JPH0140367Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0140367Y2
JPH0140367Y2 JP2723385U JP2723385U JPH0140367Y2 JP H0140367 Y2 JPH0140367 Y2 JP H0140367Y2 JP 2723385 U JP2723385 U JP 2723385U JP 2723385 U JP2723385 U JP 2723385U JP H0140367 Y2 JPH0140367 Y2 JP H0140367Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spool
sleeve
cam
cam follower
continuously variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP2723385U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61145157U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP2723385U priority Critical patent/JPH0140367Y2/ja
Priority to US06/833,822 priority patent/US4718294A/en
Priority to FR868602733A priority patent/FR2578019B1/fr
Publication of JPS61145157U publication Critical patent/JPS61145157U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0140367Y2 publication Critical patent/JPH0140367Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Mechanically-Actuated Valves (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、トロイダル形無段変速機の変速動
作即ちパワーローラの傾転角を調整する変速用ス
プール弁装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の無段変速機の変速制御装置としては、例
えば米国特許第4434675号に開示されているもの
がある。
このものは、ハウジングと、このハウジング内
に回転可能に支持された同軸の入力軸および出力
軸との間にトロイダルキヤビテイを形成するよう
に前記入力軸および出力軸上に互いに対向して装
着された入出力デイスクと、前記入力軸および出
力軸の軸線に関して半径方向対称的に前記トロイ
ダルキヤビテイ内に配置された運動伝達用パワー
ローラと、前記入出力デイスクおよび前記パワー
ローラを両者間で運動を伝達するために互いに押
圧して係合せしめるための手段と、前記各パワー
ローラのためのものであつて自身の枢軸の方向に
可動な支持構体と、各パワーローラ支持構体に連
接して配置されそれにプリセス運動を伝達するた
めにそれと連動した少なくとも1、の流体圧作動
手段とから成り、前記パワーローラ支持構体の少
なくとも1つはそれと一体的に軸方向および回動
運動をなしうるように装着されたカム円板を有
し、該カム円板のカム面に連接して主制御弁が配
置され、該制御弁は制御部材と前記カム面に接触
したカム従動子とを有し、該カム従動子は変速機
の各伝達比に対し前記カム面に関して所定の位置
を有し、前記流体圧作動手段に圧力流体を供給す
るために、あるいは前記カム従動子がその所定位
置にない時には前記流体圧作動手段から圧力流体
をそれぞれ解除するために、前記主制御弁が加圧
流体源と前記流体圧作動手段の各々とに連結され
ていることを特徴とする。そして、この構成によ
り、パワーローラ支持構体に連接されたプリセス
カムとそのカム面に係合するカム従動子を有する
主制御弁とによつて機械的フイードバツク機構を
構成することにより、トロイダル形無段変速機の
変速比変更を簡易な構成で確実に行うことができ
るものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記従来の無段変速機の変速装
置にあつては、パワーローラ支持構体(トラニオ
ン)に連接されたカム円板に係合するカム従動子
に、トラニオンの回動と軸方向運動とを伝達し、
弁ハウジングをねじ山付支持柱上に摺動可能に配
置し、この弁ハウジングを軸方向に摺動させるこ
とにより変速を行うように構成されていたため、
弁ハウジング自体が支持柱の軸方向に摺動するの
で、この弁ハウジングに接続される油圧配管に可
撓性を持たせて従動させる必要があり、その従動
を許容する大きなスペースを必要とする問題点が
あつた。
また、主制御弁のスプールがカム円板のカム面
に直接係合して、カム円板の回動及び軸方向の摺
動に応じてスプールが移動するように構成されて
いるので、スプールの移動ストロークが大きくな
り、しかも制御弁の異常作動を防ぐために弁ハウ
ジングの所要ストロークも大きくしなければなら
ないという問題もあつた。
すなわち、例えば変速機が最大増速位置でトラ
ニオンが上下ストロークの一端にあつて、停止し
ているものとすると、この状態から変速操作によ
り、弁ハウジングを最大減速位置に移動させ、そ
の状態で起動してパワーローラを減速側に変速動
作するために必要なスプールの所要ストローク
TSは、変速範囲でほカムリフトをS1、弁の異常
作動を防ぐための弁作動ストロークをS2及びトラ
ニオン移動ストークをS3とすると、下記(1)式で表
される。
TS=S1+S2+S3 ……(1) 一例をあげれば、カムリフトS1は6.5mm、弁作
動ストロークS2は±0.5〜1mm、トラニオンスト
ロークS3は片側で2mm必要となるので、スプール
の所要ストロークTSは9.5mmとなり、通常のスプ
ール弁に比較して大きなストロークが必要とな
る。
このように、所要ストロークTSが大きくなる
と、スプールの長さが長くなると共にその重量が
増加するので、安定な作動を得るためにはスプー
ルのカム円板への押圧力を増加する必要があり、
且つ弁ハウジングの長さを長くする必要があるた
めにその重量が増加する。これらの結果、変速動
作を行うために弁ハウジングを駆動する駆動力が
大きくなり、しかもスプールが重くなるので応答
性が低下し、そのうえ加工コストが嵩むという問
題点があつた。
そこで、この考案は、上記従来例の問題点に着
目してなされたものであり、周辺機器を含めて小
型軽量で且つ応答性を向上させると共に、安価に
構成することが可能なトロイダル形無段変速機の
変速用スプール弁装置を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この考案は、トラ
ニオンの枢軸に取付けたカム円板と協働して前記
トラニオンの軸方向の移動を制御することによ
り、前記トラニオンに転接するパワーローラの傾
転角を調整して無段変速を行うトロイダル形無段
変速機の変速用スプール弁装置において、弁ハウ
ジング内にその軸方向に摺動可能に筒状のスリー
ブを配設し、該スリーブ内に摺動可能な筒状のス
プールを必要とする最小限の移動範囲に規制して
配設し、該スプール内に前記カム円板に係合し且
つ当該スプールと係合する係合部を有するカムフ
オロアを摺動可能に配設し、該カムフオロアと前
記スリーブとの間に当該カムフオロアを前記カム
円板側に付勢する第1の弾性体を介装すると共
に、前記スプールとスリーブとの間に当該スプー
ルを前記カムフオロアの係合部側に付勢する第2
の弾性体を介装したことを特徴とする。
〔作用〕
この考案は、変速用スプール弁を、弁ハウジン
グと、これに摺動可能なスリーブと、このスリー
ブ内に摺動可能なスプールとにより構成すること
により、変速操作時に弁ハウジングを固定状態と
して、スリーブを摺動させることにより、変速動
作を行うようにして、これに接続される油圧配管
の移動を防止し、且つスプールとカム円板のカム
面と係合するカムフオロアとを分離して両者を第
1及び第2の弾性体によつて連接することによ
り、カム円板の回動及び軸方向移動によるスプー
ルのストロークを減少させ、これによつて、スプ
ール、スリーブ及び弁ハウジングの長さを短くす
ると共に、その重量を減少させて、変速時におけ
るスリーブの駆動力を低減させると共にその応答
性を向上させる。
〔実施例〕
第1図乃至第5図はこの考案の一実施例を示す
図である。
まず、この考案を適用し得るトロイダル形無段
変速機の構成を第2図について説明すると、図
中、Tは無段変速機としてのトロイダル形無段変
速機、Cは制御装置である。
トロイダル形無段変速機Tは、ハウジング1内
に入力デイスク2及び出力デイスク3が同軸的に
対向して枢着されている。入力デイスク2及び出
力デイスク3は、互いに略同一形状を有し対称に
配置され、それらの対向面が協働して軸方向断面
でみて略半円形となるようにトロイダル面に形成
されている。そして、入力デイスク2及び出力デ
イスク3のトロイダル面で形成されるトロイダル
キヤビテイ内に一対のパワーローラ4,5が傾転
自在に配設され、これらが両デイスク2,3に転
接されている。この場合パワーローラ4,5は、
トラニオン6,7に回転可能に枢着され且つ入力
デイスク2及び出力デイスク3のトロイダル面の
中心となるピボツト軸Oを中心として傾転自在に
支承されている。
而して、入力デイスク2及び出力デイスク3と
パワーローラ4,5との接触面には、粘性摩擦抵
抗の大きい潤滑油が供給され、入力デイスク2に
入力される回転力を潤滑油膜及びパワーローラ
4,5を介して出力デイスク3に伝達し、その伝
達比即ち変速比の変更がトラニオン6,7をピボ
ツト軸O−O方向に微小距離移動させてパワーロ
ーラ4,5の傾転角θを変更することによつて行
われる。この場合のトラニオン6,7の移動は、
トラニオン6,7の両端に夫々設けた油圧シリン
ダ9a〜9dと、これら油圧シリンダ9a〜9d
への油圧供給を制御する変速用スプール弁装置1
0と、トラニオン6に一体に形成されたカム円板
としてのプリセスカム11とによつて構成される
変速作動機構によつて制御される。
変速用スプール弁装置10は、第1図に拡大図
示するように、円筒状の弁ハウジング13の中心
開口13a内に円筒状のスリーブ14が軸方向に
のみ摺動可能に配設され、このスリーブ14の中
心開口14a内に円筒状のスプール15が配設さ
れ、このスプール15の中心開口15a内にカム
フオロア16が摺動可能に配設されている。
弁ハウジング13には、その上端に円筒状の軸
受ハウジング17が螺着され、中間部に4つの通
油孔13b〜13eが穿設されていると共に、ス
リーブ14の円周方向への回動を規制するために
後述するスリーブ14の回り止め用長溝となる油
路用溝14c′に係合する回り止めネジ19が螺合
する雌ネジ13fが形成され、下端に取付部材1
8が突出形成されており、この取付部材18がト
ロイダル形無段変速機Tのハウジング1に取付け
られている。そして、通油孔13bが油圧配管1
3gを介して外部の油圧源に、通油孔13cが油
圧配管13hを介して油タンクに、通油孔13d
が分配配管13iを介してトロイダル形無段変速
機Tの油圧シリンダ9b,9cに、通油孔13e
が分配配管13jを介してトロイダル形無段変速
機Tの油圧シリンダ9a,9dに夫々接続されて
いる。
スリーブ14には、その外周面の前記弁ハウジ
ング13の通油孔13b〜13e及び雌ネジ13
fに対向する位置及び夫々の軸対称位置に夫々軸
方向に延長する油路用長溝14b〜14e及び1
4b′〜14e′が穿設され、且つ内周面に軸方向に
所定間隔を保つて2つの環状溝14g,14hが
穿設されており、長溝14b,14b′と環状溝1
4g,14h間の中央部内壁との間に第4図に示
す如く通油孔14i,14i′が、長溝14c,1
4c′と環状溝14g及び14hの外方の内壁間に
第1図に示す如く夫々通油孔14j,14k及び
14j′が、長溝14d,14d′と環状溝14gと
の間に第4図に示す如く通油孔14l,14
l′が、長溝14e,14e′と環状溝14hとの間
に第3図に示す如く通油孔14m,14m′が
夫々穿設されている。
スプール15には、前記スリーブ14の環状溝
14g,14hに対向する位置及び通油孔14
j,14kの外方位置に、夫々ランド15b,1
5c及び15d,15eが形成されている。した
がつて、油路用長溝14b〜14eとこれら対称
位置にある長溝14b′〜14e′とは夫々スプール
15の環状溝15f,15h、スリーブ14の環
状溝14g,14h及び通油孔14i〜14m,
14i′〜14m′により互いに連通している。
また、軸受ハウジング17には、その内周面に
ころがり軸受17aが内嵌されていると共に、前
記スリーブ14の上方移動を規制するストツパ1
7bが内嵌されている。
そして、ころがり軸受17aの内輪には、ナツ
ト20が内嵌され、その上面には例えばパルスモ
ータ21の回転軸に連結された歯車22に噛合す
る制御歯車23が固着されている。
ナツト20には、螺軸24が螺合されており、
この螺軸24の下端部が前記スリーブ14の上端
部に一体に螺着され、螺軸24の内部に穿設され
た中心孔24a内に前記カムフオロア16の上端
が摺動可能に支持され、且つ中心孔24aの段部
24bとカムフオロア16のフランジ16aとの
間に第1の弾性体としてのカムフオロア押圧スプ
リング25が介装されている。
また、スリーブ14の下端内周面にはスプール
ストツパ26が螺着され、その上面とスプール1
6との間にスプール15の上端をカムフオロア1
6の係合部としてのフランジ16aの下面に当接
させる第2の弾性体としてのスプリング27が介
装されている。この場合、カムフオロア押圧スプ
リング25とスプリング27とは前者が後者に対
して強く選定されている。
ここで、スプール14は、螺軸24の下端面及
びスプールストツパ26の上端面によつて軸方向
の移動が規制されており、カムフオロア16の下
端がプリセスカム11のカム面に係合し、スプー
ル弁が中立位置にある状態で、その上面と螺軸2
4の下面との間の空隙長t1と下面とスプールスト
ツパ26の上面との間の空隙長t2とが略等しくな
るように選定され、これら空隙長t1及びt2は、ス
プール15の上端が螺軸24の下面に、又はスプ
ールの下端がスプールストツパ26の上面に当接
した状態で、油圧源からの油圧配管13g、弁ハ
ウジング13の通油孔13b、スリーブ14の油
路用長溝14b,14b′、通油路14i,14
i′スプール15のランド15b及び15c間の円
環状溝15fを介してスリーブ14の円環状溝1
4g又は14hに供給される作動油の流量特性が
飽和するに十分な長さに選定されている。
そして、トラニオン6、プリセスカム11及び
カムフオロア16及びスプール15で機械的フイ
ードバツク手段を構成している。
制御装置Cは、変速比選定の基準となる変速制
御情報として出力デイスク3の回転数を検出して
車速に対応した検出信号を出力する車速検出器3
0、スロツトル開度検出器31、運転モード選択
スイツチ32、シフト位置検出器33からの各種
検出信号が供給され、これらの基づき所定の演算
処理を実行して、所望の変速比を得るようにパル
スモータ21を制御する。
次に作用について説明する。今、車両が停止状
態にあるものとすると、この状態では、車両の発
進に備えて、パワーローラ4,5が入力デイスク
2の小径部及び出力デイスク3の大径部に夫々転
接する最大減速位置に制御されている。
この状態で、第1図に示す如く、カムフオロア
16がプリセスカム11の最高カム面11bに係
合していると共に、スプール15のランド15b
及び15c間の円環状溝15fがスリーブ14の
円環状溝14g及び14h間の内壁によつて閉塞
され且つスリーブ14の円環状溝14g及び14
hがスプール15のランド15b及び15cによ
つて閉塞されている。このため、油圧源からの作
動油は、分配配管13i及び13jには供給され
ず、トラニオン6,7が中立位置に保持されてい
る。
この停車状態から、例えばシフトレバーをドラ
イブレンジに選択すると共に、アクセルペダルを
踏み込み、且つクラツチを半クラツチ状態とし
て、車両を発進させると、制御装置Cで、そのと
きのシフト位置検出信号Sと、運転モード選択信
号Pと、アクセルペダルの踏み込みによるスロツ
トル開度の検出信号Uと、無段変速機Tの出力デ
イスク3の回転数検出信号Vとに基づき所定の演
算を行つて、スリーブ14の動作量を算出し、こ
れに応じてパルスモータ21を増速側に駆動する
パルス信号が出力される。
したがつて、パルスモータ21の回転力が歯車
22及び23を介してナツト20に伝達されるの
で、螺軸24が下方に移動し、これに伴つてスリ
ーブ14が下降する。
この状態で、まだパワーローラ4,5が傾転を
開始しないものとすれば、カムフオロア16は、
第1図図示の上昇位置を維持するが、スプール1
5は、スリーブ14が所定距離t1だけ下降したと
きに、初めて螺軸24の下端面に当接することに
なるので、その後はスリーブ14の下降と共に下
降する。
このように、スリーブ14の下降により、スプ
ール15の上端が螺軸24の下端に係合する方向
に移動すると、スプール15の円環状溝15fと
スリーブ14の円環状溝14gとが連通すること
になり、分配配管13iに油圧源からの作動油が
供給され、且つ、円環状溝15hと円環状溝14
hとが連通して分配管13jの作動油は油圧配管
13hを介して油圧タンクに戻され、トロイダル
形無段変速機Tの油圧シリンダ9b,9cが伸張
し、且つ油圧シリンダ9a,9dが収縮し、これ
に応じてトラニオン6が下降し、トラニオン7が
上昇する。したがつて、プリセスカム11が下降
してカムフオロア16も下降することになるが、
スリーブ14の下降量がトラニオン6,7の移動
量より大きいときには、カムフオロア16のフラ
ンジ16aがスプール15の上端面にから離間
し、スプール15はスリーブ14に対する中立位
置から上方に変位した位置を保持する。この状態
で、入力デイスク2が第2図において鎖線図示の
反時計方向に回転を始めたとすると、パワーロー
ラ4,5が増速側に傾転し、これに応じてプリセ
スカム11が上面からみて時計方向に回動する。
このプリセスカム11の回動によつてカムフオ
ロア16がカムフオロア押圧スプリング25の力
によつてカム面11b〜11aに沿つて徐々に下
降する。この場合、カムフオロア16の下降当初
は、そのフランジ16aとスプール15の上端面
との間にスリーブ14の下降距離からスプール1
5と螺軸24との間の空隙長t1を減算した分の間
隔があいているので、この間隔が零となるまで
は、カムフオロア16の下降によるもスプール1
5は下降せずスリーブ14との相対位置は変化し
ない。その後、カムフオロア16のフランジ16
aがスプール15の状態に当接する状態となる
と、初めてスプール15が下降を開始し、パワー
ローラ4,5が最大減速位置(カムフオロア16
の下端がプリセスカム11の低カム面11aと係
合する直前の位置)に達すると、スプール15の
ランド15b,15cがスリーブ14の円環状溝
14g,14hを閉塞して、油圧シリンダ9b,
9cへの圧油供給を遮断する。
しかしながら、この状態では、トラニオン6,
7が中立位置より偏位した位置にあるので、パワ
ーローラ4,5はさらに傾転を継続し、カムフオ
ロア16がさらに下降する。このため、スプール
15の円環状溝15fとスリーブ14の円環状溝
14hとが連通することになつて、油圧シリンダ
9a,9dが伸張し、円環状溝15gと円環状溝
14gとが連通して油圧シリンダ9b,9cが収
縮し、これに応じてトラニオン6,7が上昇する
ので、カムフオロア16も上昇し、スプール15
のランド15b,15cがスリーブ14の円環状
溝14g,14hを閉塞し、これを繰り返してト
ラニオン6,7が中立位置に復帰し、第5図に示
す最大増速位置への変速が終了する。実際には、
円環状溝14g,14h,15f,15g,15
hの関係を中立位置で互いに僅かづつ連通するア
ンダーラツプを設けることによつてこの繰返しは
殆どなく、一回の動作で中立位置に収歛する。
また、このパワーローラ4,5が第5図に示す
最大増速位置にある状態で、車両を停車状態とす
べくパワーローラ4,5を最大減速位置に移動さ
せる場合には、制御装置Cでパルスモータ21を
上記とは逆転させる制御信号を発生し、これによ
り螺軸24を上昇させてスリーブ14を上昇させ
る。
このようにスリーブ14が上昇すると、カムフ
オロア16がカムフオロア押圧スプリング25に
よつてプリセスカム11側に付勢されているの
で、スプール15の下端面がスプールストツパ2
6に当接するまでの間は、スプール15が第1図
図示の位置を維持し、その後は、スプール15及
びカムフオロア16がスリーブ14と共に上昇
し、カムフオロア16の下端面がプリセスカム1
1のカム面11aから上方に離間する。このた
め、スリーブ14の上昇に応じてスプール15の
円環状溝15fとスリーブ14の円環状溝14h
及びスプール15の円環状溝15gとスリーブ1
4の円環状溝14gが夫々連通状態となり、油圧
配管13gと分配管13j及び油圧配管13hと
分配管13iが夫々連通され、これにより油圧シ
リンダ9a及び9dに作動油が供給され且つ油圧
シリンダ9b及び9cの作動油が排出されてトラ
ニオン6が上昇し、トラニオン、7が上昇する。
このトラニオン6,7の上下の移動により、パワ
ーローラ4,5が減速側即ち平面からみて反時計
方向に傾転を開始する。このパワーローラ4,5
の傾転に伴いトラニオン6,7も回動するので、
プリセスカム11が反時計方向に回動する。そし
て、パワーローラ4,5が最大減速位置近傍とな
ると、プリセスカム11のカム面がカムフオロア
16に係合する状態となり、カムフオロア16が
カムフオロア押圧スプリング25に抗して上昇
し、これに応じてスプール15がスプリング27
の力によつて上昇する。そして、パワーローラ
4,5が所定傾転角θ位置に回動すると、スプー
ル15によつて分配配管13jと油圧配管13g
及び分配配管13iと油圧配管13hが夫々遮断
状態となり、トラニオン6,7の移動が停止され
る。しかしながら、トラニオン6,7の移動位置
は、中立位置よりずれた位置となるので、パワー
ローラ4,5は、さらに減速方向に傾転すること
になり、この状態となると、スプール15がスリ
ーブ14に対する中立位置を越えてさらに上昇す
るので、油圧配管13gと分配配管13i及び油
圧配管13jと分配配管13jが夫々連通して油
圧シリンダ9b及び9cに作動油が供給され且つ
油圧シリンダ9a,9dの作動油が排出されるこ
とになり、トラニオン6,7が夫々前と逆方向に
中立位置側に移動する。そして、トラニオン6,
7が所定中立位置に復帰すると、パワーローラ
4,5の傾転が停止され、このときのスプール1
5の位置が油圧配管13gと分配配管13i及び
油圧配管13hと分配配管13jが夫々遮断状態
となり、第1図に示す最大減速位置への変速を終
了する。ここでも、実際には円環状溝のアンダー
ラツプにより殆ど中立位置を越えてスプール15
が上昇することなく一回の作動で略変速を終了す
る。
以上の変速動作に際して、油路用長溝14b〜
14eとこれらと対称位置になる油路用長溝14
b′〜14e′とは前述の如く互いに連通しているの
で、対称位置の溝には常に同一油圧が作用し、ス
リーブ14とハウジング13との間に加わる半径
方向の油圧が平衡しているため、スリーブ14と
ハウジング13との間の滑らかな作動が保たれ
る。
このように、トロイダル形無段変速機Tの変速
動作を行う場合のスリーブ14に対するスプール
15の相対変位量は、最大で、第1図又は第5図
に示す中立状態におけるスプール15の上端と螺
軸24の下端面間の空隙長t1とスプール15の下
端面とスプールストツパ26の上面間の空隙長t2
とを加算した変位量即ちスプール15を通じて油
圧シリンダ9a〜9dに供給する作動流体の流体
特性が飽和するに十分な最小限の変位量で済み、
スプール15の変位量を小さくすることが可能と
なり、これに応じてスプール15の長さを短くす
ることができると共に、その重量も軽減すること
ができ、スプールを含む全体の構成を小型軽量化
することができ、且つ可動部を小型軽量化するこ
とができるので、応答性を向上させることができ
るうえ、制御に要する駆動力が少なくて済む。
また、スリーブ14の油路用長溝の1つを回り
止め用長溝と兼用すれば、回り止め用溝を別設す
る必要がないという利点がある。
さらに、上記実施例のように、スリーブ14の
長溝14fを他の長溝15b〜15eと異なる形
状とすることにより、組付け時のスリーブ14と
スプール15との誤装着による位相ずれを防止す
ることができる利点がある。この場合、油路用長
溝の一つを回り止め用長溝と兼ねるときには、回
り止め用長溝と対称位置にある油路用長溝とはス
リーブ14とハウジング13との半径方向の力を
平衡させるために同一形状であることが望まし
い。
なお、上記実施例においては、カムフオロア1
6をプリセスカム11側に付勢する弾性体とし
て、カムフオロア押圧スプリング25を適用した
場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、ゴム状弾性体等の任意の弾性体を適用
し得ること勿論である。
また、上記実施例においては、スリーブ14
を、歯車、ナツト及び螺軸で構成される回転運動
を直線運動に変換する駆動機構によつて上下動さ
せるように構成した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、リンク、ワイヤ、
ラツクアンドピニオン等の種々の駆動機構を適用
することができ、要は変速制御装置からの変速制
御信号に基づきスリーブ15を上下方向に摺動し
得るものであればよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案によれば、弁ハ
ウジング内に軸方向のみ摺動するスリーブを配設
し、このスリーブ内にスプールを摺動可能に配設
し、このスプール内にカム円板に係合するカムフ
オロアを摺動可能に配設し、このカムフオロアを
第1の弾性体及び第2の弾性体によつてスプール
に連設することによつて変速用スプール弁装置を
構成したので、スプールとカムフオロアとが分離
されている結果、カム円板のストロークを大きく
保ちながらスプールのスリーブに対する相対変位
量を必要最小限とすることができると共に、スプ
ールの全長を短くすることが可能となり、これに
応じて弁装置全体の構成も小型軽量化することが
でき、その制御に要する駆動力を低減することが
できると共に、スプール自体を小型軽量化するこ
とができる結果、応答性が向上し、しかも弁ハウ
ジングは作動しないので、油圧配管としてリジツ
トなものを適用することができると共に、変速用
スプール弁装置の回りに不必要な作動空間を必要
としないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す最大減速状
態の断面図、第2図はこの考案を適用し得るトロ
イダル形無段変速機の一例を示す一部を断面とし
た構成図、第3図及び第4図は夫々第1図の−
線上及び−線上の断面図、第5図はこの考
案の動作の説明に供する最大増速状態の断面図で
ある。 T……トロイダル形無段変速機、C……制御装
置、1……ハウジング、2……入力デイスク、3
……出力デイスク、4,5……パワーローラ、
6,7……トラニオン、10……変速用スプール
弁装置、11……プリセスカム、13……弁ハウ
ジング、14……スリーブ、14b〜14e……
油路用長溝、14c′……回り止め用長溝、15…
…スプール、15b〜15e……ランド、16…
…カムフオロア、17……軸受ハウジング、20
……ナツト、21……パルスモータ、22,23
……歯車、24……螺軸、25……復帰スプリン
グ、26……スプールストツパ、27……スプリ
ング。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) トラニオンの枢軸に取付けたカム円板と協働
    して前記トラニオンの軸方向の移動を制御する
    ことにより、前記トラニオンに転接するパワー
    ローラの傾転角を調整して無段変速を行うトロ
    イダル形無段変速機の変速用スプール弁装置に
    おいて、弁ハウジング内にその軸方向に摺動可
    能に筒状のスリーブを配設し、該スリーブ内に
    摺動可能な筒状のスプールを必要とする最小限
    の移動範囲に規制して配設し、該スプール内に
    前記カム円板に係合し且つ当該スプールと係合
    する係合部を有するカムフオロアを摺動可能に
    配設し、該カムフオロアと前記スリーブとの間
    に当該カムフオロアを前記カム円板側に付勢す
    る第1の弾性体を介装すると共に、前記スプー
    ルとスリーブとの間に当該スプールを前記カム
    フオロアの係合部側に付勢する第2の弾性体を
    介装したことを特徴とするトロイダル形無段変
    速機の変速用スプール弁装置。 (2) スリーブの外周面に軸方向に延長する油路用
    長溝及び回り止め用長溝が穿設されている実用
    新案登録請求の範囲第(1)項記載のトロイダル形
    無段変速機の変速用スプール弁装置。 (3) 油路用長溝と回り止め用長溝とが異なる形状
    に形成されている実用新案登録請求の範囲第(2)
    項記載のトロイダル形無段変速機の変速用スプ
    ール弁装置。
JP2723385U 1985-02-28 1985-02-28 Expired JPH0140367Y2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2723385U JPH0140367Y2 (ja) 1985-02-28 1985-02-28
US06/833,822 US4718294A (en) 1985-02-28 1986-02-26 Ratio control spool valve for a toroidal type infinitely variable traction roller transmission
FR868602733A FR2578019B1 (fr) 1985-02-28 1986-02-27 Soupape a tambour de commande de transmission pour une transmission a rouleaux de traction infiniment variable du type toroidal

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2723385U JPH0140367Y2 (ja) 1985-02-28 1985-02-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61145157U JPS61145157U (ja) 1986-09-08
JPH0140367Y2 true JPH0140367Y2 (ja) 1989-12-04

Family

ID=30523986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2723385U Expired JPH0140367Y2 (ja) 1985-02-28 1985-02-28

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0140367Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2722780B2 (ja) * 1990-05-22 1998-03-09 日産自動車株式会社 摩擦車式無段変速機

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61145157U (ja) 1986-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7160220B2 (en) Continuously variable transmission apparatus
JPH0247627B2 (ja)
JP2715444B2 (ja) トロイダル式無段変速機
JP2663672B2 (ja) 摩擦車式無段変速機の油圧制御装置
JP2606383B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH0140367Y2 (ja)
US4718294A (en) Ratio control spool valve for a toroidal type infinitely variable traction roller transmission
JP2705383B2 (ja) 摩擦車式無段変速機の変速制御装置
JP2002310252A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JPH023071B2 (ja)
JPH0788880B2 (ja) トロイダル形無段変速機の切換弁装置
RU2475669C2 (ru) Система управления бесступенчатой коробкой передач
JP2009540231A (ja) 無段階変速機を制御する装置
JPH04296251A (ja) 摩擦車式無段変速機の変速制御装置
JP3711619B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPS61119866A (ja) トロイダル形無段変速機
JPS61197850A (ja) トロイダル形無段変速機の変速用スプ−ル弁装置
JP2766646B2 (ja) Vベルト式無段変速装置
JPH0647350B2 (ja) 自動車用無段変速装置
JPH077646Y2 (ja) コーン式無段変速機の変速操作装置
JP3302786B2 (ja) トロイダル型無段変速機のバルブボディ構造
JP3651156B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPS6246060A (ja) トロイダル形無段変速機の逆変速防止装置
JPH10274300A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH0518523Y2 (ja)