JPH0138207Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、幼稚園や保育園等の広場（園庭）に
据え付けて利用するFRP製の幼児用プールに関
し、特に吸込口をプール本体の槽壁に設けてプー
ル本体内の水を強制的に吸い込ませ、該水を強制
循環させるための循環用吸込口構造に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、此種循環用吸込口構造には、特開昭55−
114759号公報又は得開昭55−159074号公報に開示
されたものがある。

これら吸込口構造は、プール本体の槽壁所望箇
所に開口を開設すると共に、該開口口縁からプー
ル本体外方に向けて突出する排水口部を槽壁と一
体に成形し、前記開口には目皿を、排水口部には
排水口を夫々設けてある。そして、排水口から吸
引されるプール水を、目皿を介して排水口部内に
一担滞留させることにより、循環ポンプの吸引力
を分散減圧するようになつている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の吸込口構造によれば、上述した開口
及び排水口部をプール本体成型時に槽壁と一体に
成形するので、設置現場に於いては予め設定され
た排水口の開設位置に合わせて循環ポンプ及び循
環用ホースを配設しなければならず、従つて設置
現場の状況によつて循環ポンプ、循環用ホースの
配設に余分な手間がかかる虞れがあつた。

本考案は上述したような従来事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とする処はプール水循
環用の吸込口を、設置現場における循環ポンプ及
び循環用ホースの設置位置に対応させて形成でき
るようにして、循環ポンプ、循環用ホースの配設
に余分な手間がかかる虞れのないプールの循環用
吸込口構造を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するために、本考案の吸込口
構造は、プール本体の槽壁所望箇所に多数の通水
小孔を開穿し、上記槽壁外面には、内部を前記通
水小孔群に連絡するボツクス体を取付けると共
に、該ボツクス体に循環ポンプに連絡する吸込口
を設けて循環吸込用ピツトを形成したことを特徴
とする。

（作用） 以上の手段によれば、プール本体を成形した
後、槽壁所望箇所に通水小孔群及びボツクス体を
設けて循環吸込用ピツトを構成し、吸込口から吸
引されるプール水を通水小孔群を介して循環吸込
用ピツト内に一担滞留させることにより循環ポン
プの吸引力を分散低圧する。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面に基いて説明す
る。

プール本体Ａは、第１図及び第２図のように、
FRP等の合成樹脂材によつて成形されたサイド
パネルA₁と中間パネルA₂数枚で分解可能に組立
て形成した組立て式の簡易プールで、該プール本
体Ａの槽壁１所望箇所に多数の通水小孔２…を設
けると共に、前記槽壁１外面にはこの通水小孔２
群に連絡する循環吸込用ピツト３を形成し、さら
にこの循環吸込用ピツト３には吸込口４を介し
て、循環ポンプ５を中途部に装備せる循環用ホー
ス６の一端を接続する。

通水小孔２…は、循環ポンプ５からの吸引力で
プール本体Ａ内の水を循環吸込用ピツト３に流入
せしめると共に、個々の通水小孔２からの通水で
もつて循環ポンプ５からの吸引力を分散減圧せし
める働きをなすもので、個々の開口面積を幼児の
手、足の指等が入らない程度に小さくすると共
に、浄化機能を低下させる恐れのない必要十分な
通水面積を確保し得る様に多数均等に分散して、
プール本体Ａ成形後その槽壁１に直接開穿する
（第３図）。

循環吸込用ピツト３は、通水小孔２群を通つて
流入してくるプール水を一担滞留させて吸込口４
より吸い込ませるためのもので、FRP等の合成
樹脂材によつて成形した断面コの字形のボツクス
体７を、槽壁１外面にFRPライニング７ａを施
して上記通水小孔２群を囲むように一体的に取付
けてなり、このボツクス体７の後壁には取付口８
を開穿して吸込口金具４ａを取付けることにより
吸込口４を形成する（第４図）。

尚、図中９は循環ポンプ５に装備した浄化器で
あり、１０は該浄化器９によつて浄化されたきれ
いなプール水をプール本体Ａ内に吐きだす吐出口
金具で、循環用ホース６の他端に接続してある。

また、A₃はプール本体Ａの短辺側上縁部に掛
脱自在に組み込んでプール本体Ａの側方に設置し
た出入りパネルで、この出入りパネルA₃内に上
記循環ポンプ５及び浄化器９を設置する。

以上の構成によれば、プール本体Ａを成形した
後、プール本体Ａの設置現場における循環ポンプ
５及び循環用ホース６の配設位置に合わせて、通
水小孔２群、ボツクス体７を設けて循環吸込用ピ
ツト３を形成する。

そして、遊泳中の幼児が手足の指等を吸い込ま
れる恐れのない開口面積で且つ浄化機能に対応さ
せた必要十分な通水面積を得る様に開穿形成した
通水小孔２群により、一担プール水を循環吸込用
ピツト３に滞留させて循環ポンプ５からの強力な
吸引力を分散減圧し、プール本体Ａ内のプール水
を吸い込ませ循環させる。

尚、上記実施例にあつてはサイドパネルA₁と
中間パネルA₂とで組立形成した組立て式プール
本体Ａとして詳述したが、組立て式でないプール
本体であつてもよいことは言うまでもない、又循
環吸込用ピツト３への循環用ホース６の接続は、
吸込口金具４ａを介して接続した形態として詳述
したが、循環吸込用ピツト３に循環用ホース６を
直接接続することもある。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように構成したことによ
り以下に記載される効果を有する。

プール本体の設置現場における循環ポンプ、循
環用ホースの配設位置に合わせて、通水小孔群及
びボツクス体の形成位置を自由に設定でき、よつ
て従来の如く循環ポンプ、循環用ホースの配設に
余分な手間がかかる虞れがなく、プール本体の設
置作業の作業性を向上し得る。

同時に、通水小孔群をプール本体の槽壁に直接
開穿したので、従来の如く槽壁に目皿を取付ける
場合に比べて、プール水の吸込位置が目立たな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案プールの循環用吸込口構造の一実
施例を示し、第１図は平面図、第２図は第１図の
−線拡大断面図、第３図は第２図の要部拡大
図、第４図は第３図の−線断面図である。 尚、図中、Ａ…プール本体、１…槽壁、２…通
水小孔、７…ボツクス体、５…循環ポンプ、４…
吸込口、３…循環吸込用ピツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プール本体の槽壁所望箇所に多数の通水小孔を
   開穿し、上記槽壁外面には、内部を前記通水小孔
   群に連絡するボツクス体を取付けると共に、該ボ
   ツクス体に循環ポンプに連絡する吸込口を設けて
   循環吸込用ピツトを形成したことを特徴とするプ
   ールの循環用吸込口構造。