JPH0129516B2 - - Google Patents

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JPH0129516B2
JPH0129516B2 JP19497785A JP19497785A JPH0129516B2 JP H0129516 B2 JPH0129516 B2 JP H0129516B2 JP 19497785 A JP19497785 A JP 19497785A JP 19497785 A JP19497785 A JP 19497785A JP H0129516 B2 JPH0129516 B2 JP H0129516B2
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JP
Japan
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adhesive
acid
ethylenic double
double bond
polyester resin
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JP19497785A
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JPS6257479A (ja
Inventor
Harumasa Yamazaki
Takashi Matsuse
Juichi Ueda
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP19497785A priority Critical patent/JPS6257479A/ja
Publication of JPS6257479A publication Critical patent/JPS6257479A/ja
Publication of JPH0129516B2 publication Critical patent/JPH0129516B2/ja
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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、電離性放射線硬化性ホツトメルト接
着剤に関するものである。更に詳しくは、接着
性、耐溶剤性、耐水性、耐熱性に優れた電離性放
射線硬化性の繊維用ホツトメルト接着剤に関する
ものである。 〔従来の技術〕 ホツトメルト接着剤は、接着速度が速く、冷却
後瞬時に強力な接着力が得られるという特徴を生
かして、近年、繊維業界に於いて、縫製工程の短
縮、仕上がりの均一化、合理化等の目的で接着芯
地等に多く用いられている(「ホツトメルト接着
の実際」、高分子刊行会、1979年)。 従来、この分野では、耐ドライクリーニング性
に優れているナイロン系接着剤、耐熱水洗濯性に
優れているポリエステル系接着剤等が用いられて
いる。また最近では、ポリエーテルエステル系の
接着剤が開発されている(特開昭54−153835)。 さらに、反応性を持つている接着剤としては、
エポキシ基、イソシアネート基あるいは活性シリ
ル基を有する反応性ホツトメルト接着剤が開発さ
れている。 従来、上記のようなホツトメルト接着剤を用い
て、熱圧着することによつて布の接着が行われて
いる。 また、ごく最近になつて、ポリエステル樹脂の
末端に、電子線に感応する二重結合を導入して成
る電子硬化性の樹脂が開発されている(特開昭59
−84919、特開昭58−32617号、特開昭58−
32618)。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来から布の接着に用いられてきた接着剤に
は、次のような問題点がある。即ち、現在市販さ
れている繊維用ホツトメルト接着剤は、耐熱性、
耐水性、耐溶剤性等を必ずしも満足し得るもので
はなく、ナイロン系接着剤は耐ドライクリーニン
グ性には優れているが耐熱水洗濯性には劣つてお
り、また、ポリエステル系接着剤は耐熱水洗濯性
に優れている点と風合いの良さの点から現在主流
となりつつあるが、耐ドライクリーニング性に劣
るという問題点を有している。また、これらの繊
維用ホツトメルト接着剤は、アイロンプレスの繰
り返しにより、接着強度の劣化、接着剤のにじみ
出しが起こるという問題を持つている。 これらの問題点を解決するために反応性を持つ
た接着剤が開発されているが、繊維用接着剤とし
ての適性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性のすべてに
ついて満足できる性能を持つ接着剤は得られてい
ない。即ち、反応型接着剤としてα―シアノアク
リレートの如き瞬間接着剤や、ジメタクリレート
の如き嫌気性接着剤が良く知られているが、これ
らは常温で液体であり、繊維用として使用すると
塗布の際ににじみ出しが見られ、繊維への用途に
は適していない。繊維用ホツトメルト接着剤とし
ては、常温で固体であるものが望ましいが、ポリ
エステル系やナイロン系の接着樹脂に二重結合を
含ませてラジカル開始剤による三次元化反応を行
わせようとすると、接着剤を二成分型としなけれ
ばならず、接着作業上不便である。また、反応性
のイソシアネート基や活性シリル基を有する反応
性接着剤が開発されているが、この種の接着剤
は、空気中の水分に対して極めて不安定であり、
保存安定性を欠いている。さらにまた、反応性を
持つ官能基であるエポキシ基を有する接着剤が開
発されているが、これを用いると接着剤を二成分
型としなければならず、接着作業に不便さが生じ
る。 以上のように、接着剤を用いて繊維材料の接合
を行う分野においては、用いられる接着剤につい
て多くの解決すべき問題点が残つている。 反応性ホツトメルト接着剤を繊維の接着に用い
ようとすれば、その接着剤は下記の(i)〜(iv)の条件
を満足するものでなければならないであろう。 (i) 接着後短時間で取り扱い可能な接着力を示す
こと。 (ii) 硬化後に再加熱した場合に熱溶解性を示さな
いこと。 (iii) 硬化後も柔軟性を失わず、耐ドライクリーニ
ング性、耐洗濯性に優れていること。 (iv) 長期保存安定性を持つこと。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の問題点、特に、従来用いられている接着
剤が、繊維用接着剤としての適性、耐熱性、耐水
性、耐溶剤性、耐熱水洗濯性、耐ドライクリーニ
ング性のすべてについて必ずしも満足できる性質
のものではないという点を解決するために、本発
明においては、繊維用の接着剤として電離性放射
線硬化性のポリエステル樹脂を採用した。 即ち、本発明は、1分子内に、アジリジニル基
を少なくとも1つ、及びエチレン性二重結合を有
する基を少なくとも1つ有する化合物を、1分子
内に少なくとも1個のエチレン性二重結合を有す
る不飽和ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基
に反応せしめて得られる末端及び内部にエチレン
性二重結合を有する不飽和ポリエステル樹脂であ
つて、その軟化点が60〜150℃の範囲であるもの
から成ることを特徴とする電離性放射線硬化性ホ
ツトメルト接着剤を提供するものである。 本発明において用いられる、1分子内に少なく
とも1個のエチレン性二重結合を有する不飽和ポ
リエステル樹脂とは、(イ)二価以上のポリカルボン
酸、エチレン性二重結合を有する二価以上のポリ
カルボン酸、および二価以上のポリオールの重縮
合物、あるいは(ロ)二価以上のポリカルボン酸のエ
ステル誘導体、及び、エチレン性二重結合を有す
る二価以上のポリカルボン酸のエステル誘導体
と、二価以上のポリオールとのエステル交換によ
つて得られる重縮合物である。 更に、これらにラクトン類及びヒドロキシカル
ボン酸を共重合させたものも使用できる。 二価以上のポリカルボン酸としては、例えば、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリ
メリツト酸、ピロメリツト酸等の三価以上の芳香
族ポリカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等の三価以
上の脂肪族ポリカルボン酸等を挙げることができ
るが、その酸無水物も使用することができる。二
価以上のポリカルボン酸のエステル誘導体とは、
上記のポリカルボン酸のエステル誘導体である。 本発明に用いられる不飽和ポリエステルのカル
ボン酸成分としては、上記の、芳香族ポリカルボ
ン酸あるいはそのエステル誘導体もしくはその酸
無水物、脂肪族ポリカルボン酸あるいはそのエス
テル誘導体もしくはその酸無水物、エチレン性二
重結合を有するポリカルボン酸あるいはそのエス
テル誘導体もしくはその酸無水物の中から選ばれ
る一種以上のものを任意に組合せて用いることが
できるが、エチレン性二重結合を有するポリカル
ボン酸あるいはそのエステル誘導体もしくはその
酸無水物を含ませることは必須である。エチレン
性二重結合を有するポリカルボン酸としては、マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン
酸、フエニレンジアクリル酸等を挙げることがで
きる。更に、ε―カプロラクトン、メチルバレロ
ラクトン類を共重合させることもできる。 エチレン性二重結合を有するポリカルボン酸成
分の全ポリカルボン酸成分中の割合は、ポリエス
テル1分子内に少なくとも1個のエチレン性二重
結合が含まれるようにすれば良い。それよりも少
ないと、電離性放射線を照射した場合に硬化の効
果が見られず、特に耐熱性の改善が見られない。
しかしながら、エチレン性二重結合を有するポリ
カルボン酸成分の割合が大きすぎると、ポリエス
テル製造時にゲル化が起こつたり、また、硬化後
の密度が大きくなつてガラス転移点が高くなり風
合いの悪い接着層を招く恐れもある。それ故、エ
チレン性二重結合を有するポリカルボン酸成分の
配合は、全カルボン酸成分の50mol%以下が好ま
しい。 本発明に用いられる不飽和ポリエステルのポリ
オール成分としては、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、1,2―ブタンジオール、1,3―ブタン
ジオール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,5―ペンタンジオール、1,
6―ヘキサンジオール等の二価アルコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリス
リトール等の三価以上のアルコールを挙げること
ができる。 1分子内に少なくとも1個のエチレン性二重結
合を有する不飽和ポリエステルは、上記の成分を
用いて、公知の方法で、重縮合触媒もしくはエス
テル交換触媒を用いて製造することができるが、
本発明に用いられるポリエステル樹脂は繊維用接
着剤として利用されるものであるので、接着時に
滲み出しがあつてはならず、それを防ぐ目的で樹
脂を高分子量化させる必要がある。滲み出しが起
こらないためには、接着温度における樹脂の粘度
が10000センチポイズ以上であることが好ましい。
樹脂を高分子量化させるためには、重縮合段階に
おいて、高温、高真空下で反応せしめれば良いの
であるが、本発明においてはエチレン性不飽和結
合を有するポリカルボン酸を使用するので、この
ような条件のもとでは、エチレン性不飽和結合を
有するポリカルボン酸あるいは生成した不飽和ポ
リエステルのエチレン性二重結合がラジカル重合
してゲル化が起こる恐れが生じる。それを防止す
るためには、ラジカル重合禁止剤を投入し、ま
た、エチレン性不飽和二重結合を有するカルボン
酸成分を全カルボン酸成分の50mol%以下にすれ
ばよい。 かくの如くにして得られる、分子内に少なくと
も1個のエチレン性二重結合を有する不飽和ポリ
エステルの軟化点は60〜150℃である。繊維用接
着剤は、スチームプレスあるいは熱プレスにより
接着されることが多いので、その軟化点は80〜
150℃であることが好ましい。150℃よりも高い温
度で接着すると、布地が劣化する恐れがあるの
で、接着剤の軟化点は80〜140℃であることがよ
り好ましく、最も好ましくは80〜120℃である。
樹脂の軟化点は、芳香族ポリカルボン酸、脂肪族
ポリカルボン酸及びエチレン性不飽和結合を有す
るポリカルボン酸の成分比を選ぶ事により、最も
好ましい温度に調節することができる。 樹脂の柔らかさは、ガラス転移点により測るこ
とができるが、このガラス転移点は室温以下であ
る事が好ましい。ガラス転移点が室温以上である
と、布を接着した後の布の風合いが悪くなるとい
う問題が生じる。このガラス転移点も上記カルボ
ン酸成分比を選ぶことによつて最も好ましい温度
に調節することができる。 該不飽和ポリエステル樹脂の末端はヒドロキシ
ル基あるいはカルボキシル基であるが、ヒドロキ
シル基は酸無水物を反応せしめることによりカル
ボキシル基に変性する事ができる。用いることの
できる酸無水物としては、例えば、無水フタル
酸、無水トリメリツト酸の如き芳香族酸無水物、
無水コハク酸、無水マレイン酸の如き脂肪族酸無
水物等の環状酸無水物を挙げることができる。 かくの如くにして得られた末端カルボキシル基
不飽和ポリエステル樹脂の酸価は10〜40KOH
mg/g、水酸基価は0〜10KOHmg/gである。 このものに1分子内にアジリジニル基及びエチ
レン性二重結合を有する基を持つ化合物を反応せ
しめ、本発明の末端及び内部にエチレン性二重結
合を有するポリエステル樹脂を得ることができ
る。 この際、重合禁止剤として、例えば、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノエチルエーテル、t
―ブチルハイドロキノン、2,5―ジ―t―ブチ
ルハイドロキノン、2,6―ジ―t―ブチルヒド
ロキシトルエン、2―メチルハイドロキノン等を
用いることができる。 本発明において用いることのできる1分子内に
アジリジニル基及びエチレン性二重結合を有する
基を持つ化合物としては、例えば次式() (但し、n=1〜6,m=0又は1,R1,R2
R3,R4はそれぞれ水素又は炭素数1〜4のアル
キル基である) で表される化合物を挙げることができる。このも
のの具体例としては、例えば、2―(1―アジリ
ジニル)エチルアクリレート、2―(1―アジリ
ジニル)エチルメタクリレート、2―〔1―(2
―メチルアジリジニル)〕エチルメタクリレート、
2―〔1―(2,2―ジメチルアジリジニル)〕
エチルメタクリレート、1―(1―アジリジニ
ル)メチルアクリレート、1―(1―アジリジニ
ル)メチルメタクリレート、3―(1―アジリジ
ニル)プロピルアクリレート、3―(1―アジリ
ジニル)プロピルメタクリレート等を挙げること
ができる。 本発明の末端及び内部にエチレン性二重結合を
有する不飽和ポリエステル樹脂は、例えば次のよ
うにして製造することができる。まず、末端カル
ボキシル基不飽和ポリエステルを150〜240℃で加
熱溶融せしめ、そのものへアジリジニル(メタ)
アクリレート、重合禁止剤の混合物を適下し、
150〜240℃で3〜5時間撹拌する。 このようにして得られる末端及び内部にエチレ
ン性二重結合を有する不飽和ポリエステル樹脂の
軟化点、ガラス転移点は、プレポリマーポリエス
テルとして第1段階で製造した1分子内に少なく
とも1個のエチレン性二重結合を有する不飽和ポ
リエステル樹脂と殆ど同じ温度を示す。 該不飽和ポリエステル樹脂は、電離性放射線硬
化性単量体やオリゴマーを含ませることなく、電
離性放射線を照射することにより硬化させること
が可能であるが、必要に応じて電離性放射線硬化
性単量体やオリゴマーを添加させる事もでき、繊
維用ホツトメルト接着剤としての好ましい性状で
ある固体状態を失わない限りにおいて添加する事
ができる。 また、本発明の電離性放射線硬化性ホツトメル
ト接着剤には、保存安定性向上の目的で、重合禁
止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を加えること
もできる。更に、該接着剤を粉末状で得ようとす
る場合、樹脂のガラス転移点が室温以下であると
樹脂の粉砕が難しい場合があるので、粉砕性改良
の目的でシリカ粉末等の無機粉末を0.5〜5重量
%の範囲で樹脂に添加することもできる。 上記のようにして製造される本発明の電離性放
射線硬化性ホツトメルト接着剤の軟化点は60〜
150℃である。また、軟化点より20℃高い温度で
の溶融粘度は、3000〜300000センチポイズであ
り、このような物性をもつ組成物は、繊維用の接
着剤として好適である。 該ホツトメルト接着剤を用いて布を接着する場
合の、接着剤の布上への載置もしくは付着方法
は、特に限定されず、公知の方法が用いられる。
溶融状態で塗布する場合には、既存のホツトメル
トアプリケーター、ホツトメルトコーターを使用
することができる。また、粉末状で塗布する場合
には、パウダーコーテイング方式、ドツトコーテ
イング方式、誘電塗布方式、感熱塗布方式等を用
いることができ、また、フイルムもしくはネツト
状で布上に載置することもできる。布上へ本発明
のホツトメルト接着剤を固着させる場合、フイル
ム状、ネツト状、くもの巣状、ランダムパウダー
状、ドツト状、ダツシユ状等の任意の形状をとら
せることができる。これらの形状の違いは、電離
性放射線による硬化の効果に影響は与えないが、
フイルム状、ネツト状を用いる時には接着剤層が
0.5mm以下であることが望ましい。接着剤層が0.5
mm以上になると、接着後の風合いが悪くなり、ま
た電離性放射線の透過率が悪くなり、高エネルギ
ーを必要とする。 溶融接着法は特に限定されず、ヒートプレスに
よる接着、超音波接着、赤外線による加熱接着、
その他の高周波エネルギーによる接着方法等の任
意の公知の方法を使用することができる。 このようにして得られた接着布に、電離性放射
線を照射することにより接着剤を三次元化せしめ
ることができる。電離性放射線としては、α線、
β線、γ線、X線、電子線等が挙げられるが、処
理速度の速さ、コストの低減等を考慮すると、電
子線を用いるのが最も好ましい。また、溶融接着
と電離性放射線の照射を同時に行うことも可能で
ある。電子線加速器の高電圧発生方式としては、
バン・デ・グラーフ型、コツククロフト・ウオル
トン変形型、絶縁鉄心型等のいずれをも使用する
ことができる。電子線加速器としては、スポツト
ビーム走査型、エリアビーム非走査型、エレクト
ロン・カーテン方式のいずれも使用可能である。
このような加速器から照射される電子線として
は、100〜500keVのエネルギーを有するものを
0.1〜50Mradの範囲の照射線量で用いるのが好ま
しく、さらに好ましい照射線量は0.1〜20Mradで
ある。このような電子線は、本発明の電離性放射
線硬化性接着剤を好適な状態に硬化せしめること
ができる。電子線照射量が0.1Mradよりも小さい
場合には、重合体の架橋の生成が不充分であり、
接着性、耐熱性、耐溶剤性等の改良が期待できな
い。また、電子線照射量が20Mradより大きい場
合には、重合体架橋密度が大きくなり、繊維用接
着剤として望ましい特性である柔軟性を欠くこと
になるし、布自体の性質が変化する原因になる恐
れがある。 接着後の接着層の硬化に際して紫外線を照射す
る方法も考えられるが、紫外線硬化法では、増感
剤を樹脂内に含ませる必要があり、また長時間の
紫外線照射が必要となり、かつ表面層しか硬化せ
ず、内部にまで硬化を促進させることが不可能
で、耐熱溶融性の点で問題がある。 〔実施例〕 以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。尚、実施例および
比較例中「部」とあるのは、特に断らない限り
「重量部」を表わす。 実施例 1 ジメチルテレフタレート500部、ジメチルイソ
フタレート500部、ジエチルフマレート332.5部、
ジメチルアジペート30部、1,4―ブタンジオー
ル956.8部、ジ―t―ブチル酸化スズ1部、2,
6―ジ―t―ブチル―4―メチルフエノール1部
をセパラブルフラスコに入れ、150℃に加熱、撹
拌し、エステル交換反応を行つた。その後、徐々
に温度を上昇し、220℃にまで上げた。この温度
で3時間撹拌しながら反応を進めた後、徐々に反
応系を減圧して真空に近づけ、220℃、0.3mmHg
の条件で重合反応を進行させた。 生成した樹脂の酸価が1.0KOHmg/g、水酸基
価が23.9KOHmg/gになつたところで反応系を
常圧に戻し、反応系の温度を180℃にまで降下さ
せた。次に温度180℃下で、この系に無水フタル
酸111部を添加し、5時間撹拌して、酸価が
21.0KOHmg/g、水酸基価が2.1KOHmg/gに達
した時点で反応系を20mmHgにまで減圧して1時
間撹拌した。その後、反応系を常圧に戻し、温度
を160℃にまで降下させた。そのものに2―メチ
ルハイドロキノン3部を溶かし込んだ2―(1―
アジリジニル)エチルメタクリレート(日本触媒
化学工業(株)製「ケミタイト(登録商標)MZ―
11」)121部を160℃下10分間かけて滴下した。そ
の後、160℃下で3時間撹拌し、酸価1.3KOH
mg/g、水酸基価0.9KOHmg/gとなつた時点で
反応系を20mmHgにまで減圧し、1時間撹拌した。
その後、系を常圧に戻し、末端及び内部にエチレ
ン性二重結合を有するアクリル変性不飽和ポリエ
ステル樹脂を得た。該ポリエステル樹脂の軟化点
は95℃、ガラス転移点は16℃であり、温度110℃
での溶融粘度は16500センチポイズであつた。 該ポリエステル樹脂を厚さ50μのシート状に成
型し、それをテトロン/綿(65/35)ブロード布
に挟み、熱圧着して接着した。接着条件は、温度
120℃、圧力200g/cm2、圧着時間20秒である。 このようにして得られた接着布に対して、
NHVキユアトロン(日新ハイボルテージ(株)製)
を用いて、加速電圧200kV、電子流5.4mA、ライ
ンスピード16.7m/分、照射線量3Mradの条件で
電子線照射を行い、硬化接着布を得た。この硬化
接着布に対してドライクリーニング試験、洗濯試
験を行つた後Tハクリ接着強度を測定した。その
結果を第1表に示した。尚、電子線照射前の接着
布についても同じ試験を行い、電子線照射前と照
射後の比較を行つた。
【表】 試験内容 ハクリ試験:22℃、引張り速度100mm/分 ドライクリーニング試験:パークレン中、25
℃、10分間浸漬×5回 洗濯試験:0.5%フレークマルセル石鹸水溶液
中、60℃(浴比1:50)、10分間浸漬×5回 第1表から明らかなように、電子線照射後の接
着布は、照射前のものと比較して接着力が向上
し、しかも、ドライクリーニング試験後、洗濯試
験後も接着力の低下は殆ど見られなかつた。ま
た、電子線硬化後の樹脂は、熱流動性を示さず、
軟化点は測定されなかつた。再加熱による接着剤
の滲み出しも観察されなかつた。 実施例 2 実施例1で得られた、末端及び内部にエチレン
性二重結合を有するアクリル変性不飽和ポリエス
テル樹脂を冷凍粉砕して分級し、平均粒径が70μ
の粉末を調製した。該ポリエステル樹脂の粉末
を、テトロン/綿(65/35)ブロード布上に、塗
布量が20g/m2となるように20ポイント/cm2でド
ツトコーテイングし、その上に同種布を重ね合わ
せ、熱圧着によつて接着した。接着条件は、実施
例1の場合と同じである。 このようにして得られた接着布に対して、
NHVキユアトロン(日新ハイボルテージ(株)製)
を用いて、加速電圧200kV、電子流5.4mA、ライ
ンスピード16.7m/分、電子線量3Mradの条件で
電子線照射を行い硬化接着布を得た。これらの硬
化接着布に対してドライクリーニング試験、洗濯
試験を行つた後、Tハクリ接着強度を測定した。
その結果を第2表に示した。尚、電子線照射前の
接着布についても同じ試験を行い、電子線照射前
と照射後の比較を行つた。試験条件は実施例1の
場合と同じである。
【表】 このように、接着剤の塗布形状を変えて塗布し
た場合、即ち、接着剤をドツト状に塗布して接着
した場合にも、電子線を照射することによつて、
接着力、耐ドライクリーニング性、耐水性ともに
改善される。 実施例 3〜7 第3表に示す成分を用いて実施例1と同方法に
より、不飽和ポリエステルを製造した。その後、
実施例1と同様に、無水フタル酸と反応せしめて
末端カルボキシル基の不飽和ポリエステルとし、
更に2―(1―アジリジニル)エチルメタクリレ
ートを反応せしめて、末端及び内部にエチレン性
二重結合を有するポリエステル樹脂を製造した。
【表】 得られた末端及び内部にエチレン性二重結合を
有するポリエステル樹脂の軟化点、ガラス転移
点、溶融粘度は下記の第4表に示す通りである。
【表】 第4表に示したように実施例3〜7の樹脂は、
いずれも繊維用ホツトメルト接着剤として好適な
物性を有している。 実施例3〜7の樹脂を、厚さ50μのシート状に
成型し、それをテトロン/綿(65/35)ブロード
布に挟み、熱圧着により接着した。接着温度は、
実施例3,4,5,6,7においてそれぞれ85,
130,90,110℃である。熱圧着時の圧力はいずれ
も200g/cm2、圧着時間は20秒である。 このようにして得られた接着布に対して、
NHVキユアトロン(日新ハイボルテージ(株)製)
を用いて、加速電圧200kV、電子流5.4mA、ライ
ンスピード16.7m/分、照射線量3Mradの条件で
電子線照射を行い、硬化接着布を得た。 これらの硬化接着布に対して、実施例1と同様
の方法でドライクリーニング試験、洗濯試験を実
施し、Tハクリ接着強度を測定した。その結果を
第5表に示した。尚、電子線照射前の接着布につ
いても同様の試験を実施し、電子線照射前と照射
後の比較を行つた。
【表】 第5表に示したように、実施例3〜7の何れの
場合にも電子線照射後は照射前に比べて接着力、
耐ドライクリーニング性、耐水性ともに改善され
ており、また、風合いも良く、本発明の接着剤が
繊維用ホツトメルト接着剤として最適であること
がわかる。また、電子線照射後は、実施例3〜7
の何れの樹脂も熱流動性が消失しており、接着布
に対しての再加熱による接着部位の劣化や、接着
剤の滲み出しは全く見られなかつた。 比較例 1 テレフタル酸 500部 イソフタル酸 500部 アジピン酸 220部 1,4―ブタンジオール 712部 ジ―t―ブチル酸化スズ 1部 をセパラブルフラスコに入れ、150℃に加熱し、
撹拌しながらエステル化反応を行つた。その後
徐々に温度を上昇させ、220℃まで昇温した。こ
の温度で3時間撹拌しながら反応を進めた後、
徐々に反応系を減圧して真空に近づけ、220℃、
0.3mmHgの条件で重合反応を進行させた。 その後、系を常圧に戻し、飽和ポリエステル樹
脂を得た。該ポリエステルの分子量は6000、軟化
点は95℃、ガラス転移点は5℃であつた。 このポリエステル樹脂を厚さ50μのシート状に
成型し、それをテトロン/綿(65/35)ブロード
布に挟み、熱圧着して接着した。接着条件は実施
例1の場合と同一条件である。 このようにして得られた接着布に対して、実施
例1の場合と同一条件で電子線照射を行つた。こ
のものに対してドライクリーニング試験、洗濯試
験を行つた後、Tハクリ接着強度を測定した。そ
の結果を第6表に示した。尚、電子線照射前の接
着布についても同じ試験を行い、電子線照射前と
照射後の比較を行つた。 比較例 2 比較例1と同様にして得られる飽和ポリエステ
ルに、実施例1と同様の方法で無水フタル酸を反
応せしめてポリエステル末端をカルボキシル基と
し、2―(1―アジリジニル)エチルメタクリレ
ートを反応せしめて末端にエチレン性不飽和結合
を導入した。 このようにして得られた末端にエチレン性二重
結合を有する不飽和ポリエステル樹脂の分子量は
6600、軟化点は95℃、ガラス転移点は10℃であつ
た。 この末端にエチレン性二重結合を有する不飽和
ポリエステル樹脂を用いて、比較例1と同様にし
て接着布を作製した。 この接着布に対して、実施例1の場合と同一条
件で電子線照射を行い、実施例1と同様のドライ
クリーニング試験、洗濯試験を行つた後、Tハク
リ接着強度を測定した。その結果を第6表に示し
た。尚、電子線照射前の接着布についても同じ試
験を行い、電子線照射前と照射後の比較を行つ
た。
〔発明の効果〕
本発明の、末端及び内部にエチレン性二重結合
を有する不飽和ポリエステル樹脂は、接着力、耐
溶剤性、耐水性、耐熱性ともに優れており、かつ
適度な柔軟性を有しているので、接着縫製分野に
於いて、広範に利用できる。例えば、半袖シヤツ
類の袖口縫い、スカートの裾まつり縫い、見返し
へのネーム付け等に利用することができる。 また、電離性放射線硬化性という点について言
えば、電子線を使用することにより、接着剤を短
時間で硬化させることができ、接着処理速度を著
しく速くすることができ、縫製工程の合理化に大
きく貢献することができる。さらに、目的物にエ
ネルギーを集中的に投入できるので省エネルギー
の点でも有効である。 さらに、本発明の樹脂は、繊維のみならず、電
離性放射線を透過する材料ならば、何れのものに
対しても用いることができ、金属、紙、プラスチ
ツク、木材等の接着にも応用が可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1分子内に、アジリジニル基を少なくとも1
    つ、及びエチレン性二重結合を有する基を少なく
    とも1つ有する化合物を、1分子内に少なくとも
    1個のエチレン性二重結合を有する不飽和ポリエ
    ステル樹脂の末端カルボキシル基に反応せしめて
    得られる末端及び内部にエチレン性二重結合を有
    する不飽和ポリエステル樹脂であつて、その軟化
    点が60〜150℃であるものから成ることを特徴と
    する電離性放射線硬化型繊維用ホツトメルト接着
    剤。 2 1分子内に、アジリジニル基を少なくとも1
    つ、及びエチレン性二重結合を有する基を少なく
    とも1つ有する化合物が、次式() (但し、n=1〜6,m=0又は1,R1,R2
    R3,R4はそれぞれ水素又は炭素数1〜4のアル
    キル基である) で表わされる化合物である特許請求の範囲第1項
    記載の電離性放射線硬化型繊維用ホツトメルト接
    着剤。
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