JP7508215B2 - 小麦粉組成物、生地及びクルトン並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、小麦粉組成物、生地及びクルトン並びにその製造方法に関する。
クルトンは、パン生地を焼成やエクストルーダー処理等によって加熱膨化することでパンを製造し、得られたパンを適当な大きさ及び形状に裁断及び成形した後、水分含有率が2~10質量%となるように乾燥させ、任意に油揚げ/油脂処理等を組み合わせて製造される。消費者の嗜好に合わせて、各種の調味料や香料等が使用されることもある。このようにして得られるクルトンは、概してスープ類の浮き身やサラダ類のトッピング材等に利用され、食品の脇役でありながらカリカリとしたクルトン特有の食感を付与することができる重要な食品素材として広く親しまれている。しかしながら、従来のクルトンは吸水性が高いため、スープやサラダドレッシング等の液体と接触するとふやけて、カリカリとした食感が損なわれることがあり、また形状が崩れてしまうこともあった。
このような問題に対処するため、従来から種々検討がなされている。例えば、特許文献1には、小麦粉を主成分とする生地に、トランスグルタミナーゼを添加、作用させた後に加熱処理を行うことを特徴とするクルトンの製造方法が開示されている。特許文献2には、小麦粉重量に対して、1~10重量%の油脂、20~40重量%のコーンスターチを配合し、得られたパン生地を用いて、焼成後比容積2~3ml/gのパンを製造し、次いでこのパンを冷却後、細断または粉砕し、必要に応じて加熱乾燥したクルトンに対して、溶解した固形油脂をコーティング、またはα化澱粉溶液にてコーティングし、さらに粉末澱粉を固定化することを特徴とするクルトンの製造方法が開示されている。
特許文献3には、パン生地を焼成後、細断、乾燥して製造するクルトンの製造方法において、焼成したパンの外側に、α化ヒドロキシプロピル澱粉、α化酢酸澱粉、α化ヒドロキシプロピル化架橋澱粉、及びα化アセチル化架橋澱粉からなる群より選ばれる1種以上のα化澱粉粉末を付着させることを特徴とする、サクサクとした食感とパンの食味を保持させたクルトンの製造方法が開示されている。特許文献4には、タマネギ乾燥粉末を配合することを特徴とする、クルトンの食感改善方法が開示されている。特許文献5には、(a)油脂と(b)レシチン及び/又はポリグリセリン縮合リシノール酸エステルとを含有するクルトンの吸水抑制用油脂組成物が開示されている。これらの技術は、いずれもクルトンのカリカリとした食感を持続させる効果を有するものの、市場の要求は高く、更なる改良が求められている。
特開平7-327584号公報 特開2002-51692号公報 特開2012-231728号公報 特開2017-38564号公報 特開2017-147986号公報
本発明の目的は、食感に優れ、且つスープ類やドレッシング等の液体と接触しても、カリカリとした食感を持続することができるクルトン及びその製造方法、並びに該クルトンを製造するための小麦粉組成物及び生地を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有する小麦粉組成物において、糟糠類の含有量を、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~18質量%とし、難消化性デキストリンの含有量を、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%とすることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有する小麦粉組成物において、
前記糟糠類の含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~18質量%であり、
前記難消化性デキストリンの含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%である、小麦粉組成物。
[2]クルトン製造用である、[1]記載の小麦粉組成物。
[3][1]又は[2]に記載の小麦粉組成物から製造される生地。
[4][1]又は[2]に記載の小麦粉組成物又は[3]に記載の生地から製造されるクルトン。
[5]小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有する小麦粉組成物と水分とを混練して生地を得る工程、及び
前記生地を焼成及び乾燥してクルトンを得る工程を含み、
前記糟糠類の含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~18質量%であり、
前記難消化性デキストリンの含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%である、クルトンの製造方法。
本発明によれば、食感に優れ、且つスープ類やドレッシング等の液体と接触しても、カリカリとした食感を持続することができるクルトン及びその製造方法、並びに該クルトンを製造するための小麦粉組成物及び生地を提供することができる。具体的には、スープ類やドレッシング等の液体と接触しても、液体の吸収が抑えられ、形状及び食感が保持されたクルトン及びその製造方法、並びに該クルトンを製造するための小麦粉組成物及び生地を提供することができる。
本発明の小麦粉組成物は、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有し、糟糠類の含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~18質量%であり、難消化性デキストリンの含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%である。
本発明で使用される小麦粉は、小麦穀粒を精選及び製粉して得られた胚乳の粉末を意味し、以下で述べる糟糠類とは区別される。そのような小麦穀粒の品種は、特に制限されず、例えばダーク・ノーザン・スプリング(DNS)、ハードレッド・ウインター(HRW)、No.1ハード・レッド・スプリング(1CW)、ウエスタン・ホワイト(WW)、プライム・ハード(PH)、オーストラリアスタンダード・ホワイト(ASW)、ユメチカラ、ミナミノカオリ、シロガネコムギ、バーミュード、アルルカン、アパシェ等が挙げられる。
本発明で使用される糟糠類は、原料穀粒の製粉工程を経て得られる胚乳よりも外層の部分を意味する。糟糠類は、タンパク質やミネラル、食物繊維等の成分を豊富に含んでいるおり、糖質量やカロリーが低いため、本発明のクルトンは、糟糠類による生理機能向上、低糖質化及び低カロリー化等が期待できる。原料穀粒は、一般に胚乳、胚芽、及び胚乳よりも外層の部分で構成されている。胚乳よりも外層の部分とは、胚乳と接するアリューロン層から最外層に至るまでの部分を指す。小麦穀粒の場合、胚乳側からアリューロン層、珠心層、種皮、管状細胞、横細胞、下皮、表皮の順で存在している。外皮は、珠心層から表皮に至る6層から構成されており、これを「ふすま」と称することがある。果皮は、管状細胞から表皮に至る4層から構成されている。アリューロン層は、胚乳と外皮とを隔てており、澱粉を含まず、タンパク質や脂質、灰分(ミネラル)を多く含む層である。小麦穀粒の場合、外皮、アリューロン層及び胚乳の構成割合は、それぞれ小麦穀粒の6~8質量%、6~7質量%及び81~85質量%である。製粉工程において、アリューロン層は外皮(ふすま)と共に胚乳から分離されるので、本発明では、例えば小麦穀粒における胚乳から分離された胚乳よりも外層の部分を「小麦ふすま」と称し、単なる外皮を意味する「ふすま」とは区別する。即ち、本発明における糟糠類は、アリューロン層及び外皮から構成されるものであり、胚乳及び胚芽を含まない。
上記糟糠類は、原料穀粒を製粉及び分離精製して得てもよいし、市販のものを用いてもよい。市販されている糟糠類製品として、例えば、小麦ふすま「ブランエース粉状P」(小麦穀粒由来、日本製粉株式会社製)、オーツ麦ふすま(オーツ麦穀粒由来、アリサン有限会社製)、健康美人、加賀美人(いずれも米穀粒由来、有限会社ほんだ製)等が挙げられる。
上記糟糠類は、公知の手法によって、微粉砕、焙煎処理、酵素処理、乳酸発酵等の各種加工処理を施してもよい。
なお、上記糟糠類を配合するために、原料穀粒を粉砕したもの(全粒粉)を用いてもよい。
上記糟糠類を含む市販製品あるいは従来の手法による精製品には、胚乳由来の穀粉又は外来の糖質(澱粉)が含まれることがあるため、穀粉又は糖質(澱粉)を差し引くことによって、又は成分分析することによって、実質的な糟糠類の使用量に換算することが好ましい。他方、小麦穀粒では、生育条件や品種等により多少の増減はあるものの、胚乳、胚乳よりも外層の部分(小麦ふすま)及び胚芽の構成割合は、一般的に83:15:2(質量)である。従って、以下の本発明の実施例では、小麦穀粒(全粒)における糟糠類(小麦ふすま)の含有量を15質量%とみなした。
本発明では、上記の通り原料穀粒から分離された糟糠類を用いてもよく、糟糠類を含む全粒粉を用いてもよい。全粒粉とは、原料穀粒の全構成成分を粉状にしたものである。全粒粉を得る手法としては、例えば、(1)製粉工程において、精選した小麦穀粒等の原料穀粒を任意に調質し、胚乳と胚乳よりも外層の部分(アリューロン層及び外皮)及び胚芽を分離することなく、ピンミルやジェットミル等の衝撃式粉砕機で全てを粉砕して得る手法、及び(2)精選した小麦穀粒等の原料穀粒を任意に調質し、胚乳の微粒画分(穀粉)、胚乳よりも外層の部分の粗粒画分及び胚芽画分をそれぞれ分離し、任意に粗粒画分及び/又は胚芽画分を更に微粉砕した後に、胚乳の微粒画分と混合して得る手法等が挙げられる。上記(2)では、具体的に、調質された原料穀粒をロール破砕機等で粉砕し、シフター等を用いて分画することで得られる胚乳の微粒画分(穀粉、小麦粉)と、大きな胚乳よりも外層部の断片(小麦穀粒であれば小麦ふすま断片)が含まれる任意に調質された粗粒画分をピンミル、ジェットミル、グラインダーミル等を用いて得られる微粉化粗粒画分と、胚芽画分又は任意に微粉砕した微粉化胚芽画分とを混合することで全粒粉が得られる。この場合、各画分は、同一の原料穀粒に由来するものでもよく(例えば、小麦穀粒であれば全ての画分が1CW由来等)、それぞれが異なる原料穀粒に由来するものでもよい(例えば、小麦穀粒であれば微粒画分が1CW由来、粗粒画分がDNS由来、胚芽画分がWW由来等)。
上記全粒粉は、上記の手法を用いて製造してもよいし、市販のものを用いてもよい。市販されている全粒粉として、例えば、「全粒粉(商品名)」、「FH全粒粉」(いずれも小麦穀粒由来、日本製粉株式会社製)、特キリン(ライ麦穀粒由来、日本製粉株式会社製)等が挙げられる。
上記糟糠類又は全粒粉の原料穀粒は、特に制限されず、食用に使用される原料穀粒であればいずれも使用することができる。そのような原料穀粒として、小麦穀粒、ライ麦穀粒、大麦穀粒、オーツ麦穀粒、米穀粒等が挙げられるが、本発明の効果に優れることから、上記原料穀粒は小麦穀粒であることが好ましく、上記糟糠類は小麦ふすまであることが好ましい。小麦穀粒の品種としては、特に限定されないが、ダーク・ノーザン・スプリング(DNS)、ハードレッド・ウインター(HRW)、No.1ハード・レッド・スプリング(1CW)、ウエスタン・ホワイト(WW)、プライム・ハード(PH)、オーストラリアスタンダード・ホワイト(ASW)、ユメチカラ、ミナミノカオリ、シロガネコムギ、バーミュード、アルルカン、アパシェ等が挙げられる。
本発明の小麦粉組成物は、糟糠類を、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~18質量%の含有量で含む。糟糠類の含有量が上記範囲内であることにより、食感に優れ、かつ液体と接触しても、液体の吸収が抑えられ、形状及び食感が保持されたクルトンを得ることができる。上記糟糠類の含有量は、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して1~17質量%であることが好ましく、3~16質量%であることがより好ましく、5~16質量%であることが更に好ましい。
本発明で使用される難消化性デキストリンは、人の消化酵素によって消化されない、難消化性の澱粉分解物であり、コーンスターチ等の澱粉を酸の存在下で焙焼して得られるデキストリンをアミラーゼ等の消化酵素で加水分解し、そのうちの難消化性成分を回収して得られる、水溶性食物繊維を含むデキストリンを意味する。難消化性デキストリンに含まれる水溶性食物繊維の含有量は、特に制限されず、難消化性デキストリンの質量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が更に好ましい。難消化性デキストリンは、公知の手法を用いて製造してもよいし、市販のものを用いてもよい。市販されている難消化性デキストリンとして、例えば、ファイバーソル2、ファイバーソル2H、ファイバーソル2AG(いずれも松谷化学工業株式会社製)等が挙げられ、これらはいずれも水溶性食物繊維の含有量が、難消化性デキストリンの質量に対して85質量%以上である。
難消化性デキストリンに含まれる低分子の水溶性食物繊維の量は、プロスキー法及びプロスキー変法で測定することができないため、通例、衛新第13号「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法について」に記載されている酵素-HPLC法で測定される。
本発明の小麦粉組成物は、難消化性デキストリンを、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%の含有量で含む。難消化性デキストリンの含有量が上記範囲内であることにより、食感に優れ、且つ液体と接触しても、液体の吸収が抑えられ、形状及び食感が保持されたクルトンを得ることができる。上記難消化性デキストリンの含有量は、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して1~13質量%であることが好ましく、2~11質量%であることがより好ましく、3~9質量%であることが更に好ましい。
本発明の小麦粉組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、クルトンの製造に通常使用される原料を適宜含むことができる。そのような原料として、例えば、米粉、大麦粉、ライ麦粉、蕎麦粉、トウモロコシ粉等の小麦粉以外の穀粉;小麦澱粉、コーンスターチ、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等の澱粉類;前記澱粉類をエーテル化、アセチル化、架橋、α化等の物理的又は化学的変性から選択される1つ以上の変性が施された易消化性加工澱粉類;小麦蛋白、大豆蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質素材;動物油脂、植物油脂、硬化油脂、粉末油脂等の油脂類;食塩、ミネラル等の無機塩類;難消化性澱粉等の糟糠類以外の水不溶性食物繊維;ポリデキストロース、大麦βグルカン等の難消化性デキストリン以外の水溶性食物繊維;難消化性デキストリン以外のデキストリン等の澱粉分解物;ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、イヌリン等の増粘多糖類;メチルセルロース等のセルロース誘導体;イースト;膨張剤;乳化剤;糖類;甘味料;香辛料;調味料;ビタミン類;色素;香料等の副原料や添加物が挙げられる。
本発明の生地は、上記小麦粉組成物から製造される。
上記生地は、上記小麦粉組成物と水分とを混練することによって得ることができる。混練手法としては、特に制限されない。
本発明のクルトンは、上記小麦粉組成物又は上記生地から製造される。
上記クルトンは、上記生地を焼成及び乾燥して得られる。具体的な手法としては、生地を焼成してクルトン用食パンを製造し、得られた食パンを適当な大きさに細断し、油調、熱風乾燥等の手段により乾燥させて一辺5mm~20mm程度のクルトンを得る手法等が挙げられる。クルトンを乾燥させる条件は、特に制限されず、クルトンの水分含有率を所定の値まで減少させることができればよい。そのようなクルトンの水分含有率は、特に制限されず、10質量%以下が好ましく、9質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。クルトンの水分含有率の下限も特に制限されず、1質量%以上であってもよいし、2質量%以上であってもよい。
本発明の小麦粉組成物は、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有し、糟糠類の含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~18質量%であり、難消化性デキストリンの含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%であることによって、食感に優れ、且つスープ類やドレッシング等の液体と接触しても、カリカリとした食感を持続することができるクルトンを得ることができる。本発明の小麦粉組成物は、クルトン製造用小麦粉組成物であることが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<クルトンの製造>
下記配合表に記載の配合に従って比較例1のクルトンを製造した。具体的な手順は以下の通りである。
(1)ショートニング以外の原料をミキサーに投入して低速3分、高速2分でミキシングし、ショートニングを投入して更に低速3分、高速2分でミキシングして生地を得た。小麦粉には、日本製粉株式会社製「イーグル」を使用した。
(2)30分間のフロアタイムの後、240gに分割し、20分間のベンチタイムをとった。
(3)分割した生地を2斤型に入れ、40分間ホイロした後、210℃に予熱したオーブンに投入し、30分間焼成してクルトン用パンを得た。
(4)食パンの粗熱を取った後、略立方体に細断し、熱風乾燥により水分含有率が6質量%となるように乾燥させて、一辺約1cmの略立方体のクルトンを得た。なお、クルトンの水分含有率は、株式会社エー・アンド・デイ製「加熱乾燥式水分計MF-50」を用いて測定した。すなわち、クルトンを試料皿に載置してヒーターカバーをし、測定開始前の質量を測定して乾燥前クルトン質量とし、標準モード(試料皿温度:測定開始から最初の5分間は160℃、5分経過後からは135℃)で加熱乾燥しながら質量変化を測定し、水分の蒸発に伴う1分間当たりの質量変化が0.1質量%になった時の質量を乾燥後クルトン質量とし、下記式1によりクルトンの水分含有率を求めた。
式1:クルトンの水分含有率(質量%)=(乾燥前クルトン質量-乾燥後クルトン質量)/乾燥前クルトン質量×100
配合表
Figure 0007508215000001
<クルトンの評価>
1.クルトンの吸スープ率の測定
カップスープ コーンクリーム(クノール食品株式会社製)の1包(1食分)を篩にかけて固形分(スイートコーン及び浮き身)を除去し、得られた粉末スープに90℃の熱湯150mLを注ぎ、ダマがなくなるまで十分に撹拌してコーンクリームスープを得た。製造したクルトンのうち、クラスト(皮部)がなくクラムからなるクルトンを選別し、そのうち5個の重量を測定してからコーンクリームスープに浮かべて1分間静置し、その後クルトンを掬いで回収し、10回上下に振ってスープを切り、再度重量を測定した。クルトンの吸スープ量は、コーンクリームスープに浮かべることによって増加したクルトンの重量によって求め、クルトンの吸スープ率は、先で求めた吸スープ量を、コーンクリームスープに浮かべる前のクルトンの重量で除することによって求めた。10回測定した平均値と標準偏差(SD)を表1に示す。
2.クルトンの外観評価
上記「クルトンの吸スープ率の測定」と同様にしてクルトンをコーンクリームスープに浮かべて1分間又は5分間静置し、下記の評価基準に従って、10名の熟練パネラーによりスープを吸ったクルトンの外観をスープに浮かべた状態で評価した。なお、比較例1で製造したクルトンを1分間スープに浮かべたときの外観の評価を3点とした。
外観の評価基準
Figure 0007508215000002
3.クルトンの食感評価
上記「クルトンの吸スープ率の測定」と同様にしてクルトンをコーンクリームスープに浮かべて1分間又は5分間静置し、下記の評価基準に従って、10名の熟練パネラーによりスープを吸ったクルトンの食感を評価した。なお、比較例1で製造したクルトンを1分間スープに浮かべたときの食感の評価を3点とした。
食感の評価基準
Figure 0007508215000003
実施例1~10及び比較例2~6
比較例1のクルトンの製造で使用した小麦粉を下記表1及び表2に記載の小麦粉組成物に置き換えたこと以外は比較例1と同様にしてクルトンを得て、上記の評価を実施した。結果を表1及び表2に示す。なお加水量は、生地性が製造ライン適正に合うように調整するために、適宜増減させてあり、糟糠類製品には日本製粉株式会社製「ブランエース粉状P」を使用し、難消化性デキストリンには松谷化学工業株式会社製「ファイバーソル2」を使用した。なお、糟糠類製品「ブランエース粉状P」における糟糠類(小麦ふすま)の含有量は66.1質量%であり、残余の33.9質量%は小麦粉に相当するものとした。
Figure 0007508215000004
比較例1は、糟糠類及び難消化性デキストリンを含まず、比較例2は、難消化性デキストリンを含まず、比較例3は、糟糠類を含まない。比較例1~3の結果から、比較例3では比較例1及び2に比べてクルトンの吸スープ量が低減したものの、比較例1~3のいずれも、クルトンをスープに浮かべて5分後には崩れが目立ち、カリカリ感も得られなかった。
一方、糟糠類の含有量を5.0質量%に固定し、難消化性デキストリンの量を変化させた実施例1~5では、難消化性デキストリンの量が多くなるほど、クルトンの吸スープ率、外観及び食感に優れる結果となった。例えば、実施例1では、クルトンを1分間スープに浮かべたときの外観及び食感は比較例1~3と同等ではあるが、5分間スープに浮かべたときの外観及び食感が改善された。比較例4では、難消化性デキストリンの量が多すぎるため、吸水が悪く生地のつながりが悪くなり、クルトンを製造することができなかったため、評価を行うことができなかった。
Figure 0007508215000005
実施例6と比較例1~3との対比により、糟糠類の含有量を1.0質量%とし、難消化性デキストリンの量を2.0質量%とすることによっても、比較例1~3と比べて、クルトンを5分間スープに浮かべたときの外観及び食感が改善された。実施例6、2及び7の比較、並びに実施例8、3、9及び10の比較により、糟糠類の含有量が多くなるほど、クルトンの吸スープ率、外観及び食感に優れる結果となった。
比較例5及び6では、糟糠類の量が多すぎるため、スープに浮かべる前のクルトンが硬くなりすぎてしまい、歯の入りが悪く、カリカリというよりもゴリゴリとした食感となり、クルトンに求められる食感とは大きくかけ離れていた。従って、比較例5及び6のクルトンは、評価を行わなかった。
実施例11~12
続いて、比較例1のクルトンの製造で使用した小麦粉を下記表3に記載の小麦粉組成物に置き換えたこと以外は比較例1と同様にしてクルトンを得て、上記の評価を実施した。結果を表3に示す。なお、小麦全粒粉には日本製粉株式会社製「FH全粒粉」を使用し、難消化性デキストリンには、松谷化学工業株式会社製「ファイバーソル2」を使用した。なお、小麦全粒粉「FH全粒粉」における糟糠類(小麦ふすま)の含有量は15質量%とし、残余の83質量%が小麦粉、2質量%が胚芽に相当するものとして計算を行った。
Figure 0007508215000006
実施例11及び12より、糟糠類製品の代わりに小麦全粒粉を使用しても、本発明の効果が得られることが分かった。また難消化性デキストリンの量が多くなるほど、クルトンの吸スープ率、外観及び食感がより改善された。

Claims (4)

  1. 小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有する、クルトン製造用小麦粉組成物において、
    前記糟糠類の含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%であり、
    前記難消化性デキストリンの含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%である、前記小麦粉組成物。
  2. 請求項1に記載の小麦粉組成物から製造される、クルトン製造用生地。
  3. 請求項1に記載の小麦粉組成物又は請求項2に記載の生地から製造されるクルトン。
  4. 小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンを含有する小麦粉組成物と水分とを混練して生地を得る工程、及び
    前記生地を焼成及び乾燥してクルトンを得る工程を含み、
    前記糟糠類の含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%であり、
    前記難消化性デキストリンの含有量が、小麦粉、糟糠類及び難消化性デキストリンの総量に対して0.5~16質量%である、クルトンの製造方法。
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フジパン, 2019.02.13 [検索日 2023.09.06], インターネット:<URL:https://www.fujipan.co.jp/news/000096.html>

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