JPH0135927B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、紡機におけるラツプ形成方法及びそ
の装置に関するものである。

従来のスライバラツプマシン、リボンラツプマ
シン、ラツプフオーマ等（以下ラツプマシンと称
する）においては、巻取りドラム上で一対のラツ
ププレートにより挾持されるとととも加圧用ラツ
クにて加圧保持されたスプールに複数のスライバ
またはラツプを巻取るようにしたフリクシヨン方
式が採用されている。

このように構成された従来のラツプマシンで
は、巻取りドラムの回転力がフリースを介してラ
ツププレート及びスプールに伝達され、このため
ラツププレートの回転抵抗が大きいとフリースを
介してのスプール回転数と巻取りドラム回転数と
の回転差が生じ、スプールと巻取りドラム間でフ
リースにドラフトが発生することとなり、フリー
スが弾性体であることとも相俟つて回転数が変動
してスプールに巻取られたラツプのゲレン変動を
招来していた。このゲレン変動は製品品質を著し
く低下させるものであり、また、ラツプがラージ
パツケージになるほどゲレン変動は大きくなりラ
ージパツケージ化を阻害する要因の１つともなつ
ていた。

本発明は、上記従来の欠点に鑑み、ゲレン変動
のない均一なラツプを巻取ることができるラツプ
形成方法及びその装置を提供することを目的とす
るものである。

かかる目的は、本発明によれば、巻取りドラム
上で一対のラツププレートにより挾持されたスプ
ールに複数のスライバまたはラツプを巻取るよう
にしたラツプマシンにおいて、前記ラツププレー
トを前記巻取りドラムの周速と同速で積極回転せ
しめることにより達成される。

次に、図の実施例に従つて本発明を詳細に説明
する。

図において、前後の巻取りドラム１の両側には
一対のラツププレート２が対設されており、該ラ
ツププレート２は流休圧シリンダ３のピストンロ
ツド４先端に嵌装された軸受５を介して回転可能
とされているとともに巻取りドラム１上に供給さ
れるスプール６を挾持可能である。

前記巻取りドラム１の回転軸７は図示してない
駆動機構を介して回転可能とされ、また、該回転
軸７にはスプライン軸８が嵌装されており、該ス
プライン軸８の歯状部には第１歯車９の内歯が噛
合している。更に、該第１歯車９のボス部には軸
受１０を介して揺動可能な揺動アーム１１が嵌装
されていて、該揺動アーム１１先方の長孔１２に
は前記流体圧シリンダ３のピストンロツド４が挿
通している。一方、該揺動アーム１１と一体とな
つたブラケツト１３と前記回転軸７に軸受１４を
介して嵌着されたブラケツト１５間には支軸１６
が支架されており、該支軸１６に軸受１７を介し
て嵌装された第２歯車１８は前記第１歯車９の外
歯と噛合している。また、前記ブラケツト１３と
一体的な支承部１９には摺接ローラ２０が支承さ
れており、該摺接ローラ２０は前記ラツププレー
ト２と前記第２歯車１８の一側方に摺接してお
り、しかして、該摺接ローラ２０は前記スプライ
ン軸８、前記第１歯車９及び前記第２歯車１８か
らなる回転運動伝達機構を介して回転され、前記
ラツププレート２を積極回転せしめるようになつ
ている。更に、該摺接ローラ２０は前記支軸１６
に巻装されて前記ブラケツト１３及び１５間に介
装されたコイルスプリング２１により常時摺接方
向に付勢されており、該摺接ローラ２０の前記ラ
ツププレート２に対する摺接点Ｘ１が前記巻取り
ドラム１の円周Ｘ２と対応する位置とされ、前記
ラツププレート２は前記巻取りドラム１の周速と
同速で積極回転されるものである。

なお、図例では前記摺接ローラ２０が前記ラツ
ププレート２の片側にのみ摺接しているが、同様
な摺接ローラ２０を２個設けて前記ラツププレー
ト２の両側に摺接するように構成することも可能
である。

本発明は上記のように構成されており、次に、
その作用について説明する。

巻取りドラム１上に空のスプール６が供給され
ると、流体圧シリンダ３が作動してそのピストン
ロツド４先端のラツププレート２により該スプー
ル６を挾持する。次いで、回転軸７が駆動されて
巻取りドラム１が回転するとともにスプライン軸
８、第１歯車９及び第２歯車１８からなる回転運
動伝達機構に連繋された摺接ローラ２０が回転
し、これに伴いラツププレート２は巻取りドラム
１の周速と同速で積極回転され、空のスプール６
に複数のスライバまたはラツプが巻取られる。

こうして巻取り量の増大につれて、第１図に示
すようにラツププレート２及びスプール６が漸次
上昇し、これに伴つて揺動アーム１１がＡ矢印方
向に揺動するが、摺接ローラ２０のラツププレー
ト２への摺接点Ｘ１は巻取りドラム１の円周Ｘ２
と常に対応した位置にあり、したがつて、ラツプ
プレート２、スプール６は巻取りドラム１の周速
と同速にて回転し、スプール６と巻取りドラム１
間においてフリースに不正なドラフトが発生する
こともなく常に均一なラツプが形成される。

このようにして第３図に示すようにスプール６
が所定の巻取り量に達して満管となると、回転軸
７が停止するとともに流体圧シリンダ３が逆作動
し、ラツププレート２をコイルスプリング２１の
付勢力に抗して移動して満管となつたスプール６
の挾持を解いて、該スプール６を排出し、新たな
空のスプール６を供給して上記と同様な作業が繰
り返される。

以上詳述したところから明らかなように、本発
明は、巻取りドラム上で一対のラツププレートに
より挾持されたスプールに複数のスライバまたは
ラツプを巻取るようにしたラツプマシンにおい
て、前記ラツププレートを前記巻取りドラムの周
速と同速で積極回転せしめたものであるから、ス
プールと巻取りドラム間でフリースに不正なドラ
フトが発生することはなく、ラージパツケージ化
されてもゲレン変動のない均一なラツプを巻取る
ことができ、製品品質を極めて向上せしめること
ができるという優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は巻取り開始時の要部縦断拡大図、第
３図は巻取り完了時の要部縦断拡大図である。 １……巻取りドラム、２……ラツププレート、
６……スプール、７……回転軸、８……スプライ
ン軸、９……第１歯車、１８……第２歯車、２０
……摺接ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 巻取りドラム上で一対のラツププレートによ
   り挾持されたスプールに複数のスライバまたはラ
   ツプを巻取るようにしたラツプマシンにおいて、 前記ラツププレートを前記巻取りドラムの周速
   と同速で積極回転せしめることを特徴とするラツ
   プ形成方法。 ２ 巻取りドラム上で一対のラツププレートによ
   り挾持されたスプールに複数のスライバまたはラ
   ツプを巻取るようにしたラツプマシンにおいて、 前記ラツププレートの片側もしくは両側に摺接
   する回転可能な摺接ローラと前記巻取りドラムの
   回転軸とを回転運動伝達機構を介して連繋せしめ
   たことを特徴とするラツプ形成装置。 ３ 前記ラツププレートに対する前記摺接ローラ
   の摺接点を前記巻取りドラムの円周に対応する位
   置に設定したことを特徴とする特許請求の範囲第
   ２項記載のラツプ形成装置。 ４ 前記摺接ローラをコイルスプリングを介して
   常時摺接方向に付勢せしめたことを特徴とする特
   許請求の範囲第２項または第３項記載のラツプ形
   成装置。