択スイツチ23
で選択された音色に応じてその音色に適したアタ
ツクピツチコントロールを実現し得る値をもつ制
御データAPS,APR,APERをROM22から読
み出すようになつている。アタツクピツチの制御
態様を決定する要素は、初期の(音の出始めの)
ピツチずれの深さと、ピツチずれの深さの時間的
変化を示すエンベロープと、ピツチずれの繰返し
周波数である。初期のピツチずれの深さすなわち
アタツクピツチの初期値は、前述のイニシヤルタ
ツチ検出データに応じて設定される。詳しくは、
音色に対応するアタツクピツチ初期値係数データ
APSによつてイニシヤルタツチ検出データをス
ケーリングすることによりイニシヤルタツチ及び
音色に応じたアタツクピツチ初期値を設定する。
ピツチずれの深さの時間的変化を示すエンベロー
プは、アタツクピツチエンベロープレートデータ
APERによつて設定される。ピツチずれの繰返し
周波数はアタツクピツチレートデータAPRによ
つて設定される。 効果付与回路20は、アタツクピツチスタート
信号ASが与えられたとき上述のような各データ
にもとづいてアタツクピツチコントロール用の変
調信号VALの形成を開始し、その後、通常のビ
ブラートあるいはデイレイビブラートあるいはア
フタータツチビブラートのための変調信号VAL
を形成する。後述するように、変調信号VALを
形成するために効果付与回路20では、変調周波
数及び変調の深さの制御が容易になるような工夫
が施されている。また、効果付与回路20では、
スラースタート信号SSが与えられたとき単音モ
ード用押圧鍵の楽音周波数情報SKCを古い押圧
鍵に対応する値から新たな押圧鍵に対応する値ま
で滑らかに変化させる処理を行なう。新たな押圧
鍵は発音割当て回路14から与えられる単音モー
ド用押圧鍵キーコードMKCによつて示されてい
る。 楽音信号発生部21では、単音モード時は効果
付与回路20から与えられる単音モード用の楽音
周波数情報SKCにもとづき楽音信号を発生し、
複音モード時は発音割当て回路14(複音キーア
サイナ14B)から与えられる複数の各チヤンネ
ルに割当てられた押圧鍵を示すキーコードPKC
にもとづき複数のチヤンネルで楽音信号を夫々発
生する。これらの楽音信号は、変調信号VALに
応じてその周波数(ピツチ)が変調され、かつ
A/D変換部17からのレベルコントロールデー
タに応じてその音量レベルが制御される。更に、
これらの楽音信号には音色選択スイツチ23で選
択された音色が付与され、サウンドシステム24
に与えられる。 次に、第2図各部の詳細例について説明する。 押鍵検出部及び単音キーアサイナの説明 第3図には押鍵検出部12及びカウンタ13の
詳細例が示されており、第4図には単音キーアサ
イナ14Aの詳細例が示されている。カウンタ1
3は、2相のシステムクロツクパルスφ1,φ2
よつて制御される16ステージ/1ビツトのシフト
レジスタ25と、1ビツト分の半加算器26と、
シフトレジスタ25の内容を定期的にラツチする
ラツチ回路27とを含み、シリアル演算によつて
カウント動作を行なう。このカウンタ13に限ら
ず、以下で説明する詳細例においては随所でシリ
アル演算が用いられ、回路構成の節約に寄与して
いる。押鍵検出部12は、鍵盤10の各鍵に対応
するキースイツチをマトリクス状に配列したキー
スイツチマトリクス28と、このマトリクス28
における半オクターブ毎の入力ラインに走査信号
を供給するデコーダ29と、このマトリクス28
における各半オクターブ内の6つの各音名に対応
する出力ラインの信号を多重化するマルチプレク
サ30とを含んでいる。キースイツチマトリクス
28は高音側のキースイツチから順に走査される
ようになつており、単音キーアサイナ14Aでは
最高押圧鍵を単音モード用の押圧鍵として選択す
るようになつている。 キースイツチマトリクス28における1鍵分の
走査時間換言すれば単音キーアサイナ14Aにお
ける1鍵分の処理時間(これを1キータイムとい
うことにする)は第5図に示すように32個のタイ
ムスロツトから成る。1タイムスロツトの長さは
システムクロツクパルスφ1,φ2の1周期に対応
し、例えば0.5μsである。従つて、1キータイム
の長さは16μsである。この1キータイム内の各タ
イムスロツトあるいは区間に同期して様々な処理
が制御されるようになつている。そのために、第
5図に示すような各種のタイミング信号が図示し
ないタイミング信号発生回路で発生され、様々な
回路に供給されるようになつている。32個のタイ
ムスロツトの各々は16μsの周期で繰返しあらわれ
る。1キータイム内における個々のタイムスロツ
トを区別するために発生順序の早い方から順番に
第1乃至第32タイムスロツトということにする。
各種タイミング信号の発生タイミング及び発生周
期及びパルス幅を一目瞭然にするために、以下の
法則で各タイミング信号に符号をつけるものとす
る。例えば「1y8」のように文字「y」を挾んで
前後に数字が記されている場合は、前者の数字は
1キータイムにおいてパルスが最初に発生するタ
イムスロツト順位を示し、後者の数字はパルスが
繰返し発生する周期をタイムスロツト数で示して
いる。例えば信号1y8は、第5図に示すように
最初は第1タイムスロツトで発生し、以後は8タ
イムスロツト毎に、つまり第9、第17、第25タイ
ムスロツトで夫々パルス(“1”)が発生する。次
に、「1y8S」のように末尾に文字「S」が追加さ
れているものは、パルス幅が1タイムスロツト幅
全部ではなく、1タイムスロツトの前半でつまり
クロツクパルスφ2のパルス幅に同期して発生す
ることを意味する。また、「1T8」のように、文
字「T」を挾んで前後に数字が記されている場合
は、前者の数字によつて示されるタイムスロツト
順位から後者の数字によつて示されるタイムスロ
ツト順位までパルス(“1”)が持続して発生する
ものとし、かつその周期は32タイムスロツトであ
るとする。例えば信号1T8は第1タイムスロツト
から第8タイムスロツトまでの区間で持続的に発
生する8タイムスロツト分のパルス幅をもち、か
つ32タイムスロツトの周期で繰返し発生する。ま
た、「1T6y8」のように、パルス幅表示「1T6」
の次に文字「y」と数字が続く場合は、文字
「y」の次に記された数字によつて繰返し周期を
タイムスロツト数によつて示している。例えば信
号1T6y8は、最初に第1タイムスロツトから第6
タイムスロツトまでの6タイムスロツト幅で発生
したパルスが8タイムスロツト分の繰返し周期
で、つまり第9乃至第14タイムスロツトまで、及
び第17乃至第22タイムスロツトまで、及び第25乃
至第30タイムスロツトまでの各区間でパルス発生
することを意味する。 第3図において、加算器26の入力Aにはシフ
トレジスタ25の最終ステージの出力Q16が加え
られ、入力Ciにはオア回路31を介して信号
17y32が与えられる。従つて、信号17y32が“1”
となる第17タイムスロツトにおいてシフトレジス
タ25の最終ステージ出力に“1”が加算される
ことになる。入力A及びCiが共に“1”でキヤリ
イアウト信号が生じるとき、キヤリイアウト出力
C0+1は演算タイミングよりも1タイムスロツ
ト遅れて“1”となるものとする。C0の次に付
加した記号+1は1タイムスロツトの遅れを示
す。以下で出てくる加算器のキヤリイアウト出力
C0+1はすべて演算タイミングよりも1タイム
スロツトの遅れがあるものとする。尚、加算出力
Sには遅れがないものとする。キヤリイアウト出
力C0+1はアンド回路32及びオア回路31を
介して入力Ciに戻される。従つて上位ビツトに対
してキヤリイアウト信号を加算することができ
る。 加算器26の出力Sの信号はアンド回路33を
介してシフトレジスタ25に入力され、16タイム
スロツト遅延後に入力Aに戻される。アンド回路
33の他の入力に加えられている信号Z1は通常
は“1”である。以上の構成によつて信号17y
32をカウントロツクとして1キータイム(32タ
イムスロツト)毎に1カウントアツプするシリア
ル演算が実行される。従つて、第17タイムスロツ
トにおいてシフトレジスタ25の最終ステージか
ら出力される信号がカウント値の最下位ビツトで
あり、そのとき各ステージには最終ステージから
第1ステージにさかのぼつて順次上位ビツトのカ
ウント値が夫々保有されている。第17タイムスロ
ツトの16タイムスロツト後の第1タイムスロツト
においても同様にシフトレジスタ25の最終ステ
ージから第1ステージまでには最下位ビツトから
最上位ビツトまでのカウント値が並んでいる。従
つて、第1タイムスロツトの前半で発生する信号
1y32Sによつてシフトレジスタ25の第7ステー
ジ出力Q7乃至最終ステージ出力Q16をラツチ
回路27にラツチすることにより、10ビツトの並
列2進カウント値が得られる。尚、信号1y16
のタイミングすなわち第1乃び第17タイムスロツ
トにおいてアンド回路32を動作不能にしている
が、これは最上位ビツトのキヤリイアウト信号が
最下位ビツトに加算されないようにするためであ
る。 カウンタ13における下位7ビツトのカウント
値が鍵走査及び多重化のために利用される。その
うち下位4ビツト4,3,2,1によつて鍵
の音名(1オクターブ内の音名)を指定し、上位
3ビツト3,2,1によつてその鍵が所属する
オクターブを指定する。ラツチ回路27にラツチ
されたカウント値のうちビツト3,2,1,
N4はデコーダ29でデコードされ、キースイツ
チマトリクス28における半オクターブ毎の入力
ラインに走査信号を与える。また、下位ビツト
N3,2,1はマルチプレクサ30に与えられ、
キースイツチマトリクス28における各半オクタ
ーブ内の6本の出力ラインの信号を時分割多重化
する。こうして、マルチプレクサ30からは各鍵
の押圧または離鍵を示す時分割多重化されたキー
データTDMが各鍵の走査に対応して出力され
る。時分割多重化キーデータTDMは現在走査中
の鍵が押圧されていれば“1”であり、押圧され
ていなければ“0”である。 ラツチ回路27にラツチされたカウント値3
〜1が変化する毎に走査すべき鍵が切換わるの
で、1鍵分の走査時間は第5図に示すように第1
タイムスロツトから第32タイムスロツトまでの32
タイムスロツトであり、この間1鍵分のキーデー
タTDMが持続して出力される。前述の通り、1
鍵分の走査に要する1キータイムは16μsであるの
で、1走査サイクルすなわちカウント値3〜1
が1巡する時間は約2ms(=16μs×27)である。 キースイツチマトリクス28では高音順に走査
が行なわれるようになつている。すなわち、カウ
ント値3〜1が小さいほど高音になり大きいほ
ど低音になるようにその所定の値に対応して各鍵
が順次割当てられており、カウント値3〜1が
増すに従つて高音側から順次低音側に走査が移行
するようになつている。カウンタ13における下
位7ビツトのカウント値(3〜1)は現在走査
中の鍵すなわち時分割多重化キーデータTDMに
対応する鍵を表わすコード信号すなわちキーコー
ドである。しかし、カウンタ13のカウント
値3〜1をそのまま用いたキーコードは高
音鍵ほどその値が小さく、低音鍵ほどその値が大
きい。キーコードの下位2ビツトを下位桁に無限
に繰返し付加してキーコードを周波数情報に変換
する場合、高音鍵になるほどキーコードの値が大
きくならないと不都合が生じるので、カウンタ1
3から出力されるキーコードを反転したもの
を正式なキーコードKCとしてキーアサイナ14
A,14Bで用いるようにしている。正式なキー
コードKCと各鍵との関係は例えば次表のように
なつている。キーコードKCは上位3ビツトのオ
クターブコードB3,B2,B1と下位4ビツトのノ
ートコードN4,N3,N2,N1とから成る。
【表】 尚、シフトレジスタ25の第7乃至最終ステー
ジ内に記された表示は第1及び第17タイムスロツ
トのときの各ステージの重みを示している。すな
わち、このとき第10乃至最終ステージ(Q10〜
Q16)には前述の通りカウント値の下位7ビツト
B3〜1が入つている。また、第7乃至第9ステ
ージ(Q7〜Q9)には、時間表示にして約8ms、
約4ms及び約2msの重みのビツトが入つている。
これらの時間表示はカウンタ13がリセツトされ
たときからそれらのビツトに“1”が立つまでの
時間を示している。後述のように、カウンタ13
をタイマとして用いるときこれらの時間表示ビツ
トを利用する。これらの時間表示ビツトはキーコ
ード3〜1と共にラツチ回路27にラツチされ
る。 第4図において、単音キーアサイナ14Aは第
9タイムスロツトを起点にして各鍵の時分割多重
化キーデータTDMに関する処理を行なうように
している。そのため、第3図のマルチプレクサ3
0から出力された時分割多重化キーデータTDM
は第4図のラツチ回路34に入力され、信号9y
32によつて第9タイムスロツトに同期してラツ
チされる。従つてラツチ回路34からはキーデー
タTDMを8タイムスロツト遅延したものが出力
される。一方、第1タイムスロツトのときにシフ
トレジスタ25(第3図)の最終ステージ
(Q16)から出力されるキーコードの最下位ビ
ツト1は、8タイムスロツト後の第9タイムス
ロツトでは第8ステージ(Q8)にシフトされて
きている。そこで、ラツチ回路34(第4図)に
おけるキーデータTDMの遅延に同期させるた
め、シフトレジスタ25(第3図)の第8ステー
ジ(Q8)の出力をシリアルキーコード(9
〜)として取り出し、第4図の単音キーアサイナ
14Aに供給するようにしている。このキーコー
ド(9〜)は第9タイムスロツトから第15タ
イムスロツトまでの間で下位ビツトから順番に各
ビツト1,2,3,4,1,2,3が並ん
でいる。このキーコード(9〜)は第4図の
インバータ35で反転され、前述の通りの正式の
キーコードがシリアル形式で該インバータ3
5から出力される。 第4図において、単音キーアサイナ14Aは主
に次の3つの機能を実行する。その1つは、最高
押圧鍵のキーコードKCを選択することであり、
もう1つは、新たな押鍵を検出することであり、
もう1つは、新たな押鍵が検出されたとき一定時
間の間新たな押圧鍵に関する処理を禁止しその間
でイニシヤルタツチの検出を可能にすることであ
る。新たな押鍵の検出は、全べての鍵が離鍵され
ている状態から初めて何らかの鍵が押圧された場
合(これをエニーニユーキーオンという)と、何
らかの鍵が押圧されている状態からレガート形式
で新たな押圧鍵に変更された場合(これをレガー
トニユーキーオンという)とを区別して行なうよ
うになつている。エニーニユーキーオンが検出さ
れた場合はフリツプフロツプAKQがセツトされ、
レガートニユーキーオンが検出された場合はフリ
ツプフロツプNKQがセツトされる。ニユーキー
オン検出によつてフリツプフロツプAKQまたは
NKQがセツトされたとき第3図のカウンタ13
をタイマとして動作させ、一定時間(約10ms)
の間イニシヤルセンシング信号ISを出力する。こ
の間新たな押圧鍵に関する処理を禁止し、前記一
定時間が終了したときアタツクピツチスタート信
号ASあるいはスラースタート信号SSを発生して
アタツクピツチあるいはスラーの制御を開始させ
る。最高押圧鍵キーコードレジスタ36は最高押
圧鍵のキーコードXKCを暫定的に記憶するため
のものであり、単音キーコードレジスタ37は単
音モードで発音する押圧鍵のキーコードMKCを
記憶するためのものである。前記一定時間が終了
したときレジスタ36のキーコードXKCがレジ
スタ37にロードされるようになつている。従つ
て、新たな押鍵があつたとき直ちに単音モード用
の押圧鍵キーコードMKCが変化するのではなく、
前記一定時間の後に変化する。 各フリツプフロツプXKQ,MK1,MK2,
AKQ,NKQ,TM6はタイミング信号6y8
(第5図参照)によつて入力信号をロードし、信
号1y8(第5図)に同期して出力を切換える。
従つて、ロードした信号は信号1y8の発生タイ
ムスロツト(第1または第9または第17または第
25タイムスロツト)から8タイムスロツトの間持
続的に出力される。 フリツプフロツプXKQは、1走査サイクルに
おいて何らかの押圧鍵が検出されたことを示すた
めのものである。ラツチ回路34から出力される
キーデータTDMが“1”のとき、アンド回路3
8及びオア回路40を介してこのフリツプフロツ
プXKQに“1”がロードされる。このフリツプ
フロツプXKQの“1”はアンド回路39及びオ
ア回路40を介してホールドされる。1走査サイ
クルが終了したときインバータ41の出力が
“0”となり、アンド回路39が動作不能となつ
てフリツプフロツプXKQがリセツトされる。第
3図のラツチ回路27から出力されるカウント値
の下位3ビツト3,2,1がアンド回路42
に入力され、上位4ビツト3,2,1,4が
アンド回路43に入力されている。アンド回路4
2の出力信号N7及びアンド回路43の出力信号
B15が第4図のアンド回路44に入力される。
1走査サイクルの終了時にはカウント値3〜1
の全ビツトが“1”となり、信号N7及びB15
が共に“1”となつてアンド回路44の条件が成
立する。アンド回路44の他の入力にはタイミン
グ信号9T16(第5図参照)が入力されてい
る。従つて、1走査サイクル終了時の第9から第
16タイムスロツトまでの間アンド回路44の出力
が“1”となる。このアンド回路44の出力信号
“1”が走査終了信号SCEであり、インバータ4
1ではこの信号SCEを反転する。従つて、何らか
の鍵が押圧されている場合、1走査サイクルにお
いてキーデータTDMが最初に“1”となる鍵走
査タイミングすなわち最高押圧鍵の走査タイミン
グから走査終了時までのフリツプフロツプXKQ
の出力が“1”となる。何も鍵が押されていない
ときはXKQは常に“0”である。 フリツプフロツプXKQの出力を反転した信号
とラツチ回路34から出力されるキーデータ
TDMとが入力されたアンド回路45は最高押圧
鍵を検出するためのものである。すなわち、フリ
ツプフロツプXKQにおける入力と出力の8タイ
ムスロツトの遅れにより、1走査サイクルにおい
て最初に最高押圧鍵のキーデータTDMが“1”
に立上るとき、キーデータTDMの立上りの8タ
イムスロツトつまり第9乃至第16タイムスロツト
までの間はフリツプフロツプXKQの出力はまだ
“0”であり、その反転信号は“1”となつてい
る。従つて、最高押圧鍵のキーデータTDMの立
上りの第9乃至第16タイムスロツト(合計8タイ
ムスロツト)の間でのみアンド回路45の条件が
成立し、その出力信号XSが“1”となる。この
信号XSの“1”によつてアンド回路46を可能
にし、インバータ35から与えられる最高押圧鍵
のキーコードKCをアンド回路46及びオア回路
47を介してレジスタ36にロードする。 前述の通り、インバータ35から出力されるキ
ーコードKCとラツチ回路34から出力されるキ
ーデータTDMとは同期しており、信号XSが
“1”となる第9乃至第16タイムスロツトの間で、
最高押圧鍵のキーコードKCが下位ビツトから順
にレジスタ36にロードされる。キーコードKC
の全ビツトN1〜B3は第9乃至第15タイムスロツ
トの間でレジスタ36にロードされ、第16タイム
スロツトにおいてはキーコードKCに無関係なカ
ウントデータがあらわれる。そのため、タイミン
グ信号16y32を反転した信号をアンド回路4
6に加え、第16タイムスロツトにおいては強制的
に“0”がロードされるようにしている。レジス
タ36にロードされた最高押圧鍵キーコード
XKCはアンド回路48を介して自己保持される。
アンド回路48の他の入力には信号XSをインバ
ータ49で反転した信号が加わり、アンド回路4
6を可能にしてキーコードKCをレジスタ36に
ロードするときは自己保持をクリアするようにし
ている。 レジスタ36及びこのレジスタ36の内容
XKCが転送されるレジスタ37は8ステージ/
1ビツトのシフトレジスタであり、システムクロ
ツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御される。
従つて、レジスタ36及び37の内容は8タイム
スロツト毎に循環する。図においては、第9ある
いは第17あるいは第25あるいは第1タイムスロツ
トのときのレジスタ36及び37の各ステージの
重みが示されている。 フリツプフロツプMK1は、前回の走査サイク
ルにおいて何らかの押圧鍵が検出されたことを示
すためのものである。1サイクル分の走査が終了
したときにすなわち走査終了信号SCEが“1”の
ときにフリツプフロツプXKQに“1”が記憶さ
れていることを条件にアンド回路50が“1”を
出力し、オア回路52を介して該フリツプフロツ
プMK1に“1”をロードする。このフリツプフ
ロツプMK1の“1”はアンド回路51及びオア
回路52を介して1走査サイクルの間保持され、
走査終了信号SCEによつてリセツトされる。 フリツプフロツプMK2は、前々回の走査サイ
クルにおいて何らかの押圧鍵が検出されたことを
示すためのものである。走査終了信号SCEの発生
時に、フリツプフロツプMK1の出力をアンド回
路53及びオア回路55を介してフリツプフロツ
プMK2にロードする。アンド回路54はフリツ
プフロツプMK2の記憶を1走査サイクルの間保
持するためのもので、走査終了信号SCEが発生す
るとき動作不能となつてフリツプフロツプMK2
をリセツトする。これらの3つのフリツプフロツ
プXKQ,MK1,MK2は、単音モードにおけ
る鍵の押圧及び離鍵をチヤタリングを排除して検
出するのに役立つ。 フリツプフロツプAKQは、前述のエニーニユ
ーキーオンが検出されたことを示すためのもので
ある。アンド回路56には、フリツプフロツプ
XKQの出力、フリツプフロツプMK1,MK2,
AKQ,NKQの反転出力、及び走査終了信号SCE
が与えられており、エニーニユーキーオンのとき
条件が成立して走査終了信号SCEのタイミングで
“1”を出力する。つまり、アンド回路56にお
いては、前回及び前々回の走査サイクルでは鍵が
全く押圧されていず(MK1,MK2が共に
“0”)、かつ今回の走査サイクルで初めて鍵押圧
が検出された(XKQが“1”)ことを条件にエニ
ーニユーキーオンを検出する。AKQ及びNKQの
反転出力がアンド回路56に加えられている理由
は、AKQまたはNKQに“1”が記憶されている
ときはアンド回路56の条件が成立しないように
するためであり、後述のタイマが何度もスタート
状態にリセツトされないようにするためである。
アンド回路56の出力信号“1”はオア回路58
を介してフリツプフロツプAKQにロードされる。
このフリツプフロツプAKQの“1”はアンド回
路57、オア回路58を介して一定時間の間ホー
ルドされる。 アンド回路56の出力信号“1”すなわちエニ
ーニユーキーオン検出信号はタイマスタート信号
としても利用される。この出力信号“1”がオア
回路59を介して2段のフリツプフロツプ60,
61に入力される。これらのフリツプフロツプ6
0,61はフリツプフロツプXKQと同様にタイ
ミング信号6y8,1y8によつて制御される。
両フリツプフロツプ60,61の出力がオア回路
62に加わり、更にインバータ63で反転され、
信号Z1として第3図のアンド回路33に入力さ
れる。アンド回路56から出力されるエニーニユ
ーキーオン検出信号は走査終了信号SCEに同期し
て第9から第16タイムスロツトまでの8タイムス
ロツトの間“1”となる。これをフリツプフロツ
プ60,61及びオア回路62で16タイムスロツ
ト幅に拡張し、16タイムスロツトの間インバータ
63の出力信号Z1を“0”にする。それ以外の
ときは信号Z1は常に“1”であり、カウンタ1
3(第3図)におけるカウント動作を可能にして
いる。信号Z1が“0”になる16タイムスロツト
の間、アンド回路33(第3図)が動作不能にな
り、シフトレジスタ25の全16ステージの内容を
すべて“0”にクリアする。こうして、カウンタ
13はカウント値オール“0”からのカウント動
作を開始し、タイマ機能がスタートする。 第3図のラツチ回路27にラツチしたカウント
値のうち時間表示にして約8msの重みをもつビツ
トがアンド回路64に入力され、約4ms及び約
2msの重みをもつビツトが夫々反転されてアンド
回路64の他の入力に加わる。このアンド回路6
4の出力信号TM5は第4図のアンド回路65に
与えられる。アンド回路65には第3図のアンド
回路42及び43から信号N7及びB15が入力
され、更にタイミング信号9T16とオア回路6
6の出力が加わる。オア回路66にはフリツプフ
ロツプAKQ及びNKQの出力が加わる。アンド回
路65の出力はタイマ終了信号QRとして利用さ
れる。フリツプフロツプAKQまたはNKQの出力
をアンド回路65に入力する理由は、これらのフ
リツプフロツプがセツトされたときのみつまりニ
ユーキーオンのときのみタイマ機能を働らかせる
ためである。 カウンタ13の下位10ビツトのカウント値が
“1001111111”となつたとき、すなわち信号Z1
によつてクリアされたときから約10ms経過した
とき、アンド回路42,43,64(第3図)の
条件がすべて成立し、第4図のアンド回路65に
加えられる信号N7,B15,TM5がすべて
“1”となる。このとき信号9T16に対応して
第9乃至第16タイムスロツトの間アンド回路65
の出力信号QRが“1”となる。尚、図において
信号線の傍に記した9〜16なる表示はこの信号
が第9タイムスロツトから第16タイムスロツトま
での間発生することを意味している。 このタイマ終了信号QRはインバータ67で反
転されてアンド回路57に加わる。従つて、フリ
ツプフロツプAKQの“1”はタイマ終了信号QR
が発生するまでの約10msの間ホールドされるが、
このタイマ終了信号QRが発生したときにクリア
される。詳しくは、タイマ終了信号QRが第17タ
イムスロツトで立下るときにフリツプフロツプ
AKQの出力も“0”に立下る。 タイマ終了信号QRが発生したときフリツプフ
ロツプXKQに“1”がセツトされていること
(鍵押圧中であること)を条件にアンド回路68
の出力信号KSが“1”となる。この信号KSによ
つてアンド回路69を可能にし、レジスタ36の
最高押圧鍵キーコードXKC(これは新たな押圧鍵
を示している)を該アンド回路69及びオア回路
70を介してレジスタ37にロードする。レジス
タ37にロードされた新たな最高押圧鍵のキーコ
ードは単音モード用の押圧鍵キーコードMKCと
してキーアサイナ14Aから出力されると共にア
ンド回路71を介してレジスタ37を循環する。
前記信号KSによつて新たなキーコードXKCをロ
ードするときアンド回路71が動作不能となり、
古いキーコードMKCがクリアされる。 アンド回路72,73,74、オア回路75及
び遅延フリツプフロツプ76は、レジスタ36と
37のキーコードXKC,MKCを比較するための
ものである。キーコードMKCの反転信号とキー
コードXKCとがアンド回路72に入力され、キ
ーコードXKCの反転信号とキーコードMKCとが
アンド回路73に入力される。キーコードXKC
及びMKCは同じ重みのビツトN1〜B3が同期し
てレジスタ36,37から夫々出力される。両キ
ーコードMKC,XKCの値が1ビツトでも異なる
とアンド回路72または73の条件が成立し、フ
リツプフロツプ76に“1”がロードされる。こ
のフリツプフロツプ76の“1”はアンド回路7
4を介して自己保持される。最高押圧鍵検出信号
XSをインバータ49で反転した信号が各アンド
回路72,73,74に加わるようになつてお
り、各走査サイクルにおいて最高押圧鍵が検出さ
れる毎にフリツプフロツプ76の記憶がクリアさ
れる。 フリツプフロツプNKQは、前述のレガートニ
ユーキーオンが検出されたことを示すためのもの
である。アンド回路77はレガートニユーキーオ
ンを検出するためのもので、前記フリツプフロツ
プ76の出力信号NEQ、単音モード選択信号
MONO、フリツプフロツプXKQ、MK1,MK
2の出力信号、フリツプフロツプAKQ及びNKQ
の出力を反転した信号、及び走査終了信号SCEが
入力される。単音モード選択信号MONOは単音
モードのときのみレガートニユーキーオンの検出
を可能にするために入力されている。前述の通
り、レジスタ36と37のキーコードXKC,
MKCが異なるとき、フリツプフロツプ76の出
力信号NEQが“1”となる。この信号NEQの
“1”は、新たな押鍵があつたことを示している。
この新たな押鍵がエニーニユーキーオンに該当す
るものであれば、前述の如くアンド回路56の条
件が成立し、フリツプフロツプAKQがセツトさ
れるので、その反転信号が“0”となり、アンド
回路77の条件は成立しない。この新たな押鍵が
レガートニユーキーオンに該当するものであれ
ば、フリツプフロツプAKQがセツトされていず、
かつ各フリツプフロツプXKQ,MK1,MK2
の出力が“1”であり、何らかの鍵が持続的に押
圧されていることを示している。従つて、レガー
トニユーキーオンのときは走査終了信号SCEのタ
イミングでアンド回路77の条件が成立し、オア
回路79を介してフリツプフロツプNKQに“1”
がロードされる。このフリツプフロツプNKQの
“1”はアンド回路78を介して自己保持される。 一方、アンド回路77から出力されたレガート
ニユーキーオン検出信号は、エニーニユーキーオ
ン検出信号と同様に、オア回路59を介して遅延
フリツプフロツプ60に与えられ、タイマスター
ト信号として利用される。従つて、レガートニユ
ーキーオン検出にもとづき第3図のカウンタ13
が前述と同様にタイマとして機能し、約10ms後
にアンド回路65(第4図)からタイマ終了信号
QRが出力される。このタイマ終了信号QRによ
つてアンド回路78が動作不能となり、フリツプ
フロツプNKQがリセツトされる。従つて、レガ
ートニユーキーオン検出時から約10msの間フリ
ツプフロツプNKQが“1”をホールドする。ま
た、前述と同様に、タイマ終了信号QRにもとづ
きアンド回路68から信号KSが出力され、レジ
スタ36に記憶されている新たな最高押圧鍵キー
コードXKCがレジスタ37にロードされる。 フリツプフロツプTM6は、複音モードのとき
のアタツクピツチスタート信号を形成するために
エニーニユーキーオンによる約10msの時間待ち
が終了したことを示すためのものである。タイマ
終了信号QRがアンド回路80、オア回路82を
介してフリツプフロツプTM6に入力されるよう
になつており、エニーニユーキーオンにもとづく
約10msの時間待ちが終了したときこのタイマ終
了信号QRによつて該フリツプフロツプTM6に
“1”がセツトされる。このフリツプフロツプ
TM6の“1”はアンド回路81を介して自己保
持され、走査終了信号SCEによつてリセツトされ
る。従つて、フリツプフロツプTM6の“1”は
1走査サイクルの間だけホールドされる。尚、複
音モードのときはレガートニユーキーオンの検出
は行なわれないため、単音モード時にレガートニ
ユーキーオンにもとづくタイマ終了信号QRによ
つてフリツプフロツプTM6がセツトされたとし
ても何の影響も及ぼさない。 アンド回路83,84,85は単音モード用の
キーオフ信号MKOFを形成するためのものであ
る。各回路83,84,85には単音モード選択
信号MONOが与えられており、単音モードのと
き動作可能となる。アンド回路85にはフリツプ
フロツプMK1,MK2,MKQの反転信号が入
力されており、2走査サイクル続けて全鍵の離鍵
が検出されていることを条件に“1”を出力す
る。このアンド回路85の出力“1”は通常のキ
ーオフを示している。MK1,MK2が共に
“0”であることを条件にしたのはチヤタリング
対策のためである。アンド回路83にはフリツプ
フロツプAKQの出力が入力されており、エニー
ニユーキーオン検出時の約10msの待ち時間の間
“1”を出力する。アンド回路84にはフリツプ
フロツプNKQの出力及びスラーオン信号SLON
をインバータ86で反転した信号が加わり、スラ
ー効果が選択されていないことを条件に、レガー
トニユーキーオン検出時の約10msの待ち時間の
間“1”を出力する。 各アンド回路83,84,85の出力はオア回
路87に入力され、単音モード用のキーオフ信号
MKOFとして利用される。このキーオフ信号
MKOFをインバータ88で反転したものが単音
モード用のキーオン信号MKONである。楽音信
号発生部21(第2図)において、単音モード用
の押圧鍵キーコードMKCに対応する楽音信号を
発生する際にこのキーオン信号MKONにもとづ
いて振幅エンベロープを制御するようにすればよ
い。単音モードにおいてエニーニユーキーオンが
検出された場合あるいはスラー効果が選択されて
いないときにレガートニユーキーオンが検出され
た場合はアタツクピツチコントロールを行なうよ
うになつており、そのためのイニシヤルタツチ検
出を行なう前記一定の待ち時間(約10ms)の間
は、アンド回路83または84の出力“1”にも
とづき強制的にキーオフ状態としているのであ
る。そして、この待ち時間における強制的なキー
オフ状態のときに前音のサステインを除去するた
めに、アンド回路83及び84の出力がオア回路
89を介して強制ダンプ信号FDMPとしてキー
アサイナ14Aから出力され、楽音信号発生部2
1(第2図)に与えられるようになつている。 アンド回路84の出力はオア回路90にも与え
られる。また、フリツプフロツプAKQの出力が
アンド回路91を介してオア回路90に与えられ
る。尚、入力が1つしかないアンド回路38,8
0,91等は入力信号が単に通過するだけであ
り、特に必要ないが図示の都合上示した。オア回
路90の出力はイニシヤルセンシング信号ISとし
てイニシヤルタツチ検出のために利用される。こ
のイニシヤルセンシング信号ISは、単音モードあ
るいは複音モードに係わりなくエニーニユーキー
オンがあつた場合はフリツプフロツプAKQの出
力にもとづき新たな鍵の押圧開始時から約10ms
の間“1”となる。また、単音モードでスラー効
果が選択されていないときにレガートニユーキー
オンがあつた場合もフリツプフロツプNKQの出
力にもとづき新たな鍵の押圧開始時から約10ms
の間“1”となる。単音モードでスラー効果が選
択されているときはレガートニユーキーオンがあ
つてもイニシヤルセンシング信号ISは発生されな
い。 アンド回路92は単音モード用のアタツクピツ
チスタート信号MASを発生するためのものであ
り、オア回路87からのキーオフ信号MKOF、
フリツプフロツプXKQの出力信号及びタイマ終
了信号QRが入力される。ニユーキーオン検出に
もとづく約10msの待ち時間の間アンド回路83
あるいは84の出力信号によつてキーオフ信号
MKOFが“1”となり、アンド回路92が動作
可能となる。待ち時間が終了したとき、鍵が押圧
されていることを条件に(XKQが“1”)タイマ
終了信号QRに対応する第9乃至第16タイムスロ
ツトの間アンド回路92の出力信号MASが“1”
となる。この信号MASはオア回路93を介して
遅延フリツプフロツプ94に入力される。このフ
リツプフロツプ94はタイミング信号13y32
で入力信号をロードし、信号17T24に同期し
て出力を切換える。従つて、第9乃至第16タイム
スロツトで発生する信号MASの“1”は第13タ
イムスロツトでフリツプフロツプ94にロードさ
れ、第17タイムスロツトから次の第16タイムスロ
ツトまでの1キータイム(32タイムスロツト)の
間アタツクピツチスタート信号ASとして出力さ
れる。 アンド回路95は複音モード用のアタツクピツ
チスタート信号EASを発生するためのものであ
り、フリツプフロツプTM6の出力、フリツプフ
ロツプXKQの出力の反転信号、単音モード選択
信号MONOをインバータ96で反転した信号、
及びラツチ回路34からのキーデータTDMが入
力される。複音モードのとき、インバータ96の
出力“1”によつてアンド回路95が動作可能と
なる。前述の通り、エニーニユーキーオン検出に
もとづく約10msの時間待ちの終了直後の1走査
サイクルの間フリツプフロツプTM6の出力が
“1”となり、このサイクルにおける最高押圧鍵
のキーデータTDMの立上りの第9乃至第16タイ
ムスロツトの間アンド回路95の条件が成立す
る。第9乃至第16タイムスロツトの間で“1”と
なるアンド回路95の出力信号EASはオア回路
93を介してフリツプフロツプ94に入力され、
前述と同様に、第17タイムスロツトから次の第16
タイムスロツトまでの1キータイムの間アタツク
ピツチスタート信号ASとして出力される。 アンド回路97はスラースタート信号SSを発
生するためのものであり、タイマ終了信号QR、
フリツプフロツプXKQの出力、単音モード選択
信号MONO、単音モード用キーオン信号
MKON、及びキーコードの不一致を示す信号
NEQが入力される。レジスタ36及び37のキ
ーコードXKC,MKCが一致していないときは
(NEQが“1”)、待ち時間中であり(AKQまた
はNKQが“1”)、かつこのときアンド回路83
及び84の条件が成立していなければ(MKON
が“1”)、スラー効果が選択されておりかつレガ
ートニユーキーオンであつたことを意味する。従
つて、スラー効果が選択されかつレガートニユー
キーオンがあつたとき、このレガートニユーキー
オンにもとづく待ち時間の終了時に発生するタイ
マ終了信号QRに対応して、現在鍵が押圧されて
いること(XKQが“1”)を条件に、アンド回路
97の出力が第9乃至第16タイムスロツトの間
“1”となる。この出力“1”はフリツプフロツ
プ94に入力され、前述と同様に第17タイムスロ
ツトから次の第16タイムスロツトまでの1キータ
イムの間スラースタート信号SSとして出力され
る。 以上の通り、アタツクピツチスタート信号AS
及びスラースタート信号SSは、約10msの待ち時
間の終了後に発生されるものである。そして、ア
タツクピツチスタート信号ASは、単音モードに
おいてはエニーニユーキーオンのときあるいはス
ラー非選択時のレガートニユーキーオンのときに
発生され、複音モードにおいてはエニーニユーキ
ーオンのときに発生される。また、スラースター
ト信号SSは、単音モードのスラー選択時におい
てレガートニユーキーオンがあつたときに発生さ
れる。 アナログ電圧マルチプレクサ及びA/D変換部 各種効果設定操作子群15の詳細例は第6図に
示されている。A/D変換部17は図示の都合
上、A/D変換器18の部分が第6図に、制御及
び記憶部19の部分が第7図に示されている。 第6図において、各種効果設定操作子群15は
各種効果の制御要素に対応する制御量をアナログ
電圧で設定するためのボリユームV1〜V8を具
えている。V1はビブラートスピード(周波数)、
V2はビブラートデイプス(深さ)、V4はデイ
レイビブラートの時間、V5はスラー効果におけ
るピツチ変化の速度(スラースピード)、V7は
振幅エンベロープのサステイン部分の減衰速度
(サステインスピード)、を夫々設定するためのも
のである。V3,V6,V8はタツチセンサ11
の出力信号の感度調整用ボリユームである。V3
はアフタータツチビブラートの深さ設定用の鍵タ
ツチ検出信号を感度調整するもの、V6はアフタ
ータツチレベルコントロールのレベル設定用の鍵
タツチ検出信号を感度調整するもの、V8はイニ
シヤルタツチ検出信号を感度調整するものであ
る。ボリユームV8で感度調整されたイニシヤル
タツチ検出信号は2つの用途で使われる。1つは
アタツクピツチコントロールの初期値設定のた
め、もう1つはイニシヤルタツチレベルコントロ
ールのレベル設定のためである。 タツチセンサ11としては各鍵共通のアフター
タツチセンサ11Aが使用される。アフタータツ
チセンサ11Aは鍵押圧持続時において鍵タツチ
を検出し得るものであれば如何なるものでもよ
く、例えば、押圧速度あるいは押圧深さあるいは
押圧力あるいは強さ等のいずれに応答して鍵タツ
チを検出するものであつてもよい。アフタータツ
チセンサ11Aの出力信号は増幅器98を介して
イニシヤルタツチ感度調整用ボリユームV8に加
わると共にローパスフイルタ99に加わる。ロー
パスフイルタ99の出力はアフタータツチビブラ
ート用感度調整ボリユームV3とアフタータツチ
レベル用感度調整ボリユームV6に加えられる。
ローパスフイルタ99はアフタータツチ制御に用
いるタツチ検出信号の急激な変動を抑えるための
ものである。 アフタータツチセンサ11Aはイニシヤルタツ
チ検出及びアフタータツチ検出の両方に共用され
る。例えば、アフタータツチセンサ11Aから出
力されるタツチ検出信号が第8図aのようである
とすると、単音キーアサイナ14A(第4図)か
らイニシヤルセンシング信号IS(第8図b)が与
えられる約10msの間においてこのタツチ検出信
号のピーク値を検出し、このピーク値をホールド
してイニシヤルタツチ検出信号として用いる。前
述の通り、イニシヤルセンシング信号ISが立下つ
てから(ピーク値検出終了後に)発音が開始す
る。また、ピーク値検出を行なつているときの
(IS発生時の)アフタータツチセンサ出力信号は
アフタータツチ検出信号として用いず、それ以外
のときのセンサ出力信号をアフタータツチ検出信
号として用いる。このようにすることにより、イ
ニシヤルタツチセンサとアフタータツチセンサを
別々に設ける必要がなくなり、経済的であると共
に鍵下方に設けるセンサ装置が簡略化される。 ボリユームV1〜V8で設定もしくは調整され
た8個のアナログ電圧は1個のA/D変換器18
を用いてデイジタルデータに変換される。そのた
めにアナログ電圧マルチプレクサ16が設けられ
ており、各ボリユームV1〜V8のアナログ電圧
を時分割多重化してA/D変換器18に送る。ま
た、A/D変換器18に関連して第7図に示す制
御及び記憶部19が設けられており、A/D変換
器18における時分割的なA/D変換動作及びこ
のA/D変換によつて得たデイジタルデータのデ
マルチプレクス動作を制御する。このようなA/
D変換操作によつて回路構成をかなり簡略化する
ことができる。 第7図に示す制御及び記憶部19は、各ボリユ
ームV1〜V8に対応する記憶手段としてレジス
タ101〜108を含んでいる。各レジスタ10
1〜108の近傍に記したV1〜V8は夫々に対
応するボリユームV1〜V8を示している。これ
らのレジスタ101〜108には、各々に対応す
るボリユームV1〜V8の出力電圧をデイジタル
変換したデイジタルデータが夫々記憶される。こ
れらのレジスタ101〜108は、システムクロ
ツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御される8
ステージ/1ビツトの循環型シフトレジスタから
成る。各レジスタ101〜108の各ステージの
ブロツク内に記した数字は、第1、第9、第17及
び第25タイムスロツトのときの各ステージ内のデ
ータの重みを一として示すものである。夫々のレ
ジスタ101〜108における重み数値の単位
は、各出力データ表示の近傍に記されているよう
に、夫々の制御要素の性質に応じて(Hz」(周波
数)、「セント」(ピツチずれの深さを示すセント
値)、「ms」(時間)、「dB」(レベル)である。こ
れらの重み表示はあくまでも一例として示したに
すぎず、回路動作の面ではあまり重要ではなく、
ただ、シリアルデータとして送り出されるときに
各ビツトの重みとタイムスロツトとの関係を明ら
かにする面で役立つ。 第7図の制御及び記憶部19には、各レジスタ
101〜108に対応してマルチプレクス及びデ
マルチプレクス制御回路111〜118が設けら
れている。回路112〜117は同一構成である
ため、回路112のみ詳細を示し、回路113〜
117は省略してある。このマルチプレクス及び
デマルチプレクス制御回路111〜117は、ア
ナログ電圧マルチプレクサ16(第6図)におけ
る時分割多重化操作に対応して各レジスタ101
〜107のデイジタルデータをマルチプレクスし
てA/D変換器18(第6図)に送り、時分割的
なA/D変換操作に利用させると共に、その結果
得られるデイジタルデータをA/D変換器18か
ら受け入れてデマルチプレクスし、対応するレジ
スタ101〜107にロードする機能をもつ。但
し、イニシヤルタツチ検出データ記憶用のレジス
タ108に対応する制御回路118はマルチプレ
クス機能(レジスタ108のデータをA/D変換
器18に送り出す機能)をもたない。 第6図において、アナログ電圧マルチプレクサ
16の制御入力には第3図のデコーダ29から8
本の出力信号H0〜H7が与えられると共に第4
図のオア回路90からイニシヤルセンシング信号
ISが与えられる。デコーダ29はカウンタ13
(第3図)のカウント値のうちビツト2,1,
N4の値をデコードしたものを信号H0〜H7と
して出力する。各信号H0〜H7は第9図aに示
す順で順次“1”となる。1つの信号H0〜H7
が“1”を持続している時間は8キータイムであ
り、1走査サイクルの間で各信号H0〜H7が2
巡する。 マルチプレクサ16は、常時は信号H1〜H7
に応じてボリユームV1〜V7のアナログ電圧を
第9図bに示すように順次サンプリングし、多重
化して出力する。イニシヤルセンシング信号ISが
“1”のときは、上述の信号H1〜H7によるV
1〜V7のサンプリングを禁止し、イニシヤルタ
ツチ感度調整用ボリユームV8からのアナログ電
圧を持続的に選択して出力する。マルチプレクサ
16の出力電圧はA/D変換器18内のアナログ
比較器110の入力Bに供給される。まず、通常
のA/D変換について説明し、次にイニシヤルタ
ツチ検出信号のA/D変換について説明する。 A/D変換器18は、システムクロツクパルス
φ1,φ2によつてシフト制御される8ステージ/
1ビツトの循環型シフトレジスタから成るデータ
レジスタ100を含んでいる。A/D変換器18
における通常のA/D変換操作はマルチプレクサ
16による各アナログ電圧の時分割的サンプリン
グに対応して時分割で行なわれる。初め、データ
レジスタ100には前回のA/D変換によるデイ
ジタルデータが取り込まれる。この前回データを
デイジタル/アナログ変換(以下D/A変換とい
う)回路119でアナログ電圧に変換し、これを
比較器110の入力Aに加えてマルチプレクサ1
6からのアナログ電圧と比較し、この比較結果に
応じてデータレジスタ100の内容をカウントア
ツプまたはダウンすることによりA/D変換を行
なう。 前回のA/D変換によるデイジタルデータはサ
ンプリングタイミングの直前に第7図のレジスタ
101乃至107の1つからデータレジスタ10
0に取り込まれる。そのため制御信号として信号
N7,25T32が第3図のアンド回路120か
ら第7図の各制御回路111〜117内のアンド
回路121,122,123に入力される。第3
図において、アンド回路120にはアンド回路4
2の出力とタイミング信号25T32が与えられ
る。アンド回路42はカウンタ13のカウント値
の下位3ビツト3,2,1が“111”のとき条
件が成立する。これはサンブリング用の各信号H
0〜H7における最後の1キータイムを示す。信
号25T32は1キータイムにおける第25から第
32タイムスロツトまでのタイムスロツトの間
“1”となるものである。従つて、信号N7,2
5T32は各信号H0〜H7の最後の8タイムス
ロツトにおいて“1”となる。 第7図において、制御回路111〜117には
デコーダ29(第3図)の出力信号H0〜H7が
供給されており、この信号H0〜H7と前記信号
N7,25T32にもとづいてマルチプレクスと
デマルチプレクスを同時に制御する。各制御回路
111〜117はマルチプレクス用アンド回路1
24,125、デマルチプレクス用アンド回路1
26,127、及びホールド用アンド回路12
8,129を含んでいる。或るサンプリングタイ
ミングの最後の8タイムスロツトにおいて、その
次のサンプリングタイミングに対応するレジスタ
(101〜107のうち1つ)の記憶データがマ
ルチプレクス用アンド回路124,125を介し
て選択されてA/D変換器18のデータレジスタ
100(第6図)に供給されると同時に、そのサ
ンプリングタイミングでA/D変換したデータが
デマルチプレクス用アンド回路126,127を
介してそのサンプリングタミングに対応するレジ
スタ(101〜107のうち1つ)に取り込まれ
る。このようなレジスタ101〜107に対する
デマルチプレクス及びマルチプレクス制御は、イ
ニシヤルタツチ検出のための約10msの待ち時間
以外のときに実行される。そのために、制御回路
111〜117内の各アンド回路121,12
2,123にはイニシヤルセンシング信号ISの反
転信号がインバータ130から与えられ、ISが
“0”のときに可能化されるようになつている。
また、各アンド回路121,122,123には
信号N7,25T32が共通に入力される。各ア
ンド回路121,122,123には信号H0,
H1,H2が各別に入力され、更に各制御回路1
13〜117のアンド回路123と同等のアンド
回路には信号H3〜H7が各別に入力される。 信号H0が“1”のとき、第9図に示すように
アナログ電圧マルチプレクサ16(第6図)はど
のボリユームV1〜V8の電圧もサンプリングし
ない。従つて、このときはA/D変換器18では
A/D変換動作を行なわない。信号H0の最後の
8タイムスロツトにおいて信号N7,25T32
が“1”となると、アンド回路121(第7図)
の条件が成立し、このアンド回路121からアン
ド回路124及びオア回路131に対して“1”
が与えられる。従つて、オア回路131の出力信
号TiMは第10図bのように発生する。同図a
は信号H0からH1へ変化するタイミングを拡大
して示したものである。尚、オア回路131の他
の入力には各制御回路111〜117におけるア
ンド回路121と同等のアンド回路122,12
3の出力が夫々与えられる。尚、第10図、その
他のタイミングチヤートにおいて、パルス中に記
す「25〜32」等の数字はタイムスロツトの順位を
示す。 アンド回路124の他の入力にはレジスタ10
1の最終ステージから出力されるシリアルな8ビ
ツトデイジタルデータが与えられる。このシリア
ルデイジタルデータは、第25乃至第32タイムス
ロツトの間では最下位ビツト(以下LSBという)
から最上位ビツト(以下MSBという)まで順次
に並んでいる。アンド回路124が第10図bに
示す信号TiMと同じ8タイムスロツトの間可能
化されることによりレジスタ101に記憶してい
る8ビツトデイジタルデータはこの信号TiMに
同期してアンド回路124でサンプリングされ、
オア回路132に与えられる。オア回路132の
出力ODD(オールドデイジタルデータ)は第6図
のA/D変換器18に供給され、オア回路133
及び加算器134を経由してデータレジスタ10
0にロードされる。従つて、次のサンプリング信
号H1が“1”に立上るときにはデータレジスタ
100にはレジスタ101のデータ(これを
VBRで示す)が転送されてきている。尚、オア
回路132(第7図)には各制御回路111〜1
17のマルチプレクス用アンド回路124,12
5の出力が夫々印加される。各レジスタ101〜
107のデータをVBR,VBD,KVBD,DVER
(またはDEL)、SRM及びSRE,ATL,STRで
示すとすると、各サンプリングタイミングの冒頭
でデータレジスタ100から出力されるデータは
第9図cのようになる。すなわち、第9図bに示
すようにサンプリングされる各ボリユームV1〜
V7のアナログ電圧の前回サンプリングタイミン
グにおけるデイジタル変換結果が、同じボリユー
ムV1〜V7の今回サンプリングタイミングに対
応してデータレジスタ100から出力される。 一方、第7図のオア回路131から出力された
信号TiMは第6図のA/D変換器18に与えら
れる。この信号TiMはインバータ135で反転
され、アンド回路136を動作不能にする。アン
ド回路136はデータレジスタ100のデータを
ホールドするためのもので、オールドデータ
ODDをロードするとき信号TiMによつてレジス
タ100のホールドを禁止する。信号TiMは3
段の遅延フリツプフロツプ(シフトレジスタ)1
37に入力される。このフリツプフロツプ137
はタイミング信号6y8で入力信号をロードし、
信号1y8に同期して出力を切換える。従つて、
その第1ステージの出力信号TiM1は第10図
cに示すように信号H1の立上りの第1乃至第8
タイムスロツトの間で“1”となり、その第2及
び第3ステージ出力をオア回路138でまとめた
信号TiM2+3は第10図dのように信号TiM1
の立下り直後の第9乃至第24タイムスロツトの間
で“1”となる。 第6図において、データレジスタ100は1ビ
ツト分の全加算器134と共に8ビツトのシリア
ルカウンタを構成している。ラツチ回路139は
信号1y8Sのタイミングでレジスタ100の各
ステージの出力(すなわちカウント値)を並列的
にラツチするためのものである。信号1y8Sが
発生する第1、第9、第17、第25タイムスロツト
においてレジスタ100の第1ステージ乃至第8
ステージにはMSBからLSBまでのデータが順に
並んでおり、これがラツチ回路139にラツチさ
れる。第10図eに示すように、信号H1の立上
りの8タイムスロツトにおいては、ラツチ回路1
39の内容はレジスタ101(第7図)のデータ
VBRを示している。このラツチ回路139の内
容は、カウント値(レジスタ100の内容)の変
化に応じて8タイムスロツト毎に変化する。 ラツチ回路139の出力はD/A変換回路11
9に与えられ、アナログ電圧に変換される。比較
器110は入力AとBを比較し、B≧Aのとき、
つまりマルチプレクサ16から入力Bに与えられ
るアナログ電圧の値がデータレジスタ100のデ
ータの値と同じかそれよりも大きいとき、“1”
を出力する。この比較器10の出力は遅延フリツ
プフロツプ140に与えられ、信号1y8に同期
して8タイムスロツト遅延して出力される。この
フリツプフロツプ140の出力はインバータ14
1で反転され、ダウンカウント用のアンド回路1
42に印加される。また、フリツプフロツプ14
0の出力はイニシヤルタツチ検出時におけるアツ
プカウント用のアンド回路143に印加される。
アンド回路144は通常のA/D変換動作時にお
けるアツプカウント用である。 第7図のインバータ130から第6図のA/D
変換器18にイニシヤルセンシング信号ISの反転
信号が与えられている。この信号はアンド回
路142及び144に加えられ、イニシヤルタツ
チ検出時以外のときつまり通常のA/D変換動作
時にこれらの回路142,144を動作可能にす
る。信号をインバータ145で反転した信号IS
がアンド回路143に印加されており、イニシヤ
ルタツチ検出時にこの回路143を可能にする。 通常のA/D変換動作時は、比較器110の比
較結果に無関係に、信号TiM1のタイミングで
データレジスタ100の内容を1カウントアツプ
する。すなわち、信号TiM1と信号1y8がア
ンド回路144に入力されており、信号TiM1
が立上る第1タイムスロツトにおいて該アンド回
路144の出力が“1”となる。アンド回路14
4の出力“1”はオア回路146を介して加算器
134の入力Aに加わる。信号TiM1が“1”
のとき信号TiMは“0”であり、データレジス
タ100の出力がアンド回路136、オア回路1
33を介して加算器134の入力Bに加わる。信
号1y8のタイミングではレジスタ100にロー
ドしたデータVBRの最下位ビツトが加算器13
4の入力Bに加わる。従つて、最下位ビツトに
“1”が加算される。キヤリイアウト信号がある
場合は1タイムスロツト遅れてキヤリイアウト出
力C0+1から“1”が出力され、アンド回路1
47を介して入力Ciに加わる。最下位ビツトのタ
イミングでキヤリイアウト信号が加算されること
のないようにするために、信号1y8によつてア
ンド回路147を動作不能にするようになつてい
る。こうして、第10図fに示すTiM1の区間
で前回のデータVBRに1が加算される。この加
算結果「VBR+1」が次のTiM2の区間の間ラ
ツチ回路139にラツチされる(第10図e)。 第10図fのTiM2の区間では、データ
「VBR+1」のアナログ電圧(A)とボリユームV1
の現在のアナログ電圧(B)とを比較器110で比較
し、「B≧A」が成立したときは加算も減算も行
なわず「VBR+1」をレジスタ100で保持す
る。他方、「B≧A」が成立しないときつまり
「A>B」のときは、データ「VBR+1」から1
を減算する。「A>B」ときは遅延フリツプフロ
ツプ140の出力が“0”であり、インバータ1
41からアンド回路142に“1”が与えられ
る。このアンド回路142にはオア回路138か
ら信号TiM2+3が与えられており、区間TiM
2及びTiM3(第10図f参照)のとき動作可
能となる。区間TiM2においてアンド回路14
2の条件が成立すると、区間TiM2の間中(8
タイムスロツトの間)アンド回路142の出力が
“1”となる。このアンド回路142の出力“1”
はオア回路146を介して加算器134の入力A
に与えられる。従つて、レジスタ100のデータ
「VBR+1」の全ビツトに“1”が加算され、事
実上の1カウントダウンが行なわれる。従つて、
区間TiM2の演算によつてレジスタ100に得
られるデータの値は「VBR+1」または「VBR
(=VBR+1−1)」のどちらかであり、このデ
ータは区間TiM3においてラツチ回路139に
ラツチされる(第10図e参照)。 区間TiM3ではラツチ回路139のデータ
「VBR+1」または「VBR」とボリユームV1
の現在のアナログ電圧とを比較器110で比較
し、「B≧A」が成立したときは加算も減算も行
なわずにレジスタ100の現在値「VBR+1」
または「VBR」を保持する。他方、「A>B」の
ときは前述と同様にアンド回路142から“1”
を出力し、レジスタ100のデータから1を減算
する。この2度目の減算によつてレジスタ100
のデータは「VBR−1(=VBR+1−1−1)」
となる。 区間TiM3が終了すると、信号TiM2+3が立
下り、アンド回路142が動作不能となる。従つ
て、以後のカウント動作は停止する。こうして、
A/D変換動作はサンプリング信号H1の立上り
の3区間TiM1〜TiM3(24タイムスロツト)
の間でのみ行なわれる。 前回のA/D変換によつて求めたデータVBR
の値(A)と今回サンピリングされたボリユームV1
の設定値(B)とが一致している場合、区間TiM1
における1加算によつてレジスタ100の内容が
「VBR+1」となることにより、区間TiM2にお
ける比較ではA>Bが成立し、1減算されてレジ
スタ100の内容が「VBR」となる。区間TiM
3における比較ではA=Bが成立し、1減算は行
なわれない。従つて、最終的には前回と同じデー
タ「VBR」がデータレジスタ100にホールド
される。 前回のA/D変換によつて求めたデータVBR
の値(A)よりも今回サンプリングされたボリユーム
V1の設定値(B)の方が大きい場合、区間TiM1
における1加算によつてレジスタ100の内容が
「VBR+1」となつても比較器110ではB=A
またはB>Aのどちらかが成立するだけである。
従つて、区間TiM2及びTiM3で減算は行なわ
れず、最終的には「VBR+1」がレジスタ10
0にホールドされる。 前回のA/D変換によつて求めたデータVBR
の値(A)よりも今回サンプリングされたボリユーム
V1の設定値(B)の方が小さい場合、区間TiM2
及びTiM3では常にA>Bが成立する。従つて、
1加算の後に1減算が2度行なわれ、最終的には
「VBR−1」がレジスタ100にホールドされ
る。 上述のように、1サンプリング周期(約1ms)
におけるデイジタルデータの最大変化量は±1に
限定されている。これは、ボリユームV1〜V7
によるアナログ設定値が急激に変更されたときこ
れにそのまま応答したのではクリツク等不快な雑
音をもたらす原因となるのでこれを防止するた
め、及び、雑音等によつてアナログ設定値が一時
的に急激に変化したときこれに反応しないように
するため、等の理由による。1サンプリング周期
におけるデイジタルデータの最大変化量は±1に
限らず、要するに滑らかなA/D変換が行なえる
程度であればよい。 また、1回のA/D変換動作において3つの区
間TiM1,TiM2,TiM3で加減算を行なうよ
うにしているが、これはノイズ等によつて比較器
110の出力が不安定な場合にデイジタルデータ
が乱りに変動することを防止するのに役立つ。例
えば、区間TiM2でB≧Aが成立したのに区間
TiM3では成立しないような場合、区間TiM1
にける「+1」と区間TiM3における「−1」
によつて最終的にはデイジタルデータは変化しな
い。 尚、ラツチ回路139の全出力を入力したアン
ド回路148とノア回路149(第6図)は最大
カウント値と最小カウント値を夫々検出するため
のものである。最大カウント値になつたときアン
ド回路148の出力によつてアンド回路143,
144を動作不能にし、アツプカウントを禁止す
る。最小カウント値になつたときはノア回路14
9の出力によつてアンド回路142を動作不能に
し、ダウンカウントを禁止する。 サンプリング信号H1が発生しているときの説
明に戻ると、区間TiM3の終了後はA/D変換
結果であるデイジタルデータがアンド回路13
6、オア回路133、加算器134の入力Bを介
してデータレジスタ100で循環してホールドさ
れる。このレジスタ100のデータはニユーデイ
ジタルデータNDDとして第7図の各制御回路1
11〜117のデマルチプレクス用アンド回路1
26,127に供給される。信号H1が“1”の
ときは制御回路111のアンド回路122が動作
可能であるが、信号N7,25T32が“0”の
間は条件が成立せず、このアンド回路122の出
力は“0”となつている。アンド回路122の出
力“0”はインバータ150で反転され、ホール
ド用のアンド回路128に与えられる。レジスタ
101のデータVBRはこのアンド回路128及
びオア回路151を介して循環保持される。 信号H1の最後の8タイムスロツトにおいて信
号N7,25T32が“1”となると、アンド回
路122の条件が成立し、このアンド回路122
からアンド回路126に“1”が与えられる。同
時に、アンド回路122の出力“1”は、次のサ
ンプリング信号H2に対応する制御回路112の
マルチプレクス用アンド回路125に加えられる
と共にオア回路131に与えられる。制御回路1
11では、アンド回路122の出力“1”によつ
てホールド用アンド回路128が動作不能とな
り、アンド回路126が動作可能となる。従つ
て、信号H1のタイミングでA/D変換されたボ
リユームV1の設定値を示すニユーデイジタルデ
ータNDDがアンド回路126で選択され、オア
回路151を介してレジスタ101にロードされ
る。アンド回路122は第25から第32タイムスロ
ツトの間“1”を出力し、この間にデータレジス
タ100(第6図)から出力されるデータNDD
は丁度下位ビツトから最上位ビツトまでの8ビツ
トがシリアルに順番に並んでいる。従つて、第25
タイムスロツトから第32タイムスロツトの間でニ
ユーデイジタルデータNDDがレジスタ101に
順番にロードされことになり、第1タイムスロツ
トにおけるレジスタ101の各ステージの重みは
図中に示すように第1ステージが最上位ビツト
(16/3Hz)であり、ステージが進むにつれて下位
ビツトに移り、第8ステージが最下位ビツト(1/
24Hz)である。 一方、アンド回路122の出力“1”に対応し
てオア回路131から信号TiMが出力され、か
つアンド回路125及びオア回路132を介して
レジスタ102のデータVBDがオールドデイジ
タルデータODDとしてA/D変換器18(第6
図)に与えられる。そして、サンプリング信号が
H2に切換わると、前述と同様の手順で、ボリユ
ームV2に関するA/D変換が行なわれる。以
下、信号H2〜H7に対応して制御回路112〜
117が前述と同様に動作し、各ボリユームV3
〜V7に関するA/D変換が順次行なわれる。こ
うして、各レジスタ101〜107には、各ボリ
ユームV1〜V7の出力に対応するデイジタルデ
ータが夫々記憶される。 尚、デイレイビブラート(ボリユームV4)に
対応するレジスタ104のデータ表示がDVER
とDELの2通り有る理由は、ボリユームV4を
デイレイビブラートの開始時間設定とデイレイビ
ブラート深さ変化のエンベロープの傾き設定の両
方に兼用しているためである。DVERはデイレ
イビブラートにおける深さの時間的変化の速度を
設定するためのデイレイビブラートエンベロープ
レートデータであり、その重みはレジスタ104
の各ステージブロツク内の下側に示されている。
この重みの単位が(Hz)である理由は、エンベロ
ープ変化レートを周波数に換算した速さで示した
ためである。すなわち、エンベロープの開始時か
ら終了時までの時間が周波数表示の1/4周期に対
応している。DELはデイレイビブラート開始時
間データであり、その重みはレジスタ104の各
ステージブロツク内の上側に示されている。この
2つのデータDVER,DELは勿論真理値が異な
つているわけではなく、利用する側での重みづけ
が異なつているだけである。 スラースピード(ボリユームV5)に対応する
レジスタ105のデータ表示がSRMとSREの2
通り有る理由は、ダイナミツクレンジを広くとる
ために8ビツトのデータを仮数部と指数部に分け
て利用するためである。最下位ビツトは利用せ
ず、下位2ビツト目から5ビツト目までを仮数部
M1,M2,M3,M4とし、上位3ビツトを指
数部E1,E2,E3とする。SRMはスラーレ
ート仮数部のデータ表示であり、SREはスラー
レートの指数部のデータ表示である。 第4図のオア回路90から出力されたイニシヤ
ルセンシング信号ISは第7図の遅延フリツプフロ
ツプ152に入力される。2段の遅延フリツプフ
ロツプ152は信号6y8によつて入力信号をロ
ードし、信号1y8に同期して出力状態を切換え
るものである。遅延フリツプフロツプ152の第
1ステージの出力がアンド回路153に加わり、
かつインバータ155で反転されてアンド回路1
54に加わる。第2ステージの出力はアンド回路
154に加わり、かつインバータ130で反転さ
れてアンド回路153に加わる。このインバータ
130の出力が信号として第6図のA/D変換
器18に与えられる。アンド回路153は信号IS
の立上りに対応して8タイムスロツト幅のパルス
を出力し、アンド回路154は信号ISの立下りに
対応して8タイムスロツト幅のパルスを出力す
る。アンド回路153及び154の出力はオア回
路131に加えられ、信号TiMとして第6図の
A/D変換器18に与えられる。信号ISに対応し
て発生する信号TiM及びの状態を第11図に
示す。 第6図において、信号ISの立上りに対応して信
号TiMが“1”となる8タイムスロツトの間で
アンド回路136が動作不能にされ、データレジ
スタ100の全ビツトが“0”にクリアされる。
また、信号が“0”となることによつて第7図
の各制御回路111〜117が動作不能にされ、
各レジスタ101〜107はその記憶データを循
環保持する。かつ、第6図のアンド回路142及
び144が動作不能となり、アンド回路143が
動作可能となる。アンド回路143が可能化され
た最初の8タイムスロツトでは、信号TiMを8
タイムスロツト遅延した信号TiM1が“1”で
あり、インバータ156の出力“0”によつてア
ンド回路143の動作が禁止される。これは信号
ISの立上り時において各信号の状態が安定するの
を待つためであるが、この処理は特に行なわなく
てもよい。アンド回路143の他の入力には信号
1y8と遅延フリツプフロツプ140の出力が加
えられる。従つて、比較器110で「B≧A」が
成立すれば、信号1y8のタイミングでアンド回
路143から“1”が出力され、オア回路146
を介して加算器134の入力Aに与えられる。前
述の通り、この信号1y8のタイミングはデータ
レジスタ100のデータの最下位ビツトのタイミ
ングである。従つて、アンド回路143から信号
1y8のタイミングで1パルス与えられる毎に
(約4μs毎に)データレジスタ100の内容が1カ
ウントアツプされる。 前述の通り、イニシヤルセンシング信号ISが発
生している間はマルチプレクサ16でボリユーム
V8のアナログ電圧を持続して選択する。従つ
て、ボリユームV8で感度調整されたタツチ検出
信号が比較器110の入力Bに専ら与えられる。
データレジスタ100は初めにオール“0”にク
リアされるので、初めは比較器110で「B≧
A」が成立する。データレジスタ100の値がタ
ツチ検出信号の値に一致するまで、信号1y8が
発生する毎に急速に該レジスタ100の内容がカ
ウントアツプされる。データレジスタ100のカ
ウント値がタツチ検出信号の値に一致すると、比
較器110で「B=A」が成立する。これにもと
づきレジスタ100の内容が更に1カウントアツ
プされた後、比較器110で「B<A」が成立
し、アンド回路143が動作不能にされ、カウン
トが停止する。その後、タツチ検出信号のレベル
が下がつたとしてもデータレジスタ100のダウ
ンカウントは行なわれないので、ピーク値が保持
されることになる。また、タツチ検出信号がデー
タレジスタ100の値よりも更に大きくなつた場
合は比較器110で「B≧A」が成立し、追加の
カウントアツプが行なわれる。こうして、イニシ
ヤルセンシング信号ISが発生している間のタツチ
検出信号のピーク値に相当するデイジタルデータ
がデータレジスタ100でホールドされる。この
データレジスタ100にホールドされたピーク値
のデータはデータNDDのラインを介して第7図
の制御回路118内のアンド回路157に与えら
れる。 鍵押圧開始時から約10msが経過してイニシヤ
ルセンシング信号ISが立下ると、第7図のアンド
回路154の出力が第25乃至第32タイムスロツト
に同期して8タイムスロツト間“1”となる。こ
のアンド回路154の出力“1”はアンド回路1
58に与えられる。アンド回路158の他の入力
には、第4図のフリツプフロツプXKQの出力
XKQSが2段の遅延フリツプフロツプ159を
介して加えられる。この遅延フリツプフロツプ1
59は遅延フリツプフロツプ152の出力タイミ
ングに同期させるためのものである。アンド回路
158はイニシヤルタツチ検出時間終了時に何ら
かの鍵が押圧されていること(XKQSば“1”)
を条件に8タイムスロツトの間“1”を出力す
る。このアンド回路158の出力“1”によつて
アンド回路157が動作可能となり、データレジ
スタ100(第6図)にホールドされているタツ
チ検出信号のピーク値データ(NDD)を通過さ
せ、オア回路160を介してレジスタ108にロ
ードする。また、アンド回路154の出力“1”
に対応してオア回路131から第6図のインバー
タ135に与えられる信号TiMによつてデータ
レジスタ100にホールドしていたピーク値デー
タがクリアされる。アンド回路154の出力が
“1”となる8タイムスロツトの間にレジスタ1
08(第7図)に対応するピーク値データのロー
ドが完了し、該アンド回路154の出力が“0”
に立下るとアンド回路157に代わつてアンド回
路161が動作可能となる。レジスタ108にロ
ードされたタツチ検出信号のピーク値データはこ
のアンド回路161を介して以後ホールドされ
る。こうして、イニシヤルタツチ検出データがレ
ジスタ108にホールドされる。 尚、レジスタ108のデータ表示がAPIとITL
の2通り有る理由は、同じイニシヤルタツチ検出
データをアタツクピツチコントロールとイニシヤ
ルタツチレベルコントロールの両方に使用するた
めである。APIは、アタツクピツチ初期値設定デ
ータであり、その重みはレジスタ108の各ステ
ージブロツク内の上側に記されている。下位3ビ
ツトは切捨てられ、上位5ビツトが約1.2セント
乃至約19セントのピツチずれに対応する。ITL
は、イニシヤルタツチレベル制御データである。 第7図の各レジスタ101〜108に記憶され
たデータのうちピツチコントロール関係のデー
タ、すなわちビブラートレートデータVBR、ビ
ブラート深さデータVBD、アフタータツチビブ
ラート深さデータKVBD、デイレイビブラート
エンベロープレートデータDVER、デイレイビ
ブラート開始時間データDEL、スラーレート仮
数部データSRM、スラーレート指数部データ
SRE、アタツクピツチ初期値設定データAPIは効
果付与回路20(第12図の部分)に供給され
る。レベルコントロール関係のデータ、すなわち
アフタータツチレベル制御データATL、サステ
インレートデータSTR、イニシヤルタツチレベ
ル制御データITLは楽音信号発生部21(第2
図)に供給される。 効果付与回路の説明 図示の都合上、効果付与回路20の詳細例は3
つの部分に分けて第12図、第13図、第14図
に示されている。各図は第2図の回路20のブロ
ツク中に示されたように結合する。効果付与回路
20では、アタツクピツチコントロール、デイレ
イビブラート、アフタータツチビブラート、及び
ノーマルビブラートのための変調信号を夫々形成
する処理、及びスラー効果のために単音モードの
押圧鍵キーコードMKCを変調する処理、を実行
す。まず、アタツクピツチ及びビブラートのため
の変調信号を形成する部分について説明する。 効果付与回路20は、第13図に示す4つの演
算器CUL1,CUL2,CUL3,CUL4を含んで
いる。各演算器CUL1〜CUL4は、システムク
ロツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御される
16ステージ/1ビツトの直列シフトレジスタ16
2,163,164,165と、1ビツト分の全
加算器166,167,168,169と、演算
及び記憶動作制御用の論理回路170〜196
(アンド回路)、197〜204(オア回路)とを
夫々具えており、シリアル演算を行なう。演算器
CUL2は変調信号の瞬時値を示すデータVALを
求めるものである。演算器CUL1は変調信号の
周波数を示すデータを繰返し演算して演算器
CUL2における演算タイミングを示す信号を発
生するものである。演算器CUL3は変調信号の
エンベロープ(深さ)の瞬時値を示すデータ
ENVを求めるものである。このデータENVを所
定ビツトシフトして変調信号の変化幅を示す微小
値△ENVとして利用する。演算器CUL2におい
て、この変化幅△ENVを演算器CUL1からのタ
イミング信号に応じて繰返し演算することにより
変調信号の瞬時値を示すデータVALを求める。
演算器CUL4は、後述するように多目的に使用
される。 第15図aは、アタツクピツチ、デイレイビブ
ラート、ノーマルビブラートにおける変調信号及
びそのエンベロープ(深さ)の一例を示すもので
ある。この図を参照して変調信号の形成法の概略
を説明する。第15図aの横軸は時間、たて軸は
正規周波数(0セント)からのピツチずれをセン
ト値によつて示す。 アタツクピツチの初期値は負の値(正規周波数
の低音側のピツチずれ)「−APiS」である。この
アタツクピツチ初期値の絶対値「APiS」は、レ
ジスタ108(第7図)から与えられるアタツク
ピツチ初期値設定データAPIにROM22(第2
図)から与えられる音色に対応したアタツクピツ
チ初期値係数APSを乗算したものである。前述
の通り、データAPIは鍵のイニシヤルタツチに対
応したものであるので、アタツクピツチ初期値
APiSはイニシヤルタツチに応じて制御されるこ
とになる。アタツクピツチにおけるエンベロープ
の初期値もアタツクピツチ初期値APiSと同じで
ある。演算器CUL3(第13図)にエンベロー
プ瞬時値ENVの初期値としてAPiSをプリセツト
し、以後、この初期値APiSを下位桁にnビツト
シフト(2-n倍)した微小値△APiSを、ROM2
2(第2図)から与えられる音色に対応したアタ
ツクピツチエンベロープレートデータAPERに応
じた時間間隔で繰返し減算することにより、徐々
に減衰するエンベロープの瞬時値ENVが求めら
れる。演算器CUL4で上記エンベロープレート
データAPERを規則的にアキユムレートし、その
最上位ビツトからのキヤリイアウト信号の発生タ
イミングによつて演算器CUL3における上記減
算の繰返し時間間隔を定める。△APiSはイニシ
ヤルタツチに対応したものであるので、アタツク
ピツチのエンベロープもイニシヤルタツチに応じ
て制御されることになる。一方、演算器CUL2
では、変調信号瞬時値VALの初期値として「−
APiS」をプリセツトし、エンベロープ瞬時値
ENVを下位桁にnビツトシフト(2-n倍)した微
小値△ENVを、ROM22(第2図)から与えら
れる音色に対応したアタツクピツチレートデータ
APRに応じた時間間隔で繰返し加算もしくは減
算することにより、変調信号の瞬時値VALを求
める。VALの初期値は負の値「−APiS」である
ので、初めは加算を行ない、VALを徐々に大き
くする。値VALが値ENVに達したとき減算に切
換える。以後、加算と減算を交互に行ない、エン
ベロープ値ENVの範囲内で値VALが繰返し折返
すようにする。演算器CUL1で上記レートデー
タAPRを規則的にアキユムレートし、その最上
位ビツトからのキヤリイアウト信号の発生タイミ
ングによつて演算器CUL2における上記加算ま
たは減算の時間間隔を定める。エンベロープ値
ENVが0セントになつたときアタツクピツチコ
ントロールが終了する。 アタツクピツチあるいはスラーが終了したとき
演算器CUL4でデイレイビブラート開始までの
時間がカウントされる。このカウント時間が、レ
ジスタ104(第7図)に記憶されたデイレイビ
ブラート開始時間DELに一致すると、デイレイ
ビブラートが開始する。。 デイレイビブラートにおけるエンベロープ(深
さ)は0セントから始まり、レジスタ102(第
7図)から与えられるビブラート深さデータ
VBDに対応するセント値まで徐々に増大する。
演算器CUL3では、深さデータVBDを下位桁に
nビツトシフトした微小値△VBDを、レジスタ
104(第7図)から与えられるデイレイビブラ
ートエンベロープレートデータDVERに応じた
時間間隔で繰返し加算することにより、徐々に増
大するエンベロープ瞬時値ENVを求める。上記
エンベロープレートデータDVERに対応する値
が演算器CUL4でアキユムレートされ、そのキ
ヤリイアウト信号によつて演算器CUUL3におけ
る計算時間間隔が設定される。一方、演算器
CUL2では、エンベロープ瞬時値ENVをシフト
した微小値△ENVを、レジスタ101(第7図)
から与えられるビブラートレートデータVBRに
応じた時間間隔で繰返し加算または減算すること
により、変調信号の瞬時値VALを求める。上記
レートデータVBRは演算器CUL1でアキユムレ
ートされ、そのキヤリイアウト信号によつて演算
器CUL2における計算時間間隔が設定される。 演算器CUL3のエンベロープ瞬時値ENVが深
さデータVBDに対応するセント値に達するとデ
イレイビブラートが終了し、ノーマルビブラート
に移行する。ノーマルビブラートにおいては、演
算器CUL3で深さデータVBDに対応する一定の
エンベロープ値ENVを保持し、演算器CUL1,
CUL2では上述のデイレイビブラートのときと
同じ処理を行なう。第15図aには示してない
が、アフタータツチビブラートにおいては、演算
器CUL3のエンベロープ値ENVをレジスタ10
3(第7図)から与えられるアフタータツチビブ
ラート深さデータKVBDに対応する値とし、デ
イレイビブラートあるいはノーマルビブラートの
ときと同じように演算器CUL1,CUL2を動作
させる。尚、この実施例では、ノーマルビブラー
トあるいはアフタータツチビブラートが奏者によ
つて選択された場合はデイレイビブラートはかか
らないようになつている。また、この実施例で
は、第15図aに示されているように、デイレイ
ビブラート、ノーマルビブラート及びアフタータ
ツチビブラートのときのピツチずれの深さは高音
側と低音側とでは非対称になつている。すなわ
ち、高音側の深さVBDに対して低音側の深さは
1/2VBDとなつている。このような非対称の深さ
設定は、自然楽器に近い、好ましいビブラートを
もたらす。 第13図の各演算器CUL1〜CUL4において、
シリアル演算は第1乃至第16タイムスロツトの間
で行なわれる。各レジスタ162〜165内の16
ビツトのデータは第1乃至第16タイムスロツトの
間で最下位ビツトから順番に出力される。各ビツ
トのシリアル演算結果は第1乃至第16タイムスロ
ツトの間で加算器166〜169から出力され、
各レジスタ162〜165に取り込まれる。こう
してレジスタ162〜165内のデータは16タイ
ムスロツト毎に循環する。第16タイムスロツトに
おける最上位ビツトの演算によるキヤリイアウト
信号が第17タイムスロツトにあらわれる最下位ビ
ツトデータに加算されないようにするために、加
算器166〜169のキヤリイアウト出力C0
1を入力Ciに与えるためのアンド回路170,1
75,183,191に信号1732が加えら
れる。この信号1732は信号17y32の反
転信号であり、第17タイムスロツトで“0”、そ
れ以外のタイムスロツトで“1”である。 第13図において、各シフトレジスタ162〜
165の各ステージ内に記された数字は、第1タ
イムスロツト及び第17タイムスロツトのときの各
ステージ内のデータの重みを示すものである。
夫々の重み表示の単位は、レジスタ162が
「Hz」、163及び164が「セント」、165の
上側が「Hz」、下側が「ms」である。レジスタ1
62の上側の重み表示は、演算器CUL1をアタ
ツクピツチレートデータAPRのアキユムレート
に用いるときの重みを示す。例えば第7ステージ
の「1」は1Hzの重みを示す。レジスタ162の
下側の重み表示は、演算器CUL1をビブラート
レートデータVBRのアキユムレートに用いると
きの重みを示す。例えば第7ステージの「4/3」
は4/3Hzを示す。アタツクピツチのときとビブラ
ートのときとで重みが異なる理由は、ビブラート
のときは前述の非対称形の深さ設定を行なうため
である。レジスタ165の上側の重み表示は演算
器CUL4をエンベロープレートデータAPER,
DVER(更にSLR)のアキユムレートに用いると
きの重みを示す。下側の重み表示は演算器CUL
4をデイレイビブラート開始時間のカウントに用
いるときの重みを示す。レジスタ163の第1ス
テージの「S」はサインビツトを示す。変調信号
の瞬時値VALは負の値にもなるので、正負を区
別するためにサインビツトSが存在する。尚、負
の値は2の補数で表わされる。次に各制御の詳細
を説明する。 (1) アタツクピツチコントロール 第13図の各演算器CUL1〜CUL4の動作を
制御するために第14図に遅延フリツプフロツプ
222〜227が設けられている。これらのフリ
ツプフロツプ222〜227は、信号1T8(第
5図)のタイミングで入力信号を取り込み17T
24(第5図)のタイミングで出力状態を切換え
るものである。これらのフリツプフロツプのう
ち、222,223及び225がアタツクピツチ
コントロールのときに動作する。 前述の通り、アタツクピツチコントロールを行
なうべき条件が成立したとき、イニシヤルセンシ
ング信号ISの立下りに対応してアタツクピツチス
タート信号ASが単音キーアサイナ14A(第4
図)から出力される。このアタツクピツチスター
ト信号ASは第14図のアンド回路211に加わ
ると共にインバータ214で反転される。インバ
ータ214の出力はアンド回路205〜209,
212に加わる。第16図に示すように、イニシ
ヤルセンシング信号ISは第16タイムスロツトで立
下り、アタツクピツチスタート信号ASはその直
後の第17タイムスロツトから次の第16タイムスロ
ツトまでの32タイムスロツトの間“1”となる。
信号ASに対応してアンド回路211の出力が
“1”となり、オア回路1,4,6及び7に与え
られる。オア回路4の出力はフリツプフロツプ2
25に与えられる。信号ASが立上つたときから
32タイムスロツト後にフリツプフロツプ225の
出力が“1”に立上り、以後、アンド回路210
及びオア回路4を介して自己保持される。このフ
リツプフロツプ225の状態をAPQなる符号で
示す。オア回路4の出力がAPQ信号に相当する。
APQ信号が“1”のとき、効果付与回路20
(第12〜14図)内の各回路に対してアタツク
ピツチコントロールを実行するように指示する。 オア回路1の出力はフリツプフロツプ222で
32タイムスロツト遅延され、USET(アツプセツ
ト)信号として出力される。オア回路7の出力は
インバータ228で反転されて信号として
利用されると共に、遅延フリツプフロツプ223
で32タイムスロツト遅延される。このフリツプフ
ロツプ223の出力はインバータ229で反転さ
れ、信号として利用される。また、アンド
回路211の出力はAPSET信号として利用され
る。 従つて、アタツクピツチスタート信号ASにも
とづいて発生される各信号APQ、USET、、
SETD、APSETの状態は第16図のようになる。
また、第15図bには上記各信号の状態を第15
図aのタイムスケールに合わせて示したものが示
されている。 信号は第13図のアンド回路174,1
77〜180,182,184〜187,19
0,196に加えられ、各演算器CUL1〜CUL
4の古いデータをクリアする。USET信号は第1
3図のオア回路230を介して遅延フリツプフロ
ツプ231に加えられる。このフリツプフロツプ
231は第14図のフリツプフロツプ222〜2
27と同様に信号1T8,17T24によつて制
御される。このフリツプフロツプ231の内容は
アンド回路232または233を介して自己保持
される。初めはアンド回路232が動作可能とな
つており、USET信号によつてフリツプフロツプ
231に取り込まれた“1”が該フリツプフロツ
プ231で自己保持される。このフリツプフロツ
プ231で保持している信号UPQは演算器CUL
2の加減算方向を指示するものであり、UPQが
“1”のときはアツプカウント(U)を指示し、
“0”のときはダウンカウント(D)を指示する。 信号は第13図における比較器COM1
の出力用アンド回路234,235及び第14図
における比較器COM2の出力用アンド回路23
6,237に入力される。第14図の各フリツプ
フロツプ224〜227の状態切換えが比較器
COM1,COM2によつて制御されるようになつ
ているため、これらのフリツプフロツプ224〜
227に“1”をセツトしたばかりのときは比較
出力を禁止するためである。 APQ信号は第14図のアンド回路240,2
44及び第13図のアンド回路171,184,
185,186,194,217に与えられる。
アタツクピツチの場合は、このAPQ信号が入力
されたこれらのアンド回路によつて演算器CUL
1〜CUL4及び比較器COM1,COM2が制御
される。 APSET信号は第13図のアンド回路176,
181,188に入力される。このAPSET信号
は演算器CUL2及びCUL3にアタツクピツチ初
期値をロードするためのものである。尚、第14
図のオア回路6にはアンド回路205〜213の
出力がすべて入力されており、アタツクピツチあ
るいはデイレイビブラートあるいはスラーの処理
をしている間は常に“1”を出力する。このオア
回路6の出力信号ANYQが第13図のアンド回
路190に入力されており、演算器CUL3にお
ける時間的に変化するデータENVの演算を可能
にしている。 前述の通り、第7図のレジスタ108では、イ
ニシヤルセンシング信号ISの立下り直後の第25乃
至第32タイムスロツトの間でイニシヤルタツチ検
出データをロードする。このレジスタ108の5
ステージ目からアタツクピツチ初期値設定データ
APIがとり出され、第12図のアンド回路248
に与えられる。信号1T5y8のタイミングでアン
ド回路248を可能にすることにより1.2セント
乃至19セントの重みの5ビツト(第7図108参
照)だけを選択する。このデータAPIを2段の遅
延フリツプフロツプ249で2タイムスロツト遅
延したものをアンド回路250に入力し、1タイ
ムスロツト遅延したものをアンド回路251に入
力し、遅延していないものをアンド回路252に
入力する。ROM22(第2図)から与えられる
係数データAPSは2ビツトAPS1,APS2であり、
これを第17タイムスロツトに同期してラツチ回路
253にラツチする。ラツチ回路253の2ビツ
ト出力はその値“11”または“10”または“01”
をデコードする形式で各アンド回路250〜25
2に与えられ、3通りの状態のデータAPIのいず
れかを選択する。こうして、データAPIが係数デ
ータAPS1,APS2に応じてシフトされ、オア回路
254を介してアタツクピツチ初期値データ
APiSが得られる。このデータAPiSは第16図に
示すように例えば第1乃至第8タイムスロツトの
間では第1乃至第7タイムスロツトの間の7タイ
ムスロツトにおいて有効値があらわれる。前述の
通り、係数データAPS(APS1,APS2)は音色に
対応するものである。従つて、データAPIをAPS
によつてスケーリングすることによりアタツクピ
ツチコントロールのかかり具合が選択された音色
に応じて制御されることになる。もしアタツクピ
ツチを付与しない音色が選択された場合はAPS1
APS2が“00”であり、アンド回路250,25
1,252がすべて不能化され、初期値データ
APiSはオール“0”となり、アタツクピツチが
禁止される。 初期値データAPiSは第13図のアンド回路1
88に与えられると共に、インバータ255で反
転されてアンド回路181及び185に入力され
る。アンド回路188はAPSET信号発生時に信
号9T16(第5図)のタイミングでデータ
APiSを通過し、オア回路203及び加算器16
8の入力Bを介してシフトレジスタ164にロー
ドする。従つて、第17タイムスロツトにおけるレ
ジスタ164の各ステージの重みは図のようにな
る。APSET信号が立下るのと入れ替わりに
信号が立上り、アンド回路190を介してレジス
タ164の初期値APiSがホールドされる。こう
して、エンベロープ瞬時値データENVとしてア
タツクピツチ初期値APiSが演算器CUL3(レジ
スタ164)にプリセツトされる。 アンド回路181はAPSET信号発生時に信号
9T16のタイミングで反転データを通過
し、オア回路200を介して加算器167の入力
Bに与える。APSET信号発生時は、信号9y3
2のタイミングでアンド回路176から“1”が
出力され、オア回路198を介して加算器167
の入力Ciに与えられる。信号9y32は、信号9
T16のタイミングで選択される反転データ
APiSの最下位ビツトのタイミングを示しており、
加算器167では反転データに「1」を加
算して、初期値データAPiSの2の補数を求める
演算を行なう。こうして2の補数で表わされた負
の初期値データ「−APiS」が変調信号瞬時値
VALとして演算器CUL2(レジスタ163)に
プリセツトされる。 演算器CUL4では、ROM22(第2図)から
与えられるアタツクピツチエンベロープレートデ
ータAPERがアンド回路194に入力される。こ
のデータAPERは第17タイムスロツト乃至第16タ
イムスロツトのシリアル演算1サイクルに同期し
てシリアルに与えられるものとする。APQ信号
の発生中は、このデータAPERがアンド回路19
4、オア回路204を介して加算器169の入力
Aに繰返し与えられる。また、加算器169の出
力Sを16タイムスロツト遅延させたシフトレジス
タ165の出力ERDTが信号の発生中は常
にアンド回路196を介して加算器169の入力
Bに与えられる。従つて、データAPERが演算器
CUL4で繰返し加算される。16ビツトの演算器
CUL4のモジユロ数は216であり、216/APER回
の加算が行なわれる毎に最上位ビツトからキヤリ
イアウト信号が発生する。加算器169のキヤリ
イアウト出力C0+1はラツチ回路256に入力
される。ラツチ回路256は信号17y32Sに
よつてラツチ制御される。最上位ビツトの演算タ
イミングは第16タイムスロツトであるため、最上
位ビツトのキヤリイアウト信号は1タイムスロツ
ト遅れの第17タイムスロツトで出力C0+1か
ら出力される。従つて、第17タイムスロツトで発
生する信号17y32Sによつてラツチ制御する
ことにより、ラツチ回路256では演算器CUL
4の最上位ビツトのキヤリイアウト信号が32タイ
ムスロツトの間保持される。 尚、演算器CUL1〜CUL4のシリアル演算タ
イミングは第17図aのようになつている。各レ
ジスタ162〜165にストアされる16ビツトデ
ータの最下位ビツト(LSB)から最上位ビツト
(MSB)までのシリアル演算が第1乃至第16タイ
ムスロツトで順次行なわれる。次の第17乃至第32
タイムスロツトでは演算は行なわれず、演算結果
が循環保持される。信号9T16のタイミングで
選択された前述の初期値「−APiS」、「APiS」
は、第17図bに示すように第9乃至第16タイム
スロツトにおいて上位8ビツトの重みで各演算器
CUL2,CUL3にロードされたことになる。 ラツチ回路256で32タイムスロツト幅に拡大
されたキヤリイアウト信号は演算器CUL3のア
ンド回路184,185,186に入力される。
これらのアンド回路184,185,186は
APQ信号及び信号によつて可能化されてい。
アンド回路185はインバータ255から与えら
れるアタツクピツチ初期値APiSの反転データ
APiSを信号1T8のタイミングで選択し、オア
回路202を介して加算器168の入力Aに与え
る(第17図c参照)。アンド回路184は信号
1y32のタイミングでオア回路201を介して
加算器168の入力Ciに“1”を与える(第17
図c参照)。その結果、信号1T8のタイミング
で選択した反転データの最下位ビツト(第
1タイムスロツトのタイミング)に1が加算さ
れ、APiSの2の補数すなわち−APiSが求まる
(第17図c参照)。アンド回路186は信号9T
16のタイミングでオア回路202を介して加算
器168の入力Aに“1”を与える(第17図
c)。その結果、第1乃至第8タイムスロツトの
「−APiS」に対して第9乃至第16タイムスロツト
でオール“1”が追加され、APiSを8ビツト下
位にシフトした(2-8倍した)微小値△APiSの2
の補数「−△APiS」が求まる。 アンド回路190、オア回路203及び加算器
168の入力Bを介して循環するシフトレジスタ
164のデータENVに対して上記微小値「−△
APiS」が加算される(△APiSが減算される)。
この加算は演算器CUL4の最上位ビツトからキ
ヤリイアウト信号が1回発生する毎に1回の割合
いで実行される。当初、データENVとしてはア
タツクピツチ初期値APiSがプリセツトされる。
従つて、演算器CUL4のキヤリイアウト信号が
発生する毎にAPiSから△APiSを順次減算してい
つたものがデータENVの現在値である。△APiS
を1回減算する時間間隔は演算器CUL4でアキ
ユムレートするデータAPERの値に応じて定ま
る。前述の通り、演算器CUL4で216/APER回
の加算が行なわれる毎にキヤリイアウト信号がラ
ツチ回路256にラツチされるので、演算器
CUL3で△APiSを1回減算する時間間隔は
「16μs/×216/APER」である。例えば、データ
APERの値をHzで示せば、CUL4のモジユロ数
216のHz表示が64(=216×1/1024)Hzであるため、
64(Hz)/APER(Hz)回の加算が行なわれる毎に演算器 CUL4からキヤリイアウト信号が発生し、△
APiSの計算周期は「16μs×64(Hz)/APER
(Hz)」と表わせる。以上のようにして、第15図
aのアタツクピツチ部分に示すように徐々に減少
するエンベロープデータENVが演算器CUL3で
求まる。 一方、演算器CUL1のアンド回路171には
ROM22(第2図)からアタツクピツチレート
データAPRが与えられており、APQ信号の発生
中はこのデータAPRが加算器166の入力Aに
常に加えられる。前述のデータAPERと同様に、
このデータAPRも、第17乃至第16タイムスロツ
トのシリアル演算1サイクルに同期してシリアル
に与えられるものである。また、信号の発
生中は、加算器166の出力Sを16タイムスロツ
ト遅延したシフトレジスタ162の出力がアンド
回路174を介して加算器166の入力Bに常に
与えられる。従つて、データAPRが演算器CUL
1で16μs(32タイムスロツト)毎にアキユムレー
トされる。このアキユムレートによつて生じる最
上位ビツトのキヤリイアウト信号は信号17y3
2Sのタイミングでラツチ回路257にラツチさ
れ、32タイムスロツト幅に拡張される。演算器
CUL1の最上位ビツトからキヤリイアウト信号
が発生する時間間隔は前述と同様に「16μs×
216/APR」である。APRをHz表示に置換えれ
ば、モジユロ数216のHz表示が128(=216×1/512)
Hzのため「16μs×128(Hz)/APR(Hz)」と表わ
せる。 ラツチ回路257の出力は演算器CUL2のア
ンド回路177〜180に与えられる。これらの
アンド回路177〜180は信号によつて
可能化される。アンド回路177〜179はダウ
ンカウント(減算)用であり、UPQ信号をイン
バータ258で反転した信号が与えられる。アン
ド回路180はアツプカウンント用であり、
UPQ信号が与えられる。前述の通り、初めは
USET信号によつてUPQ信号が“1”にセツト
されており、アンド回路180が動作可能となつ
ている。アンド回路180にはシフトレジスタ1
64の9ステージ目の出力△ENVが与えられて
おり、これを信号1T8のタイミングで選択し、
オア回路199を介して加算器167の入力Aに
与える。 第1タイムスロツトのときレジスタ164の各
ステージの重みは図中に示すようになつているの
で、信号1T8によつて第1乃至第8タイムスロ
ツトの間でレジスタ164の第9ステージの出力
△ENVを選択することにより、データENVの8
ビツト目から15ビツト目までの重みのデータを7
ビツト下位にシフトしたものを選択することがで
きる。すなわち、第1乃至第8タイムスロツトの
間でアンド回路180で選択されるデータ△
ENVは演算器CUL3のエンベロープデータENV
を7ビツト下位にシフトした(2-7倍した)微小
値である。このシフト状態を図に示すと第17図
dのようになる。すなわち、演算器CUL3では
第8乃至第15タイムスロツトのタイミングでシリ
アル演算される重みをもつているデータENVの
上位8ビツト部分が、7タイムスロツト早く取り
出されることにより7ビツト下位の第1乃至第8
タイムスロツトの演算タイミングにシフトされて
微小値データ△ENVとなる。 演算器CUL2のデータVALは、アンド回路1
82、オア回路200、加算器167の入力B及
びシフトレジスタ163を介して循環しており、
このデータVALに対して上記微小値△ENVが加
算される。この加算は演算器CUL1の最上位ビ
ツトからキヤリイアウト信号が1回発生する毎に
1回の割合いで行なわれる。当初、データVAL
としては負のアタツクピツチ初期値「−APiS」
がプリセツトされている。従つて、この「−
APiS」に対して△ENVが順次加算され、第15
図aのアタツクピツチ部分に示すようにデータ
VALの値が徐々に上昇する。△ENVを繰返し演
算する時間間隔は、演算器CUL1のキヤリイア
ウト信号の発生間隔「16μs×216/APR」であ
り、レートデータAPRによつて定まる。 データVALは信号1T16のタイミングでア
ンド回路215を介して比較器COM1の入力A
に与えられる。演算器CUL2でアツプカウント
を行なつているときは、UPQ信号の“1”によ
つてアンド回路216が可能化される。アンド回
路216は信号1T16のタイミングでエンベロ
ープデータENVを選択し、オア回路221を介
して比較器COM1の入力Bに与える。アツプカ
ウント状態において、VALがENVよりも小さい
とき、すなわち変調信号瞬時値VALがエンベロ
ープ瞬時値ENVに向つて上昇中のとき、比較器
COM1では「A<B」が成立し、アンド回路2
35に出力“1”が与えられ、アンド回路234
には出力“0”が与えられる。尚、アンド回路2
34,235の他の入力に与えられる信号
は通常は“1”である。アンド回路234の出力
“0”はインバータ259で反転され、アンド回
路232に“1”が与えられる。アツプカウント
状態では遅延フリツプフロツプ231の出力は
“1”であり、この出力“1”がアンド回路23
2、オア回路230を介してフリツプフロツプ2
31でホールドされている。VALがENVに到達
し、比較器COM1で「A>B」が成立すると、
アンド回路234から“1”が出力され、インバ
ータ259の出力“0”によつてアンド回路23
2が動作不能となる。これによりフリツプフロツ
プ231がリセツトされ、UPQ信号が“0”と
なり、演算器CUL2がダウンカウントモードと
なる。尚、比較器COM1(及び第14図のCOM
2)は信号17y32に同期して出力状態が切換
わるようになつている。 ダウンカウントモードにおいては、UPQ信号
を反転したインバータ258の出力“1”によつ
てアンド回路177,178,179が動作可能
となる。これらのアンド回路177,178,1
79は、演算器CUL2で利用する加数△ENVを
2の補数に変換する働きをする。データ△ENV
をインバータ260で反転したもの(△)
がアンド回路179に与えられ、信号1T8のタイ
ミングで加算器167の入力Aに与えられる。信
号1T8は前述の通り、データENVを7ビツトシ
フトした微小値△ENVを得るために寄与する。
アンド回路177は信号1y32のタイミングで加
算器167の入力Ciに“1”を与え、反転データ
△ENVの最下位ビツトに1を加算するためのも
のである。アンド回路178は、信号9T16のタ
イミングで加算器167の入力Aに8タイムスロ
ツト分の“1”を与えるためのものである。こう
して、第1乃至第16タイムスロツトにおいて微小
値△ENVの2の補数「−△ENV」が得られる
(第17図e参照)。 ダウンカウントモードにおいては、演算器
CUL1の最上位ビツトのキヤリイアウト信号が
発生する毎に、演算器CUL2においてデータ
VALに「−△ENV」を加算することにより、事
実上、VALから△ENVを減算する。従つて、第
15図aに示すように、データVALはエンベロ
ープデータENVに対応する頂点に達した後、上
昇時と同じレートで徐々に下降する。 ダウンカウントモードでは、アンド回路216
が動作不能となり、アンド回路217,218,
219が動作可能となる。アタツクピツチの場合
は、アンド217,218,219のうち217
だけがAPQ信号によつて可能化される。演算器
CUL3のレジスタ164から出力されるエンベ
ロープデータENVが信号1T16のタイミングでア
ンド回路217を通過し、オア回路220を介し
て補数回路261に与えられる。変調信号瞬時値
VALが下降しているときは負の領域でこのVAL
が折返すので、エンベロープデータENVを負の
値に変換するためにこの補数回路261が設けら
れている。補数回路261は、信号1T16のタイ
ミング(第1乃至第16タイムスロツト)で送り込
まれるエンベロープデータENVの2の補数を求
め、これをオア回路221を介して比較器COM
1の入力Bに与える。データVALの下降中は、
「VAL>−ENV」であるため比較器COM1の
「A<B」は成立せず、ダウンカウントモードが
保持される。データVALがデータENVの負の値
(−ENV)に到達すると、比較器COM1では
「A<B」が成立し、アンド回路235に“1”
が与えられる。このアンド回路235の出力
“1”はアンド回路233に与えられる。ダウン
カウントモードのときは、遅延フリツプフロツプ
231の出力“0”を反転したインバータ262
の出力“1”によつてアンド回路233が可能化
されている。従つて、比較器COM1で「A<B」
が成立したときアンド回路233から“1”が出
力され、フリツプフロツプ231にロードされ
る。また、比較器COM1の「A>B」出力は
“0”となり、インバータ259からアンド回路
232に“1”が与えられる。従つて、フリツプ
フロツプ231の出力“1”はアンド回路232
を介して自己保持される。こうして、UPQ信号
が“1”となり、演算器CUL2はアツプカウン
トモードに切換わる。 以上のようにして、データVALはデータENV
によつて示されたエンベロープの範囲内で上昇と
下降を繰返し、第15図aのアタツクピツチ部分
に示すように徐々に減衰する変調信号(VAL)
が得られる。 一方、演算器CUL3のエンベロープデータ
ENVは第14図のアンド回路238及び240
に供給される。比較器COM2の制御用アンド回
路のうち240と244にAPQ信号が与えられ
ており、データENVはアンド回路240及びオ
ア回路246を介して入力Aに与えられる。アン
ド回路244の他の入力にはタイミング信号
8y32が与えられており、第8タイムスロツト毎
に比較器COM2の入力Bに“1”が与えられる。
第13図に示すレジスタ164の重み表示から明
らかなように、エンベロープデータENVにおけ
る第8タイムスロツトの重みは0.6セントである。
従つて、第8タイムスロツトに対応して“1”を
入力することは、比較器COM2の入力Bに0.6セ
ントを示すデータを入力することを意味する。従
つて、比較器COM2ではエンベロープの現在の
セント値を示すデータENV(入力A)と0.6セン
ト(入力B)とを比較する。尚、当初にレジスタ
164(第13図)にロードされるデータAPiS
の最下位ビツトの重みが1.2セントであるため、
0.6セントとはこの回路では事実上の0セントを
意味する。 データENVがまだ0.6セントに達していないと
きは、比較器COM2では「A>B」が成立し
「A≦B」の出力は“0”である。この出力“0”
がアンド回路237からインバータ263に与え
られ、インバータ263の出力“1”によつてア
ンド回路210が可能化され、APQ信号がホー
ルドされている。 データENVが0.6セント以下(すなわち0セン
ト)になると、比較器COM2で「A≦B」が成
立し、アンド回路237の出力が“1”となる。
これは、アタツクピツチのための深さ設定用エン
ベロープが0セントになつたこと、すなわちアタ
ツクピツチが終了したこと、を意味する。アンド
回路237の出力“1”によりインバータ263
の出力が“0”となり、アンド回路210が動作
不能となる。従つて、APQ信号が“0”となり、
アタツクピツチコントロールが終了する。尚、デ
ータENVは初期値APiSを8ビツト下位シフトし
た値△APiSをこの初期値APiSから順次減算した
ものであるので、28回減算したとき丁度0とな
る。 (2) デイレイビブラート アンド回路237の出力はアンド回路208に
も与えられる。アンド回路208は、フリツプフ
ロツプ225の出力(APQ)によつてアタツク
ピツチ制御中可能化されており、アタツクピツチ
終了時に前記アンド回路237の出力が“1”と
なつたとき条件が成立して“1”を出力する。こ
のアンド回路208の出力“1”はオア回路3,
6,7に入力される。オア回路3の出力“1”に
よつてフリツプフロツプ226に“1”がロード
される。このフリツプフロツプ226の“1”は
アンド回路207、オア回路3を介してホールド
される。このフリツプフロツプ226の状態を
DELQなる符号で示す。オア回路3の出力が
DELQ信号である。DELQ信号が“1”のときデ
イレイビブラート開始時間のカウントを行なう。
このDELQ信号を第15図aに対応したタイムス
ケールで第15図bに示す。 アンド回路208の出力がオア回路7に与えら
れているので、前述のAPQ信号の立上りのとき
と同様に(第16図参照)、DELQ信号の立上り
の32タイムスロツトにおいて信号が“0”
となり、その次の32タイムスロツトにおいて
SETD信号が“0”となる。 尚、アフタータツチビブラート選択スイツチ
KVBS及びノーマルビブラート選択スイツチ
NVBSの出力がオア回路264を介してラツチ
回路265にラツチされ、その出力をインバータ
266で反転した信号+がデイレイビブラー
ト用のアンド回路205〜209に与えられる。
従つて、アフタータツチビブラートあるいはノー
マルビブラートが選択されている場合は信号+
Nが“0”となり、アンド回路205〜209が
すべて不能化され、デイレイビブラートが禁止さ
れる。 また、後述のスラー制御が終了したときアンド
回路209の条件が成立し、前述のアンド回路2
08の条件が成立したときと全く同様にDELQ信
号がセツトされる。すなわち、アタツクピツチ終
了時及びスラー終了時にDELQ信号がセツトされ
る。 DELQ信号は第13図の演算器CUL4のアン
ド回路193に入力される。このCUL4のレジ
スタ165の古いデータは信号の“0”に
よつて予じめクリアされる。DELQ信号の発生中
は演算器CUL4はタイマとして機能する。すな
わち、レジスタ165の各ステージの重みは下側
に示すように512ms、256ms等の時間に対応して
いる。アンド回路193の他の入力には信号1y32が
与えられており、この信号1y32にもとづき第1
タイムスロツトにおいて繰返し(16μs毎に)1が
加算される。従つて、第1タイムスロツトあるい
は第17タイムスロツトにおいてレジスタ165の
第16ステージから出力されるデータの重みが16μs
であり、また第10ステージに来ているデータの重
みが約1ms(詳しくは1024μs)である。こうして、
DELQ信号の立上り時点からの時間経過に対応し
て演算器CUL4の内容ERDTが逐次増加する。
この演算器CUL4のカウントデータERDTは第
14図のアンド回路239に入力される。アンド
回路239は、DELQ信号発生中の信号1T16の
タイミングでデータERDTを選択し、比較器
COM2の入力Aに与える。 一方、第7図のレジスタ104の第8ステージ
から取り出されるデイレイビブラート開始時間デ
ータDELは、第12図,第13図を経由して第
14図のアンド回路243に与えられる。アンド
回路243は、DELQ信号発生中の信号9T16の
タイミングでデータDELを選択し、比較器COM
2の入力Bに与える。8ビツトのデータDELが
16タイムスロツトの演算タイミングのうち上位の
重みの第9乃至16タイムスロツトで選択されるこ
とにより、これらのデータDELは第7図のレジ
スタ104に示したような大きな重みをもつこと
になる。データERDTの値がデータDELよりも
小さいときは、比較器COM2で「A<B」が成
立し、「A≧B」の出力は“0”であり、アンド
回路236からインバータ267に“0”が与え
られ、インバータ267の出力“1”がアンド回
路207に与えられる。従つてフリツプフロツプ
226のDELQ信号がアンド回路207を介して
ホールドされる。 データDELによつて設定された開始時間が到
来すると、ERDT≧DELとなり、比較器COM2
の「A≧B」が成立し、アンド回路236から
“1”が出力される。インバータ267の出力は
“0”となり、アンド回路207が動作不能にさ
れ、DELQ信号が立下る。こうして、デイレイビ
ブラート開始までの時間待ちが終了する。 アンド回路236の出力はアンド回路206に
与えられる。アンド回路206はフリツプフロツ
プ226の出力(DELQ)によつて上記時間待ち
の間可能化されており、上記時間待ち終了時に前
記アンド回路236の出力“1”に対応して
“1”を出力する。このアンド回路206の出力
はオア回路1,2,6,7に入力される。オア回
路2の出力にもとづきフリツプフロツプ227に
“1”がロードされる。このフリツプフロツプ2
27の“1”はアンド回路205、オア回路2を
介してホールドされる。このフリツプフロツプ2
27の状態をDVBQなる符号で示す。オア回路
2の出力がDVBQ信号である。DVBQ信号が
“1”のときデイレイビブラート用の変調信号を
形成する。このDVBQ信号を第15図aに対応
するタイムスケールで第15図bに示す。 アンド回路206の出力がオア回路1及び7に
加えられているので、前述のAPQ信号の立上り
のときと同様に(第16図参照)、DVBQ信号の
立上りの32タイムスロツトにおいて信号が
“0”となり、その次の32タイムスロツトにおい
て信号が“0”となり、かつUSET信号が
“1”となる。USET信号の“1”により、第1
3図のフリツプフロツプ231(UPQ信号)が
“1”にセツトされる。従つて、演算器CUL2は
初めはアツプカウントモードに設定される。ま
た、信号“0”により第13図の各演算器
CUL1〜CUL4がクリアされる。 デイレイビブラートにおける変調信号データ
VALの形成手順はアタツクピツチの場合とほぼ
同様に行なわれる。そこにおいて演算に使用され
るデータがアタツクピツチの場合と異なる。 エンベロープデータ(ENV)計算のための計
算時間間隔を設定する演算器CUL4では、アン
ド回路192に与えられるデイレイビブラートエ
ンベロープレートデータDVER′をアキユムレー
トする。このデータDVER′は第7図のレジスタ
104の第1ステージから出力されるデータ
DVERにもとづき第12図の回路で形成される。 第12図において、データDVERはインバー
タ268で反転され、ラツチ回路269及びアン
ド回路270に入力される。アンド回路270の
出力及び信号9y32がオア回路271で合成され
て、データDVER′が得られる。これらの回路2
68〜271は、データDVERに対して逆特性
のデータDVER′を作るためのものである。この
実施例では1個のデイレイビブラート用ボリユー
ムV4(第6図)によつてデイレイビブラート開
始時間(DEL)とデイレイビブラートエンベロ
ープレート(DVER)の両方を設定するように
している。そのため、ボリユームV4の設定値を
そのまま用いると、開始時間(DEL)が長くな
るほどエンベロープの傾きが急になりデイレイビ
ブラートの期間が短くなつてしまう。これは自然
なデイレイビブラートに反する。そのため、デイ
レイビブラート開始時間データDELはボリユー
ムV4の設定値をそのまま用いるが、エンベロー
プレートデータDVER′はボリユームV4の設定
値(DVER)を逆特性で変換したものを用い、
開始時間(DEL)が長くなるほどエンベロープ
の傾きを緩やかにしてデイレイビブラート期間が
長くなるようにするのである。 データDVERは第7図のレジスタ104の第
1ステージから取り出されるため、第1タイムス
ロツト乃至第8タイムスロツトにおけるこのデー
タDVERの重みは第18図のようになる。すな
わち、第1タイムスロツトで最上位ビツト(1/4
Hzの重み)があらわれ、第2乃至第8タイムスロ
ツトで最下位ビツト(1/512)から7ビツト目
(1/8)までがあらわれる。第18図の重み表示は
第7図のレジスタ104の下側の重み表示に対応
している。第12図において、ラツチ回路269
は信号1y32Sによつてラツチ制御されるものであ
り、第1タイムスロツトであらわれるデータ
DVERの最上位ビツトMSB(1/4Hzの重み)の反
転信号をラツチする。このラツチ回路269の出
力はアンド回路270に与えられる。アンド回路
270は、ラツチ回路269に“1”がラツチさ
れているときつまりデータDVERの最上位ビツ
トが“0”のとき可能化され、信号2T8のタイミ
ングでデータDVERの反転データのうち
最下位ビツト(1/512Hzの重み)から7ビツト目
(1/8Hzの重み)までのデータを選択する(第18
図参照)。アンド回路270で選択されたデータ
はオア回路271を介して出力される。オア回路
271では、アンド回路270で選択されたデー
タの次に(上位に)第9タイムスロツトにおいて
信号9y32にもとづき“1”を追加する(第18
図参図)。こうして、第2乃至第9タイムスロツ
トの間で最下位ビツトから最上位ビツトまでの順
で並んだデータDVER′が得られる。 ラツチ回路269に“0”がラツチされている
ときつまりデータDVERの最上位ビツトが“1”
のときはアンド回路270が動作不能となり、第
2乃至第8タイムスロツトにおけるデータ
DVER′はオール“0”となる。この場合、信号
9y32のタイミングで“1”が与えられるだけで
あるので、データDVERが如何なる値であろう
と、データDVER′は常に“10000000”である
(第18図参照)。 データDVER(DEL)の変化に対応するデータ
DVER,DVER′の状態を上位3ビツトにつき次
表に示す。
【表】 上記表から明らかなように、データDVERの
最上位ビツトが“0”のときはデータDVER′は
DVERの逆特性を示すが、最上位ビツトが“1”
のときは(つまりある程度以上大きくなると)デ
ータDVER′は一定値(最小値)を保持する。第
2表の値の欄にはDVER′の値が例示されている。
DVER′がオール“1”のときはデイレイビブラ
ートのエンベロープレートが約1/2Hzであり、
DVER′が“10000000”のときは1/4Hzである。つ
まり、デイレイビブラートのエンベロープレート
は約1/2Hzから1/4Hzの範囲で制御可能(設定可
能)である。約1/2Hzのエンベロープレートによ
るデイレイビブラート期間は約0.5秒であり、1/4
Hzのエンベロープレートによるデイレイビブラー
ト期間は1秒である。 以上の制御によつて、ボリユームV4の設定値
とデイレイビブラート開始時間データDEL及び
デイレイビブラートエンベロープレートデータ
DVER′との関係、並びにボリユームV4の設定
値とデータDELにもとづく実際の開始時間及び
データDVER′にもとづく実際のデイレイビブラ
ート期間との関係は、第19図のようになる。横
軸がボリユームV4の設定値、左たて軸データ
DEL,DVER′の値、右たて軸が時間長、を示す。
「DEL」のカーブはボリユームV4の設定値対デ
ータDELの関係を示し、「DELの時間」のカーブ
はボリユームV4の設定値対データDELにもと
づく実際の開始時間の関係を示し、両カーブは同
特性である。「DVER′」のカーブはボリユームV
4の設定値対データDVER′の値の関係を示し、
「DVER′の時間」のカーブはボリユームV4の設
定値対データDVER′にもとづく実際のデイレイ
ビブラート期間の関係を示す。 第7図のレジスタ102の第6ステージから出
力されたビブラート深さデータVBDは第12図
のアンド回路272に加わり、信号1T6y8(第5
図参照)のタイミングで該アンド回路272で選
択され、ライン273を介して第13図のアンド
回路187に加わる。アンド回路272は、この
データVBDの有効値である1.2セントから38セン
トまでの重みの6ビツトデータ(第7図のレジス
タ102参照)だけを選択し、不要の2ビツトを
阻止するためのものである。第13図のアンド回
路187はDVBQ信号及び信号によつて可
能化されており、演算器CUL4のキヤリイアウ
ト信号がラツチ回路256にラツチされたとき、
信号1T8のタイミングでデータVBDを選択し、
加算器168のA入力に与える。データVBDは、
下位の演算タイミングである第1乃至第8タイム
スロツトで選択されて、演算に利用されるので、
演算器CUL3では事実上下位6ビツトの重みに
対応する微小値△VBDを加算することになる。
すなわち、第7図のレジスタ102におけるデー
タVBDの重み表示(1.2セント乃至38セント)に
比較して8ビツト下位にシフトした(2-8倍した)
微小値△VBDとして演算器CUL3で利用され
る。このデータ△VBDは演算器CUL4の最上位
ビツトからキヤリイアウト信号が発生する毎に演
算器CUL3で繰返し加算される。 前述の通り、演算器CUL4の加算器169に
はアンド回路192を介してデータDVER′が第
2乃至第9タイムスロツトにおいて与えられる。
従つて、演算器CUL4では1/4Hzから1/512Hzま
での重みに対応する8ビツトのデータDVER′を
32タイムスロツト(16μs)毎にアキユムレートす
る。因みに、この演算器CUL4の最上位ビツト
はレジスタ165の上側の重み表示から明らかな
ように32Hzの重みをもつ。この演算器CUL4の
キヤリイアウト信号にもとづき、演算器CUL3
ではデータ△VBDをデータDVER′すなわち
DVERに対応する周期でアキユムレートする。
こうして、第15図aのデイレイビブラートの部
分に示すように、エンベロープデータENVが
徐々に増加する。 第7図のレジスタ101の第4ステージから導
き出されたビブラートレートデータVBRは第1
2図のアンド回路274に与えられる。アンド回
路274は信号5T12(第15図参照)にもとづき
第5乃至第12タイムスロツトの間でデータVBR
を選択し、ライン275を介して第13図のアン
ド回路172に与える。第7図のレジスタ101
内の重み表示は第1タイムスロツトのときのもの
であり、第5タイムスロツトでは最下位の「1/24
Hz」の重みのデータが第4ステージから出力され
る。従つて、ライン275には、第5乃至第12タ
イムスロツトにおいて、最下位ビツトから順に並
んだ8ビツトのデータVBRが与えられる。 アンド回路172はDVBQ信号によつてデイ
レイビブラート中可能化されており、データ
VBRは該回路172、オア回路197を介して
加算器166の入力Aに与えられる。第5タイム
スロツトのときに加算器166からシフトレジス
タ162に与えられた重み「1/24Hz」のビツトは
第17(及び第1)タイムスロツトには該レジスタ
162の第12ステージまでシフトされる。従つて
ビブラートレートデータVBRをアキユムレート
するときのシフトレジスタ162内のデータの重
みは各ステージブロツク内の下側に示すようにな
る。演算器CUL1ではデータVBRを32タイムス
ロツト(16μs)毎にアキユムレートし、最上位ビ
ツトのキヤリイアウト信号をラツチ回路257に
ラツチする。データVBRをHz表示で示せば、演
算器CUL1の最上位ビツトからキヤリイアウト
信号が発生する周期は、「16μs×512/3(Hz)× 1/VBR(Hz)」と表わせる。512/3(=216×1/384
) HzはCUL1のモジユロ数216に対応するHz表示で
ある。 ラツチ回路257に“1”がラツチされると、
アタツクピツチの場合と同様にアンド回路177
〜180が可能化される。アツプカウントモード
のときはアンド回路180を介してデータ△
ENVを選択し、演算器CUL2の内容VALに該デ
ータ△ENVを加算する。デイレイビブラートの
場合、初めはアツプカウントモードに設定されて
おり、かつ演算器CUL2の内容(VAL)はリセ
ツトされているので、データVALは0セントか
ら正方向に向つて上昇する。このデータVALの
1回の変化幅はエンベロープデータENVを7ビ
ツトシフトしたデータ△ENVであり、変化の時
間間隔すなわちデータ△ENVを演算器CUL2で
繰返し加算する周期はビブラートレートデータ
VBRに対応している。 データVALの上昇中に演算器CUL2をアツプ
カウントモードからダウンカウントモードに切換
える制御は、アタツクピツチの場合と同様に行な
われる。すなわち、アンド回路215及び216
を介して比較器COM1の入力A及びBにデータ
VALとENVを夫々入力し、「A>B」が成立し
たときすなわちVALがENVに到達したとき、フ
リツプフロツプ231のUPQ信号をリセツトす
る。 UPQ信号が“0”となると、演算器CUL2の
アンド回路177,178,179が可能とな
り、アタツクピツチの場合と同様に、演算器
CUL1のキヤリイアウト信号がラツチ回路25
7にラツチされる毎に「△ENV」を減算する
(△ENVの2の補数を加算する)。これに伴ない、
データVALが徐々に下降する。下降時のデータ
VALの変化幅及び時間間隔は上昇時と同様、△
ENV及びVBRによつて定まる。 デイレイビブラートのダウンカウントモードに
おいては、DVBQ信号とインバータ258の出
力によつてアンド回路218が可能化される。こ
のアンド回路218にはシフトレジスタ164の
第15ステージの出力1/2ENVが与えられており、
信号1T16のタイミングで該データ1/2ENVを選
択する。このデータ1/2ENVは同じ信号1T16の
タイミング(第1〜第16タイムスロツト)でレジ
スタ164の第16ステージから出力されるエンベ
ロープデータENVの1/2の値である。こうして、
低域側(負のセント値)のエンベロープデータ
(すなわちビブラート深さ)として高域側(正)
のデータENVの1/2のデータ1/2ENVが用いられ
る。その結果、第15図aのデイレイビブラート
部分に示すように高域側のビブラート深さと低域
側のビブラート深さを非対称(2対1)とするこ
とができる。 アンド回路218で選択されたデータ1/2ENV
は補数回路261で2の補数に変換され、負の値
となる。比較器COM1では下降中のデータVAL
(A入力)とデータ「−1/2ENV」(B入力)とを
比較し、「A<B」が成立しときフリツプフロツ
プ231の状態UPQをアツプカウントモードに
切換える。 以上のようにして、データVALはデータENV
及び「−1/2ENV」によつて示されたエンベロー
プの範囲内で上昇と下降を繰返し、第15図aの
デイレイビブラート部分に示すように徐々に深さ
が増す変調信号(VAL)が得られる。 一方、第14図の比較器COM2の入力Aには
DVBQ信号によつて可能化されたアンド回路2
38を介して信号1T16のタイミングでエンベロ
ープデータENVが与えられる。また、入力Bに
はDVBQ信号によつて可能化されたアンド回路
242を介して信号9T16のタイミングでライン
273(第12図、第13図)のビブラート深さ
データVBDが与えられる。この場合、比較器
COM2ではデータENVとVBDとが同じ重みで
比較される。前述の通り、データENVはデータ
VBDを8ビツト下位シフトした値△VBDを繰返
し加算したものであるので、28回加算したとき
ENVはVBDに一致する。 データENVがデータVBDの値にまだ到達して
いないときは、比較器COM2で「A<B」が成
立し、「A≧B」の出力は“0”である。この出
力“0”がアンド回路236からインバータ26
7に与えられ、インバータ267の出力“1”に
よつてアンド回路205が可能化され、DVBQ
信号がホールドされる。 データENVがデータVBDの値に一致すると、
比較器COM2の「A≧B」が成立し、アンド回
路236の出力が“1”となる。これによりイン
バータ267の出力が“0”となり、DVBQ信
号がリセツトされる。こうして、デイレイビブラ
ートが終了する。 デイレイビブラートの終了後は自動的にノーマ
ルビブラートに移行する。 (3) ノーマルビブラート ノーマルビブラートの始まり方には2通りあ
り、1つはデイレイビブラート終了後自動的に移
行する場合と、もう1つはスイツチNVBS(第1
4図)によつて積極的にノーマルビブラートを選
択し、デイレイビブラートを行なわずにノーマル
ビブラートのみを行なう場合である。 ノーマルビブラート及び後述のアフタータツチ
ビブラートは、第14図のアンド回路205〜2
13の全出力を入力したオア回路6の出力信号
ANYQが“0”のとき実行される。このANYQ
信号は第13図のアンド回路190に加わると共
にインバータ276で反転され、信号と
してアンド回路173,189,219に入力さ
れる。 第14図において、デイレイビブラート終了時
は、前述の通り、アンド回路236から“1”が
出力されるが、この出力はDVBQ信号をリセツ
トするためにのみ作用する。従つて、DVBQ信
号が“0”に立下ると同時にANYQ信号が“0”
となり、第15図bに示すように信号が
立上る。従つて、デイレイビブラート終了後に自
動的にノーマルビブラートに移行する。スイツチ
NVBS(またはKVBS)によつて積極的にノーマ
ルビブラート(またはアフタータツチビブラー
ト)が選択されている場合は、+信号の
“0”によつてデイレイビブラート関係のアンド
回路205〜209が常時動作不能にされる。そ
のため、アタツクピツチ(またはスラー)終了時
にアンド回路208(または209)が動作せ
ず、APQ信号(または後述のSLQ信号)の立下
りと同時に信号が立上る。従つて、その
場合はアタツクピツチ(スラー)終了後に直ちに
ノーマルビブラートに移行する。アタツクピツチ
あるいはスラーも行なわない場合は常にANYQ
信号が“0”、信号が“1”であり、初め
からノーマルビブラートが行なわれる。 ノーマルビブラート(及びアフタータツチビブ
ラート)は第13図の演算器CUL1,CUL2,
CUL3を使用して処理される。信号が立
上るとき信号は“0”にならないので、演
算器CUL1及びCUL2はクリアされず、変調信
号瞬時値データVALはそれまでの値を保持する。
また、USET信号も発生されないので、フリツプ
フロツプ231の状態UPQはそれまでの状態を
維持する。従つて、デイレイビブラートからノー
マルビブラートに移行する場合、デイレイビブラ
ートのときの変調信号が滑らかにノーマルビブラ
ートに移行する。 演算器CUL1では、信号によつて可能
化されたアンド回路173を介してライン275
のビブラートレートデータVBRを加算器166
に受入れ、デイレイビブラートのときに同様に、
該データVBRを32タイムスロツト(16μs)毎
にアキユムレートする。演算器CUL2では、
SET信号によつてアンド回路177〜180が
可能化され、デイレイビブラートのときと全く同
様に、演算器CUL1の最上位ビツトからキヤリ
イアウト信号が発生する毎に、演算器CUL3か
ら与えられるデータ△ENVを加算または減算す
る。 演算器CUL3では、ANYQ信号の“0”によ
りアンド回路190が動作不能とされ、レジスタ
164のデータENVの循環が禁止される。他方、
ANYQ信号によつて可能化されたアンド回路1
89を介してオア回路277から与えられる一定
のビブラート深さデータが選択され、このデータ
が加算器168を通過してレジスタ164に常に
入力される。第14図のアフタータツチビブラー
ト選択スイツチKVBSの出力がラツチ回路26
5に周期的にラツチされ、その出力信号KVBSS
が第13図のアンド回路278に加わると共にイ
ンバータ280で反転されてアンド回路279に
加わる。アフタータツチビブラートが選択されて
いないとき、すなわちノーマルビブラートのと
き、信号KVBSSは常時“0”であり、アンド回
路278が動作不能、279が可能となる。アン
ド回路279は、ライン273のビブラート深さ
データVBDを信号9T16y16(第5図参照)のタイ
ミングで選択し、オア回路277を介してアンド
回路189に与える。 第12図のアンド回路272ではレジスタ10
2(第7図)からのビブラート深さデータVBD
の有効ビツト(1.2セントの重みから38セントの
重みまでの6ビツト)を第1乃至第6及び第9乃
至第14及び第17乃至第22及び第25乃至第30タイム
スロツトの各区間で繰返し選択してライン273
に与える。第13図のアンド回路279ではこの
ライン273のデータVBDを第9乃至第16及び
第25乃至32タイムスロツトの各区間(すなわち第
17図aに示す16タイムスロツト同期の演算タイ
ミングのうち上位8ビツトのタイムスロツト)で
選択する。従つて、第7図のレジスタ102のデ
ータVBDがその重みの通りのタイミングで演算
器CUL3内のシフトレジスタ164に繰返しロ
ードされる。その結果、演算器CUL3のエンベ
ロープデータENVは事実上一定の深さデータ
VBDを保持しているのと同じ状態になる。従つ
て、演算器CUL3から演算器CUL2に与えられ
るデータ△ENVは、深さデータVBDを7ビツト
下位にシフトした(2-7倍した)データ△VBDで
ある。 以上のように、ノーマルビブラートにおいては
エンベロープデータENVは常に一定のVBDであ
り、従つてデータVALの1計算時間間隔当りの
変化量△ENVは△VBDであり、第15図aのノ
ーマルビブラート部分に示すように一定の深さの
変調信号(VAL)が得られる。尚、低域側のエ
ンベロープデータはデイレイビブラートのときと
同様、データ1/2ENVすなわち1/2VBDであり、
高域側と低域側の深さが非対称形となる。すなわ
ち、信号によつてアンド回路219が可
能化され、レジスタ164の第15ステージの出力
1/2ENVがダウンカウントモード時の信号1T1
6の期間で選択され、補数回路261を介して比
較器COM1に与えられる。従つて、データVAL
が上昇しているときはVALが深さデータVBD
(すなわちENV)に到達した段階で下方向に(ダ
ウンカウントモードに)折返し、VALが下降中
はVALが−1/2ENVに到達した段階で上方向に
(アツプカウントモードに)折返す。 (4) アフタータツチビブラート アフタータツチビブラートは上述のノーマルビ
ブラートとほぼ同様に処理される。異なる点は、
エンベロープデータENVとして一定の深さデー
タVBDのみならずアフタータツチビブラート深
さデータKVBDも加味される点である。第7図
において、データKVBDはデータVBDと同様に
レジスタ103の第6ステージから取り出され
る。このデータKVBDは第12図のアンド回路
281に与えられ、信号1T6y8のタイミングで有
効ビツト(1.2セントの重みから38セントの重み
までの6ビツト)が選択されて加算器282の入
力Bに与えられる。加算器282の入力Aにはア
ンド回路272からデータVBDが与えられ、1
タイムスロツト遅れのキヤリイアウト出力C0
1は入力Ciに与えられるようになつている。従つ
て、この加算器282で、ビブラート深さデータ
VBDとアフタータツチビブラート深さデータ
KVBDとがシリアルに加算される。その加算出
力「VBD+KVBD」は第13図のアンド回路2
78に与えられる。 前述の通り、アフタータツチビブラートが選択
されている場合は信号KVBSSが“1”であり、
アンド回路278が可能化され、279が動作不能
にされる。アフタータツチを加味した深さデータ
「VBD+VBD」が信号9T16y16のタイミング
(上位8ビツトの重みの演算タイミング)でアン
ド回路278で選択され、オア回路277,アン
ド回路189,加算器168を介してシフトレジ
スタ164に繰返しロードされる。こうして、エ
ンベロープデータENVは一定のビブラート深さ
データVBDにアフタータツチビブラート深さデ
ータKVBDを加算した値となり、鍵タツチに応
じてビブラート深さが制御されることになる。 (5) アタツクピツチ及びビブラートの補足説明前
述の通り、アタツクピツチにおける時間的に変化
するエンベロープデータENVは、初期値APiSを
8ビツト下位にシフトした値△APiSをこの初期
値APiSから順次減算したものである。従つて、
初期値APiSがいかなる値であろうとも、演算器
CUL3で△APiSを28=256回減算すると、データ
ENVの値は丁度0になる。従つて、エンベロー
プデータENVが初期値APiSから0になるまでの
時間すなわちアタツクピツチがかかる時間は、初
期値APiSに無関係であり、演算器CUL4の最上
位ビツトキヤリイアウト信号の同期すなわちアタ
ツクピツチエンベロープレートデータAPERによ
つて決定される。換言すれば、データAPERが一
定(選択された音色に対応した所定値)であれ
ば、イニシヤルタツチに無関係に、一定時間の間
アタツクピツチがかかる。そして、アタツクピツ
チの深さ(初期値)がイニシヤルタツチに応じて
制御され、かつ選択された音色に応じてアタツク
ピツチのかかり具合(深さ)が更に制御される。
自然楽器における発音開始時の周波数変動でも同
様の現象が見られるので、上述のような態様のア
タツクピツチコントロールによつて自然楽器に近
い効果をあげることができる。データAPERが同
一のときの、異なる3つの初期値APiS1,APis
2,APiS3に夫々対応するエンベロープデータ
ENVの状態を模式的に第20図aに示す。 デイレイビブラートにおけるエンベロープデー
タENVの変化に関しても上述と同様のことがい
える。この場合、到達目標値はビブラート深さデ
ータVBDであり、この目標値VBDを8ビツト下
位にシフトした値△VBDを順次加算したものが
データENVである。従つて、目標値VBDがいか
なる値であろうとも、演算器CUL3で△VBDを
28=256回加算すると、データENVは目標値
VBDに到達する。従つて、デイレイビブラート
がかかる時間は、目標値VBDの大きさに無関係
であり、演算器CUL4の最上位ビツトキヤリイ
アウト信号の周期すなわちデイレイビブラートエ
ンベロープレートデータDVER(DVER′)によつ
て決定される。データDVERが同一のときの、
異なる3つの目標値VBD1、VBD2、VBD3
に夫々対応するエンベロープデータENVの状を
模式的に第20図bに示す。従つて、デイレイビ
ブラート時間を一定に保つための特別の演算調整
をビブラート深さの変化に応じて行なう必要がな
く、ボリユームV4(第6図)によつて設定した
通りのデイレイビブラート時間が常に実現され、
制御の容易化が図れる。 ノーマルビブラート(及びこれに限らずアフタ
ータツチビブラート、デイレイビブラート、アタ
ツクピツチも同様)における変調信号形成には次
のような特徴がある。第1には、変調信号
(VAL)の周波数を可変設定するために電圧制御
型発振器のようなアログ回路を用いずに演算器
CUL1におけるデイジタルデータのアキユムレ
ートによつてこれを可能にしている点である。す
なわち、演算器CUL1でアキユムレートするデ
ータ(APR,VBR)の値に応じた周期でキヤリ
イアウト信号(計算タイミング制御信号)を発生
し、演算器CUL2においてこのキヤリイアウト
信号に対応する時間間隔で所定の変化幅データ△
ENVを繰返し加算もしくは減算しかつ目標値
(ENV)に到達する毎に加減算方向を切換えるこ
とにより、演算器CUL1でアキユムレートした
データ(APR、VBR)に対応する周波数の変調
信号データVALが演算器CUL2で得られる。第
2には、周波数及び深さの制御が容易であるとい
う点である。すなわち変化幅データ△ENVは目
標値(VALの折返し点)であるエンベロープデ
ータENVを7ビツト下位にシフトしたものであ
るので、目標値すなわちエンベロープデータ
ENV(もしくは深さデータVBD)がいかなる値
であつても、△ENVを27=128回加算するとデー
タVALは0から目標値ENVまで変化し、次に△
ENVを128回減算するとデータVALはENVから
0まで変化し、次に△ENVを64回減算すると
VALは0から−1/2ENVまで変化し、更に△
ENVを64回加算するとVALは−1/2ENVから0
まで変化する。従つて、変調信号VALの繰返し
周期はビブラート深さVBD(エンベロープENV)
に無関係であり、演算器CUL1から発生される
キヤリイアウト信号の周期すなわちレードデータ
VBRによつて決定される。レートデータVBRが
同一のときの、異なる2つの深さデータ(VBD)
すなわちエンベロープ瞬時値ENV1,ENV2に
夫々対応する変調信号VALの状態を模式的に第
20図cに示す。この図からもレートデータ
VBRが一定でありさえすれば深さ(エンベロー
プ)に無関係に周波数が一定になることがわか
る。従つて、周波数と深さとを相互に調整する必
要がなく、両者を夫々独立に制御できるようにな
り、制御の容易化が図れる。 (6) スラー 効果付与回路20は、スラー効果のために第1
4図に示す2つの演算器CUL5,CUL6を含ん
でいる。各演算器CUL5,CUL6は、システム
クロツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御され
る32ステージ/1ビツトの直列シフトレジスタ2
83,284と、全加算器285,286と、演
算及び記憶動作制御用の論理回路287〜296
(アンド回路)、297〜300(オア回路)とを
夫々具えており、シリアル演算及び記憶を行な
う。演算器CUL5は、単音モードにおいて発音
すべき楽音の周波数情報SKCを記憶するもので、
スラー制御時はこの情報SKCを前回押圧鍵に対
応する値から新押圧鍵に対応する値まで滑らかに
変化させる演算を行なう。第4図に示す単音キー
アサイナ14Aのレジスタ37から第14図の周
波数情報変換部301内のアンド回路302,3
04に単音モード時の押圧鍵キーコードMKCが
与えられる。この周波数情報変換部301はキー
コードMKCに対応する周波数を対数形式で表わ
した周波数情報MKCLを出力する。演算器CUL
6は、スラー制御を開始するときに前回押圧鍵の
周波数情報SKCと新押圧鍵の周波数情報MKCL
との差KCDを求め、かつこの差KCDに対応する
微小値△KCDを出力する。演算器CUL5におい
て、前回押圧鍵の周波数情報SKCに対して前記
△KCDを繰返し加算または減算することにより、
このSKCを新周波数情報MKCLに徐々に近づけ、
最終的にSKC=MKCLとなつたときスラー制御
を終了する。演算器CUL5における△KCDの繰
返し演算のタイミングは第13図の演算器CUL
4から与えられるキヤリイアウト信号COTによ
つて設定される。 演算器CUL4は第12図のセレクタ306か
ら与えられるスラーレートデータSLRをアキユ
ムレートする。スラーレートデータSLRは第7
図のレジスタ105の第4ステージから出力され
るスラーレート指数部データSREと第8ステー
ジから出力される仮数部データSRMとにもとづ
き求められる。第12図において指数部データ
SREは3ステージのシフトレジスタ307に入
力され、システムクロツクパルスφ1、φ2に従つ
てシフトされる。仮数部データSRMはアンド回
路308を介して信号2T5のタイミングで選択
され、オア回路309を介してシフトレジスタ3
10に入力される。 第7図のレジスタ105の各ステージの重み表
示から明らかなように、第1タイムスロツトにお
いてレジスタ105の第1乃至第3ステージには
指数部データSREの各ビツトE3,E2,E1
が有り、第4乃至第7ステージには仮数部データ
SRMの各ビツトM4,M3,M2,M1が有る。
従つて、信号2T5が発生する第2乃至第5タイ
ムスロツトではデータSRMとしてビツトM1,
M2,M3,M4が順次現われ、これらのビツト
M1,M2,M3,M4だけがアンド回路308
で選択されるシフトレジスタ310に入力され
る。シフトレジスタ310は入力されたデータM
1,M2,M3,M4をクロツクパルスφ1,φ2
に従つて順次シフトする。第6タイムスロツトで
は信号6y32がオア回路309を介してシフト
レジスタ310に入力される。従つてシフトレジ
スタ310にはデータM1,M2,M3,M4,
“1”が順次ロードされ、これらのデータがタイ
ムスロツトの進展に伴つてレジスタ310内を順
次シフトされていく。レジスタ310の各ステー
ジ内には第5タイムスロツトのときの重みが示さ
れている。すなわち、第2タイムスロツトのとき
にデータSRMとして出力されたビツトM1は、
その3タイムスロツト後の第5タイムスロツトで
はレジスタ310の第3ステージにシフトされて
きており、第2ステージ及び第1ステージにはビ
ツトM2,M3がきている。 一方、指数部データSREとしては第2乃至第
4タイムスロツトの間でビツトE1,E1,E3
が現われ、これらがシフトレジスタ307でシフ
トされるので、第5タイムスロツトでは図示のよ
うにレジスタ307の第1ステージにE3,第2
ステージにE2、第3ステージにE1がシフトされ
る。このレジスタ307の3ステージ出力はラツ
チ回路311に並列的に入力される。ラツチ回路
311は信号5y32Sにもとづき第5タイムス
ロツトのときのレジスタ307の各ステージ出力
すなわち“E3,E2、E1”の指数部データSRE
をラツチする。このラツチ回路311にラツチさ
れたデータ“E3,E2,E1”はセレクタ30
6の制御入力に与えられる。 セレクタ306はラツチ回路311の3ビツト
データE3,E2,E1をデコードし、デコード
された値(10進数の0〜7のいずれか1つ)に対
応する番号の入力ライン(0〜7のいずれか1
つ)を選択する。セレクタ306の各入力ライン
には、番号の若い方から順にシフトレジスタ31
0の第3乃至第10ステージの出力が与えられる。
シフトレジスタ310の各ステージの出力を見る
と、番号の若いステージほど、データM1,M
2,M3,M4,“1”が早いタイミングで現わ
れる。例えば、番号0に対応する第3ステージの
出力は、第5乃至第9タイムスロツトでM1,M
2,M3,M4,“1”が順に現われる。また、
番号7に対応する第10ステージの出力は第12乃至
第16タイムスロツトでM1,M2,M3,M4,
“1”が順に現われる。第17図aに示したよう
にシリアル演算においては第1タイムスロツトが
最下位ビツトであり、第16タイムスロツトが最上
位ビツトである。従つて、レジスタ310の第3
ステージ(番号0)から出力されるデータの重み
が最小であり、ステージが進むにつれてデータの
重みは2倍、4倍、8倍……と2n倍になる。 こうして、シフトレジスタ310の第3乃至第
10ステージのうちいずれか1つのステージの出力
がラツチ回路311の出力に応じて選択され、ス
ラーレートデータSLRとして出力される。3ビ
ツト2進データE3,E2,E1の10進値をeで
示し、5ビツト2進データ“1”、M4,M3,
M2,M1の10進値をmで示すと、結局、「m・
2e」なる演算の結果がスラーレートデータSLRで
ある。このスラーレートデータSLRの有効タイ
ムスロツトは、最小重みのレジスタ310の第3
ステージ出力を選択した場合の最下位ビツトM1
のタイムスロツトである第5タイムスロツトから
最大重みのレジスタ310の第10ステージ出力を
選択した場合の最上位ビツト“1”のタイムスロ
ツトである第16タイムスロツトまでであり、合計
12ビツトである。他方、ボリユームV5(第6
図)によつて設定したスラースピードデータは
SRM,M1〜M4及びSRE,E1〜E3の7ビ
ツトである。従つて、上述のような処理によつて
スラースピード設定量のダイナミツクレンジを拡
大することができる。 前述の通り、第4図のレジスタ37では、タイ
マ終了信号QRが発生する第9乃至第16タイムス
ロツトの間で新たな押圧鍵のキーコードXKCが
ロードされる。従つて、レジスタ37の出力は第
17タイムスロツトに同期して切換わる。このレジ
スタ37から出力されるキーコードMKCの各タ
イムスロツトにおける状態は第21図のようであ
る。すなわち、第17タイムスロツトから次の第16
タイムスロツトまでの32タイムスロツトの間で8
タイムスロツト毎にビツトN1乃至B3が4巡す
る。このキーコードMKCは第14図のアンド回
路302及び304に加わる。信号17T18
(第5図参照)によつて第17及び第18タイムスロ
ツトにおいて可能化されたアンド回路304を介
してキーコードMKCの下位ビツトN1,N2が
選択され、オア回路313を介して2段のフリツ
プフロツプ314に入力される。フリツプフロツ
プ314で夫々2タイムスロツト遅延された2ビ
ツトN1,N2は、第19から次の第16タイムスロ
ツトまでの間可能化されるアンド回路305を介
してフリツプフロツプ314を循環する(第21
図314Q参照)。このフリツプフロツプ314
の出力は、信号25T8(第5図)によつて可能
化されたアンド回路303を介して第25乃至第8
タイムスロツトの間選択され、オア回路315を
介してMKCLとして出力される。それに引き続
く第9乃至第16タイムスロツトでは信号9T16
によつて可能化されたアンド回路302を介して
キーコードMKCが8ビツトすべて選択され、オ
ア回路315を介してMKCLとして出力される。
従つて、周波数情報MKCLは第21図に示すよ
うに第25タイムスロツトから次の第16タイムスロ
ツトまで続く24ビツトのデータであり、上位8ビ
ツト(第16タイムスロツト〜第9タイムスロツ
ト)が“0”及びキーコードMKCのオクターブ
コードB3,B2,B1とノートコードN4,N
3,N2,N1から成り、下位16ビツトはノート
コードの下位2ビツトN2,N1を繰返し付加し
たものである。このような構成の周波数情報は、
例えば特開昭56−74298号公報で公知であり、キ
ーコードMKCに対応する楽音の周波数を2を底
とする対数(セント値)で表わしたものである。 前述の通り、スラー制御を行なうべき条件が成
立したとき、約10msの時間待ち終了直後の第17
から第16タイムスロツトまでの32タイムスロツト
の間スラースタート信号SSが単音キアサイナ1
4A(第4図)から出力される。このスラースタ
ート信号SSは第14図のアンド回路213に与
えられる。また、単音キーアサイナ14Aでは、
スラースタート信号SSが立上る直前の第9乃至
第16タイムスロツトにおいてタイマ終了信号QR
が発生し、これにもとづきレジスタ37に新たな
押圧鍵のキーコードMKCがロードされる。従つ
て、第22図に示すように、レジスタ37から出
力されるキーコードMKCはスラースタート信号
SSの立上りに対応して旧押圧鍵から新押圧鍵に
切換わる。 第14図において、スラースタート信号SSに
対応してアンド回路213の出力が“1”とな
り、オア回路5,6,7に与えられる。オア回路
5の出力はフリツプフロツプ224に与えられ
る。信号SSが立上つたときから32タイムスロツ
ト後にフリツプフロツプ224の出力が“1”に
立上り、以後、アンド回路212及びオア回路5
を介して自己保持される。このフリツプフロツプ
224の状態をSLQで示す。オア回路5の出力
がSLQ信号に相当する。このSLQ信号はスラー
制御を行なつている間中保持される。また、オア
回路7の出力にもとづき前述と同様に信号
及びが32タイムスロツトの間“0”になる
(第16図参照)。また、アンド回路213の出力
はSLSET信号としてアンド回路293〜295
に与えられ、かつインバータで反転されてアンド
回路296に与えられる。 オア回路5から出力されたSLQ信号はアンド
回路288,289,291に与えられると共
に、インバータ312で反転されてアンド回路2
90に与えられる。スラースタート信号SSが発
生する以前はSLQ信号は“0”であり、演算器
CUL5ののアンド回路290が可能化され、2
88,289,291が不能となつている。アン
ド回路290には押圧鍵キーコードMKCに対応
する周波数情報MKCLが与えられる。この周波
数情報MKCLは、アンド回路290、オア回路
298、加算器285を通過してシフトレジスタ
283に入力される。従つて、キーコードMKC
に対応する周波数情報MKCLがそのまま発音す
べき楽音の周波数情報SKCとなる。MKCLは第
21図に示すように第25タイムスロツトから次の
第16タイムスロツトの間で発生するので、第17タ
イムスロツトにおいてレジスタ283の各ステー
ジに保有されるデータの重みは図中に示すように
なる。ノートコードの下位2ビツトN2,N1が繰
返す部分の重みはセント値で表示されている。す
なわち、キーコードを2を底とする対数表示の周
波数情報に変換した場合、その本来のノートコー
ドの最下位ビツトN1は75セントの重みを持つの
で、例えば、その1ビツト下位(第17タイムスロ
ツトにおけるレジスタ283の第9ステージ)は
約38セント、更に1ビツト下位は約19セントの重
みをもつ。 SLQ信号が“1”に立上ると、アンド回路2
91が可能化され、290は不能となる。従つ
て、新しい押圧鍵に対応する周波数情報MKCL
は阻止され、その直前にレジスタ283にロード
された前回の押圧鍵に対応する周波数情報SKC
がアンド回路291を介してレジスタ283で循
環保持される。 スラースタート信号SSに対応したSLSET信号
によつて演算器CUL6のアンド回路293〜2
95が第17から次の第16タイムスロツトまでの32
タイムスロツトの間可能化される。第21図と第
22図を参照すれば明らかなように、SLSET信
号が発生する32タイムスロツトの内第25乃至第16
タイムスロツトで新たな押圧鍵の周波数情報
MKCLが出力され、アンド回路295及びオア
回路300を介して加算器286の入力Bに与え
られる。同時に、レジスタ283の最終ステージ
から出力された前回押圧鍵の周波数情報SKCを
インバータ316で反転したものSKCがアンド
回路294を通り、加算器286の入力Aに加わ
る。また、SKCの最下位ビツトに対応する第17
タイムスロツトにおいて、信号17y32にもと
づきアンド回路293から“1”が出力され、加
算器286の入力Ciに与えられる。アンド回路2
93,294及びインバータ316はSKCを2
の補数すなわち負の値「−SKC」に変換するた
めのものである。従つて、SLSET信号にもとづ
き、加算器286では新押圧鍵の周波数情報
MKCLから旧押圧鍵の周波数情報SKCを減算す
るシリアル演算「MKCL―SKC」を行ない、両
情報の差を求める。こうして求めた差のデータ
KCDがレジスタ284にロードされ、SLSET信
号が立下つた後可能化されるアンド回路296を
介してレジスタ284で循環保持される。差デー
タKCDが保持されるとき、アンド回路293〜
295は不能化されるので加算器286で演算は
行なわれない。 一方、演算器CUL5では、SLSET信号にもと
づき演算器CUL6で差データKCDの演算を行な
つているときは、SET信号によつてアンド回路
288及び289が不能化されており、演算を行
なわずに前回押圧鍵の周波数情報SKCをアンド
回路291を介してホールドする。また、第13
図の演算器CUL4では、SET信号によつてレジ
スタ165の古い内容をクリアすると共に、
SLQ信号によつて可能化されたアンド回路19
5を介して前記スラーレートデータSLRを取り
込む。前述の通り、セレクタ306(第12図)
から出力されるスラーレートデータSLRは第5
乃至第16タイムスロツトで有効なデータであり、
これが32タイムスロツト毎に繰返し与えられる。
演算CUL4では、このスラーレートデータSLR
を32タイムスロツト(16μs)毎に繰返し加算す
る。第17タイムスロツトにおいて最上位ビツトの
キヤリイアウト信号COTが演算器CUL4から出
力されると、信号17y32Sによつて第14図
のラツチ回路317に“1”がラツチされ、32タ
イムスロツトの間保持される。このラツチ回路3
17の出力は演算器CUL5のアンド回路288
及び289に与えられる。 レジスタ284の第24ステージからは差データ
KCDを8ビツト下位にシフトした(2-8倍した)
データ△KCDが出力される。このデータ△KCD
はアンド回路289に与えられると共にラツチ回
路318に入力される。ラツチ回路318はデー
タ△KCDのサインビツトSを拡張するためのも
のである。差データKCDは、負の値(2の補数)
にもなるため、最上位ビツトB3の1ビツト上が
サインビツトSになつている。これを8ビツト下
位にシフトしてデータ△KCDを得るので、サイ
ンビツトSが1ビツトだけでは不十分であり、更
にその上位にサインビツトを拡張する必要があ
る。レジスタ284の第24ステージから取り出さ
れるデータ△KCDにおいては、サインビツトS
は第8タイムスロツトで出現する。すなわちデー
タKCDでは第16タイムスロツトでサインビツト
Sが出現するので、これを8ビツト下位シフトし
たデータ△KCDでは第8タイムスロツトで出現
する。そこで、ラツチ回路318では信号8y3
2S(第5図)によりサインビツトSの値をラツ
チし、直流化する。このラツチ回路318の出力
はアンド回路288に与えられる。 差データKCD(△KCDも同様)が正の値のと
き、すなわち、新押圧鍵が旧押圧鍵よりも高音の
とき、サインビツトSは“0”であり、アンド回
路288は常時不能化される。この場合、演算器
CUL4からのキヤリイアウト信号COTに対応し
てアンド回路289だけが動作可能となる。デー
タ△KCDはアンド回路289及びオア回路29
7を介して加算器285の入力Aに与えられ、
SKCに加算される。データ△KCDはデータKCD
を8ビツト下位にシフトしたものであるため、上
位8ビツト分の演算タイミングすなわち第9乃至
第16タイムスロツトでは無意味なデータが現われ
る。この無意味なデータを阻止し、このビツトを
オール“0”にするために信号9T16を反転し
た信号がアンド回路289に与えられている。演
算器CUL5では、周波数情報SKCに対して、ス
ラーレートデータSLRに対応する(演算器CUL
4のキヤリイアウト信号に対応する)時間間隔で
データ△KCDが順次加算され、このSKCが新押
圧鍵の周波数情報MKCLに徐々に近づく(第2
3図参照)。 一方、差データKCD(△KCDも同様)が負の
とき、すなわち、新押圧鍵が旧押圧鍵よりも低音
のとき、サインビツドSは“1”であり、アンド
回路288は常時可能化される。この場合、演算
器CUL4からのキヤリイアウト信号COTに対応
してアンド回路288及び289が共に動作可能
となる。データ△KCDは前述のように、アンド
回路289で第17乃至第8タイムスロツトで有効
ビツトが選択されて加算器285に与えられる。
この場合、データ△KCDは2の補数で表わされ
ている。アンド回路288には信号9T16が入
力されており、データ△KCDを阻止した上位8
ビツト分の演算タイミングすなわち第9乃至第16
タイムスロツトでオール“1”を加算器285に
与える。こうして、2の補数で表わされたデータ
△KCDの上位8ビツトにサインビツトSすなわ
ち“1”が拡張される。この場合、演算器CUL
5では、周波数情報SKCからスラーレートデー
タSLRに対応する時間間隔でデータ△KCDを順
次減算し、このSKCが新押圧鍵のMKCLに徐々
に近づく。 スラー制御中はSLQ信号によつてアンド回路
241及び245が可能化され、これらの回路を
介して周波数情報SKCが比較器COM2の入力A
に、MKCLが入力Bに、夫々与えられる。比較
器COM2は、演算器CUL5の周波数情報SKCが
目標値である新押圧鍵の周波数情報MKCLに到
達したか否かを検出する。前述の通り、新押圧鍵
が前回押圧鍵よりも高音のときはラツチ回路31
8に“0”がラツチされ、低音のときは“1”が
ラツチされる。このラツチ回路318の出力はラ
ツチ回路319に与えられ、信号17T24によ
り第17タイムスロツトに同期してラツチされる。
このラツチ回路319の出力はアンド回路320
に加えられると共に、インバータ323で反転さ
れてアンド回路321に加えられる。 新押圧鍵が前回押圧鍵よりも高音のときはラツ
チ回路319の出力は“0”であり、インバータ
323の出力“1”によりアンド回路321が可
能化される。この場合、SKCが目標値MKCLに
未だ到達していないときは、比較器COM2では
「A<B」が成立し、「A≧B」の出力は“0であ
る。従つて、アンド回路236からアンド回路3
21には“0”が与えられる。アンド回路321
の出力“0”はオア回路322を介してインバー
タ324で反転され、該インバータ324からア
ンド回路212に“1”が与えられる。従つてフ
リツプフロツプ224のSLQ信号がこのアンド
回路212を介してホールドされる。SKCが目
標値MKCLに到達すると、比較器COM2の「A
≧B」の出力が“1”となり、アンド回路236
を介してアンド回路321に“1”が与えられ、
インバータ324の出力が“0”となる。これに
より、SLQ信号がリセツトされ、スラー制御が
終了する。 他方、新押圧鍵が前回押圧鍵よりも低音のとき
はラツチ回路319の出力は“1”であり、アン
ド回路320が可能化される。SKCが目標値
MKCLに未だ到達していないときは比較器COM
2では「A>B」が成立し、「A≦B」出力は
“0”である。従つて、アンド回路237からア
ンド回路320に“0”が与えられ、オア回路3
22を介してインバータ324に“0”が与えら
れ、前述と同様にSLQ信号がホールドされる。
SKCが目標値MKCLに到達すると、比較器COM
2の「A≦B」出力が“1”となり、アンド回路
237からアンド回路320に“1”が与えら
れ、インバータ324の出力“0”によつてアン
ド回路212が不能化されてSLQ信号がリセツ
トされる。 SLQ信号が立下ると演算器CUL5のアンド回
路288,289,291が不能化され、アンド
回路290が可能化される。従つて、以後は押圧
鍵の周波数情報MKCLがそのままSKCとしてレ
ジスタ283にロードされる。以上のようにし
て、レガートニユーキーオンがあつた場合は、発
音すべき楽音の周波数情報SKCが前回押圧鍵に
対応する値から新押圧鍵に対応する値まで一定の
レートで滑らかに変化し、スラー効果が実現され
る。尚、周波数情報SKCが変動する時間はボリ
ユームV5(第6図)によつて設定されたスラー
レートSLRによつて決定され、前回押圧鍵と今
回押圧鍵の周波数差とは無関係である。これは、
差データKCDを8ビツト下位シフトしたデータ
△KCDをスラーレートSLRに対応する時間間隔
で繰返し加算もしくは減算する構成によつて、差
データKCDが如何なる値でも△KCDの28=256回
の演算によりスラーが終了するからである。尚、
スラー終了時におけるオア回路322の出力
“1”によつてアンド回路209が可能化され、
デイレイビブラートのための制御を開始する条件
が成立する。 (7) 各種効果の整理 効果付与回路20において、アタツクピツチ、
スラー、ビブラート等の各種効果は上述のように
制御されるので、効果選択状態及び鍵演奏法に応
じて第24図に示すような組合せで各種効果が付
与される。第24図において、横欄は効果選択状
態を示し、DVBはデイレイビブラート、NVBは
ノーマルビブラート、KVBはアフタータツチビ
ブラートを夫々示す。“0”は選択されていない
ことを示す。“1”は選択されていることを示す。
デイレイビブラートDVBの選択はボリユームV
4(第6図)によつて行なわれる。このボリユー
ムV4の設定量が0のときは選択されていないこ
とを意味し、0以外のときは選択されていること
を示す。ノーマルビブラートNVB及びアフター
タツチビブラートKVBは夫々の選択スイツチ
NVBS,KVBS(第14図)によつて選択され
る。尚、これらの選択スイツチNVBS,KVBS
は特別に設けずに、ボリユームV2,V3(第6
図)を利用してもよい。たて欄は、鍵演奏法を示
す。スタツカート演奏とは、前述の「エニーニユ
ーキーオン」が検出される演奏法であり、何も押
鍵されていない状態で新たな鍵を押圧することで
ある。この奏法のときは単音モード、複音モード
共通の効果組合せが得られる。何故なら、第4図
の単音キーアサイナ14Aでは、単音モード及び
複音モードのどちらが選択されている場合でも、
「エニーニユーキーオン」に応じてアタツクピツ
チスタート信号ASを発生するようになつている
ためである。レガート演奏とは、前述の「レガー
トニユーキーオン」が検出される奏法であり、以
前から押圧している鍵を離鍵する前に新たな鍵を
押圧することである。この奏法のときは単音モー
ドと複音モードとで可能な効果組合せが異なり、
更に単音モードの場合はスラーが選択されている
か否かで効果組合せが異なる。すなわち、前述の
通り、第4図の単音キーアサイナ14Aでは、レ
ガートニユーキーオンがあつた場合、単音モード
でスラーが選択されている(スラーオン)ときは
スラースタート信号SSを発生し、単音モードで
スラーが選択されていない(スラーオフ)ときは
アタツクピツチスタート信号ASを発生するよう
になつており、複音モードのときはレガートニユ
ーキーオンの検出そのものを行なわない(アンド
回路77及びフリツプフロツプNKQ参照)よう
になつているためである。 たて欄とよこ欄の交点に該当する効果組合せが
模式的に示されている。この模式図の意味すると
ころは第15図aから理解できると思われる。す
なわち、効果組合せを特徴づける変調信号VAL
及び深さエンベロープENVの変遷状態を誇張し
て示してある。組合わされる効果名を明瞭にする
ために、符号が添えられている。この符号は効果
付与回路20における各フリツプフロツプ224
〜227(第14図)の状態に対応するもので、
APQはアタツクピツチ、DELQはデイレイビラ
ート開始時間、DVBQはデイレイビブラート、
ANYQはノーマルビブラートあるいはアフター
タツチビブラートを示す。またSLQはスラーが
かかる部分を示している。また、VBDはノーマ
ルビブラートの深さを示し、KVBDはアフター
タツチビブラートの深さを示す。 第24図に示すような種々の効果組合せが可能
になる理由は、これまでの説明から明らかである
ので、ここで改めて説明することはしない。この
整理によつて明瞭となる1つの特徴的な事柄は、
鍵演奏法及び単音演奏、雑音演奏の区別に応じて
アタツクピツチ(APQ)を付与するか否かが自
動的に決定される点である。このような自動的な
アタツクピツチ付与は従来見られなかつたことで
ある。 楽音信号発生部の説明 第25図は、楽音信号発生部21(第2図)の
詳細例、特に該発生部21に含まれる周波数情報
変更回路21Aの詳細、を示すものである。周波
数情報変更回路21Aは、効果付与回路20のレ
ジスタ163(第13図)から与えられる変調信
号瞬時値データVALに応じて発生すべき楽音の
周波数情報を変更し、ピツチコントロールされた
周波数情報を出力するものである。周波数情報変
更回路21Aは単音モードと複音モードとで共用
されるようになつており、どちらのモードが選択
されているかに応じて回路機能が幾分切換わる。 単音モードが選択されている場合、周波数情報
変更回路21Aでは、第14図の演算器CUL5
内のレジスタ283から与えられる単音周波数情
報SKCに対して第13図の演算器CUL2内のレ
ジスタ163から与えられる変調信号瞬時値デー
タVALを加算する。前述の通り、周波数情報
SKCは対数表示(セント値)であり、かつデー
タVALもセント値で表現されている。従つて、
両データを加算(もしくは減算)することによ
り、単音周波数情報SKCのセント値をデータ
VALに対応するセント値だけ高域もしくは低域
側にずらした対数形式(セント表示)の周波数情
報log Fが得られる。 単音周波数情報SKCは、上位7ビツトのキー
コード部分(B3〜N1)とそれよりも下位の38セ
ント乃至1.2セントの重みに対応するデータ部分
とに分けて演算で利用される。そのために、第1
4図のレジスタ283の第8ステージからライン
325を介して情報SKCが取り出されると共に、
その第14ステージからライン326を介して情報
SKCが取り出される。第25図において、ライ
ン325の情報SKCは8ステージ/1ビツトの
シフトレジスタ329に入力され、システムクロ
ツクパルスφ1、φ2に従つて順次シフトされる。
シフトレジスタ329の第2乃至第8ステージの
出力(合計7ビツト)がラツチ回路330に与え
られており、タイミング信号25y32(第5
図)によつて該レジスタ329の内容がラツチ回
路330に並列的にラツチされる。第17タイムス
ロツトにおけるシフトレジスタ283の各ステー
ジの重みは第14図に示すようになつているた
め、第17乃至第24タイムスロツト(合計8タイム
スロツト)においては、情報SKCの上位8ビツ
トのデータ(すなわちキーコード部分)N1,N
2,N3,N4,B1、B2,B3,“0”がライ
ン325に順次現われ、これらが第25図のシフ
トレジスタ329に順次ロードされる。従つて、
その次の第25タイムスロツトにおいては、シフト
レジスタ329の各ステージの重みは図中に示す
ようになり、このとき発生する信号25y32に
よつてラツチ回路330にはSKCの上位7ビツ
トのキーコード部分B3〜N1がラツチされる。こ
うして、ラツチ回路330は、単音周波数情報
SKCのうちキーコード部分B3〜N1を常時出力す
る。 ラツチ回路330の出力はセレクタ331のB
入力に入力される。単音モード選択スイツチ
MONO―SW(第2図)から出力された単音モー
ド選択信号MONOがセレクタ331のB選択制
御入力SBに与えられており、単音モードのとき
はラツチ回路330からB入力に与えられるデー
タB3〜N1がセレクタ331で選択される。 一方、ライン326の情報SKCはアンド回路
332に与えられる。アンド回路332には単音
モード選択信号MONOとタイミング信号17T
22が与えられており、単音モードであることを
条件に第17乃至第22タイムスロツトの区間でライ
ン326のデータを選択する。第17タイムスロツ
トにおけるシフトレジスタ283の各ステージの
重みは第14図に示すようであるため、第17乃至
第22タイムスロツト(合計6タイムスロツト)で
は情報SKCのうち1.2セント乃至38セントの重み
の6ビツトのデータ部分がライン326に順次現
われ、これらのシリアル6ビツトデータSKC(38
〜1.2)がアンド回路332で選択されて加算器
333の入力Bに与えられる(第26図参照)。 第13図のレジスタ163に記憶された変調信
号データVALは第8ステージからライン327
を介して取り出されると共に第9ステージからラ
イン328を介して取り出される。第25図にお
いて、ライン327の変調信号データVALはア
ンド回路334に与えられ、タイミング信号17
T24(第5図)によつて第17乃至第24タイムス
ロツトの区間で選択される。第17タイムスロツト
におけるシフトレジスタ163の各ステージの重
みは第13図のようであるため、第17乃至第24タ
イムスロツト(合計8タイムスロツト)ではデー
タVALのうち上位8ビツトの1.2セント乃至75セ
ントの重みのデータ並びにサインビツトSがライ
ン327に順次現われ、これらがアンド回路33
4で選択される。アンド回路334の出力はオア
回路335を介して加算器333の入力Aに与え
られる。従つて、加算器333の入力Aには第17
乃至第24タイムスロツトにおいてデータVALの
上位8ビツト(1.2セント〜75セントの重みの7
ビツトのサインビツト)が第26図に示すように
シリアルに入力される。 第26図から明らかなように、加算器333で
は、情報SKCの下位6ビツトデータSKC(32〜
1.2)とデータVALとを同じ重み同士で加算する
ことによりシリアル演算を実行する。或る重みの
ビツトの加算によつて生じたキヤリイアウト信号
はその次のタイムスロツトにおいてキヤリイアウ
ト出力C0+1から出力され、Ci入力に与えられ
て1ビツト上のデータに加算される。尚、データ
VALは負の値(2の補数)で表わされているこ
ともあるので、その場合は加算器333で実質的
には減算が行なわれる。 加算器333の出力は8ステージ/1ビツトの
シフトレジスタ336に入力され、クロツクパル
スφ1、φ2に従つて順次シフトされる。シフトレ
ジスタ336及びラツチ回路337は、シフトレ
ジスタ329及びラツチ回路337と同様、シリ
アルな加算出力を並列データに置換えるためのも
のである。第17タイムスロツトにおいて加算器3
33から出力される1.2セントの重みのビツトに
関する加算結果はその8タイムスロツト後の第25
タイムスロツトにおいてはシフトレジスタ336
の第8ステージまでシフトされてくる。従つて、
第25タイムスロツトにおいて、シフトレジスタ3
36の各ステージの重みは図中に示すように1.2
セント乃至75セント及びサインビツトSに対応す
るものとなり、これらの重みのデータがタイミン
グ信号25y32によつてラツチ回路337に並
列的にラツチされる。 ラツチ回路337にラツチされた1.2セント乃
至75セントの重み及びサインビツトに対応する8
ビツトデータは8ビツトの並列加算器338の入
力Aに与えられる。加算器338の上位2ビツト
の入力Bにはセレクタ331から出力されるキー
コードの下位2ビツトN1,N2が夫々入力され
る。また、加算器338の下位6ビツトの入力B
にはデータNN1,NN2が入力されるようにな
つているが、これらは単音モードのときは常に
“0”である。従つて、加算器338では、ラツ
チ回路337から与えられる75セントの重みの加
算結果に対して情報SKCのキーコード部分の最
下位ビツトN1を加算し、ラツチ回路337から
与えられるサインビツトの重みの加算結果に対し
て前記キーコード部分のN2を加算する。この理
由は、加算器333では情報SKCのうち38セン
ト乃至1.2セントの重みのビツトとデータVALの
対応する重みのビツトとの加算が実質的に行なわ
れただけであり、情報SKCとデータVALとの演
算に関して75セント以上の重みのビツトに関する
加算はまだ行なわれていないためである。従つて
75セント以上の重みのビツトに関する加算を加算
器338及び339で行なうのである。 加算器338の最上位ビツトのキヤリイアウト
出力C0は加算器339の最下位ビツトのキヤリ
イイン入力Ciに与えられる。この加算器339は
5ビツトの並列加算器であり、セレクタ331か
ら出力された情報SKCのキーコード部分のうち
上位5ビツトB3,B2,B1、N4,N3が各入
力Bに与えられる。前述のような対数形式の周波
数情報SKCにあつては、キーコード部分の最下
位ビツトN1は75セントの重みに相当し、その上
のビツトN2は150セントの重みに相当する。従つ
て加算器338において、75セント及びその1ビ
ツト上の重みのラツチ回路337の出力とビツト
N1,N2とを夫々加算するのである。そして、
更に上の重みのビツトに関しては加算器339で
加算が行なわれる。 ところで、この補数を用いた演算にあつては、
サインビツトを最上位まで拡張しなければならな
い。そのため、ラツチ回路337は拡張したサイ
ンビツト信号PSのためのラツチ位置を余分に含
み、このラツチ位置に加算器333の出力を入力
するようにしている。ライン328のデータ
VALがアンド回路340に与えられている。第
26図に示すように第24タイムスロツトにおいて
ラツチ327に現われたデータVALのサインビ
ツトSはその1タイムスロツト後の第25タイムス
ロツトにおいてライン328に現われる。アンド
回路340では、この1タイムスロツト遅れのサ
インビツトSをタイミング信号25y32によつ
てサンプリングし、オア回路335を介して加算
器333の入力Aに与える。この遅延されたサイ
ンビツトSに対応する加算出力がラツチ回路33
7にラツチされ、拡張されたサインビツト信号
PSとして利用される。この信号PSは加算器33
9の各入力Aに与えられる。こうして、拡張した
サインビツト(オール“1”またはオール“0”)
が情報SKCの上位5ビツトB3〜N3に加算され
る。 以上の構成によつて、結局、単音モードにおい
ては周波数情報変更回路21Aでは、単音周波数
情報SKCに対して変調信号データVALを双方の
重みを一致させて加算することを実行する。そし
て、データVALが負の値(2の補数)のときは
実質的な減算を行なう。こうして、周波数情報
SKCをデータVALのセント値に応じて高域また
は低域側にずらした周波数情報logFが加算器3
39、338から出力される。この加算器33
9、338の各ビツト出力の重みは図に示す通り
である。尚、ピツチずれが全く生じていない場合
は、38セント乃至1.2セントの重みの箇所にかつ
こ書きしたようにそれらの重みの各ビツトの真理
値はキーコード部分の下位2ビツトN2,N1を
繰返した値となる。 周波数情報変更回路21Aから出力されたピツ
チコントロール済みの対数形式の周波数情報
logFは対数/リニア変換回路21Bに入力され、
リニア形式の周波数情報Fに変換される。この周
波数情報Fは楽音発生回路21Cに入力され、該
情報Fに対応する周波数の楽音信号が該回路21
Cから発生される。この楽音発生回路21Cにお
ける楽音発生方式は、周波数変調方式、高調波合
成方式、波形メモリ読み出し方式等如何なる方式
でもよく、その詳細は特に説明しない。 複音モードが選択されている場合、周波数情報
変更回路21Aでは、複音モードにおける押圧鍵
のキーコードPKCにもとづき前述と同様の対数
形式の周波数情報を形成し、この周波数情報に対
して変調信号瞬時値データVALを加算する。複
音モードの場合、複数の各楽音発生チヤンネルに
割当てられた押圧鍵を示す複数のキーコード
PKCが各チヤンネル毎に時分割で複音キーアサ
イナ14B(第2図)から出力され、周波数情報
変換回路21Aに与えられる。キーコードPKC
は前述同様にB3〜N1の7ビツトから成る。 このキーコードPKCの各ビツトB3〜N1はセレ
クタ331のA入力に与えられる。単音モード選
択信号MONOは“0”であり、これを反転した
インバータ341の出力“1”によつてA選択制
御入力が可能化され、複音モード用のキーコード
PKCがセレクトされる。また、インバータ34
1の出力“1”によつてアンド回路342,34
3が可能化され、キーコードPKCの下位2ビツ
トN2,N1が選択されてデータNN2,NN1と
して加算器338の下位6ビツトの入力Bに交互
に入力される。こうして、キーコードPKCはそ
の下位2ビツトN2,N1を更に下位に繰返し付
加したものとなる(すなわち対数形式の周波数情
報に変換される)。 一方、信号MONOの“0”によりアンド回路
332の不能化され、加算器333は変調信号デ
ータVALをそのまま出力する。従つて、ラツチ
回路337にはデータVALがそのままラツチさ
れ、かつそのサインビツト拡張信号PSがラツチ
される。従つて、加算器338,339では、キ
ーコードPKCに対応する対数形式の周波数情報
に対してデータVALを双方の重みを一致させて
加算(VALが負のときは減算)し、ピツチコン
トロール済みの対数形式の周波数情報logFを出
力する。楽音発生回路21Cは、複数の楽音発生
チヤンネルを含み、時分割的に与えられる各チヤ
ンネルの周波数情報にもとづき夫々のチヤンネル
で楽音を発生する。 勿論、楽音発生回路21Cは単音モード及び複
音モードのどちらにでも対応して楽音信号を発生
し得る構成であり、例えば単音モード用の楽音発
生チヤンネルと複音モード用の楽音発生チヤンネ
ル(複数の楽音発生チヤンネル)とを含んでい
る。単音モード選択信号MONO及び単音キーア
サイナ14A(第4図)から出力された単音用キ
ーオン信号MKON及び複音キーアサイナ14B
(後述の第27図)から出力された複音用のキー
オン信号KONが楽音発生回路21Cに与えられ
ている。単音モードが選択されている場合
(MONOが“1”の場合)、楽音発生回路21C
では単音用キーオン信号MKONにもとづいて楽
音の振幅エンベロープを形成し、単音用の楽音発
生チヤンネルを使用してこの振幅エンベロープに
対応して楽音信号の発音を制御する。複音モード
が選択されている場合(MONOが“0”の場合)
は、複音用キーオン信号KONにもとづいて各チ
ヤンネル毎に楽音の振幅エンベロープを形成し、
この振幅エンベロープによつて各チヤンネルの楽
音の発音を制御する。また、楽音発生回路21C
には第7図のインバータ106,107,108
からアフタータツチレベルデータATL、サステ
インスピードデータSTR、イニシヤルタツチレ
ベルデータITLが与えられており、これらのデー
タにもとづいて楽音の音量及び振幅エンベロープ
のサステイン時間が制御される。 複音キーアサイナの説明 第27図において、複音キーアサイナ14B
は、キーコードメモリ346、キーオンレジスタ
347、トランケート装置348及び割当て処理
を実行しこれらの回路装置346,347,34
8を制御する制御装置(14Bにおける346,
347,348以外の部分)を含んでおり、キー
スイツチのチヤタリングによる時分割多重化キー
データTDMの一時的な途切れに対処しつつ有効
な割当て動作を行なうことを特徴としている。 押鍵検出部12のマルチプレクサ30(第3
図)から出力された時分割多重化キーデータ
TDMはライン349を介して第27図のラツチ
回路350に与えられ、タイミング信号9y32
によつてラツチされる。また、キースイツチ走査
制御用のカウンタ13に含まれるシフトレジスタ
25(第3図)の最終ステージQ16から出力さ
れるシリアルキーコードKCがライン351を介
して第2―7図のキーアサイナ14Bに与えられ
る。前述の通りこのキーコードKCは正式なキー
コードKCを反転したものに相当するので、イン
バータ352でこれを反転し、正式なキーコード
KCを求める。このシリアルキーコードKCは8ス
テージ/1ビツトのシフトレジスタ355に与え
られ、システムクロツクパルスφ1,φ2に従つて
順次シフトされる。シフトレジスタ353の第2
乃至第8ステージ出力がラツチ回路354に並列
に入力されており、信号9y32のタイミングで
これらがラツチされる。前述の通り、第1タイム
スロツトにおけるシフトレジスタ25の各ステー
ジの重みは第3図のブロツク中に示すようになつ
ているため、その8タイムスロツト後の第9タイ
ムスロツトにおいてはシフトレジスタ353の第
2乃至第8ステージには第27図のブロツク中に
示すようにキーコードKCの各ビツトB3〜N1が
シフトされてきている。従つて、ラツチ回路35
4では、現在走査中の鍵を示すキーコードKCの
各ビツトB3〜N1が第9タイムスロツトから次の
第8タイムスロツトまでの32タイムスロツトの間
保持される。これに同期して、このラツチ回路3
54にラツチされたキーコードKCに対応する鍵
の押圧または離鍵を示すキーデータTDMが第9
タイムスロツトから次の第8タイムスロツトまで
の32タイムスロツトの間ラツチ回路350で保持
される。すなわち、ラツチ回路350から出力さ
れるキーデータTDM(9〜)はキーデータTDM
を8タイムスロツト遅延したものである。1キー
分のキーデータTDM(9〜)の区間を第28図
に示す。この区間でキーデータTDM(9〜)が
“1”のときキースイツチオンを示し、“0”のと
きキースイツチオフを示す。 キーコードメモリ346は各チヤンネルに割当
てられた押圧鍵のキーコードPKCを夫々記憶す
るためのものである。このメモリ346は、8ス
テージ/1ビツトのシフトレジスタ355をキー
コードPKCの各ビツトB3〜N1に対応して夫々具
えており、8チヤンネル分のキーコードPKCの
時分割的に記憶する。シフトレジスタ355はシ
ステムクロツクパルスφ1、φ2によつてシフト制
御されるもので、その最終ステージの出力がアン
ド回路356及びオア回路357を介して循環保
持される。すなわち、常時は信号KSETが“1”
であり、アンド回路356が可能化されている。
358は書込み用のアンド回路である。キーコー
ドメモリ346を構成するこれらの回路355〜
358はビツトN1のみに関して図示したが、他
のビツトB3〜N2に関しても同様のものが設けら
れている。各チヤンネルの時分割タイミングを番
号1乃至8で示すと、1キータイム中の各タイム
スロツトに対して第28図のような関係になる。
すなわち、32タイムスロツトにおいて各チヤンネ
ルタイミングが4巡する。また、キーコードメモ
リ346から時分割的に出力される各チヤンネル
のキーコードPKCは楽音信号発生部21(第2
5図の周波数情報変更回路21A)に与えられ、
これらのキーコードPKCにもとづき各チヤンネ
ルで楽音信号が発生される。 トランケート装置348は、各チヤンネルに対
する割当て可能性を順位づけるためのものであ
り、割当て可能性が最大値に順位づけられた1つ
のチヤンネルをトランケートチヤンネル(すなわ
ち古い割当て情報をトランケートし、そこに新た
な鍵が割当てられることを可能にするチヤンネ
ル)として指定する。このトランケート装置34
8は、トランケートメモリ359、4ビツトの加
算器360、比較器361及び最大値メモリ36
2を含んでいる。トランケートメモリ359は8
ステージ/1ビツトのシフトレジスタ363を4
個並列に具えており、各レジスタ363の入力側
にはクリア制御用のアンド回路364が設けられ
ている。このメモリ359は、各チヤンネルの割
当て可能性の順位(トランケート順位)を示すデ
ータTO1、TO2、TO3、TO4を並列4ビツト形式
で各チヤンネル毎に時分割で記憶するものであ
る。そのため、シフトレジスタ363はシステム
クロツクパルスφ1、φ2によつて、キーコードメ
モリ346の時分割チヤンネルタイミングに同期
して、シスト制御される。トランケートメモリ3
59を構成するシフトレジスタ363及びアンド
回路364は、2進4ビツトのトランケート順位
データTO1〜TO4のうちビツトTO1に対応するも
ののみ図示したが、他のビツトTO2〜TO4に関し
ても同様のものが設けられる。 トランケートメモリ359における各レジスタ
363の出力TO1〜TO4は加算器360に入力さ
れる。加算器360ではキヤリイイン入力Ciに信
号“1”が与えられる毎にデータTO1〜TO4に1
を加算する。この4ビツト加算出力はトランケー
トメモリ359に与えられ、各ビツト毎にアンド
回路364を介してシフトレジスタ363に記憶
される。トランケートメモリ359から加算器3
60に与えられるデータTO1〜TO4は各チヤンネ
ル毎に時分割化されており、入力Ciに加わるカウ
ント信号DCは各チヤンネル別にその時分割タイ
ミングに対応して与えられる。こうして、トラン
ケートメモリ359と加算器360は、カウント
信号DCを各チヤンネル別に時分割で計数するカ
ウンタを構成している。或るチヤンネルタイミン
グでカウント信号DCが与えられる毎にそのチヤ
ンネルに関するトランケート順位データTO1
TO4の値が増加する。また、トランケートメモリ
359の各アンド回路364には信号KSETが入
力されており、常時はこの信号KSETの“1”に
より加算器360の出力(すなわちTO1〜TO4
がメモリ359でホールドされるが、或るチヤン
ネルタイミングでこの信号KSETが“0”になる
と、そのチヤンネルに関するトランケート順位デ
ータTO1〜TO4がオール“0”にクリアされる。 トランケート順位データTO1〜TO4は、その値
が10進数の「0」(2進数の“0000”)のとき割当
て可能性ゼロ、(すなわち現在押圧中の鍵がその
チヤンネルに割当てられており、別の鍵をそのチ
ヤンネルに割当てることができないこと)を示
す。データTO1〜TO4の値が10進数の「1」(2
進数の“0001”)以上であつてその値が大きいほ
ど割当て可能性が増すのであるが、キースイツチ
のチヤタリング対策上、所定値以下の場合は事実
上割当て可能性ゼロと見なすようにしている。実
施例では、データTO1〜TO4の10進値が「1」の
ときは、そのチヤンネルに割当てられている鍵に
関するキーデータTDMが前走査サイクルで初め
て“0”になつたことを示しており、これはチヤ
タリングによる一時的なキーデータTDMの途切
れであるかもしれないので、真の離鍵とは見なさ
ず、割当て可能性ゼロ(鍵押圧が持続している)
と見なすようにしている。データTO1〜TO4の10
進値が「2」以上のときは、そのチヤンネルに割
当てられている鍵が離鍵されていることを示して
おり、割当て可能性が存在することを示す。「2」
以上のデータTO1〜TO4は、後から別の鍵が離鍵
される毎にカウントアツプされ、最も古く離鍵さ
れたチヤンネルのデータTO1〜TO4が最大値を示
すようになる。 アンド回路365,366、オア回路367及
びインバータ368〜371は、トランケート順
位データTO1〜TO4を上記3つの状態に応じてデ
コードするためのものである。アンド回路365
には、データTO1〜TO4の全ビツトをインバータ
368〜371によつて反転した信号が与えられ
ており、その値が10進数の「0」のチヤンネルす
なわち現在押圧中の鍵が割当てられているチヤン
ネルに対応して出力信号TC0が“1”となる。
アンド回路366には、データTO1及びデータ
TO1〜TO4をインバータ369〜371で反転し
た信号が加えられており、データTO1〜TO4の10
進値が「1」のチヤンネルすなわちキーデータ
TDMが前走査サイクルで初めて“0”になつた
鍵が割当てられているチヤンネルに対応して出力
信号TC1が“1”となる。オア回路367には
データTO1〜TO4の上位3ビツトTO2〜TO4が入
力されており、データTO1〜TO4の10進値が
「2」以上のチヤンネルすなわち既に離鍵された
鍵が割当てられているチヤンネルに対応してその
出力信号TC2―15が“1”となる。 最大値メモリ362は各チヤンネルのデータ
TO1〜TO4のうち最大値を記憶するためのもの
で、最大値データの各ビツトMT1〜MT4毎に遅
延フリツプフロツプ372、アンド回路373、
374及びオア回路375を夫々具えている。こ
れらの回路372〜375はビツトMT1に関す
るもののみ図示したが、他のビツトMT2〜MT4
に関しても同様のものを具えている。比較器36
1のA入力にはトランケートメモリ359に記憶
されている各チヤンネルの前記データTO1〜TO4
が時分割で与えられており、B入力には最大値メ
モリ362に記憶した最大値データMT1〜MT4
が入力される。「A>B」が成立したとき、すな
わちメモリ362に記憶しているデータMT1
MT4よりも大きな値のデータTO1〜TO4が与え
られたとき、比較器361からアンド回路376
に対して“1”が与えられる。アンド回路376
はタイミング信号9T16によつて第9乃至第16
タイムスロツトの間可能化されるようになつてお
り、この間で比較器361の「A>B」出力が選
択され、DSET信号としてアンド回路373に与
えられる。各ビツトMT1〜MT4に対応するアン
ド回路373にはデータTO1〜TO4が夫々入力さ
れており、DSET信号が“1”のときこれらのデ
ータTO1〜TO4を選択してオア回路375を介し
て遅延フリツプフロツプ372にロードする。遅
延フリツプフロツプ372にロードされたデータ
TO1〜TO4は1タイムスロツト後に新たな最大値
データMT1〜MT4として出力されると共にアン
ド回路374を介してホールドされる。アンド回
路374はDSET信号が“0”のとき可能化さ
れ、“1”のとき動作不能となる。すなわち、比
較器361で「A>B」が成立したとき、古い最
大値データMT1〜MT4をクリアする。また、ア
ンド回路374にはタイミング信号24y32を
インバータ402で反転した信号が加えられてお
り、第24タイムスロツトのとき該アンド回路37
4を動作不能とし、メモリ362の記憶データ
MT1〜MT4をクリアする。従つて、信号9T1
6が立上る第9タイムスロツトにおいてデータ
MT1〜MT4はオール“0”である。 こうして、信号9T16によつてアンド回路3
76が可能化される第9から第16タイムスロツト
までの8タイムスロツトの間で各チヤンネルのデ
ータTO1〜TO4が順次比較され、より大きな値の
データTO1〜TO4がデータMT1〜MT4としてメ
モリ362に記憶され、最終的に第16タイムスロ
ツトが終了したときメモリ362には各チヤンネ
ルのデータTO1〜TO4のうち最大値を示すデータ
MT1〜MT4が記憶されている。この比較期間は
第28図のA期間に相当する。そして、この最大
値データMT1〜MT4は、信号24y32によつ
てクリアされるまでの間、すなわち第17から第24
タイムスロツトまでの8タイムスロツトの間、メ
モリ362でホールドされる。この最大値データ
ホールド期間は第28図のB期間に相当する。ま
た、比較器361は、「A=B」が成立したとき、
すなわちデータTO1〜TO4の値が最大値(MT1
〜MT4)であるチヤンネルのタイミングに対応
してトランケートチヤンネル指定信号TCHを発
生する(TCHを“1”にする)。上述から明らか
なように、このトランケートチヤンネル指定信号
TCHは第28図のB期間(第17乃至24タイムス
ロツト)で有効な信号である。 一方、一致検出回路377ではラツチ回路35
4にラツチしたキーコードKCとキーコードメモ
リ346に記憶した各チヤンネルのキーコード
PKCとを比較し、現在走査中の鍵を示すキーコ
ードKCと同じものがキーコードメモリ346に
記憶されている場合そのチヤンネルタイミングに
対応してキーコード一致信号KCEQを出力する。
一致検出回路377は、ラツチ回路354に記憶
したキーコードKCとキーコードメモリ346の
各シフトレジスタ355から時分割的に出力され
るキーコードPKCとを各ビツトB3〜N1毎に比較
するための排他オア回路378と、各ビツトB3
〜N1に対応する排他オア回路378の出力を入
力したノア回路379とを含んでいる。図ではビ
ツトN1に対応する排他オア回路378のみ示し
たが、他のビツトB3〜N2に関しても同様のもの
が設けられる。現在走査中の鍵のキーコードKC
と或るチヤンネルのキーコードPKCとが一致し
ている場合、各ビツトB3〜N1の排他オア回路3
78の出力が“0”となり、ノア回路379の出
力信号KCEQがそのチヤンネルタイミングに対応
して“1”となる。反対に、1ビツトでも異なつ
ていれば排他オア回路378からノア回路379
に“1”が入力され、その出力信号KCEQが
“0”となる。尚、キーコードPKCの全ビツトが
入力されたノア回路380が設けられており、そ
の出力がノア回路379に与えられている。これ
は、キーコードPKCがオール“0”のとき一致
信号KCEQが出ないようにするためである。 システムクロツクパルスφ1、φ2によつて制御
される2つの遅延フリツプフロツプRG0、RG
1のうち一方のフリツプフロツプRG0は、既に
いずれかのチヤンネルに割当てられておりかつ前
走査サイクルまでは鍵押圧が検出されていた鍵に
関する今回走査サイクルにおける鍵走査タイミン
グが到来したことを記憶するためのものである。
他方のフリツプフロツプRG1は、既にいずれか
のチヤンネルに割当てられておりかつ前走査サイ
クルで初めて離鍵が検出された鍵に関する今回走
査サイクルにおける鍵走査タイミングが到来した
ことを記憶するためのものである。これらのフリ
ツプフロツプRG0、RG1の状態をセツトする
操作はアンド回路383及び384によつて第9
乃至第17タイムスロツトの間(第28図のA期
間)で行なわれる。前述の通り、この第9乃至第
17タイムスロツトの期間(A期間)は1キー分の
キーデータTDM(9〜)がラツチ回路350か
ら出力される最初の8タイムスロツトでありかつ
このキーデータTDM(9〜)に対応するキーコ
ードKCがラツチ回路354から出力される最初
の8タイムスロツトである。 アンド回路383には、第9乃至第17タイムス
ロツトの期間を示すタイミング信号9T16及び
一致検出回路377から出力されるキーコード一
致信号KCEQ及びアンド回路365から出力され
る信号TC0が与えられる。現在走査中の鍵が既
に或るチヤンネルに割当てられている場合、前述
の通り、そのチヤンネルのタイミングに対応して
一致信号KCEQが“1”となり、かつその鍵が現
在押圧中である(厳密には前走査サイクルまでは
鍵押圧中であることが検出されていた)場合はそ
のチヤンネルタイミングに対応して信号TC0が
“1”となり、アンド回路383の条件が成立す
る。アンド回路383の出力“1”はオア回路3
90を介して遅延フリツプフロツプRG0にロー
ドされ、1タイムスロツト後に該フリツプフロツ
プRG0から出力される。このフリツプフロツプ
RG0の出力はアンド回路381及びオア回路3
90を介して自己保持される。 アンド回路384には、タイミング信号9T1
6及びキーコード一致信号KCEQ及びアンド回路
366から出力される信号TC1が与えられる。
現在走査中の鍵が既に或るチヤンネルに割当てら
れている場合は前述の通りそのチヤンネルタイミ
ングに対応してキーコード一致信号KCEQが
“1”となり、かつその鍵に対応するキーデータ
TDMが前走査サイクルで初めて“0”になつた
場合はそのチヤンネルタイミングに対応して信号
TC1が“1”となり、アンド回路384の条件
が成立する。アンド回路384の出力“1”はオ
ア回路391を介して遅延フリツプフロツプRG
1にロードされ、1タイムスロツト後にRG1か
ら出力される。このフリツプフロツプRG1の出
力はアンド回路382、オア回路391を介して
自己保持される。 タイミング信号24y32をインバータ392
で反転した信号がアンド回路381及び382に
与えられる。従つてフリツプフロツプRG0及び
RG1の状態は、第9乃至第16タイムスロツト
(第28図のA期間)においてアンド回路383
及び384の出力によつてセツトされた後は第24
タイムスロツトまで保持され、第24タイムスロツ
トにおいて信号24y32によつてリセツトされ
る。 フリツプフロツプRG0及びRG1が有効な状
態を保持する第17乃至24タイムスロツトの間(第
28図のB期間)において、アンド回路385〜
389を利用してキーコードメモリ346及びト
ランケート装置348に対する制御が実行され
る。そのため、アンド回路385〜389にはタ
イミング信号17T24が入力されており、B期
間において可能化される。また、信号ASiは通常
“0”であり、これをインバータ393で反転し
た信号ASiが各アンド回路385〜389に与え
られている。 アンド回路386はニユーキーオン
(NEWKON)の処理を行なうためのものであ
る。ニユーキーオン(NEWKON)の処理とは、
新たに押圧された鍵をトランケートチヤンネル指
定信号TCHによつて指定されたチヤンネルに割
当てる処理である。このアンド回路386には、
上述の信号のほかに、キーデータTDM(9〜)、
トランケートチヤンネル指定信号TCH、オア回
路367の出力信号TC2―15、フリツプフロ
ツプRG0及びRG1の出力をインバータ394
及び395で夫々反転した信号が加えられる。
TDM(9〜)が“1”とは現在走査中の鍵が押
圧されていることを示しており、RG0及びRG
1の状態が夫々“0”(インバータ394及び3
95の出力が“1”)とはその鍵が未だどのチヤ
ンネルにも割当てられていないことを示してお
り、これらの条件が成立したとき新たな鍵が押圧
されたことを示す。また、前述の通り、信号TC
2―15は既に離鍵された鍵が割当てられている
チヤンネルを示しており、信号TCHはトランケ
ート順位データTO1〜TO4が最大値のチヤンネル
を示している。従つて、キーデータTDMに対応
する鍵が新たに押圧された鍵である場合、最も古
く離鍵されたチヤンネル(TCHのチヤンネル)
のタイムスロツトに対応してアンド回路386の
条件が成立する。アンド回路386の出力“1”
はオア回路396を介してKSET信号としてキー
コードメモリ346に与えられる。 KSET信号が“1”のとき、メモリ346内の
各ビツト毎の書込み用アンド回路358が可能化
され、ラツチ回路354にラツチされている新た
な押圧鍵のキーコードKCがメモリ346(すな
わち各ビツト毎のシフトレジスタ355)にロー
ドされる。このとき、KSET信号をインバータ3
97で反転しKSET信号は“0”であり、メモリ
346における当該チヤンネルの古い割当て鍵を
示すキーコードPKCがクリアされる。また、
KSET信号の“0”によりトランケートメモリ3
59の各ビツト毎のアンド回路364が動作不能
となり、当該チヤンネルに関するデータTO1
TO4をオール“0”にする。こうして、新たな押
圧鍵の割当てが実行される。 尚、最大値MT1〜MT4と同値のデータTO1
TO4を保有するチヤンネルが複数有る場合は、ア
ンド回路386が信号9T16によつて可能化さ
れる8タイムスロツトの間に信号TCHが複数タ
イムスロツトで発生する。そこで、新たな押圧鍵
が複数チヤンネルに連続して割当てられることを
防止するために、アンド回路386の出力がオア
回路390を介して遅延フリツプフロツプRG0
に与えられるようになつており、1つのタイムス
ロツトでアンド回路386の条件が成立したとき
該フリツプフロツプRG0をセツトし、以後はア
ンド回路386の条件が成立しないようにしてい
る。従つて、KSET信号は1つのタイムスロツト
で1度だけ“1”となり、新たな押圧鍵は1つの
チヤンネルにのみ割当てられる。 アンド回路387はプリニユーキーオフ
(NEWKOF1)の処理を行なうためのものであ
る。プリニユーキーオフ(NEWKOF1)の処理
とは、今まで押圧されていた鍵のキーデータ
TDMが今回の走査サイクルで初めて“0”にな
つたときに行なう処理であり、真の離鍵とチヤタ
リングとの区別をするための予備的な処理であ
る。アンド回路387には、前述の信号ASi、1
7T24のほかに、キーデータTDM(9〜)を
インバータ398で反転した信号、キーコード一
致信号KCEQ、信号TC0及びフリツプフロツプ
RG0の出力信号が入力される。キーデータ
TDM(9〜)が“0”(インバータ398の出力
信号が“1”)とは現在走査中の鍵が離鍵されて
いることもしくはキースイツチチヤリングによつ
て一時的にスイツチオフとなつていることを示
し、RG0が“1”とはその鍵が今まで押圧され
ていたものでありかついずれかのチヤンネルに現
在割当てられていることを示しており、これらの
条件が成立したとき今まで押圧されていた鍵のキ
ーデータTDMが今回の走査サイクルで初めて
“0”となつたことを示す。これがプリニユーキ
ーオフ(NEWKOF1)の検出条件であり、この
条件が成立したとき、その鍵が割当てられている
チヤンネルタイミング(これは信号KCEQとTC
0によつて特定される)に対応してアンド回路3
87の出力が“1”となる。アンド回路387の
出力“1”はオア回路399を介してカウント信
号DCとして加算器360に与えられる。これに
より、それまではオール“0”(TC0が“1”)で
あつた当該チヤンネルのトランケート順位データ
TO1〜TO4が“0001”(10進数の「1」)となり、
信号TC1が“1”となる。前述の通り、このプ
リニユーキーオフ(NEWKOF1)の処理によつ
てデータTO1〜TO4が「1」(10進数)となつた
だけではまだ真の離鍵とは判断しない。 このプリニユーキーオフ(NEWKOF1)の処
理を行なつた走査サイクルの次の走査サイクルに
おける当該プリニユーキーオフ処理に係る鍵の走
査タイミングにおいて前述のフリツプフロツプ
RG1のセツトが行なわれる。すなわち、当該鍵
が割当てられているチヤンネルのタイミングに対
応して信号TC1が“1”となりかつ信号KCEQ
が“1”となるからである。前述の通り、このフ
リツプフロツプRG1のセツトはA期間(第28
図)で行なわれる。その直後のB期間において、
このフリツプフロツプRG1の出力が“1”であ
ること(すなわち前走査サイクルでプリニユーキ
ーオフ処理を行なつたこと)を条件に、オールド
キーオン(OLDKON)あるいは真のニユーキー
オフ(NEWKOF2)及びキーオフインクリメン
ト(KOFINC)の処理を行なう。 アンド回路385はオールドキーオン
(OLDKON)の処理を行なうためのものである。
オールドキーオン(OLDKON)の処理とは、前
走査サイクルにおいてプリニユーキーオフ処理さ
れた鍵のキーデータTDMが今回の走査サイクル
では“1”に復帰した場合に行なう処理である。
すなわち、このオールドキーオン(OLDKON)
が成立する場合は、前回のキーデータTDMの
“0”はキースイツチのチヤタリングによる一時
的な途切れであつたことを意味する。アンド回路
385には、前述の信号ASi、17T24のほか
に、キーデータTDM(9〜)、キーコード一致信
号KCEQ、信号TC1及びフリツプフロツプRG1
の出力信号が入力される。キーデータTDM(9
〜)が“1”とは現在走査中の鍵が押圧されてい
ることを示し、RG1が“1”とはその鍵に関し
て前走査サイクルでプリニユーキーオフ処理を行
なつたことすなわち前走査サイクルにおいてその
鍵のキーデータTDMが初めて“0”になつたこ
とを示しており、これらの条件が成立したとき前
走査サイクルにおけるキーデータTDMの“0”
はチヤタリングによる一時的な途切れであつたに
すぎないことを意味する。これがオールドキーオ
ン(OLDKON)の検出条件であり、この条件が
成立したとき、その鍵が割当てられているチヤン
ネルタイミング(これは信号KCEQとTC1によつ
て特定される)に対応してアンド回路385の出
力が“1”となる。 このアンド回路385の出力“1”はオア回路
396を介してKSET信号として利用される。オ
ールドキーオン(OLDKON)処理における
KSET信号は、新たな割当てのためのものではな
く、トランケート順位データTO1〜TO4をプリニ
ユーキーオフ処理を行なう前の状態に(つまりオ
ール“0”に)戻すために利用される。すなわ
ち、KSET信号を反転したKSET信号によつて当
該チヤンネルにおけるデータTO1〜TO4の値
“0001”がクリアされ、“0000”に戻される。キー
コードメモリ346では、KSET信号によつてラ
ツチ回路354からのキーコードKCをロードす
るが、これは当該チヤンネルにおける古いキーコ
ードPKCと同じであるため実質的な変化はない。 “アンド回路388は真のニユーキーオフ
(NEWKOF2)の処理を行なうためのものであ
る。アンド回路388には、前述の信号ASi、1
7T24のほかに、キーデータTDM(9〜)を
インバータ398で反転した信号、キーコード一
致信号KCEQ、信号TC1及びフリツプフロツプ
RG1の出力信号が入力される。キーデータ
TDM(9〜)が反転されている点だけが異なり、
他は前記アンド回路385と同じ信号が入力され
る。今まで押圧されていた鍵のキーデータTDM
が2走査サイクル連続して“0”のときこのアン
ド回路388の条件が成立し、該鍵が割当てられ
ているチヤンネルタイミングで“1”が出力され
る。このようにキーデータTDMが2走査サイク
ル続けて“0”になつたとき初めて新たな離鍵が
なされたと判断する。アンド回路388の出力
“1”はオア回路399を介して加算器360に
与えられる。これにより、前走査サイクルにおけ
るプリニユーキーオフ処理によつて“0001”とさ
れた当該チヤンネルのトランケート順位データ
TO1〜TO4が更に1カウントアツプされて
“0010”(10進数の「2」)となる。こうして、ト
ランケート順位データTO1〜TO4の10進値が
「2」以上のチヤンネルは離鍵状態となつている
ことを示している。 アンド回路389はキーオフインクリメント
(KOFINC)の処理を行なうためのものである。
キーオフインクリメント(KOFINC)とは、上
述の真のニユーキーオフ(NEWKOF2)の条件
が成立したときすなわち新たな離鍵が検出された
とき、既に離鍵状態となつている他のチヤンネル
のトランケート順位データTO1〜TO4を夫々1カ
ウントアツプする処理である。アンド回路389
には、前記アンド回路388と同様に、キーデー
タTDM(9〜)の反転信号とフリツプフロツプ
RG1の出力信号が入力されており、新たな離鍵
が検出されたときすなわち前走査サイクルでプリ
ニユーキーオフ処理を行ない(RG1が“1”)か
つ今回走査サイクルでもキーデータTDM“0”
のとき、動作可能となる。アンド回路389には
更に信号TC2―15が入力されている。従つて、
前記アンド回路388が新たな離鍵を検出したチ
ヤンネルのタイミングに対応して“1”を出力す
るのに対して、アンド回路389は新たな離鍵が
検出されたチヤンネルとは別の既に離鍵状態とな
つているチヤンネルのタイミングに対応して
“1”を出力する。アンド回路389の出力“1”
はオア回路399を介してカウント信号DCとし
て加算器360に与えられる。こうして、既に離
鍵状態となつているチヤンネルのデータTO1
TO4(10進値の「2」以上の値)が更に1カウン
トアツプされる。従つて、このキーオフインクリ
ント処理によつて、離鍵状態となつているチヤン
ネルのデータTO1〜TO4は新たな離鍵(真のニユ
ーキーオフNEWKOF2)がある毎に1カウント
アツプされることにより、結局最も古く離鍵され
たチヤンネルのデータTO1〜TO4が最大値を示す
ものとなる。尚、図示は省略したが、電源投入時
に全チヤンネルのデータTO1〜TO4を「2」以上
の所定値にプリセツトしておく必要があるのはい
うまでもない。 トランケートメモリ359から出力されるデー
タTO1〜TO4のうち上位3ビツトTO2,TO3
TO4がオア回路400に入力されており、このオ
ア回路400からキーオフ信号KOFが得られる。
データTO1〜TO4の10進値が「2」以上のチヤン
ネル(すなわち離鍵状態となつているチヤンネ
ル)のタイミングに対応してキーオフ信号KOF
が“1”となる。キーオフ信号KOFが“0”の
チヤンネルは押鍵中のチヤンネルを示す。そこで
このキーオフ信号KOFをインバータ401で反
転してキーオン信号KONを作り、これを8ステ
ージ/1ビツトのシフトレジスタから成るキーオ
ンレジスタ347を経由させて出力するようにし
ている。レジスタ347から出力されるキーオン
信号KONはキーコードメモリ346から出力さ
れるキーコードPKCの時分割チヤンネルタイミ
ングに同期しており、押鍵中のチヤンネルで
“1”、離鍵されたチヤンネルで“0”となる。こ
のキーオン信号KONは楽音信号発生部21(第
25図の楽音発生回路21C)に与えられ、各チ
ヤンネルで発生する楽音の発音を制御する。前述
のプリニユーキーオフ処理(NEWKOF1)の後
オールドキーオン処理(OLDKON)が行なわれ
た場合すなわちチヤタリングがあつた場合、キー
オン信号KONは全く途切れず、従つてチヤタリ
ングを除去することができる。 尚、信号ASiは複音モードのときのイニシヤル
センシング信号ISに対応して第4図の単音キーア
サイナ14Aから与えられるものであり、イニシ
ヤルタツチ検出を行なう前記約10msの待ち時間
の間、複音キーアサイナ14Bの割当て動作を禁
止するために利用される。第4図において、フリ
ツプフロツプAKQの出力がアンド回路91を介
してオア回路345に与えられると共にアンド回
路344の出力がオア回路345に与えられてお
り、このオア回路345の出力が信号ASiとして
第27図に与えられる。アンド回路344にはフ
リツプフロツプXKQの出力及びフリツプフロツ
プMK1,MK2の出力反転信号が入力されてい
る。前述の「エニーニユーキーオン」に相当する
キーデータTDMが与えられたとき、第17タイム
スロツトでフリツプフロツプXKQの出力が“1”
に立上り、その8タイムスロツト後の第25タイム
スロツトでフリツプフロツプAKQの出力が“1”
に立上り、その後約10msの間AKQの“1”が保
持される。そしてこのAKQの“1”に対応して
イニシヤルセンシング信号ISが“1”となり、前
述のイニシヤルタツチ検出処理が実行される。イ
ニシヤルタツチ検出期間中は発音を開始せず、そ
の期間終了後に発音開始しなければならないこと
は前述の通りであり、そのために信号ISに対応す
る信号ASiによつて複音キーアサイナ14Bの割
当て動作特にアンド回路385〜389による処
理(OLDKON、NEWKON、NEWKOF1、
NEWKOF2、KOFINC)を禁止するのである。
信号ASiは信号ISよりもアンド回路344の出力
の分だけ早く“1”に立上る。これは、信号ISす
なわちフリツプフロツプAKQの出力は第25タイ
ムスロツトで立上るため、これだけでは「エニー
ニユーキーオン」検出のときの第17乃至第24タイ
ムスロツト(第28図のB期間)をカバーするこ
とができないので、この期間でも確実に割当て動
作を禁止するためである。すなわち、アンド回路
344はフリツプフロツプAKQのセツト条件と
同じ条件で動作し、該フリツプフロツプAKQの
出力が“1”に立上る8タイムスロツト前の第17
タイムスロツトからその出力が“1”に立上る。 上述のように第27図の複音キーアサイナ14
Bを用いれば、トランケート装置348を利用し
てキースイツチのチヤタリングを除去することが
できるので、押鍵検出部12(第2図、第3図)
の側に特別のチヤタリング除去回路を設ける必要
がなくなり、回路構成を簡単化することができ
る。尚、上記実施例では、キーデータTDMが1
走査サイクル(約2ms)だけ途切れた場合をチヤ
タリングと見なし、2走査サイクル以上続けて途
切れた場合は離鍵と判断するようにしているが、
チヤタリングと見なすキーデータTDMの途切れ
期間は1走査サイクルに限らず任意に設定でき
る。すなわち、前記プリニユーキーオフ
(NEWKOF1)処理が所定走査サイクル連続して
行なわれるように構成すればよく、そのためには
前記トランケート順位データTO1〜TO4の値が
「1」乃至所定値のとき前記信号TC1を発生しか
つデータTO1〜TO4の値が該所定値を越えている
とき前記信号TC2―15を発生するように構成
すればよい。 尚、押鍵検出部12は第3図に示すような時分
割多重化キーデータTDMを発生する方式に限ら
ず、如何なる押鍵検出方式を用いてもよい。ま
た、上記実施例では単音モードと複音モードが選
択可能であるが、どちらか一方のみであつてもよ
い。 アタツクピツチコントロールに鍵タツチ検出信
号を利用する場合、タツチセンサ10はアナログ
出力を生じるものに限らずデイジタル出力を生じ
るものを用いてもよい。また、アタツクピツチコ
ントロールに鍵タツチ検出信号を利用する場合、
タツチセンサ10は必らずしもアフタータツチセ
ンサである必要はなく、イニシヤルタツチ検出専
用のセンサであつてもよい。また、アタツクピツ
チの初期深さに限らずアタツクピツチのかかる期
間(エンベロープレート)をイニシヤルタツチに
応じて制御するようにしてもよい。 また、上記実施例ではタツチセンサ11は全鍵
共通であるが、各鍵毎にもしくは半オクターブあ
るいはオクターブ等所定音域毎に夫々独立にタツ
チセンサを設けてもよい。また、アフタータツチ
センサ11Aの形状、材質等は特に限定されず、
要するに押鍵持続中においても鍵タツチに応じた
出力が得られるものであればよい。例えば、感圧
導電ゴムあるいは圧電素子、半導体圧力センサ、
光学方式を用いたもの、コイルを用いたもの、磁
気作用を用いたもの、等如何なる動作原理にもと
づくセンサを用いてもよい。 「エニーニユーキーオン」あるいは「レガート
ニユーキーオン」にもとづきアフタータツチセン
サ11Aの出力信号のピーク値を所定期間内で検
出しこれをホールドする場合において、必ずしも
厳密なピーク値ホールドを行なわねばならないわ
けではなく、要するに演奏者が鍵押圧当初に鍵に
与えた力(イニシヤルタツチ)を前記所定期間内
で量的に検出するように構成されていればよい。
また、イニシヤルタツチ検出のための前記所定期
間は実施例では約10ms(ミリ秒)となつている
が、発音開始を遅らせてもさしつかえない程度な
らどの程度でもよい。 上記実施例ではタツチ検出信号(ボリユームV
3,V6,V8の出力)と他の効果設定信号(ボ
リユームV1,V2,V4,V5,V7の出力)
とを共通のA/D変換部17でA/D変換するよ
うにしているが、タツチ検出信号専用のA/D変
換装置を設けてもよい。 第6図のA/D変換器18においては、ボリユ
ームV1乃至V7に関するA/D変換に関して、
データの急激な変化を防ぐために1サンプリング
周期におけるデータ変化量は±1に限定されてい
る。しかし、1サンプリング周期におけるデータ
変化量を±N(Nは2以上の所定数)以内に限定
する、あるいはデータ変化量を全く限定しないよ
うにする、ことも可能である。後者の場合、第6
図のアツプカウント用のアンド回路144に遅延
フリツプフロツプ140の出力を入力し、かつア
ンド回路142,144から信号TiM2+3、
TiM1を除去すればよい。また、前者の場合は、
上述と同様にアンド回路142,144の入力組
合せを変更した上で、遅延フリツプフロツプ13
7の連結数(シフトステージ数)をNに対応して
増加し、その各ステージからTiM信号の遅延信
号が出力されている間のみアンド回路142,1
44を動作可能にすればよい。また、タツチ検出
信号に応じて音高、音量のみならず音色その他の
楽音要素を制御するようにしてもよいのは勿論で
ある。 第13図の演算器CUL2では演算器CUL3で
求めたエンベロープデータENV(到達目標値)を
所定ビツト下位シフトしたデータΔENVを変化
幅データとて用いているが、これに限らず、別途
適宜の変化幅データ発生手段で発生したデータを
演算に用いるようにしてもよい。また、演算器
CUL1〜CUL4更にはCUL5、CUL6はシリア
ル演算を行なうものに限らずパラレル演算器を用
いてもよい。また実施例では、演算器CUL2で
変化幅データΔENVの演算を行なうタイミング
は演算器CUL1の最上位ビツトのキヤリイアウ
ト信号の出力タイミングとなつているが、これに
限らず、演算器CUL1の内容が所定値になつた
ときに演算器CUL2で演算が行なわれるように
してもよい。そのためには、例えば演算器CUL
1の内容が所定値になつたことを検出する比較器
を設け、この比較器の出力によつて演算器CUL
2の演算タイミングを制御すればよい。また、ラ
ツチ回路257のラツチタイミングを変えること
によつても可能である。 尚、アタツクピツチコントロールの態様は上記
実施例に示したようなビブラート型のものに限ら
ずいかなる態様でもよく、要するに音の出初めで
ピツチの乱れを実現し得る態様であればよい。 以上説明したようにこの発明によれば、鍵タツ
チに応じたアタツクピツチコントロールが可能に
なるので、表現力豊かなアタツクピツチコントロ
ールを電子楽器において実現することができるよ
うになる。例えば、管楽器系音色における吹き始
めのピツチの乱れをアタツクピツチコントロール
によつて模倣する場合、吹き始めの息の強弱に応
じた微妙なピツチずれ幅の違いが表現できるよう
になる。また、鍵タツチに応じて音の出始めの最
大ピツチずれが制御されることにより、各種のア
タツク装飾音を付加する効果を鍵タツチに応じて
実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すブロツク
図、第2図はこの発明のより詳細な実施例を示す
電子楽器全体構成ブロツク図、第3図は第2図の
押鍵検出部及びカウンタの詳細例を示す回路図、
第4図は第2図の単音キーアサイナの詳細例を示
す回路図、第5図は第2図各部で使用するタイミ
ング信号の一例を示すタイミングチヤート、第6
図は第2図のタツチセンサ、各種効果設定操作子
群、アナログ電圧マルチプレクサ及びA/D変換
器の部分の詳細例を示す回路図、第7図は第2図
のA/D変換部内の制御及び記憶部の詳細例を示
す回路図、第8図は第6図のアフタータツチセン
サの出力にもとづきイニシヤルタツチ及びアフタ
ータツチの両方を検出することを示すための信号
波形図、第9図は第6図及び第7図の回路による
アナログ/デイジタル変換のための時分割状態を
示すタイミングチヤート、第10図は第6図の
A/D変換器の通常の(イニシヤルタツチ検出時
以外のときの)動作例を示すタイミングチヤー
ト、第11図は第6図及び第7図におけるイニシ
ヤルタツチ検出時の主な信号の発生状態を示すタ
イミングチヤート、第12図及び第13図及び第
14図は第2図の効果付与回路の詳細例を3分割
して夫々示す回路図、第15図aはアタツクピツ
チ及びデイレイビブラート及びノーマルビブラー
トにおける変調信号及びそのエンベロープの一例
を示す図、第15図bは第13図及び第14図に
おける各種制御信号の状態を同図aに対応させて
示すタイミングチヤート、第16図はアタツクピ
ツチコントロール開始時における第12図乃至第
14図の各種信号状態を示すタイミングチヤー
ト、第17図は第13図の演算器におけるシリア
ル演算を説明するためのタイミングチヤート、第
18図は第12図におけるデイレイビブラートエ
ンベロープレートデータの変換処理を説明するた
めのタイミングチヤート、第19図はデイレイビ
ブラート用の制御データ設定ボリユームとデイレ
イビブラート開始時間データ及びデイレイビブラ
ートエンベロープレートデータとの関係並びにこ
れらのデータによつて決定されるデイレイビブラ
ート開始時間及びデイレイビブラート期間との関
係を示すグラフ、第20図aはアタツクピツチコ
ントロールにおける変調信号のエンベロープデー
タの変化を3つの異なる初期値に対応して夫々示
す図、同図bはデイレイビブラートにおける変調
信号のエンヘロープデータの変化を3つの異なる
目標値に対応して夫々示す図、同図cはビブラー
トにおける変調信号の変化を2つの異なる深さ
(エンベロープ瞬時値)に対応して夫々示す図、
第21図は第14図の周波数情報変換部において
単音モードの押圧鍵キーコードを対数形式の周波
数情報に変換する動作を示すタイミングチヤー
ト、第22図はスラー制御開始時における第14
図の各種信号状態を示すタイミングチヤート、第
23図はスラー制御を行つたときの周波数情報の
変化を例示する図、第24図は各種効果の選択状
態及び鍵演奏法に応じてこの実施例において実現
される各種効果の組合せを示す図、第25図は第
2図の楽音信号発生部の詳細例を特に周波数情報
変更回路に関して示す回路図、第26図は第25
図における単音周波数情報の下位ビツトと変調信
号瞬時値データとの演算タイミングを示すタイミ
ングチヤート、第27図は第2図の複音のキーア
サイナの詳細例を示す回路図、第28図は第27
図における各種処理の時間関係を示すタイミング
チヤート、である。 410,10……鍵盤、411……タツチ検出
装置、412……押鍵検出装置、413……楽音
発生装置、414……アタツクピツチ制御装置、
11……タツチセンサ、11A……アフタータツ
チセンサ、12……押鍵検出部、13……鍵走査
用及び待ち時間設定用及びA/D変換時分割動作
制御用のカウンタ、14……発音割当て回路、1
4A……単音キーアサイナ、14B……複音キー
アサイナ、20……アタツクピツチ制御用の変調
信号発生手段を含む効果付与回路、21……楽音
信号発生部、CUL2……変調信号形成用の演算
器、CUL3……エンベロープ信号形成用の演算
器、17……タツチ検出信号をアナログ/デイジ
タル変換するためのA/D変換部、COM1……
変調信号形成用演算器の加減算切換え制御に関与
する比較器、56,57,AKQ……エニーニユ
ーキーオン検出に関与するアンド回路及び遅延フ
リツプフロツプ、77,78,NKQ……レガー
トニユーキーオン検出に関与するアンド回路及び
遅延フリツプフロツプR、MONO―SW……単
音モード選択スイツチ、210,211,225
……アタツクピツチ制御用の変調信号の発生動作
開始に関与するアンド回路及び遅延フリツプフロ
ツプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複数の鍵を具える鍵盤と、 この鍵盤で押圧された鍵を検出するための押鍵
    検出手段と、 この押鍵検出手段の出力にもとづき押圧鍵に対
    応する楽音信号を発生する楽音発生手段と、 前記鍵盤で押圧された鍵に関する押圧力あるい
    は押圧速度あるいは押圧深さ等にもとづき鍵タツ
    チを検出するタツチ検出手段と、 前記押鍵検出手段の出力に応答して、押鍵時か
    ら所定期間の間徐々に時間変化する変調制御信号
    を発生し、この変調制御信号に応じて前記楽音発
    生手段で発生する楽音信号のピツチを変調制御す
    るアタツクピツチ変調制御信号発生手段と、 前記タツチ検出手段の出力に応じて、前記アタ
    ツクピツチ変調制御信号発生手段で発生する前記
    変調制御信号の時間変化における最大値を制御す
    る制御手段と を具える電子楽器。 2 前記押鍵検出手段は、前記鍵盤で押圧された
    鍵を検出し、その押圧鍵を示す情報を出力する手
    段と、この押圧鍵情報にもとづき1乃至複数の押
    圧鍵のうち1鍵を前記楽音発生手段に割当てる単
    音割当て手段と、前記押圧鍵情報にもとづき複数
    の押圧鍵を前記楽音発生手段に割当てる複音割当
    て手段と、前記単音割当て手段及び複音割当て手
    段の一方の出力を前記楽音発生手段で利用させる
    ための単音モード/複音モード選択手段と、何も
    鍵が押圧されていない状態のとき初めていずれか
    の鍵が押圧されたことを検出するエニーニユーキ
    ーオン検出手段と、何か鍵が押圧されている状態
    で別の鍵が新たに押圧されたことを検出するレガ
    ートニユーキーオン検出手段とを含み、前記選択
    手段で単音モードが選択されているときは前記エ
    ニーニユーキーオン検出手段及びレガートニユー
    キーオン検出手段の両方の出力に応答して前記ア
    タツクピツチ変調制御信号発生手段における前記
    変調制御信号の発生を開始させ、前記選択手段で
    複音モードが選択されているときは前記エニーニ
    ユーキーオン検出手段の出力に応答して前記アタ
    ツクピツチ変調制御信号発生手段における前記変
    調制御信号発生を開始させるようにした特許請求
    の範囲第1項記載の電子楽器。
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