JPH0127072Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロードセルに関し、特にはかりに用い
て小荷重を検出するのに適したロードセルに関す
る。

一般に、はかり用のロードセルは、皿上の荷重
の偏置誤差を除く為に、第１図に従来のロードセ
ルを示す如く、ロバーバル型のロードセルが用い
られる。このロバーバル型のロードセルは、長手
方向に２個所の可撓部１ａを持つた互いに平行な
２本の弾性はり部１の両端を、その弾性はり部１
に直交する互いに平行な２本の剛性はり部２で連
結して、平行四辺形の４つの頂点をなす位置に可
撓部１ａを配するロバーバル機構体を形成し、剛
性はり部２の一方をベース等に固着し、他方に荷
重Ｗを加えたときに生ずるロバーバル機構体の弾
性変形を、抵抗線歪ゲージ３によつて検出してそ
の荷重Ｗを電気的信号に変換する。このような従
来のロバーバル型ロードセルを用いてはかりを製
作した場合、はかりが小荷重のものになればなる
ほどロバーバル機構体の可撓部１ａの厚みｔを薄
くして感度をたかめる必用がある。その為、加工
が困難になるとともに破損しやすく、慎重に取り
扱わなければならない。しかも、薄い可撓部に抵
抗線歪ゲージを貼付けることになるから、歪ゲー
ジと接着材、更に防湿用コーテイング材等の弾性
力が可撓部の弾性に比べて無視できない大きさと
なり、ロードセルとしての精度に影響を及ぼすと
いう欠点がある。またロバーバル機構体の幅ｂを
狭くして感度を高めると、偏荷重に対する強度が
低下するという問題が生ずる。更に、偏置荷重を
完全になくする為にはロバーバル機構体の各可撓
部１ａが完全な平行四辺形の頂点をなす位置に配
される必要があるが、加工誤差の関係上、加工後
に、第１図の−断面を第２図に示す如く、可
撓部１ａの幅方向両端部（第２図中黒塗部）を削
り込んで修正がなされる。このことは、小荷重用
のロードセルになるほど可撓部１ａの厚みｔが薄
くなつており、偏荷重による弾性はり部１のねじ
りモーメントに対する強度が低下するとともに、
修正作業中に破損してしまうこともある。上述の
ねじりモーメントを考えると、可撓部１ａの幅方
向中央部を削り込んで修正を行う方が有利である
が、作業性及び性能上等からその実施は不可能で
ある。

本考案は上記に鑑みなされたものであつて、製
作が容易でしかも従来に比してより小荷重に感応
し得、偏置誤差の修正時に作業が容易で、かつ、
ねじりモーメントに対する強度に対しても有利な
小荷重用ロードセルの提供を目的とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図は本考案実施例の外観斜視図である。

長手方向に２個所の可撓部１１ａを備えてなる
互いに平行な２本の弾性はり部１１の両端を、そ
の弾性はり部１１に直交する互いに平行な２本の
剛性はり部１２，１２′で連結して平行四辺形の
４つの頂点をなす位置に可撓部１１ａを配するロ
バーバル機構体を形成し、そのロバーバル機構体
の一方の剛性はり部１２には固定用部材１３によ
つて、抵抗線歪ゲージ１４…１４を上下面に貼着
した起歪体１５の一端が固着されている。その起
歪体１５の他端にはバンド取付部材１６によつて
弾性バンド１７が固着され、その弾性バンド１７
の他端は、ロバーバル機構体のもう一方の剛性は
り部１２′に固着されている。各弾性はり部１１
の長手方向中心線上各可撓部１１ａには、計４個
の孔１１ｂが穿たれ、各可撓部１１ａはこの孔１
１ｂによつてその断面積が小さくなるよう構成さ
れている。この孔１１ｂは、必要とする感度に応
じてその直径が決定され、必要に応じて長孔とす
ることもできる。

次に、上述の本考案実施例をはかりに組み込ん
だ状態の正面図及び側面図をそれぞれ第４図ａ，
ｂに示し、作用を説明する。

ロバーバル機構体の一方の剛性はり部１２は、
はかりのベース２１に固着され、もう一方の剛性
はり部１２′はスプリングワイヤ２２を介して皿
受け２３が接続され、皿受け２３の上方には荷重
を載せる皿２４が設けられている。従つて、皿２
４上に荷重が載置されると、皿受け２３、スプリ
ングワイヤ２２を介して剛性はり部１２′を下方
に押圧してロバーバル機構体を変形せしめ、更に
その変形によつて弾性バンド１７を下方に引張り
起歪体１５に負荷を与え、抵抗線歪ゲージ１４は
その荷重に応じた信号を出力する。ロバーバル機
構体の各可撓部１１ａは、孔１１ｂによつてその
断面積を小さくしているので小荷重にもよく感応
する。また、この本考案のロードセルの偏置荷重
を修正するには、第５図に可撓部１１ａの断面図
を示す如く、孔１１ｂの近傍部（図中黒塗部）を
削り込めばよい。

第６図は本考案の他の実施例を示す外観斜視図
である。この実施例では、ロバーバル機構体を弾
性はり部の長手方向の中心線に沿つて左右に分割
し、その分割された各ロバーバル機構体３１，３
１′の各剛性はり部３２，３２′の間にスペーサ３
３，３３′を介して各ロバーバル機構体３１，３
１′を連結している。こうすることによつて、弾
性はり部３４に実質的に開口部３５を形成してい
る。

以上説明したように、本考案によれば、従来の
ロバーバル型ロードセルに比して可撓部の厚みｔ
を薄くすることなくロードセルの感度を向上する
ことができ、加工が容易でしかもより小荷重に感
応することができる。また、偏置誤差の修正作業
時においてもその作業性が向上するとともに、可
撓部の内側部分を削ることができるので、ねじり
モーメントに対してもその強度が向上される。更
に、従来のロバーバル型のロードセルのように、
直接歪ゲージを貼着せずに、起歪体に貼着してこ
れを組立てるよう構成したので、歪ゲージ貼着作
業が簡易化され、量産に供するに適した小荷重で
高精度なロードセルを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロバーバル型ロードセルの外観
斜視図、第２図はその−断面によつて示す偏
置誤差修正の説明図、第３図は本考案実施例の外
観斜視図、第４図はその本考案実施例を用いたは
かりの正面図ａおよび側面図ｂ、第５図は本考案
実施例の可撓部断面にて示す偏置誤差修正の説明
図、第６図は本考案の他の実施例の外観斜視図で
ある。 １ａ…可撓部、３…抵抗線歪ゲージ、１１…弾
性はり部、１１ａ…可撓部、１１ｂ…孔、１２，
１２′…剛性はり部、１４…抵抗線歪ゲージ、１
５…起歪体、１７…弾性バンド、２４…皿、３
１，３１′…分割されたロバーバル機構体、３３，
３３′…スペーサ、３５…開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 長手方向に２個所の可撓部を有してなる互い
   に平行な２本の弾性はり部と、その弾性はり部
   の両端部においてこれらを連結する互いに平行
   な、かつ上記弾性はり部と直交する２本の剛性
   はり部とからなり、上記各可撓部を平行四辺形
   の各頂点をなす位置に配設してなるロバーバル
   機構体と；そのロバーバル機構体の一方の剛性
   はり部に一端を固着し上下面に歪ゲージを貼着
   してなる起歪体と；その起歪体の他端と上記ロ
   バーバル機構体のもう一方の剛性はり部とを連
   結する弾性バンドと；からなり、上記弾性はり
   部に上記ロバーバル機構体の内方から外方に向
   かつて開口部を設けることによつて上記各可撓
   部の断面積を小さくして上記ロバーバル機構体
   の感度を高くするよう構成したことを特徴とす
   る小荷重用ロードセル。 (2) 上記開口部が上記弾性はり部の長手方向中心
   線上各可撓部に穿たれた４個の孔であることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の小荷重用ロードセル。 (3) 上記ロバーバル機構体を上記弾性はり部の長
   手方向に沿つて左右に分割し、その分割面の内
   剛性はり部においてスペーサを介して連結する
   ことによつて、上記開口部を形成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   小荷重用ロードセル。