JPH0138534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の吸入空気量を検出する吸入
空気量検出装置におけるエアフローメータの内部
配線の断線を検出する装置に関する。

吸入空気量検出装置は吸気通路を流れる吸入空
気量を検出することにより、この吸入空気量と、
別途検出される機関回転数とに応じて燃料供給量
を設定するため設けられるものであり、この従来
例として第１図に示すものがある。すなわち、機
関の吸気通路（図示せず）に介装されたエアフロ
ーメータ１の抵抗２に電源３より固定抵抗４を介
して基準電圧を印加する。そして、この抵抗２上
を、吸入空気量に応じて回転するフラツプ（図示
せず）に取付けられて連動するスライダ５をスラ
イドさせることにより、吸入空気量に応じた電圧
をスライダ５の端子より抵抗６が接続された信号
電圧ライン７を介してコントロールユニツト８の
Ａ／Ｄ変換器９の一方の端子に印加する。また、
前記抵抗２の側端子に抵抗１０を接続した基準
電圧ライン１１を介してＡ／Ｄ変換器９の他方の
端子に前記基準電圧を印加する。

そして、スライダ５の端子より印加された電圧
と基準電圧とをＡ／Ｄ変換器９で比較し、これら
の電位差に応じた吸入空気量のデジタル信号をマ
イクロコンピユータ１２に出力し、マイクロコン
ピユータ１２により吸入空気量と機関回転数その
他補正用の信号に基づいて燃料供給量が演算さ
れ、その信号により図示しない燃料噴射弁を駆動
させるようになつている。

しかしながら、このような従来の吸入空気量検
出装置にあつては、エアフローメータ２の抵抗２
等の内部配線の断線時これを検出することが出来
なかつた。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み為さ
れたもので、エアフローメータの基準電圧を出力
する抵抗端子とスライダの端子とをエアフローメ
ータの抵抗より充分大きな抵抗値をもつ抵抗で接
続した構成とし、もつてエアフローメータの内部
配線の断線時に両端子間の電位差を零にすること
によつて断線であることを検出するようにした断
線検出装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を第２図に示す一実施例に基づい
て説明する。尚、従来例と同一要素については第
１図と同一番号を附して説明する。

図において、内燃機関の吸気通路（図示せず）
に介装されたエアフローメータ１は、抵抗２と固
定抵抗４とを直列に接続すると共に吸入空気量に
応じて回動するフラツプ（図示せず）に取付けら
れて連動するスライダ５を前記抵抗２上を摺接可
能に取付けてある。このエアフローメータ１のス
ライダ５端子は抵抗６を介して信号電圧ライン７
によりコントロールユニツト２１のＡ／Ｄ変換器
２２の一方の入力端子に接続されており、吸入空
気量に応じた電圧をＡ／Ｄ変換器２２に印加す
る。

また、抵抗２と固定抵抗４との接続点は抵抗１
０を介して基準電圧ライン１１によりＡ／Ｄ変換
器２２の他方の入力端子に接続されており、抵抗
２に印加される電圧を基準電圧としてＡ／Ｄ変換
器２２の他方の入力端子に印加する。エアフロー
メータ１の固定抵抗４は電源３に接続され、抵抗
２は接地されている。以上の構成は従来と同様で
ある。ここで信号電圧ライン７と基準電圧ライン
１１とを本考案にかかる抵抗２３により接続して
ある。この抵抗２３の抵抗値は前記抵抗２のそれ
よりも充分大きく設定してある。

さらに、Ａ／Ｄ変換器２２の出力端子はエアフ
ローメータ１の内部配線の断線の判断を兼ねる後
述するマイクロコンピユータ２４の入力端子に接
続されており、前記信号電圧ライン７及び基準電
圧ライン１１を介してエアフローメータ１より入
力された電位差に応じたデジタル信号をＡ／Ｄ変
換器２２よりマイクロコンピユータ２４に出力す
る。マイクロコンピユータ２４はＡ／Ｄ変換器２
２の信号を受けて前記した如く吸入空気量等の検
出信号に応じた燃料噴射量を演算し、その信号を
図示しない燃料噴射弁に出力して駆動させる。ま
た、Ａ／Ｄ変換器２２の両入力端子の電位差が零
であるときにそのデジタル信号を受けてエアフロ
ーメータ１の固定抵抗４或いは抵抗２等の内部配
線が断線しているとの検出を行う判定回路がマイ
クロコンピユータ２４に設けられている。

かかる構成の断線検出装置の作用を説明する
と、エアフローメータ１の正常時には信号電圧ラ
イン７及び基準電圧ライン１１を介してエアフロ
ーメータ１よりＡ／Ｄ変換器２２に吸入空気量に
応じた電圧と基準電圧とが印加され、これらの電
位差に応じたデジタル信号がＡ／Ｄ変換器２２よ
りマイクロコンピユータ２４に出力されて吸入空
気量の検出が行われるが、この場合抵抗２３の抵
抗値は抵抗２より充分大きく設定してあるので抵
抗２３に流れる電流は無視でき、吸入空気量の検
出精度に影響を与えることがない。

一方、エアフローメータ１の例えば内部配線の
Ｂ部分が断線したときには、スライダ５の端子か
らの信号電圧が信号電圧ライン７を介してＡ／Ｄ
変換器２２の一方の入力端子に印加されると共に
これと同電圧が抵抗２３及び抵抗１０を介して
Ａ／Ｄ変換器２２の他方の入力端子に印加される
ので、それらの電位差が零となり、これによりマ
イクロコンピユータ２４は前記した判定回路によ
りエアフローメータ１の内部配線が断線したと判
断し、断線検出が行われる。

また、Ｃ部分が断線したときには、基準電圧が
基準電圧ライン１１より直接Ａ／Ｄ変換器２２の
他方の入力端子に印加されると同時に抵抗２３，
６を介してＡ／Ｄ変換器２２の一方の入力端子に
同じく基準電圧が印加されるので、それらの両入
力端子の電位差が零となり、これによりやはりマ
イクロコンピユータ２４の判定回路によりエアフ
ローメータ１の内部配線の断線が検出される。

さらに、Ａ部分が断線したときには抵抗２自体
に基準電圧が印加されないからＡ／Ｄ変換器２２
の両入力端子の電位は０で等しくやはり断線の検
出が行なわれる。尚、抵抗２３は２つの抵抗６，
１０のＡ／Ｄ変換器２２側相互と接続するもので
あつてもよい。このように、信号電圧ライン７と
基準電圧ライン１１とを抵抗２３で接続すること
によりエアフローメータ１のあらゆる部分の断線
が検出できるのである。

また、Ａ／Ｄ変換器２２の入力端子の電位差が
零のときにマイクロコンピユータ２４が断線を判
断・検出するようにしたので、マイクロコンピユ
ータ２４の断線判断の記憶容量が少なく、かつ抵
抗２３を設けるだけであり、断線検出が低コスト
で行えかつ信頼性が高くなる。

尚、マイクロコンピユータ２４により断線が検
出されたときに、これを搭乗者に警報する手段を
設けるとさらに良好となる。

本考案は、以上説明したように、エアフローメ
ータのスライダ端子と基準電圧端子とを抵抗によ
り接続するという極めて簡単な構成によりエアフ
ローメータの吸入空気量検出機能を維持しつつそ
の内部配線の断線・検出を低コストで行なえるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の吸入空気量検出装置を示す回路
図、第２図は本考案の一実施例を示す回路図であ
る。 １……エアーフローメータ、２……抵抗、７…
…信号電圧ライン、１１……基準電圧ライン、２
２……Ａ／Ｄ変換器、２３……抵抗、２４……マ
イクロコンピユータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基準電圧が印加される抵抗と該抵抗上をスライ
   ドするスライダとを備えるエアフローメータを内
   燃機関の吸気通路に介装し、吸入空気量に応じて
   抵抗上をスライドするスライダの端子より電圧を
   取出し、該端子電圧と前記抵抗端子から出力され
   る基準電圧とを比較することにより吸入空気量を
   検出する吸入空気量検出装置において、前記スラ
   イダ端子と抵抗端子との間に前記基準電圧が印加
   される抵抗より充分大きな抵抗値をもつ抵抗を接
   続すると共に、前記両端子間の電位差が零のとき
   エアフローメータの内部配線が断線であると判断
   する手段を設けたことを特徴とする内燃機関の吸
   入空気量検出装置における断線検出装置。