JPH01122432A - 高摺動性プレコートメタル板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、傷付性、スベリ性、離型性、スクラッチ性
に優れた高摺動性プレコートメタル板に関する。

〔従来の技術〕

周知の様にプレコートメタル板は、加工性、耐候性、耐
食性、耐薬品性等の性能と、意匠性と、平滑性の外観品
質により各種用途に幅広（利用されている。プレコート
メタル板は、下塗りとの密着性、及び耐食性向上の為に
リン酸、及びクロメート系（反応型、塗布型）の下地処
理を施し、上塗りには、要求される性能により周知のフ
ッ化ビニリデン、シリコンポリエステル、高分子ポリエ
ステル、オイルフリーポリエステル、アクリル等の各樹
脂塗料を使用している。

プレコートメタル板は、ルーフ、壁材、サイデイング、
スバンドレル、シャッター等の建築材料、冷凍ショーケ
ース、ビデオシャシ−１筐体等の電機製品に幅広く利用
されているが、その大半のものは、ロール成形、折り曲
げ、プレス等の加工が伴う。ロール成形、折り曲げ、プ
レス等の加工が伴う場合はそれぞれの成形に耐えるよう
に塗料種類の選定によって対応している。塗料を構成す
る樹脂の種類としては、塗膜の伸、びを良くするため軟
質樹脂を選択せざるを得ず、結果として成形時の引っか
き、摩擦、ハンドリング時の当接、衝撃による塗膜の傷
発生による品質低下、及び歩留低下の問題、又製品化後
の摩擦等による意匠性１機能性の低下が避けられないと
いう問題がある。−方、塗膜硬度を高くし塗膜を傷付難
くするため硬質樹脂を選択すると、塗膜の伸びが悪くな
り加工部に亀裂が発生する。このように加工性と塗膜硬
度という相反する性質を有している為、両性質を満足さ
せることは至難であり、何れかの一方の性質を犠牲にし
て塗料設計されているのが実情である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は、上記のごとき現状に鑑みてなされたもので
あり、従来技術における塗料本来の性能を損なう事なく
両立し難い加工性との関和を計るため、プレコートメタ
ル板の命である加工性能を維持しつつ、摺動性、傷付性
、スベリ性、離型性を大幅に向上したプレコートメタル
板を開発することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕 本発明は種々研究の結果、塗料組成物として周知のフッ
化ビニリデン、シリコンポリエステル、高分子ポリエス
テル、オイルフリーポリエステル、アクリル等の各樹脂
塗料に摺動剤（摺動性向上剤）として粒径７〜４０μ−
のポリオレフィンワックス又はパーフロロカーボン樹脂
ワックスの一種以上を１．０〜１０．０重量％と、必要
に応じて表面平清剤としてシリコーン樹脂０．Ｏ１〜０
．１重量％を添加することにより、塗膜の加工性能を損
なうことなく、傷付性、離型性、スベリ性、スクラッチ
性に優れる高摺動性プレコートメタル板を開発するに至
ったものである。

一般に摺動性向上剤としてはパウダー状又は溶剤に分散
したペースト状の四フッ化エチレン、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのワックスと、アルミナ、炭化ケイ素
、その池のセラミックス等が考えられる。

しかしながら、アルミナ、炭化ケイ素等のセラミックス
は塗膜硬度を高めるが、加工性を低下させ、摺動性（ス
ベリ性、離型性）にも有効性を示さない。又アルミナ、
炭化ケイ素等は非常に硬いことから塗膜外に突出した各
摺動性向上剤がロールフォーミング等の機械類を短期間
に傷をつけ寿命を短くするという問題、及び各摺動剤は
塗料に比べ比重が大きいことから沈降しやすく塗装にあ
たっては十分な塗料攪拌が必要であり、また塗料中で凝
集し色ムラ、塗装ムラ等の塗装欠陥が生じやすいという
問題がある。

一方、四フッ化エチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのワックスからなる摺動剤はノ寸つダー状及び溶
剤に分散したペースト状で塗料中に添加され、焼付によ
って一旦溶解して拡がった状態で又はパウダー状の浮遊
状態で分散して存在し、塗膜表面の傷付性、離型性、ス
ベリ性、スクラ・ソチ仕を向上させる。このような摺動
剤は焼付時に完全熔融しないで分散状態のままで存在す
る場合においても有効である。父上記のようなロールフ
ォーミング等機械類への傷付き、摺動剤の沈降、及び塗
装欠陥の発生等の問題はない。

こうして、本発明によれば、摺動剤は平均粒径７〜４０
μ鋼の範囲内のポリオレフィンワックス（例えば、ポリ
エチレンワックス、ポリプロピレンワックス）又はパー
フルオロカーボン樹脂ワックス（例えば四フッ化エチレ
ンワックス、六フフ化プロピレンワックス）の何れか一
種以上を塗料組成物（正確には乾燥後塗膜）重量を基準
に１．０〜ｌ０００重量％含有せしめる。摺動剤の平均
粒径が、７μｍ未満では十分な耐摺動性が得られず、逆
に４０μ精を超えると塗膜面の平滑性が低下する。

この配合量が、１．０重量％未満では耐摺動性が十分で
なく　、１０．０重量％を超えると光沢が低下する。

なお、この摺動剤は色付きのものでもよい。

また、本発明によれば、必要に応じて、塗膜の表面平滑
性を高めるために、ポリエーテル変性ジメチルシロキサ
ン、ポリエーテル変性メチルペンチルシロキサン、ポリ
エステル変性ジメチルシロキサン等のポリアルキルシロ
キサンのようなシリコーン樹脂を塗料組成物（乾燥後塗
膜）重量を基準に０．０１〜０．１重量％含有せしめる
。ここに表面平滑剤として機能するシリコーン樹脂は、
分子量Ｍｎ８０００以下のものが好ましい。分子量が８
０００より高いと塗膜面にクレータ−が発生する。また
シリコーン樹脂の配合量が０．０１重量％未満及び０．
１重量％を越えると塗膜面にクレータ−が発生する。

本発明により摺動剤としてポリオレフィンワックス又は
ポリフルオロカーボンワックスを、また表面平滑剤とし
てシリコーン樹脂を添加するプレコート用塗料組成物の
基剤は、メタル板のプレコート用に慣用されるどの塗料
でもよい。例えば、フッ化ビニリデン樹脂塗料、シリコ
ンポリエステル樹脂塗料、シリコンアクリル樹脂塗料、
ポリエステル樹脂塗料（アルキッド樹脂塗料を含む）、
アクリル樹脂（自己架橋型を含む）塗料、メラミン樹脂
塗料などを挙げることができる。

塗料組成物には、必要に応じて、二酸化チタン、カーボ
ンブラック、酸化鉄、フタロシアニンブルー、キナクリ
ドンレッド等の着色顔料；炭酸カルシウム、カオリン、
硫酸バリウム等の体質顔料；キシμ・ン、ツルペッツ１
００、ツルペッツ１５０、シクロヘキサノン、イソホロ
ン、セロソルブアセテート、プチルセロソブル等の溶剤
；その他界面活性剤、沈殿防止剤、消泡剤等の添加剤を
使用することができる。

このような塗料組成物のメタル原板への塗装は通常次の
ように実施する。予め説脂、洗浄された金属コイル、ま
たはシートを下塗りとの密着性及び耐食性向上の為に、
リン酸又はクロメート系（反応型、塗布型）の下地処理
を行ない、下塗りとして周知のポリエステル、エポキシ
、塩ビ系の何れかを塗布し、それから上塗りに本発明の
塗料組成物を塗布する。塗装はロールコータ−、カーテ
ンコーター等を用いて行なうことができる。

〔実施例〕

以下の実施例及び比較例において塗膜の性能試験は次の
如く行なった。

（１）外観 目視により判定した。

（２）加工性（曲げ性） 試験方法はＪＩＳ　Ｈ４００１（６，４）にもとづき、
判定は塗膜の割れにて評価した。

（３）　　摺動性 イ）傷付性 （ａｌエリクセン硬硬度計５ｋ荷荷ラビリング性試験方
法はタイプ３１８のエリクセン硬度針（ボール径＝０．
７５削φ、体質はミゾアメタル！Ｉ）にて塗膜面に５ｋ
ｇ荷重をかけ往復運動により試験し、判定は塗膜の破れ
るまでの回数により評価した。

（ｂ）　　スクラッチ性 １０円硬貨（ブザない）を塗面と４５°の角度に保持し
、１１ｑｒの荷重で引っかき、塗膜の破れる程度を判定
した。

口）スベリ性 （ａ）　　スベリ荷重 試験方法はへイドン１４型の表面性測定機で測定。条件
はボール径１０龍ステンレス球を使用し垂直荷重＝　２
００ｇ、スピード５０鶴／ｍｉｎの時の摩擦抵抗値にて
評価した。

伽）　動摩擦係数 引っ張り荷重（スベリ荷重）÷垂直荷重＝動摩擦係数で
もとめた。

にフッ化ビニリデン樹脂塗料を塗装する試験を行なった
。上記アルミニウム板を下地処理後、バーコーターで下
記エポキシ樹脂塗料を塗布し、板温２００℃で５０秒間
焼付乾燥させ、厚さ５μｍの下塗り層を形成した。

メラミン樹脂　　　　　　　　　　　　１０．８二酸化
チタン　　　　　　　　　　　　１５・０セロソルブア
セテート　　　　　　　　１３．４計　　　　　　　　
　　　　　　　　　　１００．０次いで、別のバーコー
ターで一連のフッ化ビニリデン樹脂塗料を塗布し、板温
２４０℃で７５秒間焼付乾燥させ、厚さ２０μｍの上塗
り層を得た。

一連のフッ化ビニリデン樹脂塗料の基剤は下記組成を有
する塗料を用いた。

アクリル樹脂　　　　　　　　　　２７．６二酸化チタ
ン　　　　　　　　　　２０．６イソホロン　　　　　
　　　　　　２７．７計　　　　　　　　　　　　　　
　１００．０このフッ化ビニリデン樹脂塗料（ディスバ
ージョン型）に摺動剤として四フフ化エチレンワックス
（平均粒径９μｍ）、ポリエチレンワックス（平均粒径
２５μｍ）及びポリプロピレンワックス（平均粒径１０
μｍ）、表面平滑剤としてシリコーン樹脂（ポリエーテ
ル変性ジメチルシロキサン）を、それぞれ第１表に示し
た配合量で添加して実施例１の上塗用塗料組成物とした
。比較例１の塗料は摺動剤も表面平滑剤も含まないもの
であった。

得られたプレコートメタル板の性能を調べた結果を第１
表に示す。

第１表を参照すると、全ての摺動剤に摺動性向上の効果
が認められるが、その中で特に四フッ化エチレン５重量
％、１０．０重量％添加品に顕著な有効性がみられ、曲
げ性は２丁と摺動剤を添加していない比較例と同等の性
能を示し、且つ各摺動性能（エリクセン硬度計５ｋｇ荷
重うビリング株試験、スクラッチ性）に大幅な摺動性向
上効果が確認できた。何れの摺動剤の場合でも添加量が
多くなるにつれ摺動性が向上の効果がみられる。

この例では下記の組成を有する高分子ポリエステル樹脂
塗料を基剤塗料として用いた。

メラミン樹脂　　　　　　　　　　　　　　７．０二酸
化チタン　　　　　　　　　　　　　　２２．２ツルペ
ツツ１５０　　　　　　　　　　　　　１５．０セロソ
ルブアセテート　　　　　　　　　　８．６計　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　１００．０この基剤
塗料に、実施例１と同様に、摺動剤として四フッ化エチ
レンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、表面平滑剤としてシリコーン樹脂を添加した
。そのほかに、シリコーン樹脂を添加することなくポリ
エチレンワックスのみを添加した塗料を作製した。また
比較例としては摺動剤及び表面平滑剤を添加しないもの
を用いた。

塗装は、実施例１と同様な手順によったが、下塗剤には
下記高分子ポリエステル樹脂塗料を用いて１８０℃、８
０秒の焼付乾燥を行なうと共に、上塗りは２３０℃、６
０秒の焼付乾燥処理で厚さ１５μｍの塗膜を得た。

メラミン樹脂　　　　　　　　　　　　　　４．８二酸
化チタン　　　　　　　　　　　　　　１２．１キシレ
ン　　　　　　　　　　　　　　　　８・６セロソルブ
アセテート　　　　　　　　　　１Ｏ１０計　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　１００．０得られたプ
レコートメタル板の性能試験結果を第２表に示す。

第２表を参照すると、全ての摺動剤に摺動性向上の効果
が認められるが、その中で特にポリエチレン２．５重量
％に有効性がみられ、曲げ性はＯＴと摺動剤を添加して
いない比較例と同等の性能を示し、かつ塗膜硬度、各摺
動性能（エリクセン硬度計５ｋｇ荷重うビリング性試験
、動摩擦係数測定、スベリ荷重測定）で摺動剤の影響が
みられる。各摺動性能のうち、エリクセン硬度計５ｋｇ
荷重うビリング性で２０倍以上、動摩擦係数の測定で０
．０２〜０．０８も小さくなっており、スベリ荷重では
１６ｇも少ない値になっており、大幅な摺動性向上効果
が確認できた。四フッ化エチレンワックス、ポリプロピ
レンワックスは、動摩擦係数、スベリ荷重測定に摺動性
向上の効果がみられる。何れの摺動剤の場合でも添加量
が多くなるにつれ摺動性が向上の効果がみられる。

３　　び　　　　　３ 実施例２と同様にしてアルミニウム板に下地処理後下塗
り及び上塗りを施した。上塗り塗料の基剤として下記組
成を有するオイルフリーポリエステル樹脂塗料を用いた
。

メラミン樹脂　　　　　　　　　　　　　　１０．０二
酸化チタン　　　　　　　　　　　　　　３０．０ブタ
ノール　　　　　　　　　　　　　　　　３．５ツルペ
ツツ１５０　　　　　　　　　　　　　１０．０得られ
たプレコートメタル板の性能は第３表に示す通りであっ
た。

以下余白 第３表を参照すると、オイルフリーポリエステルの場合
は全ての摺動剤に同様の摺動性向上効果が認められた。

曲げ性は２Ｔと摺動剤を添加していない比較例と同等の
性能を示し、且つ塗膜硬度、各摺動性能（エリクセン硬
度計５ｋｇｒｉＪ重うビリング／ＰＬ試験、動摩擦係数
測定、スベリ荷重測定、スクラッチ性）で摺動剤の影響
がみられる。各摺動性能のうち、エリクセン硬度計５ｋ
ｇ荷重うビリング性で１０倍以上、動摩擦係数の測定で
０．０８〜０．１５も小さくなっており、スベリ荷重で
は１６〜３０ｇも少ない値になっており、大幅な摺動性
向上効果が確認できた。

実施例３と同様にしてアルミニウム板に下地処理後下塗
り及び上塗りを施した。但し、上塗り塗料の基剤として
下記組成を有する下記アクリル樹脂塗料を用いた。

メラミン樹脂　　　　　　　　　　　　６．９二酸化チ
タン　　　　　　　　　　　　２７．５ブタノール　　
　　　　　　　　　　　　　３．０ツルペツツ１５０　
　　　　　　　　　　１０．０得られたプレコートメタ
ル板の性能は第４表に示す通りであった。

以下余白 第４表を参照すると、オイルフリーポリエステルの場合
と同様に全ての摺動剤に摺動性向上効果が認められる０
曲げ性は２Ｔと摺動剤を添加していない比較例と同等の
性能を示し、且つ塗膜硬度、各摺動性能（エリクセン硬
度計５ｋｇ荷重うビリング、に試験、動摩擦係数測定、
スベリ荷重測定、スクラッチ性）で摺動剤の影響がみら
れる。各摺動性能のうち、エリクセン硬度計５ｋｇ荷重
うビリング性で１０倍以上、動摩擦係数の測定で０．０
７〜０．１４も小さくなっており、スベリ荷重では１５
〜３０ｇも少ない値になっており、大幅な摺動性向上効
果が確認できた。

以上の実験結果に見られる様に、摺動剤を添加すること
によって摺動性は大幅に向上し、有効性が確認された。

なお、塗料種類により摺動剤を選択する傾向が見られた
為、以下に塗料種類と摺動剤の有効順位をしめす。

■　フン化ビニリデンに対する摺動剤の効果は、四フッ
化エチレン〉ポリエチレン〉ポリプロピレンの順に良い
。

■　高分子ポリエステルに対する摺動剤の効果は、ポリ
エチレン上ポリプロピレン〉四フッ化エチレンの順に良
い。

■　オイルフリーポリエステルに対する摺動剤の効果は
、ポリエチレン、四フッ化エチレン、ポリプロピレン共
に全て良い。

■　アクリルに対する摺動剤の効果は、ポリエチレン、
四フッ化エチレン、ポリプロピレン共に全て良い。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかな様に、本発明に従って各摺動剤
をフレ化ビニリデン、高分子ポリエステル、オイルフリ
ーポリエステル、アクリル等の基剤樹脂塗料に添加する
ことにより摺動性が大幅に向上が認められる事から、成
形性の向上（ロール、及び絞り成形性）、品質、歩留、
製品化後の意匠性、機能性の向上が計られ、建材、家電
製品、什器頻用として幅広く利用できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、平均粒子径７〜４０μｍのポリオレフィンワックス
   又はパーフロロカーボン樹脂ワックスの一種以上を１．
   ０〜１０．０重量％含有してなる樹脂塗料組成物を塗装
   してなる高摺動性プレコートメタル板。 ２、平均粒子径７〜４０μｍのポリオレフィンワックス
   又はパーフロロカーボン樹脂ワックスの一種以上を１．
   ０〜１０．０重量％と、シリコーン樹脂０．０１〜０．
   １重量％とを含有してなる樹脂塗料組成物を塗装してな
   る高摺動性プレコートメタル板。