JPH0151675B2 - - Google Patents

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JPH0151675B2
JPH0151675B2 JP56032777A JP3277781A JPH0151675B2 JP H0151675 B2 JPH0151675 B2 JP H0151675B2 JP 56032777 A JP56032777 A JP 56032777A JP 3277781 A JP3277781 A JP 3277781A JP H0151675 B2 JPH0151675 B2 JP H0151675B2
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JP
Japan
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slider
swash plate
film
piston
convex curved
Prior art date
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Application number
JP56032777A
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English (en)
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JPS57146070A (en
Inventor
Mitsuhiro Hatsutori
Hiromitsu Oono
Kenji Takenaka
Shigeaki Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
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Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd, Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
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Priority to BR8105720A priority patent/BR8105720A/pt
Publication of JPS57146070A publication Critical patent/JPS57146070A/ja
Publication of JPH0151675B2 publication Critical patent/JPH0151675B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
    • F04B27/0878Pistons
    • F04B27/0886Piston shoes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は斜板式圧縮機に関し、特に斜板とピス
トンとの間に介在する摺動機構の改良に関するも
のである。 従来の技術 斜板式圧縮機は、回転軸に一定角度傾斜して固
設された斜板と、その回転軸に平行に設けられた
ピストンと、それら斜板とピストンとの間に介在
する摺動機構とを含み、斜板の回転によつてピス
トンが往復動させられ、シリンダ内に気体が導入
され圧縮されるように構成される。 この斜板式圧縮機の摺動機構は、従来、鋼球と
シユーとの組合せで構成されていた。シユーは板
体の一方の面が斜板と摺接し、他方の面に設けら
れた凹球面で鋼球を支持するものであり、この鋼
球はピストンの凹球面に係合する。そのため、摺
動部分が多くなつて製造コストが高くなり、部品
点数が多くなつて小形軽量化が困難であり、しか
も組立ての作業性及び部品管理が煩雑である等の
問題があつた。 本出願人は、これらの問題点を解決するため
に、先に前記シユーを省略した斜板式圧縮機を開
発し、出願した。実願昭53−121758号(実開昭55
−39329号公報)及び特願昭55−29667号(特開昭
56−126686号公報)がそれであり、この斜板式圧
縮機の摺動機構は、半球状の摺動子のみから成る
ものである。この摺動子は平坦側面において斜板
に摺接し、球側面においてピストンの凹球面に摺
接するものであり、小形軽量化、コスト低減等を
達成し得る。 発明が解決しようとする問題 しかし、この半球状の摺動子を備えた斜板式圧
縮機が特に小形軽量化を要求される車両用エアコ
ン等の冷媒圧縮機として使用され、特に、冷媒ガ
ス中に混入した油ミストによる潤滑方式が採用さ
れる場合において、エンジンのアイドル運転時の
ような低速運転が行われれば、摺動子に対する潤
滑油の供給量が少なくなり、過酷な潤滑条件とな
つて、場合によつては摺動子が焼き付くという問
題があつた。 また、球側面とピストンの凹球面との間の摩擦
抵抗が高く、この部分に潤滑油が供給され難いこ
ととあいまつて、動力損失が大きくなるという問
題もあつた。 本発明はこのような事情を背景として為された
ものであり、半球状の摺動子を備えた斜板式圧縮
機の、部品点数が少なく、軽量で製造コストが安
い等の利点を享受しつつ、さらに、焼き付き難く
かつ動力損失の少ないものとすることを課題とし
て為されたものである。 課題を解決するための手段 そして、本発明の要旨は、摺動子の平坦側面
を、その中央部を頂点とし、高さが15μm以下で
ある極めて曲率半径の大きい滑らかな凸曲面とす
るとともに、該凸曲面の外周縁に該凸曲面に滑ら
かに連なる丸み部を形成し、かつ、少なくとも球
側面に固体潤滑剤を含有した潤滑皮膜を形成した
ことにある。 本発明の特に望ましい態様においては、摺動子
が鋼製とされ、摺動子の球側面に、リン酸マンガ
ン化成皮膜または軟窒化処理皮膜から成る下地処
理皮膜が形成され、該下地処理皮膜の上に前記潤
滑皮膜が形成される。そして、該潤滑皮膜が二硫
化モリブデン、二硫化タングステン等の硫化物を
含む固体潤滑剤がフエノール樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂バインダにより結合されて成る
ものとされ、かつ、該潤滑皮膜と下地処理皮膜と
の合計厚さが10μm以下とされる。 また、本発明は、摺動子が、冷間鍛造によつて
ほぼ半球の形状に成形された素材から製造された
ものである場合に適用して特に有効なものであ
る。 作 用 上記摺動子を備えた斜板式圧縮機において、回
転軸がエンジン等の駆動源によつて回転させられ
ると、回転軸に固定された斜板が回転させられ、
その斜板の運動が摺動子によつてピストンの往復
運動に変換される。 この際、摺動子は斜板の各ピストンに対応する
部分の角度の変化に応じて揺動するとともに自転
し、摺動子の平坦側面と斜板との間に高速度の摩
擦が発生し、球側面においてもかなりの速度の摩
擦が発生する。しかも、この摩擦は極めて高い面
圧下において発生する。そして、冷媒ガス中に混
入された油ミストによる潤滑方式が採用され、か
つ、回転軸が低速で駆動される場合のように、潤
滑油の供給量が少ない場合には、各摺動面は極め
て過酷な摺動条件にさらされる。 しかし、本発明にかかる斜板式圧縮機において
は、摺動子と斜板あるいはピストンとの間に焼付
きが生ずることはなく、また、動力損失が少なく
て済む。その理由は以下のように推測される。 凸曲面と斜板との間には極めて角度の小さい、
しかもその角度が滑らかに減少する楔状の〓間が
形成されるため、高速で摺動が行われると、いわ
ゆるウエツジ効果によつて斜板に付着している潤
滑油が良好に両者間に引き込まれ、流体潤滑が達
成される。また、摺動子の前記揺動及び自転に伴
つて、凸曲面と斜板との最近接部あるいは接触部
が刻々変化し、流体潤滑に寄与する潤滑油の量が
多くなつて潤滑条件が一層改善される。 また、半球状の摺動子は、従来のシユーに比較
して平坦側面の大きさの割に高さが高くなるた
め、斜板との間の摩擦力に基づく回転モーメント
の影響を強く受け、平坦側面のリーデイングエツ
ジ、すなわち斜板の回転方向に対向する側の縁が
特に強く斜板に押圧される傾向があるのである
が、平坦側面が凸曲面とされているため、以下の
理由でリーデイングエツジの斜板への押圧が軽減
されることも、耐焼付性向上の理由の一つと考え
られる。摺動子に上記のように回転モーメントが
作用すれば、凸曲面の存在によつて摺動子に微小
角度の揺動が許容される。この摺動子の揺動に伴
つて、凸曲面のリーデイングエツジに近い側の部
分が斜板に接近し、両者間の〓間が減少するので
あるが、この〓間は潤滑油が逃げることを容易に
許容しない程度に小さなものであるため、摺動子
の僅かな揺動に伴つて凸曲面と斜板との間に高い
油膜圧力が発生し、摺動子がそれ以上揺動するこ
とを阻止する役割を果たす。摺動子の平坦側面が
完全な平面であれば、摺動子が僅かな角度揺動し
ただけでも、リーデイングエツジが斜板に高い面
圧で押し付けられて焼付きが発生することとなる
のであるが、平坦側面に凸曲面が形成されていれ
ばそのような事態の発生が回避されて、発熱量が
低下し、摺動子と斜板との焼付きが防止されるの
である。 しかしながら、圧縮機の起動時あるいはピスト
ンの上死点や下死点において、それまで負荷がか
かつていなかつた側の摺動子に負荷がかかるとき
のように、摺動子に作用する回転モーメントに十
分対抗し得る油膜圧力が発生し難い場合には、摺
動子のリーデイングエツジが斜板に押圧されるこ
とを完全には回避し得ない。この際、凸曲面の外
周縁に鋭利な角部が形成されていれば、この角部
が斜板に食い込む感じとなつて摺動子が摺動し難
くなり、動力損失が増大するとともに、いわゆる
かじりが生じ易くなる。それに対して、本発明に
おいては、凸曲面の外周縁に丸み部が形成されて
上記角部がなくされるとともに、楔効果による油
膜の形成を助けるようにされており、動力損失及
びかじりの発生を良好に防止することができる。
特に、圧縮機の起動時においては、殆ど無潤滑の
状態で摺動子が斜板上を摺動することとなるた
め、両者の摩擦力が大きく、上記かじりが発生し
易い上、車両用エアコンの冷媒圧縮機のように、
起動停止が相当頻繁に繰り返される場合には、使
用条件は極めて過酷となる。したがつて、丸み部
の形成は、車両用エアコンの斜板式冷媒圧縮機に
おいて特に顕著な効果を奏する。 また、摺動子のリーデイングエツジの斜板への
食込みを少なくし、摺動子を自転し易くするため
には、摺動子の半球側面とピストンの凹球面との
間の摩擦抵抗をできる限り小さくすることが有効
であるが、本発明においては、摺動子の球側面に
固体潤滑剤を含む潤滑皮膜が形成されるため、摺
動子の円滑な揺動及び自転が保証され、この点か
らも平坦側面の耐焼付性が向上する。球側面に潤
滑皮膜を形成すれば、球側面自体の微小な凹部が
潤滑皮膜により埋められることは勿論、摺動子と
ピストンの摺動に伴つて潤滑皮膜の一部がピスト
ンの凹球面にも付着してそれの微小な凹部をも埋
めるため、摺動子とピストンとの実質的な接触面
積が増し、両者の部分的な凝着が減少して、摩擦
抵抗が低減するのである。 このように、潤滑皮膜は使用に伴つて摩耗する
ことを予定したものであるので、その潤滑皮膜が
あまり厚ければ潤滑皮膜の摩耗後に斜板と摺動子
とピストンとの間のクリアランスが増大し、運転
騒音が大きくなつて実用に耐えなくなつてしま
う。したがつて、下地処理皮膜と潤滑皮膜との合
計厚さが15μm以下であることが望ましく、10μm
以下であることが特に望ましい。 上記のように摺動子の球側面とピストンの凹球
面との摩擦抵抗が小さくなり、摺動子の軽快な揺
動が許容されることは、また、斜板の運動をピス
トンの運動に変換する際の動力損失を軽減し、斜
板式圧縮機全体の運転効率を向上させる上でも有
効である。球側面の潤滑皮膜は、前記平坦側面の
丸み部と共に動力損失を低減させる上で有効に働
くのである。 そして、鋼製摺動子の球側面に下地処理皮膜と
潤滑皮膜とが形成される望ましい態においては、
下地処理皮膜は潤滑皮膜と鋼母材との結合力を増
す作用を為すものであるが、それのみではなく、
潤滑皮膜の摩耗後は摺動子の母材とピストンとが
部分的に直接接触することとなるので、この際に
おける両者の焼付きを防止する作用をも為す。 また、摺動子を冷間鍛造によつてほぼ半球の形
状に成形した素材から製造する場合には、球形の
素材から製造する場合に比較して製造コストを低
減し得るのであるが、この場合には球側面の表面
粗度が悪くなり易いため、潤滑皮膜を形成するこ
とが特に有効である。 発明の効果 以上詳記したように、本発明によれば、部品点
数が少なく小形軽量であり、かつ、製造コストが
安いという優れた利点を有する半球状摺動子を備
えた斜板圧縮機の耐焼付性を向上させ、かつ、動
力損失を低減させることができる。 実施例 以下、本発明を自動車の空調用等冷房装置に使
用される斜板式圧縮機に適用した場合を例として
詳細に説明する。 第1図において1,2はシリンダブロツクであ
り、互に対称な形状のシリンダブロツク1,2が
二個合せられることによつて、圧縮機本体3を構
成している。各シリンダブロツク1,2には三個
ずつ(5個ずつでもよい)のシリンダボア1a,
2aが回転軸5と平行に形成され、これらシリン
ダボア1a,2aに両頭のAl−Si合金(AC8A)
製のピストン4が摺動可能に嵌合されている。圧
縮機本体3の中心孔3aには回転軸5が挿通さ
れ、軸受6,7によつて回転可能に支承されてい
る。この回転軸5の中央部には重力鋳造によつて
製造されたAl−Si合金(A390)製の斜板8がス
プリングピン9によつて固定されている。そして
この斜板8とピストン4との間には鋼製の摺動子
10が配設され、斜板8が回転軸5とともに回転
させられるときその駆動力が摺動子10を介して
ピストン4に伝えられ、以てピストン4が往復動
させられるようになつている。13及び14はス
ラスト軸受である。 シリンダブロツク2の端面には、サクシヨンバ
ルブシート15及びバルブプレート16、ガスケ
ツト17を間に挾んでフロントハウジング20が
固定されている。バルブプレート16には三個ず
つの吸入口16a及び吐出口16bが形成されて
おり、それぞれサクシヨンバルブシート15、及
び図示しないデイスチヤージバルブリードと協同
して三個の吸入弁18及び吐出弁19を構成して
いる。各吸入弁18はフロントハウジング20に
形成された共通の吸入室21から冷媒ガスを吸入
し得る位置に設けられており、各吐出弁19は共
通の吐出室22へ冷媒ガスを吐出し得る位置に設
けられている。 前記回転軸5はフロントハウジング20の中央
部を貫通して外部に突出し、この突出端において
電磁クラツチを介して駆動源たるエンジンに接続
される。回転軸5とフロントハウジング20とは
軸封装置23によつて気密を保たれている。 一方シリンダブロツク1の端面にはサクシヨン
バルブシート31、バルブプレート32、ガスケ
ツト33を間に挾んでリヤハウジング34が固定
されており、各シリンダボア1aは吸入弁35を
介して吸入室36に、また吐出弁37を介して吐
出室38に接続されている。 前記吸入室21と同36とは圧縮機本体3を軸
方向に貫通して形成された図示しない吸入通路に
よつて互に連通させられ、同じく図示しない共通
の吸入フランジによつて吸入管に接続されてい
る。また、吐出室22と同38とはそれぞれ、バ
ルブプレート16,32に形成された孔39,4
0とシリンダブロツク2,1に形成された吐出通
路41,42とによつて共通の吐出フランジ43
に接続されている。 前記摺動子10はその硬度が略60HRC(ロツク
ウエルCスケール硬度)に調整されており、また
第2図に示されるように、球側面10aと平坦側
面10bとを備えている。 平坦側面10bはその中央を頂点とし高さが最
も望ましい値である2〜5μmの極めて曲率半径の
大きい滑かな凸曲面10cに形成されるとともに
該平坦側面10bの外周縁には該凸曲面10cに
対して小さい傾斜角度θを成す面取面10dが形
成されている。該凸曲面10cは肉眼によれば平
面として見える程度なのでその存否が確認されな
いが測定機によると第3図に示される該凸曲面1
0cのプロフアイルの如くに拡大されて充分確認
され得、該凸曲面10cの高さH1は隣接する面
取面10dとの境界に形成された丸み部10eの
円と該凸曲面10cの接点12aからその頂点ま
での高さとして測定される。尚、このような摺動
子は鋼球を切断し該切断面に前記凸曲面10c及
び面取面10dを形成するように仕上加工して製
造しても良いが、本実施例では冷間鍛造で成形し
たものが用いられている。 また本実施例の摺動子10は全表面に固体潤滑
剤を含有する皮膜(以下単に潤滑皮膜という)が
形成されている。固体潤滑剤としては二硫化モリ
ブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2
等の硫化物が適しているが、これと共にグラフア
イト(C)、窒化ほう素(BN)、ポリテトラフル
オロエチレン樹脂((CF2−CF2)n)など種々の
固体潤滑材を併用することが可能である。本例で
は二硫化モリブデン、窒化ほう素、グラフアイ
ト、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の4種の粉
末の混合から成るものが用いられ、これらが熱硬
化性樹脂であるフエノール樹脂をバインダとして
摺動子10の全表面にコーテイングされて、潤滑
皮膜を形成している。 以下この潤滑皮膜の形成方法を略述する。 先ず被処理物としての摺動子を苛性ソーダ等の
アルカリ液中において60〜70℃で脱脂処理した
後、水洗、次いで湯洗して表面に付着したアルカ
リを除去する。脱脂された被処理物を次に85〜95
℃のリン酸マンガン水溶液中に浸漬すれば下地処
理皮膜としてのリン酸マンガン化成皮膜が表面に
形成される。リン酸マンガン処理液には必要に応
じて促進剤を添加すれば処理時間の短縮を図り得
る。リン酸マンガン化成皮膜が形成されたところ
でこれを湯洗して温風乾燥し、そしてその全表面
に適当な稀釈剤で稀釈した前記コーテイング材を
スプレーで塗布する。そしてこれを180℃で30分、
或いは150℃で1時間焼成すれば、目的とする潤
滑皮膜を形成し得る。なお、この潤滑皮膜は圧縮
機使用時に塑性流動するとともに摩耗してその厚
みが減少することを避けられない。膜厚が減少す
れば摺動子10とピストン4或いは斜板8との間
に隙間が生じて運転騒音増大の原因となるから焼
成時形成される皮膜が上記下地処理皮膜の膜厚と
合せて所定の値以下となるようにスプレー条件を
調整することが必要である。この値は一般的には
10μm以下とすることが望まれるが、7μm以下で
あればより望ましく、5μm以下であれば尚良好で
ある。 ところで上記リン酸塩処理する際には水素が発
生し、被処理物がこの水素を吸蔵して脆化するお
それがあるから、前記焼成後、必要に応じて所定
時間加熱脱ガスするなどの水性脆性除去処理を行
なう。 なお、下地処理皮膜としては上記リン酸マンガ
ン化成皮膜のみならずタフトライド法などによる
軟窒化処理によつて形成される窒化処理皮膜であ
つても良い。コーテイング材の塗布方法としては
スプレー塗布の他、タンブリング、浸漬、はけ塗
り等が可能である。 このようにして製作された摺動子10は、球側
面10aがピストン4に設けられた凹球面11に
接触しかつ平坦側面10bが斜板8に摺接する状
態で該斜板8の両側に夫々配設されている。 以上のように構成された斜板式圧縮機において
回転軸5が図示しないエンジン等の駆動軸によつ
て回転させられると、該回転軸5に固定された斜
板8が回転させられると同時に摺動子10を介し
てピストン4が往復動させられる。 このため、摺動子10は、斜板8の面のピスト
ン4に対する当り角の変化に応じてピストンの凹
球面11上を摺動しつつ揺動させられるとともに
自転させられる。そしてこのとき摺動子10の球
側面10aとピストン4の凹球面11との間に摩
擦力が発生し、且つこの摩擦力はこれら摺動面へ
の潤滑油の補給が比較的困難であるためにより大
きなものとなつて圧縮機における動力損失をもた
らす原因となつている。しかも鍛造で成形され且
つ潤滑皮膜の形成されていない半球状の摺動子に
おいては、鋼球を切断して製作したものに比べて
表面粗度が高くなり、また凹球面11は切削加工
で面粗さが大きいから上記動力損失は更に助長さ
れる。 これに対して表面に潤滑皮膜が形成された摺動
子10を備えて成る上記圧縮機においてはかかる
不具合を生じることなく摺動子10は円滑に摺動
して摩擦力ひいては動力損失は効果的に低減せし
められるのである。摺動子10表面に形成された
潤滑皮膜は、摩擦力低下、動力損失の低減に対し
て以下の作用を為す。 摺動子10の球側面10a及びピストン4の凹
球面11はこれを微視的にみれば多数の凹凸を有
しており、摺動子10がピストン4に高荷重で押
圧されるとこれらの間において局部的に金属接触
が生じて部分的な凝着、ひいては摩擦力の増大を
惹起する。 ところが、上記摺動子の表面にコーテイングさ
れた潤滑皮膜は凹部を埋め、更に塑性流動させら
れる際に表面突起部分を滑らかにして摺動子10
とピストン4の真実触面積を増大させ、両者のな
じみ性を高める。即ち固体潤滑剤の作用で摺動子
10とピストン4とは広い面で均等に接触させら
れ、以て両者間の面圧が低下せしめられる。そし
て固体潤滑剤本来の潤滑作用と相まつて摩擦力の
低減及び動力損失の低減が達成されるのである。
即ち摺動子10の表面にコーテイングされた潤滑
皮膜は、本来の潤滑作用と併せて摺動表面の不規
則性をカバーすべく作用するものであり、従つて
表面にうねりが生じたり、多数の凹凸が生じ易い
鍛造成形して成る摺動子においても何ら問題を生
じることがない。換言すればこの潤滑皮膜は鍛造
で成形された摺動子にコーテイングされた場合に
おいて特にその効果を発揮するものであり、これ
によつて摺動子10が安価に製造されることにな
るのである。ちなみに鍛造で製造する場合の費用
は鋼球を切断する場合に比べて半分程度で済む。 摺動子10に形成された前記態様の潤滑皮膜が
動力損失の低減に対して優れた効果を奏すること
は以下の実験によつて確認されている。尚、実験
は動力損失測定と併せて潤滑皮膜の摩擦係数測
定、焼付き性測定も併せて行なわれた。 実験例 実験 試料の作成 鍛造により成形された半球状の摺動子を、下地
処理、コーテイング材の種類、塗布方法等条件を
第1表に示すように種々変えて、4種類の試料を
【表】 作成した。尚、脱脂処理、焼成処理等その他の処
理条件は前述の方法に準じて行なつた。得られた
A〜Dの試料を、鍛造成形した潤滑皮膜のない摺
動子E、鋼球を切断して製作した潤滑皮膜のない
摺動子Fとともに以下の実験に供した。 実験 第4図に示すようにピストンと同じ材料で製作
されたブロツク100の凹球面に摺動子102の球
側面を接触させ、且つ平坦側面を斜板と同じ材料
で製作された回転体104に100Kgの押圧荷重P
を与えて接触させ、この状態で回転体104を
500rpmで回転させて10分後及び60分後における
球側面の摩擦係数を測定した。結果を第2表に示
す。尚、実験は潤滑油中で行なつた。
【表】 第2表から明らかなように、潤滑皮膜を有する
試料A〜Dの摩擦係数は、潤滑皮膜なしの試料に
比較して相当小さく、潤滑皮膜がいかに有効であ
るかが解る。 実験 実験と同様の装置を用い、押圧荷重Pを20
Kg、回転体104の回転速度を300rpmとして焼
付きに至る時間を測定した。実験は空気中におい
て無潤滑で行なつた。結果を第3表に示す。この
結果から潤滑皮膜の形成が焼付の防止にも有効で
あることが解る。
【表】 実験 試料A〜Fを総排気量150c.c./rev.の斜板式圧
縮機に実際に組込み、正規の冷媒ガス及び潤滑油
封入量で運転して動力損失の程度を調査した。結
果を第5図にグラフとして示す。第5図から明ら
かなように、鍛造で成形した摺動子である試料E
は鋼球を切断して製作した摺動子である試料Fよ
りも動力損失が大きいが、鍛造で成形した摺動子
に潤滑皮膜を形成した試料A〜Dはいずれも試料
E及びFよりも動力損失が小さく、また試料A〜
Dのうちでは固体潤滑剤として二硫化モリブデン
(MoS2)、窒化ほう素(BN)、グラフアイト
(C)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(CF2
CF2)nを用いた試料Cが最もすぐれていること
が理解される。 なお、摺動子10の平坦側面10bは比較的潤
滑油が供給され易く、また凸曲面10cや面取面
10dの形成によつて潤滑油皮膜の形成を助長す
ることができるので、潤滑皮膜の形成は、表面粗
さの改善や潤滑油膜の形成が平坦側面10bに比
較して困難な球側面10aにおいて特に有効であ
り、従つて球側面10aにのみ潤滑皮膜を形成し
てもよい。 ところで、摺動子10の平坦側面10b、即ち
斜板8と接触する面においても摩擦力は発生し、
固体の潤滑皮膜は球側面10aにおけると同様の
作用を為して摩擦力を低減させるが、この平坦側
面10bはその形状が僅かに膨出する如く凸曲さ
せられており、従つて潤滑皮膜が摩耗消滅するこ
とがあつてもこの凸曲形状の作用により、また更
にその硬度が高く調整されていることによつて摺
動子10と斜板8との間の焼付きが有効に防止さ
れる。この効果は以下の実験によつて確認されて
いる。 実験 異なる高さH1の凸曲面10cを備えた摺動子
の試料及び凸曲面のない試料を使用用し、斜板8
と同一材質の回転板に該試料を押し付けてこの押
圧力を漸増させ、焼付きが発生した場合の押付荷
重(焼付荷重)を測定した結果を第6図に示す。
なお、本実験は以下の条件下において為されたも
のである。 回転板と摺動子との摩擦速度V:15m/秒 押付荷重:20Kg/20分漸増方式 潤滑条件:パツト給油方式(0.4c.c./分) 油 種:冷凍機油1/軽油9 摺動子 :材質 鋼(SUJ−2) 球側面の直径 13.5mm 表面粗度 0.3μm以下 回転板 :真直度 1μm〜1.5μm 材質 Al−Si系合金
(A390) 表面粗度 0.7μm以下 凸曲面10cが形成された試料の実験結果を示
す第6図中の実線によれば、凸曲面10cの高さ
H1が僅かでもあれば、焼付荷重が250Kgを超え、
該高さH1が約5μmのときに焼付荷重が最大
(500Kg以上)となり、その後漸減して高さH1が
15μmを超えると焼付荷重が250Kgより小さくな
る。一方、凸曲面が形成されない試料の結果を示
す同図中の点線によれば、第7図に示されるよう
な平坦側面10bに凸曲面10cが形成されず文
字通り平面である摺動子の焼付荷重は160Kgであ
り、面取面10dと平坦側面10bとの間の境界
に丸み部10eを設けた場合には、その丸み部1
0eを含めた平坦側面10bの高さH2が3μmの
ときに最大(300Kg)となり、その後漸減する。
なお、該高さH2は丸み部10eの曲率半径を有
する円と面取面10dとの接点12bから平坦面
までの高さとして測定される。このように、文字
通り平坦面である平坦側面10bを有する摺動子
に比較して、凸曲面10cを備えた摺動子10の
焼付荷重は常に優れており、特に凸曲面10cの
高さH1が15μm以下の範囲においては250Kg以上
の従来より高水準の焼付荷重が確保される。 実験 一方、凸曲面10cの高さH1と摩耗量との関
係を調べるために行われた実験によると、凸曲面
10cの高さH1の異なる摺動子試料を斜板8と
同じ材質(Al−Si系合金A390)の回転板に一定
荷重で押し付けると所定時間後の高さの減少量は
第8図のグラフに示される如くとなる。なお、本
実験は以下の条件の下において為されたものであ
る。 回転板と摺動子との摩擦速度V:15m/秒 単位面積cm2あたりの押付荷重:100Kg(ならし
運転中25Kg) テスト時間:100時間(ならし時間30分後) 潤滑条件及び油種:実験と同じ 摺動子 :材質 鋼(SUJ−2) 表面粗度 0.3μm以下 球側面の直径 13.5mm 回転板 :実験と同じ 第8図のグラフによれば凸曲面10cの高さH
1が7μmを超えるとその高さH1の減少量(摩耗
量)が急激に増大する。この摩耗量の増大は斜板
8及びピストンと摺動子10との間にガタを発生
させ、振動及び騒音、あるいは圧縮機の寿命短縮
の原因となるものである。 したがつて、以上の両実験、の結果によれ
ば、摺動子10の摩耗量を増大させない範囲にお
いて焼付荷重を向上させるための望ましい凸曲面
の高さは7μm以下であり、更に望ましくは2〜
5μmの高さである。 実験 第4表に示される各試料条件で回転板の表面に
摺動子を一定の荷重で押し付け、該摺動子が焼付
きに至るまでの時間を測定した結果を第9図及び
第10図に示す。なお、本実験は以下の条件下に
おいて為されたものである。 回転板と摺動子との摩擦速度V:15m/秒 単位面積cm2あたりの押付荷重:120Kg (ならし運転中25Kg) テスト時間:50時間(最大) 潤滑条件:パツト給油方式 油 種:冷凍機油1/軽油9の混合油 摺動子 :球側面の直径 13.5mm 凸曲面の高さ 3μm 凸曲面の表面粗度 0.3μm以下 回転板 :真直度 1.0μm〜1.5μm Al−Si系合金 (10〜25%Si) 表面アラサ 0.7μm以下
【表】
【表】 第9図及び第10図によれば、焼付きまでの時
間は摺動子のクロム含有鋼材の種類や回転板の
Al−Si系合金のシリコン(Si)含有量にそれ程
影響されず、該摺動子の材料硬度に最も影響さ
れ、該硬度が高くなる程焼付きに至るまでの時間
が長くなり、焼付きが発生し難くなる。すなわ
ち、該硬度が50HRC(ロツクウエル硬度)以上で
あれば、実用上満足し得る焼付防止効果が得ら
れ、該硬度が60HRC以上であれば更に望ましい。
なお、第9図における×印は焼付きの発生を示
し、第10図の実線、破線及び一点鎖線はアルミ
合金のシリコン含有率が18%、10%及び25%であ
ることを示す。また、Al−Si系合金の硬度はシ
リコン含有率10%〜25%において17〜42HRC(ロ
ツクウエル硬度)である。 実験 総排気量150c.c./revの斜板式圧縮機を使用し
て、該圧縮機内の潤滑油量を種々(10段階)に定
め、これらの段階的な過酷な潤滑条件における所
定時間後の焼付きの有無を実験し、第4表に示さ
れる摺動子と斜板との各々の試料条件について繰
り返した結果を第5表及び第11図に示す。な
お、本実験は以下の条件下において為されたもの
である。 回 転 数 :4000rpm 冷媒吐出圧力 :4〜6Kg/cm2 冷媒吸入圧力 :約−50mmHg 作動時間 :20時間 冷媒ガス :100g(正規量の10%) 摺動子及び斜板:実験の摺
動子及び回転板の条件と同じ 潤滑油 :冷凍機油 油封入量 :100〜270c.c. 斜板 :Al−Si系合金(10〜25%Si) ピストン :Al−Si系合金(AC8A)
【表】
【表】 第5表及び第11図によれば、焼付きが発生す
る潤滑油封入量は、摺動子の材質の種類や斜板の
Al−Si系合金のシリコン(Si)含有量にそれ程
影響されず、該摺動子の材質硬度に最も影響さ
れ、該硬度が高くなる程焼付きが発生する潤滑油
封入量が少なくなる。このことは低速の状態にお
いて運転されるような過酷な潤滑条件下において
も、焼付きが発生しなくなることを意味する。す
なわち、本実験結果は、前述の実験結果同様に実
用上摺動子の硬度が50(HRC)以上であれば望ま
しい焼付防止効果が得られ、該硬度が60(HRC)
以上であれば更に望ましいことを示している。 なお、第5表における〇印、△印及び×印は全
数の焼付きがない状態、複数個中に一部焼付きが
ある状態及び全部焼付きがある状態を示す。ま
た、第11図の実線、破線及び一点鎖線はAl−
Si系合金のシリコン含有率が18%、10%及び25%
であることを示す。 以上の実験結果、によれば、斜板8がAl
−Si系合金製であり、平坦側面10bに凸曲面1
0cが形成されたクロム含有鋼製の摺動子10が
使用されるとき、該摺動子の焼付きを防止するた
めには該摺動子10の硬度が50(HRC)以上あれ
ば一応の効果が得られ、一層確かな効果を得るた
めには60(HRC)以上の硬度であることが望まし
い。なお、互いに摺接する斜板8及び凸曲面10
cの表面はより平滑であることが焼付き防止のた
めによいことは勿論である。すなわち、該斜板8
の表面粗度は1μm以下、特に0.7μm以下が望まし
く、摺動子10の表面粗度は1μm以下、特に
0.3μm以下が望ましい。また、摺動面間に積極的
に潤滑油を引き込んで油膜の形成を促進するため
に形成される面取面10dの平坦側面10bに対
する角度は1〜45゜、特に5〜15゜が望ましい。 実験 本発明に係る2種類の摺動子ならびに比較試料
としての2種類の摺動子をそれぞれ斜板式圧縮機
に実際に組み込んで性能実験を行つた。圧縮機の
回転数を複数種類に変化させて1冷凍トン当たり
の必要馬力の測定を行つたのである。この1冷凍
トン当たりの必要馬力は摺動子10と斜板8との
摺動抵抗によつて左右されるものであるため、こ
れを測定することにより摺動の良好さを調べるこ
とができるのである。 実験条件は、下記のようである。 吐出側ガス圧 :15Kg/cm2 吸入側ガス圧 :2Kg/cm2 潤滑油 :冷凍機油80c.c. 斜板 :A390製 ガス量 :800g 第12図における各曲線A、B、C、Dはそれ
ぞれ下記の試料についての結果を示している。 凸曲面 丸み部 面取面 A あり(H1=3μm) あり あり B あり(H1=3μm) あり なし C あり(H1=3μm) なし あり D なし あり あり (H2=3μm) 第12図から明らかなように、凸曲面10c、
面取面10d及び丸み部10eの全てを備えた本
発明に係る摺動子Aが最も優れており、凸曲面1
0c及び丸み部10eを備えるが面取面10dを
備えない本発明に係る摺動子Bが次に優れてい
る。この結果から、凸曲面10cと丸み部10e
とを備えた摺動子に更に面取面10dを設けれ
ば、摺動抵抗を一層低減させ得ることがわかる。
これに対して、比較試料の摺動子はいずれも本発
明に係る摺動子より劣つており、特に凸曲面10
c及び面取面10dは備えているが丸み部10e
を備えない摺動子Cの場合に必要馬力が特に高く
なつている。このことから、丸み部10eが摺動
抵抗の低減に大きく寄与することがわかる。 なお付言すれば、鍛造で成形された場合のみな
らず鋼球を切断して製作した摺動子においても潤
滑皮膜は同様の作用を為すものであり、これによ
つて動力損失が低減されることは勿論である。 また摺動子の斜板と接触する側の面、即ち平坦
側面は上記実施例記載の形状の他、種々の形状で
形成され得る。例えば平坦側面を、その中央を頂
点として高さが15μm以下である曲率半径の大き
な、肉眼では平坦面に見えるような滑らかな凸曲
面とするとともに更にこの凸曲面の外周部に一段
又は二段の面取面を形成したものが特願昭55−
125032号及び特願昭55−126432号に、開示されて
いるが、この摺動子に固体潤滑剤コーテイングを
施した場合にも摩擦力の低減、動力損失の低減は
達せられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す斜板式圧縮機
の軸心に沿つた断面図である。第2図は第1図の
実施例の摺動子を示す正面図であり、第3図は第
2図の摺動子の平坦側面の形状を測定機で測定し
た場合のプロフアイルを示す図である。第4図は
試験装置を示す断面図である。第5図は動力損失
の測定結果を示すグラフである。第6図は実験
の結果を示すグラフである。第7図は実験に使
用された凸曲面のない摺動子の平面部の拡大プロ
フアイルを示すグラフである。第8図は実験の
結果を示すグラフである。第9図及び第10図は
実験の結果を示すグラフであり、第11図は実
験の結果を示すグラフ、第12図は実験の結
果を示すグラフである。 1a,2a:シリンダ(シリンダボア)、4:
ピストン、5:回転軸、8:斜板、10:摺動
子、10a:球側面、10b:平坦側面、10
c:凸曲面、11:凹曲面、10e:丸み部、1
1:凹球面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 回転軸に一定角度傾斜して固設された斜板
    と、該回転軸に平行に設けられたピストンと、球
    側面及び平坦側面を備えてほぼ半球の形状を成
    し、球側面において前記ピストンに形成された凹
    球面に接触する一方、平坦側面において前記斜板
    と摺接して該斜板の駆動力を前記ピストンに伝達
    する摺動子とを含み、斜板の回転に伴なつてピス
    トンが往復動させられる斜板式圧縮機において、 前記摺動子の前記平坦側面を、該平坦側面の中
    央部を頂点とし、高さが15μm以下である極めて
    曲率半径の大きい滑らかな凸曲面とするととも
    に、該凸曲面の外周縁に該凸曲面に滑らかに連な
    る丸み部を形成し、かつ、少なくとも前記球側面
    に固体潤滑剤を含有した潤滑皮膜を形成したこと
    を特徴とする斜板式圧縮機。 2 前記摺動子が鋼製であり、前記球側面に、リ
    ン酸マンガン化成皮膜または軟窒化処理皮膜から
    成る下地処理皮膜が形成され、該下地処理皮膜の
    上に前記潤滑皮膜が形成され、該潤滑皮膜が二硫
    化モリブデン、二硫化タングステン等の硫化物を
    含む固体潤滑剤がフエノール樹脂、エポキシ樹脂
    等の熱硬化樹脂バインダにより結合されて成るも
    のであり、かつ、該潤滑皮膜と前記下地処理皮膜
    との合計厚さが10μm以下である特許請求の範囲
    第1項記載の斜板式圧縮機。 3 前記摺動子が、冷間鍛造によつてほぼ半球の
    形状に形成された素材から製造されたものである
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の斜板式
    圧縮機。
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