JPH0146672B2 - - Google Patents
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- JPH0146672B2 JPH0146672B2 JP55035093A JP3509380A JPH0146672B2 JP H0146672 B2 JPH0146672 B2 JP H0146672B2 JP 55035093 A JP55035093 A JP 55035093A JP 3509380 A JP3509380 A JP 3509380A JP H0146672 B2 JPH0146672 B2 JP H0146672B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- temperature
- curing
- hot water
- heat
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Landscapes
- Underground Or Underwater Handling Of Building Materials (AREA)
- On-Site Construction Work That Accompanies The Preparation And Application Of Concrete (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
この発明は、マツシブなコンクリート(マスコ
ンクリート)の温度応力により生ずる表面部のひ
びわれを防ぐ方法に関する。 コンクリートは、硬化の過程で水和熱を発生す
る。通常は、その熱は放散されて問題にならない
のであるが、例えば、ダム、巨大な構造物の底盤
などのマツシブなコンクリートでは、その中心部
の温度が上昇する。その結果、熱放散によつて、
あまり温度が上昇しない表面部との間に、温度差
が生じ、温度応力が発生する。この温度応力が、
硬化中のコンクリートの引張強度を上まわつた時
に、ひびわれが生ずるのである。 このひびわれを防ぐ方法として、従来は、材料
をあらかじめ冷却するプレクーリングや、コンク
リート打設の際に埋設したパイプに冷水を循環さ
せるパイプクーリングが行われていたが、前者
は、内部温度分布に対応する冷却が困難であり、
かつ、効率が悪く、また、後者は、つぎに記載す
る理由によつて、排除すべき熱量が大きく、その
ため設備を大きくしなければならなかつた。すな
わち、マツシブなコンクリートを第1図のように
平面的に広がりを持つ底盤1と仮定すれば、水和
熱による温度分布は第2図のように、中心部の高
温部分において凸な放物線状の曲線となる。従つ
て、中心部と表面部の温度の中間温度にしようと
すると、消費される熱量Qは図のハツチした部分
の面積で比較され、表面部Q1の方が少ないから
である。 また、マツシブなコンクリートを複数層に分け
て打設する場合には、打ち継ぎ面において、下の
層の上面が低温であると、上の層の下面が急激に
冷却されて収縮し、ひびわれを生ずるという問題
があつた。 本発明は上記欠点を鑑みてなされたものであつ
て、その要旨は、マツシブなコンクリートを複数
層に分割して打設するに際し、外気温の如何にか
かわらず、硬化しつつある各コンクリート層の表
面部分の温度低下を保温手段により阻止して、コ
ンクリート表面部の温度差によるひびわれおよび
下面部の拘束によるひびわれを防ぐことを特徴と
する。 ここに、保温手段として、表面部のみにパイ
プを埋設して蒸気、温水等を循環させる(第4図
参照)、表面上に温水を満たす(第3図参照)
などの方法がある。 このような保温手段は、従来の冷却方法とは逆
に感じられるが、温度差を少なくする程度の加熱
では、コンクリートの最高温度をさらに上昇され
る懸念はなく、反つて、表面部の硬化促進に役だ
つものと考えられる。 以下、本発明の実施に好適な施工計画を設定し
て、そのひびわれが発生するか否かの検討を行つ
た結果を記載する。 対象とする構造物は、第7図に示すLNG地下
式貯槽の円形底盤1であつて、直径約55m、厚さ
7mである。この底盤を多数層に区切つてコンク
リートを打設することは可能であるが、そうする
と、打継目が多くなるため、レイタンス除去、せ
ん断およびひびわれ鉄筋の補強がそれだけ多くな
つて、不利である。本実施例では、このことか
ら、二層に区切り、下層を厚さ4mとし、上層
を厚さ3mとした。これら各層は、1日で打設
することができないので、1日1mづつ、すなわ
ち、下層は連続4日間、上層は連続3日間で打設
する。下層打設後、上層打設開始までの間は約20
日間とした。 養生は、各層打設完了の翌日から14日間、その
表面部に、温水(約50℃)を湛水した場合、
散水した(本発明を実施しない)場合、を仮定
し、底盤の中心から8mのある地点Dにおける各
層の温度を解析した。 解析方法は、軸対称構造物としてE部分をモデ
ル化し、有限要素法により温度上昇を解析した。 発熱条件は、断熱温度上昇式を時間で微分し、
単位時間当りの発熱量とした。ここに断熱温度上
昇式とは、 T(t)=Qmax(1−e-〓t) t;コンクリートの材令(日) T(t);材令tにおけるコンクリートの断熱温度
上昇(℃) e;自然対数の底 α;実験定数(セメントの種類による) であり、Qmaxは、 Qmax=Wc・H/C・ρ Wc;単位セメント量(Kg/m3) H;セメント水和熱(kcal/Kg) C;コンクリートの比熱(kcal/Kg℃) ρ;コンクリートの単位重量(Kg/m3) である。 境界条件の設定に際しては、コンクリート打継
目には、対流要素を考え、地中部には境界温度を
設定した。 解析の結果を第5図、第6図および第8図に示
す。第8図は第7図に示す各部分の温度変化を経
時的に示したものであり、実線は温水養生をした
場合を、点線は散水養生をした場合をそれぞれ示
す。 これによれば、中心部(cおよびc)の温
度は、温水養生(実線)と散水養生(点線)と
は、多少の差はあれ同一温度変化をするのに対
し、表面部(sおよびs)の温度は、養生期
間中Bにおいて、著しい差を生ずる。 その結果、温水養生における表面部の温度と中
心部の温度との差は、非常に小さくなる。なお、
Toは外気温を示す。 第5図および第6図は、同じ解析の結果を断面
的に表わしたものであり、横軸は温度、縦軸は、
測点位置の高さを示す。図中の記号、例えば、
−3は、第2層の打設(A)を完了した後、3
日目の温度分布を示す。第5図は温水養生をした
場合であり、第6図は散水養生をした場合であ
る。 この場合においても、例えば、第2層の打設を
完了した後、3日目の中心部(c)と表面部
(s)との温度差ΔT3は、第5図と第6図とに
示したものを比較すれば一目瞭然である。 つぎに、このような温度差ΔTにもとづく表面
部の引張応力を計算する。ここでは単純に表面に
平行な方向の応力のつり合い条件から導びかれる
次式を用いる。 σ=KαE′cΔT σ;温度応力(表面部の引張応力) K;部材の形状にもとづく温度分布状態で決まる
係数であつて、この場合は、軸対称の場合の係
数である2/3とした。(第9図参照) α;コンクリートの熱膨張係数(=10×10-6/
℃) Ec′;コンクリートの有効弾性係数(クリープの
影響を考えて瞬間弾性係数の1/2とする。瞬間
弾性係数は、圧縮強度の函数として、また、圧
縮強度は、材令の函数としてそれぞれ計算され
る。) こうして計算された各材令における温度応力と
引張応力σctを比較すればひびわれの発生の有無
が判定できる。 適宜な材令について計算した結果を第1表およ
び第2表に示す。
ンクリート)の温度応力により生ずる表面部のひ
びわれを防ぐ方法に関する。 コンクリートは、硬化の過程で水和熱を発生す
る。通常は、その熱は放散されて問題にならない
のであるが、例えば、ダム、巨大な構造物の底盤
などのマツシブなコンクリートでは、その中心部
の温度が上昇する。その結果、熱放散によつて、
あまり温度が上昇しない表面部との間に、温度差
が生じ、温度応力が発生する。この温度応力が、
硬化中のコンクリートの引張強度を上まわつた時
に、ひびわれが生ずるのである。 このひびわれを防ぐ方法として、従来は、材料
をあらかじめ冷却するプレクーリングや、コンク
リート打設の際に埋設したパイプに冷水を循環さ
せるパイプクーリングが行われていたが、前者
は、内部温度分布に対応する冷却が困難であり、
かつ、効率が悪く、また、後者は、つぎに記載す
る理由によつて、排除すべき熱量が大きく、その
ため設備を大きくしなければならなかつた。すな
わち、マツシブなコンクリートを第1図のように
平面的に広がりを持つ底盤1と仮定すれば、水和
熱による温度分布は第2図のように、中心部の高
温部分において凸な放物線状の曲線となる。従つ
て、中心部と表面部の温度の中間温度にしようと
すると、消費される熱量Qは図のハツチした部分
の面積で比較され、表面部Q1の方が少ないから
である。 また、マツシブなコンクリートを複数層に分け
て打設する場合には、打ち継ぎ面において、下の
層の上面が低温であると、上の層の下面が急激に
冷却されて収縮し、ひびわれを生ずるという問題
があつた。 本発明は上記欠点を鑑みてなされたものであつ
て、その要旨は、マツシブなコンクリートを複数
層に分割して打設するに際し、外気温の如何にか
かわらず、硬化しつつある各コンクリート層の表
面部分の温度低下を保温手段により阻止して、コ
ンクリート表面部の温度差によるひびわれおよび
下面部の拘束によるひびわれを防ぐことを特徴と
する。 ここに、保温手段として、表面部のみにパイ
プを埋設して蒸気、温水等を循環させる(第4図
参照)、表面上に温水を満たす(第3図参照)
などの方法がある。 このような保温手段は、従来の冷却方法とは逆
に感じられるが、温度差を少なくする程度の加熱
では、コンクリートの最高温度をさらに上昇され
る懸念はなく、反つて、表面部の硬化促進に役だ
つものと考えられる。 以下、本発明の実施に好適な施工計画を設定し
て、そのひびわれが発生するか否かの検討を行つ
た結果を記載する。 対象とする構造物は、第7図に示すLNG地下
式貯槽の円形底盤1であつて、直径約55m、厚さ
7mである。この底盤を多数層に区切つてコンク
リートを打設することは可能であるが、そうする
と、打継目が多くなるため、レイタンス除去、せ
ん断およびひびわれ鉄筋の補強がそれだけ多くな
つて、不利である。本実施例では、このことか
ら、二層に区切り、下層を厚さ4mとし、上層
を厚さ3mとした。これら各層は、1日で打設
することができないので、1日1mづつ、すなわ
ち、下層は連続4日間、上層は連続3日間で打設
する。下層打設後、上層打設開始までの間は約20
日間とした。 養生は、各層打設完了の翌日から14日間、その
表面部に、温水(約50℃)を湛水した場合、
散水した(本発明を実施しない)場合、を仮定
し、底盤の中心から8mのある地点Dにおける各
層の温度を解析した。 解析方法は、軸対称構造物としてE部分をモデ
ル化し、有限要素法により温度上昇を解析した。 発熱条件は、断熱温度上昇式を時間で微分し、
単位時間当りの発熱量とした。ここに断熱温度上
昇式とは、 T(t)=Qmax(1−e-〓t) t;コンクリートの材令(日) T(t);材令tにおけるコンクリートの断熱温度
上昇(℃) e;自然対数の底 α;実験定数(セメントの種類による) であり、Qmaxは、 Qmax=Wc・H/C・ρ Wc;単位セメント量(Kg/m3) H;セメント水和熱(kcal/Kg) C;コンクリートの比熱(kcal/Kg℃) ρ;コンクリートの単位重量(Kg/m3) である。 境界条件の設定に際しては、コンクリート打継
目には、対流要素を考え、地中部には境界温度を
設定した。 解析の結果を第5図、第6図および第8図に示
す。第8図は第7図に示す各部分の温度変化を経
時的に示したものであり、実線は温水養生をした
場合を、点線は散水養生をした場合をそれぞれ示
す。 これによれば、中心部(cおよびc)の温
度は、温水養生(実線)と散水養生(点線)と
は、多少の差はあれ同一温度変化をするのに対
し、表面部(sおよびs)の温度は、養生期
間中Bにおいて、著しい差を生ずる。 その結果、温水養生における表面部の温度と中
心部の温度との差は、非常に小さくなる。なお、
Toは外気温を示す。 第5図および第6図は、同じ解析の結果を断面
的に表わしたものであり、横軸は温度、縦軸は、
測点位置の高さを示す。図中の記号、例えば、
−3は、第2層の打設(A)を完了した後、3
日目の温度分布を示す。第5図は温水養生をした
場合であり、第6図は散水養生をした場合であ
る。 この場合においても、例えば、第2層の打設を
完了した後、3日目の中心部(c)と表面部
(s)との温度差ΔT3は、第5図と第6図とに
示したものを比較すれば一目瞭然である。 つぎに、このような温度差ΔTにもとづく表面
部の引張応力を計算する。ここでは単純に表面に
平行な方向の応力のつり合い条件から導びかれる
次式を用いる。 σ=KαE′cΔT σ;温度応力(表面部の引張応力) K;部材の形状にもとづく温度分布状態で決まる
係数であつて、この場合は、軸対称の場合の係
数である2/3とした。(第9図参照) α;コンクリートの熱膨張係数(=10×10-6/
℃) Ec′;コンクリートの有効弾性係数(クリープの
影響を考えて瞬間弾性係数の1/2とする。瞬間
弾性係数は、圧縮強度の函数として、また、圧
縮強度は、材令の函数としてそれぞれ計算され
る。) こうして計算された各材令における温度応力と
引張応力σctを比較すればひびわれの発生の有無
が判定できる。 適宜な材令について計算した結果を第1表およ
び第2表に示す。
【表】
【表】
【表】
これによれば、散水養生をした場合には、材令
が14日まで、ひびわれが発生するが、温水養生で
は、その期間中は、全く発生しない。 しかし、ここで注意すべきことは、材令28日に
おいては、散水養生をした場合には、ひびわれが
発生していないのに反し、材令15日まで温水養生
をした場合には、ひびわれが発生していることで
ある。これは、温水養生をされたコンクリート
は、蓄熱されて、その中心部cは依然高温を維
持するためである。 従つて、温水養生を用いられる温水の温度は必
要最低限の温度とする必要がある。 そのためには、コンクリートの材令に応じた引
張温度から、必要な温水温度と養生期間を逆算
し、温水温度を制御することが好ましいと考えら
れる。 もつとも、加熱養生によつて、コンクリートの
温度が比較的長期間高温を維持することは、別の
利用法を可能とするのである。すなわち、マツシ
ブなコンクリートを多数層打継ぎ施工する場合、
上層の下面すなわち打継面の拘束によるひびわれ
を防ぐ利点を有するのである。 打継ぎ面の上側のコンクリート(上層)は、水
和熱によつて一日温度が上昇し、その後下降す
る。下降の際、上層は収縮するが下側のコンクリ
ート(下層)は、逆に上層の熱を奪うため、上層
ほど収縮しない。しかも、下層は硬化が進み強度
が大きいため、上層の下面には収縮ひびわれ、す
なわち、拘束によるひびわれを生ずるのである。 従つて、下層に加熱養生をし、その養生を終了
した後、短い期間内に上層を打設することによ
り、下層の温度を比較的高くしておけば、拘束の
ひびわれの恐れをなくすことができるのである。 以上をまとめると、本発明は、コンクリートの
表面部分のみを保温するものであるから、従来の
コンクリート全体を冷却する方法に比べて、容易
に、しかも効率的に、温度応力によるひびわれを
防止することができる。 保温手段として、表面部のみに埋設した温水配
管を用いれば、養生期間中に、表面処理や上部の
工事を行なうことができる。特に、ひきつづき上
部にコンクリートを打設する場合には、打継面処
理、鉄筋組立などの打設準備中に表面の温度低下
を起すことがない利点をもつ。 また、保温手段として、コンクリート表面上に
湛水する方法をとれば、設備費が少く、埋殺しな
どの無駄がないばかりでなく、表面の乾燥を防ぐ
付随的効果をもつ。 さらに、コンクリートの材令に応じた温度制御
を行なえば、単にエネルギーの節約だけでなく、
中心部の不必要な温度上昇を避けるから、養生期
間経過後のひびわれの発生を最小限にとどめる。
が14日まで、ひびわれが発生するが、温水養生で
は、その期間中は、全く発生しない。 しかし、ここで注意すべきことは、材令28日に
おいては、散水養生をした場合には、ひびわれが
発生していないのに反し、材令15日まで温水養生
をした場合には、ひびわれが発生していることで
ある。これは、温水養生をされたコンクリート
は、蓄熱されて、その中心部cは依然高温を維
持するためである。 従つて、温水養生を用いられる温水の温度は必
要最低限の温度とする必要がある。 そのためには、コンクリートの材令に応じた引
張温度から、必要な温水温度と養生期間を逆算
し、温水温度を制御することが好ましいと考えら
れる。 もつとも、加熱養生によつて、コンクリートの
温度が比較的長期間高温を維持することは、別の
利用法を可能とするのである。すなわち、マツシ
ブなコンクリートを多数層打継ぎ施工する場合、
上層の下面すなわち打継面の拘束によるひびわれ
を防ぐ利点を有するのである。 打継ぎ面の上側のコンクリート(上層)は、水
和熱によつて一日温度が上昇し、その後下降す
る。下降の際、上層は収縮するが下側のコンクリ
ート(下層)は、逆に上層の熱を奪うため、上層
ほど収縮しない。しかも、下層は硬化が進み強度
が大きいため、上層の下面には収縮ひびわれ、す
なわち、拘束によるひびわれを生ずるのである。 従つて、下層に加熱養生をし、その養生を終了
した後、短い期間内に上層を打設することによ
り、下層の温度を比較的高くしておけば、拘束の
ひびわれの恐れをなくすことができるのである。 以上をまとめると、本発明は、コンクリートの
表面部分のみを保温するものであるから、従来の
コンクリート全体を冷却する方法に比べて、容易
に、しかも効率的に、温度応力によるひびわれを
防止することができる。 保温手段として、表面部のみに埋設した温水配
管を用いれば、養生期間中に、表面処理や上部の
工事を行なうことができる。特に、ひきつづき上
部にコンクリートを打設する場合には、打継面処
理、鉄筋組立などの打設準備中に表面の温度低下
を起すことがない利点をもつ。 また、保温手段として、コンクリート表面上に
湛水する方法をとれば、設備費が少く、埋殺しな
どの無駄がないばかりでなく、表面の乾燥を防ぐ
付随的効果をもつ。 さらに、コンクリートの材令に応じた温度制御
を行なえば、単にエネルギーの節約だけでなく、
中心部の不必要な温度上昇を避けるから、養生期
間経過後のひびわれの発生を最小限にとどめる。
第1図は、マツシブなコンクリートの例を示す
断面図であり、第2図はその一般的な温度分布で
ある。第3図および第4図は本発明の実施例を示
す断面図である。第7図は、本発明の効果を確認
するための解析をする対象となる構造物の断面図
である。第8図は、第7図の構造物において、本
発明を実施した場合と実施しなかつた場合につい
て解析した結果を示すグラフである。第5図およ
び第6図は、同じ解析した結果を、それぞれ断面
分布を主体として表わしたグラフである。第9図
は、係数Kを説明するための断面温度分布図であ
る。 1……マツシブなコンクリート、2……均しコ
ンクリート、3……断熱材またはシート、4……
温水配管、5……蒸気配管、6……温水。
断面図であり、第2図はその一般的な温度分布で
ある。第3図および第4図は本発明の実施例を示
す断面図である。第7図は、本発明の効果を確認
するための解析をする対象となる構造物の断面図
である。第8図は、第7図の構造物において、本
発明を実施した場合と実施しなかつた場合につい
て解析した結果を示すグラフである。第5図およ
び第6図は、同じ解析した結果を、それぞれ断面
分布を主体として表わしたグラフである。第9図
は、係数Kを説明するための断面温度分布図であ
る。 1……マツシブなコンクリート、2……均しコ
ンクリート、3……断熱材またはシート、4……
温水配管、5……蒸気配管、6……温水。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 マツシブなコンクリートを複数層に分割して
打設するに際し、外気温の如何にかかわらず、硬
化しつつある各コンクリート層の表面部分の温度
低下を保温手段により阻止して、コンクリート表
面部の温度差によるひびわれおよび下面部の拘束
によるひびわれを防ぐことを特徴とするマツシブ
なコンクリートの養生方法。 2 保温手段が各コンクリート層の表面近傍に埋
設された温水配管である特許請求の範囲第1項に
記載のマツシブなコンクリートの養生方法。 3 保温手段が各コンクリート層の表面上に満た
された温水である特許請求の範囲第1項に記載の
マツシブなコンクリートの養生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3509380A JPS56134577A (en) | 1980-03-18 | 1980-03-18 | Massive concrete curing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3509380A JPS56134577A (en) | 1980-03-18 | 1980-03-18 | Massive concrete curing method |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56134577A JPS56134577A (en) | 1981-10-21 |
JPH0146672B2 true JPH0146672B2 (ja) | 1989-10-09 |
Family
ID=12432332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3509380A Granted JPS56134577A (en) | 1980-03-18 | 1980-03-18 | Massive concrete curing method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56134577A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011111849A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-09 | Ministry Of Land Infrastructure & Transport Hokkaido Regional Development Bureau | マスコンクリート構造体の構築方法 |
US8861312B2 (en) | 2007-03-14 | 2014-10-14 | Qualcomm Incorporated | MEMS microphone |
US8963890B2 (en) | 2005-03-23 | 2015-02-24 | Qualcomm Incorporated | Method and system for digital pen assembly |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6080249U (ja) * | 1983-11-07 | 1985-06-04 | 川上産業株式会社 | コンクリ−トタンク養生時の割れ防止構造 |
JPH0425295Y2 (ja) * | 1985-05-13 | 1992-06-17 | ||
JPS6466368A (en) * | 1987-05-15 | 1989-03-13 | Toda Construction | Method of heat-insulating construction by precast board for inhibiting temperature change near surface of mass concrete |
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