JPH0122389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パルスモータのステータヨークの構
造、特に内ヨークの構造の改良に関するものであ
る。

パルスモータは、周知のように、１入力信号に
対して１歩進角だけ回転するモータであつて、
様々な構造のものが案出されている。第１図はそ
の一例であつて、多極着磁された永久磁石型ロー
タ１がコイル電流による起磁力によりステツプ状
に角変位するもので、ステータ部は主として外ヨ
ーク２ａ，２ｂと内ヨーク３ａ，３ｂにコイル４
ａ，４ｂを嵌装した構造である。外ヨーク２ａ
は、第２図に示すように、カツプ状磁性体の底面
に多数のコ字状の切れ目を入れ、ヨーク片５ａを
ロータ軸６と平行に引き起こしたものである（外
ヨーク２ｂも同様）。内ヨーク３ａ，３ｂは、ヨ
ーク片７ａ，７ｂをやはりロータ軸６と平行にな
るように引き起こした２箇の円盤状磁性板であ
り、非磁性板９を介して接合一体化したものであ
る。ロータ１は外ヨーク２ａ，２ｂによつて回転
自在に支承され、かつ対向するヨーク片５ａと７
ａ，５ｂと７ｂとは互いに食い違い合うように外
ヨーク２ａ，２ｂと内ヨーク３ａ，３ｂ等が組み
合せられる。各ヨーク片はコイルへの通電によつ
てロータ軸に平行な方向に磁化される。そのとき
隣接するヨーク片５ａと７ａ、５ｂと７ｂとは異
極性となり、それらヨーク片５ａ，７ａ，５ｂ，
７ｂとロータ磁石とによつて磁路を形成し、安定
位置が定まる。このコイルの励磁電流が変化する
と、この安定位置も変化し、従つてロータ１がそ
れに応じて回転する。

ここで問題となるのは、内ヨーク同志の位置合
せ、並びに内ヨークと外ヨークとの位置合せであ
る。パルスモータのように、多数のヨーク片が内
部に配設されているものは、その相対的位置関係
が多少でもずれると最終的なモータ特性に重大な
影響を及ぼす結果となる。内ヨークと外ヨークと
の位置合せは、内ヨーク３ａ，３ｂの周縁から外
方に突出させた突起部１０ａ，１０ｂと外ヨーク
２ａ，２ｂに設けた切欠部１１ａ，１１ｂとによ
つて精度よく行える。しかし、内ヨーク３ａ，３
ｂ同志の位置決めは、従来第３図Ｂに示すよう
に、内ヨーク３ａ，３ｂに設けた前記突起部１０
ａ，１０ｂを位置決めの基準とし、重ね合せて断
面コ字型の押え治具１５を嵌挿して行い、その状
態でスポツト溶接等により結合一体化する。

しかし、内ヨークがこのような形状だと、溶接
時の振動等により両内ヨーク３ａ，３ｂが位置ず
れしないためには、前記突起部１０ａ，１０ｂの
長さがある程度以上なければならない。しかしな
がら、この突起部１０ａ，１０ｂを長くするとパ
ルスモータ全体の径が大きくなつてしまう。突起
部１０ａ，１０ｂのみのためにパルスモータが大
きくなることは空間利用率からしても好ましくな
い。

本考案の目的は、上記のような従来技術の欠点
を解消し、内ヨークに設ける突起部の突出長さを
最小限におさえ、しかも位置決めは従来同様精度
よく行うことができるようなパルスモータ用のヨ
ークを提供することにある。

以下、本考案について詳しく説明する。パルス
モータの各部の構造は、内ヨークを除き、第１図
に示した如き従来の構造と同じであつてよい。そ
れ故、それらについての再度の記載は省略する。
本考案では、外ヨーク２ａとの位置決め用突起部
２０ａ，２０ｂの両側基部に切欠き２３を設け、
前記突起部２０ａ，２０ｂの内ヨーク周面よりも
外ヨーク２ａ，２ｂの厚み分だけ突出するように
し、また、前記切欠き２３の深さは、それによる
突起部２０ａ，２０ｂの実効長さが従来位置決め
の際に必要だつた長さとなるような深さとする。
２個の内ヨーク３ａ，３ｂは、突起部２０ａ，２
０ｂが合致するように重ね合せ、断面コ字型の押
え治具１５を前記切欠き２３に挿入して（第４図
Ａ，Ｂ参照）、その状態でスポツト溶接等により
固着一体化する。このようにすると、突起部２０
ａ，２０ｂの突出長さが短くても、押え治具１５
が入り込むため位置ずれすることなく溶接等を行
える。外ヨーク２ａ，２ｂと内ヨーク３ａ，３ｂ
との位置決めは、内ヨーク３ａ，３ｂの突出部２
０ａ，２０ｂの方向と外ヨーク２ａ，２ｂの切欠
部１１ａ，１１ｂの方向がほぼ直角な関係にある
し、外ヨーク２ａ，２ｂは内ヨーク３ａ，３ｂの
外周面に嵌合するから前記突出部２０ａ，２０ｂ
の突出長さが短くても何ら支障なく位置決め結合
を行えるのである。なお、内ヨーク同志間に非磁
性板を挾む場合には、非磁性板にも内ヨークと同
様の切欠き及び突起部を形成して合せればよい。

本考案は上記のように構成したパルスモータ用
ヨークの構造であるから、内ヨークの位置決め用
突起部の突出長さが短くても切欠きの存在により
実質的には従来と同じ程度の長さを確保でき、そ
の結果、溶接作業中に多少の外力や振動が加わつ
ても位置ずれが生じることはなく、精度よく組立
てることができるし、前記突起部は外ヨークの外
周面にほぼ一致するようにできるから、スマート
で空間利用率も好ましいものとなり、設置の際に
邪魔にならないといつた実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はパルスモータの一例を示す分解斜視
図、第２図はその部分斜視図、第３図Ａ，Ｂは従
来技術の説明図、第４図Ａ，Ｂは本考案の説明図
である。 １……ロータ、２ａ，２ｂ……外ヨーク、３
ａ，３ｂ……内ヨーク、４ａ，４ｂ……コイル、
２０ａ，２０ｂ……位置決め用突起部、２３……
位置決め用切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒を兼ねる２個の外ヨークと、その間に位置
   して逆向きに結合される２個の内ヨークとが組合
   されるヨーク構造を有し、外ヨーク並びに内ヨー
   クから中心軸に平行に突出する多数のヨーク片が
   永久磁石型ロータの外周面に沿つて配列し、内装
   したコイルによつて励磁される如きパルスモータ
   の内ヨークであつて、外ヨークとの位置決め用突
   起部の両側基部に内ヨーク同志の位置決め用切欠
   部を設け、前記突起部の長さをその先端面が外ヨ
   ークの外周面とほぼ一致する長さとしたパルスモ
   ータ用ヨーク。