JPH0126265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、基台の植毛部にブリツスルが放射状
に分散して植毛されたヘアブラシの改良に関する
もので、パーマヘアやストレートヘアに使用して
も毛髪保持性が優れ、しかも毛髪ばなれがブロー
仕上げ時において極めて良好なヘアブラシに関す
るものである。

〔従来の技術〕

ヘアブラシに関する従来技術としては、実公昭
32−14662号公報、実開昭51−4560号公報、実開
昭58−68131号公報、実開昭56−58334号公報、実
公昭42−21929号公報及び実開昭50−65694号公報
に記載のもの等が知られている。

これらの従来技術のうち、実公昭32−14662号
公報においては、ブリツスルと、該ブリツスルを
植毛する植毛部及び該植毛部に連設した把持部を
有する基台とからなり、上記ブリツスルを上記植
毛部の横断面において先端のつくる面が円弧状を
なすように放射状に且つ分散して植毛し、且つ、
植毛面及び上記ブリツスルの先端のつくる面を上
記基台乃至植毛部の長手方向に沿う縦断面におい
て凹んだ円弧状となしたヘアブラシが開示されて
いる。

又、実開昭51−4560号公報においては、基台の
植毛部の長手方向に亘つて指が通る位の巾の長穴
をあけたブラシが開示されている。

又、実開昭58−68131号公報においては、複数
本のブリツスルが植毛部の長手方向と略直角方向
に円弧状の列をなすように植毛し、この複数本の
ブリツスルからなる列を長手方向に複数列設け、
且つ、各列間の植毛部の両端に割込（切込）みを
形成したヘアブラシが開示されている。

又、実開昭56−58334号公報においては、上記
実開昭58−68131号公報に開示された割込みに代
えて、ブリツスル列の間に***を形成したヘアブ
ラシが開示されている。

又、実公昭42−21929号公報においては、ブリ
ツスルの先端をいもり型に形成したヘアブラシが
開示されている。

又、実開昭50−65694号公報においては、ブリ
ツスルの先端をリベツト頭状に形成したヘアブラ
シが開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の従来技術のうち、実公昭
32−14662号公報においては、植毛面が植毛部の
長手方向に沿う縦断面において凹んだ円弧状をな
し、且つ植毛部の横断面において凸つた円弧状を
なした、三次元曲面となつているため、基台の成
形費用が高価となり、又、ブリツスルの植毛構造
にも制約があつた。

又、実開昭51−4560号公報においては、植毛部
の長手方向に長穴をあけているため、ブリツスル
を植毛部の長手方向と直角方向に円弧状の列をな
すように植毛をなし得ず、パーマのカールを伸ば
さずにブローし、粗い櫛目のラフな髪型に仕上げ
ることはできない。

又、実開昭58−68131号公報においては、植毛
部の両端に割込みを形成しているが、植毛部の中
央部に***がないため、ドライヤーを使用して髪
を乾燥させながらヘアスタイルを仕上げるブロー
仕上げには不適当である。

又、実開昭56−58334号公報においては、植毛
部の中央部に***を形成しているが、端部に割込
みがないため、ブロー仕上げには不適当である。

又、実公昭42−21929号公報又は実開昭50−
65694号公報においては、ブリツスルの先端をい
もり型又はリベツト頭状に形成しているが、植毛
部に***又は割込みがないため、ブロー仕上げに
は不適当である。

従つて、本考案の目的は、パーマのカールを伸
ばさずにブローし、粗い櫛目のラフな髪型にブロ
ー仕上げするのに最適なヘアブラシを提供するこ
とにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ブリツスルと、該ブリツスルを植毛
する植毛部及び該植毛部に連設した把持部を有す
る基台とからなり、上記ブリツスルは、上記植毛
部の横断面において先端のつくる面が円弧状をな
すように放射状に且つ分散して植毛され且つ上記
植毛部の長手方向と略直角方向に列をなすように
該植毛部の長手方向に間隔をあけて複数列植毛さ
れており、また、上記植毛部の植毛面は植毛部の
長手方向に沿う縦断面において直線状となしてあ
り、上記ブリツスルの先端のつくる面はブリツス
ルの長さを変化させることによつて上記植毛部の
長手方向に沿う縦断面において凹んだ円弧状とな
してあり、更に、上記ブリツスルの各列間の植毛
部にはそれぞれ***及び割込みが形成されている
ことを特徴とするヘアブラシを提供することによ
つて上記の目的を達成したものである。

〔実施例〕

以下、本考案のヘアブラシを図面に示す実施例
について説明する。

第１図は、本考案の一実施例の斜視図を示すも
ので、同図において、１は、把持部２の先端部に
植毛部３を一体的に構成した硬質の合成樹脂（例
えばABS）、木等からなる基台、４，４，…は、
基台１の植毛部３に植毛した適当な剛性及び可撓
性を有する樹脂（例えば、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン）からなるブリツスルで、ブ
リツスル４，４，…は、植毛部３の横断面におい
て先端のつくる面が円弧状をなすように放射状に
且つ分散して１本植え状態で植毛してあると共
に、植毛部３の長手方向と略直角方向に列をなす
ように植毛部３の長手方向に間隔をあけて複数列
植毛してあり、ブリツスル４，４，…の先端のつ
くる面を、該ブリツスル４，４，…の長さを変化
させることにより、第１図における２点鎖線Ｐで
示されるように、上記植毛部３の長手方向に沿う
縦横面において凹んだ円弧状となしてある。

上記基台１について先ず詳述すると、上記植毛
部３は、第２図〜第４図に示す如く、その上面の
植毛面が、その横断面において上方に凸の円弧状
に、又、その長手方向に沿う縦断面において直線
状にそれぞれ形成してある。そして、植毛部３に
は、ブリツスル４，４，…の各列間に位置させて
通風用の***５，５及び割込み６，６を形成して
ある。そして又、植毛部３の植毛面には、ブリツ
スル４，４，…を基台１の横断面方向に列状に嵌
着させる嵌着溝７，７，…を８条形成してある。
各嵌着溝７は、第３図〜第５図に示す如く、基台
１の先端に向けて凸の円弧状の平面形状となして
あり、その前後壁には内方に突出する係止突条部
８，８を、又その両側壁には内方に突出する係止
突部９，９をそれぞれ形成してある。又、最前列
（基台１の最先端側）の嵌着溝７にはその後壁の
一端側及び該一端側に近接する底壁に亘つてブリ
ツスル確認用のリブ１０を突設してあり、同様な
ブリツスル確認用のリブ１０は、前から２列目の
嵌着溝７にはその後壁の略中央部に、又３列目の
嵌着溝７にはその後壁の他端側にそれぞれ設けて
ある。そして、第４列目と第５列目の嵌着溝７，
７にはブリツスル確認用のリブは設けてなく、第
６列目の嵌着溝７には第３列目の嵌着溝７と、又
第７列目の嵌着溝７には第２列目の嵌着溝７と、
更に又第８列目、即ち最後列の嵌着溝７には最前
列の嵌着溝７とそれぞれ同様にブリツスル確認用
のリブ１０（図示せず）を設けてある。

また、上記ブリツスル４，４，…は、第６図及
び第７図に示す如く、何れも先端をリベツト頭状
に形成してあり、上記基台１の長手方向と略直角
な方向に７本で１列をなすようになしてある。各
列をなす７本のブリツスル４，４，…は、略櫛状
となるようにそれぞれの毛根部で毛根連結部１１
により連結して形成してあり、該毛根連結部１１
を上記基台１の嵌着溝７に離脱可能に嵌着し得る
ようになしてある。毛根連結部１１，１１，…
は、何れも、その正面形状が直線状で、その平面
形状が前方に凸の円弧状（第１図には直線状に図
示してあるが、第２図及び第３図に示す如く前方
に凸の円弧状の方が好ましい）であり、その前壁
及び後壁に前記嵌着溝７の前記係止突条部８，８
と係合する係止溝部１２，１２を、又その両側壁
に前記嵌着溝７の前記係止突部９，９に係合する
係止部１３，１３を設けると共に、その底部に下
方から複数個の切欠１４，１４，…を設けてあ
る。そして、各毛根連結部１１には、前記植毛部
３の対応する嵌着溝７に間違えずに嵌着し得るよ
うに、その後壁の一部に、ブリツスル確認用の前
記リブ１０を挿入させる凹部１５を設け（第４列
目と第５列目の毛根連結部１１，１１にはこのよ
うな凹部１５を設けてない）てある。そして、列
をなすブリツスル４，４，…の長さは、１つの毛
根連結部１１について同一であるが、最前列及び
最後列の毛根連結部１１を最も長くし、これらか
らそれぞれ第４列目及び第５列目に向かうにつれ
短くなしてあり、所定の毛根連結部１１を所定の
嵌着溝７に嵌着した場合に、第１図に想像線で示
す如く、ブリツスル４，４，…の先端のつくる面
がヘアブラシの長手方向に沿う縦断面において凹
んだ円弧状をなすようにしてある。

又、列をなす上記ブリツスル４，４，…の前記
嵌着溝７，７，…への嵌着は、所定の長さのブリ
ツスル４，４，…をそれぞれ備えた毛根連結部１
１，１１，…を、対応する嵌着溝７，７，…に嵌
入した時のみ、ブリツスル確認用のリブ１０と凹
部１５とが嵌合するから、間違えずに行うことが
でき、斯る嵌着の確保は、係止突条部８，８と係
止溝部１２，１２との係合及び係止突部９，９と
係止部１３，１３との係合により行うことができ
る。そして、このような係合により、直線状であ
つた毛根連結部１１，１１，…は、それぞれ基台
１の植毛部３の植毛面と略同様に上方に凸の円弧
状に湾曲し、これによつて、前述の如く、ブリツ
スル４，４，…を放射状に開くようになしてあ
る。

次に、上述の如く構成されたヘアブラシの各部
の形状、寸法等について説明すると、先ず、基台
１における植毛部３の植毛面の横断面形状は、半
径５〜25mmの半円形乃至半楕円形が好ましく、植
毛部３の植毛面の長さ（長手方向の長さ）は、50
〜100mmとするのが使い易い。そして、植毛部３
の植毛面の横断面形状を円弧状とし、長手方向に
沿う縦断面を直線状とすることにより、植毛面が
単純となり、これによつて基台の成形費用を安価
とし且つブリツスルの植毛構造の制約を排除する
ことができる。又、植毛部３の両端の割込み６，
６の大きさや、植毛部３の中央部の***５の大き
さ、数等には特に制限はないが、ドライヤーを使
用して髪を乾燥させながらヘアスタイルを仕上げ
るブロー仕上げを行う上では、それらの総開口面
積をなるべく大きくし、且つ均一な通風を行える
ようにこれらを配設するのが好ましい。

また、ブリツスル４，４，…は、横断面におい
て半円形乃至半楕円形の植毛部３の中心（半円形
乃至半楕円形の中心）から放射状に分散するよう
に植毛部３に植毛するのが好ましい。そして、ブ
リツスル４，４，…の斯る放射中心軸は、ヘアブ
ラシをその回転半径を小さくして回転し易くし、
ヘアブラシの操作性及び毛髪保持性を向上させる
上で、把持部２の長手方向回転軸に平行に且つ列
をなすブリツスルの中央部のブリツスルの先端方
向とは逆方向に上記長手方向回転軸から５〜15mm
離すのが好ましい。又、植毛部３の長手方向に沿
う縦断面におけるブリツスル４，４，…の先端の
つくる凹んだ円弧状の面の半径は、300〜500mmの
範囲が適当であり、好ましくは350〜450mmとす
る。このような凹んだ円弧状とすることにより、
使用時に、主としてブリツスルの先端を地肌にフ
イツトさせ、地肌への刺激を均一にすることがで
きる。又、ブリツスル４，４，…は、ブラツシン
グ力を下げて髪の引掛りをなくし、且つテンシヨ
ンをかけずに髪を保持する上で、実施例の如く１
本植えとするのが好ましい。又、ブリツスル４の
先端は、実施例の如くリベツト頭状にする等、膨
出形状にするのが、髪をすくい易くする上で好ま
しい。又、ブリツスル４の太さは0.5〜２mmとし、
又、その露出長さは10〜25mmとするのが好まし
い。又、ブリツスルの各列には10cm当たり１本植
えで10〜50本のブリツスル４，４，…を植毛する
のが好ましく、列をなすブリツスルの各列の距離
は、５〜15mmとするのが好ましい。

上述の如く構成された実施例のヘアブラシは、
その使用に際し、髪がすくい易く、地肌にフイツ
トし、刺激が均一であり、髪が引つ掛からず、テ
ンシヨンをかけずに髪を保持することができる等
の効果を奏するもので、パーマヘアやストレート
ヘアに使用しても毛髪保持性が優れ、しかも毛髪
ばなれがブロー仕上げ時において極めて良好であ
り、特にサイドの髪をとかし上げてブロー仕上げ
したり、パーマのカールを伸ばさずに粗い櫛目の
ラフなスタイルに仕上げるのに最適である。

尚、本考案のヘアブラシは、上述の実施例の如
く構成するのが好ましいが、実施例に制限される
ものではなく、例えば、各列のブリツスル４，
４，の毛根部は連結してなくても良い。また、こ
の他、ブリツスル確認用のリブ１０や凹部１５を
設けなかつたり、或いはブリツスル４，４，…の
本数を列毎に異ならせたり、或いは基台１の嵌着
溝７，７，…を直線状にすることができる。

〔考案の効果〕

本考案のヘアブラシによれば、上述の如く、パ
ーマのカールを伸ばさずにブローし、粗い櫛目の
ラフな髪型に仕上げることができると共に、ブリ
ツスルの先端を地肌にフイツトさせ、地肌への刺
激を均一にすることができる等の実用的効果が奏
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
その基台を一部変更して示す平面図、第３図は第
２図の先端部の拡大図、第４図は第３図のＡ−Ａ
線拡大断面図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線拡大断
面図、第６図は第２図の基台に適合するブリツス
ルの拡大正面図、第７図はそのブリツスルの拡大
平面図である。 １……基台、２……把手部、３……植毛部、４
……ブリツスル、５……***、６……割込み。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ブリツスルと、該ブリツスルを植毛する植毛
   部及び該植毛部に連設した把持部を有する基台
   とからなり、上記ブリツスルは、上記植毛部の
   横断面において先端のつくる面が円弧状をなす
   ように放射状に且つ分散して植毛され且つ上記
   植毛部の長手方向と略直角方向に列をなすよう
   に該植毛部の長手方向に間隔をあけて複数列植
   毛されており、また、上記植毛部の植毛面は植
   毛部の長手方向に沿う縦断面において直線状と
   なしてあり、上記ブリツスルの先端のつくる面
   はブリツスルの長さを変化させることによつて
   上記植毛部の長手方向に沿う縦断面において凹
   んだ円弧状となしてあり、更に、上記ブリツス
   ルの各列間の植毛部にはそれぞれ***及び割込
   みが形成されていることを特徴とするヘアブラ
   シ。 (2) 各列をなす複数本のブリツスルが略櫛状とな
   るようにそれぞれの毛根部で連結されている、
   実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載のヘアブ
   ラシ。 (3) ブリツスルの先端がリベツト頭状に形成され
   ている、実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載
   のヘアブラシ。