JPH0928375A - トレハロースホスホリラーゼおよびその調製法 - Google Patents

トレハロースホスホリラーゼおよびその調製法

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JPH0928375A
JPH0928375A JP7201770A JP20177095A JPH0928375A JP H0928375 A JPH0928375 A JP H0928375A JP 7201770 A JP7201770 A JP 7201770A JP 20177095 A JP20177095 A JP 20177095A JP H0928375 A JPH0928375 A JP H0928375A
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trehalose phosphorylase
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利哉 加瀬
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栄一 高橋
Eisaku Takahashi
栄作 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、新規なトレハロースホスホリラー
ゼの調製法およびその利用に関する。 【構成】 従来、トレハロースホスホリラーゼを生産す
ることが知られていない微生物、例えばリゾプス(Rhizo
pus)属、カエトミウム(Chaetomium)属に属する菌株を培
養するトレハロースホスホリラーゼの調製方法であり、
このようにして得られるトレハロースホスホリラーゼは
熱安定性に優れており、トレハロースおよびα−D −グ
ルコース 1−リン酸の製造法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレハロースホスホリ
ラーゼの製造方法およびその利用、新規なトレハロース
ホスホリラーゼ、特に温度安定性に優れたトレハロース
ホスホリラーゼおよびその製造方法およびその利用に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンザイム・ノーメンクレイチャ
ー・1992(Enzyme Nomenclature1992、Academic Pre
ss )に、トレハロースホスホリラーゼとして、ユーグレ
ナグラシリス(Euglena gracilis)由来のEC 2.
4.1.64のトレハロースホスホリラーゼが記載報告
されている。また、フラムリナ ベルチペス (Flammuli
na velutipes)より得られる酵素がα−グルコース 1
−リン酸とグルコースからトレハロースを生成させるト
レハロースホスホリラーゼとして報告されている(FEMS
Microbiology Letters, 55, 147-150 (1988))。しか
し、上記文献に記載されているフラムリナ ベルチペス
(Flammulina velutipes)由来のトレハロースホスホリ
ラーゼは、酵素精製が困難で十分精製されていない。こ
の酵素が十分に精製できない原因として、この酵素の安
定性が低いためと考えられる。従って、その酵素として
の性質の記載が十分になされているとはいいがたい。例
えば、酵素のpH安定性、温度安定性、至適反応温度、
酵素の分子量に関する記載がなく、また至適反応pH、
基質特異性に関して十分な記載がなされているとはいい
がたい。また、α−グルコース 1−リン酸とグルコー
スからのトレハロースの生産性も満足できるものではな
い。エンザイム・ノーメンクレイチャー・1992 (En
zyme Nomenclature 1992、Academic Press) に記載され
ているEC 2.4.1.64のトレハロースホスホリ
ラーゼは、β−D −グルコース 1−リン酸とD −グル
コースからトレハロースを生成するトレハロースホスホ
リラーゼである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な現状に鑑み、α−D −グルコース 1−リン酸とD −
グルコースからトレハロースを生成し、かつ、温度安定
性に優れたトレハロースホスホリラーゼを提供すること
を課題とし、またこのようなトレハロースホスホリラー
ゼの調製方法、さらにこれらトレハロースホスホリラー
ゼを用いたトレハロース、α−D −グルコース 1−リ
ン酸の製造方法を提供することを課題とする。本発明は
各種の糸状菌からα-D- グルコース 1-リン酸とD-グル
コースからトレハロースを生産する酵素を見いだしたこ
とによりなされたものであり、β−D−グルコース 1
ーリン酸とD −グルコースとからトレハロースを生産す
る上記公知の酵素とは明らかに基質特異性が異なりまっ
たく別種の酵素である。以下、本発明において述べるト
レハロースホスホリラーゼとは、α−D −グルコース1
−リン酸とD −グルコースからトレハロースを生成する
ことができる酵素である。すなわち、本発明は、第一
に、従来トレハロースホスホリラーゼの産生が知られて
いない微生物によるトレハロースホスホリラーゼの調製
方法に関するものである。第二に、温度安定性に優れ、
より高温で反応する二つの新規トレハロースホスホリラ
ーゼに関するものである。第三に、トレハロースホスホ
リラーゼ生産微生物により調製されたトレハロースホス
ホリラーゼまたは温度安定性に優れた新規トレハロース
ホスホリラーゼを利用してトレハロースあるいはα−D
−グルコース 1−リン酸を製造する製造方法に関する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−D −
グルコース 1−リン酸とD −グルコースから温度安定
性に優れた、従来知られていないトレハロースホスホリ
ラーゼ生産微生物を求め鋭意研究した結果、アクレモニ
ウム(Acremonium)属、ビソチラミス(Byssoc hlamys
属、セルコスポーラ(Cercospora)属、カエトミウム
Chaetomium)属、グロメレラ(Glomerella)属、フミ
コラ(Humicola)属、ミセリオフィソーラ(Myceliopht
hora)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、リゾプス
Rhizopus)属、ロゼリニア(Rosellinia)属、スクレ
ロチニア(Sclerotinia)属、スポリジオボルス(Sporid
iobolus)属、ステリグマトミセス(Sterigmatomyces)
属、サーモアスクス(Thermoasucus)属、チエラビア
Thielavia)属およびチロミセス(Tyromyces)属に属す
る微生物を培養することにより、これら微生物がトレハ
ロースホスホリラーゼを生産することを新たに見いだし
た。また、これら微生物の培養物から得られるトレハロ
ースホスホリラーゼは、温度安定性に優れていることを
見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、従来トレハロースホ
スホリラーゼを生産することが知られていない微生物に
よるトレハロースホスホリラーゼの製造方法に関するも
のである。具体的にはアクレモニウム(Acremonium
属、ビソチラミス(Byssochlamys)属、セルコスポーラ
Cercospora)属、カエトミウム(Chaetomium)属、グ
ロメレラ(Glomerella)属、フミコラ(Humicola)属、
ミセリオフィソーラ(Myceliophthora)属、リゾムコー
ル(Rhizomucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、ロゼリ
ニア(Rosellinia)属、スクレロチニア(Sclerotinia)
属、スポリジオボルス(Sporidiobolus)属、ステリグマ
トミセス(Sterigmatomyces)属、サーモアスクス(Ther
moasucus)属、チエラビア(Thielavia)属およびチロミ
セス(Tyromyces)属に属しトレハロースホスホリラーゼ
生産能を有する微生物を培養し、培養物からトレハロー
スホスホリラーゼを採取することからなるトレハロース
ホスホリラーゼの製造法である。
【0006】また、本発明は、従来知られているトレハ
ロースホスホリラーゼより、高温で反応する新規トレハ
ロースホスホリラーゼに関するものであり、また、他の
発明は、リゾプス(Rhizopus)属およびカエトミウム
Chaetomium)属に属する微生物を培養し、培養物から
新規トレハロースホスホリラーゼを採取することからな
るトレハロースホスホリラーゼの製造法である。
【0007】また本発明は上記トレハロースホスホリラ
ーゼ生産菌により生産されるトレハロースホスホリラー
ゼおよび/または温度安定性に優れた新規トレハロース
ホスホリラーゼを用い、α−D −グルコース 1−リン
酸とD −グルコースからトレハロースを製造するトレハ
ロースの製造法に関するものである。また、本発明は上
記トレハロースホスホリラーゼ生産菌により生産される
トレハロースホスホリラーゼおよび/または温度安定性
に優れた新規トレハロースホスホリラーゼを用いトレハ
ロースからα−D −グルコース 1−リン酸を製造する
α−D −グルコース 1−リン酸の製造法に関するもの
である。
【0008】以下本発明を具体的に説明する。本発明に
おいて使用する微生物は、アクレモニウム(Acremoniu
m)属、ビソチラミス(Byssochlamys)属、セルコスポ
ーラ(Cercospora)属、カエトミウム(Chaetomium
属、グロメレラ(Glomerella)属、フミコラ(Humicol
a)属、ミセリオフィソーラ(Myceliophthora)属、リ
ゾムコール(Rhizomucor)属、リゾプス(Rhizopus
属、ロゼリニア(Rosellinia)属、スクレロチニア(Sc
lerotinia)属、スポリジオボルス(Sporidiobolus)属、
ステリグマトミセス(Sterigmatomyces)属、サーモアス
クス(Thermoasucus)属、チエラビア(Thielavia)属お
よびチロミセス(Tyromyces)属に属し、トレハロースホ
スホリラーゼの生産能を有する菌株であればいかなる菌
株でもよく、またこれらの菌株の変異株でもよい。ま
た、これらトレハロースホスホリラーゼ生産菌由来のト
レハロースホスホリラーゼcDNAを異種の微生物の発
現ベクターに組み込み、異種の微生物にこれらトレハロ
ースホスホリラーゼを発現できるように改良した菌株を
利用することもできる。
【0009】具体的なトレハロースホスホリラーゼ生産
菌としては、アクレモニウム アラバメンセ(Acremoni
um alabamense)IFO 32241、ビソチラミス
ニベア(Byssochlamys nivea)IFO 30569、セ
ルコスポーラ ベチコラ(Cercospora beticola)IF
O 7398、カエトミウム サーモフィルム(Chae to
mium thermophilum)IFO 9679、グロメレラ
シングラタ(Glomerella cingulata)IFO7478、
フミコラ グリセア(Humicola grisea)IFO 98
54、ミセリオフィソーラ サーモフィラ(Myceliopht
hora thermophila)IFO 31843、リゾムコール
プシルス(Rhizomucor pusillus)IFO 457
9、リゾムコール ミエヘイ (Rhizomucor miehei) I
FO 9740、リゾプス キネンシス(Rhizopus ch
inensis)IFO 30499、リゾプス キネンシス
Rhizopus chinensis)IFO 4768、リゾプス
キネンシス(Rhizopus chinensis)IFO 4737、
リゾプス アジゴスポルス(Rhizopus azygosporus)
FO 31989 、リゾプス ミクロスポルス(Rhizo
pus microsporus)IFO 31988、ロゼリニア
ネカトリクス(Rosellinia necatrix)IFO 595
4、スクレロチニア スクレオチオルム(Sclerotinia
sclerotiorum) IFO 4876、スポリジオボルス
ジョンソニ(Sporidiobolus johnsonii)IFO 690
3、ステリグマトミセス ハロフィルス(Sterigmatomyc
es halophilus)IFO 1488、サーモアスクス
オウランチアクス (Thermoasucus aurantiacus)IFO
31693、チエラビア テレストリス(Thielavia
terrestris)IFO 9732、チエラビア アレナリ
(Thielavia arenaria)IFO 31060およびチ
ロミセス パルストリス(Tyromyces palustris)IFO
30339等の菌株を使用することができる。
【0010】また、本発明により得られたリゾプス(Rh
izopus)属由来のトレハロースホスホリラーゼ(以下、
「トレハロースホスホリラーゼR」と呼称する)は、次
の理化学的性質を有する。 1.作用:α−D −グルコース 1−リン酸とD −グル
コースからトレハロースを生成する(以下、「トレハロ
ース合成反応」と呼称する)。および無機リン酸の存在
下トレハロースに作用してα−D −グルコース 1−リ
ン酸とD −グルコースを生成する。 2.基質特異性:加リン酸分解反応の二糖基質としては
トレハロースに作用する。二糖合成反応においては、糖
供与体としてα−D −グルコース 1−リン酸に、糖受
容体としてD −グルコースに作用する。 3.至適作用pH:トレハロース合成反応(45℃) 最大活性の約50%の活性を示すpH範囲:4.7から
6.7 4.pH安定性:トレハロース合成反応:3.5から1
2.5 (30℃、1時間) 5.至適反応温度:トレハロース合成反応(pH5.5) 最大活性の約80%の活性を示す温度範囲:42.5か
ら50℃ 6.温度安定性:トレハロース合成反応:42.5℃、
30分にて安定(pH6.5) 7.分子量:200,000〜280,000ダルトン
(GPCによる)
【0011】また、本発明により得られたカエトミウム
Chaetomium)属由来のトレハロースホスホリラーゼ
(以下「トレハロースホスホリラーゼC」と呼称する)
は、次の理化学的性質を有する。 1.作用:α−D −グルコース 1−リン酸とD −グル
コースからトレハロースを生成する(以下、「トレハロ
ース合成反応」と呼称する)。および無機リン酸の存在
下トレハロースに作用してα−D −グルコース 1−リ
ン酸とD −グルコースを生成する。 2.基質特異性:加リン酸分解反応の二糖基質としては
トレハロースに作用する。合成反応においては、糖供与
体としてα−D −グルコース 1−リン酸に、糖受容体
としてD −グルコースに作用する。 3.至適作用pH:トレハロース合成反応(45℃) 最大活性の約50%の活性を示すpH範囲:4.7から
6.7 4.pH安定性:トレハロース合成反応:3.5から1
2.5 (30℃、1時間) 5.至適反応温度:トレハロース合成反応(pH5.5) 最大活性の約80%の活性を示す温度範囲:45から5
0℃ 6.温度安定性:トレハロース合成反応:55℃、30
分にて安定(pH6.5) 7.分子量:300,000〜400,000ダルトン
(GPCによる)
【0012】α−D −グルコース 1−リン酸とD −グ
ルコースからトレハロースを生成することができる上記
理化学的性質を持ったトレハロースホスホリラーゼは従
来報告がなく本発明において、初めて報告される。
【0013】また、本発明者らは、リゾプス(Rhizopu
s)属およびカエトミウム(Chaetomium)属に属する微
生物がこれら新規なトレハロースホスホリラーゼを生産
することを見いだした。本菌属中にこのような酵素が存
在することは従来知られていない。該新規トレハロース
ホスホリラーゼを生産する微生物は、リゾプス(Rhizop
us)属およびカエトミウム(Chaetomium)属に属し、ト
レハロースホスホリラーゼの生産能を有する菌株であれ
ばいかなる菌株でもよく、またこれらの菌株の変異株で
もよい。また、本発明においては上記理化学的性質を持
ったトレハロースホスホリラーゼを生産することができ
る任意の微生物を使用することもできる。
【0014】本発明の新規トレハロースホスホリラーゼ
はまた、上記理化学的性質を持ったトレハロースホスホ
リラーゼ、またはその修飾されたトレハロースホスホリ
リーゼの発現をコードする遺伝子を適当な宿主に挿入
し、そしてその宿主を培養することにより製造すること
ができる。
【0015】また、本発明においては、上記理化学的性
質を持った新規トレハロースホスホリラーゼと免疫化学
的性質が同一であるか、あるいは部分的に同一であるト
レハロースホスホリラーゼを生産する微生物を使用する
こともできる。本発明における免疫化学的性質が同一で
あるか、あるいは部分的に同一であるトレハロースホス
ホリラーゼとは、公知のオクテロニー(Ouchterlony) 二
重免疫拡散法(「免疫生化学研究法」p.40、198
6、東京化学同人)により本発明の理化学的性質を有す
るトレハロースホスホリラーゼとの間に完全融合あるい
は部分融合するような沈降線を与えるトレハロースホス
ホリラーゼである。
【0016】上記新規トレハロースホスホリラーゼ生産
菌により生産されるトレハロースホスホリラーゼおよび
上記理化学的性質を持ち温度安定性に優れた新規トレハ
ロースホスホリラーゼによるトレハロースあるいはα−
D −グルコース 1−リン酸の製造法については従来知
られていない。
【0017】次に、本発明において用いる微生物を培養
する際に使用される培地としては、炭素源、窒素源、無
機塩類、ビタミン、その他の栄養源からなる合成培地ま
たは天然培地のいずれでも使用可能である。炭素源とし
てはグルコース、スクロース、ラクトース、フルクトー
ス、グリセロール、スターチ、廃糖蜜などの一般的に使
用されるものでよく、また誘導的な株の場合はトレハロ
ースを適宜用いてもよい。
【0018】窒素源としては硫酸アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸二アンモニウ
ム、尿素等の無機窒素化合物あるいは酵母エキス、肉エ
キス、ペプトン、カザミノ酸、コーンスティープリカ
ー、大豆粕等の有機窒素源を使用することができる。さ
らに無機塩類として、例えば、カリウム塩、ナトリウム
塩、リン酸塩、マグネシウム塩、鉄塩および微量の金属
塩を使用することができる。他に種々の界面活性剤を消
泡剤として使用することもできる。
【0019】培養は、培養温度約20から70℃、好ま
しくは25から60℃、培地の初発pHは4.0から9.
0、好ましくは5.0から8.0として、液体振とう培
養、ジャーファーメンターによる通気撹拌培養等により
好気的に行なわれる。あるいは、静置培養、固体培養等
により行なわれる。
【0020】酵素源からのトレハロースホスホリラーゼ
の調製は以下のように行なう。酵素は主に菌体内にある
ので、まず培養物を遠心分離、あるいは濾過などの方法
で、菌体だけを分離するのが好ましい。菌体からのトレ
ハロースホスホリラーゼの分離精製は、次のようにして
行うことができる。菌体内に蓄積された該酵素を菌体か
ら抽出する方法は、培養終了後の培養菌体を遠心分離
し、緩衝液で菌体を洗浄した後、適当量の緩衝液に懸濁
し、従来から行われている超音波による菌体破砕、ワー
リングブレンダーTM(ダイナミック社、USA)による
菌体破砕、あるいはガラス・ビーズと共に回転させるダ
イノミル破砕機等による菌体破砕、またはリゾチーム等
の酵素やトルエン等の有機溶媒による細胞膜の破砕など
がある。破砕した後不溶物を分離除去して得られる液を
粗酵素液とする。粗酵素液はそのままトレハロースまた
はα−D −グルコース 1−リン酸の製造に用いること
もできるが、さらに分離、精製して用いることもでき
る。
【0021】粗酵素液の分離、精製法としては、硫安沈
澱による塩析法、溶媒沈澱法、イオン交換樹脂による吸
着、透析膜による分離、限外濾過膜による濃縮、ハイド
ロキシアパタイトによる吸着、疎水性担体による分離、
アフィニテークロマトグラフィーによる分離等の一般的
な蛋白質の分離精製法を利用することができる。このよ
うにして得た精製酵素または粗酵素をそのまま用いても
よいが、公知の固定化手段、例えば担体結合法、架橋
法、ゲル包括法、マイクロカプセル化法等を利用して固
定化酵素としてもよい。また、生菌体をポリアクリルア
ミド、κ−カラギナン、アルギン酸、光架橋性樹脂プレ
ポリマー等を利用する包括固定化法により固定化して生
体触媒として用いることもできる。
【0022】酵素の活性は、以下により求めた。すなわ
ちトレハロース10.8g 、グルタチオン860mg、E
DTA・2Na17.2mgを57 mM リン酸カリウム緩
衝液(pH7.0)に溶解し精製水で全量を100mlとし
た溶液1400μl、20mMNADP+ 水溶液100μ
l、26 mM 塩化マグネシウム水溶液100μl、1.
34 mM グルコース 1,6−二リン酸水溶液100μ
l、ホスホグルコムターゼ31単位/ml水溶液100μ
l、グルコース−6−リン酸脱水素酵素35単位/ml水
溶液100μl、および被検酵素液100μlを混合
し、50℃で反応させて生成するNADPH量を波長3
40 nm の吸光度によって経時的に測定する。この条件
下で1分間に1μmol のNADPHを生成する酵素量を
1単位とする。
【0023】本発明のトレハロースホスホリラーゼを利
用して、α−D −グルコース 1−リン酸とD −グルコ
ースからトレハロースを製造するためには、α−D −グ
ルコース 1−リン酸5mMから4M 、好ましくは50mM
から3M 、D −グルコース5mMから4M 、好ましくは5
0mMから3M を本発明のトレハロースホスホリラーゼ存
在下に、pH2から10、好ましくはpH4から9、さらに
好ましくはpH5から8、反応温度を10から80℃、好
ましくは15から60℃、さらに好ましくは20から5
5℃で反応させれば良い。またトレハロースホスホリラ
ーゼは基質D −グルコース1g に対して0.01単位以
上、好ましくは0.1から1,000単位、さらに好ま
しくは1から100単位用いる。酵素の使用量に上限は
存在せず、最適な酵素使用量は経済性を考慮して決定さ
れる。
【0024】本発明のトレハロースホスホリラーゼを利
用して、スクロースとD −グルコースからトレハロース
を製造するためには、スクロース5mMから4M 、好まし
くは50mMから3M 、D −グルコース5mMから4M 、好
ましくは50mMから3M を本発明のトレハロースホスホ
リラーゼ、スクロースホスホリラーゼおよび無機リン酸
および/またはその塩の存在下に、pH2から10、好ま
しくはpH4から9、さらに好ましくはpH5から8、反応
温度を10から80℃、好ましくは15から60℃、さ
らに好ましくは20から55℃で反応させれば良い。ま
たトレハロースホスホリラーゼは基質スクロース1g に
対して0.01単位以上、好ましくは0.1から1,0
00単位、さらに好ましくは1から100単位用いる。
スクロースホスホリラーゼは基質スクロース1g に対し
て0.01単位以上、好ましくは0.1から1,000
単位、さらに好ましくは1から100単位用いる。酵素
の使用量に上限は存在せず、最適な酵素使用量は経済性
を考慮して決定される。
【0025】本発明のトレハロースホスホリラーゼを利
用して、スクロースからトレハロースを製造するために
は、スクロース5mMから4M 、好ましくは50mMから3
M を本発明のトレハロースホスホリラーゼ、スクロース
ホスホリラーゼ、グルコースイソメラーゼおよび無機リ
ン酸および/またはその塩の存在下に、pH2から10、
好ましくはpH4から9、さらに好ましくはpH5から8、
反応温度を10から80℃、好ましくは15から60
℃、さらに好ましくは20から55℃で反応させれば良
い。またトレハロースホスホリラーゼは基質スクロース
1g に対して0.01単位以上、好ましくは0.1から
1,000単位、さらに好ましくは1から100単位用
いる。スクロースホスホリラーゼは基質スクロース1g
に対して0.01単位以上、好ましくは0.1から1,
000単位、さらに好ましくは1から100単位用い
る。グルコースイソメラーゼは基質スクロース1g に対
して0.01単位以上、好ましくは0.1から1,00
0単位、さらに好ましくは1から100単位用いる。こ
れらの酵素の使用量に上限は存在せず、最適な酵素使用
量は経済性を考慮して決定される。
【0026】スクロースホスホリラーゼは公知の酵素で
あり、スクロースと無機リン酸および/またはその塩か
らα−グルコース 1−リン酸とフラクトースを生成す
る酵素であればいかなる起源の酵素でも用いることがで
きる。市販品を用いる他、これら酵素を生産する微生物
を培養して得たものを用いることもできる。具体的に
は、ロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc
mesenteroides)、シュードモナス サッカロフィラ(P
seudomonas saccharophila)等の微生物によって生産さ
れるスクロースホスホリラーゼを用いることができる。
【0027】グルコースイソメラーゼは、フラクトース
からグルコースを生成する酵素であればいかなる起源の
酵素でも用いることができる。市販品を用いる他、これ
ら酵素を生産する微生物を培養して得たものを用いるこ
ともできる。具体的には、ストレプトミセス(Streptom
yces)、アースロバクター(Arthrobacter)等の微生物
によって生産されるグルコースイソメラーゼを用いるこ
とができる。
【0028】本発明のトレハロースホスホリラーゼ酵素
を利用して、トレハロースからα−D −グルコース 1
−リン酸を製造するためには、トレハロースを5mMから
3M、好ましくは50mMから2M 、無機リン酸およびそ
の塩5mMから3M 、好ましくは50mMから2M を本発明
のトレハロースホスホリラーゼ存在下に、pH2から1
0、好ましくはpH4から9、さらに好ましくはpH5〜
8、反応温度を10から80℃、好ましくは15から6
0℃、さらに好ましくは20から55℃で反応させれば
良い。またトレハロースホスホリラーゼは基質トレハロ
ース1g に対して0.01単位以上、好ましくは0.1
から1,000単位、さらに好ましくは1から100単
位用いる。酵素の使用量に上限は存在せず、最適な酵素
使用量は経済性を考慮して決定される。
【0029】本発明の方法において使用する無機リン酸
および/またはその塩としては、オルトリン酸、リン酸
ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム等の通常の無機リン酸および
その塩等を使用することができ、好ましくはリン酸緩衝
液の形態で用いる。
【0030】本発明の酵素を用いてトレハロースあるい
は無機リン酸を定量することができる。反応式1に示す
ようにトレハロースと無機リンから本発明により調製し
たトレハロースホスホリラーゼによりα−D −グルコー
ス 1−リン酸とグルコースを生成させる。
【0031】
【化1】
【0032】さらに、反応式2、反応式3に示すように
ホスホグルコムターゼ(EC 2.7.5.1、酵素ハンドブッ
ク、朝倉書店、1982年による、以下同じ)およびD
−グルコース−6−リン酸脱水素酵素(EC 1.1.1.49)を
組み合わせる。つまり反応式1に示す反応によって生成
したα−D −グルコース 1−リン酸を反応式2に示す
反応によってD −グルコース 6−リン酸に変換し、こ
のD −グルコース 6−リン酸を反応式3に示す反応に
よって6−ホスホ−D −グルコン酸に変換する。この反
応式3に示す反応は、補酵素を必要とし、NAD+ ある
いはNADP+ をそれぞれNADHあるいはNADPH
に変換する。このNADHあるいはNADPHの生成を
340nmにおける吸光度の増加を測定することによりト
レハロースあるいは無機リン酸を測定することができ
る。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】さらに、反応式1で生成したグルコース
を、ムタロターゼ(EC 5.1.3.3)、グルコースオキシダ
ーゼ(EC 1.1.3.4)およびペルオキシダーゼ(EC 1.11.
1.7)を組み合わせる公知の方法により測定し、トレハロ
ースあるいは無機リン酸を測定することもできる。
【0036】以下、本発明を実施例によってさらに具体
的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではない。
【0037】
【実施例1】ポテト−スクロース培地1000mlに酵母
エキス1g とリン酸二水素ナトリウム0.5g を加え溶
解し、pHを5.6に調整した。この水溶液100mlを3
00ml 三角フラスコに分注し滅菌し(120℃、15
分間)種培養培地を調製した。滅菌後、リゾプス キネ
ンシス (Rhizopus chinensis)IFO−30499株を
接種し、25℃、4日間往復振とう培養(130rp
m)し種培養とした。トレハロース30g 、リン酸二水
素ナトリウム0.5g 、硫酸マグネシウム7水和物0.
2g 、塩化カリウム1g と酵母エキス20g を精製水に
て溶解し、1000mlとし、pHを6.0に調整し、培地
を調製した。この培地100mlを300ml三角フラスコ
に分注し、オートクレーブ滅菌した。滅菌後、この培地
に前記調製した種培養液5 ml を接種し、28℃、17
0rpmにて3日間培養を行った。
【0038】培養後、培養液を高速遠心機により濾液と
菌体に分離し、菌体を20 mM トリス緩衝液(pH7.
5、1 mM EDTA、1 mM ジチオスレイトールおよび
20%グリセロール含有、以下同じ)にて洗浄した。洗
浄菌体を20 mM トリス緩衝液に懸濁し、ホモジナイザ
ーHG−30TM(日立)にて2分間細胞破砕を行い、遠
心により上清液286mlを得た。この粗酵素液を20 m
M トリス緩衝液にて平衡化したDEAE−トヨパールTM
650C(トーソー社)イオン交換カラム(50ml)に
通し、160mlの同じ緩衝液にて洗浄後20 mM トリス
緩衝液(300ml) と0.5M 塩化カリウム含有20 m
M トリス緩衝液(300ml) を用いて直線濃度勾配溶出
を行った。酵素活性画分は121mlであった。この活性
画分に30%飽和硫安濃度になるように硫安を加えた。
この酵素液を30%飽和硫安含有20 mM トリス緩衝液
にて平衡化したブチル−トヨパールTM(トーソー社)カ
ラム(25ml) に通した。このカラムを70mlの30%
飽和硫安含有20 mM トリス緩衝液にて洗浄後、30%
から0%飽和硫安含有20 mM トリス緩衝液(400m
l) を用いて直線濃度勾配溶出を行った。10mlづつ分
取した結果、フラクション26〜39に酵素活性が検出
された。酵素活性画分は150mlであった。ホローファ
イバー限外濾過濃縮装置により濃縮し、部分精製酵素液
3.6mlを得た。この部分精製酵素液のトレハロースホ
スホリラーゼ活性、総活性はそれぞれ1.7単位/ml、
6.1単位であった。
【0039】
【実施例2】表1から選ばれた一菌株を、YM培地(デ
フコ)にて種培養し種菌とした。酵母エキス6g 、麦芽
エキス6g 、ペプトン10g 、グルコース10g および
トレハロース20g を精製水1000mlに溶解し、pHを
6.2に調整し培地を調製した。この培地100mlを3
00 ml 三角フラスコに入れ滅菌し、種菌を接種し、表
1に示す培養温度、培養期間にて培養を行った。このよ
うにして得た培養液から菌体を集め、20 mM トリス緩
衝液(pH7.5、1 mM EDTA、1 mM ジチオスレイ
トールおよび20%グリセロール含有、以下同じ)にて
洗浄した。洗浄菌体を20 mM トリス緩衝液に懸濁し、
ホモジナイザーHG−30TM(日立)にて2分間細胞破
砕を行い、遠心により粗酵素を調製した。各菌株の粗酵
素液のトレハロースホスホリラーゼ活性、総活性を表1
に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例3】酵母エキス10g 、バクト−ペプトン20
g 、トレハロース20g を精製水1000mlに溶解し、
pHを6.0に調整した。この培地100mlを300 ml
三角フラスコに分注し、滅菌した。滅菌後、この培地二
本にスポリジオボルス ジョンソニ(Sporidiobolus jo
hnsonii)IFO 6903あるいはステリグマトミセス
ハロフィルス(Sterigmatomyces halophilus)IFO
1488株を接種し25℃、2日間振とう培養した。培
養後、培養液を高速遠心機により濾液と菌体に分離し、
菌体を20 mM トリス緩衝液(pH7.5、1 mM EDT
A、1 mM ジチオスレイトールおよび20%グリセロー
ル含有、以下同じ)にて洗浄した。洗浄菌体を20 mM
トリス緩衝液に懸濁し、超高速振動破砕装置(マイケル
社)にて15分間細胞破砕を行い、遠心分離により不溶
物を分離し上清液をそれぞれ20、34mlを得た。この
粗酵素液のトレハロースホスホリラーゼ活性、総活性は
スポリジオボルス ジョンソニ(Sporidiobolus johnso
nii)IFO 6903株では0.46単位/ml、9.3
単位、ステリグマトミセス ハロフィラス(Sterigmatom
yces halophilus) IFO1488株では0.14、
4.6単位であった。
【0042】
【実施例4】チロミセス パルストリス(Tyromyces pa
lustris)IFO 30339株をYM培地にて種培養し
た。酵母エキス7.5g 、麦芽エキス2g 、リン酸一カ
リウム0.5g 、硫酸マグネシウム7水和物0.5g 、
グルコース40g を1000mlに溶解し、pHを5.5に
調整した培地を300 ml 三角フラスコに100mlづつ
分注し滅菌した。この滅菌した三角フラスコ2本に前記
種培養を接種し、25℃、7日間振とう培養した。培養
後実施例1と同様にして、粗酵素液を調製した。この粗
酵素液のトレハロースホスホリラーゼ活性、総活性は
0.16単位/ml、7.3単位であった。
【0043】
【実施例5】表2の菌株群から選ばれた各菌株を以下の
ように、培養、粗酵素調製、部分精製酵素調製を行い、
部分精製酵素液を得た。各菌株をグルコース10g 、ト
レハロース20g 、酵母エキス20g 、リン酸一カリウ
ム2g 、リン酸二カリウム0.4g および硫酸マグネシ
ウム7水和物0.2g を1000mlの精製水に溶解しpH
を6.3に調製した。この培地を300 ml 三角フラス
コに100mlづつ分注し、滅菌した。この10本の培地
に、酵母エキス6g 、麦芽エキス6g 、ペプトン10g
、グルコース5g 、トレハロース20g からなる種培
養培地(pH6.2)にて各菌株を種培養した種培養を接
種し、表2に示す培養温度、培養期間で培養を行った。
培養後、実施例1と同様な方法にて粗酵素液を調製し
た。その粗酵素液のトレハロースホスホリラーゼ酵素活
性、総活性を表2に示した。また、この粗酵素液をDE
AE−トヨパールTM(トーソー)クロマトグラフィー、
ブチル−トヨパールTM(トーソー)クロマトグラフィー
により部分精製し、さらにホローファイバーを用いた限
外濾過により濃縮し、部分精製酵素液を得た。この部分
精製酵素液のトレハロースホスホリラーゼ活性、総活性
を表2に示す。活性はすべて50℃で測定した。
【0044】
【表2】
【0045】
【実施例6】グロメレラ シングラータ(Glomerella
cingulata)IFO 7478株をYM培地(デフコ)に
て28℃、4日間振とう培養した。酵母エキス20g 、
リン酸一ナトリウム0.5g 、塩化カリウム1g 、硫酸
マグネシウム7水和物0.2g およびトレハロース30
g を1000mlに溶解し、pHを6.3に調整し培地を調
製した。この培地に種培養を接種し、28℃、4日間振
とう培養を行った。培養後、実施例1と同様に、菌体を
遠心により集菌、洗浄し、ホモジナイザーHG−30TM
(日立)により菌体破砕を行い、遠心により上清を粗酵
素液として得た。グロメレラ シングラータ(Glomerel
la cingulata)IFO 7478株由来の粗酵素液のト
レハロースホスホリラーゼ活性、総活性はそれぞれ0.
014単位/ml、1.5単位であった。
【0046】
【実施例7】ポテト−スクロース培地1000mlに酵母
エキス1g とリン酸水素ナトリウム0.5g を加えpH
5.6に調整し種培養培地を調製した。この培地100
mlを300ml三角フラスコに分注し滅菌した(120
℃、15分間)。滅菌後、カエトミウム サーモフィル
ム(Chaetomium thermopholum)IFO 9679株を
接種し、35℃、6日間往復振とう培養(150rp
m)し、種培養とした。培養は、トレハロース30g 、
リン酸水素一ナトリウム0.5g 、硫酸マグネシウム7
水和物0.2g 、塩化カリウム1g と酵母エキス20g
を精製水にて溶解し、1000mlとし、pHを6.0に調
整した。この本培養培地100mlを300 ml三角フラ
スコに分注し、オートクレーブ滅菌した。滅菌後、前培
養液5mlを接種し、35℃、150rpmにて6日間培
養を行った。
【0047】培養後、培養液を高速遠心機により濾液と
菌体に分離し、菌体を20mMトリス緩衝液(pH7.5、
1 mM EDTA、1 mM ジチオスレイトールおよび20
%グリセロール含有、以下同じ)にて洗浄した。洗浄菌
体を20mMトリス緩衝液に懸濁し、ホモジナイザーHG
−30TM(日立)にて2分間細胞破砕を行い、遠心分離
により不溶物を除き上清液275mlを得た。この粗酵素
液のトレハロースホスホリラーゼ活性は 0.05単位
/ml、総活性14単位であった。この粗酵素液を20mM
トリス緩衝液にて平衡化したDEAE−トヨパールTM
50C(50ml)イオン交換カラムに通し、160mlの
同じ緩衝液にて洗浄後20mMトリス緩衝液(300ml)
と0.5M塩化カリウム含有トリス緩衝液(300ml)
を用いて直線濃度勾配溶出により酵素活性画分215ml
を得た。この活性画分に30%飽和硫安濃度になるよう
に硫安を加えた。この酵素液を30%飽和硫安含有20
mMトリス緩衝液にて平衡化したブチル−トヨパール
TM(25ml)カラムに通した。このカラムを30%飽和
硫安含有トリス緩衝液にて洗浄後、30%から0%飽和
硫安含有トリス緩衝液(400ml)を用いて直線濃度勾
配溶出を行った。9.7mlの分画を行った結果、フラク
ション31〜46に酵素活性が検出され、酵素活性画分
154mlを得た。ホローファイバー限外濾過濃縮装置に
より濃縮し、部分精製酵素液3.6mlを得た。この部分
精製酵素液のトレハロースホスホリラーゼ活性、総活性
はそれぞれ3.1単位/ml、11単位であった。活性画
分を20 mM リン酸緩衝液で平衡化したTSK gelTM
3000SW(7.5mmφ×300mm、流速0.5ml/
分、トーソー社製)カラムを用いて高速液体クロマトグ
ラフィーにより精製を行った。UV280nmで検出する
と9.5分に1本のピークが見られた。このピークが活
性ピークであった。この時の活性ピークの保持時間と蛋
白質標品の保持時間から分子量を見積もると、本酵素の
分子量は、約380,000であった。
【0048】
【実施例8】リゾプス アザイゴスポルス(Rhizopus
azygosporus)IFO 31989株を酵母エキス6g 、
麦芽エキス6g 、ペプトン10g 、グルコース5g 、ト
レハロース20g からなる種培養培地(pH6.2)にて
種培養を行った。酵母エキス20g 、グルコース10g
、トレハロース20g 、リン酸一カリウム 4 2g 、
リン酸二カリウム0.4g および硫酸マグネシウム7水
和物0.2g を精製水1000mlに溶解し、pH6.2に
調整し培地を作製した。この培地100mlを300ml三
角フラスコに入れ滅菌し、種培養を各3 ml 接種し、2
7.5℃、7日間培養をおこなった。
【0049】培養後、培養液を高速遠心機により濾液と
菌体に分離し、菌体を20 mM トリス緩衝液(pH7.
5、1 mM EDTA、1 mM ジチオスレイトールおよび
20%グリセロール含有、以下同じ)にて洗浄した。洗
浄菌体を20mMトリス緩衝液に懸濁し、ホモジナイザー
HG−30TM(日立)にて2分間細胞破砕を行い、遠心
分離により不溶物を除き上清液385 ml を得た。この
粗酵素液のトレハロースホスホリラーゼ活性は0.56
単位/ml、総活性217単位であった。活性測定は反応
温度を50℃で行った以外は前記の方法に準じた。
【0050】この粗酵素液を20 mM トリス緩衝液にて
平衡化したDEAE−トヨパールTM650C(50ml)
イオン交換カラムに通し、160 ml の同じ緩衝液にて
洗浄後20 mM トリス緩衝液(300ml) と0.5M 塩
化カリウム含有トリス緩衝液(300ml) を用いて直線
濃度勾配溶出により酵素活性画分を130 ml を得た。
この活性画分に30%飽和硫安濃度になるように硫安を
加えた。この酵素液を30%飽和硫安含有20 mM トリ
ス緩衝液にて平衡化したブチル−トヨパールTM(25m
l)カラムに通した。このカラムを30%飽和硫安含有
トリス緩衝液にて洗浄後、30%から0%飽和硫安含有
トリス緩衝液(400ml) を用いて直線濃度勾配溶出を
行った。酵素活性画分103mlを得た。この活性画分を
透析しスーパーQ トヨパールTMカラムによりさらに精
製し、活性12単位/ml、総活性113単位の部分精製
酵素液を得た。この酵素液を20 mM リン酸緩衝液で平
衡化したTSKgelTMG3000SW(7.5mmφ×
300mm、流速0.5ml/分、トーソー社製)カラムを
用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製を行っ
た。UV280nmで検出すると10.3分に1本のピー
クが見られた。このピークが活性ピークであった。この
時の活性ピークの保持時間と蛋白質標品の保持時間から
分子量を見積もると、本酵素の分子量は、約230,0
00であった。
【0051】
【実施例9】実施例7および8により得られた精製酵素
を用いて酵素の基質特異性、至適pH、pH安定性、至適温
度、温度安定性を調べた。トレハロースの定量は以下の
方法により行なった。
【0052】トレハロースの定量法:反応液をポリアミ
ンカラム(YMC PackTM Polyamine I
I 4.6mmφ×250mm、YMC社製)、溶離液アセト
ニトリル:水=70:30、流速1ml/分、カラム温度
35℃、示差屈折計(セル温度35℃)による高速液体
クロマトグラフィーにより測定しトレハロース濃度を求
めた。このHPLC条件においてトレハロースの保持時
間は15.7分であった。
【0053】トレハロースホスホリラーゼCおよびトレ
ハロースホスホリラーゼR [基質特異性] 加リン酸分解反応:本酵素を用いて各種糖類の加リン酸
分解反応を行なった。トレハロースからはα−D −グル
コース 1−リン酸とD −グルコースが生成した。 二糖合成反応:本酵素を用いて各種単糖とα−D −グル
コース 1−リン酸による二糖合成反応を行なった。D-
グルコース以外のL −グルコース、D −ガラクトース、
D −マンノース、D −キシロース、D −フラクトース、
D −ソルビトール、D −マンニトール、D −フコースは
反応しなかった。
【0054】[至適pH]緩衝液として酢酸緩衝液(pH
3.0から5.5)、MES緩衝液(pH5.0から7.
0)、HEPES緩衝液(pH7.0から8.0)、トリ
ス−HCl緩衝液(7.5から9.0)、グリシン−水
酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5から12.0)を用い
た。各pHにおいて45℃、12時間反応を行ない生成し
たトレハロース量を上述の方法により定量し酵素活性を
求めた。このようにして得たトレハロースホスホリラー
ゼCおよびRの至適pH範囲をそれぞれ図1および2に示
す。
【0055】[pH安定性]緩衝液として酢酸緩衝液(pH
3.0から5.5)、MES緩衝液(pH5.0から7.
0)、HEPES緩衝液(pH7.0から8.0)、トリ
ス−HCl緩衝液(7.5から9.0)、グリシン−水
酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5から12.0)を用い
た。各トレハロースホスホリラーゼを各pHに、30℃、
1時間放置した。放置後、45℃、12時間反応させ生
成したトレハロースを上述のHPLC法により定量し各
pHにおける酵素活性を求めた。このようにして得たトレ
ハロースホスホリラーゼCおよびRのpH安定性の範囲
をそれぞれ図3および4に示す。
【0056】[至適温度]MES緩衝液(pH5.5)を
用い、温度30℃から55℃の所望の温度で5時間反応
させ、加熱処理により酵素を失活させ、生成したトレハ
ロースを上述のHPLC法により定量し酵素活性を求め
た。このようにして得たトレハロースホスホリラーゼC
およびRの至適温度範囲をそれぞれ図5に示す。
【0057】[温度安定性]トレハロースホスホリラー
ゼを20 mM リン酸緩衝液(pH7.0)中、温度42.
5℃から55℃の所望の温度に30分間放置した。放置
後、45℃、5時間反応させ、加熱処理により酵素を失
活させ、生成したトレハロースを上述のHPLC法によ
り定量し酵素活性を求めた。このようにして得たトレハ
ロースホスホリラーゼC、Rの温度安定性の範囲をそれ
ぞれ図6に示す。
【0058】
【実施例10】実施例7、8により得た部分精製酵素を
用いてα−D −グルコース 1−リン酸とグルコースか
らトレハロースの生成の検討を行った。α−D −グルコ
ース1−リン酸100mM、グルコース100mM、100
mM MES緩衝液(pH6.5)および部分精製酵素4単
位/mlを用いて、トレハロース合成反応を各温度で、2
4時間行った。その結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【実施例11】実施例7、8により得た部分精製酵素を
用いてトレハロースと無機リン酸からα−D −グルコー
ス 1−リン酸の生成の検討を行った。トレハロース1
00mM、100 mM リン酸緩衝液(pH7.0)および部
分精製酵素4単位/mlを用いて、α−D −グルコース
1−リン酸の生成反応を45℃、24時間行った。その
結果、カエトミウム サーモフィルム(Chaetomium th
ermophilum)IFO9679株およびリゾプス アザイ
ゴスポルス(Rhizopus azygosporus) IFO31989
株由来のトレハロースホスホリラーゼ部分精製酵素にお
いて、それぞれ60mM、54mMのα−D −グルコース
1−リン酸が生成した。α−D −グルコース 1−リン
酸の定量は以下の方法により行った。
【0061】α−D −グルコース 1−リン酸の定量
法:0.5M リン酸緩衝液(pH7.0)120μl、
1.0M HEPES緩衝液(pH7.0)150μl、
14.8 mM NADP+ 水溶液50μl、26 mM塩化
マグネシウム水溶液50μl、1.34 mM α−D −グ
ルコース 1,6−二リン酸水溶液50μl、ホスホグ
ルコムターゼ31単位/ml水溶液25μl(0.78単
位)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素35単位/ml
水溶液25μl(0.88単位)、精製水980μl、
および被検液50μlを混合し、30℃、30分間反応
させて生成するNADPH量を波長340 nm で吸光度
測定しα−D −グルコース 1−リン酸量とした。
【0062】
【実施例12】実施例5により得た部分精製酵素を用い
てα−D −グルコース 1−リン酸とグルコースからト
レハロースの生成の検討を行った。α−D −グルコース
1−リン酸100mM、グルコース100mM、100 m
M MES緩衝液(pH6.5)および実施例5により得た
部分生成酵素4単位/mlを用いて、トレハロース合成反
応を各温度、24時間行った。その結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
【実施例13】実施例7により得たカエトミウム サー
モフィルム(Chaetomium thermophilum) IFO 96
79株由来のトレハロースホスホリラーゼ部分精製酵
素、実施例5により得たアクレモニウム アラバメンセ
(Acremonium alabamense) IFO 32241および
チエラビア アレナリア(Thielavia arenaria) IFO
31060株由来のトレハロースホスホリラーゼ部分精
製酵素を用いてトレハロース合成反応を行った。330
mM グルコース、330 mM スクロース、200mM M
ES緩衝液、20 mM リン酸緩衝液および各トレハロー
スホスホリラーゼ酵素液1単位/ml、市販のスクロース
ホスホリラーゼ(シグマ社)1単位/mlからなる反応組
成液を表5に示す反応温度および反応pHにて反応させ
た。反応時間20および30時間後のトレハロース生成
量を表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【発明の効果】本発明により、従来トレハロースホスホ
リラーゼの生産が知られていない微生物によるトレハロ
ースホスホリラーゼの調製法が提供される。また、従来
のトレハロースホスホリラーゼと比較して高い温度で反
応できる新規なトレハロースホスホリラーゼが提供され
る。また、カエトミウム(Chaetomium)属またはリゾプ
ス (Rhizopus) 属に属する微生物を培養することにより
該新規トレハロースホスホリラーゼの調製法が提供され
る。さらに、これらトレハロースホスホリラーゼを利用
したα−D −グルコース 1−リン酸およびトレハロー
スの製造法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明トレハロースホスホリラーゼCの至適pH
範囲を示すグラフである。
【図2】本発明トレハロースホスホリラーゼRの至適pH
範囲を示すグラフである。
【図3】本発明トレハロースホスホリラーゼCのpH安定
性範囲を示すグラフである。
【図4】本発明トレハロースホスホリラーゼRのpH安定
性範囲を示すグラフである。
【図5】本発明トレハロースホスホリラーゼCおよびト
レハロースホスホリラーゼRの至適反応温度範囲を示す
グラフである。
【図6】本発明トレハロースホスホリラーゼCおよびト
レハロースホスホリラーゼRの温度安定性範囲を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幸内 裕 東京都町田市能ケ谷町1480−2−A−404

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクレモニウム(Acremonium)属、ビソ
    チラミス(Byssochlamys)属、セルコスポーラ(Cercos
    pora)属、カエトミウム(Chaetomium)属、グロメレラ
    Glomerella)属、フミコラ(Humicola)属、ミセリオ
    フィソーラ(Myceliophthora)属、リゾムコール(Rhiz
    omucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、ロゼリニア(Ro
    sellinia)属、スクレロチニア(Sclerotinia)属、スポ
    リジオボルス(Sporidiobolus)属、ステリグマトミセス
    Sterigmatomyces)属、サーモアスカス(Thermoascus)
    属、チエラビア(Thielavia)属およびチロミセス(Tyro
    myces)属のいずれかに属し、トレハロースホスホリラー
    ゼを産生することができる菌株を炭素源、窒素源および
    無機塩を含有する適当な栄養培地で培養し、次いで培養
    物からトレハロースホスホリラーゼを回収することから
    なるトレハロースホスホリラーゼの調製法。
  2. 【請求項2】 トレハロースホスホリラーゼを産生する
    ことができる菌株が、アクレモニウム アラバメンセ
    Acremonium alabamense)、ビソチラミスニベア(By
    ssochlamys nivea)、セルコスポーラ ベチコラ(Cerc
    ospora beticola)、カエトミウム サーモフィルム
    Chaetomium thermophilum)、グロメレラ シングラ
    タ(Glomerella cingulata)、フミコラ グリセア(Hu
    micolagrisea)、ミセリオフィソーラ サーモフィラ
    Myceliophthora thermophila)、リゾムコール プシ
    ルス(Rhizomucor pusillus)、リゾムコール ミエヘ
    イ(Rhizomucor miehei)、リゾプス キネンシス(Rh
    izopus chinensis)、リゾプス アジゴスポルス (Rhiz
    opus azygosporus)、リゾプス ミクロスポルス(Rhiz
    opus microsporus)、ロゼリニア ネカトリクス(Rose
    llinia necatrix)、スクレロチニア スクレオチオル
    (Sclerotinia sclerotiorum)、スポリジオボルス
    ジョンソニ(Sporidiobolus john sonii)、ステリグマ
    トミセス ハロフィルス(Sterigmatomyces halo phil
    us)、サーモアスカス オウランチアクス(Thermoascus
    aurantiacus)、チエラビア テレストリス(Thielavia
    terrestris)、チエラビア アレナリア(Thielavia
    arenaria)およびチロミセスパルストリス(Tyromyces
    palustris)種に属するいずれかの菌株である請求項1記
    載のトレハロースホスホリラーゼの調製法。
  3. 【請求項3】 トレハロースホスホリラーゼを産生する
    ことができる菌株が、アクレモニウム アラバメンセ
    Acremonium alabamense)IFO 32241、ビソ
    チラミス ニベア(Byssochlamys nivea)IFO 30
    569、セルコスポーラ ベチコラ(Cercospora beti
    cola)IFO 7398、カエトミウムサーモフィルム
    Chaetomium thermophilum)IFO 9679、グロ
    メレラシングラタ(Glomerella cingulata)IFO74
    78、フミコラ グリセア(Humicola grisea)IFO
    9854、ミセリオフィソーラ サーモフィラ(Myce
    liophthora thermophila)IFO 31843、リゾム
    コール プシルス(Rhizomucor pusillus)IFO 4
    579、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucormiehei
    IFO 9740、リゾプス キネンシス(Rhizopus
    chinensis)IFO 30499、リゾプス キネンシス
    Rhizopus chinensis)IFO 4768、リゾプス
    キネンシス(Rhizopus chinensis)IFO 4737、
    リゾプス アジゴスポルス (Rhizopus azygosporus)
    FO 31989、リゾプスミクロスポルス(Rhizopus
    microsporus)IFO 31988、ロゼリニア ネカ
    トリクス(Rosellinia necatrix)IFO 5954、
    スクレロチニア スクレオチオルム(Sclerotinia scle
    rotiorum)IFO 4876、スポリジオボルス ジョ
    ンソニ(Sporidiobolus johnsonii)IFO 6903、
    ステリグマトミセス ハロフィルス(Sterigmatomyces
    halophilus)IFO 1488、サーモアスカス オウ
    ランチアクス(Thermoascus aurantiacus)IFO 31
    693、チエラビア テレストリス(Thielavia terres
    tris)IFO 9732、チエラビア アレナリア(Thi
    elavia arenaria)IFO 31060およびチロミセ
    スパルストリス(Tyromyces palustris)IFO 303
    39のいずれかの菌株である請求項2記載のトレハロー
    スホスホリラーゼの調製法。
  4. 【請求項4】 α−D −グルコース 1−リン酸とD −
    グルコースに作用してトレハロースと無機リン酸を生成
    し、以下の理化学的性質を有するトレハロースホスホリ
    ラーゼR。 至適pH:pH5.0から6.0(45℃) pH安定性:30℃でそれぞれのpHで1時間処理したとき
    pH3.5から12.5の範囲で安定。 至適温度:42.5から50℃(pH6.5) 温度安定性:pH5.5、30分間処理したとき42.5
    ℃以下で安定。
  5. 【請求項5】 リゾプス(Rhizopus)属の菌株によって
    生産されトレハロースと無機リン酸またはその塩に作用
    して、α−D −グルコース 1−リン酸とD−グルコー
    スを生成し、およびα−D −グルコース 1−リン酸と
    D −グルコースに作用してトレハロースと無機リン酸を
    生成する請求項4に記載のトレハロースホスホリラーゼ
    R。
  6. 【請求項6】 リゾプス(Rhizopus)属に属する菌株が
    リゾプス アジゴスポルス(Rhizopus azygosporus)種
    の菌株である請求項5記載のトレハロースホスホリラー
    ゼR。
  7. 【請求項7】 リゾプス アジゴスポルス(Rhizopus a
    zygosporus)種の菌株がリゾプス アジゴスポルス(Rh
    izopus azygosporus)IFO 31989株である請求
    項6記載のトレハロースホスホリラーゼR。
  8. 【請求項8】 トレハロースホスホリラーゼR生産菌株
    がリゾプス(Rhizopus)属に属する菌株の変異株または
    トレハロースホスホリラーゼRの遺伝子を遺伝子操作に
    よって導入した形質転換株である請求項4に記載のトレ
    ハロースホスホリラーゼR。
  9. 【請求項9】 炭素源、および窒素源並びに無機塩を含
    有する適当な栄養培地にリゾプス(Rhizopus)属に属す
    るトレハロースホスホリラーゼR生産株あるいはトレハ
    ロースホスホリラーゼRの遺伝子により形質転換された
    トレハロースホスホリラーゼR生産株を培養しトレハロ
    ースホスホリラーゼRを産生せしめ、次いで培養物から
    トレハロースホスホリラーゼRを回収することからなる
    トレハロースホスホリラーゼRの調製法。
  10. 【請求項10】 α−D −グルコース 1−リン酸とD
    −グルコースに作用してトレハロースと無機リン酸を生
    成し、以下の理化学的性質を有するトレハロースホスホ
    リラーゼC。 至適pH:pH5.0から6.0(45℃) pH安定性:30℃でそれぞれのpHで1時間処理したとき
    pH3.5から12.5の範囲で安定。 至適温度:45から50℃(pH6.5) 温度安定性:pH6.5、30分間処理したとき55℃以
    下で安定。
  11. 【請求項11】 カエトミウム(Chaetomium)属の菌株
    によって生産されトレハロースと無機リン酸またはその
    塩に作用して、α−D −グルコース 1−リン酸とD −
    グルコースを生成し、およびα−D −グルコース 1−
    リン酸とD −グルコースに作用してトレハロースと無機
    リン酸を生成する請求項10に記載のトレハロースホス
    ホリラーゼC。
  12. 【請求項12】 カエトミウム(Chaetomium)属の菌株
    がカエトミウム サーモフィルム(Chaetomium thermo
    philum)種の菌株である請求項11記載のトレハロース
    ホスホリラーゼC。
  13. 【請求項13】 カエトミウム サーモフィルム(Chae
    tomium thermophilum)種の菌株がカエトミウム サー
    モフィルム(Chaetomium thermophilum)IFO 96
    79株である請求項12記載のトレハロースホスホリラ
    ーゼC。
  14. 【請求項14】 トレハロースホスホリラーゼC生産菌
    株がカエトミウム(Chaetomium)属に属する菌株の変異
    株またはトレハロースホスホリラーゼCの遺伝子を遺伝
    子操作によって導入した形質転換株である請求項10に
    記載のトレハロースホスホリラーゼC。
  15. 【請求項15】 炭素源、および窒素源並びに無機塩を
    含有する適当な栄養培地にカエトミウム(Chaetomium
    属に属するトレハロースホスホリラーゼC生産株あるい
    はトレハロースホスホリラーゼCの遺伝子により形質転
    換されたトレハロースホスホリラーゼC生産株を培養し
    てトレハロースホスホリラーゼCを産生せしめ、次いで
    培養物からトレハロースホスホリラーゼCを回収するこ
    とからなるトレハロースホスホリラーゼCの調製法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜3、9および15に記載の
    いずれかの方法により調製されたトレハロースホスホリ
    ラーゼの存在下、水性媒体中でα−D −グルコース 1
    −リン酸とグルコースを反応させ、水性媒体中にトレハ
    ロースを産生せしめ、これを回収することよりなるトレ
    ハロースの製造法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜3、9および15に記載の
    いずれかの方法により調製されたトレハロースホスホリ
    ラーゼとスクロースホスホリラーゼの存在下、水性媒体
    中でスクロース、グルコース、無機リン酸および/また
    はその塩とを反応させ、水性媒体中にトレハロースを産
    生せしめ、これを回収することよりなるトレハロースの
    製造法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜3、9および15に記載の
    いずれかの方法により調製されたトレハロースホスホリ
    ラーゼ、スクロースホスホリラーゼおよびグルコースイ
    ソメラーゼの存在下、水性媒体中でスクロース、無機リ
    ン酸および/またはその塩とを反応させ、水性媒体中に
    トレハロースを産生せしめ、これを回収することよりな
    るトレハロースの製造法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜3、9および15に記載の
    いずれかの方法により調製されたトレハロースホスホリ
    ラーゼの存在下、水性媒体中でトレハロースと無機リン
    酸および/またはその塩からα−D −グルコース 1−
    リン酸を生成せしめ、これを回収することよりなるα−
    D −グルコース 1−リン酸の製造法。
  20. 【請求項20】 請求項4〜8および10〜14に記載
    のいずれかのトレハロースホスホリラーゼの存在下、水
    性媒体中でα−D −グルコース 1−リン酸とグルコー
    スを反応させ、水性媒体中にトレハロースを生成せし
    め、これを回収することよりなるトレハロースの製造
    法。
  21. 【請求項21】 請求項4〜8および10〜14に記載
    のいずれかのトレハロースホスホリラーゼとスクロース
    ホスホリラーゼの存在下、水性媒体中でスクロース、グ
    ルコース、無機リン酸および/またはその塩とを反応さ
    せ、水性媒体中にトレハロースを製造せしめ、これを回
    収することよりなるトレハロースの製造法。
  22. 【請求項22】 請求項4〜8および10〜14に記載
    のいずれかのトレハロースホスホリラーゼ、スクロース
    ホスホリラーゼおよびグルコースイソメラーゼの存在
    下、水性媒体中でスクロース、無機リン酸および/また
    はその塩とを反応させ、水性媒体中にトレハロースを生
    成せしめ、これを回収することよりなるトレハロースの
    製造法。
  23. 【請求項23】 請求項4〜8および10〜14に記載
    のいずれかのトレハロースホスホリラーゼからなる酵素
    源の存在下、トレハロースと無機リン酸および/または
    その塩からα−D −グルコース 1−リン酸を生成せし
    め、これを回収することよりなるα−D −グルコース
    1−リン酸の製造法。
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