JPH0210021Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は、自動車のドアパネルにドアガラス
ウエザストリツプをクリツプを介して固定するド
アパネル構造の技術分野に属する。

而して、この考案は、該自動車のドアパネルの
頂部にドアガラスウエザストリツプ挾持用のクリ
ツプを挿入させる爪孔を穿設し、ドアガラスウエ
ザストリツプの基部を二又状のフツク部の一方の
Ｊ形のフツク部で挾持し該クリツプの他方のフツ
ク部を上記ドアパネルの下向フランジ部に係合固
定するようにしたドアガラスウエザストリツプ取
付ドアパネル構造に関する考案であり、特に、上
記爪孔が上記ドアパネルの頂部コーナー部の下位
に断面凹状にされ長手方向に一体形成された段差
部に所定角度に傾斜して穿設され、該爪孔の上縁
とドアガラスに平行な下向フラツトのフランジ部
の側面に上記クリツプが当接係合するようにした
ドアガラスウエザストリツプ取付ドアパネル構造
に係る考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、自動車のドアパネルとウインドと
の間に昇降開閉されるウインドシールドガラスに
対してドアガラスウエザストリツプが内外から設
けられているが、該種ドアガラスウエザストリツ
プについてはその取付に問題があつた。

即ち、例えば、第１，２図に示す様に、ドアガ
ラス１に対するドアガラスウエザストリツプ２を
下向爪３を有する樹脂製クリツプ４に固定挾持さ
せ、コーナー部内側に穿設した爪孔５を有するド
アパネル６の上面に取付けるに、該クリツプ４の
下向爪３を該爪孔５に挿入して取付けるようにし
ていた。

〈考案が解決しようとする課題〉 さりながら、該種従来のドアガラスウエザスト
リツプ２取付用のドアパネル６の構造では、ドア
ガラスウエザストリツプ２を固定挾持させた樹脂
製クリツプ４の取付け作業に際し、該クリツプ４
の下向爪３が該ドアパネル６の爪孔５から外れ易
いという欠点があつた。

又、該クリツプ４が該ドアパネル６の爪孔５に
差し込まれて取付けられた後では、ドアパネル６
の下延のフランジ７に嵌着される該クリツプ４の
フツク部８の上部が該フランジ７と平行状態を維
持できずに経時的に上記爪孔５内からドアパネル
６の内部に変位して、ドアガラス１の表面とドア
ガラスウエザストリツプ２の内端との寸法Ａがば
らつき易く、シール性が充分に保てない不具合が
あつた。

これに対処するに、実開昭58−44511号公報に
開示されているようなドアガラスウエザストリツ
プ固定用のクリツプが案出されているが、該種ク
リツプはドアガラスとドアガラスウエザストリツ
プとのシール性は保てるものの、その構造が複雑
であり、製造コストが高く、又、取付け作業が難
しいデメリツトがあつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づくドアガ
ラスウエザストリツプ取付の問題点を解決すべき
技術的課題とし、ドアガラスウエザストリツプの
基部を挟持するクリツプを簡単にドアパネルの下
向フランジ部に取付け出来るようにし、ドアウエ
ザストリツプの取付け後はドアパネルの所定位置
に確実に固定されてドアガラスウエザストリツプ
のシール性を充分に維持し得るようにして自動車
産業におけるシール技術利用分野に益する優れた
ドアガラスウエザストリツプ取付ドアパネル構造
を提供せんとするものである。

〈課題を解決するための手段〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は、前述課題を解決す
るためにドアガラスウエザストリツプの基部を挾
持するクリツプを挿入する爪孔がドアパネルに穿
設され、該ドアパネルの下向フランジ部に該クリ
ツプの二又状のフツク部を係合固定するドアガラ
スウエザストリツプ取付ドアパネル構造であつ
て、上記ドアパネルの頂部のコーナー部の下位に
断面凹状の段差部が長手方向に一体形成されて下
向きにフラツトなフランジ部に接続され、而して
該段差部に上記爪孔が穿設され該段差部に続くフ
ランジ部が上記クリツプの二又状のフツク部と共
にドアガラスの下降方向に平行に形成され、更に
フツク部がフランジ部の側面に当接され、該フツ
ク部の上部外側面が上記爪孔の上縁部に当接され
るようにしたものである。

〈作用〉 而して、ドアガラスウエザストリツプの基部を
を挾持したクリツプの二又状の外側面の下部に形
成した外向爪をドアパネル頂部のコーナー部の下
位に断面凹状にして長手方向に沿つて一体形成さ
れた段差部に穿設した爪孔に挿入し、該ドアパネ
ルのウインドガラスの下降方向に平行な下向フラ
ンジ部にクリツプの二又状のフツク部を平行状態
にして簡単に嵌着係合し、該フツク部がフランジ
部の側面とに当接し、フツク部の上部が爪孔上縁
に当接するようにすることにより、容易に且つ確
実にドアガラスウエザストリツプの取付けを行う
ことができ、取付け後はクリツプのヘツド部がド
アパネルにコーナー部に当接係合されることによ
り、ドアガラス表面とドアガラスウエザストリツ
プ先端との寸法差のバラツキを押さえることが出
来て充分にシール性が保てるようにした技術的手
段を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の実施例を第３，４図に基づい
て説明すれば以下の通りである。尚、第１，２図
と同一態様部分は同一符号を用いて説明するもの
とする。

当該実施例に於て、６′はこの考案の要旨の中
心を成すドアパネルであり、該ドアパネル６′の
頂部のコーナー部から下向きの縦壁状のフランジ
７にかけて長手方向に沿う断面凹状の段差部９が
所定傾斜角度でプレス成形で一体形成されてお
り、該段差部９には第３図に示す様に、方形の爪
孔５′が穿設されている。

尚、１はドアガラス、２はドアガラスウエザス
トリツプ、４は樹脂製のクリツプであり、而し
て、該クリツプ４はドアパネル６′のフランジ７
に係合されるオーバーハング状のフツク部８と、
ドアガラスウエザストリツプ２を挾持支承するＪ
形のフツク部１０の二又状のフツク部を形成され
ている。

そして、外側のフツク部８の下端には一体的に
外向爪３が形成される。

上述構成において、第４図に示す様に、ドアガ
ラスウエザストリツプ２の基部をクリツプ４のＪ
形のフツク部１０内に挿入して挾持一体化し、ク
リツプ４の二又状のフツク８，１０の一方の外側
のフツク部８から下延した外向爪３をドアパネル
６′の段差部９に穿設した爪孔５′に押し込むよう
にし、ドアパネル６′のフランジ７に該クリツプ
４のフツク部８をＪ形のフツク部１０と共に嵌着
し、該クリツプ４のヘツド部の内側を該ドアパネ
ル６′のコーナー部に圧接状態で当接させてドア
ガラスウエザストリツプ２の取付けを終える。

したがつて、該ドアガラスウエザストリツプ２
の取付け後クリツプ４のヘツド部がドアパネル
６′の頂部コーナー部に第４図に示す様に、圧接
固定されて外れ難いことにより、該クリツプ４の
フツク部８，１０と該ドアパネル６′のフランジ
７とは経時的に平行姿勢の初期状態を維持するこ
とが出来、その結果、ドアガラス１の表面とドア
ガラスウエザストリツプ２先端との寸法Ａのバラ
ツキは阻止され、そのシール性は常に保持される
ようにされる。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、ドアパネル
のコーナー部の下位に別体形成された段差部を有
するパネルを固定する等種々の態様が採用可能で
ある。

〈考案の効果〉 以上この考案によれば、自動車のドアガラスウ
エザストリツプ取付ドアパネル構造において、ド
アパネルの頂部のコーナー部の下位に断面凹状の
長手方向に沿う段差部を一体形成し、該段差部に
ドアガラスウエザストリツプの基部を挾持したク
リツプの二又状のフツク部の外側フツク部をその
先端の外向爪を介して挿入するための爪孔を穿設
することにより、ドアパネルのコーナー部に沿つ
て該クリツプの外側フツク部先端の外向爪が該段
差部に穿設した爪孔に容易に導かれて挿入するこ
とが出来、ドアパネルの下向フランジ部に該クリ
ツプの二又状のフツク部が係合されると、該クリ
ツプのヘツド部がドアパネルの頂部のコーナー部
に当接固定されるため、該クリツプが上記爪孔か
ら外れることなく簡単に取付けられ、その取付け
作業性が著しく向上するという優れた効果が奏さ
れる。

その結果、ドアパネルの下向でドアガラスに平
行なフランジ部に係合されるクリツプのフツク部
と該フランジ部とがドアガラスに対し平行姿勢の
初期状態を維持することが出来、ドアガラス表面
にドアガラスウエザストリツプの先端が常に所定
圧で付勢状態で当接されて取付方法にばらつきが
生ずることがなく、経時的に安定したシール性が
得られるという優れた効果が奏される。

加えて、ドアガラスウエザストリツプを交換す
る場合においても、クリツプを容易に取り外すこ
とが出来る効果もある。

そして、この考案においてはクリツプの二又状
のフツク部をドアパネルの下向フランジ部と共に
ウインドガラスの下降方向に平行に取付けるよう
にし、更に、クリツプの外側フツク部をドアパネ
ルのフランジの側面に当接させ、又、そのヘツド
部を爪孔の上縁部分に当接するようにしたことに
より、セツトがスムース、且つ、確実に行え、而
も、二又状のフツク部とフランジ部が平行である
ために面当接による摩擦を介してのセツト状態維
持が確実に図れる効果があり、又、クリツプのフ
ツク部が爪孔の上縁部に当接すると共にドアパネ
ルの下向フランジ部の側面に当接するようにした
ことにより、一種のモーメントが常に働くように
されて衝撃や振動等による取外れ応力が全く働か
ずに、確実な当接セツト状態が維持出来るという
優れた効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアパネルの上部部分の斜視図、第２
図は従来技術に基づくガラスウエザストリツプ固
定態様断面図、第３図以下はこの考案の１実施例
の説明図であり、第３図は第１図相当斜視図、第
４図は第２図相当断面図である。 ２……ドアガラスウエザストリツプ、４……ク
リツプ、５′……爪孔、６′……ドアパネル、７…
…フランジ部、８，１０……フツク部、９……段
差部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアガラスウエザストリツプの基部を挾持する
   クリツプを挿入する爪孔がドアパネルに穿設さ
   れ、該ドアパネルの下向フランジ部に該クリツプ
   の二叉状のフツク部を係合固定するドアガラスウ
   エザストリツプ取付ドアパネル構造において、上
   記ドアパネルの頂部のコーナー部の下位に断面凹
   状の段差部が長手方向に一体形成されて下向のフ
   ラツトなフランジ部に接続され、而して該段差部
   に上記爪孔が穿設され該段差部に続くフランジ部
   が上記クリツプの二又状のフツク部と共にドアガ
   ラスの下降方向に平行に形成され、更にフツク部
   がフランジ部の側面に当接され、該フツク部の上
   部外側面が上記爪孔の上縁部に当接されているこ
   とを特徴とするドアガラスウエザストリツプ取付
   ドアパネル構造。