JPH0134748B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は工作機械における切削工具の最適位置
に切削液を吹きつけるように切削液ノズルの方向
を制御する切削液吹付装置に関するものである。

複数の形状寸法の異なる工具を自動的に工具交
換しながら連続的に加工を行なう工作機械におい
ては、それぞれの工具について最適の位置へ切削
液を供給する必要がある。そのためには、工具の
長さや径が変るたびに切削液吹付ノズルの吹付方
向を変えなければならない。従来は作業者が工具
が変る度にノズルの位置を変更して切削液が最適
位置に吹き付けられるようにしている。このこと
は省力化、省人化を目的として開発された工作機
械において尚作業者の手作業を必要とするという
大変不合理な面が残されていた。

このような問題を解決しようとして切削液の吹
出方向を自動的に制御する装置も提案されはじめ
た。しかし、今までの提案では工具の長さ等のサ
イズをあらかじめ制御装置に記憶させておき、加
工時に指令された工具番号により、工具のサイズ
を記憶装置より取り出して演算部においてノズル
の吹出方向を演算し吹出装置に制御指令を与えて
制御するというものであつたが計算による角度の
指定では必ずしも最適な位置へ切削液を吹きつけ
ることが出来ないという問題があつた。

本発明では上記の問題を解決し、できるだけ制
御が簡単で安価な尚最適な位置への切削液の供給
が可能な切削液吹付装置を提供することを目的と
している。

本発明の詳細を図に示す実施例により説明す
る。

図において、工作機械の適当する位置、例えば
主軸ヘツドａには主軸ｂが普通の態様で設けられ
ており、該主軸ｂに切削工具ｃが保持される。主
軸ｂの回転及び昇降動により加工物ｄに対する切
削加工が行なわれる。

主軸ヘツドａには支柱ｊが固定され、該支柱ｊ
に回転アクチユエータｈが支持されている。回転
アクチユエータｈの出力軸に切削液ノズルｅが固
定されている。回転アクチユエータｈを駆動する
ことにより切削液ノズルｅが上下に傾動され切削
液の吹付角度が変化する。

回転アクチユエータｈの出力軸の回転角度、す
なわち切削液ノズルｅの傾倒角度は角度検出器ｆ
により角度に比例した電圧として取り出される。

工具ｃの長さや径が変ると、加工物ｄを工具ｃ
により切削する際に切削液の最適吹付位置自身が
変ると共に切削液ノズルｅの吹付位置と最適吹付
位置との相対位置が変るため、切削液ノズルｅの
吹付け方向、すなわち吹付け角度を変えないと最
適吹付位置に切削液を吹付けることができないこ
とになる。これに対処するために回転アクチユエ
ータｈを用い切削液ノズルの吹付角度を変えるよ
うにする。最適吹付位置への切削液吹付角度は各
工具に応じて固定的に設定することができる。そ
こで自動連続加工工程に入る前に各工具毎に切削
液ノズルの吹付角度を選定し記憶させておけば、
工具が変る毎に自動的に切削液ノズルの角度を調
節する装置を用いることにより何等手作業を必要
とすることなく連続自動加工が実施できる。

加工作業に先立つて作業者はプレイバツク操作
用操作盤ｐの切削液ノズル回転用スイツチにより
回転アクチユエータｈを駆動することにより、各
工具について切削液ノズルを最適吹付位置に切削
液を吹付けることができる吹付角度へ移動する。
選択された切削液ノズルの吹付角度は角度検出器
ｆ例えばポテンシヨメータよりの電圧信号として
アナログデジタル変換器ｋに入力され、デジタル
信号に変換され、制御部ｍに送られる。制御部
ｍ、例えばマイクロコンピユータにおいて切削液
ノズルの吹付角度を表すデジタル信号とそのとき
の工作機械の数値制御装置より指令されている工
具番号を示す信号とが読み込まれ、その指令され
た工具に対するデータとしてメモリーｎに記憶さ
れる。

使用される全ての工具に対して切削液ノズルに
ついてのデーターが記憶されると、工作作業時に
工作機械の数値制御装置ｑより工具番号の指令が
出されたとき、制御部ｍにおいてメモリーｎから
指令された工具に対応したデータを読み出し、そ
のときアナログデジタル変換器ｋを通して入力さ
れている切削液ノズルｅの角度信号との比較演算
を行ない、角度にずれがあるときは駆動ユニツト
ｒを通して回転アクチユエータｈを駆動するモー
タｇに回転方向と回転駆動を指令する信号を送
る。回転アクチユエータｈの回転によりアナログ
デジタル変換器ｋを通して送られてくる角度信号
がメモリーｎより読み出されたデーターと一致す
るまでモーターｇに対する回転指令が続けられ、
一致したところで回転指令が解消されモーターｇ
は停止する。斯くして切削液吹付ノズルはそのと
きの工具に対して設定された吹付角度に工具が変
る度に自動的に調節される。

駆動モータとしてパルスモータを使用するとき
はノズルの位置をパルス数で直接メモリーに記憶
することができるので角度検出器ｆやアナログデ
ジタル変換器ｋを省略することができる。

最初に作業者により入力された切削液吹付ノズ
ルのデータは次に作業者が手動操作により切削液
ノズルの吹付角度を変更するデーターを送るまで
メモリーｎに記憶保持され常に各工具の最適吹付
位置に切削液を吹付けるノズルの吹付角度が得ら
れる。

切削液ノズルの吹付角度を変更したい場合、工
具を取替えて新しい工具に対する切削液ノズルの
吹付角度のデーターを記憶させたい場合には、い
つでも作業者が操作盤ｐより制御部ｍを介して駆
動ユニツトｒに信号を送りモーターｇを回転して
ノズルの角度を変更するか新しい角度選定を行な
い、メモリーｎに前記と同様に記憶させることに
より随時切削液ノズルの吹付角度の変更や新しい
工具についての工具番号と切削液ノズルの吹付角
度等のデーターの記憶を行なうことができる。

本発明により、操作盤よりの信号に基づく制御
部の信号、例えばパルス信号によりモータを駆動
制御して切削液ノズルの吹付角度位置を設定する
ことと、更に、モータの駆動による切削液ノズル
の位置に関するアナログ信号又はパルス信号をフ
イードバツクし、制御部において目標値と比較し
て切削液のノズルの位置決めすることとが行なわ
れることができる。

このことが本発明により、ノズル角度がプレイ
バツク方式により各工具番号と共に記憶されるの
で、各工具について作業者の目視により最適位置
へ切削液を吹付けるようにノズルの角度を設定し
そのデータを記憶し、その記憶したデータに基づ
いて各工具毎にノズル角度を調整することができ
る。本発明により実際にノズルを動かして得たデ
ータによりノズルの位置調整をすることができ、
従来のような各工具に対する角度指示のためにプ
ログラムを変更する必要もなく、しかもプレイバ
ツク方式であるので、各工具について切削液吹付
角度条件が変つても、そのたびに吹付角度の調整
し直しを、工作機械のNCプログラムを変更する
ことなしに、加工動作中に行なうことができる。

従来１つの工具についての加工条件をプレイバ
ツク方式により設定記憶することは行なわれた
が、工具が変るたびに加工条件を設定し直す必要
があつたのに対し、本発明では複数の工具につい
ての条件を設定記憶し、数値制御装置よりの信号
により簡単に調整することが可能になつた。

制御装置にマイクロコンピユータを使用するこ
とによりコンパクトで信頼性の高い装置が得られ
た。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る装置の説明図である。 ａ……主軸ヘツド、ｂ……主軸、ｃ……切削工
具、ｄ……加工物、ｅ……切削液ノズル、ｆ……
角度検出器、ｇ……モーター、ｈ……回転アクチ
ユエータ、ｋ……アナログデジタル変換器、ｍ…
…制御部、ｎ……メモリー、ｐ……プレイバツク
操作用操作盤、ｑ……数値制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 工作機械の主軸ヘツドに取付けられた回転ア
   クチユエータと、該回転アクチユエータの出力軸
   に取付けられた切削液ノズルと、前記回転アクチ
   ユエータを回転駆動するモータと、該モータと工
   作機械の数値制御装置に接続される制御部と、 該制御部に接続されるプレイバツク操作用操作
   盤及びメモリーと、前記制御部に接続され該制御
   部よりの信号により前記モータを駆動制御する駆
   動ユニツトとを有し、 プレイバツク操作時には、プレイバツク操作用
   操作盤からの信号に基づく制御部よりの駆動制御
   信号によりモータを駆動して切削液ノズルの位置
   を設定し、そのときの工具番号と、前記モータよ
   りの信号による切削液ノズルの位置のデータとを
   メモリーに記憶し、 工作時には、数値制御置よりの工具番号指令に
   応じて制御部はメモリーから読取つた該当するデ
   ータと、モータよりの位置信号による切削液ノズ
   ルの現在の吹付角度位置のデータとを比較演算
   し、比較演算により得られた駆動制御信号を駆動
   ユニツトに送り、モータを駆動して切削液ノズル
   を記憶している吹付角度位置に位置決めすること
   を特徴とする工作機械の切削液ノズル装置。