JPH0136628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、マウント付きのフイルムを整理保
存するために用いて好適なマウント付きフイルム
の収納装置に関するものである。

マウント付きのたとえばスライドフソルムを整
理保存するために広く一般的に使用されている既
知のマウント付きフイルム収装置としては、たと
えば第３図に示すものがある。

このマウント付きフイルムの収納装置は、透明
もしくは半透明の合成樹脂シートからなる矩形形
状の裏面板１に、透明の合成樹脂シートからな
り、ほぼ短冊状をなす５枚の表面板２を図の左右
方向へ向けて相互に平行に配置し、そしてこれら
の裏面板１と各表面板２とを、図に斜線部分で示
すように、たとえば熱溶着によつてそれぞれ同一
方向へ向けて三方シールして縦横に整列する複数
のポケツト３を形成し、さらに、裏面板１の図の
左端部に、上下方向に間隔をおく綴穴４を形成し
てなる。

このマウント付きフイルムの収納装置では、マ
ウント付きのスライドフイルム５を各ポケツト３
の開口部分からそのポケツト３内へ図示のように
完全に差し込むことによつて、スライドフイルム
５の整理保存が行われる。

ところが、このようなマウント付きフイルムの
収納装置は、ポケツト３内へ差し込んだスライド
フイルム５のポケツト３からの脱落を有効に防止
し、併せて、ポケツト３内でのスライドフイルム
５の傾きを阻止してフイルム画像の予視、点検を
容易ならしめる目的の下で、ポケツト３のとくに
幅方向の寸法が、スライドフイルム５の幅よりも
わずかに大きくなる程度に構成されており、しか
も、表面板２は、ポケツト３の開口縁近傍部分に
おいて裏面板１と面接触状態にあるため、そのポ
ケツト３内へ、プラスチツク製、紙製などの比較
的厚いマウントを取り付けたスライドフイルム５
を差し込むに際し、ポケツト３の口開き性が極め
て悪く、マウントの縁がポケツト開口縁６に当接
してフイルム差し込み作業を妨げるという問題が
あつた。

この考案は、従来技術のかかる問題を有利に解
決するものであり、スライドフイルムの、ポケツ
トからの抜け出し、ポケツト内での傾動などを生
じることなく、マウント付きスライドフイルムの
とくに隅部のポケツト内への差し込みを極めて容
易ならしめるマウント付きフイルムの収納装置を
提供するものである。

この考案のマウント付きフイルムの収納装置
は、とくに、各ポケツトの開口部分で、裏面板
の、少なくともポケツトの外側に位置する部分
に、ポケツトから離れる方向へ向けてほぼ山型を
なす切裂線を設けてなり、このマウント付きフイ
ルムの収納装置では、マウント付きスライドフイ
ルムのポケツトへの差し込みに際し、その隅部
で、切裂線に囲まれる舌状片を裏面板のさらに裏
側方向へ押圧し、そしてその隅部を舌状片の基部
方向へ移動させることによつて、スライドフイル
ムの隅部を表裏面板間、いいかえればポケツト内
へ極めて容易に差し込むことができる。従つて、
スライドフイルムのポケツト内へのその後の完全
なる配置は、引き続いて、スライドフイルムの向
きを正しながらそれをポケツト内へ押し込むこと
によりもたらされる。

以下にこの考案を図面に基づいて説明する。

第１図はこの考案の一実施例を示す平面図であ
り、図中第３図と同様の部分はそれと同一の番号
で示す。

この例では、裏面板１に表面板２を、熱溶着、
接着などにて図に斜線部分で示すように三方シー
ルして複数のポケツト３を形成し、そして各ポケ
ツト３の開口部分で、裏面板１に、ポケツト３か
ら離れる方向へ向けて山型をなす切裂線１１を設
ける。ここでこの切裂線１１は、それにて囲まれ
る舌状片１２を裏面板１に形成し、その舌状片１
２は、裏面板１よりも裏側への弾性変形により、
後述するように、マウント付きスライドフイルム
５のポケツト３内への差し込みを容易ならしめ
る。

なお、この例における切裂線１１は、それにて
形成される舌状片１２の十分大きな変形を可能な
らしめるために、ポケツト３の内側から外側にわ
たつて設けているが、この切裂線１１をポケツト
３の外側にのみ設けても舌状片１２に有効なる変
形をもたらし得ることはもちろんである。ここ
で、切裂線１１をポケツト３の内外側にわたつて
設ける場合には、それがスライドフイルム５の画
像域に達しないようにすることが、フイルム画像
の予視、点検をし易くする上で好ましい。

また図示例の切裂線１１は、ほぼ倒立Ｖ字状を
なすが、その形状を弧状、角形状などとすること
もできる。

このように構成してなるマウント付きフイルム
の収納装置の各ポケツト３内へマウント付きスラ
イドフイルム５を差し込む場合には、はじめにマ
ウントの一の隅部を把持し、次いで、その把持隅
部に隣接するマウント隅部によつて、第２図に示
すように舌状片１２を裏側へ押圧することによ
り、とくに舌状片１２の基部と表面板２との間、
いいかえれば、ポケツト開口部分における裏面板
１と表面板２との間に隙間を形成し、その後、そ
のマウント隅部を表裏面板間へ移動させる。この
ことにより、一のマウント隅部が、ポケツト３内
へ簡単に進入するので、引き続いて、マウント付
きスライドフイルム５の姿勢をポケツト３内で修
正し乍ら、スライドフイルム５を、それがポケツ
ト３内にぴつたり納まるように押し込むことによ
つて、一のスライドフイルム５のポケツト３内へ
の差し込みが完了する。

また他のポケツト３へのマウント付きスライド
フイルム５の差し込みは上述したと同様にして行
うことができ、その作業は従来技術に比して極め
て簡単かつ容易になる。

以上この考案を図示例に基づいて説明したが、
ポケツトを縦方向または横方向にのみ複数形成し
て整理保存用のマウント付きフイルムの収納装置
とすること、またポケツトの底部にて表面板にス
ライドフイルムの抜き出しのための指穴を形成す
るこもできる。さらには、図示例では三方シール
とした表裏面板のシールを間欠的に行うこともで
きる。

従つてこの考案によれば、とくに、ポケツトの
開口部分で、裏面板の、少なくともポケツトの外
側に位置する部分に、ポケツトから離れる方向へ
向けてほぼ山型をなす切裂線を設けることによ
り、切裂線にて囲まれる舌状片をスライドフイル
ムで裏側へ変形させることでそれのポケツト内へ
の差し込みが極めて簡単かつ容易になるという実
用上の大なる利益がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す平面図、第
２図ａ，ｂはそれぞれ、第１図に示すフイルムジ
ヤケツトの使用状態を示す部分拡大平面図および
側面図、第３図は従来例を示す平面図である。 １……裏面板、２……表面板、３……ポケツ
ト、５……マウント付きスライドフイルム、６…
…開口縁、１１……切裂線、１２……舌状片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 透明もしくは半透明シートからなる裏面板に、
   透明シートからなる表面板をシールして複数のポ
   ケツトを形成してなるマウント付きフイルムの収
   納装置において、 各ポケツトの開口部分で、裏面板の、少なくと
   もポケツトの外側に位置する部分に、ポケツトか
   ら離れる方向へ向けてほぼ山型になす切裂線を設
   けてなることを特徴とするマウント付きフイルム
   の収納装置。