JPH0210825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、耐圧防爆形のスプリング制動式電
磁ブレーキ、特にその手動ブレーキ解放装置部の
改良に関するものである。

〔従来の技術〕

第３図は従来の耐圧防爆形スプリング制動式電
磁ブレーキを示す断面図である。図において、１
はブラケツトで、このブラケツト１の軸心には回
転軸２が配設され、さらにブラケツト１の左端面
にはブレーキ胴３が配設され、またブレーキ胴３
の他端の開口部には固定鉄心部４が嵌合し、ブラ
ケツト１に螺着したボルト５とナツト６とによつ
てブレーキ胴３および固定鉄心部４をブラケツト
１と一体になるように固定，保持してあり、回転
軸２の先端部にはハブ７に保持されたブレーキラ
イニング８が軸方向へ可動に設けられている。

９はブレーキライニング８の開放面側と接触し
ている可動鉄心部で、デイスク９ａ、鉄心保持部
９ｂ、鉄心９ｃとから成り、デイスク９ａの外周
部に設けたボルト５に摺動する溝によつて、軸方
向へは移動可能で回転方向には拘束され、デイス
ク９ａと鉄心保持部９ｂとは両者に設けたねじに
よつて固定されている。また、固定鉄心部４は励
磁コイル４ａ、鉄心保持部４ｂ、鉄心４ｃとから
成り、鉄心保持部４ｂと解放ロツド１０とはねじ
によつて結合され、鉄心４ｃと鉄心９ｃとが適切
なギヤツプＡを隔てて相対向する位置で固定され
ている。１１は鉄心保持部９ｂを介してデイスク
９ａ、ブレーキライニング８を押圧し、制動力を
与える制動スプリングであり、解放ロツド１０の
円周面に設けた溝１０ｂにはＯリング１４が嵌入
されて、ブレーキカバー１２と解放ロツド１０と
の間に防爆スキＢを保持しながら大気とシールし
てある。１０ａは解放ロツド１０の円周面の数個
所に設けた切り欠き部であり、ボルト１６で固定
されたストツパ１５と当接し、解放ロツド１０の
回転を拘束するようになつている。

従来の耐圧防爆形のスプリング制動式電磁ブレ
ーキは上記のように構成され、励磁コイル４ａが
励磁されていない場合は、第３図に示すように鉄
心４ｃと鉄心９ｃとの間のギヤツプＡを保持した
状態で、デイスク９ａはブレーキライニング８を
制動スプリング１１の力で押圧して、回転軸２は
制動状態にされている。

次に、励磁コイル４ａに通電すると、鉄心９ｃ
は制動スプリング１１の力に抗して鉄心４ｃに吸
着され、デイスク９ａはブレーキライニング８よ
り離脱して回転軸２を制動状態から解放すること
になる。また、Ｏリング１４は解放ロツド１０を
上方にして、回転軸を垂直に取付けて屋外で使用
する場合に、雨水等の水分が内部に侵入するのを
防止する。

また、ブレーキのトルク調整時には、ボルト１
６を取外し、解放ロツド１０の切欠き部１０ａを
工具等により回転させると、制動スプリング１１
のばね力が変化してブレーキトルクが調整され
る。さらに、ブレーキの手動解放時には、上記と
同様に切欠き部１０ａを回転させて、制動スプリ
ング１１のばね力が解除されるまで解放ロツド１
０を左方へ移動させればよい。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の耐圧防爆形のスプリング制
動式電磁ブレーキにおいては、解放ロツド１０と
ブレーキカバー１２の嵌合スキマＢは耐圧防爆形
のため、0.2mm以内の公差が定められており、ま
た、ブレーキの手動開放の際等には解放ロツド１
０が回転するので、この解放ロツド１０とブレー
キカバー１２との同心度も厳密な値が要求され、
ブラケツト１，ブレーキ胴３，固定鉄心部４，解
放ロツド１０およびブレーキカバー１２のそれぞ
れに対して、高精度の寸法のものが要求されると
いう問題点があつた。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、上記の解放ロツド１０，ブレーキ
カバー１２等の寸法公差を緩和した部材によつて
形成しても、手動解放時等にスムーズに操作がで
きる安価な装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る耐圧防爆形スプリング制動式電
磁ブレーキ装置は、制動力調整あるいは手動ブレ
ーキ解放時には、筐体のブレーキカバーに固定し
てある端部カバーを取外し、解放ロツドの端部に
形成した切欠き部にスパナあるいはドライバを当
接して上記解放ロツドを回転させ、制動スプリン
グのばね力の調整あるいは固定鉄心部の位置の移
動を行い、再び、上記端部カバーをブレーキカバ
ーに固定すると、このブレーキカバーと端部カバ
ーとの間に所定の防爆スキを形成するものであ
る。

〔作用〕

ブレーキカバーの内径と端部カバーの外径と両
者の同軸度の精度のみで、所定の精度の防爆スキ
が得られる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図において、１〜１６は従来例の第３図
における同符号と同一部分である。２０は端部カ
バーで、ブレーキカバー１２に複数のボルト１６
によつてねじ止め固定されている。２１は解放ロ
ツドで一端は制動スプリング１１を保持し、他端
にはＡ−Ａ断面図を表わした第２図にも示すよう
な例えば６角形に形成され、中央部にすり割り加
工を施した切欠き部２１ａを設け、端部カバー２
０を取外してボツクススパナあるいはドライバに
よつて解放ロツド２１を回転させれば、螺合して
いるねじ２１ｂ、制動スプリング１１を介して固
定鉄心部９を軸心に平行移動できるようになつて
いる。また、ブレーキカバー１２と端部カバー２
０との間には、２２で示す防爆スキが所定のスキ
間寸法で設けられている。２３は第１図および断
面を表わす第２図に示すように、端部カバー２０
と解放ロツド２１との間のすき間であり、例えば
解放ロツド２１に３面切欠部を設け、端部カバー
２０には３面突出部を設けて互いに嵌合し、解放
ロツド２１の回転を拘束している。

上記のように構成されたスプリング制動式電磁
ブレーキにおいては、制動力の調整を行う場合、
先ず端部カバー２０を取外し、ボツクススパナあ
るいはドライバを切欠き部２１ａに当接して解放
ロツド２１を回転させ、制動スプリング１１のば
ね力を変化させる。また、電源しや断時等でブレ
ーキの手動解放を行う場合は、上記と同様の操作
で解放ロツド２１を回転させ、ねじ２１ｂを介し
て固定鉄心部４を図よりみて左方へ移動させ、可
動鉄心部９のデイスク９ａをブレーキライニング
８から離脱させればよい。

以上の操作が終了後に、端部カバー２０をボル
ト１６によつてブレーキカバー１２に固定する
と、機器内部と大気との間には規定に応じた防爆
スキ２２が形成されることになる。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したとおり、ブレーキカバ
ーとこれに固定する端部カバーとの間に防爆スキ
を形成するように構成したので、ブラケツト，ブ
レーキ胴，固定鉄心，解放ロツド等に対しては防
爆スキに関連する高精度の寸法が必要のない安価
な装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の耐圧防爆形のス
プリング制動式電磁ブレーキの要部を示す断面
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ断面を表わす
図、第３図は従来のスプリング制動式電磁ブレー
キの要部を示す断面図である。 図において、１はブラケツト、２は回転軸、４
は固定鉄心部、８はブレーキライニング、９は可
動鉄心部、１２はブレーキカバー、２０は端部カ
バー、２１は解放ロツド、２２は防爆スキであ
る。なお、図中の同一符号は同一または相当部分
を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブラケツトの軸心と同軸に配設した回転軸と、
   この回転軸に取付けたブレーキライニングと当接
   離脱するように設けられた可動鉄心部と、この可
   動鉄心部を吸着して上記ブレーキライニングへの
   押圧力を解除する励磁コイルを設けた固定鉄心部
   と、この固定鉄心部と螺合し、回転させることに
   よつて軸心に平行方向へ上記固定鉄心部を移動さ
   せる解放ロツドとを備えた装置において、 この解放ロツドを手動で回転操作するために設
   けたブレーキカバー端部開口部を閉鎖，閉口する
   端部カバーと、上記ブレーキカバーとの間に防爆
   スキを形成することを特徴とするスプリング制動
   式電磁ブレーキ装置。