JPH0117897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハンドルと、荷物用積載板と、同軸
的な２つの走行車輪と、回転方向の切換え可能な
電動機と、減速装置とを有する、階段を昇降可能
な手押し車に関する。

〔従来の技術〕

上述の特徴を持つ手押し車は、ドイツ連邦共和
国特許出願公開第1505834号明細書により公知で
ある。この手押し車は、駆動される軸の揺動腕に
はまつている支持軸を持つており、この支持軸は
階段の段の水平面に支持され得る。この運搬装置
においては、支持軸がはまつている場合手押し車
が揺動腕を介して引き上げられる。この引上げに
おいては、手押し車を地面あるいは階段の段の水
平面から離す際操作員は荷物により及ぼされるト
ルクを手押し車のハンドルにおいて受け止めなけ
ればならない。この場合特に不利なことは、この
トルクが急激に作用し、したがつて手押し車が荷
物と共に階段から倒れないようにするために、装
置全体の操作が、手押し車を操作する人の高い集
中力を必要とする。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、電動機を使用して階段の昇降
操作を行なう手押し車を、操作員により容易に階
段を越えて荷物の確実な運搬を可能にするように
構成することである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本発明によれば、手押
し車が相対移動可能な保持体と走行体とから成
り、保持体が、支持枠と、この支持枠の下部の両
側に固定された側壁と、側壁の端部範囲にそれぞ
れ回転可能に支持される支持車輪と、支持枠の下
部において側壁とは反対の側にある積載板とを含
み、走行体が、保持体の支持枠に沿つて上端を案
内される案内棒の下端に結合される台板と、この
台板上に取り付けられる電動機および減速装置
と、台板に回転可能に支持されかつ減速装置を介
して電動機により回転駆動される駆動軸と、この
駆動軸の両端の範囲で駆動軸に対して同軸的に自
由に回転可能に台板にそれぞれ支持される走行車
輪と、駆動軸の両端にそれぞれ固定されて走行車
輪の直径より小さい腕長を持つクランク腕と、こ
のクランクの自由端にありかつ側壁に接してクラ
ンク腕の回転により支持体を保持体に対して相対
移動せしめるクランクピンを含んでいる。

〔発明の効果〕

本発明により構成された手押し車においては、
運搬荷物が手押し車の保持体と共に引き上げられ
るのではなく、押し上げられるので、保持体のハ
ンドルには、操作員が受け止めるべき大きいトル
ク変動は生じない。手押し車の走行体と保持体と
を相対移動可能に構成することによつて小型運搬
機の運搬面と路面との間隔に相当する高さだけ、
保持体を走行面から上昇させることができる。し
たがつて本発明により構成された手押し車は、同
時に荷積み兼荷降ろし補助手段である。保持体を
地上に置いた際、走行車輪が手押し車の走行体と
共に高さ変化可能なので、地上にある荷物を手押
し車へ収容することが容易になる。さらに走行体
と保持体との相対移動により、収容された荷物が
４つの車輪すべてにかかるように、手押し車を置
くことができる。しかもこの手押し車は、いつで
も通常の手押し車のように階段昇降手段を用いず
に使用することもできる。

〔実施例〕

本発明により構成された手押し車の実施例を添
付図面により以下に詳細に説明する。

第１図および第７図は直立位置における手押し
車を示している。手押し車は、互いに相対移動可
能な２つの部分、すなわち２つの走行車輪１１お
よび１２を同軸的に支持している台板１０を持つ
走行体と、下側側壁１４と積載板１５とを持つ支
持枠１３を含みかつ上端に操作員用の２つのハン
ドル１６が設けらている保持体（以下保持部と称
する）とから成る。走行体と保持部との相対移動
可能な連結のため、支持体の上方へ延びる案内棒
１９の上端にある案内ピン２０が、保持部の支持
枠１３にある案内溝２１内に、この溝２０に沿つ
て移動可能に案内されている。保持部の支持枠１
３の下部の両側に固定される側壁１４には、台板
１０に回転可能に支持される駆動軸２８の両端に
固定されたクランク腕３０の自由端にあるクラン
クピン１８が接触（係合）して、接触点（関節
点）１７を形成し、駆動軸２８したがつてクラン
ク腕３０の回転により、支持体を保持部に対して
相対移動せしめる。

手押し車の走行体の台板１０上に、運搬車両の
車載電源に再充電可能な電池２２と、この電池２
２に接続された電動機２３と、後に接続された自
動拘束減速装置２４とが取り付けられている。減
速装置の従動軸に、第２図および第３図からわか
るピニオン２５が取り付けられており、このピニ
オンが、第２図および第３図において破線で示さ
れた駆動鎖２６用の駆動歯車として使用され、こ
の駆動鎖が、走行車輪１２に対して同軸的に設け
られた鎖車２７を介して案内される。鎖車２７お
よびなるべくこの鎖車２７には、前述したように
台板１０に回転可能に支持される駆動軸２８が結
合され、この鎖車２７および減速装置２４を介し
て電動機２３により回転駆動せしめられる。駆動
鎖２６は保護ハウジング３１内に取り付けられて
いる。両方の走行車輪１１および１２は、駆動さ
れる軸２８に自由に回転可能に支持されている。

手押し車の保持部の両方の側壁１４の後端に支
持車輪３２が、駆動軸２８に対して平行に延びる
軸３３の回りを自由に回転可能に支持されてい
る。走行車輪１１，１２および両方の支持車輪３
２は、滑べらないようにするライニングを備える
ことができる。

第１図、第２図および第７図は手押し車の走行
体および保持部の相対位置における手押し車を示
しており、この相対位置を基本走行位置とみなす
ことができ、この基本走行位置において手押し車
が平らな地面において、ハンドル１６を操作する
操作員により、通常の手押し車のように走行しか
つ第１図および第７図のように止めることができ
る。手押し車で階段を越えようとする場合は、保
持部にあるハンドル１６の近くに設けられたスイ
ツチ３６により電動機２３が両方の回転方向の一
方に切り換えられる。電動機２３は鎖車２７とこ
の鎖車に固定的に結合された駆動軸２８とを比較
的遅く回転させ、この回転は第２図および第３図
において時計回りに行なわれる。駆動軸２８と共
にクランク腕３０も一緒にこの回転運動を行な
う。この場合、関節点１７を介して手押し車の保
持部の側壁１４に係合するクランクピン１８は、
手押し車の保持部を、上方へ第３図からわかる位
置に押し上げる。運搬車の積載面上にある荷物を
収容するために占めることができるこの上部位置
において、支持車輪３２は、階段の段の通常の高
さより高い走行車輪１１および１２の走行面３７
から距離を置いて存在する。

今や手押し車の上昇せしめられた保持部は階段
の段の垂直面３５に向かつて走行面３７上を走行
せしめられる。電動機２３がさらに回転せしめら
れる場合は、クランク腕３０がさらに時計回りに
移動せしめられかつそれによつて再び手押し車の
保持部が下降せしめられて、両方の支持車輪３２
が第１の階段の段３８上で接触する。今や手押し
車の保持部は支持車輪３２を介して階段の段３８
上に支持されかつ固定され、そのことは、電動機
２３を連続的に回転させ続ける場合クランク腕３
０の関節点１７が手押し車の保持部に固定されか
つクランク腕３０がこの関節点１７の回りを揺動
することを意味する。これは、第４図からわかる
ように、軸２８が鎖車２７および走行体全体と共
にクランクピン１８の回りを上方へ揺動せしめら
れることを意味する。第４図ないし第７図におい
ては、見やすくするために手押し車の走行体の各
部分は、駆動軸２８および走行車輪１１，１２を
除いて、もはや図示されていない。

手押し車の保持部の静止状態において走行体を
引き上げる場合は、走行体の案内棒１９の案内ピ
ン２０が手押し車の保持部の枠１３の案内溝２１
の中で上方へこの案内ピン２０の第２図に示した
位置の方向に移動する。それに対して、手押し車
の静止状態にある走行体に対し第３図に示した位
置へ保持部が上述の上昇運動を行なう間、案内溝
２１における案内ピン相対下降移動が行なわれ
る。

鎖車２７がクランク腕３０と共にさらに連続的
に時計回りに回転運動する場合は、走行車輪１２
が階段の段３８へ揺動せしめられ、かつ手押し車
の走行車輪１１および１２が階段の段３８上に接
したらすぐ再び手押し車の走行体が固定されかつ
電動機の続行する駆動運動により再びクランク腕
３０が駆動軸２８の回りを揺動せしめられ、その
ことは手押し車の保持部を新たに上昇させること
を意味する。このような上昇位置が第５図に示さ
れている。この上昇および続く僅かな下降は、支
持車輪３２が次の段３９に接触するまで続行され
る。それから、第４図との関係で説明された手押
し車の走行体の上昇運動が繰り返される。

階段における手押し車の下降運動の際は、上述
した運動過程が正反対に行なわれることは自明で
ある。下降運動のために電動機がスイツチ３６に
より反対の回転方向に切り換えられる。

上述の実施例から、荷物、例えば手押し車の保
持部の枠１３に帯４１により保護される家庭用具
を入れたボール箱４０が積載板１５上に載置可能
である手押し車の第７図に示した直立位置におい
て電動機２３を操作することにより、第６図に示
されているように手押し車の走行体が上昇せしめ
られかつそれによつて走行車輪１１および１２が
走行面３７から離れることがよくわかる。この位
置は、荷物を積んだ手押し車を直立位置から傾斜
した運搬位置へ揺動させることを助長する。なぜ
ならばまず揺動軸線が積載板１５の縁４２により
形成され、続いて揺動軸線が右の方へ第７図に示
した走行車輪１１および１２の支持位置４３に移
るからである。したがつて操作員は、第６図によ
る位置において、荷物４０を上昇させる際に作業
を一層楽に行なうことができる。

第８図は、走行車輪１１および１２を保持する
走行体と、支持車輪３２を持つ保持部とを相対位
置において示しており、この相対位置において、
収容された荷物が走行車輪１１，１２および支持
車輪３２にかかるように手押し車を止めることが
でき、手押し車は揺動しない。このような停止位
置は、手押し車の走行体および保持部の相対移動
を調節することにより、実際上それぞれの荷物４
０、すなわちそれぞれの荷物重心について得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、荷を積んでない不作動位置における
手押し車の斜視図、第２図は通常の走行位置にお
ける手押し車の側面図、第３図は保持部を押し上
げた状態で階段の段の垂直面のところにある手押
し車の側面図、第４図は走行車輪と共に走行体を
移動させる際支持車輪が階段の段の水平面に載つ
ている状態の手押し車の側面図、第５図は、階段
の段の水平面上において移動せしめられた走行車
輪に支持された手押し車が次の段の水平面に支持
車輪を移すために保持部を新たに押し上げる際の
手押し車の側面図、第６図は走行車輪を上昇させ
た状態の荷物収容位置における手押し車の側面
図、第７図は走行車輪を上昇させる前の荷物収容
位置における手押し車の側面図、第８図は停止位
置における荷を積んだ手押し車の側面図である。 １０……台板、１１，１２……走行車輪、１３
……支持枠、１４……側壁、１５……荷物用積載
板、１６……ハンドル、１８……クランクピン、
１９……案内棒、２３……電動機、２４……減速
装置、２８……駆動軸、３０……クランク腕、３
２……支持車輪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハンドルと、荷物用積載板と、同軸的な２つ
   の走行車輪と、回転方向の切換え可能な電動機
   と、減速装置とを有するものにおいて、手押し車
   が、相対移動可能な保持体と走行体とから成り、
   保持体が、支持枠１３と、この支持枠１３の下部
   の両側に固定された側壁１４と、側壁１４の端部
   範囲にそれぞれ回転可能に支持される支持車輪３
   ２と、支持枠１３の下部において側壁１４とは反
   対の側にある積載板１５とを含み、走行体が、保
   持体の支持枠１３に沿つて上端を案内される案内
   棒１９の下端に結合される台板１０と、この台板
   １０上に取り付けられる電動機２３および減速装
   置２４と、台板１０に回転可能に支持されかつ減
   速装置２４を介して電動機２３により回転駆動さ
   れる駆動軸２８と、この駆動軸２８の両端の範囲
   で駆動軸に対して同軸的に自由に回転可能に台板
   １０にそれぞれ支持される走行車輪１１，１２
   と、駆動軸２８の両端にそれぞれ固定されて走行
   車輪１１，１２の直径より小さい腕長を持つクラ
   ンク腕３０と、このクランク腕３０の自由端にあ
   りかつ側壁１４に接してクランク腕３０の回転に
   より支持体を保持体に対して相対移動せしめるク
   ランクピン１８を含んでいることを特徴とする、
   階段を昇降可能な手押し車。 ２ 走行体の案内棒１９が上端に案内ピン２０を
   持ち、この案内ピンが支持枠１３に形成された案
   内溝２１内に案内されていることを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項に記載の手押し車。 ３ 減速装置２４の従動軸が、駆動鎖２６を介し
   て駆動軸２８にある鎖車２７に連結されているこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の
   手押し車。 ４ 走行車輪１１，１２が少なくとも25cmの直径
   を持ち、支持車輪３２の軸３３と保持体の側壁１
   ４へのクランクピン１８の接触点１７との最短距
   離が、クランク腕３０の長さにほぼ等しいことを
   特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の手押
   し車。