JPH0130251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は自動車のサンルーフ開口に生ずる渦
巻風の防禦技術の分野に属する。

而して、この考案は自動車のルーフパネルに設
けた方形のサンルーフの開口部に対してスライド
ルーフが開閉自在に設けられており、開放状態の
該スライドルーフに対向してサンルーフの開口部
の基部に設けられた渦風防禦用のウインドデフレ
クタのデフレクタパネルが旋回起立してデフレク
タ機能を果すようにされ、スライドルーフ閉鎖状
態では旋回倒伏して格納されるようにしたウイン
ドデフレクタ開閉装置に関する考案であり、特
に、上記サンルーフ開口部の下側に周設したハウ
ジングの前部に横設したピンに枢支された起伏板
が前後方向旋回自在に横設され、該起伏板の側端
上面に該上面に沿つて他のピンを介して旋回動自
在にデフレクタパネルの前部が枢支され、一方、
上記ハウジングの前部よりは後方に別のピンを介
して枢支されスライドルーフに一体のスライダを
介して該スライドルーフに連係可能な前後方向に
延設されたアームの前端が該デフレクタパネルの
後部に球面軸受を介して接合されているサンルー
フウインドデフレクタ開閉装置に係る考案であ
る。

〈従来技術〉 近時自動車、就中、乗用車に於いては採光、大
量換気、広角展望等の多機能をサンルーフを介し
て具備するようになつてきている。

而して、該サンルーフは一般にルーフパネルに
方形の開口部を設け、これにスライドルーフを進
退自在、開閉可能に設けている。

さりながら、スライドルーフを開放状態にする
と、車走行の関係上外気の車内への巻込み、車内
空気の巻出し現象が生じて所謂ウインドスロツプ
となり、これは乗員、特に、運転者にとり不快で
あり、運転に支障をきたしかねない不具合があつ
た。

これに対処するに、開口基部端縁にデフレクタ
パネルを設けてウインドスロツプを防禦するよう
にしたウインドデフレクタ技術が案出採用されて
きている。

而して、ウインドデフレクタには一般に２種の
タイプがあり、その１つは１枚のデフレクタパネ
ルを全幅方向に亘つて設け、両側でアームに連結
させ、スライドルーフの前後動に伴つてアームの
回動を介して該デフレクタパネルを起伏させ、偏
風機能をもたせ、格納自在であるようにされてい
る。

又、他に１つはサンルーフ開口の前端縁の両側
に１対のデフレクタパネルを設け、アーム介装等
の手段を設けず、直接スライドルーフで引き起こ
し、押し倒しを行い、偏風、格納するようにされ
ている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、いづれにしても上記各ウインド
デフレクタのデフレクタパネルはそれ自体が平板
状にされて蝶番を介して回動起伏するようにされ
ており、したがつて、デフレクタとしての偏風機
能を充分発揮させるためには相当のデフレクタパ
ネルスペース、即ち、高さを有さねばならず、そ
の結果、大きな格納スペースを要する欠点があ
り、限られたスペースの空間にそれだけの格納ス
ペースをとられることは設計上難しい難点があつ
た。

この考案の目的は上述在来技術に基づく自動車
のサンルーフ開口に対するウインドデフレクタの
サイズ、格納の問題点を解決すべき技術的課題と
し、設計上望ましい充分な広さのデフレクタパネ
ルを許容出来、しかも、格納スペースが狭少であ
ることも出来るようにし、かかる二面性を相互に
保証することが可能であるようにして自動車産業
における採光技術利用分野に益する優れたサンル
ーフウインドデフレクタ開閉装置を提供せんとす
るものである。

〈課題を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述課題を解決する
ために、自動車のルーフパネルに設けたサンルー
フの開口部に開閉自在に設けられたスライドルー
フに対向して該開口部の基部に旋回起状自在に設
けられたデフレクタパネルを有するウインドデフ
レクタの開閉装置であつて、上記サンルーフの開
口部の下部に周設したハウジングの前部に横設し
た起伏板が該ハウジングに横設されたピンに旋回
自在に枢支され、該起伏板の上面にデフレクタパ
ネルがその基部を他のピンを介して枢支され該上
面に沿つて旋回動自在にされると共に該他のピン
よりは幅方向外側に位置し、上記ハウジングの前
部よりは後方に後端を別のピンを介して枢支され
たアームの前端に球面軸受を介して先端部が旋回
動自在に枢支されて設けられ、而して該アームに
上記スライドルーフが該スライドルーフに設けた
スライダを介して連係されているサンルーフウイ
ンドデフレクタ開閉装置としたものである。

〈作用〉 而して、自動車のサンルーフの開口部の下部に
設けられたハウジング前部に横設したピンに枢支
されて起伏倒伏自在な起伏板の端部に基部を他の
ピンに枢支されたデフレクタパネルがハウジング
の前部よりは後方に基部を別のピンに枢支された
アームにスライドルーフが該スライドルーフに一
体のスライダを介して係合され、該スライドルー
フが後退して開口部が開放されると、該アームが
旋回して起立し、該アームの先端にデフレクタパ
ネルの後部が球面軸受を介して枢支されているこ
とにより、該デフレクタパネルは上記起伏板に横
設されたピンを中心に起立し、又、該デフレクタ
パネルは該起伏板に沿つても旋回起立し、最終姿
勢は設計通りのものになつて偏風機能を発揮し、
閉蓋時はその逆の操作によりスライドルーフを閉
じた状態でデフレクタパネルは水平姿勢にハウジ
ング内に、即ち、狭少空間内に格納することが出
来るようにした技術的手段を講じたものである。

〈実施例〉 次にこの考案の１実施例を図面に基づいて説明
すれば以下の通りである。

１はこの考案の要旨を成すサンルーフのウイン
ドデフレクタ開閉装置であり、自動車のルーフパ
ネル２のサンルーフ３の開口部４の下側に該開口
部４に周設したハウジング５に設置されている。

又、６はスライドルーフであり、開口部４を開
閉可能にされ、その前端にはスライダとしての半
球状の押圧ブロツク７を下向きに有するブラケツ
ト８が一体的に設けられている。

而して、ハウジング５の前端に横設した軸受９
の両端に横設したピン１０，１０を介して起伏板
１１が垂立、倒伏自在に枢支されており、各端部
には他のピン１２を介してデフレクタパネル１３
の基端が倒伏板１１の面に沿つて固設され、旋回
自在にされており、その先端にはピン１４が一体
的に延設されている。

一方、ハウジング５の側部後方に固設したブラ
ケツト１５に別のピン１６を介してアーム１７の
基端が旋回動自在に枢支され、その先端には球面
軸受１８が設けられてデフレクタパネル１３の端
部に延設されたピン１４を挿通して支承してい
る。

尚、１９は弾圧バネであり、ハウジング５とア
ーム１７との間に介設され、該アーム１７を上方
に付勢している。

上述構成において、作用を説明するが、説明の
都合上サンルーフ３の閉口状態から説明するに、
第４図に示す様に、スライドルーフ６を開口部４
を開いて後退させていくと、押圧ブロツク７がア
ーム１７上をスライドして随伴的に後退してい
く。

これに従い、弾圧バネ１９が該アーム１７を押
し上げ、ピン１６を中心に第３図に示す様に、上
向きに旋回上昇させていく。

したがつて、デフレクタパネル１３もピン１４
を介して該アーム１７の先端球面軸受１８に支承
されながら起立し、傾斜角度を増していくが、該
デフレクタパネル１３の基部がピン１２を介して
倒伏板１１に面接固定されているために該倒伏板
１１も一体随伴起立していく。

それと同時に第２図に示す様に、ピン１４も上
昇していくために、デフレクタパネル１３は倒伏
板１１面上に沿つて内向き寄りに旋回しながら上
昇していく。

したがつて、デフレクタパネル１３はサンルー
フ３の開口部４の前端縁寄りに近接していくと共
に立ち上つてき、第１，２図の状態を経て設定姿
勢に立設姿勢にされ、ウインドスロツプは防止さ
れる。

そして、サンルーフ３の閉鎖に際してはスライ
ドルーフ６を前方へスライドさせていくと、その
押圧ブロツク７がアーム１７に係合してこれを押
圧状態でスライドしていき下向きに押え込んでい
く。

このようにして上述操作とは逆操作が行われ、
デフレクタパネル１３は第４図に示す様に、水平
姿勢でハウジング５の前部に厚みも前後方向幅も
小さくされて格納される。

尚、この考案の実施態様は、上述実施例に限る
ものでないことは勿論であり、例えば、スライド
ルーフの側部に設けたローラをしてアームのノツ
チに係合させ、該アームを一体起伏させるように
したりする等種々の態様が採用可能である。

〈考案の効果〉 以上この考案によれば、デフレクタパネルはハ
ウジングの前部に横設されたピンを介して枢支さ
れた起伏板に対しその上面に沿つて他のピンを介
してその基部を旋回動自在に枢支され、スライド
ルーフに該スライドルーフに一体のスライダを介
して係合するアームの先端に球面軸受を介して後
部を支承されているようにしたことにより、スラ
イドルーフの進退に連係させてハウジングの前部
よりは後方に別のピンを介して枢支されたアーム
を起伏させると、デフレクタパネルはサンルーフ
開口部中央線に対して近接離反自在に旋回すると
共に前後方向にも起伏されるようになり、したが
つて、開口部より充分突出させてウインドスロツ
プを防禦出来、縮少姿勢で格納出来るため、デフ
レクタスペースも小さく出来る優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例の説明図であり、第
１図はデフレクタの起立状態側面図、第２図は同
正面図、第３図は起立中途状態の側面図、第４図
は格納状態側面図である。 ２……ルーフパネル、３……サンルーフ、４…
…開口部、６……スライドルーフ、１……ウイン
ドデフレクタの開閉装置、１３……デフレクタパ
ネル、５……ハウジング、１１……起伏板、１０
……横設されたピン、１２……他のピン、１６…
…別のピン、１７……アーム、１８……球面軸
受、７……スライダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のルーフパネルに設けたサンルーフの開
   口部に開閉自在に設けられたスライドルーフに対
   向して該開口部の基部に旋回起状自在に設けられ
   たデフレクタパネルを有するウインドデフレクタ
   の開閉装置において、上記サンルーフの開口部の
   下部に周設したハウジングの前部に横設した起伏
   板が該ハウジングに横設されたピンに旋回自在に
   枢支され、該起伏板の上面にデフレクタパネルが
   その基部を他のピンを介して枢支され該上面に沿
   つて旋回動自在にされると共に該他のピンよりは
   幅方向外側に位置し、上記ハウジングの前部より
   は後方に後端を別のピンを介して枢支されたアー
   ムの前端に球面軸受を介して先端部が旋回動自在
   に枢支されて設けられ、而して該アームに上記ス
   ライドルーフが該スライドルーフに設けたスライ
   ダを介して連係されていることを特徴とするサン
   ルーフウインドデフレクタ開閉装置。