JPH0143292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、固定ガラス（三角窓）を有する自
動車のドアに関するものである。

（従来技術） 従来、この種の自動車のドアは、実開昭57−
85319号公報にも開示されているように、インナ
パネルとアウタパネルとの間に横断面コ字形のサ
ツシユを設けて、このサツシユにウインドガラス
を昇降自在に取り付けるとともに、このウインド
ガラスと略三角形のウインドガラス（パーテイシ
ヨンガラス）とを面一に設定して外観をよくする
ために、上記サツシユと同様な横断面コ字形のパ
ーテイシヨンサツシユを設け、このパーテイシヨ
ンサツシユに固定ガラスを嵌め込んで固定してい
る。その結果、アウタパネルの外面と上記両サツ
シユとの間、すなわち、ドアの外面と固定および
昇降ガラスとの間に大きな段差が生じ、空気抵抗
と外観を改善するためのフラツシユサーフエイス
化にとつて不利となつている。

また、上記固定ガラスは、その外周にゴム製の
ウエザストリツプが嵌着された状態で上記パーテ
イシヨンサツシユに嵌め込まれているから、上記
ウエザストリツプの劣化により固定ガラスにがた
つきが生じるうえに、ウエザストリツプが固定ガ
ラスの外面に露出して外観を損なう欠点もある。

（考案の目的） この考案は上記従来の欠点を解消するためにな
されたもので、ドアの外面と固定ガラスおよび昇
降ガラスとの間の段差を小さくして、空気抵抗の
減少と外観の向上を実現するとともに、ウエザス
トリツプを用いることなく固定ガラスを強固に固
定して、固定ガラスのがたつきを防止し、かつ、
外観を一層向上させた自動車のドアを提供するこ
とを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するために本考案にあつては、 インナパネルとアウタパネルによつて形成さ
れ、ウインドガラス取付枠が設けられた自動車の
ドアであつて、 前記ウインドガラス取付枠に車体上下方向の仕
切部材が設けられて、該ウインドガラス取付枠が
枠前部と枠後部とに仕切られ、 前記枠前・後部の一方の外側に固定ガラスが接
着剤により取り付けられ、 前記枠前・後部の他方の外側に昇降ガラスが昇
降自在に配設され、 前記固定ガラスの昇降ガラスと隣り合う側の端
部はガーニツシユ部材で覆われ、 前記ガーニツシユ部材には前記昇降ガラスの昇
降をガイドするよう少なくとも該昇降ガラスの外
面にラツプして接するガイド片が一体形成されて
いる、構成としてある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、ドア１１にはウインドガラス
取付枠１２が設けられており、このウインドガラ
ス取付枠１２は車体上下方向の仕切部材１３を有
し、この仕切部材１３により、固定ガラス（三角
窓）１４を取り付けるための枠前部１２ａと、昇
降ガラス１５を取り付けるための枠後部１２ｂと
に仕切られている。

上記ドア１１は、第２図に示すように、インナ
パネル１６とアウタパネル１７とによつて形成さ
れており、これら両パネル１６，１７の接合部に
上記ウインドガラス取付枠１２が形成されてい
る。仕切部材１３には複数個の嵌着孔１９が設け
られており、この嵌着孔１９にガーニツシユ部材
２０の嵌合突起２１を嵌合することにより、ガー
ニツシユ部材２０を仕切部材１３に取り付けてい
る。

固定ガラス１４は、２点鎖線で示すように、そ
の内面１４ｂにダム部材２１が接着され、このダ
ム部材２１を堰止めとして接着剤２２が塗布され
ており、この状態で固定ガラス１４を、実線で示
すように、ガーニツシユ部材２０の嵌着溝２３に
嵌め込み、枠前部１２ａに押し当てて、この枠前
部１２ａに接着する。そののち、上記固定ガラス
１４の前側（左側）にクリツプ２４を用いてモー
ル２５を取り付ける。これにより、固定ガラス１
４の前端部はモール２５で覆われ、後端部、すな
わち、昇降ガラス１５と隣り合う側の端部はガー
ニツシユ部材２０で覆われて、固定ガラス１４の
支持と装飾がなされる。

上記ガーニツシユ部材２０の後側（右側）には
ガイド片２７が一体形成されており、このガイド
片２７に昇降ガラス１５の外面１５ａを押し当
て、内面１５ｂを枠後部１２ｂに装着されたウエ
ザストリツプ２８で支持した状態で、昇降ガラス
１５を枠後部１２ｂに昇降自在に取り付けてい
る。こうして、上記ガイド片２７は昇降ガラス１
５の外面１５ａにラツプして、この昇降ガラス１
５の昇降をガイドする。なお、２９はインナトリ
ムである。

上記構成において、固定ガラス１４について
は、該固定ガラス１４が枠前部１２ａの外側に接
着され、昇降ガラス１５については、該昇降ガラ
ス１５が枠後部１２ｂの外側に昇降自在に配設さ
れる一方、固定ガラス１４の後端部を覆うガーニ
ツシユ部材２０のガイド片２７で、その昇降がガ
イドされるようになつていることから、従来の横
断面コ字形のサツシユを用いる必要はなくなり、
両ガラス１４，１５をその外面１４ａ，１５ａを
面一な状態にしてウインドガラス取付枠１２の外
側に配置することができることになる。したがつ
て、アウタパネル１７の外面１７ａと両ガラス１
４，１５との間の段差Ｄを小さくすることがで
き、これにより、フラツシユサーフエイス化がな
されて、空気抵抗の減少と外観の向上が実現され
る。

また、固定ガラス１４は接着により枠前部１２
ａに固定されているから、この固定が強固にな
り、固定ガラスのがたつきとそれに伴なう騒音の
発生が防止される。さらに、固定ガラス１４と枠
前部１２ａとの間は接着剤２２によりシールされ
るので、固定ガラス１４の外周にシール用のウエ
ザストリツプを嵌着する必要がなくなり、したが
つて、このウエザストリツプが固定ガラス１４の
外面１４ａに露出して外観を損なう不具合も発生
しない。

なお、上記実施例では、ガーニツシユ部材２０
のガイド片２７で昇降ガラス１５の外面１５ａの
みをガイドするように構成したが、上記ガイド片
２７で昇降ガラス１５の外面１５ａと内面１５ｂ
の両方をガイドするように構成してもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば、ドア
のフラツシユサーフエイス化がなされて、空気抵
抗の減少と外観の向上が実現される。また、固定
ガラスのがたつきとそれに伴なう騒音の発生が防
止される。さらに、固定ガラスのウエザストリツ
プが不要になるので、ウエザストリツプの露出に
より外観を損なう不具合も解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は第１図の−線に沿つた断面図である。 １１……ドア、１２……ウインドガラス取付
枠、１２ａ……枠前部、１２ｂ……枠後部、１３
……仕切部材、１４……固定ガラス、１５……昇
降ガラス、１５ａ……昇降ガラスの外面、１６…
…インナパネル、１７……アウタパネル、２０…
…ガーニツシユ、２２……接着剤、２７……ガイ
ド片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 インナパネルとアウタパネルによつて形成さ
   れ、ウインドガラス取付枠が設けられた自動車の
   ドアであつて、 前記ウインドガラス取付枠に車体上下方向の仕
   切部材が設けられて、該ウインドガラス取付枠が
   枠前部と枠後部とに仕切られ、 前記枠前・後部の一方の外側に固定ガラスが接
   着剤により取り付けられ、 前記枠前・後部の他方の外側に昇降ガラスが昇
   降自在に配設され、 前記固定ガラスの昇降ガラスと隣り合う側の端
   部はガーニツシユ部材で覆われ、 前記ガーニツシユ部材には前記昇降ガラスの昇
   降をガイドするよう少なくとも該昇降ガラスの外
   面にラツプして接するガイド片が一体形成されて
   いる、 ことを特徴とする自動車のドア。