JPH0135739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ミシン針および下ルーパーと交錯
状に作動して布の縁かがり縫を行う上ルーパーを
１針２本糸かがりと１針３本糸かがりとに切り換
えられるようにしたオーバーロツクミシンの上ル
ーパー装置に関する。

従来の技術 ミシン針の昇降に同調して作動する上ルーパー
２と下ルーパーをミシンのベツド部に備えたこの
種のオーバーロツクミシンは、上、下のルーパー
にそれぞれループ糸を通して１針３本糸の縁かが
り縫を行う場合と、下ルーパーのみにループ糸を
通して、そのループ糸を上ルーパーの糸掛部に糸
受けさせる１針２本糸の縁かがり縫を行う場合と
がある。従来のオーバーロツクミシンにおいて
は、上ルーパーに沿つて揺動を可能にした掛止片
を設け、１針３本糸かがりのときにはこの掛止片
を非作動位置に回避させておき、１針２本糸かが
りのときには掛止片を上ルーパーに沿わせて先端
に設けた糸掛部を上ルーパーに接しさせることに
よつて下ルーパーのループ糸の糸受けを形成させ
るように切換手段を備えていた（例えば特公昭56
−13478号公報、実開昭57−15386号公報、同60−
18771号公報、同60−18772号公報）。

考案が解決しようとする問題点 上記従来のミシンに付設されている上ルーパー
装置は、上ルーパー軸に固定される上ルーパーと
は別に形成した前記掛止片を上ルーパーの基部ま
たは上ルーパーホルダーに対し、支点軸を介して
揺動可能に取り付けるように構成していたので、
支点軸の分だけ部品点数が増え、組立て上に手数
を要する上に、使用時における掛止片の位置が不
安定になり易いという欠点があつた。そのため
に、構造が簡単で切り換え操作が容易にかつ確実
に行えるようにオーバーロツクミシンの上ルーパ
ー装置を改良することが望まれていた。

問題点を解決するための手段 そこで本考案は、ミシン針および下ルーパーと
交錯状に作動して布の縁かがり縫を行う上ルーパ
ーを１針２本糸かがりと１針３本糸かがりとに切
り換えられるように設けたオーバーロツクミシン
の上ルーパー装置において、上ルーパー軸に、糸
通孔と糸掛部とを具えた１針３本糸かがり用の上
ルーパーを固定し、この上ルーパーとは別に、先
端に上記糸通孔に嵌合する掛止突起を具え、基端
部に、上記上ルーパーの基部の両側に嵌合する断
面コ字形の嵌合部と、上記基部の側面に弾性的に
凹凸の係合をして上記嵌合部を掛止する掛止部を
具え、上縁部先端に糸掛部を設けた１針２本糸か
がり用の上ルーパーを形成し、この上ルーパーを
上記掛止突起と嵌合部と掛止部とを介して前記１
針３本糸かがり用の上ルーパーに対し、着脱自在
に備えたことを特徴とするオーバーロツクミシン
の上ルーパー装置を提供するものである。

作 用 上記のように本考案上ルーパー装置は、１針３
本糸かがり用の上ルーパーと１針２本糸かがり用
の上ルーパーとを個別に製作し、前者を上ルーパ
ー軸に固定し、後者を前者に対して着脱すること
によつて縁かがり縫を切り換えるようにしたの
で、掛止片の支点軸を省いて構造が簡単になる。
また、１針２本糸かがり用の上ルーパーは、１針
３本糸かがり用の上ルーパーに形成されている糸
通孔と基部とにそれぞれ嵌合する掛止突起と嵌合
部と掛止部とを介して着脱するので、切り換え操
作を容易にし、かつ、確実に行える。

実施例 以下に本考案の実施例を図面について説明す
る。

図において、１は従来公知の構造を具えて作動
を行う上ルーパー軸、２はこの上ルーパー軸１の
上端に止めねじ３によりＬ字形の基部２′を固定
された１針３本糸かがり用の上ルーパー、４はこ
の上ルーパー２に設けた上ループ糸ｂの糸通孔、
５は第１図に示すように図示省略の下ルーパーが
形成するループ糸ａを糸受けする糸掛部、６は上
記上ルーパー２とは別に形成した１針２本糸かが
り用の上ルーパーである。この上ルーパー６は、
第１図に示すように、先端に横向きに突出する掛
止突起７を具え、基端部に断面コ字形の嵌合部８
と、前記基部２′に設けた丸孔９に弾性的に凹凸
の係合をする半球形の掛止部１０とを具え、第２
図に示すように、掛止突起７を糸通孔４に、嵌合
部８と掛止部１０を基部２′にそれぞれ嵌脱させ
ることにより、１針３本糸かがり用の上ルーパー
２に対し着脱するように構成されている。１１は
この上ルーパー６の上縁部先端に形成され、第２
図に示すように１針２本糸かがりの場合に下ルー
パーが形成するループ糸ａを糸受けする糸掛部で
ある。なお図中、１２は前記基部２′の上端に形
成した嵌合位置決め突起である。

この上ルーパー装置は、オーバーロツクミシン
を１針３本糸かがりに用いる場合には第１図に示
すように１針２本糸かがり用の上ルーパー６を分
離し、１針２本糸かがりに用いる場合には第２図
に示すように１針３本糸かがり用の上ルーパー２
に１針２本糸かがり用の上ルーパー６を一体に重
ね合わせて用いる。

考案の効果 前記のように構成し、上記のように用いられる
ようにした本考案によれば、糸通孔と糸掛部とを
具えた１針３本糸かがり用の上ルーパーとは別に
形成した１針２本糸かがり用の上ルーパーを着脱
することによつて縁かがり縫が切り換わるので、
その切り換え操作が簡単で、かつ、確実に行われ
る。また、固定されている一方の上ルーパーに対
する１針２本糸かがり用の上ルーパーの装着は、
先端の掛止突起および基端部の嵌合部と掛止部を
１針３本糸かがり用の上ルーパーの糸通孔と基部
とに嵌合することによつて行われるので、掛止片
の揺動により切り換えるようにしていた従来装置
に比べて、支点軸の付設を省くことができて部品
点数を減らすとともに、上記上ルーパーの装着位
置の保持を強固にするという実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
１針３本糸かがりを行う、使用状態と共に示す分
解斜視図、第２図は１針２本糸かがりを行う使用
状態の斜視図、第３図は１針２本糸かがり用の上
ルーパーの基端部の縦断面図である。 １……上ルーパー軸、２……１針３本糸かがり
用の上ルーパー、３……止めねじ、４……糸通
孔、５……糸掛部、６……１針２本糸かがり用の
上ルーパー、７……掛止突起、８……嵌合部、９
……丸孔、１０……掛止部、１１……位置決め突
起、ａ，ｂ……ループ糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミシン針および下ルーパーと交錯状に作動して
   布の縁かがり縫を行う上ルーパーを１針２本糸か
   がりと１針３本糸かがりとに切り換えられるよう
   に設けたオーバーロツクミシンの上ルーパー装置
   において、上ルーパー軸１に、糸通孔４と糸掛部
   ５とを具えた１針３本糸かがり用の上ルーパー２
   を固定し、この上ルーパー２とは別に、先端に上
   記糸通孔４に嵌合する掛止突起７を具え、基端部
   に、上記上ルーパー２の基部２′の両側に嵌合す
   る断面コ字形の嵌合部８と、上記基部２′の側面
   に弾性的に凹凸の係合をして上記嵌合部８を掛止
   する掛止部１０を具え、上縁部先端に糸掛部１１
   を設けた１針２本糸かがり用の上ルーパー６を形
   成し、この上ルーパー６を上記掛止突起７と嵌合
   部８と掛止部１０とを介して前記１針３本糸かが
   り用の上ルーパー２に対し着脱自在に備えたこと
   を特徴とするオーバーロツクミシンの上ルーパー
   装置。