JPH0213211B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は換気機能を有する天井埋込形ヒートポ
ンプ式空気調和機に関するものである。

従来の技術 従来、空冷ヒートポンプ式空気調和機で、密閉
度の高いビルデイング等に備えられる床置個別形
空気調和機と称するものはビルデイングのペリメ
ーターゾーンに多数設けられ、このペリメーター
ゾーンにおいて吸気あるいは排気を行ないながら
広い室内の空気調和を行なうものであつた。

発明が解決しようとする問題点 しかしこのような床置形の空気調和機はペリメ
ーターゾーンに多数設置されるために、室内の全
床面積に対し、空気調和機を設置するための床面
積の割合が非常に大となり設置スペースを多く必
要とするという問題点を有していた。またこうし
た個別型空気調和機は吸気または排気のみ行ない
ながら空気調和を行なうか、または同時吸排気を
行ないながら空気調和を行なうのであるが、前者
の吸気または排気のみを行なうものは、どちらか
一方であるために、室内外の圧力差により換気量
に変化が生じて満足な換気が行なえなかつた。ま
た後者の同時吸排気を行なうものは、直接空調さ
れた空気を排出し、かつ外気を取入れるために熱
損失が大きく生じ、更にはペリメーターゾーンに
おける空気調和機の床占有率が大きく、床面積の
有効利用がなされず、しかもこれらの空気調和機
はペリメーターゾーンにのみ備えられるから中央
のインテリアゾーンまでは吹出風速の到達距離が
なく、十分な空調が行なえない等の問題点があつ
た。

そこで本発明はビルデイングの床面積を空気調
和機を設置するために必要とすることなく、床面
積の有効利用と、同時吸排気を行なつても熱損失
が少なくインテリヤゾーンでも、またペリメータ
ーゾーンでも十分な空調が行なえる天井埋込形ヒ
ートポンプ式空気調和機を提供するものである。

問題点を解決するための手段 そして上記問題点を解決する本発明の手段は、
空気調和機の本体の一方に室外吸込口および室外
吹出口と、他方に、室内吸込口、及び、室内吹出
口と、本体内の室外ユニツト部で、前記室外吸込
口より、略対角上に設けられた室外熱交換器と、
前記室外吹出口に対向して設けた室外送風機と、
室内ユニツト部で、前記室内吸込口より、略対角
上に設けられた室内熱交換器と、この室内熱交換
器に対向して設けられたエアーフイルターと、前
記室内吹出口に対向して設けた室内送風機と、室
外熱交換器と室内熱交換器との間に、第１ダンパ
ーと、前記室外吸込口の一部に連通し、本体前面
に対向して設けた全熱交換器と、この全熱交換器
に、冷暖房時、室外吸込口より、室内熱交換器に
連通し、全熱交換器の前面より室外熱交換器に連
通する通風路を開閉する第２ダンパーと、本体前
面側に、圧縮機と、電装部とを設け、冷暖房時、
室外吸込口より、室外熱交換器を介し、室外吹出
口に連通する室外通風流路および室外吸込口より
室内熱交換器を介し、室内吹出口に連通する室内
通風流路を形成し、外気冷房時前記第１ダンパー
を切替えて室外吸込口より室内熱交換器を介し、
室内吹出口に連通する外気取入流路と、室内吸込
口より室外熱交換器を介し室外吹出口に連通する
室内排出路とを形成するようにしたものである。

作 用 この技術的手段による作用は次のようになる。
すなわち、冷暖房時は第１ダンパーを室外通風流
路を形成するべく切替えて室外吸込口より室外熱
交換器を介し、室外吹出口に連通する室外通風流
路および、室内吸込口より室内熱交換器を介し、
室内吹出口に連通する室内通風流路を形成すると
共に、第２ダンパーを開口して排気口より全熱交
換器を介し、前記室外通風流路と合流する排気流
路と、吸気口より全熱交換器を介し、前記室内通
風流路と合流する吸気流路を設けて冷暖房を行な
う。また外気冷房時は前記第１ダンパーを外気冷
房側に切替えると共に、第２ダンパーにより通風
を閉鎖し、室外吸込口より室内熱交換器を介し室
内吹出口に連通する外気取入流路と、室内吸込口
より室外熱交換器を介し室外吹出口に連通する室
内排出路を形成して外気冷房が行なわれるもので
ある。

実施例 以下、本発明の一実施例である天井埋込形ヒー
トポンプ式空気調和機について第１図、第２図に
もとづいて説明する。第２図は、本発明による天
井埋込形ヒートポンプ式空気調和機の設置概要図
で、本体１を天井２内に吊下げて設け、壁面３よ
り外気導入ダクト４と、これと並列に、外気排気
ダクト（図示せず）とを設け、他方側に、室内吸
込ダクト（図示せず）、室内吹出ダクト５とを設
け、空調された空気が、天井面で中央のインテリ
ヤゾーンとなる吹出口６より吹出され、一方、室
内空気の一部は、排気口７より、本体１の全熱交
換器吸込口８に流れ込むようになつている。

第１図は、本体１の平断面図である。本体１の
一側面には前面１４側より外気導入ダクト４と接
続する室外吸込口１０と、外気排気ダクトと接続
し、かつ室外送風機１８を有した室外吹出口１１
が設けられ、他方側面には室外ユニツト部１５側
より室内吸込ダクトと接続する室内吸込口１２と
室内吹出ダクト５と接続し、かつ室内送風機２２
を有した室内吹出口１３が設けられている。前記
室外吹出口１１と室外吸込口１０との間には第１
仕切板１６より略対角上に室外熱交換器１７を設
けている。またこの室外熱交換器１７に平行し
て、本体１の前面１４の略中央に設けた第２仕切
板２０より、前記室内吸込口１２に至る略対角線
上に室内熱交換器２１が設けられている。この室
内熱交換器２１には室外熱交換器１７との間に隣
接してエアーフイルター２３が設けられ、このエ
アーフイルター２３と、室外熱交換器１７との間
にはダンパーモーター２５と、そのアーム２６と
によつて支点２７を軸として駆動する第１ダンパ
ー２４が設けられている。この第１ダンパー２４
は冷暖房時は、実線位置になり室外吸込口１０と
室外熱交換器１７を連通する矢印４３ａとなり、
外気冷房時は、点線位置となり、室外吸込口１０
を室内熱交換器２１を連通し、矢印５０、矢印４
５の流路となる。一方、室外吸込口１０内には前
面１４と平行に設けた第３仕切板２９で仕切られ
た吸気口３０と、この吸気口３０の近傍であつて
前面１４に設けられた排気口３１とは、この内角
に設けられた全熱交換器２８に連通している。３
２は第２ダンパー３３を冷暖房時は実線位置に、
外気冷房、換気時は点線位置に駆動しする第２ダ
ンパーモーターで、排気口３１から流入した室内
側の空気を、全熱交換器２８を介して、第３仕切
板２９に設けた案内板３４に誘導し、室外熱交換
器１７に連通する排気用の通風路３５と、吸気口
３０から流入した室外側の空気を、全熱交換器２
８を介して、エアーフイルター２３を介した室内
熱交換器２１に連通する吸気用の通風路３６とを
構成する。さらに前面１４側には、前記全熱交換
器２８の他に、圧縮機３７と電装品を収納する電
装部３８を設けている。３９はドレン接続パイプ
で、室外熱交換器１７の下方に設けた室外ドレン
パン４０と、室内熱交換器２１の下方に設けた室
内ドレンパン４１との間を接続し、室外ドレンパ
ン４０の位置を高くして、室外ドレンパン４０よ
り、室内ドレンパン４１に流れ、室内ドレンパン
４１の他方より排水管４２を介し、室外へ排出す
るようにしている。矢印４３，４３ａは冷暖房時
における室外通風流路、矢印４４，４４ａは室内
通風流路、矢印４５は外気冷房時における外気取
入流路で、第１ダンパー２４が点線位置の外気冷
房時に切替つた時、室外吸込口１０より流入した
空気が、エアーフイルター２３、室内熱交換器２
１を通つて、室内送風機２２により室内吹出口１
３より吹出される。

矢印４６は、冷暖房時において、吸気口３０よ
り、全熱交換器２８を通つて、エアーフイルター
２３、室内熱交換器２１、室内吹出口１３に連通
する吸気流路、矢印４７は同じく冷暖房時におい
て排気口３１より、全熱交換器２８、室外熱交換
器１７、室外吹出口１１に連通する排気流路、４
８は前面１４に設けたエアーフイルター２３の着
脱口、４９は第２ダンパーモーター３２より、第
１ダンパー２４の端部にわたつて仕切られた第４
仕切板である。矢印５０は第１ダンパー２４と、
第２ダンパー３３が点線位置に切替わつた時、外
気取入流路４５（矢印）が形成される一方、室内
吸込口１２より、室外熱交換器１７、室外吹出口
１１に連通する室内排出流路（矢印５０）が形成
されるのである。即ち、冷暖房運転を停止して、
外気冷房の時は、第１ダンパー２４と、第２ダン
パー３３が、点線位置に切替つて、外気取入れは
室内送風機２２によつて行なわれ、室内空気の排
出は、室外送風機１８によつて排出される。又、
この外気冷房運転及び、冷暖房運転が停止した時
（全停）、第１ダンパー２４は、実線位置、第２ダ
ンパー３３は、点線位置にあつて全熱交換器２８
の通風路３５，３６を閉とするから、外気が自然
流によつて導入されることはなく、又、室外吸込
口１０、及び、室外吹出口１１からも、第１ダン
パー２４によつて、外気の自然流入を遮断し、外
気は一切導入されることはないのである。

上記構成において冷房および暖房運転時は第１
ダンパー２４と、第２ダンパー３３は、実線位置
にある。圧縮機３７、室内送風機２２、室外送風
機１８をそれぞれ運転することにより、外気導入
ダクト４を介した室外吸込口１０より流入した空
気は、矢印４３，４３ａの如く、第１ダンパー２
４に当るようにして、室外熱交換器１７を通り、
室外送風機１８を介し、室外吹出口１１より吹出
される。一方、室内吸込ダクトを介して室内吸込
口１２より流入した空気は、矢印４４，４４ａに
示すように、第１ダンパー２４に当り、エアーフ
イルター２３、室内熱交換器２１を通り室内送風
機２２を介してインテリヤゾーンへ導かれ、室内
吹出口１３より室内吹出ダクト５を通つて室内へ
吹出される。

一方、同じ冷暖房時において室内の空気を排気
しながら、外気を取入れるのであるが、この時の
流路は、吸気口３０より全熱交換器２８を通り、
通風路３６、エアーフイルター２３を通りなが
ら、矢印４４ａの流路と合流し、室内吹出口１３
より室内へ吹出す吸気流路４６と、排気口３１よ
り流入した吸気口７よりの室内空気は、全熱交換
器２８を通りながら、前記吸気口３０から流入す
る空気と熱交換し、通風路３５を通り、矢印４３
の通風と合流し、室外熱交換器１７、室外送風機
１８を経て、室外へ排気する排気流路４７とな
る。

次に、冷暖房を行なう季節以外の時で、外気冷
房、あるいは、換気を行なう時は、第１ダンパー
２４と、第２ダンパー３３が、点線位置にあつ
て、室外送風機１８、及び、室内送風機２２が運
転する。そこで、室外吸込口１０より流入した外
気は矢印４５の如く、エアーフイルター２３、室
内熱交換器２１を通つて、室内吹出口１３より吹
出され、外気冷房、及び、換気を行なう外気取入
流路４５が形成される。

一方、矢印５０の如く、室内吸込口１２より流
入した室内空気は、室外熱交換器１７、室外送風
機１８を介し、室外吹出口１１に流れる室内排出
流路５０が形成され、外気冷房、及び、換気を行
なう。

また、こうした構成は圧縮機３７をはじめとし
全熱交換器２８、電装部３８のようにメンテナン
スの機会を多く有する部品を前面１４に面して構
成し、さらに、エアーフイルター２３の着脱は、
着脱口４７より、対角上に引き出し、挿入して容
易に着脱が行なえ、これらのメンテナンスが容易
に行なえるようにしている。

発明の効果 このように本発明は、室内ユニツト部と、室外
ユニツト部とを、本体の略対角上において、各々
仕切板を設けて構成し、前記室外ユニツト部に、
室外吸込口と、室外吹出口と、略対角上に室外熱
交換器と、前記室外吹出口に対向して室外送風機
と、前記室内ユニツト部に、エアーフイルターを
添設し、前記室外熱交換器と同並行の略対角上に
室内熱交換器と、室内吸込口と、室内吹出口と、
この室内吹出口に対向して設けられた室内送風機
と、前記室外熱交換器と、前記室内熱交換器との
間に、冷暖房時と、外気冷房時とに切替える第１
ダンパーと、前記室外吸込口の一部に連通した全
熱交換器と、この全熱交換器に、冷暖房時、室外
吸込口より、室内熱交換器に連通し、本体の前面
より室外熱交換器に連通する各の通風路を開閉す
る第２ダンパーと、本体前面側に圧縮機と、電装
部と、前記エアーフイルターを着脱する着脱口と
を設け、冷暖房時は、室外吸込口より、室外熱交
換器を介し、室外吹出口に連通する室外通風流
路、及び、室内吸込口より、室内熱交換器を介
し、室内吹出口に連通する室内通風流路を形成
し、外気冷房時、前記第１ダンパー及び、第２ダ
ンパーを切替えて、室外吸込口より、室内熱交換
器を介し、室内吹出口に連通する外気取入流路、
及び、室内吸込口１２より、室外熱交換器１７、
室外送風機１８、室外吹出口１１に連通する室内
排出流路とを形成したヒートポンプ式空気調和機
としたから、建物の室内の全床面積に対する空気
調和機が占める面積は無となり、床面積は有効に
使用出来、こうした構成とすることにより、前面
から、圧縮機のメンテナンス、全熱交換器、及
び、エアーフイルターの着脱が容易となり、更に
は、電装部、及び、室内熱交換器等のメンテナン
スも前面から容易に行なえるのである。

又、吸排気構成においても、冷暖房時、全熱交
換器において同時吸排気を行ないながら、熱回収
を行なうから、熱ロスは少なく、かつ、室内外の
圧力差も良好に保たれ、良好な換気装置を備え得
る。

更には、室内吹出口より、ダクトを介して、室
内中央のインテリヤゾーンにまで、空調された空
気を導くことが出来、又、ペリメーターゾーンに
も導くことが出来、ダクトを介して、室内のいず
れの所へも導くことが出来、十分な空調が行なえ
るなどの効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は天井埋込形ヒートポンプ式空気調和機
の構成図、第２図は本発明の一実施例による天井
埋込形ヒートポンプ式空気調和機の設置例図であ
る。 １……本体、１０……室外吸込口、１１……室
外吹出口、１２……室内吸込口、１３……室内吹
出口、１５……室外ユニツト部、１７……室外熱
交換器、１８……室外送風機、１９……室内ユニ
ツト部、２１……室内熱交換器、２２……室内送
風機、２３……エアーフイルター、２４……第１
ダンパー、２８……全熱交換器、３３……第２ダ
ンパー、３５，３６……通風路、３７……圧縮
機、３８……電装部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気調和機本体の一方に、室外吸込口、及
   び、室外吹出口と、他方側に、室内吸込口、及
   び、室内吹出口と、本体内の室外ユニツト部に、
   前記室外吸込口より略対角上に設けられた室外熱
   交換器と、前記室外吹出口に対向して設けた室外
   送風機と、室内ユニツト部に、エアーフイルター
   を添設し、前記室外熱交換器と同並行の略対角上
   に、室内熱交換器と、前記室内吹出口に対向して
   設けた室内送風機と、前記室外熱交換器と、前記
   室内熱交換器との間に、冷暖房時と、外気冷房時
   とに切替える第１ダンパーと、前記室外吸込口の
   一部に連通し、本体前面に対向して設けた全熱交
   換器と、この全熱交換器に、冷暖房時、一方が室
   外吸込口より、室内熱交換器に連通し、他方が、
   本体の前面より、室外熱交換器に連通する各の通
   風路を開閉する第２ダンパーと、本体前面側に圧
   縮機と、電装部と、前記エアーフイルターを着脱
   する着脱口とを設けてなる天井埋込形ヒートポン
   プ式空気調和機。