JPH0128018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、ガラス瓶のような破損し易い容器を保
持する保持機構付き紙箱に関するものである。

（従来の技術） 従来、破損し易いガラス瓶のような容器を搬送
する場合、それの破損を防ぐために緩衝効果のあ
る、例えば発泡ポリエチレンや片面ダンボール等
を巻いてから紙箱に詰めて包装しているが、緩衝
材を一々容器に巻きつけることは繁雑であり、作
業性がよくないところから、びん体の収納カート
ンとして、外側カートンと中仕切板とからなるブ
ランク板を折込むことによつて、２重壁構造にす
るとともに、中仕切板の上下に押圧片を設けて天
地方向の動揺、衝撃にも耐え得るようにしたもの
が、これまでに提案されている（実公昭55−5460
号）。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上記のような提案のものにあつて
は、びん体の天地方向からの衝撃に対してはとも
かくも、胴方向の４周からは必ずしも適切なもの
ではなかつた。

本案は、このように点に鑑みて案出されたもの
で、１枚のブランク板で組立てた２重構造の紙箱
において、内部に収納保持されるガラス瓶のよう
な破損し易い容器に対し、比較的に衝撃に弱い胴
方向からの外力を吸収緩和することを目的とする
ものである。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本案にあつて
は、１枚のブランク板で組立てた２重構造の紙箱
において、その内装壁の側板に帯片よりなる緩衝
用の突出固定片を形成することにより、問題点の
解決を図つている。

そして、その具体的な構成は、折畳みによつて
形成される蓋板、底板、側板とからなる外箱の１
つの側板に、外箱の各側板に添設され、かつこれ
が折畳みによつて形成される内装壁の１つの側板
を連設するとともに、成形された外箱の各側板に
内装壁の各側板を貼着し、内装壁の各側板の上下
にそれぞれ蓋板及び底板の折畳みによつて内装壁
内に突出して固定片を形成する帯片を連設すると
ともに、これらの各帯片の先端を、各蓋板及び底
板のそれぞれに貼着してなるものである。

（実施例） 以下、本案の実施例を図面について説明する。

第１図に示すものは、本案紙箱の打抜きによつ
て形成された１枚のブランク板であつて、１，
２，３，４はその外箱の側板であり、５，６，
７，８及び９，１０，１１，１２は各側板の上下
に折目線を介して連設された底部を構成する底板
及び蓋部を構成する蓋板である。

そのうちの底板６と蓋板１０は、紙箱の底部と
上部全面を覆う大きさに形成されている。

又、１３は側板１に折目線を介して連設された
糊付片である。

なお、この底板６と蓋板１０は、第１図に示す
糊付けタイプ、又は第１１図に示す舌片２６を孔
２７に差込み差込みロツクタイプのものでもよ
い。

側板４には折目線を介して内装壁の側板１４，
１５，１６，１７が連設されている。

各側板１４，１５，１６，１７の幅は、外箱の
側板の内法の寸法に合わせ、折目線は外箱の側板
の位置に一致するようにする。

又、側板１４，１５，１６，１７の下側及び上
側には、帯片１８〜２１及び２２〜２５が折目線
を介して連設されており、各帯片１８〜２１，２
２〜２５の先端は、底板５〜８及び蓋板９〜１２
に糊付けされる。

その糊付けに当たつては、組立てに際し、内装
壁内に帯片が突出して固定片を形成するような位
置に糊付けする。

すなわち、折目線ａ，ｂ，ｃを利用して、断面
Ｌ字形の固定片〔第１図イ、第２図乃至第４図参
照〕、又は折目線a′，b′，c′を利用して三角形〔第
１図ロ、第５図参照〕、更にa″，c″を利用して半
円状〔第１図ハ、第６図参照〕の固定片を形成す
るようにする。

本案のブランク板は、以上のように形成されて
いるが、組立てに当たつては、外箱の側板４及び
内装壁の側板１４同志の折目線ｄから折曲げて、
内装壁の側板１４，１５，１６，１７をそれぞれ
に対応する外箱の側板４，３，２，１に添装す
る。

そして、側板１７を側板１に糊付けする。

同様に、側板１６を側板２、側板１５を側板
３、側板１４を側板４に各々糊付けする。

又、帯片１８〜２１，２２〜２５の各先端をそ
れに対応した底板８〜５、蓋板１２〜９に糊付け
する。

以上のように、側板が４と１４，３と１５，２
と１６，１と１７の二重構造に形成された状態
で、外箱と内装壁を共に折目線を利用して内側に
巻き込みながら折畳み、糊付け片１３を側板４に
糊付けすることによつて紙箱の胴部を形成する。

かくして、通常のように、底板５〜８を折畳ん
で紙箱を形成する。

この底板５〜８の折畳みによつて、底板側の各
帯片１８〜２１は底板８〜５に糊付けられている
から内装壁内に断面Ｌ字形の固定片、又は三角
形、半円状の固定片を形成するように突出する。

そこで、この底板８〜５側の帯片２１〜１８の
固定片でガラス瓶ｇの側面を固定し、蓋板９〜１
２を通常のように折畳むと、蓋板側の各帯片２２
〜２５も蓋板１２〜９に糊付けされているから、
内装壁内に同様の固定片を形成するように突出し
て、ガラス瓶ｇの側面を周囲から押えるようにな
る。

したがつて、箱詰めされたガラス瓶ｇは、側面
の４方から帯片にて形成される固定片で保持され
た形となり、この固定片の緩衝作用による保護で
輸送中破損することはない。

（考案の効果） 本案は、１枚のブランク板で組立てた２重構造
の紙箱において、その外箱の側板と内装壁の側板
とが互いに貼着されており、内装壁の側板からの
各帯片は、各蓋板及び底板にその先端部をもつて
貼着いることにより、内方に突出した固定片を形
成しているから、この紙箱内にガラス瓶のような
破損し易い容器を収納包装した際、紙箱であるに
もかかわらず全体的に強度があり、比較的に衝撃
に弱い胴方向、すなわち側方からの外力に対して
は、帯片により形成された内方に突出の固定片に
よつて容器の側面胴部側を保持するから、これが
緩衝となつて、箱体の強度と相俟つて、その破損
を防ぐことができる。

そのとき、側方からの外力に対して、内部に突
出した固定片は、それを構成する帯片の先端部を
蓋板及び底板のそれぞれに貼着しているから、紙
箱は変形しにくくなり、緩衝効果を大きくしてい
る。

また、蓋の開閉によつて帯片からなる内方に突
出した固定片は、わずかに変形するだけであるか
ら、ガラス瓶等の容器の紙箱内への収納及びこれ
からの取出しは滑らかであつて支障をきたすこと
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハは本案紙箱のブランク板の全
体又は一部の展開図、第２図は本案紙箱の折畳状
態を示す斜視図、第３図は本案紙箱の折畳後の状
態を示す一部切断せる斜面図、第４図は本案紙箱
の組立完了状態の切断斜面図、第５図及び第６図
は同上の突出した固定片の変形にかかる斜視図、
第７図、第８図及び第９図はガラス瓶の箱詰め状
態を示す切断面図。第１０図は第１図とは異なる
ブランク板展開図である。 １，２，３，４……外箱の側板、５，６，７，
８……外箱の底板、９，１０，１１，１２……外
箱の蓋板、１４，１５，１６，１７……内装壁の
側板、１８〜２５……帯片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折畳みによつて形成される蓋板、底板、側板と
   からなる外箱の１つの側板に外箱の各側板に添装
   され、かつこれが折畳みによつて形成される内装
   壁の１つの側板を連設するとともに、成形された
   外箱の各側板に内装壁の各側板を貼着し、内装壁
   の各側板の上下にそれぞれ蓋板、及び底板の折畳
   みによつて内装壁内に突出して固定片を形成する
   帯片を連設するともに、これらの各帯片の先端
   を、各蓋板及び底板のそれぞれに貼着してなる保
   持機構付き紙箱。