JPS5832687Y2 - 洗髪用ヘアブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２種類の全く異った性質を有するブリッスル
の組合せで構成した新規な洗髪用ヘアブラシに関する。

洗髪時にヘアブラシを使用する人の割合は約６５％と高
い。

又、髪のもつれの程度、頭皮の状態、或いは毛髪の物理
的な性質が乾燥状態と洗髪時では大きく違っているにも
かかわらず、これまで洗髪用のヘアブラシ或いは洗髪時
のブラッシングについては検討された例がほとんどない
。

そのため洗髪に使われるヘアブラシの大部分は、普段ブ
ラッシングに使うヘアブラシと同一のもので゛あり、シ
ャンプーブラシと称するものはあっても、洗髪時にヘア
ブラシが手から滑り落ちないように単に握り部だけを変
えたものに過ぎなかった。

本考案者等は、乾燥状態及び洗髪時の毛髪及び頭皮の状
態の違い等の各種観点から検討し、機能及び使用感の優
れた洗髪用ヘアブラシを考案した。

本考案は基本的には、界面活性剤水溶液で濡れて柔かく
なり、ひどくもつれた毛髪を梳きほぐすが、頭皮までは
、はとんど届かない短かくて比較的硬いブリッスル５と
、梳きほぐす効果は大きくないが濡れて柔かく敏感にな
っている頭皮を傷つけずに洗浄、マツサージする長くて
柔かいブリッスル４とを組合わせて構成した洗髪用ヘア
ブラシに関するものである。

ヘアブラシ及びブラッシングの立場から、乾燥状態と洗
髪時とを比較すると次の第１表に示したようにまとめる
ことができる。

上記第１表から、洗髪時の毛髪の状態及び要求されるヘ
アブラシの機能は、乾燥状態でのそれらとは大きく違っ
ており、洗髪には洗髪に適したヘアブラシが必要である
ことが分る。

さて、洗髪に適したヘアブラシの構造を第１表から考え
てみると、次の様になる。

即ち、第１表に示す１）、２）及び３）の事項、つまり
毛髪が柔かくなっていて、しかももつれがひどいので、
梳く時非常に大きな力が毛髪にかかるという条件に対し
ては、もつれを梳き易いように硬くて撓みの少ないブリ
ッスルを疎に配置することが必要である。

一方４）及び５）の事項即ち柔かくなって刺激に対して
敏感になっている皮膚を傷めず洗浄効率をあげるという
条件に対しては柔かいブリッスルを密に配置する必要が
ある。

また６）の条件から整髪効果は通常の櫛と同等以上であ
れば充分である。

以上を整理すると、毛髪のもつれ梳きの点からは、硬い
ブリッスルを疎に配置することが要求され、頭皮の洗浄
、マツサージの点からは柔かいブリッスルを密に配置す
ることが必要であるという矛盾したブラシの構造ができ
あがる。

この矛盾を解決すべく本考案者等は鋭意研究を重ねた結
果、２種類の異った機能を有するブリッスルを組合わせ
洗髪中に２つの種類を同時に効率よく発揮するブラシ、
即ち第１図に示すように、主に毛髪のもつれ梳きを担当
し、頭皮には届かないような硬くて短かいブリッスル５
と、主に頭皮の洗浄・マツサージを担当する柔かくて長
いブリッスル４とを後述する如く組合せることによって
、理想的な洗髪用ヘアブラシを得ることができた。

それぞれのブリッスル４及び５の具備条件は非常に重要
であり、どれかひとつの条件を外れても満足できるヘア
ブラシは得られない。

即ちブリッスル４に関しては、 （イ）ブリッスルの直径が０．５５〜Ｑ、７５ｍｍであ
ること。

（ロ）ブリッスルの長さが１７〜２７ｍｍであること。

（ハ）ブリッスルが２〜６本の束植えであること。

及び、 （ニ）先端にブリッスルの直径の１．２〜２．５倍の直
径の球状成形部６を有すること。

の４項目の条件を具備する必要があり、又ブリッスル５
に関しては、ブリッスル４より２〜８ｍｍ短かいという
条件、及びその太さが０．８〜３．Ｑｍｍという条件を
満たさねばならない。

頭皮を傷つけないで洗浄し、かつ適度なマツサージによ
って爽快感を得るためには、ブラシに大きな力が加わっ
た時でも力を直接頭皮に伝えずにブリッスルの適度なし
なりによって緩和することが必要である。

しなり度は、ブリッスルの材質及び断面の形状が一定で
あればブリッスルの長さと直径だけで決まるものであり
、洗髪用ヘアブラシとして好ましいしなり度が得られる
長さと直径は、上記（イ）（ロ）の組合わせであり、こ
の範囲を越えると、硬すぎて頭皮が痛い、軟かすぎて洗
浄効果がない、或いはしなり過ぎて硬いブリッスル５が
頭皮に触れて痛い等の不都合が生じ、好ましいヘアブラ
シが得られないことになる。

本考案に於いて植毛数が前記（ハ）に規定した範囲を外
れた場合即ちブリッスル４が２〜６本の束植えでない場
合は次の如き欠点がある。

即ち１木槌えの場合は使用感及び洗浄効果が悪く、逆に
６本を越えた束として植え込んだ場合は毛髪の損傷の点
でいずれも好ましくない。

特に１束中のビリツスル４の数が６本を越えると、もつ
れの激しい洗髪時には毛髪を梳く過程で髪が引張られ、
切れ毛あるいは枝毛の発生、あるいは髪が弾性限界を越
える変形を受けて脆くなりいずれは切れ毛となるなど欠
点が大きくなる。

これはブラシが毛束付近まで進むと、毛はブリッスル４
の根元を通るために１束中の数が多い場合には摩擦力が
大きくなる為である。

ブリッスル４の先端に設ける球状成形部の直径が前記（
ニ）に規定した範囲を外れた場合、即ちブリッスル４の
直径の２．５倍を越えると先端が頭皮に接触し難くなり
、逆に１．２倍より小さくなると例えしなり角度を最適
範囲にして応力の緩和をはかったとしても応力の分散が
不十分で頭皮がブリッスルの先端でこすられて傷がつく
恐れがあり、いずれも好ましくない。

即ち適度な頭皮の刺激はブリッスルのしなりによる応力
の緩和と球状成形部による応力の分散との２つの作用に
よって始めてなされる。

ブリッスル５は、硬く撓みが小さいため、頭皮に触れる
と頭皮を傷める恐れがあるので、頭皮に届かないように
ブリッスル４より短かくする必要がある。

そして、その差は、頭皮に触れ難く、かつもつれを梳く
機能が低下しないという条件から２〜８ｍｍ、好ましく
は３〜６ｍｍとするのがよい。

又ブリッスル５の太さは０．８〜３．Ｑｍｍが適当であ
るが、より好ましくは１．０〜２．Ｑｍｍである。

更に、先端に球状成形部７を有するブリッスル５を使用
すれば、ブリッスル５が頭皮に触った場合にも、頭皮の
損傷を防止できるという点でさらに好ましいヘアブラシ
が得られる。

洗髪用ヘアブラシに要求される整髪効果は単に梳くだけ
で充分なので、最も簡単に、小さい力で梳かせるように
ブリッスル４およびブリッスル５を第４図に示すように
ヘアブラシの進行方向の一直線上に並べることが好まし
い。

洗髪時にヘアブラシを使用する女性の大部分は後頭部か
ら頭頂部、前頭部へとヘアブラシを動かし、しかも大部
分の人の場合は、ヘアブラシの進行方向とヘアブラシの
長軸方向との威す角度が５０〜８５°なので、ブラシ台
の切溝３をヘアブラシの長軸方向に対して５〜４０°の
角度θを或すように設け、第４図に示す如く凡てのブリ
ッスル４およびブリッスル５を最外側の植毛穴あるいは
ブリッスル５を通って切溝３に降ろしたヘアブラシの長
軸方向と５０〜８５°の角度をなす垂線上に乗せれば、
ヘアブラシの通りが最も良くなる。

本考案におけるブリッスルの材質はナイロンが適当で゛
あるが、ポリフ０ロピレン、ポリフ゛チレンテレフタレ
ートなど他の合成樹脂も使用できる。

材質の相違によりブリッスルのしなり度などが多少変る
が、前記（イ）〜（ロ）の範囲内であればヘアブラシと
して良好なものが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ヘアブラシの一例を示す斜視図であり、
第２図はその一部切欠拡大図、第３図はブラシ台に設け
た植毛穴及び切溝の斜視図、第４図はブラシの長軸方向
と切溝との威す角度を示すヘアブラシの全体図、第５図
は植毛されたブリッスルの植毛状態での一例図、第６図
及び第７図は夫々一体成形されたブリッスルを例示する
図である。 １・・・・・・ブラシ台、２・・・・・・植毛穴、３・
・・・・・切溝、４゜５・・・・・・ブリッスル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ブラシ台１にブリッスルを設置するための植毛穴２
   及び切溝３を設け、該植毛穴２には、次の要件（Ａ）を
   備えるブリッスル４を植え込み、該切溝３には、一体に
   成形され次の要件（Ｂ）を備えるブノツスル５を嵌挿し
   、切溝３とブラシ台１の長軸方向との角度が５〜４０°
   を或すように構成し、又すべての植毛穴２およびブリッ
   スル５が最外側の植毛穴あるいはブリッスル５を通って
   切溝３に降ろした垂線上に乗るように構成して成ること
   を特徴とする洗髪用ヘアブラシ。 （Ａ）（イ）ブリッスルの直径が０．５５〜０．７５
   ｍｍ。 （ロ）ブリッスルの長さが１７〜２７ｍｍ０（ハ）ブリ
   ッスルが２〜６本の束植え。 （ニ）先端にブリッスルの直径の１．２〜２．５倍の直
   径の球状成形部６を有する。 （Ｂ）（Ａ）のブリュツスルより２〜８ｍｍ短かくて、
   太さはＱ、８〜３．Ｑ ｍｍ０ ２ ブリッスル５が、その先端に球状部７を有する実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の洗髪用ヘアブラシ。