JPH0126592Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は使用時に別種の２液を混合して用いる
用液、例えば毛染あるいはパーマネント等の整髪
における混合用液をつくり出す２液混合容器の改
良に関するもので、簡単な操作により２液を混合
することができ、かつ２液を混合した後はその容
器をそのまゝ整髪作業等に使用することができ、
しかも各容器の液密封止構造が簡単で封止が確実
であり、成形も容易であると共に、封止の破断も
容易、確実な２液混合容器を得ることを目的とす
るものである。

従来、毛染あるいはパーマネント等の整髪に使
用される混合用液は、別種の２液を混合する場
合、一方の容器の口から他方の容器にその口を介
して液を移注するのもであつて、液がこぼれたり
作業が面倒であつた。また別途容器を用意してお
き、適当量の２液混合を行なうことが考えられる
が、この場合には別途容器を準備せねばならず、
いずれにしろ面倒かつ不便なものであつた。

これを改善するため、実公昭57−43785号公報
に示されるものや実開昭49−25862号公報に示さ
れるものが提案されているが、前者は２枚のシー
ルを同時に破断するものであり、これ等のシール
は通常プラスチツクフイルムに金属箔が貼着され
たもので、大きな破断力を作用させる必要があ
り、２枚同時に破断するには相当強い力を作用さ
せる必要が生ずるし、また該シールは中心から花
弁状に裂開されるため、裂開したシールの基部と
容器壁との間に液の滞溜が生じやすく、この滞溜
液を流下させるために強く長い揺振を要し、操作
性が著しく悪い欠点がある。

また後者の実開昭49−25862号公報に示される
ものでは、収納筒内に別の筒体を摺動自在に嵌入
させ、該筒体を下方へ摺動させて、その突き刺し
杆で前記収納筒のシールフイルムを破断させるも
のであり、摺動自在に嵌め合わされている収納筒
と筒体とは液密な構造でなければ、保管、運搬中
に液漏れを生ずるので、その成形時の寸法精度は
著しく高くなければならず成形加工が著しく困難
となる欠点がある。

本考案は、上記の点に鑑み、簡単な操作によつ
て別種の２液を容易に混合することができ、かつ
２液を混合した後は、そのまま整髪作業等に使用
する用液容器とすることができ、成形が容易で封
止が確実であり、操作性もよい２液混合容器を提
供するものである。

以下図面に示す実施例に基づき本考案の構成を
説明する。

本考案の２液混合容器は第１図ないし第３図に
示すように、第１液が収容される第１の容器１
と、前記第１の容器の上方に配置され第２液が充
填される第２の容器２と、前記第１の容器と第２
の容器とを連結して１個のユニツト容器とする中
間筒部材３とより構成されている。

前記第１の容器１はその上半部が肩部４を介し
て胴部５より若干細径の口頚部６とされており、
該口頚部６の上端開口頂部７にはアルミ箔等の破
断可能な薄い第１のシート８が貼着されて封止さ
れている。これによつて第１液は第１の容器１内
に漏れることなく収容される。また口頚部６の上
端開口頂部７には後述する第２の容器に設けた第
２のシートを破断するためのシート破断部材９が
設けられている。このシート破断部材９は前記上
端開口頂部７に嵌着するための環状部材１０と該
環状部分１０の任意の位置において、第２の容器
２の下端開口部１４の開口縁内側に対応する位置
で上方側に突出して設けた爪状刃部材１１とより
形成されており、シート破断部材９は前記環状部
材によつて上端開口頂部７に回動不能に堅固に嵌
着されている。前記シート破断部材９はその環状
部材１０の内側面に突起（図示せず）を形成し、
かつ上端開口頂部７の外周面に前記突起を係止せ
しめる等の手段により回動不能に取付けてもよ
い。前記爪状刃部材１１は第３図中の点線で示す
ように先端が鋭利に形成され、かつ一方の端部か
ら他方の端部に行くに従つて傾斜（図示では左下
り傾斜）して形成されており、後述する第２のシ
ートを破断しやすいような形状とされている。

前記第１の容器１の口頚部６の下半部外周には
後述する中間筒部材３の下部と螺合しかつ該中間
筒部材３を下方に螺進せしめるための螺条１２が
形成されている。

前記第２の容器２は、その胴部１３の内径が前
記口頚部６の外径より大径に形成されており、該
胴部１３の下端開口部１４にはアルミ箔等の破断
可能な薄い第２のシート１５が貼設されている。
これにより第２液は第２の容器２内に漏れること
なく充填される。また第２の容器２は前記胴部１
３の上端よりノズル状に上方に延びる口部３１が
形成されており、かつその先端は前記第１液と第
２液を混合した後の混合用液の注出口１６とされ
ている。

また前記胴部１３の内部１７には、前記口頚部
６の内側に位置し、かつ第１の容器１の上端開口
頂部７の開口縁内側に対応する位置で、胴部１３
の上部より下端近くまで垂下された一枚の刃部材
１８が設けられている。この刃部材１８は第３図
に示すように円周方向に適宜の幅（円周に対して
略1/3程度）を有しており、その下端面１９は鋭
利でかつ前記第１の容器１側に設けたシート破断
部材９とは逆の傾斜（図示では右下り傾斜）を有
してテーパ状とされている。前記第２の容器２の
胴部１３の上端外周には螺条２０が、また胴部１
３の下部外周には係止用突条２１が形成され、さ
らに該係止用突条２１よりやゝ下方の外周には係
合用突条２２が形成され、該係合用突条２２の下
方外周には周方向に多数の係合縦条２３が突設さ
れている。

前記中間筒部材３は、中間部内周に内向きフラ
ンジ２４を介して前記第１の容器１の口頚部６の
上半部外周面に摺接する案内周壁２５が形成され
ている。また上部内周面には前記第２の容器２の
係合用突条２２に係合する係合凹溝２６が形成さ
れ、該係合凹溝２６の下方の内周面には前記第２
の容器２の下部外周に形成した各係合縦条２３に
係合する多数の係合縦溝２７が形成されている。
さらに前記案内周壁２５の下方の下半部内周に前
記螺条１２に螺合する螺溝３４が形成されてい
る。

前記中間筒部材３の下端周縁には飛び飛びの破
断片２８で連結されている短筒状の封印片２９が
連設されており、該封印片２９の下端面は前記第
１の容器１の肩部４上に位置されている。

前記第２の容器２の口部３１には封止部材たる
キヤツプ３０が被着されており、該キヤツプ３０
にはその上端内側に注出口１６を密封すべく突隆
３２を有し、また周壁下部内周には第２の容器２
の胴部９の上部外周に形成した螺条２０に係合す
る螺溝３３が形成されている。前記第２の容器２
はこのキヤツプ３０を嵌着することにより完全に
内部が密閉された状態となる。

上述のごとき、本考案の２液混合容器は、中間
筒部材３の上部内周面の係合凹溝２６に第２の容
器２の係合用突条２２が係合され、かつ係合縦溝
２７に係合縦条２３が係合されることによつて中
間筒部材３の上半部に第２の容器２の下半部が嵌
合装着される。さらに中間筒部材３の下半部には
第１の容器１の口頚部６の螺条１２が中間筒部材
３の螺溝に螺合されることにより第１の容器１が
中間筒部材３に装着される。これにより図示され
るように容器１および容器２は中間筒部材３を介
して連結され１個のユニツト容器とされている。

上述の結合状態において、中間筒部材３が、封
印片２９の除去によつて下方へ螺進できる移動可
能長さは、第１の容器１のシート破断部材９の爪
状刃部材１１と第２の容器２の第２のシート１５
との間隔並びに、第２の容器２の刃部材１８の下
端面１９と第１の容器１の第１のシート８との間
隔の何れよりも長くされている。本考案の２液混
合容器は前述の状態で輸送・保管・使用等の取扱
いがなされる。

上記構造を有する容器の２液混合する場合の作
用について説明すると、まず破断片２８を破断す
るこにより封印片２９を引き剥し、しかるのち中
間筒部材３を把持してこれを回動し第１の容器に
向つて螺動せしめる。しかるに第２の容器２は中
間筒部材３と一体に係合されているので、第２の
容器２は中間筒部材３と共に下方に移動する。該
移動によりまず第２の容器２のシート１５がシー
ト破断部材９で破断され、次いで第１の容器のシ
ート８が刃部材１８の先端で破断される。即ち、
シート１５の破断の行なわれたのちにシート８の
破断が行なわれるので一回の破断に要する力は、
シート１枚を破断する弱い力で足りることとな
る。

また、シート８，１５は、第１、第２の両容器
１，２の上端開口頂部７と下端開口部１４との各
開口縁内側に沿う円形状に破断されるので、容器
内壁と破断された各シートとの間に液の滞溜等を
生ずることがない。前記作用により第２の容器２
内の液が第１の容器１内に落下移注し、２液混合
が行なわれる。該混合液はキヤツプ３０を外すこ
とにより口部３１の注出口１６より注出して使用
されるものである。

本考案の２液混合容器は前述のごとき構成、作
用を有するもので、簡単な操作により確実かつ容
易に２液を混合することができ、かつ２液を混合
した後はその容器をキヤツプを外すだけでその
まゝ毛染あるいはパーマネント等の整髪作業等に
使用することができる。

さらに別種の２液を各々収容した各容器のシー
ル部のシートは、２液を混合するに際し、順に、
異なつた時点で、各々鋭利なシート破断部材、刃
部材で破断されるので、破断に要する力は弱い軽
い力で足りるし、シートの破断は、開口縁内側に
沿う円形状に行なわれるので、容器内壁と破断さ
れたシートとの間に液が滞溜することが無く、従
つて２液の混合のための揺振と云う簡単な操作
で、２液混合が速やかにかつ確実に行うことがで
きるというこの種の容器として格別なる効果を奏
するものである。また第１、第２の両容器とも第
１、第２の両シートで封止され、特に第２の容器
では刃部材８が第２のシートで封止された容器内
に垂設、固定されており、両容器とも、液密状態
を維持しながら相対移動する部材は皆無であるか
ら、各容器の寸法精度を緩くでき、成形が容易で
あり、また構造が簡単で比較廉価に提供できるに
も拘らず、液密の保持、シート破断の容易さ、確
実さは維持している等の諸効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案２液混合容器の半部縦断面図、
第２図は第１図における作用状態を示す図、第３
図は第２図における−線断面図である。 １：第１の容器、２：第２の容器、３：中間筒
部材、８：第１のシート、９：シート破断部材、
１５：第２のシート、１８：刃部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端開口部が破断可能な第１のシートで封止さ
   れ第１液が収容される第１の容器と、第１の容器
   の上部外周に下方に移動可能に嵌着された中間筒
   部材と、前記中間筒部材の上方に該中間筒部材と
   一体となつて下方に移動され、下端開口部が破断
   可能な第２のシートで封止されて第２液が充填さ
   れる第２の容器と、前記第２の容器の上方の注出
   口を密閉する封止部材とよりなり、前記第１の容
   器の上端には第２の容器の下端開口部の開口縁内
   側に対応した位置で、該第２の容器側に突出し、
   かつ鋭利な失端刃部を備えた爪状刃部材を有する
   シート破断部材が設けられ、第２の容器の内部に
   は、第１の容器の上端開口頂部の開口縁内側に対
   応した位置で、第２の容器の下端近くまで垂下さ
   れ、かつ鋭利な下端面を備えた刃部材が設けられ
   ており、前記中間筒部材の下方への移動可能長さ
   は、前記第１の容器のシート破断部材と第２の容
   器の第２のシートとの間隔並びに前記第２の容器
   の刃部材の刃先と第１の容器の第１のシートとの
   間隔より長くされており、前記第１液および第２
   液は第２の容器が中間筒部材を介して第１の容器
   側に移動した時、刃部材およびシート破断部材に
   よつて第１および第２のシートが破断されること
   を特徴とする２液混合容器。