JPH0118326Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば側溝や暗渠等として用いられ
る中空コンクリートブロツクの製造において、中
空部分を形成するための型枠すなわち中型に関す
るものである。

側溝用コンクリートブロツク等の製造において
外側の型枠は外部より操作するとができるので、
通常クランプ等の締付具を用いて型枠を組み、コ
ンクリートブロツクの底面が上側にくるようにし
てコンクリートを打設し、養生後、締付具をはず
して脱型を行なつている。

しかし、中型の場合脱型時断面を縮少させなけ
ればならず、また全体が打設したコンクリート中
に埋め込まれてしまうため、クランプ等が利用で
きない。そのため、従来の中型としては、例えば
第１図に示すようなものが多い。すなわち、コン
クリートブロツク中空部分を形づくる中型本体ａ
の頂部長手方向に差しと呼ばれる部材ｂを設け、
脱型に際してはまず差しｂをはずし、ナツト部材
ｄによつて中型本体ａを内側に絞り込んだ状態で
引き抜くというものである。差しｂは例えば一方
向に幅の広がる形状とし、中型本体に摺動自在に
形止し、一方からたたき出すなどしてはずすよう
になつている。また中型本体ａの周方向の所定の
位置を補強リブｃの切れる折曲点ｆとし、連結部
材ｅをつなぐ部材ｄを操作すると、中型本体ａが
折曲点ｆを中心として折り曲げられ、絞り込まれ
るようになつている。

しかし、この形式では差しｂをはずすのに手間
がかかり、また型枠に無理な力がかかるため、型
枠を傷めやすく、型枠に寿命が短いという欠点が
ある。また中型本体の絞り込みの操作は通常両端
において行なうが、中型内での操作が困難であ
り、さらに、両端の操作を同時かつ均一に行なわ
なければならず作業性が悪い。またコンクリート
ブロツクが長くなると、両端部のみでの絞り込み
は難しいこと、中型本体ａと差しｂが別体となり
取扱い上不便であることといつた欠点もある。

この考案のコンクリートブロツク製造用中型は
上述した従来の中型の欠点に鑑み考案されたもの
で、中型外からの単一の操作により、無理なく中
型の絞り込みおよび再度の組み立てが行なえるよ
うにしたものであり、さらに、長期間の使用によ
る摩耗、変形による精度の狂い、バイブレーター
の使用によるガタつき等に十分耐えることができ
るものである。

以下、この考案を図示した実施例に基づいて説
明する。

第２図および第３図は中型を使用して製造され
る中空コンクリートブロツクの例を示したもの
で、第２図は暗渠用のコンクリートブロツク１の
断面図、第３図は卵形断面の中空部を有する側溝
用コンクリートブロツク２の斜視図である。

第４図〜第８図は第２図のコンクリートブロツ
ク１の製造に使用する中型を示したもので、中型
本体３と中型本体３の頂部長手方向に連続して設
けられた開口部に位置し、上下動可能な差し部材
４および後述するその他の部品からなる。

中型本体３はコンクリートブロツク中空部分を
形作り、長手方向に所要間隔で複数の補強リブ６
を配した両側のせき板５とその他必要な補強部材
７，８等からなり、また差し部材４を取り付ける
ための固定片９等を設けてある。図中１０は折曲
線を示したもので、この部分は補強リブ６その他
の補強部材の補剛が切れており、中型本体３の縮
少、拡大に際しては、第７図および第８図に示す
ようにこの折曲線１０を中心にせき板５が折れ曲
がるようになつている。

また、中型本体３内のほぼ中央には中型長手方
向に軸部材１１が配され、この軸部材１１の回転
操作によつて中型の断面が縮少、拡大して脱型お
よび型枠の組立てを行なうことができるようにな
つている。この軸部材１１は全長にわたつて、ま
たは部分的に雄ねじ１２を設けたもので、必要に
応じ操作用のハンドル１３を取り付けることもで
きる。この軸部材１１にはその雄ねじ１２部分に
ナツト部材１４が螺合されており、ナツト部材１
４には図に示すようにく字形リンク１５，１６の
中央部節が設けられ、中型本体３下部の固定片
９、および差し部材４にそれぞれく字形リンク１
５，１６の端部節が設けられて中型本体３の下部
と差し部材４が連結されている。なおこの実施例
では第６図において左側の雄ねじ１２およびナツ
ト部材１４の雌ねじを逆ねじとし、ハンドル１３
を右方向に回転させると、左右のナツト部材１４
が内側へ移動し、それによつて差し部材４と固定
片９の間隔が広がり、逆に左方向に回転させると
差し部材４と固定片９の間隔が狭まる。従つて差
し部材４の長手方向の変位を拘束して軸部材１１
を回転操作することにより、差し部材４を上下動
させることができる。なお第６図の右半分および
第７図は型枠を組み立てた状態において、差し部
材４が上端に位置している様子、第６図の左半分
および第８図は脱型時差し部材が下端に位置して
いる様子を示したものである。またナツト部材１
４および連結のためのリンク１５，１６は二箇所
に限らず、長手方向に例えば四箇所あるいはそれ
以上設けても良い。特にコンクリートブロツクが
長い場合や大きい場合は、差し部材４の変形防止
の意味からも支持箇所が多い方が望ましい。

次に中型本体３の縮少、拡大の機構について説
明すると、中型本体３の端部の対向して設けられ
た補助リブ６ａにはそれぞれ斜めの長孔１７が設
けられ八字形を呈しており、差し部材４に固定さ
れた連結板１８の両端部に突設した棒状突起１９
がこの長孔に差し込まれている（第５図，第７図
および第８図は一部を省略または仮想線で表現し
ている）。差し部材４と連結板１８の固定は第４
図または第６図に示すように、連結ブロツク２０
を介してボルト２１によつて行なわれる。そし
て、差し部材４が上端に位置しているときは、連
結板１８の棒状突起１９が長孔の上端に位置し、
軸部材１１の操作により、差し部材４が下降する
につれて、棒状突起１９も下降し長孔１７を介し
て補強リブ６ａ部分を引き込み、中型本体３全体
を絞り込んで行く。従つて、差し部材４の上下動
と中型本体３の縮少、拡大が連動し、軸部材１１
の回転操作という単一の操作で中型の組み立てお
よび脱型のための縮少が行なえる。

従つてこの考案の中型を用いたコンクリートブ
ロツクの製造手順は次のようになる。

外部型枠２２の組み立て。なおコンクリート
ブロツクの長手方向両端に位置する型枠には中
型挿入用の窓が設けられている。

中型の組み立ておよび前記窓を通しての外部
枠２２内への設置。中型の組み立ては前述した
ように軸部材１１の操作により行ない、また外
部型枠２２内へ設置してから組み立てることも
できる。なお中型は両端の窓部分で支持され
る。

コンクリートの打設および養生。

軸部材１１の操作による中型の絞り込み（縮
小）および中型の引抜き。

外部型枠２２の締め付け解除。コンクリート
ブロツク脱型。

型枠の清掃。

第９図および第１０図は他実施例として、第３
図に示した卵形の中空部を有する側溝用コンクリ
ートブロツク２を製造するための中型を示したも
のである。

また、差し部材４の上下動に中型本体３の縮
少、拡大を連動させる機構は中型本体３の両端に
限らず、必要に応じ長手方向中間に複数本設ける
ものとする。

この考案は以上の構成からなり、次のような利
点、特徴を有する。

(1) 軸部材の回転操作という単一の操作で差しを
抜く作業と中型を絞る作業を同時に行なうこと
ができ、中空コンクリートブロツクの製造にお
ける手間を大幅に軽減することができる。

(2) 中型本体の絞り込みが端部で同時に行なわれ
るので、差し部材を抜く際、無理な力がかから
ないので、型枠を傷めることがなく、型枠の寿
命が長い。

(3) 中型の組み立ても軸部材の回転操作によつて
行なうことができる。

(4) 各部材が連結された状態で一つの中型を形成
しているので、邪魔にならず、また作業性が良
い。

(5) 中型一つのコストは高くなるが、作業性のツ
プにより、コンクリートブロツク製造の回転が
早くなり、また寿命が長いので、結果的には経
済的となる。

(6) 型枠に無理な力が作用しないことで、製造し
たコンクリートブロツクを傷めない。

(7) 操作を中型の外から行なえるので、操作がし
やすく安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す斜視図、第２図は中空コ
ンクリートブロツクの形状の一例を示す断面図、
第３図は他の中空コンクリートブロツクの例を示
す斜視図、第４図はこの考案の中型の一実施例を
示す分解斜視図、第５図は使用状態を示す縦断面
図、第６図は差し部材の上下動の機構を示す長手
方向の縦断面図、第７図および第８図は中型の作
動の様子を示す正面図（第７図は一部断面）、第
９図は他の実施例として卵形断面の中型を示す正
面図、第１０図はその分解斜視図である。 １，２……コンクリートブロツク、３……中型
本体、４……差し部材、５……せき板、６……補
強リブ、６ａ……端部補強リブ、７，８……補強
部材、９……固定片、１０……折曲線、１１……
軸部材、１２……雄ねじ、１３……ハンドル、１
４……ナツト部材、１５，１６……リンク、１７
……長孔、１８……連結板、１９……棒状突起、
２０……連結ブロツク、２１……ボルト、２２…
…外部型枠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コンクリートブロツク中空部分を形作る中型
   本体と、中型本体頂部長手方向に連続して設け
   られた開口部に位置し上下可動な差し部材と、
   中型本体内長手方向に配された回転操作用の雄
   ねじに螺合したナツト部材と、中央節をナツト
   部材に設け端部節をそれぞれ中型本体下部およ
   び差し部材に設けて中型本体下部と差し部材と
   を連結するく字形リンクとからなるコンクリー
   トブロツク製造用中型であつて、 中型本体内側長手方向に等間隔で配した複数
   のリブのうち少くとも中型本体の両端部の対向
   して設けた補強リブにそれぞれ設けられて八字
   状を呈する斜めの長孔に、差し部材に取付けら
   れた連結板の両端に設けられた突起が差し込ま
   れ、中型本体の縮少、拡大機構が構成されてい
   ることを特徴とするコンクリートブロツク製造
   用中型。 (2) 中型本体は筒状に折り返したせき板と、内部
   長手方向に所要間隔で取り付けた補強リブおよ
   び他の補強部材とから構成されている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のコンクリートブロ
   ツク製造用中型。 (3) ナツト部材は軸部材の二個所以上に設けられ
   ている実用新案登録請求の範囲第１項または第
   ２項記載のコンクリートブロツク製造用中型。