JPH0121358B2 - - Google Patents
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- JPH0121358B2 JPH0121358B2 JP58052059A JP5205983A JPH0121358B2 JP H0121358 B2 JPH0121358 B2 JP H0121358B2 JP 58052059 A JP58052059 A JP 58052059A JP 5205983 A JP5205983 A JP 5205983A JP H0121358 B2 JPH0121358 B2 JP H0121358B2
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- JP
- Japan
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- pressure chamber
- vane
- communication hole
- compressor
- chamber
- Prior art date
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Links
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- 238000005096 rolling process Methods 0.000 claims description 11
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 claims 1
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 13
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 10
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- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 3
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C29/00—Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
- F04C29/02—Lubrication; Lubricant separation
- F04C29/021—Control systems for the circulation of the lubricant
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ベーン型圧縮機に関するものであ
り、特に起動性の改善に係るものである。
り、特に起動性の改善に係るものである。
ベーン型圧縮機は構成が簡単で高速回転に適す
るため、車輌用空気調和装置の冷媒圧縮機として
多く適用されている。このベーン型圧縮機ではロ
ータの回転と共にベーンがポンプハウジングの内
周面に接触して回転しポンプ室の容積を変化さ
せ、流体を吸入、圧縮、吐出するが、上記ポンプ
室を形成するにはベーンはポンプハウジングの内
周面に十分圧接されなければならない。この圧接
力を発生させるのはロータの回転によるベーンの
遠心力とロータのスリツト下部に働くベーン背圧
室の圧力とによる。ベーン背圧室の圧力はポンプ
室の圧縮流体がベーンとスリツト、ロータ両端面
及びベーン両端面とポンプハウジング内側面との
間の各クリアランス等を通つてベーン背圧室に流
入することによつて与えられる。しかしながら圧
縮機が長時間停止された場合、一部のベーンが自
重によりスリツト内をロータの中心方向に落込み
ベーン先端がポンプハウジングの内周面から離れ
ている場合がある。この状態で圧縮機を起動し、
特に起動直後の回転数が低い時はベーンに働く遠
心力も小さく、又圧縮機の圧力も上昇していない
ためベーン背圧室の空間を拡大させてベーンを突
出させるに必要なベーン背圧室の圧力が十分得ら
れず、ベーンはポンプハウジングの内周面に追従
できない。このため起動後圧縮流体の圧力が上昇
するまで暫くの間ベーンがポンプハウジングの内
周面に離接を繰返して打撃音を発生し、又部材を
損傷したりする。一方フロントヘツドの軸シール
室へは前記ベーン背圧室に流入する圧縮ガスの一
部が更に軸受部を通じて流入しシール部を潤滑し
ているため、圧縮機の停止時にはこの高圧力が長
時間軸シール室に残存して軸シール室からの流体
洩れ、潤滑油洩れの原因となつている。
るため、車輌用空気調和装置の冷媒圧縮機として
多く適用されている。このベーン型圧縮機ではロ
ータの回転と共にベーンがポンプハウジングの内
周面に接触して回転しポンプ室の容積を変化さ
せ、流体を吸入、圧縮、吐出するが、上記ポンプ
室を形成するにはベーンはポンプハウジングの内
周面に十分圧接されなければならない。この圧接
力を発生させるのはロータの回転によるベーンの
遠心力とロータのスリツト下部に働くベーン背圧
室の圧力とによる。ベーン背圧室の圧力はポンプ
室の圧縮流体がベーンとスリツト、ロータ両端面
及びベーン両端面とポンプハウジング内側面との
間の各クリアランス等を通つてベーン背圧室に流
入することによつて与えられる。しかしながら圧
縮機が長時間停止された場合、一部のベーンが自
重によりスリツト内をロータの中心方向に落込み
ベーン先端がポンプハウジングの内周面から離れ
ている場合がある。この状態で圧縮機を起動し、
特に起動直後の回転数が低い時はベーンに働く遠
心力も小さく、又圧縮機の圧力も上昇していない
ためベーン背圧室の空間を拡大させてベーンを突
出させるに必要なベーン背圧室の圧力が十分得ら
れず、ベーンはポンプハウジングの内周面に追従
できない。このため起動後圧縮流体の圧力が上昇
するまで暫くの間ベーンがポンプハウジングの内
周面に離接を繰返して打撃音を発生し、又部材を
損傷したりする。一方フロントヘツドの軸シール
室へは前記ベーン背圧室に流入する圧縮ガスの一
部が更に軸受部を通じて流入しシール部を潤滑し
ているため、圧縮機の停止時にはこの高圧力が長
時間軸シール室に残存して軸シール室からの流体
洩れ、潤滑油洩れの原因となつている。
上記圧縮機の起動時におけるベーンの突出不良
を解決するため特開昭56−107992においてポンプ
ハウジングの側板にベーン溝底部（前記説明にお
けるベーン背圧室）と連通するオイル溝を設け、
このオイル溝と吐出通路室（前記説明における吐
出圧室と同じ）とを絞り部を有する連通孔で連通
し、又は前記連通孔に弁を設けて吐出通路室とオ
イル溝との内圧力の差が所定圧以下の時連通孔を
開き、吐出通路室内圧がオイル溝の内圧より所定
圧以上高い時には連通孔を閉じるようにし、圧縮
機の起動時に吐出通路室から流体をベーン溝底部
に導くようにしてベーンの突出を容易にした構成
が提案されている。しかしながらこの構成ではオ
イル溝の形状が複雑であり、また連通孔の絞り部
は極めて小径の孔とする必要があり、これらの加
工性に不利がある。
を解決するため特開昭56−107992においてポンプ
ハウジングの側板にベーン溝底部（前記説明にお
けるベーン背圧室）と連通するオイル溝を設け、
このオイル溝と吐出通路室（前記説明における吐
出圧室と同じ）とを絞り部を有する連通孔で連通
し、又は前記連通孔に弁を設けて吐出通路室とオ
イル溝との内圧力の差が所定圧以下の時連通孔を
開き、吐出通路室内圧がオイル溝の内圧より所定
圧以上高い時には連通孔を閉じるようにし、圧縮
機の起動時に吐出通路室から流体をベーン溝底部
に導くようにしてベーンの突出を容易にした構成
が提案されている。しかしながらこの構成ではオ
イル溝の形状が複雑であり、また連通孔の絞り部
は極めて小径の孔とする必要があり、これらの加
工性に不利がある。
本発明は上記の諸問題を解決することを目的と
し、吐出圧室を外部に形成しているポンプハウジ
ングと、該ポンプハウジングの対向する側壁に回
転軸が支承されるロータと、該ロータの半径方向
に進退自在に設けられる複数のベーンと、前記一
方の側壁に取付けられると共に、前記ベーンの後
退側に形成されるベーン背圧室に臨まされ、か
つ、前記回転軸を軸支するころがり軸受部と、前
記一方の側壁に形成されると共に、前記ロータの
回動により圧縮された流体が吐出される前記吐出
圧室と前記ベーン背圧室とを前記ころがり軸受部
の半径方向に貫通する孔を介して連通する単孔状
の連通孔と、該連通孔に設けられ、前記吐出圧室
の圧力が所定値に達しないときには前記連通孔を
開いている一方、前記吐出圧室の圧力が前記所定
値に達したときには前記連通孔を速やかに閉じる
チエツク弁とを設けたことにより、圧縮機の起動
時のベーンの突出を容易にすると共にローラベア
リングへ潤滑油を供給し、かつ圧縮機の停止時は
速かに軸シール室に付加している流体の高圧力が
解放されるベーン型圧縮機を提供するものであ
る。
し、吐出圧室を外部に形成しているポンプハウジ
ングと、該ポンプハウジングの対向する側壁に回
転軸が支承されるロータと、該ロータの半径方向
に進退自在に設けられる複数のベーンと、前記一
方の側壁に取付けられると共に、前記ベーンの後
退側に形成されるベーン背圧室に臨まされ、か
つ、前記回転軸を軸支するころがり軸受部と、前
記一方の側壁に形成されると共に、前記ロータの
回動により圧縮された流体が吐出される前記吐出
圧室と前記ベーン背圧室とを前記ころがり軸受部
の半径方向に貫通する孔を介して連通する単孔状
の連通孔と、該連通孔に設けられ、前記吐出圧室
の圧力が所定値に達しないときには前記連通孔を
開いている一方、前記吐出圧室の圧力が前記所定
値に達したときには前記連通孔を速やかに閉じる
チエツク弁とを設けたことにより、圧縮機の起動
時のベーンの突出を容易にすると共にローラベア
リングへ潤滑油を供給し、かつ圧縮機の停止時は
速かに軸シール室に付加している流体の高圧力が
解放されるベーン型圧縮機を提供するものであ
る。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。
する。
第１図は本ベーン型圧縮機の垂直縦断面図、第
２図は第１図の―線矢視断面図、第３図はチ
エツク弁部の詳細断面図、第４図は第３図の―
線矢視断面図である。
２図は第１図の―線矢視断面図、第３図はチ
エツク弁部の詳細断面図、第４図は第３図の―
線矢視断面図である。
図において円筒形のケース１ａ内にポンプハウ
ジング２の前後の側壁をなすフロントサイドブロ
ツク２ａ、リヤサイドブロツク２ｂ及びカムリン
グ２ｃとにより形成されたポンプハウジング２が
収容され、フロントサイドブロツク２ａにフロン
トヘツド１ｂが外接されてケース１ａの前面を密
閉し圧縮機ケース１を形成している。上記ポンプ
ハウジング２内には、回転軸３に嵌着され、半径
方向に設けられた複数のスリツト４ａに板状のベ
ーン５が進退自在に挿入された円筒形のロータ４
が嵌装され、ポンプハウジング２の内面、ロータ
４及びベーン５によつて囲まれた空間はポンプ室
６を形成する。ロータ４の前後両端面には環状溝
７ａ，７ｂが形成され、この環状溝７ａ，７ｂは
スリツト４ａの下部に形成されるベーン背圧室４
ｂに連通されている。一方フロントサイドブロツ
ク２ａ及びリヤサイドブロツク２ｂの内面に上記
環状溝７ａ，７ｂに対面し一部重合する環状油溝
８ａ，８ｂが設けられ、ロータ４とフロント及び
リヤサイドブロツク２ａ，２ｂとの摺動面の潤滑
を確保するようにしている。回転軸３はフロント
サイドブロツク２ａ及びリヤサイドブロツク２ｂ
に設けられた前部及び後部ローラベアリング９
ａ，９ｂに支持されると共に、フロントヘツド１
ｂに形成された軸シール室１０を軸シール部１０
ａに気密を保持されて貫通している。リヤサイド
ブロツク２ｂの後部には隔壁１２ａが接合され、
リヤサイドブロツク２ｂの後面との間に吸入室１
２が形成されている。この吸入室１２は圧縮機ケ
ース１の後部に設けられた吸入口１３に接続さ
れ、又リヤサイドブロツク２ｂに設けられた吸入
ポート１４によりポンプ室６の吸入部に連通され
る。吸入室１２内にはベーン背圧室４ｂの圧力を
吸入室１２に逃がさないためのキヤツプ状の隔壁
１５が後部ローラベアリング９ｂの外端面を覆つ
て設けられている。ポンプ室６の吐出部において
カムリング２ｃに吐出ポート１６が吐出弁１７を
備えて設けられ、ポンプハウジング２外面と圧縮
機ケース１内面との間に吐出圧室１８が形成され
ている。吐出圧室１８にはオイルセパレータ１９
が取付けられ、ポンプ室６で圧縮された圧縮ガス
は吐出弁１７を押上げて吐出圧室１８に吐出され
る時オイルセパレータ１９を通過して混入してい
る潤滑油が分離され、更にＳ字通路２０を通つて
脈動が緩和されて圧縮機ケース１後部に設けられ
た吐出口２１より吐出されるようになつている。
ジング２の前後の側壁をなすフロントサイドブロ
ツク２ａ、リヤサイドブロツク２ｂ及びカムリン
グ２ｃとにより形成されたポンプハウジング２が
収容され、フロントサイドブロツク２ａにフロン
トヘツド１ｂが外接されてケース１ａの前面を密
閉し圧縮機ケース１を形成している。上記ポンプ
ハウジング２内には、回転軸３に嵌着され、半径
方向に設けられた複数のスリツト４ａに板状のベ
ーン５が進退自在に挿入された円筒形のロータ４
が嵌装され、ポンプハウジング２の内面、ロータ
４及びベーン５によつて囲まれた空間はポンプ室
６を形成する。ロータ４の前後両端面には環状溝
７ａ，７ｂが形成され、この環状溝７ａ，７ｂは
スリツト４ａの下部に形成されるベーン背圧室４
ｂに連通されている。一方フロントサイドブロツ
ク２ａ及びリヤサイドブロツク２ｂの内面に上記
環状溝７ａ，７ｂに対面し一部重合する環状油溝
８ａ，８ｂが設けられ、ロータ４とフロント及び
リヤサイドブロツク２ａ，２ｂとの摺動面の潤滑
を確保するようにしている。回転軸３はフロント
サイドブロツク２ａ及びリヤサイドブロツク２ｂ
に設けられた前部及び後部ローラベアリング９
ａ，９ｂに支持されると共に、フロントヘツド１
ｂに形成された軸シール室１０を軸シール部１０
ａに気密を保持されて貫通している。リヤサイド
ブロツク２ｂの後部には隔壁１２ａが接合され、
リヤサイドブロツク２ｂの後面との間に吸入室１
２が形成されている。この吸入室１２は圧縮機ケ
ース１の後部に設けられた吸入口１３に接続さ
れ、又リヤサイドブロツク２ｂに設けられた吸入
ポート１４によりポンプ室６の吸入部に連通され
る。吸入室１２内にはベーン背圧室４ｂの圧力を
吸入室１２に逃がさないためのキヤツプ状の隔壁
１５が後部ローラベアリング９ｂの外端面を覆つ
て設けられている。ポンプ室６の吐出部において
カムリング２ｃに吐出ポート１６が吐出弁１７を
備えて設けられ、ポンプハウジング２外面と圧縮
機ケース１内面との間に吐出圧室１８が形成され
ている。吐出圧室１８にはオイルセパレータ１９
が取付けられ、ポンプ室６で圧縮された圧縮ガス
は吐出弁１７を押上げて吐出圧室１８に吐出され
る時オイルセパレータ１９を通過して混入してい
る潤滑油が分離され、更にＳ字通路２０を通つて
脈動が緩和されて圧縮機ケース１後部に設けられ
た吐出口２１より吐出されるようになつている。
ここで本発明では、リヤサイドブロツク２ｂに
吐出圧室１８と後部ローラベアリング９ｂとを連
通する連通孔２２が穿設され、この連通孔２２に
チエツク弁２３が設けられる。詳しくは連通孔２
２はチエツク弁２３のボール弁体２３ａを収容す
る大径孔２２ａ、ボール弁体２３ａを吐出圧室１
８側に付勢して該連通孔２２を開くスプリング２
３ｂを収容した中径孔２２ｂ、その下部の小径孔
２２ｃ、後部ローラベアリング９ｂのアウタレー
ス９b1を取り巻く環状溝２２ｄ、アウタレース９
b1を半径方向に貫通する孔２２ｅが順次連設され
てなる。そして大径孔２２ａと中径孔２２ｂとの
段部はテーパが付されボール弁体２３ａの弁座２
３ｃを成し、又大径孔２２ａの上部にはボール弁
体２３ａの抜け止めのピン２３ｄが挿入されてい
る。そしてチエツク弁２３は、吐出圧室１８の流
体圧力が所定値以下の時はボール弁体２３ａがス
プリング２３ｂに押圧されて連通孔２２を開き、
吐出圧室１８の流体圧力が所定値以上となるとボ
ール弁体２３ａはスプリング２３ｂを圧縮して連
通孔２２を閉じるように設定されている。
吐出圧室１８と後部ローラベアリング９ｂとを連
通する連通孔２２が穿設され、この連通孔２２に
チエツク弁２３が設けられる。詳しくは連通孔２
２はチエツク弁２３のボール弁体２３ａを収容す
る大径孔２２ａ、ボール弁体２３ａを吐出圧室１
８側に付勢して該連通孔２２を開くスプリング２
３ｂを収容した中径孔２２ｂ、その下部の小径孔
２２ｃ、後部ローラベアリング９ｂのアウタレー
ス９b1を取り巻く環状溝２２ｄ、アウタレース９
b1を半径方向に貫通する孔２２ｅが順次連設され
てなる。そして大径孔２２ａと中径孔２２ｂとの
段部はテーパが付されボール弁体２３ａの弁座２
３ｃを成し、又大径孔２２ａの上部にはボール弁
体２３ａの抜け止めのピン２３ｄが挿入されてい
る。そしてチエツク弁２３は、吐出圧室１８の流
体圧力が所定値以下の時はボール弁体２３ａがス
プリング２３ｂに押圧されて連通孔２２を開き、
吐出圧室１８の流体圧力が所定値以上となるとボ
ール弁体２３ａはスプリング２３ｂを圧縮して連
通孔２２を閉じるように設定されている。
ここで該圧縮機の運転中の吐出圧をPd、吸入
圧をPsとすると、圧縮機の運転中のベーン背圧
室４ｂの圧力PvはPv＝（Ps＋Pd）／２にほぼ等
しく維持され、又圧縮機停止後の吐出圧１８の圧
力は流体（冷媒）の外気温に対する飽和圧力P0
まで降下し、この圧力はP0＞Pvである。そこで
前記チエツク弁２３を開閉する所定圧Pcはほぼ
Pc＝Pv＝（Ps＋Pd）／２に設定される。
圧をPsとすると、圧縮機の運転中のベーン背圧
室４ｂの圧力PvはPv＝（Ps＋Pd）／２にほぼ等
しく維持され、又圧縮機停止後の吐出圧１８の圧
力は流体（冷媒）の外気温に対する飽和圧力P0
まで降下し、この圧力はP0＞Pvである。そこで
前記チエツク弁２３を開閉する所定圧Pcはほぼ
Pc＝Pv＝（Ps＋Pd）／２に設定される。
以上のように構成される本発明の作用について
次に説明する。回転軸３が機関等により駆動され
ロータ４が回転されるとベーン５の先端はカムリ
ング４ｃの内周面に密接し、ポンプハウジング２
の内面、ロータ４及びベーン５によつて形成され
たポンプ室６はその容積を拡大する吸入行程で流
体を吸入口１３から吸入室１２及び吸入ポート１
４を通じて吸入し、容積を縮小する圧縮行程で流
体を圧縮し、圧縮行程末期の吐出行程で吐出弁１
７を押上げて吐出ポート１６から吐出圧室１８に
吐出し、この圧縮流体は吐出圧室１８のオイルセ
パレータ１９を通過する時混入している潤滑油を
分離して蓄圧され、その後吐出口２１より外部回
路に供給される。上記正規の作動に対して圧縮機
が長時間停止され一部のベーン５が自重によりス
リツト４ａ内をロータ４の中心方向に落込み先端
がカムリング２ｃの内周面から離れている状態で
圧縮機を起動させ、しかも起動直後の回転数が低
い場合ベーン５に働く遠心力は小さく、かつ圧縮
機の圧力も上昇していないためベーン５を突出さ
せるに必要なベーン背圧室４ｂの圧力が十分でな
い。そして従来の圧縮機ではベーン５とスリツト
４ａ、ロータ４の両端面及びベーン５の両端とフ
ロント及びリヤサイドブロツク２ａ，２ｂの内側
面との間の各クリアランスには潤滑油が残留して
いてベーン背圧室４ｂは密封状態になつていてベ
ーン５は突出を阻害され、前記したようにベーン
５がカムリング２ｃの内周面に離着を繰返して打
撃音を発し、又部材を損傷する。ここで本圧縮機
ではリヤサイドブロツク２ｂに吐出圧室１８と後
部ローラベアリング９ｂとを連通する連通孔２２
が穿設され、ここに吐出圧室１８の圧力が所定圧
力以下の時は連通孔２２を開き、吐出圧室１８の
圧力が所定値以上になつた時は連通孔２２を閉じ
るチエツク弁２３が設けられているため、ベーン
５がスリツト４ａ内を落込み先端がカムリング２
ｃの内周面から離れ、かつ該圧縮機の圧力が上昇
していない起動時、吐出圧室１８の圧力は所定値
以下であつて連通孔２２は開かれ、ベーン背圧室
４ｂは後部ローラベアリング９ｂの間隙、後部環
状溝７ｂを通じて吐出圧室１８に開放されてい
る。従つて該圧縮機の起動時、ベーン５に働く遠
心力が小さく、ベーン背圧室４ｂの背圧が上昇し
ていなくてもベーン背圧室４ｂにベーン５が突出
するのに必要な量の流体が吐出圧室１８から連通
孔２２、後部ローラベアリング９ｂ、後部環状溝
７ｂを通じて補給され、ベーン５は遠心力で速や
かに突出しカムリング２ｃの内周面に密接して圧
縮機は直ちに正常な作動状態に入ることができ
る。圧縮機の作動により吐出圧室１８の圧力が所
定値以上に上昇するとチエツク弁２３は連通孔２
２を閉じ、高圧の吐出圧がベーン背圧室４ｂに働
くのを防止するからベーン５先端の圧接力は適正
に保持される。尚上記圧縮機の起動時において吐
出圧室１８の流体は後部ローラベアリング９ｂと
共に前部ローラベアリング９ａに後部環状溝７
ｂ、ベーン背圧室４ｂ、前部環状溝７ａを通じて
流れ、更に軸シール室１０に流入し混入している
潤滑油を供給するから圧縮機が長時間停止されて
いてローラベアリング及び軸シール部１０ａが油
切れを起していても潤滑及びシールが支障なく開
始される。圧縮機が停止され吐出圧室１８の流体
圧力が所定値以下に低下するとチエツク弁２３は
連通孔２２を開くから軸シール室１０に付加して
いた流体の高圧力は吐出圧室１８に解放され、圧
縮機停止中の軸シール室１０からの流体洩れ、潤
滑油洩れを防ぐことができる。
次に説明する。回転軸３が機関等により駆動され
ロータ４が回転されるとベーン５の先端はカムリ
ング４ｃの内周面に密接し、ポンプハウジング２
の内面、ロータ４及びベーン５によつて形成され
たポンプ室６はその容積を拡大する吸入行程で流
体を吸入口１３から吸入室１２及び吸入ポート１
４を通じて吸入し、容積を縮小する圧縮行程で流
体を圧縮し、圧縮行程末期の吐出行程で吐出弁１
７を押上げて吐出ポート１６から吐出圧室１８に
吐出し、この圧縮流体は吐出圧室１８のオイルセ
パレータ１９を通過する時混入している潤滑油を
分離して蓄圧され、その後吐出口２１より外部回
路に供給される。上記正規の作動に対して圧縮機
が長時間停止され一部のベーン５が自重によりス
リツト４ａ内をロータ４の中心方向に落込み先端
がカムリング２ｃの内周面から離れている状態で
圧縮機を起動させ、しかも起動直後の回転数が低
い場合ベーン５に働く遠心力は小さく、かつ圧縮
機の圧力も上昇していないためベーン５を突出さ
せるに必要なベーン背圧室４ｂの圧力が十分でな
い。そして従来の圧縮機ではベーン５とスリツト
４ａ、ロータ４の両端面及びベーン５の両端とフ
ロント及びリヤサイドブロツク２ａ，２ｂの内側
面との間の各クリアランスには潤滑油が残留して
いてベーン背圧室４ｂは密封状態になつていてベ
ーン５は突出を阻害され、前記したようにベーン
５がカムリング２ｃの内周面に離着を繰返して打
撃音を発し、又部材を損傷する。ここで本圧縮機
ではリヤサイドブロツク２ｂに吐出圧室１８と後
部ローラベアリング９ｂとを連通する連通孔２２
が穿設され、ここに吐出圧室１８の圧力が所定圧
力以下の時は連通孔２２を開き、吐出圧室１８の
圧力が所定値以上になつた時は連通孔２２を閉じ
るチエツク弁２３が設けられているため、ベーン
５がスリツト４ａ内を落込み先端がカムリング２
ｃの内周面から離れ、かつ該圧縮機の圧力が上昇
していない起動時、吐出圧室１８の圧力は所定値
以下であつて連通孔２２は開かれ、ベーン背圧室
４ｂは後部ローラベアリング９ｂの間隙、後部環
状溝７ｂを通じて吐出圧室１８に開放されてい
る。従つて該圧縮機の起動時、ベーン５に働く遠
心力が小さく、ベーン背圧室４ｂの背圧が上昇し
ていなくてもベーン背圧室４ｂにベーン５が突出
するのに必要な量の流体が吐出圧室１８から連通
孔２２、後部ローラベアリング９ｂ、後部環状溝
７ｂを通じて補給され、ベーン５は遠心力で速や
かに突出しカムリング２ｃの内周面に密接して圧
縮機は直ちに正常な作動状態に入ることができ
る。圧縮機の作動により吐出圧室１８の圧力が所
定値以上に上昇するとチエツク弁２３は連通孔２
２を閉じ、高圧の吐出圧がベーン背圧室４ｂに働
くのを防止するからベーン５先端の圧接力は適正
に保持される。尚上記圧縮機の起動時において吐
出圧室１８の流体は後部ローラベアリング９ｂと
共に前部ローラベアリング９ａに後部環状溝７
ｂ、ベーン背圧室４ｂ、前部環状溝７ａを通じて
流れ、更に軸シール室１０に流入し混入している
潤滑油を供給するから圧縮機が長時間停止されて
いてローラベアリング及び軸シール部１０ａが油
切れを起していても潤滑及びシールが支障なく開
始される。圧縮機が停止され吐出圧室１８の流体
圧力が所定値以下に低下するとチエツク弁２３は
連通孔２２を開くから軸シール室１０に付加して
いた流体の高圧力は吐出圧室１８に解放され、圧
縮機停止中の軸シール室１０からの流体洩れ、潤
滑油洩れを防ぐことができる。
以上のように本発明によれば、吐出圧室を外部
に形成しているポンプハウジングと、該ポンプハ
ウジングの対向する側壁に回転軸が支承されるロ
ータと、該ロータの半径方向に進退自在に設けら
れる複数のベーンと、前記一方の側壁に取付けら
れると共に、前記ベーンの後退側に形成されるベ
ーン背圧室に臨まされ、かつ、前記回転軸を軸支
するころがり軸受部と、前記一方の側壁に形成さ
れると共に、前記ロータの回動により圧縮された
流体が吐出される前記吐出圧室と前記ベーン背圧
室とを前記ころがり軸受部の半径方向に貫通する
孔を介して連通する単孔状の連通孔と、該連通孔
に設けられ、前記吐出圧室の圧力が所定値に達し
ないときには前記連通孔を開いている一方、前記
吐出圧室の圧力が前記所定値に達したときには前
記連通孔を速やかに閉じるチエツク弁とを設ける
構成としたので、ロータのころがり軸受部を効果
的に利用して即時起動性の改善に貢献させること
ができ、また、ポンプハウジング内にチエツク弁
等が収納されるから、全体形状の大型化を回避で
きる。この場合、チエツク弁はボール弁体を用い
た通常構造のものを用いることができるからコス
トアツプを回避できる。具体的には、即時起動性
については、該圧縮機の起動時ベーンに働く遠心
力が小さく、ベーン背圧室の背圧が上昇していな
くてもベーン背圧室にベーンが突出するのに必要
な量の流体が吐出圧室から補給されてスリツト内
に落込んでいたベーンは遠心力で速やかに突出
し、カムリングの内周面に密接して圧縮機は直ち
に正常な作動状態に入ることができ、ベーンがカ
ムリングの内周面を叩く打撃音を解消し、かつ部
材の損傷を防止する。
に形成しているポンプハウジングと、該ポンプハ
ウジングの対向する側壁に回転軸が支承されるロ
ータと、該ロータの半径方向に進退自在に設けら
れる複数のベーンと、前記一方の側壁に取付けら
れると共に、前記ベーンの後退側に形成されるベ
ーン背圧室に臨まされ、かつ、前記回転軸を軸支
するころがり軸受部と、前記一方の側壁に形成さ
れると共に、前記ロータの回動により圧縮された
流体が吐出される前記吐出圧室と前記ベーン背圧
室とを前記ころがり軸受部の半径方向に貫通する
孔を介して連通する単孔状の連通孔と、該連通孔
に設けられ、前記吐出圧室の圧力が所定値に達し
ないときには前記連通孔を開いている一方、前記
吐出圧室の圧力が前記所定値に達したときには前
記連通孔を速やかに閉じるチエツク弁とを設ける
構成としたので、ロータのころがり軸受部を効果
的に利用して即時起動性の改善に貢献させること
ができ、また、ポンプハウジング内にチエツク弁
等が収納されるから、全体形状の大型化を回避で
きる。この場合、チエツク弁はボール弁体を用い
た通常構造のものを用いることができるからコス
トアツプを回避できる。具体的には、即時起動性
については、該圧縮機の起動時ベーンに働く遠心
力が小さく、ベーン背圧室の背圧が上昇していな
くてもベーン背圧室にベーンが突出するのに必要
な量の流体が吐出圧室から補給されてスリツト内
に落込んでいたベーンは遠心力で速やかに突出
し、カムリングの内周面に密接して圧縮機は直ち
に正常な作動状態に入ることができ、ベーンがカ
ムリングの内周面を叩く打撃音を解消し、かつ部
材の損傷を防止する。
又起動時ころがり軸受部及び軸シール室に潤滑
油を混入した流体が流入するから圧縮機が長時間
停止されていてころがり軸受部及び軸シール部が
油切れを起していても潤滑及びシールが支障なく
開始される。更に圧縮機の停止時は軸シール室に
付加していた流体の高圧力は連通孔から吐出圧室
へ解放され軸シール室は低圧に保たれるから、圧
縮機停止中の軸シール室からの流体洩れ、潤滑油
洩れを防ぐことができる。
油を混入した流体が流入するから圧縮機が長時間
停止されていてころがり軸受部及び軸シール部が
油切れを起していても潤滑及びシールが支障なく
開始される。更に圧縮機の停止時は軸シール室に
付加していた流体の高圧力は連通孔から吐出圧室
へ解放され軸シール室は低圧に保たれるから、圧
縮機停止中の軸シール室からの流体洩れ、潤滑油
洩れを防ぐことができる。
尚本発明では加工に不利な小径孔や複雑なオイ
ル溝がないため製作が容易であり、かつ従来の圧
縮機を簡単に改造することも可能である。
ル溝がないため製作が容易であり、かつ従来の圧
縮機を簡単に改造することも可能である。
又前記実施例におけるチエツク弁を設けた連通
孔はフロントサイドブロツクに穿設し、吐出圧室
と前部ころがり軸受部とを連通しても同等の作用
効果を呈するものである。
孔はフロントサイドブロツクに穿設し、吐出圧室
と前部ころがり軸受部とを連通しても同等の作用
効果を呈するものである。
図面は本発明の一実施例を示し、第１図は本ベ
ーン型圧縮機の垂直縦断面図、第２図は第１図の
―線矢視断面図、第３図はチエツク弁部の詳
細断面図、第４図は第３図の―線矢視断面図
である。 ２……ポンプハウジング、２ｂ……リヤサイド
ブロツク（一方の側壁）、３……回転軸、４……
ロータ、４ｂ……ベーン背圧室、５……ベーン、
９′……後部ローラベアリング（ころがり軸受
部）、１５……シール室、１８……吐出圧室、２
２……連通孔、２２ｅ……孔、２３……チエツク
弁。
ーン型圧縮機の垂直縦断面図、第２図は第１図の
―線矢視断面図、第３図はチエツク弁部の詳
細断面図、第４図は第３図の―線矢視断面図
である。 ２……ポンプハウジング、２ｂ……リヤサイド
ブロツク（一方の側壁）、３……回転軸、４……
ロータ、４ｂ……ベーン背圧室、５……ベーン、
９′……後部ローラベアリング（ころがり軸受
部）、１５……シール室、１８……吐出圧室、２
２……連通孔、２２ｅ……孔、２３……チエツク
弁。
Claims (1)
- １ 吐出圧室を外部に形成しているポンプハウジ
ングと、該ポンプハウジングの対向する側壁に回
転軸が支承されるロータと、該ロータの半径方向
に進退自在に設けられる複数のベーンと、前記一
方の側壁に取付けられると共に、前記ベーンの後
退側に形成されるベーン背圧室に臨まされ、か
つ、前記回転軸を軸支するころがり軸受部と、前
記一方の側壁に形成されると共に、前記ロータの
回動により圧縮された流体が吐出される前記吐出
圧室と前記ベーン背圧室とを前記ころがり軸受部
の半径方向に貫通する孔を介して連通する連通孔
と、該連通孔に設けられ、前記吐出圧室の圧力が
所定値に達しないときには前記連通孔を開いてい
る一方、前記吐出圧室の圧力が前記所定値に達し
たときには前記連通孔を速やかに閉じるチエツク
弁とを設けたことを特徴とするベーン型圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5205983A JPS59176492A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | ベ−ン型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5205983A JPS59176492A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | ベ−ン型圧縮機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59176492A JPS59176492A (ja) | 1984-10-05 |
| JPH0121358B2 true JPH0121358B2 (ja) | 1989-04-20 |
Family
ID=12904238
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5205983A Granted JPS59176492A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | ベ−ン型圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59176492A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018157715A (ja) * | 2017-03-21 | 2018-10-04 | ファナック株式会社 | 電動機 |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0115907Y2 (ja) * | 1985-11-20 | 1989-05-11 | ||
| JPH0264780U (ja) * | 1988-11-04 | 1990-05-15 | ||
| JPH02248682A (ja) * | 1989-03-20 | 1990-10-04 | Diesel Kiki Co Ltd | ベーン型圧縮機 |
| KR102177683B1 (ko) * | 2019-10-30 | 2020-11-16 | 영신정공주식회사 | 전동 오일 펌프 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4834243A (ja) * | 1971-09-06 | 1973-05-17 |
-
1983
- 1983-03-28 JP JP5205983A patent/JPS59176492A/ja active Granted
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4834243A (ja) * | 1971-09-06 | 1973-05-17 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018157715A (ja) * | 2017-03-21 | 2018-10-04 | ファナック株式会社 | 電動機 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59176492A (ja) | 1984-10-05 |
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