JPH0114992B2 - - Google Patents

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JPH0114992B2
JPH0114992B2 JP58217774A JP21777483A JPH0114992B2 JP H0114992 B2 JPH0114992 B2 JP H0114992B2 JP 58217774 A JP58217774 A JP 58217774A JP 21777483 A JP21777483 A JP 21777483A JP H0114992 B2 JPH0114992 B2 JP H0114992B2
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JP
Japan
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less
alloy
precipitation
cracking resistance
corrosion resistance
Prior art date
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Application number
JP58217774A
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English (en)
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JPS60110856A (ja
Inventor
Masaaki Igarashi
Yasutaka Okada
Kunihiko Yoshikawa
Takeo Kudo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP21777483A priority Critical patent/JPS60110856A/ja
Priority to US06/622,288 priority patent/US4652315A/en
Priority to DE8484304165T priority patent/DE3461106D1/de
Priority to EP84304165A priority patent/EP0132055B1/en
Publication of JPS60110856A publication Critical patent/JPS60110856A/ja
Publication of JPH0114992B2 publication Critical patent/JPH0114992B2/ja
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、腐食環境下、特に硫化水素、二酸化
炭素および塩素イオンの1種または2種以上を含
む環境下において良好な耐応力腐食割れ性および
耐水素割れ性を示す高強度、高靭性ニツケル基合
金材料の製造法に関する。 従来、油井、化学工業、地熱発電等の設備用の
構造材などのように、高強度でかつ高耐食性を要
求される金属部材は、(固溶強化)+(冷間加工強
化)によつて強度上昇をはかるものが大半であつ
たため、冷間加工等が施せないような複雑なある
いは特殊な形状を有する金属部材にあつては、上
述のような従来の手段では強度上昇が困難であつ
た。 一方、特殊形状の部材にも適用できる強度上昇
手段として従来より知られている手段は合金組成
としてTiおよびAlあるいはNbを添加してNi3
(Ti、Al)を主体とする金属間化合物(γ′相)る
いはNi3Nbを主体とする金属間化合物(γ″相)を
析出させることである。このような析出強化を利
用したものとしては、すでに、インコネル−718、
インコネル−750(商品名)等のNi基合金がある
が、従来の合金では低Cr、高TiであるためNi3Ti
が析出し耐食性が劣化した。例えばインコネル−
718等はNb、Ti、Al添加によるγ′およびγ″析出
強化型Ni基合金でγ″相による析出強化を主体と
しているが、かなりのTi量を含み、Ni3Tiが析出
するため耐食性は必ずしも良好でなかつた。 ところで、油井、化学工業および地熱発電環境
等のように硫化水素、二硫化炭素および塩素イオ
ンの1種または2種以上含有する環境下で使用さ
れる材料に対しては高強度・高靭性とともにすぐ
れた耐食性、すなわち耐応力腐食割れ性および耐
水素割れ性が要求される。このような用途に構造
材として使用される材料の場合、板あるいは管の
ように比較的成形の容易なものは冷間加工によつ
て強度上昇をはかることが望ましいが、バルブ、
継手、配管等で冷間加工の施せないような特殊形
状を有するものについては析出強化によつて強度
上昇をはからなければならない。しかしながら、
TiおよびAl添加によるγ′析出強化型Ni基合金が
大半を占めている上述のような従来の析出強化合
金では、本発明者らの研究の結果によれば、本質
的に耐食性が不良であることを知見した。 例えば、耐応力腐食割れ性の良い合金として特
開昭57−203741号公報の開示するものは、Nbお
よびTi(またはAl)を複合添加しているため時効
処理によりγ′−Ni3(Ti、Al)およびγ″−Ni3Nb
の2つの金属間化合物が主に析出するが、Ti添
加量が多いため過時効となり易く、過時効析出相
としてη−Ni3Tiの金属間化合物が析出すると耐
食性、特に耐水素割れ性が著しく劣化する。この
耐食性を改善するには熱処理条件および時効処理
条件を厳しく制限する必要がある。 また、同様の合金として、特開昭57−123948号
公報記載のものも知られているが、これもTiが
多量に添加されていて耐食性が不良である。Ti
添加量に下限値が設定されていることからも分か
るように、Ni3(Ti、Al)の析出を意図したもの
である。 そこで、本に本発明者らは、特願昭58−109422
号として、Ti添加系のγ′析出強化型Ni基合金の
耐食性および安定性における欠点、すなわちγ′−
Ni3Tiが析出するようなT添加合金(Ti、Nb複
合添加でも同様である)の耐食性劣化の問題を、
Ni基合金の成分系の選定ならびに熱間加工、熱
処理および時効処理の各条件の規定により解決し
た方法を開示した。 ここに、本発明者らは、さらに研究を進めた結
果、上記先行発明にあつてNbとAlを複合添加す
ることによつて、種々の強度、延性、靭性を有
し、しかも耐応力腐食割れ性および耐水素割れ性
に著しく優れた材料が得られること、ならびに必
要によりCo添加によりγ′あるいはγ″相の析出強
化が促進され時効時間の短縮が可能であることを
見い出し、本発明を完成した。 ここに、本発明の要旨とするところは、 C:0.050%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2.0%以下、Ni:45〜60%、 Cr:18〜27%、Ti:0.40%以下、 Mo:2.5〜5.5%およびW:11%以下の少なく
とも1種(ただし、2.5%≦Mo+1/2W≦5.5%)、 Al:0.3〜2.0%、P:0.015%以下、 Nb:2.5〜5.0%およびTa:2.0%以下の少なく
とも1種(ただし、2.5%≦Nb+1/2Ta≦5.0%)、 S:0.0050%以下、N:0.030%以下 さらに必要により、Cu:2.0%以下およびCo:
2.0%以下の少なくとも1種、および/または
REM:0.10%以下、Mg:0.10%以下、Ca:0.10
%以下およびY:0.20%以下の少なくとも1種、
残部付随不純物およびFe からなる組成を有する合金を1200〜800℃で断面
減少率50%以上の熱間加工を施した後、1000〜
1200℃で3分ないし5時間保持後、空冷以上の冷
却速度で冷却し(ただし、900〜500℃の間は10
℃/分以上の冷却速度で冷却し)、次いで500〜
750℃で1時間〜200時間の時効処理を1回もしく
は2回以上施すことから成る、耐応力腐食割れ性
および耐水素割れ性に優れた析出強化型ニツケル
基合金を製造する方法である。 さらに、本発明の別の態様においては、合金組
成としてNi:40〜60%、Al:2.0%以下、Co:
2.0%超、15%以下を含むものである。 すなわち、このように本発明によれば、硫化水
素、二酸化炭素および塩素イオンの1種または2
種以上を含む、例えば油井、化学工業および地熱
発電環境において良好な耐応力腐食割れ性および
耐水素割れ性を有し、しかも油井用バルブボデイ
のようにその特殊形状の故に冷間加工の施せない
部材に使用しても高強度が得られるよう、従来よ
りも高CrでかつTi添加量を抑えてNbとAlの添加
を主体とした合金組成を構成し、これに特定の熱
間加工と熱処理とを組合せて施すことにより耐食
性の著しく良好な高強度、高靭性を示す析出強化
型Ni基合金が得られるのである。 したがつて、本発明の一つの特徴によれば、従
来の析出強化型Ni基合金の耐食性改善法として、
前述の知見に基づき、従来法よりもTi添加量を
抑えて、NbとAlの添加を主体とし、Ni3Nbある
いはNi3(Nb、Al)の金属間化合物であるγ′およ
びγ″相の析出強化を図り、さらにこの析出強化を
有効に行わせるために熱処理条件および時効条件
を特定するのである。 また、本発明の別の特徴によれば、Coの添加
によつてγ′相およびγ″相の析出強化を促進し、時
効時間の短縮を可能とし、しかもCoの添加によ
り耐食性の劣化はおこらないものである。 以下に本発明にあつて合金組成および加工条件
を上述のように限定した理由についてさらに詳し
く説明をする。 (1) 化学成分 Ni……本発明における合金はオーステナイト
基地にNi3(Nb、Al)あるいはNi3Nbの金属
間化合物であるγ′相あるいはγ″相が時効によ
り析出し強化することを基本としており、
CrおよびMo、Fe、Coの添加量のバランス
によつてσ、μ、P、Laves相などの延性、
靭性、耐食性に対して好ましくない金属間化
合物(以下TCP相と称する)を生成しない
ようにオーステナイト基地を安定化するに足
るNi量が必要であり、そのためにはNi≧45
%となる。ただし、2.0%を越えた量のCoを
含む場合、Ni≧40%で十分である。またNi
が60%を越えると耐水素割れ性が著しく劣化
するためNi≦60%が望ましいが、好ましく
は、強度、靭性を共に満足させる範囲として
50%≦Ni≦55%とする。 Cr……Moとともに耐食性を向上させる。この
ためには18%以上必要であるが、27%を越え
ると熱間加工性が低下し、さらにTCP相が
生成し易くなる。好ましくは、Crは22〜27
%である。 Mo、W……Crとの共存によつて特に耐孔食性
を向上させる。この効果は例えばMo2.5%以
上の添加で顕著となるがCr同様多量添加に
よつてTCP相が生成し易くなることから
Mo5.5%以下の添加が望ましい。WはMoと
同様な作用を示すが、同じ効果を得るには
Mo量の2倍量の添加を要する。したがつ
て、その割合で所要Mo量を少なくとも一部
Wで置換しても良い。Wは11%を越えて添加
するとMoと同様に上述のような金属間化合
物が生成し易くなることから、11%以下に制
限する。よつて、本発明にあつては、Mo:
2.5〜5.5%およびW:11%以下の少なくとも
1種(ただし、2.5%≦Mo+1/2W≦5.5%)
を添加する。これらの範囲を外れると耐食性
改善が十分でなく、また延性、靭性が劣化す
る。 Ti……Tiは0.40%を越えるとNi3Tiとして析出
し、耐食性、特に耐水素割れ性を著しく劣化
させるためTi:0.40%以下とするが、耐水素
割れ性を安定して得るには好ましくは、
Ti:0.20%以下とする。 Al……Alは脱酸効果に加えてNbとともにNi3
(Nb、Al)として析出し強度上昇に寄与す
る。Nbとの添加量のバランスによつて析出
強化挙動を変化させる。脱酸効果のみを考え
た場合はAl0.30%未満で良いが、Ni3(Nb、
Al)として有効な析出強化を得るためには
Al0.3%以上必要である。一方、Alの多量添
加はTCP相生成を助長するためAl2.0%以下
とした。 Nb、Ta……NbはNi3NbあるいはN3(Nb、
Al)として析出し強度上昇に寄与する。Al
との添加量のバランスによつて析出強化挙動
を変化させるが、Nbの添加の効果は、Nbが
2.5%以上で顕著となり、一方、5.0%を越え
ると熱間加工性が低下し、また、TCP相が
生成し易くなる。これらの範囲を外れると強
度上昇に効果がなく、むしろ延性、靭性が劣
化する。TaはNbと同様な作用を示すため
Nbの一部をTaで置換しても良いが、その添
加効果はNbのほぼ1/2となる。よつて、本発
明にあつては、Nb:2.5〜5.0%およびTa:
2.0%以下の少なくとも1種を2.5%≦Nb+1/
2Ta≦5.0%の範囲内で添加する。 C……析出強化の妨げとなり、また、0.050%
を越えるとNbC、TiC等の介在物量が増加し
延性、靭性、耐食性が劣化する。好ましくは
C≦0.020%であるがC≦0.010%では延性、
靭性および耐食性はさらに向上する。 Si、Mn……Si、Mnはそれぞれ脱酸剤および脱
硫剤として添加するが、Siは0.50%を越える
とTCP相が生成し易くなるため、Si:0.50%
以下とする。溶接性を考慮するとSi≦0.10%
が好ましい。さらにMnについても同様に
Mn≦2.0%が望ましいが、好ましくはMn≦
0.80%とする。 P、S……P、Sは粒界偏析により熱間加工性
を低下させ、また、耐食性も劣化するため、
PP≦0.015%、S≦0.0050%、好ましくは、
納間加工性をさらに向上させるためS≦
0.0010%とする。 N……Nは介在物量を増加させ材料特性の異方
性の要因となるため、N≦0.030%とするが、
延性、靭性をさらに飛躍的に向上させるため
には好ましくはN≦0.010%とする。 Fe……Ni添加量とのバランスにより析出強化
を促進するため適当量必要であり、合金組成
の残部は付随不純物を除いてFeである。好
ましくは、3.0%≦Fe≦25%とする。ただし、
Co:2.0%超を添加する場合は3.0≦Fe≦20%
でよい。 Cu、Co……耐食性の向上に有効であるがその
効果は2.0%を越えると飽和するためCu、Co
≦2.0%とする。 ただし、Co添加にする析出強化を積極的
に利用する場合にはCoは2.0%を越えて添加
し、Ni、Fe添加量とのバランスによりγ′あ
るいはγ″相の析出を促進し強度上昇を図る。
この効果はCo:2.0%超で顕著となるが15%
を越えるとTCP相が生成し易くなることか
ら、2.0%<Co≦15%とした。 REM、Mg、Ca、Y……これらの元素は少な
くとも1種の微量添加により熱間加工性を向
上させるがそれぞれ0.10%、0.10%、0.10%
および0.20%の各上限を越えると逆に低融点
化合物を生成し易くなり加工性が低下する。 B……B添加は熱間加工性および靭性向上を目
的とするものであつて、必要により0.10%以
下添加する。 その他……Sn、Zn、Pb等は微量では本発明に
より得られる合金の特性に何ら影響を与えな
いので不純物としてそれぞれ0.10%まで許容
されるがこの上限を越えると加工性あるいは
耐食性が劣化する。 (2) 熱間加工 本発明におけるようにNbを添加した場合、
凝固時に粒界部に低融点化合物が生成し易くな
る傾向があり、熱間加工時の加熱温度および加
工温度範囲を制限する必要がある。熱間加工の
開始温度が1200℃を越えると粒界の脆弱化がみ
られる。一方、仕上げ温度が800℃未満では加
工が困難にになる。本発明では、したがつて、
1200〜800℃の温度範囲、好ましくは、1150〜
850℃で熱間加工を行う。 さらにNb、Mo等は凝固時におけるマクロ偏
析の原因になり易く、このような偏析が製品に
おいても残存すると厚肉材等では靭性および耐
食性劣化の要因となる。このためインゴツトか
ら製品までの熱間加工度を断面減少率で50%以
上としてNb、Mo等のマクロ偏析を防止する。 (3) 熱処理 時効によるγ′相あるいはγ″相の析出を有効に
行わせるためには完全溶体化処理が必要であ
り、そのため本発明にあつては時効に先だつて
1000℃〜1200℃、好ましくは1050〜1150℃で3
分間〜5.0時間保持後空冷以上の冷却速度で冷
却する。冷却に際しては特に900℃〜500℃の間
は脆化相が析出し易いのでその間の温度領域は
10℃/分以上の冷却速度で冷却してそのような
脆化相の析出を抑制する。 (4) 時効処理 本発明により得られる合金にあつては時効に
よりNi3(Nb、Al)あるいはNi3Nbが母相のオ
ーステナイト基地に均一に分散析出するため高
強度と良好な延性、靭性および耐食性が得られ
る。時効による析出強化挙動は溶体化処理条件
およびNb、Al添加量さらにはNi、Co、Fe添
加量に依存して種々変化するが、500℃以上の
時効温度で析出は顕著となる。しかし750℃を
越える高温時効では過時効となりγ′相あるいは
γ″相の凝集粗大化あるいはTCP相生成のため
強度・靭性が低下する。時効時間の選択は時効
温度によつても種々異なる。有効な析出強化は
1時間〜200時間で得られるが、5〜20時間で
も十分強度が得られる。安定した強度、延性、
靭性および耐食性を得るには母相のオーステナ
イト基地にγ′相あるいはγ″相が微細かつ均一に
分散析出することが望ましいが、このためには
600℃〜750℃での時効処理が好ましい。また本
発明において時効処理を2回以上施す場合には
2段日以降の時効処理は、その前段の時効処理
後室温付近まで冷却後再加熱によつて時効処理
を施しても良いし、前段の時効処理温度から、
次段の時効処理温度までそのまま加熱あるいは
冷却(炉冷以上の速度)によつて時効処理を施
してもよい。いずれの場合においても強度・靭
性・耐食性には顕著な差は認められない。 かくして、本発明方法によれば、機械的性質と
して、0.2%耐力≧63Kgf/mm2(好ましくは≧77
Kgf/mm2)、伸び≧20%、絞り≧30%および衝撃
値≧5Kgf−m/cm2(好ましくは≧10Kgf−m/
cm2)を有し、かつ耐食性、つまり、耐応力腐食割
れ性および耐水性割れ性が非常に優れた製品を得
ることが出来る。本発明により得られる合金は、
γ′相あるいはγ″相の析出強化により、高い強度を
得ることが出来るので、冷間加工等による強化法
が適用出来ない油井管用バルブボデイのような特
殊形状品であつても、良好な強度、靭性および耐
食性を備えたものを製造することができる。 次に、本発明を実施例にもとづいてさらに説明
する。なお、本明細書において特にことわりがな
い限り「%」は「重量%」である。 実施例 1 下掲の第1表に示す化学組成を有する各合金に
ついて、同じく第2表に示す熱間加工条件、熱処
理条件そして時効処理条件で析出強化型ニツケル
基合金を製造した。 得られた合金の機械的性質および耐食性試験の
結果を同じく第2表にまとめて示す。 引張試験は直径3.5mm、標点間距離20.0mmの試
験棒を使用して行つた。衝撃値はシヤルピー衝撃
試験によるものであつて、5.0mm×10mm×55mmの
サイズのものに2.0mmのV−ノツチを付けた試験
片を使用した。試験温度は0℃であつた。 耐食性は応力腐食割れ試験において、25%
NaCl−0.5%CH3COOH−15atm H2S−10atm
CO2の溶液(PH=2)を使用し、250℃で試験し
て評価した。また、水素割れ試験については、
NACE条件下(5%NaCl−05%CH3COOH−
1atm H2S)で炭素鋼カツプリングを使い、
R0.25Uノツチ付きの試験片を使い、25℃で行つ
た。 なお、第2表において、“0”は割れのなかつ
た場合を、“X”は割れの発生した場合をそれぞ
れ示す。 比較例は、本発明方法において使用する合金の
成分範囲内ではあるが、熱間加工、熱処理、時効
処理の各条件をはずれたものをNo.25〜30に、ま
た、処理条件は範囲内であるが、合金成分のはず
れたものをNo.31〜36に示す。比較例にあつて
は、いずれも強度、延性、靭性あるいは耐食性の
うち1つまたは2つ以上が良好でない。 No.37〜44はTiおよびAl添加系の従来の析出強
化型合金について本発明方法により得られた合金
との比較をするために示したものである。これら
の従来合金では強度は良好なものも多いが耐食性
がその性質上劣化しており、一方、そのような耐
食性を改善するためには強度を犠性にしなければ
ならず、両者ともに良好なものは得られない。 実施例 2 下掲の第3表に示す化学組成を有する各合金に
ついて、同じく第4表に示す熱間加工条件、熱処
理条件そして時効処理条件で析出強化型ニツケル
基合金を製造した。 得られた合金の機械的性質および耐食性試験の
結果を同じく第4表にまとめて示す。 試験方法については実施例1に記載した方法と
同様に行つた。 比較例は、本発明方法において使用する合金の
成分範囲内ではあるが、熱間加工、熱処理、時効
処理の各条件をはずれたものをNo.21〜26に、ま
た、処理条件は範囲内であるが、Co添加量の少
ないものをNo.27〜33に示す。No.21〜26の比較
例にあつては、いずれも強度、延性、靭性のうち
どれかが良好でない。 なお、本発明例であるNo.27〜33にあつては、
Co添加量の多い場合における本発明の合金に比
較して同程度の強度を得るに要する時効処理時間
が長い。 No.34〜41はTiおよびAl添加系の従来の析出強
化型合金について本発明方法により得られた合金
との比較をするために示したものである。これら
の従来合金では強度的には良好なものも多いが耐
食性がその性質上劣化しており、そのような耐食
性を改善するためには強度を犠性にしなければな
らず、両者ともに良好なものは得られない。 このようにして、本発明における如く合金の成
分範囲ならびに熱間加工、熱処理、時効処理の各
条件を限定することによつて、耐食性、すなわち
耐応力腐食割れ性および耐水素割れ性の抜群に優
れた高強度、高靭性材料が得られる。特にCoの
適当量添加により従来よりも時効処理時間が短縮
される。
【表】
【表】 *:本発明の範囲外
【表】
【表】
【表】 *:本発明の範囲外
【表】
【表】 *:本発明範囲外
【表】
【表】 *:本発明範囲外

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.050%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2.0%以下、Ni:45〜60%、 Cr:18〜27%、Ti:0.40%以下、 Mo:2.5〜5.5%およびW:11%以下の少なく
    とも1種(ただし、2.5%≦Mo+1/2W≦5.5%)、 Al:0.3〜2.0%、P:0.015%以下、 Nb:2.5〜5.0%およびTa:2.0%以下の少なく
    とも1種(ただし、2.5%≦Nb+1/2Ta≦5.0%)、 S:0.0050%以下、N:0.030%以下 さらに必要により、Cu:2.0%以下およびCo:
    2.0%以下の少なくとも1種、および/または
    REM:0.10%以下、Mg:0.10%以下、Ca:0.10
    %以下およびY:0.20%以下の少なくとも1種、
    残部付随不純物およびFe からなる組成を有する合金に1200〜800℃で断面
    減少率50%以上の熱間加工を施した後、1000〜
    1200℃で3分ないし5時間保持後、空冷以上の冷
    却速度で冷却し(ただし、900〜500℃の間は10
    ℃/分以上の冷却速度で冷却し)、次いで500〜
    750℃で1時間〜200時間の時効処理を1回もしく
    は2回以上施すことから成る、耐応力腐食割れ性
    および耐水素割れ性に優れた析出強化型ニツケル
    基合金を製造する方法。 2 C:0.050%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2.0%以下、Ni:40〜60%、 Cr:18〜27%、、Ti:0.40%以下、 Mo:2.5〜5.5%およびW:11%以下の少なく
    とも1種(ただし、2.5%≦Mo+1/2W≦5.5%)、 Al:0.3%未満、P:0.015%以下、 Nb:2.5〜5.0%およびTa:2.0%以下の少なく
    とも1種(ただし、2.5%≦Nb+1/2Ta≦5.0%)、 S:0.0050%以下、N:0.030%以下 Co:2.0%超、15%以下、 さらに必要により、Cu:2.0%以下、および/
    またはB:0.10%以下、および/またはREM:
    0.10%以下、Mg:0.10%以下、Ca:0.10%以下
    およびY:0.20%以下の少なくとも1種、残部付
    随不純物およびFe からなる組成を有する合金に1200〜800℃で断面
    減少率50%以上の熱間加工を施した後、1000〜
    1200℃で3分ないし5時間保持後、空冷以上の冷
    却速度で冷却し(ただし、900〜500℃の間は10
    ℃/分以上の冷却速度で冷却し)、次いで500〜
    750℃で1時間〜200時間の時効処理を1回もしく
    は2回以上施すことから成る、耐応力腐食割れ性
    および耐水素割れ性に優れた析出強化型ニツケル
    基合金を製造する方法。 3 C:0.050%以下、Si:0.50%以下、 Mn:2.0%以下、Ni:40〜60%、 Cr:18〜27%、Ti:0.40%以下、 Mo:2.5〜5.5%およびW:11%以下の少なく
    とも1種(ただし、2.5%≦Mo+1/2W≦5.5%)、 Al:0.3〜2.0%、P:0.015%以下、 Nb:2.5〜5.0%およびTa:2.0%以下の少なく
    とも1種(ただし、2.5%≦Nb+1/2Ta≦5.0%)、 S:0.0050%以下、N:0.030%以下 Co:2.0%超、15%以下、 さらに必要により、Cu:2.0%以下、および/
    またはB:0.10%以下、および/またはREM:
    0.10%以下、Mg:0.10%以下、Ca:0.10%以下
    およびY:0.20%以下の少なくとも1種、 残部付随不純物およびFe からなる組成を有する合金に1200〜800℃で断面
    減少率50%以上の熱間加工を施した後、1000〜
    1200℃で3分ないし5時間保持後、空冷以上の冷
    却速度で冷却し(ただし、900〜500℃の間は10
    ℃/分以上の冷却速度で冷却し)、次いで500〜
    750℃で1時間〜200時間の時効処理を1回もしく
    は2回以上施すことから成る、耐応力腐食割れ性
    および耐水素割れ性に優れた析出強化型ニツケル
    基合金を製造する方法。
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