JPH0137889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はダイヤモンドホイールの外周のドレツ
シング（目立）、ツルーイング（形直し）を行な
うダイヤモンドホイールのドレツシング及びツル
ーイング装置に関するものである。

〈従来の技術〉 一般に、ダイヤモンドホイールは、砥石フラン
ジに取付ける場合、フランジ径とホイール径とに
若干のクリアランスがあり、往々にしてホイール
外周ふれや、加工中に外周ふれを生じることが多
い。この偏心したままのダイヤモンドホイールで
研削使用をすれば、被削材に縞目のビビリ模様
や、うねりが発生し易く、加工性能を低下させる
要因となつていた。従つて、このダイヤモンドホ
イールの取付けに対しては必ず機械上でツルーイ
ングする必要がある。

また、ダイヤモンドホイールは砥粒がダイヤモ
ンドであるために固く、ボンドがレジン又はメタ
ルよりなるため、従来のダイヤモンド単石ドレツ
サでツルーイングすると、ホイール表面が目づま
りしたような状態となり、ダイヤモンド砥粒は突
出せず、全く切れない状況となる。従つて、ダイ
ヤモンドホイールにあつては、如何に理想的な表
面形状にツルーイング、ドレツシングをするかが
最も重要な点である。

以上の様な状況から、ダイヤモンドホイールの
ツルーイング、ドレツシング方法としては、従来
主流となる自動タイプとして回転による遠心力を
利用したブレーキ制御付ツルーイング法（第１図
参照）が知られている。この方法は、回転してい
るダイヤモンドホイールに砥石を押し当てること
により、砥石がつれ廻り（公転）し、このつれ廻
り速度が一定回転数に達すると、砥石に直結され
たブレーキ制御機構のブレーキシユーａが、遠心
力によりスプリングｂの弾発に抗して外周のブレ
ーキリングｃ側の３方向に張出し、該ブレーキシ
ユａがブレーキリングｃの内周面と摩擦し所謂ブ
レーキがかかり、つれ廻り速度を低下させ、ダイ
ヤモンドホイールと砥石間の周速差と押付け力に
変換し、ダイヤモンド砥粒ｄを剥離させ、且つボ
ンドｅ部分も削り取ることにより（第２図Ａ，
Ｂ，Ｃ参照）、ツルーイング及びドレツシングす
るものである。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし乍ら、この方法は、ダイヤモンドホイー
ルの目立の状況に拘らずに一定の回転数により生
ずる遠心力に起因して自動的制御がなされるた
め、現場での適応性に欠ける欠点がある。特に、
砥粒が突出せず、目詰まり状態のダイヤモンドホ
イールの場合には、ツルーイング、ドレツシング
の速度が極めて遅く、これを早めるためにはブレ
ーキシユーを作動する内蔵されたスプリングのス
プリング圧を調整するしか方法がない。しかも、
このブレーキシユーは３方向に位置しており、各
スプリング圧を均一に調整せねばならず、極めて
面倒であり、作業能率の低下となつていた。

また、目立は作業者の熟練によるところが大き
く、ホイールの砥粒面の状態を見乍らホイールの
結合度やホイールの周速に対応した最適なツルー
イング条件を自由に設定できることが、ツルーイ
ング及びドレツシングの能率の向上につながる。

本考案は上記の実情に鑑み、ダイヤモンドホイ
ールにつれ廻る砥石の回転の制御をツルーイング
及びドレツシングの状況に応じ手動的に調整でき
るダイヤモンドホイールのドレツシング及びツル
ーイング装置を提供することを目的としたもので
ある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、回転せるダイヤモンドホイールに接
触してつれ回転する砥石を、本体の中央に軸受を
介して架設した回転軸の一端に取付け、該回転軸
の他端に一体に配したフライホイールの外端面
に、該フライホイールの外方に配す本体側に螺合
する手動型ブレーキ制御ハンドルを介在して臨む
ブレーキシユーを接触させた構成としたものであ
る。

〈作用〉 上記のような構成としたため、回転しているダ
イヤモンドホイールを砥石に接触させ、該砥石の
回転と一体に回転するフライホイールに、ドレツ
シング及びツルーイングの状況に応じブレーキ制
御ハンドルを廻わして押込み、該ハンドル端のス
プリングに押圧されたブレーキシユーが強く接触
し、フライホイールの回転を機械的に規制し、砥
石とダイヤモンドホイール間に周速差を生じせし
め、ドレツシング、ツルーイングを行なうことが
できる。

〈実施例〉 以下、本考案を実施例の図面に基づいて詳細に
説明する。

１は下端に台座部２を配した軸支承部材となる
本体で、該本体１の中央に、前後にボールベアリ
ング機構の軸受３に支承した回転軸４を横架し、
該回転軸４の一端にビトリフアイド砥石よりなる
円盤型砥石５を締付けナツト６をもつて取付ける
と共に、該回転軸４の他端の制御ハウジング部１
ａ内に臨む、回転軸４に一体に取付けたフライホ
イール７の端面７ａに回転軸４の軸線上に配す筒
形ブレーキシユー８のフランジ部８ａを接触し、
該ブレーキシユー８の胴部８ｂは制御ハウジング
部１ａの前方に形成したネジ孔９に螺合するキヤ
ツプ形ブレーキ制御ハンドル１０の胴部１０ａに
嵌合し、且つ該胴部１０ａ端とブレーキシユー８
のフランジ部８ａ間に押圧調整用スプリング１１
を介してなる。また、このフランジ部８ａの周縁
に刻設した受溝１２に制御ハウジング部１ａ側よ
り突出せるブレーキシユー回転止め用スプリング
ピン１３を臨ませ、全体としてドレツシング及び
ツルーイング装置１４を構成している。図中１５
は砥石５の下部に設けた砥石カバーを示す。

次に、作用を説明すると、必ずダイヤモンドホ
イール１６を研削機械のフランジ（図示せず）に
取付け、所定の回転を与える。

ここで、適当な切込み量を設定して装置１４を
横移動させ、この砥石５にダイヤモンドホイール
１６を押当てれば、砥石５はつれ廻りにより公転
される。このつれ廻り速度が所定の回転速度に上
つた状態で他端に位置するブレーキ制御ハンドル
１０を廻わしブレーキシユー８側で螺挿すれば、
スプリング１１を介してブレーキシユー８がフラ
イホイール７の端面７ａに押付けられるため、該
フライホイール７に一帯の回転軸４にブレーキが
かかり、砥石５のつれ廻り速度が低下する。この
ように、砥石５側の回転が低下することは、該砥
石５とダイヤモンドホイール１６間に周速差を生
じ、その作用点ではホイールに対して法線方向と
接線方向の抵抗が作用することになり、ホイール
を圧壊する力（クラツシング力）と削り力が発生
する。この圧壊する力でダイヤモンド砥粒ｄの保
持力を弱め、削り取る力でダイヤモンド砥粒ｄを
剥離させ、これとボンドｅ部分を削り取る作用も
働くものとなる（第２図、Ａ，Ｂ，Ｃ参照）。か
くして、ダイヤモンドホイールの研削面には新た
なダイヤモンド砥粒ｄが突出し、全体としてダイ
ヤモンドホイール１６のツルーイング、ドレツシ
ングが完了する。勿論、この場合のブレーキ制御
ハンドル１０の繰込みは手動をもつて行なうた
め、この繰込み量（フライホイール７に対するブ
レーキのきき具合）をダイヤモンド砥粒ｄの突出
状態に応じて自在となる。

〈考案の効果〉 上述の様に、本考案のダイヤモンドホイールの
ドレツシング及びツルーイング装置は、ダイヤモ
ンドホイールの回転につれ廻り回転を受ける砥石
の回転軸端のフライホイールに対するブレーキ
を、手動送りとなるブレーキ制御ハンドルを介し
連動するブレーキシユーの押圧をもつてなす構成
としたことにより、砥石のつれ廻り回転速度を作
業者が自在に設定でき、且つブレーキ制御ハンド
ルのネジ送りにて微妙な調整を可能とし、ダイヤ
モンドホイールの目の状態に合つた周速差を起さ
せ、短時間にツルーイング、ドレツシングするこ
とができる。又、ブレーキシユーの摩耗に対して
もブレーキ制御ハンドルを取外すだけで交換がで
きる。更に、ブレーキシユーはスプリングを介し
てブレーキ制御ハンドルが螺挿されるため、フラ
イホイール面とブレーキシユーが接触した場合の
衝撃を吸収できるため、ハンドル送りが正確に行
ない得、作業者の受ける衝撃を緩和させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部の縦断側面図、第２図
Ａ，Ｂ，Ｃは砥粒面のクラツシング作用を示す説
明図、第３図は従来品のブレーキ制御部の正面図
である。 １……本体、３……軸受、４……回転軸、５…
…砥石、７……フライホイール、８……ブレーキ
シユー、１０……ブレーキ制御ハンドル、１１…
…スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端にダイヤモンドホイールの回転にて、つれ
   回転される砥石を取付けた軸受に支承した回転軸
   を本体に架設し、該回転軸の他端に一体に取付け
   たフライホイールの端面に、本体側に螺合したブ
   レーキ制御ハンドルにスプリングを介し押圧され
   るブレーキシユーを接触させたことを特徴とする
   ダイヤモンドホイールのドレツシング及びツルー
   イング装置。