JPH0124265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、プレハブ建築家屋の屋根部に係り、
特に束木と母屋およびたる木との取付固定構造の
改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

プレハブ建築家屋においては、従来、第３図に
示すように屋根部の一部が構成される。図中ａは
束木、ｂは母屋、ｃはたる木、ｄはたる木固定装
置を構成する取付金物、ｅ…は固定具である釘で
ある。プレハブ建築家屋においてはふつう、上記
束木ａと母屋ｂは鉄骨材、たる木ｃは木材、取付
金物ｄは鉄板が採用される。上記束木ａは複数本
所定間隔を存して垂直方向に立設され、上記母屋
ｂはこの束木ａの上端部にたとえば溶接などの手
段で固着され、束木ａ間に架設されることとな
る。たる木ｃは母屋ｂ上に斜めに傾斜した状態で
載置される。上記取付金物ｄには母屋ｂの上端片
部に係合する切欠部d₁が設けられ、ここに係合の
うえたる木ｃの側面に当接し、さらに固定具であ
る釘ｅ…が打込まれてたる木ｃの固定をなす。

しかるにこの様な構成であると、特に、取付金
物ｄは母屋ｂに対し切欠部d₁が係合しているだけ
であるから、釘ｅ…を打付けるとたる木ｃが母屋
ｂの長手方向に移動して位置ずれが生じ易く、確
実な固定とは言い難いとともに取付金物ｄは強度
的にも弱いものである。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、束木と母屋とた
る木との取付位置を定め、かつ互いに容易な取付
固定を可能としたプレハブ建築家屋の屋根部を提
供しよとするものである。

〔考案の概要〕

すなわち本考案は、所定間隔を存して垂直に立
設される束木の上端部側面にボルト杆を突設し、
このボルト杆を母屋の側端部に固着した補強板に
挿通してナツトを螺合し、束木相互間に母屋を水
平方向に架設するとともにこの母屋上にたる木を
傾斜して載設し、上記束木と母屋との間に取付金
物の保持部を介設し、上記たる木の側面に固定具
をもつて取付固定するたる木止め部を上記保持部
と一体に連設してなることを特徴とするプレハブ
建築家屋の屋根部である。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図および第２図はプレハブ建築家屋
の屋根部一部を示す。１はたとえば断面略コ字状
の鉄骨材からなる束木であり、この上端部のみ断
面略コ字状の補強板２が、たとえば溶接などの手
段で固着される。さらに、束木１の上端部両側面
には２本ずつのボルト杆３，３（一側のみ示す）
が突設される。４は、やはり断面略コ字状の鉄骨
材で形成される母屋である。この両端部には平板
からなり、透孔５，５を有する補強板６が、たと
えば溶接などの手段で固着される。７はたる木固
定装置を構成する取付金物である。これは、上下
方向に長いたとえば鉄片からなり、略中間部でわ
ずかに折曲されるが、全て平坦状であつても支障
ない。上部側には複数個の釘孔８…が穿設され、
下部側には側端縁から切欠長孔９，９が設けられ
る。上記釘孔８…が設けられる部分はたる木止め
部１０を、かつ切欠長孔９，９が設けられる部分
は保持部１１をそれぞれ形成する。１２は固定具
である釘、１３はたとえば木材からなるたる木で
ある。また、１４は切欠長孔１５，１５を有する
補助取付金物である。これら部材でプレハブ建築
家屋の屋根部の一部を構成する。

つぎにこのような屋根部の組立て手段について
説明する。束木１を所定位置に立設し、このボル
ト杆３，３に取付金物７および補助取付金物１４
の切欠長孔９，９および１４，１４を係合する。
ついで、母屋４の各端面を取付金物７および補助
取付金物１４を介して束木１に当接する。母屋４
の端面に設けられる補強板６を束木１に対向し、
かつ透孔５，５にボルト杆３，３を嵌挿する。そ
して補強板６から突出するボルト杆３，３にワツ
シヤ１６，１６を係合し、かつナツト１７，１７
を螺合して締付ければ、束木１と母屋４との間に
取付金物７の保持部１１および補助取付金物１４
が介着することとなる。なお、予め束木１に母屋
４を仮に取付け、これらの間に取付金物７および
補助取付金物１４を介挿し、取付固定するように
してもよいこと勿論である。上記取付金物７のた
る木止め部１０は、束木１および母屋４の上端面
から上方に突出する。つぎに、母屋４上にたる木
１３を載せるとともに所定角度傾斜する。そのま
またる木１３を母屋４の端面側にスライドし、上
記たる木止め部１０に当接する。最後に釘１２を
釘孔８を介してたる木１３に打付け、固定すれば
よい。このとき取付金物７は移動することなく、
たる木１３の位置ずれがない。

このように上記実施例においては、補助取付金
物１４を用いたので、母屋４の位置を一定とする
ことができ、かつ必要に応じて容易に取付金物７
と代わり得る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、束木と母
屋との連結固定を容易になすとともに、これら束
木と母屋との間に取付金物の保持部を介着し、こ
の保持部と一体に設けられ束木と母屋から突出す
る取付金物のたる木止め部を母屋上に載置される
たる木に取付固定するようにしたから、たる木を
正確な位置に取付固定でき、かつその作業は極く
簡単ですみ、プレハブ建築家屋の屋根部を容易に
組立てられるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すプレハブ建築
家屋の屋根部要部を分解して示す斜視図、第２図
はそのたる木の固定状態を示す側面図、第３図は
本考案の従来例であるプレハブ建築家屋の屋根部
要部を分解して示す斜視図である。 １……束木、３……ボルト杆、６……補強板、
４……母屋、１３……たる木、９……切欠長孔、
１１……保持部、１０……たる木止め部、７……
取付金物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定間隔を存して垂直に立設される複数本の束
   木と、これら束木の上端部側面に突設されるボル
   ト杆と、これらボルト杆が挿通する補強板をその
   両側端に固着しこの補強板から突出する上記ボル
   ト杆にナツトを螺合締結することにより束木相互
   間に水平方向に架設される母屋と、この母屋上に
   傾斜して載設されるたる木と、その側端縁から上
   記ボルト杆に係合する切欠長孔を有し上記束木側
   面と母屋補強板との間に介設される保持部および
   この保持部と一体に連設され母屋上に突出すると
   ともに上記たる木の側面に当接し固定具をもつて
   たる木に取付固定されるたる木止め部とからなる
   取付金物を具備したことを特徴とするプレハブ建
   築家屋の屋根部。