JPH02127078A - 潜像模様を有するオフセット印刷と凹版印刷のコンビネーション印刷物及びその印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は偽造防止、変造防止が要求される銀行券、有価
証券類、パスポート、カードなどの印刷に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

銀行券や有価証券類などは金券的性格をもっているため
偽造や変造などが行いにくいことが要求される。特に最
近の複写技術の進展はめざましいので、これに対応した
偽造防止策も種々考案されている。視覚的な偽造防止策
を施した例として、モアレ効果を利用した暗証形成物（
特公昭６０−６４５号参照）、万線の角度を変えたりイ
ンキ盛りの高低差を利用して潜像を施したもの（特開昭
５５−１１７６８９号、特開昭４９−４３７１８号参照
）などが公知である。

これらの模様を取入れた印刷物は真券と偽造券との判別
が容易であり、コピーなどによる偽造に対する対策とし
ても有効である。

しかしながら、上記の印刷物は、平行線、網点及びその
他微細な模様などを版面上に施して印刷物としたもので
あり、版面の作製精度及び印刷機上での版面の取付けに
も高い精度を要求されるのが一般的である。特にモアレ
効果を利用した暗証形成物は、通常では認識できない暗
証が補助シートなどを重ねることによって現出し、肉眼
で確認できるようになっているが、そのような補助的な
手段を用いなければ真偽の判定ができない。

また、一般的なカメラなどによる分色では偽造すること
が難しいが、高精度のスキャナーによる色分解では全く
同じ暗証形成物を得ることができないまでも、補助シー
トを使用することにより暗証が現出する程度までの偽造
は可能である。

また、万線の角度やインキ盛り高さを変えることによっ
て潜像を形成させた印刷物は、補助的手段を用いること
なく視角を変えて見ることにより、潜像が現出するよう
になっていて真偽の判定も容易に行える。しかし、この
印刷物は潜像模様の部分と、それ以外の部分の模様を同
一版面上で形成させて印刷物にしたものであるため、同
じインキによる潜像模様しか形成できず、潜像模様の部
分とそれ以外の部分の色を変えた多色印刷物を得ること
はできない。また、たとえ潜像模様の部分とそれ以外の
部分をそれぞれ別の版面で構成させ、異なる色のインキ
で印刷したとしても、製版精度及び印刷機上での版面の
据付は精度上限度がある。

第１図は、前記のインキ盛りの高低差を利用して潜像を
施した印刷物の断面図で、インキを適当な高さに盛った
高純（２）とインキを低く盛った低線（３）によって模
様を構成するとともに、ある図柄に対応させて低線（３
）が設けである。視角を変えて見た場合、低線（３）に
よる図柄が認識できるかどうかは、高純（２）の高さ、
高純（２）の線間ピッチ、低線（３）の幅及び高純（２
）と低線（３）の間隔によって決定される。つまりこれ
は高純（２）及び低線（３）を同一版面上に形成させ凹
版印刷などにより作製した印刷物であるが、低線（３）
による模様をオフセット、適当な高さを有する高純（２
）を凹版で印刷する場合には、それぞれオフセット用版
面及び凹版用版面を作製し、これの刷り合せを行うこと
になる。このとき凹版線の線間ピッチが大きい場合及び
オフセット線と凹版線の間隔が印刷機上での版面の据付
は精度に比較して充分大きければ印刷可能であるが、凹
版線の高さを高くする必要があり、あまり線間隔が大き
くなれば所用の線の高さを得ることができな（なる。逆
に凹版線の線間ピッチが小さくなると印刷機上でのオフ
セット版面と凹版版面の高い据付は精度が要求され、あ
る程度の微細模様になると刷り合せが不可能となる。

〔発明が解消しようとする課題〕

本発明は、・これらの印刷物とは全く異なった印刷物及
びその印刷方法として、従来と同程度あるいは従来より
簡易な製版精度で作製することができ、尚かつ補助シー
トなどの補助的な手段を用いることなく、印刷物を見る
視角をかえるだけで一定のパターンや模様からなる潜像
が見え隠れしたり、潜像の色が異なって見えることを特
徴とするオフセット（オフセット印刷）と凹版（凹版印
刷）のコンビネーション印刷物及びその印刷方法を提供
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

通常の多色印刷においては、数色のインキを重ね刷りす
るため、先刷りのインキの上に後刷りのインキが載りや
すいようにインキのタックなど物性の調整を行っている
。この物性の調整を全く行わないと先刷りのインキの上
に後刷りのインキが載りに（くなる。しかし、この場合
でもインキが完全に弾かれるわけではなく、部分的には
後刷りのインキが重ねて刷られることになるｇこれは各
インキに含まれるビヒクルや顔料等の性質に依存してお
り、特にインキに使用されるビヒクルの性質に依るとこ
ろが大きい。これはオフセットと凹版のコンビネーショ
ン印刷においても同じことであり、オフセットインキの
上に凹版インキが載りやすいか載りにくいかは、各イン
キに使用されるビヒクルの性質に大いに影響される。

本発明は、これらの性質に着眼し、反発性のあるビヒク
ルを含んだ互いに反発性を有するオフセットインキと凹
版インキを使用することを特徴とし、オフセット模様の
上には凹版インキが載らず、それ以外の部分だけに凹版
インキが載るように操作することにより、オフセット模
様と凹版模様の精巧なはめ合せを可能とした印刷方法、
及びこれによりオフセット印刷によって形成された潜像
模様と、この潜像以外の部分に形成された凹版模様との
組合わせにより、視角を変えて見ることにより通常では
認識できない潜像模様が見え隠れしたり、色が異なって
見える印刷物を提供するものである。

〔作　用〕

本発明の印刷方法は、互いに反発性を有するオフセット
インキと凹版インキを使用して、オフセット模様と凹版
模様の精巧なはめ合せを実現させるオフセットと凹版の
コンビネーションであるため、容易な製版精度及び容易
な印刷機上での版面の据付は精度で、たやすく高精度、
高品質の印刷物を得ることができる。これにより、潜像
の形や色及び大きさなども任意に設定することができる
。

また、この印刷方法により得られる、普通には肉眼で判
別できない潜像模様が見え隠れしたり、色が変化して見
えることを特徴とするオフセットと凹版のコンビネーシ
ョン印刷物は、補助的媒体などを用いることなく、印刷
面を角度を変えて見るだけで潜像が現出したり、潜像の
色が変化して見え、真偽の判定が容易に行える。また、
この印刷物を不心得者がカラー複写機、カメラ、スキャ
ナー等による色分解によって作製すると、潜像が全く見
えなかったり、あるいは初めから潜像が見えたりし、本
発明のようにある角度から見たときのみ潜像が現出する
印刷物を作製することはできない。

〔実施例〕

本発明は、従来にない新たな印刷物及びその印刷方法を
得るものであって、以下にその内容を図面喜こ関連して
説明する。

第２図は、本発明による色の異なる２種類のオフセット
インキによって印刷された印刷物の断面、第３図は第２
図のものに凹版版面（７）と凹版インキ（８）により重
ね刷りを行っている状態の断面図、第４図はオフセット
インキと凹版インキが重ね刷りされたコンビネーション
印刷物の断面を示したものである。

第２図のように紙等の印刷媒体上（１）に２色のオフセ
ットインキによりオフセット線（４）、（５）が線と線
の間隔（６）をもって印刷されている。線（４）、（５
）は一定のパターンや図柄による模様を形成しているオ
フセット線で、それぞれ単独にはある程度認識できるが
、後述するように両者を組合わせると肉眼で判別できな
いよう薯こ印刷されている。オフセット線が印刷されて
いない部分（６）の幅に相当する凹版線（９）を凹版・
版面上（力に形成させ、これを所定の位置に合せて印刷
することは容易ではない。オフセット線（４）、（５）
が曲線や微細な模様になれば殆ど不可能である。オフセ
ット線の間に凹版線を位置ずれなくはめ込むには、前述
の互いに反発性を有するオフセットインキと凹版インキ
を使用することによってのみ可能となる。

第３図のように、オフセット印刷物に凹版インキを重ね
刷りするための凹版版面（７）には、オフセット線（４
）、（５）が印刷されていない部分の幅よりも少し幅の
広い線を形成させるか、あるいはオフセット線が印刷さ
れている部分及びオフセット線がない部分の両方を含む
ベタ状にしてもよい。凹版印刷では高い印刷圧をかける
ためオフセット線がない部分では印刷媒体上（１）にイ
ンキが付着する。

一方、オフセットインキが印刷されているオフセット線
（４）、（５）の上では、オフセットインキと凹版イン
キが反発性を有するため凹版インキ（８）転移しないこ
とになる。

この結果、第４図のようにオフセットインキによる低線
（４）、（５）と凹版インキによる適当な高さを持った
凹版線（９）が位置ずれを生ずることなく精巧に、はめ
込まれた印刷物を得ることができる。このようにして作
製された印刷物ではオフセット線の線幅、線間ピッチ及
び凹版線（９）の高さを任意に選択することができ、微
細な模様を構成させることもできる。またこの印刷物を
得るにはインキに反発性を持たせるとともに１．オフセ
ットインキが乾燥する前に凹版印刷が直ちに行えるオフ
セット印刷と凹版印刷のコンビネーション印刷機を使用
することが一層望ましい。

第４図に示すように、この印刷物を上方から眺めるとオ
フセット線（４）、（５）と凹版線（９）が同時に見え
る。オフセット線（４）、（５）には潜像が施されてい
るが、肉眼では認識できないため単なる２色の線にしか
見えない。また上方から見るため低線であるオフセット
線と適当な高さを有している凹版線（９）の高低差も認
識されない。次に印刷面をある角度（ａ）より小さな角
度から眺めると、凹版線（９）とオフセット線（４）、
（５）との間に高低差が存在するため凹版線の後側に位
置するオフセット線（５）は遮蔽されて見えず、その後
部に位置するオフセット線（４）のみが見えることにな
る。オフセット線（４）、（５）は、単独で見た場合そ
れぞれ施されている潜像が認識できるため、ある角度（
ａｌより小さな角度から見るとオフセット線（４）によ
る潜像が認識できることになる。

一方、他の方向からの角度（ｂ）より小さな角度から見
るとオフセット線（５）だけが見えることになり、オフ
セット線（５）による潜像のみが認識されることになる
。またオフセット線（４）とオフセット線（５）の副色
が異なればそれぞれ現出する潜像の色も違って見えるこ
とになる。

もちろんオフセット線（４）、（５）及び凹版線（９）
は平行線や曲線だけでなく、任意の形状の点や点線など
によって構成してもよい。オフセット線の色も２色とは
限らず任意に設定することができ、これに伴う潜像の数
、色及び潜像が現出する方向も変えることができる。

〔実例１〕 第５図は平行線によるオフセット模様と凹版模様のコン
ビネーション印刷物の一部を概略で示したものである。

ここでオフセット線（５ａ）は赤色のオフセットインキ
による線で、この上にオフセット線（４ａ）が青色で重
ねて印刷されている。オフセット線（５ａ）の幅はオフ
セット線（４ａ）の線幅の２倍程度に設定しである。オ
フセット線（４ａ）はバックの部分と潜像を形成する部
分とからなり、線幅は同じで平行に配置されているが線
幅の分だけずらして構成されている。このオフセット線
（４ａ）は、単独で印刷された場合；こは潜像部分が僅
かに認識できる程度である。しかし赤色のオフセット線
（５ａ）の上に青色のオフセット線（４ａ）が重ねて印
刷されており、オフセット線（４ａ）の部分の面積とオ
フセット線（５ａ）だけ印刷されている部分の面積がほ
ぼ等しく尚かつオフセット線の幅が実際には図に示すよ
りも小さいため、オフセット線（４ａ）で構成された潜
像は肉眼で認識できない。オフセット線の間には凹版線
（９ａ）が入っているため一層潜像が認識できなくなっ
ている。この印刷物をＸ方向のある角度から見た状態を
第６図に、Ｙ方向のある角度から見た状態を第７図に示
す。第６図のようにＸ方向から見ると凹版線（９ａ）に
よってオフセット線（４ａ）のバック部分及びオフセッ
ト線（５ａ）の潜像部分は遮蔽されバック部分としてオ
フセット線（５ａ）の赤色部分とオフセット線（４ａ）
による青色の潜像が現出する。Ｙ方向のある角度から見
ると第７図のように、逆にオフセット線（４ａ）による
青色のパック部とオフセット線（５ａ）による赤色の潜
像が現出する。このようにオフセットインキ２色と凹版
インキ１色によるオフセットと凹版のコンビネーション
印刷物で、見る角度により潜像が見え隠れし尚かつ潜像
の色が異なって見える印刷物（ｐ）が得られた。この印
刷物を得るための諸条件は以下のように設定した。

オフセット線は画線を形成させた凸版用感光性樹脂板（
トレリーフＷ　Ｆ　７０　　東し株式会社製）の版面２
版とロジン変性フェノール樹脂を乾性油に溶解した樹脂
ワニスをビヒクルの主成分とするドライオフセットイン
キ２色を用いて印刷した。凹版線は黄銅板にオフセット
の非印刷部の幅よりも少し太めの線を形成させたポジフ
ィルムの焼付けを行い現像、腐蝕を行った後に表面をク
ロムメツキした凹版版面と、合成樹脂フェス、親水性の
溶剤及び親油性の溶剤を主成分としたビヒクルを有する
凹版インキとを使用して印刷した。印刷機械はドライオ
フセットと凹版のコンビネーション印刷が行えるオフセ
ットザンメル凹版輪転印刷機を、用紙は上質紙を使用し
た。

〔実例２〕 実例１では平行線によりオフセット模様と凹版模様を形
成させたが、実例２では互いに平行な点線により同様な
オフセットの潜像模様及び凹版模様を版面に形成させ、
実例１と同様の印刷条件で印刷を行った結果、実例１と
同様良好な印刷物が得られた。

〔発明の効果〕

本発明の潜像模様を有するオフセットと凹版のコンビネ
ーション印刷物は、補助的手段を用いることなく印刷面
を角度を変えて見るだけで潜像が現出したり、潜像の色
が変化して見え真偽の判定が容易に行える。また、凹版
線だけによる万線の角度の違いやインキ盛りの高低差に
よって潜像を施した印刷物等とは異なり、オフセットと
凹版のコンビネーション印刷物であるため、潜像の形や
色の設定も任意に行える。それは、複写等による偽造も
困難であるため、偽造防止対策が要求される銀行券、諸
証券、債券、小切手、パスポート等に利用できるなど優
れた効果がある。また本発明の印刷方法は、オフセット
インキと凹版インキの反発性を利用して、オフセットと
凹版のコンビネーション印刷物を作製する方法であるた
め、それ程の製版精度及び印刷機上での版面の据付は精
度を要しなくても容易に高精度、高品質の印刷物を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例のインキを低く盛った低線と適当なイ
ンキ盛り高さを有する線とからなる印刷物の断面図、第
２図は本発明の２種類のオフセットインキにより潜像が
印刷された印刷物の断面図、第３図はオフセットインキ
による潜像が印刷された第２図の印刷物に凹版印刷を行
っている状態を示す断面図、第４図は潜像を有するオフ
セット線と凹版線が精巧なはめ込み精度をもって構成さ
れた印刷物の断面図、第５図は潜像を有するオフセット
と凹版のコンビネーション印刷物の実例、第６図及び第
７図は第５図に示す潜像を有するオフセットと凹版のコ
ンビネーション印刷物の印刷面をある角度をもって見た
状態を示す図である。 １・・・印刷媒体、２・・・インキを適当な高さに盛っ
た高純、３・・・インキを低く盛った低線、４，４ａ、
５゜５ａ・・・潜像を有するオフセット線、６・・・オ
フセット線が印刷されていない部分、７・・・凹版版面
、８・・・凹版インキ、９，９ａ・・・適当な高さを有
する凹版線、ａ、ｂ、ｘ、Ｙ・・・印刷物の印刷面を見
る方向。 第１図 第２図 只 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）紙やプラスチックなどの媒体上に、オフセット印
   刷によって形成された潜像模様と、この潜像模様以外の
   部分に形成された凹版印刷による模様とが精巧なはめ合
   せをもって構成された印刷物で、見る角度を変えるだけ
   で普通には肉眼で判別できない潜像模様が見え隠れした
   り、色が変化して見えることを特徴とする潜像模様を有
   するオフセット印刷と凹版印刷のコンビネーション印刷
   物。
2. （２）互いに反発性を有するオフセットインキと凹版イ
   ンキを使用することを特徴とし、オフセット印刷によっ
   て形成された潜像模様と、この潜像模様以外の部分に形
   成された凹版印刷による模様とが精巧なはめ合せをもっ
   て構成された印刷物で、見る角度を変えるだけで普通に
   は肉眼で判別できない潜像模様が見え隠れしたり、色が
   変化して見えることを特徴とする潜像模様を有するオフ
   セット印刷と凹版印刷のコンビネーション印刷物を得る
   印刷方法。