JPH0139625Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両の操作レバー装置に関する。

車両、例えば乗用トラクタの操作レバーは、走
行系用、PTO系用、エンジン系用、油圧系用と
多岐にわたつていることから、運転席前方の車体
上に立設された操縦ハンドル機構のハンドルポス
ト両脇に、アクセル操作レバー、主変速操作レバ
ー、前後進切換レバー等を具備したものがある。

ところで、操縦ハンドル機構に前記各種の操作
レバーを具備しても、その他の操作レバー、例え
ば、PTO変速レバー、副変速レバー等は、車体
の上面、側面等を利用して具備しなければなら
ず、運転席からの操作安定性、操作容易性の観点
から、運転席と操縦ハンドル機構との間の車体上
面に備えるのが普通である。

しかし、この例によると、車体上面に操作レバ
ーが突出して乗降不便をきたすし、最も有利な変
速パターンであるＨ形変速パターンを取ることが
困難であつた。

また、該変速パターンを案内することが肝要で
あるにも拘らず、案内板の簡易な取付けができ難
いという問題があつた。

そこで、本考案は斯る従来の問題点を解消する
ために案内されたものであつて、従つて、本考案
では車体の後部側上面に運転席が備えられ、該運
転席の前方の車体上面に操縦ハンドル機構が立設
され、車体内の複数の変速機構を操作する操作レ
バー機構が前記操縦ハンドル機構の一側部で車体
の上面に備えられたものにおいて、車体上に取付
けた支持ブラケツトの２又部先端に左右の軸受を
有し、該左右の軸受に挿通して軸心回りに回動自
在な横軸を有し、該横軸の軸端に前記変速機構に
連動する下向アームを備えており、 前記左右の軸受間における横軸上に、該横軸を
軸心回りに回動するためのブロツクが備えられ、
該ブロツクに縦軸心回りに回動自在なレバーホル
ダが備えられ、該レバーホルダに操作レバーを取
付けており、 前記レバーホルダの下方で該ホルダの回動軸心
延長上に軸心を有して筒軸が車体上に回動自在と
して備えられ、該筒軸に前記変速機構に連動する
アームが備えられているとともに前記レバーホル
ダの下方に位置して別のアームが備えられ、前記
レバーホルダより突出されたロツドが、前記別の
アームに対して左右方向では係合し、上下方向で
は非係合すべくされている選択機構を有すること
を特徴とする車両の操作レバー装置を提供するの
である。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述す
る。

第１図において、１はトラクタで示す車両であ
り、左右一対の前輪２、左右一対の後輪３を有す
る。

車両１の前部にはエンジンが搭載され、該エン
ジンはボンネツト４で覆われている。

エンジン後面にはクラツチハウジング５を介し
て適宜変速機構を内蔵したミツシヨンケース６が
連設され、ここに、車体７を構成している。

車体７の後部上面には油圧装置８を介して運転
席９が備えられており、運転席９の前方で車体７
の上面には操縦ハンドル機構１０が本例ではボン
ネツト４の後部に立設されている。

操縦ハンドル機構１０は第２図に示す如くハン
ドルポスト１１、該ポスト１１に内挿支持された
ハンドル軸１２を有するハンドル１３等から主構
成され、ハンドルポスト１１には主変速レバー１
４、アクセル操作レバー１５、前後進（シヤト
ル）切換操作レバー１６を左右振分け状に備えて
いる。

主変速レバー１４は図示省略した選択機構を介
して第１図で示すアーム１７，１８にリンクを介
して連動連結され、前後進切換操作レバー１６は
リンクを介して第１図に示すアーム１９に連動連
結され、各アーム１７，１８，１９は車体７の両
脇におけるステツプ２０の本例では左ステツプ側
に備えられている。

第３図乃至第５図において、２１は操作レバー
機構であり、操作レバー２２を所謂Ｈ形変速パタ
ーン、即ち、パターン用孔４６を介して選択する
ことによつて、本例では第３図に示すPTO系の
変速機構２３，２４を変速可能としており、操縦
ハンドル機構１０の一側部、本例では右ステツプ
２０側の車体７上面に備えられている。

即ち、シヤトル軸２５を有するシヤトルカバー
２６上にボルト２７を介して支持ブラケツト２８
が取付けられ、該支持ブラケツト２８の２又部２
９先端に左右軸受３０が形成され、該軸受３０に
外端に下向アーム３１が突出された第１軸３２が
水平横軸回りに回動自在に支持されている。

そして、軸受３０間の２又部２９の上面にはボ
ルト４８を介して取付けられた案内板４７が設け
られ、該案内板４７に形成されたパタン用孔４６
に操作レバー２２が挿設されている。

また、軸受３０間の第１軸３２には立面形状の
ブロツク３３が套嵌され、該ブロツク３３には縦
軸３４を介して回動自在に支持されたコ字形のレ
バーホルダ３５が装着されている。

そして、レバーホルダ３５に操作レバー２２の
下端が固着され、従つて、操作レバー２２を第５
図の矢示Ａの前後方向に操作することによつて、
下向アーム３１が第１軸３２の軸回りに前後方向
に揺動自在とされる。

下向アーム３１のピン３１Ａと変速機構２４用
のアーム３６のピン３６Ａとが第３図で示すター
ンバツクル３７Ａを有する棒状伝動体３７の２又
形継手３７Ｂを介して連動連結されている。

更に、シヤトルカバー２６の位置決め用ボス３
８を利用して縦方向の第２軸３９が立設され、該
第２軸３９上には筒軸４０が回動自在に套嵌され
ている。

筒軸４０には前方に延び上向に突出された第１
アーム４１が取付けられ、該第１アーム４１の立
上り片に形成された縦方向の係合溝４１Ａにレバ
ーホルダ３５から突出されたロツド３５Ａが嵌挿
され、このさい前記Ａ方向の操作を許容する範囲
で係合溝４１Ａとロツド３５Ａが関係づけられて
いる。

また、筒軸４０には第２アーム４２が側方に突
出され下方に屈折されて取付けられ、該第２アー
ム４２のピン４２Ａと変速機構２３用のアーム４
３のピン４３Ａとが両端にボール自在継手４４Ａ
を有する棒状伝動体４４で連動連結されている。

従つて、レバー２２を第５図の矢示Ｂの左右方
向に操作することによつてレバーホルダ３５が縦
軸３４を介して左右に揺動され、ロツド３５Ａと
係合溝４１Ａを介して第１アーム４１が第２軸３
９の軸回りに揺動され、第２アーム４２が第１ア
ーム41と直交されて左右方向に突出されているこ
とから第２アーム４２は第２軸３９の軸回りに前
後揺動し、棒状伝動体４４を介して変速機構２３
を操作するのである。

而して、ロツド３５Ａ、第１アーム４１等は選
択機構Ｃを構成している。

また、棒状伝動体３７，４４のいずれも車体７
の上面近傍とステツプ２０上面との間で、車体７
の側面に近接して車体長手方向に沿つて延設され
ており、操縦ハンドル機構１０および操作レバー
機構２１の後方における車体７の上面が第３図、
第４図に示す如くフラツトデツキ４５に形成され
ている。

以上の実施例によれば、運転席９から操縦ハン
ドル機構１０のハンドルホイール１３、主変速レ
バー１４、アクセル操作レバー１５、シヤトル切
換レバー１６を操作可能であり、又、本例では
PTO用の操作レバー２２は第５図のＡ及びＢ方
向の所謂Ｈ形変速パターンにより操作されて変速
機構２３，２４を変速できるのである。

即ち、支持ブラケツト２８はその２又部２９が
前上り傾斜とされ、運転席９から運転者が見ると
きの視界面にあり、該２又部２９の上面に孔４６
を有する案内板４７が取付けられ、該孔４６に操
作レバー２２が挿設されていることから、操作レ
バー２２の根本部分がＨ形に確実に案内され、し
かも、その案内状態は孔４６の各部に表示部を設
けることによつて容易に運転席９から視認できる
のである。

そして、ステツプ２０を介して乗降する場合で
も、車体７の上面はフラツトデツキ４５とされて
いるので足元が広くなり、乗劫降とともに運転上
にも有利となるのである。

本考案によれば、車体上に取付けた支持ブラケ
ツトの２又部先端に左右の軸受を有し、該左右の
軸受に挿通して軸心回りに回動自在な横軸を有
し、該横軸の軸端に前記変速機構に連動する下向
アームを備えているので、下向アームを有する横
軸を安定して支持でき、これにより、横軸の回動
を円滑、軽快にできる。

前記左右の軸受間における横軸上に、該横軸を
軸心回りに回動するためのブロツクが備えられ、
該ブロツクに縦軸心回りに回動自在なレバーホル
ダが備えられ、該レバーホルダに操作レバーを取
付けているので、レバーホルダを含む操作レバー
系を左右方向にコンパクトに取付けるこができ
る。

前記レバーホルダの下方で該ホルダの回動軸心
延長上に軸心を有して筒軸が車体上に回動自在と
して備えられ、該筒軸に前記変速機構に連動する
アームが備えられているとともに前記レバーホル
ダの下方に位置して別のアームが備えられ、前記
レバーホルダより突出されたロツドが、前記別の
アームに対して左右方向では係合し、上下方向で
は非係合すべくされている複数の変速機構に連動
される操作レバー機構に、選択機構を組付けてコ
ンパクトに車体上に備えることができ、このこと
は車体上のスペースが広くなつて、乗降不便を招
くおそれも少ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はトラ
クタで示す車両の全体側面図、第２図は操縦ハン
ドル機構の前面図、第３図は操作レバー機構の全
体を示す側面図、第４図は同省略平面図、第５図
は要部の斜視図である。 １……車両、７……車体、９……運転席、１０
……操縦ハンドル機構、２０……ステツプ、２１
……操作レバー機構、２２……操作レバー、２
３，２４……変速機構、３７，４４……棒状伝動
体、４５……フラツトデツキ、４６……パターン
用孔、４７……案内板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体７の後部側上面に運転席９が備えられ、該
   運転席９の前方の車体７上面に操縦ハンドル機構
   １０が立設され、車体７内の複数の変速機構２
   ３，２４を操作する操作レバー機構２１が前記操
   縦ハンドル機構１０の一側部で車体７の上面に備
   えられたものにおいて、車体７上に取付けた支持
   ブラケツト２８の２又部２９先端に左右の軸受３
   ０を有し、該左右の軸受３０に挿通して軸心回り
   に回動自在な横軸３２を有し、該横軸３２の軸端
   に前記変速機構２４に連動する下向アーム３１を
   備えており、 前記左右の軸受３０間における横軸３２上に、
   該横軸３２を軸心回りに回動するためのブロツク
   ３３が備えられ、該ブロツク３３に縦軸３４心回
   りに回動自在なレバーホルダ３５が備えられ、該
   レバーホルダ３５に操作レバー２２を取付けてお
   り、 前記レバーホルダ３５の下方で該ホルダ３５の
   回動軸心３４延長上に軸心３９を有して筒軸４０
   が車体７上に回動自在として備えられ、該筒軸４
   ０に前記変速機構２３に連動するアーム４２が備
   えられているとともに前記レバーホルダ３５の下
   方に位置して別のアーム４１が備えられ、前記レ
   バーホルダ３５より突出されたロツド３５Ａが、
   前記別のアーム４１に対して左右方向では係合
   し、上下方向では非係合すべくされている選択機
   構Ｃを有することを特徴とする車両の操作レバー
   装置。