JPH0138098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、原稿搬送装置に関し、詳しくは、フ
アクシミリ装置等に適用される自動原稿分離装置
に組み込まれる原稿搬送装置に関する。

（従来技術） 自動原稿分離装置に組み込まれる原稿搬送装置
には、複数のシート状原稿を連続給送できるもの
がある。

このような原稿搬送装置は、第１図に示すよう
に、原稿積層部１Ａの出口に設けられた原稿繰り
出しローラ２と、原稿給送路をはさんで上記ロー
ラ２に当接する分離ローラ３と、原稿の給送方向
（図中、矢印Ａで示す方向）における原稿走査部
１Ｂの入口および出口にそれぞれ設けられている
給送ローラ４と排出ローラ５とを備えている。

この原稿搬送装置の動作は次の通りである。

すなわち、原稿給送時には、原稿繰り出しロー
ラ２、分離ローラ３、給送ローラ４および排出ロ
ーラ５がそれぞれ原稿の給送方向に対応する図示
矢印方向に回動する。

原稿積載部１Ａの原稿は、給送方向（図中、矢
印Ａで示す方向）に対応する向きに回動する繰り
出しローラ２と、これと逆方向に回動する分離ロ
ーラ３との作用によつて繰り出しローラ２側のも
ののみが原稿積層部１Ａから繰り出され、次いで
給送ローラ４および排出ローラ５によつて原稿走
査部１Ｂを通過する。

原稿は、原稿走査部１Ｂを通過する間に、走査
部１Ｂに備えられた照明ランプ６および光電変換
素子７を含む読取り走査手段８によつて原稿内容
を読取られる。

なお、図中、符号４Ａ，５Ａは給送ローラ４お
よび排出ローラ５の従動ローラをそれぞれ示して
いる。

ところで、原稿走査部に対して原稿を間欠的に
給送する場合には、原稿積層部からの原稿繰り出
しを間欠的に行なう必要があるため、原稿繰り出
しローラ２と給送ローラ４および排出ローラ５と
の回動時機を異ならせるための駆動制御を行なわ
なければならなかつた。

つまり、先行原稿を給送ローラおよび排出ロー
ラによつて給送する一方で、原稿繰り出しローラ
は停止させた状態に維持して、後続原稿の繰り出
しを行なわないようにする必要があつた。

ところが、従来のこの種装置においては、特開
昭53−38919号公報や特公昭58−2145号公報に示
されているように、原稿走査部での給送ローラと
排出ローラとの回動制御を単一モータによつて行
なうようにしたものがあるだけで、上述した単一
モータによつて原稿繰り出し部のローラの回動制
御も可能にすることは実現されていなかつた。

従つて、原稿繰り出し部のローラの回動制御を
行なう例としては、原稿走査部のローラ用とは別
にモータを設け、このモータから原稿繰り出しロ
ーラへの回動伝達を、両者間に設けたクラツチ機
構によつて連断制御するものしかなく、その結
果、このような装置には、原稿搬送装置の構造が
複雑になるという欠点があつた。

（目的） 本考案は上記に鑑みてなされたものであつて、
その目的とするところは、上記欠点を解消して、
単一駆動源によつて、原稿走査部の給送、排出各
ローラの回動制御と共に、原稿繰り出し部のロー
ラの回動制御も可能にすることにある。

（構成） 本考案は、単一駆動源の正転時には、原稿繰り
出しローラ、給出ローラ、および排出ローラをそ
れぞれ同一方向、つまり原稿給送方向に対応する
回動方向に回動させ、一方、先行する原稿が原稿
走査部に給送された時点で行なわれる上記駆動源
の逆転時には、原稿走査部の給送ローラと排出ロ
ーラとを上記同一方向に回動させるようにしたこ
とを特徴としている。

以下、図示の実施例を参考に本考案を説明す
る。

なお、第２図以降の図面において、第１図に示
したものと同じ部材は同符号とする。

第２図には、本考案実施例の要部が示されてい
る。

同図において、給送ローラ４の支軸４ａには、
第１伝動体たる第１歯車１０および第２伝動体た
る第２歯車１１がそれぞれ取付られている。

第１歯車１０および第２歯車１１は、それぞれ
側別に有する一方向クラツチ１０ａ，１１ａ（第
３図参照）を介して支軸４ａに軸装されており、
一方向クラツチ１０ａ，１１ａは、支軸４ａに対
し、図において第１、第２歯車１０，１１が反時
計方向に回動したとき、その回動を支軸４ａに伝
達するようになつている。

上記した反時計方向は、原稿Ｓの給送方向（第
１図中、矢印Ａで示す方向）に対応する方向に給
送ローラ４の回動方向が一致する方向に設定され
ている。

そして、第１歯車１０には、駆動源からの伝達
部たるプーリ１２が一体的に取付られている。

一方、駆動源としては、正・逆回転可能なステ
ツピングモータ１３が採用されており、この支軸
１３ａにはプーリ１４が取付られている。

上述した第１歯車１０側のプーリ１２と駆動源
側のプーリ１４とは、ベルト１５が掛けられてい
て、ステツピングモータ１３の回動が、ベルト１
５を介して第１歯車１０に伝えられるようになつ
ている。

この第１歯車１０には、第３伝動体たる第３歯
車１６が噛合しており、この第３歯車１６は、原
稿繰り出しローラ２の支軸２ａに対し、第３歯車
１６の反時計方向の回動のみを支軸２ａに伝える
一方向クラツチ１６ａ（第３図参照）を介して軸
装されている。

そして、第２歯車１１には、第１中間伝動体た
る第１中間歯車１７が噛合し、この第１中間歯車
１７と第１歯車１０とには、第２中間伝動体たる
第２中間歯車１８がそれぞれ噛合している。

一方、給送ローラ４の支軸４ａにはプーリ１９
が、そして排出ローラ５の支軸５ａにもプーリ２
０がそれぞれ設けられており、これら各プーリ間
にベルト２１を巻回すことによつて給送ローラ４
と排出ローラ５とが同一方向に連動するようにな
つている。

また、原稿走査部１Ｂの原稿入口側には、同走
査部１Ｂに給送されてくる原稿の先端を検知する
ための発光素子２２ａ、受光素子２２ｂとからな
る原稿検知手段２２が設けられている。

この原稿検知手段２２は、ステツピングモータ
１３に電気的接続されていて、原稿先端を検知し
た時点で、ステツピングモータ１３の回動方向を
切換えるようになつている。

以上のような構成からなる原稿搬送装置におい
て、ステツピングモータ１３が、第２図において
時計方向に回動すると、ベルト１５を介してプー
リ１２およびこれと一体の第１歯車１０が時計方
向に回動する。このとき、第１歯車１０の一方向
クラツチ１０ａは、第１歯車１０の回動方向が時
計方向であるので、その回動を給送ローラ４には
伝えない状態にある。

一方、第３歯車１６は第１歯車１０と連動して
反時計方向に回動し、また、第２歯車１１は、第
１歯車１０に連動する第２中間歯車１８およびこ
れに従動する第１中間歯車１７を介して反時計方
向に回動するので、第３歯車１６および第２歯車
１１内の一方向クラツチ１６ａおよび１１ａを介
して原稿繰り出しローラ２と給送ローラ４とが反
時計方向に回動する。

そして、給送ローラ４の回動に連動して排出ロ
ーラ５もベルト２１を介して反時計方向に回動す
る。

この状態で、原稿積載部１Ａから原稿が繰り出
され、その原稿は原稿走査部１Ｂを通過する。

原稿が、その先端を、原稿検知手段２２によつ
て検知されると、ステツピングモータ１３がいま
までとは逆の方向にその回動方向を切換えられ
る。

ステツピングモータ１３が、第４図において反
時計方向に回動すると、ベルト１５を介して第１
歯車１０は反時計方向に回動する。

第１歯車１０が反時計方向に回動すると、それ
に内蔵された一方向クラツチ１０ａを介して給送
ローラ４が反時計方向に回動し、先に述べたモー
タの正転時と同じ回動態位を維持される。

また、第２歯車１１は、第２中間歯車１８およ
び第１中間歯車１７を介して時計方向に回動する
が、この回動は、第２歯車１１内の一方向クラツ
チ１１ａによつて給送ローラ４には伝えられな
い。

従つて、給送ローラ４が反時計方向に回動する
のに連動して排出ローラ５も、ベルト２１を介し
て反時計方向の回動を維持される。

一方、第３歯車１６は、第１歯車１０に従動す
ることによつて、時計方向に回動するが、この回
動は、第３歯車１６に内蔵された一方向クラツチ
１６ａによつて原稿繰り出しローラ２には伝達さ
れない。

従つて、原稿繰り出しローラ２は、第３歯車１
０からの回動駆動が不能な状態に維持され、給送
ローラ４によつて給送されている原稿の移動に応
じて連れ回ることになる。

しかして原稿繰り出しローラ２は、原稿の後端
が同ローラ２から離れると連れ回りを中止するの
で、後続の原稿の先端を衝止する。

なお、複数の原稿を間断なく連続して繰り出す
場合には、原稿検知手段によつて原稿先端を検知
した後、後続の原稿の先端が給送ローラ４に到達
するまでの間、ステツピングモータを回動させる
ようにモータの歩進数を制御して原稿繰り出しロ
ーラ２の回動を維持させれば良い。

（効果） 本考案によれば、原稿走査部での原稿給送に用
いられる給送ローラおよび排出ローラとを回動制
御する単一のモータによつて、原稿繰り出し用の
ローラをも回動制御するようにできるので、原稿
の繰り出し部から排出部までの間の各ローラの回
動制御機構を簡単なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は原稿分離機構に適用される原稿搬送装
置の一例を示す概略図、第２図は本考案の実施例
の要部を示す概略斜視図、第３図は第２図中のＰ
−Ｐ矢視面図、第４図は本考案実施例の作用を示
す概略図である。 ２……原稿繰り出しローラ、４……給送ロー
ラ、４ａ……支軸、５……排出ローラ、１０……
第１伝動体、１１……第２伝動体、１２……プー
リ、１３……駆動源、１５……ベルト、１６……
第３伝動体、１７……第１中間伝動体、１８……
第２中間伝動体、１０ａ，１１ａ，１６ａ……一
方向クラツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 原稿積層部から原稿走査部に向けて原稿を給送
   する原稿搬送装置において、 原稿積層部出口の原稿給送路に設けられた回動
   可能な原稿繰り出しローラと、 原稿の給送方向における原稿走査部の入口およ
   び出口の原稿給送路に設けられた回動可能な給送
   ローラおよび排出ローラと、 正・逆回転自在であつて歩進可能な駆動源と、 上記駆動源と連動可能な伝動部を介して設けら
   れていて、上記給紙ローラに対して原稿の給送方
   向への回動伝達を行なう一方向クラツチを有した
   第１伝動体と、 上記第１伝動体と同軸上に設けられていて、上
   記一方向クラツチと同様な機能をもつクラツチを
   有する第２伝動体と、 上記第１伝動体に係合して従動可能であつて、
   上記原稿繰り出しローラに対して原稿の給送方向
   への回動伝達を行なう一方向クラツチを有する第
   ３伝動体と、 上記第２伝動体に係合する回動可能な第１中間
   伝動体と、 上記第１伝動体と上記第１中間伝動体とに係合
   する第２中間伝動体と、 上記給送ローラと排出ローラとの間に設けられ
   ていて、上記両ローラを同方向に回動させる連動
   手段とを具備し、 上記駆動源の正転時には、第１伝動体に係合し
   ている第２中間伝動体およびこれと係合している
   第１中間伝動体を介して第２伝動体を回動させ、
   これに有する一方向クラツチによつて給送ローラ
   を、そして第１伝動体に係合する第３伝動体の一
   方向クラツチを介して原稿繰り出しローラを、さ
   らに、上記連動手段を介して排出ローラをそれぞ
   れ原稿の給送方向に対応する回動方向に回転さ
   せ、一方、上記駆動源の逆転時には、第１伝動体
   の一方向クラツチを介して給送ローラを、さら
   に、上記連動手段を介して排出ローラをそれぞれ
   原稿の給送方向に対応する回動方向に回転させ、
   そして上記第３伝動体の一方向クラツチを介して
   原稿繰り出しローラの回動を不能にするようにし
   た原稿搬送装置。