JPH0115294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、田植機の車体フレームを一つの車輪
にて支持した所謂一輪式の田植機に関するもので
ある。

車体フレームを、エンジン付き伝動ケースと、
前端を前記伝動ケースに連結したサイドフレーム
に苗植機構付き苗植付けケースを装着して成る左
右一対のサイドメンバーとによつて構成し、前記
伝動ケースの後方で且つ前記両サイドメンバー間
に配設した一つの車輪を、前端を前記伝動ケース
に上下回動自在に枢着したスイングケースの後端
に装着する一方、前記両苗植付けケースの後方に
後傾式の苗載台と左右一対の操縦ハンドルとを配
設して成る一輪式の歩行型田植機は、先行技術と
しての実開昭55−56514号公報に開示されている。

しかし、この先行技術における一輪歩行型田植
機は、前部の伝動ケースから後方に延びる左右一
対の両サイドメンバーの後端を、苗載台の後面に
まで延長して、その後端間を、苗載台の後面に添
わせた構部材にて連結した形態にしたものである
から、左右一対の両サイドメンバーは、伝動ケー
スから苗載台の後部までの延びるように長くしな
ければならないのである。

一方、この種の一輪式田植機は、車体フレーム
をその左右両側の２つの車輪で支持した２輪式の
田植機に比べて、方向旋回時の旋回半径が小さく
所謂小回りできる利点を有する反面、左右方向の
機体バランスが不安定で、車体フレームが左右い
ずれの方向に対しても傾かないように両操縦ハン
ドルのうちいずれか一方の操縦ハンドルを常に持
つておくことが必要である。

しかし、前記先行技術は、車体フレームの傾き
を両操縦ハンドルのうちいずれか一方の操縦ハン
ドルにて支持しなければならず、換言すると、両
操縦ハンドルには、車体フレームの重量が作用す
るにも拘わらず、両操縦ハンドルを、その間の間
隔が後端部では広く前端部では狭くなるように屈
曲し、その前端部において前記横部材に取付ける
ように構成していることにより、両操縦ハンドル
の横部材に対する取付け基部に大きい捻り荷重が
作用するような構造になつているから、横部材に
対する取付け基部を十分に補強するようにしなけ
ればならず、当該取付け基部の構成が複雑化する
と共に、前記左右一対のサイドメンバーの長さが
長くなることと相‖つて、田植機の重量が可成り
増大するのであつた。

本考案は、左右一対の両サイドメンバーの間
を、苗載台の前部において連結することによつ
て、両サイドメンバーの長さを短縮する一方、両
操縦ハンドルを前記両サイドメンバーから略真直
ぐ後方に延びる形態にすることによつて、両操縦
ハンドルのサイドメンバーへの取付け基部に作用
する捻り荷重を軽減するものであり、これに加え
て、苗載台の前部において両サイドメンバー間を
連結する部材を利用して車輪の昇降機構の簡略化
を図るものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、図において１は田植機の車体フレームで、該
車体フレーム１は、上面にエンジン２が取付く伝
動ケース３と、前端を該伝動ケース３の左右両端
に連結した中空状サイドフレーム４，５の後端部
に苗植付けケース９，１０を取付けて成る左右一
対のサイドメンバー１ａ，１ｂとによつて平面コ
字状に構成され、その伝動ケース３に一体的に設
けた走行ミツシヨンケース６には、前記両サイド
メンバー１ａ，１ｂの間の後方に延びるように配
設したスイングケース７の前端が回動自在に枢着
され、該スイングケース７の後端には、平面視に
おいて車体フレーム１の中心線上に位置する一つ
の車輪８が装着され、この車輪８は、前記走行ミ
ツシヨンケース６よりスイングケース７内のチエ
ン（図示せず）を介して伝達される動力にて回転
駆動される。

１３，１４は、前記両サイドメンバー１ａ，１
ｂの後部に、両サイドメンバー１ａ，１ｂから後
方に略真直ぐに延びるように配設した左右一対の
操縦ハンドルを示し、該両操縦ハンドル１３，１
４の前端を、両サイドメンバー１ａ，１ｂに取付
ける一方、この両操縦ハンドル１３，１４を、側
面視において後方に向かつて斜め上向きの傾斜状
に屈曲して、その前面部には、両操縦ハンドル１
３，１４間に横方向に装架したガイドレール１５
とレール機構１６とによつて左右方向に移動自在
に支持された苗載台１７が設けられ、該苗載台１
７は上端が下端よりも後方に位置するように後傾
式に構成され、該苗載台１７の後ろ側には、当該
苗載台１７に対する横送り軸１８が設けられ、こ
の横送り軸１８には、一方の苗植付けケース９か
ら後方に延びるチエンケース１９を介して動力伝
達される。

前記両サイドメンバー１ａ，１ｂにおける苗植
付けケース９，１０の内側面には、前記苗載台１
７のガイドレール１５における苗取出口２２と圃
場面２７との間を往復動するようにした上下揺動
式の苗植機構２０，２１を備え、この両苗植機構
２０，２１は、前記伝動ケース３から両サイドフ
レーム４，５内の軸（図示せず）を介しての動力
伝達により駆動される。

また、２３，２４は前記両サイドフレーム４，
５の下部に配設したフロートを示し、該フロート
２３，２４は、その後端が前記両操縦ハンドル１
３，１４の下端部に植付け深さ調節‖２５を介し
て取付き、前端が両サイドフレーム４，５にリン
ク２６を介して上下動自在に装着されている。

そして、前記サイドメンバー１ａ，１ｂの間
を、前記苗載台１７より前方の位置において前記
車輪８を跨ぐように門型に構成した連結フレーム
１１にて互いに連結し、この門型の連結フレーム
１１に、車輪８を上下昇降動するための操作レバ
ー付き車輪昇降機構１２を取付ける。

すなわち、前記両サイドメンバー１ａ，１ｂの
うちスイングケース７に隣接する右側サイドメン
バー１ｂには、ベルクランクレバー２８を回動自
在にピン２９にて枢着し、該ベルクランクレバー
２８の一端をリンクを介して前記スイングケース
７に連結する一方、ベルクランクレバー２８の他
端を、前記車輪昇降機構１２に連結する。

この車輪昇降機構１２は、その操作レバー３０
にて雌ねじ管３１を回すと、該雌ねじ管３１内に
螺合したロツド３２が伸縮することにより前記ベ
ルクランクレバー２８を介して車輪８を上下昇降
動するもので、その操作レバー３０を、前記苗載
台１７の前側において前記操縦ハンドル１３，１
４側に向かうように配設すると共に、田植機の平
面視において前記両操縦ハンドル１３，１４間の
部位に位置するように構成する。

この構成において、苗載台１７の上に苗マツト
を供給し、車体フレーム１を、両操縦ハンドル１
３，１４を持つて略水平に支持した状態で、エン
ジン２の始動によつて車輪８及び苗植機構２０，
１２を駆動すれば、田植機は車輪８の駆動によつ
て前進走行する一方、苗載台１７が横送り軸１８
の回転によつて左右に往復して横送りされ、苗載
台１７上の苗マツトは上下揺動の両苗植機構２
０，２１により、１株づつ分割されたのち、予め
フロート２３，２４にて整地されたあとの圃場面
２７に順次２条に沿つて植付けされるのである。

そして、田植機による田植え作業又は田植機の
路上走行に際して作業者は、苗載台１７の後方で
且つ両操縦ハンドル１３，１４の間に位置するか
ら、前記車輪昇降機構１２における操作レバー３
０を、操縦ハンドル１３，１４の間の部位に配設
したことによつて、作業者は、両操縦ハンドル１
３，１４の間に居た姿勢のままで、左側の操縦ハ
ンドル１３を左手で持つた状態のもとで右手にて
操作レバー３０を操作したり、右側の操縦ハンド
ル１４を右手で持つた状態のもとで左手にて操作
レバー３０を操作したりすることが容易にできる
のである。

以上の通り本考案は、車体フレームを、エンジ
ンを備えた伝動ケースと、前端を前記伝動ケース
に連結したサイドフレームに苗植機構付き苗植付
けケースを装着して成る左右一対のサイドメンバ
ーとによつて構成し、前記伝動ケースの後方で且
つ前記両サイドメンバー間に配設した一つの車輪
を、前端を前記伝動ケースに上下回動自在に枢着
したスイングケースの後端に装着する一方、前記
両苗植付けケースの後方に後傾式の苗載台と左右
一対の操縦ハンドルとを配設して成る歩行型田植
機において、前記両サイドメンバー間を前記苗載
台の前方の位置において前記車輪を跨ぐ門型の連
結フレームにて連結する一方、前記両操縦ハンド
ルを、前記苗植付けケースから後方に略真直ぐに
延びるように構成して、当該両操縦ハンドルの前
端を、前記苗植付けケースに取付ける一方、前記
スイングケースを上下回動するための車輪昇降機
構における操作レバーを、田植機の平面視におい
て前記両操縦ハンドル間の部位で前記門型の連結
フレームに取付けた構成にしたものであるから、
以下に述べるような作用・効果を奏する。

サイドフレームと苗植機構付き苗植付けケー
スによつて各々構成される両サイドメンバー間
を、苗載台の前方の位置において車輪を跨ぐ門
型の連結フレームにて連結したことにより、両
サイドメンバーを前記した先行技術のように苗
載台の後面にまで延長する必要がなくなるか
ら、両サイドメンバーの長さを短縮できる。

左右一対の両操縦ハンドルを、両サイドメン
バーにおける苗植付けケースから後方に略真直
ぐに延びるように構成して、当該両操縦ハンド
ルの前端を、前記苗植付けケースに取付けたこ
とにより、両操縦ハンドルのサイドメンバーへ
の取付け基部に作用する捻り荷重を、前記先行
技術の場合よりも軽減できるから、両操縦ハン
ドルのサイドメンバーへの取付け基部の構成を
簡略化できる。

前記で述べた両サイドメンバーの長さの短
縮化と、前記で述べた両操縦ハンドルの取付
け基部の簡略化とが相俟つて田植機の軽量化を
図ることができる。

車輪を昇降動するための操作レバーを、田植
機の平面視において前記両操縦ハンドル間の部
位に位置したことにより、作業者は、両操縦ハ
ンドルの間に居た姿勢のままで、左側の操縦ハ
ンドルを左手で持つた状態のもとで右手にて操
作レバーを操作したり、右側の操縦ハンドルを
右手で持つた状態のもとで左手にて操作レバー
を操作したりすることができるから、一輪式田
植機における車輪の昇降操作を、田植機の左右
方向への傾きがない状態のもとで至極容易に行
うことができる。

車輪を昇降動するための操作レバーを、前記
苗載台の前方の位置において両サイドメンバー
間を連結する門型の連結フレームに取付けたこ
とにより、両サイドメンバー間を連結する門型
の連結フレームを、車輪昇降用操作レバーの支
持部材に利用でき、この車輪昇降用操作レバー
の支持部材を、苗載台の前方の部位に別個に設
けることを省略することができるから、その部
分の構造を簡略化できると共に、田植機の重量
をより低減できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は田植機
の側面図、第２図は田植機の平面図である。 １……車体フレーム、１ａ，１ｂ……サイドメ
ンバー、２……エンジン、３……伝動ケース、
４，５……サイドフレーム、７……スイングケー
ス、８……車輪、９，１０……苗植付けケース、
１１……連結フレーム、１３，１４……操縦ハン
ドル、１７……苗載台、２０，２１……苗植機
構、１２……車輪昇降機構、３０……操作レバ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フレームを、エンジンを備えた伝動ケース
   と、前端を前記伝動ケースに連結したサイドフレ
   ームに苗植機構付き苗植付けケースを装着して成
   る左右一対のサイドメンバーとによつて構成し、
   前記伝動ケースの後方で且つ前記両サイドメンバ
   ー間に配設した一つの車輪を、前端を前記伝動ケ
   ースに上下回動自在に枢着したスイングケースの
   後端に装着する一方、前記両苗植付けケースの後
   方に後傾式の苗載台と左右一対の操縦ハンドルと
   を配設して成る歩行型田植機において、前記両サ
   イドメンバー間を前記苗載台の前方の位置におい
   て前記車輪を跨ぐ門型の連結フレームにて連結す
   る一方、前記両操縦ハンドルを、前記苗植付けケ
   ースから後方に略真直ぐに延びるように構成し
   て、当該両操縦ハンドルの前端を、前記苗植付け
   ケースに取付ける一方、前記スイングケースを上
   下回動するための車輪昇降機構における操作レバ
   ーを、田植機の平面視において前記両操縦ハンド
   ル間の部位で前記門型の連結フレームに取付けた
   ことを特徴とする歩行型田植機。