JP7505634B1 - 切削インサート、及び当該切削インサートを備えた切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】穴あけ加工に際し、コーナ部の加工耐性を向上させることができる切削インサート及び切削工具の提供。【解決手段】切削インサート3は、略多角形板状をなしており、第1長辺11U及び第2長辺12U、並びに、それらの第1長辺及び第2長辺間にある第1短辺及び第2短辺を含み、且つ、互いに対向する第1端面10U及び第2端面10Lを備える。また、それらの第1端面及び第2端面は、第1長辺から、第1長辺及び第1短辺間にある第1コーナ部Cn1にかけて延びる第1切れ刃31と、第2長辺から、第2長辺及び第1短辺間にある第2コーナ部Cn2にかけて延びる第2切れ刃32とを有する。そして、第1長辺を挟んで第1コーナ部Cn1の反対側に位置する第3コーナ部Cn3の曲率半径R3が、第1コーナ部の曲率半径R1よりも大きくされている。【選択図】図3

Description

本開示は、切削インサート、及び当該切削インサートを備えた切削工具に関する。
被削材の転削加工を行うための切削工具の一つであるエンドミルとして、そのボディに設けられた取り付け座に切削インサートが着脱可能に装着されたものが知られている。かかるエンドミルの一例として、本出願人は、中心刃と外周刃の何れにも使用可能であり、しかも、表裏を入れ替えて再使用することが可能な形状の切削インサートを複数備えるエンドミルを提案している(特許文献1参照)。
特開2021-30401号公報
上記従来の切削インサートを備えたエンドミルは、いわば両面仕様の中心刃付きチップ交換式の多機能加工用エンドミルであり、特に経済性に優れ、且つ、切削インサートが従来に比して切削工具のボディに安定的に固定できるという利点を有する。
ここで、図5は、従来のエンドミルに備わる切削インサートを用いて被削材の穴あけ加工(ドリル加工)を行っている状態の一例を概略的に示す模式断面図である。同断面は、中実の被削材6に穴61を加工しているときのエンドミルの回転軸AX(穴61の中心軸)を含む平断面に相当する。また、同図には、切削インサート5A,5Bの配置状態を併せて示す。これらは、切削インサート自体としては同一形状を有する。
この場合、切削インサート5Aは、切削工具のボディへの装着状態において、ボディの外周面から回転軸まで延在する内刃と、その外周面に位置する主切れ刃とを有する中心刃として機能する。一方、切削インサート5Bは、中心刃の主切れ刃とは略180°反対側に位置した主切れ刃を有する外周刃として機能する。このとおり、切削インサート5A,5Bは、略直方体状をなしており、おもて面(例えば上面)と側面の稜線部分に中心刃及び外周刃が対向して形成されており、裏面(例えば下面)にも同様の中心刃及び外周刃が形成されたものであって、合計4回分の使用が可能な切れ刃を有しているといえる。
図5に示すように、かかるエンドミルによって被削材の穴あけ加工を行うと、加工底面6Bの中心近傍には例えば円柱状をなすコア6Tが残り得る。このコア6Tは、切削インサート5Aによる回転軸AX近傍の切削速度がゼロにならないように、意図的に削り残される部位である。具体的には、切削インサート5Aを図5の紙面奥側に向かってやや後退させて配置することで、切れ刃が回転中心(回転軸AX)を通らず、その結果、コア6Tが削り残される。このようなコア6Tは、穴あけ加工の進行に伴い、切削インサート5Aの工具中心側に設けられたコーナ部Cnで折損される。この際、切削インサート5Aが、中心軸ずれを許容するための芯下がり設計とされていると、コア6Tを除去する際の負荷が過度に高くなってしまう傾向にある。また、本発明者の知見によれば、コア6Tの主たる加工メカニズムとしては、コーナ部Cnによってコア6Tを圧し潰して折損していく形態が想起される。これらのことから、被削材の穴あけ加工においては、中心刃における工具中心側のコーナ部Cnにおける加工耐性の向上が望まれる。
そこで、本開示は、被削材の穴あけ加工を行う際に、工具中心側のコーナ部の加工耐性を向上させることができ、これにより、当該部位の欠損等を有効に抑止することが可能な切削インサート、及び当該切削インサートを備えた切削工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は、以下の構成を採用する。
〔1〕本開示による切削インサートの一例は、略多角形板状(例えば概して直方体形状)をなしており、第1長辺及び第2長辺、並びに、それらの第1長辺及び第2長辺間にある第1短辺及び第2短辺を含み、且つ、互いに対向する第1端面及び第2端面を備える。また、第1端面及び前記第2端面は、第1長辺から、第1長辺及び第1短辺間にある第1コーナ部にかけて延びる第1切れ刃と、第2長辺から、第2長辺及び第1短辺間にある第2コーナ部にかけて延びる第2切れ刃とを有する。そして、第1長辺を挟んで第1コーナ部の反対側に位置する第3コーナ部の曲率半径R3は、第1コーナ部の曲率半径R1よりも大きくされている。
前述の如く、被削材の穴あけ加工に際しては図5に示すようなコア6Tが残り得るところ、そのようなコア6Tは、中心刃の工具中心側に位置する第3コーナ部によって折損され得る。これに対し、本開示では、切削インサートの第1コーナ部及び第3コーナ部が、それぞれ工具外周側及び工具中心側に位置するように切削工具に装着されたとき、第3コーナ部の曲率半径R3が第1コーナ部の曲率半径R1よりも比較的大きくされているので、コア6Tを除去する際の負荷に対する加工耐性が向上される。よって、被削材の穴あけ加工を行う際に、第3コーナ部の欠損等を有効に抑止することが可能となる。
〔2〕また、具体的には、第1端面及び第2端面に繋がり、且つ、第1短辺及び第2短辺を含んで互いに対向する短側面を更に備えてもよい。この場合、それらの短側面は、第1端面及び第2端面に垂直な面に対して斜めに傾いていてもよい。さらに、第1短辺における逃げ角は、正の角度であり、これに対し、第2短辺における逃げ角は、負の角度であると好適である。尚、本開示において、「逃げ角」が「正の角度」とは、交差する2つの面がなす内角が「鋭角」であることを示し、「逃げ角」が「負の角度」とは、交差する2つの面がなす内角が「鈍角」であることを示す。
〔3〕さらに、かかる構成において、第1端面の第1切れ刃及び第2切れ刃と、第2端面の第1切れ刃及び第2切れ刃とが、当該切削インサートを仮想的に貫通する所定軸の周りに互いに、互いに180°回転対称の関係にあるように形成しても好適である。
〔4〕また、そのような180°回転対称の関係において、更に具体的には、第1端面における第1コーナ部と第2端面における第3コーナ部、及び、第1端面における第3コーナ部と第2端面における第1コーナ部が、それぞれ、短側面を挟んで互いに対向する位置関係にあってもよい。このような構成により、本開示による切削インサートは、いわば両面仕様で且つ交換式の多機能加工用エンドミルとして用いることができ、その結果、当該切削インサートは、経済性に優れ、且つ、切削工具のボディに安定的に固定可能であるという利点を有する。
〔5〕また、上記構成では、第1切れ刃に関するすくい面に形成されており、第1長辺の中心よりも第1コーナ部側に位置する第1チップブレーカ、及び、第1長辺の中心よりも第3コーナ部側に位置する第2チップブレーカを含む、チップブレーカを備えてもよい。この場合、第2チップブレーカの最大幅Wcmaxが、第1チップブレーカの最大幅Wpmaxよりも大きくされていると更に好適である。ここで、本開示における「チップブレーカの幅」とは、切削インサートの平面視において、第1短辺に沿う方向の幅を示す。
かかる構成においては、工具外周側に位置し得る第1チップブレーカにおいて、「壁」までの距離が比較的近くなるので、切り屑を強制的にカールさせ易くなる。一方、工具中心側に位置し得る第2チップブレーカにおいて、「壁」までの距離が比較的遠くなるので、切り屑を強制的にカールさせ難くなる。つまり、本構成では、切り屑の厚さに応じたカール処理を所望に調整し易くなる。これにより、切削インサートによる加工性能の向上に資することができる。
〔6〕加えて、上記構成において、より具体的には、第2チップブレーカの最大幅Wcmaxが、第1短辺の長さの50%以下となるように形成されていると、穴あけ加工時に生じる切り屑の形状をより制御し易くなる点において一層好適である。
〔7〕本開示による切削工具の一例は、ボディと、ボディに取り付けられた本開示による切削インサートを備えて有効に構成することができる。すなわち、その切削インサートは、略多角形板状をなしており、それぞれ、第1長辺及び第2長辺、並びに、それらの第1長辺及び第2長辺間にある第1短辺及び第2短辺を含み、且つ、互いに対向する第1端面及び第2端面を備える。また、それらの第1端面及び第2端面は、第1長辺及び第1短辺間にある第1コーナ部を含み、且つ、第1長辺から第1短辺にかけて延びる第1切れ刃と、第2長辺及び第1短辺間にある第2コーナ部を含み、且つ、第2長辺から第1短辺にかけて延びる第2切れ刃とを有する。そして、第1長辺を挟んで第1コーナ部の反対側に位置する第3コーナ部の曲率半径R3が、第1コーナ部の曲率半径R1よりも大きくされている。
本開示によれば、切削インサートの第3コーナ部の加工耐性を向上させることができ、その結果、被削材の穴あけ加工を行う際の当該第3コーナ部の欠損等を有効に抑止することができる。
本実施形態に係る切削工具の全体構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態に係る切削工具の全体構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態に係る切削工具が備える切削インサートの構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態に係る切削工具が備える切削インサートの構成を概略的に示す平面図(上面図)である。 従来の切削工具に備わる切削インサートを用いて被削材に対して穴あけ加工を行っている状態の一例を概略的に示す模式断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1は、本実施形態に係る切削工具の全体構成を概略的に示す斜視図であって、後述する第1状態で装着された切削インサート側から視認した図である。また、図2も、同じく、本実施形態に係る切削工具の全体構成を概略的に示す斜視図であり、後述する第2状態で装着された切削インサート側から視認した図である。さらに、図3及び図4は、それぞれ、本実施形態に係る切削工具が備える切削インサートの構成を概略的に示す斜視図及び平面図(上面図)である。
<切削工具1の概要>
図1及び図2に示すとおり、切削工具1は、被削材の転削加工に加えて穴あけ加工(ドリル加工)も可能なエンドミルであり、回転駆動されるボディ2に、例えば切削インサート3,3が二つ一組で装着されて構成されている。ボディ2は、切削工具1の概ね全体を構成する部材であって、例えば鋼によって形成されており、何れも略円筒形状をなす先端部21と後端部22が一体に形成されたものである。切削インサート3,3は、先端部21の切り欠かれた部位に設けられたインサートポケットD1,D2に取り付けられる。ボディ2は、不図示の工作機械によって把持され、同じく不図示の被削材の加工時には、回転軸AXの周りに回転するように駆動される。尚、回転軸AXは、略円筒形状をなすボディ2の中心軸と一致している。また、図1及び図2においては、加工時における切削工具1の回転方向YAを丸矢印で示す。
切削インサート3,3は、何れも略直方体状をなし、且つ、互いに代替可能な同一形状を有しており(後述する図3及び図4も参照されたい)、ボディ2のインサートポケットD1,D2の何れにも、例えば螺子8により着脱可能(交換可能)に締結固定することができる。また、図1及び図2に示すように、インサートポケットD1に横置き状態(第1状態3C)で装着された切削インサート3は、ボディ2の外周面2Pから先端側に沿って回転軸AX又はその周辺まで延在する。一方、インサートポケットD2に縦置き状態(横置きに直交する状態:第2状態3P)で装着された切削インサート3は、第1状態3Cで配置された切削インサート3とは略180°反対側の外周側に位置し、ボディ2の外周面2Pから先端側に沿って回転軸AXへ向かう途中まで延在している。
このような切削インサート3の材質は、特に制限されず、例えばその全体が超硬合金により形成されていると好適である。また、切削インサート3のうち、少なくとも後述する第1切れ刃31及び第2切れ刃32を含む部分が、例えば、サーメット、セラミックス及び立方晶窒化ホウ素を含む焼結体等の硬質材料、これら硬質材料の表面にPVD又はCVDによって形成された被覆層を有するもの、並びに、単結晶ダイヤモンド又はダイヤモンドを含む焼結体等の何れかを含んで形成されていてもよい。
<切削インサート3の具体的構成>
次に、切削インサート3のより具体的な構成について以下に説明する。図3及び図4に示すとおり、切削インサート3は、第1端面10U(図示上面)と、第2端面10L(図示下面)と、それらの第1端面10U及び第2端面10Lを繋ぐ、第1長側面11及び第2長側面12並びに第1短側面13及び第2短側面14とを備える。また、各切削インサート3には、それをインサートポケットD1,D2に螺子固定するための取付け孔Hが穿設されている。
さらに、図1及び図2に示すとおり、切削インサート3が第1状態3Cでボディ2に装着された場合、第2端面10L、第2長側面12、及び第2短側面14、又は、第1端面10U、第2長側面12、及び第1短側面13が、ボディ2のインサートポケットD1に当接して拘束される部分である。一方、切削インサート3が第2状態3Pでボディ2に装着された場合、第2端面10L、第1長側面11、及び第2短側面14、又は、第1端面10U、第1長側面11、及び第1短側面13が、ボディ2のインサートポケットD2に当接して拘束される部分である。
第1端面10Uは、第1長側面11及び第2長側面12並びに第1短側面13及び第2短側面14のそれぞれとの境界を画成する、第1長辺11U及び第2長辺12U並びに第1短辺13U及び第2短辺14Uを有する。同様に、第2端面10Lは、第1長側面11及び第2長側面12並びに第1短側面13及び第2短側面14のそれぞれとの境界を画成する、第1長辺11L及び第2長辺12L並びに第1短辺14L及び第2短辺13Lを有する。このような構造的な特徴により、第1端面10Uの第1切れ刃31及び第2切れ刃32と、第2端面10Lの第1切れ刃31及び第2切れ刃32とは、切削インサート3の中心を通り且つ実質的に第1短辺13U,14L及び第2短辺14U,13Lに沿って延在する軸BXの周りに、互いに180°回転対称(つまり2回回転対称)の関係を有する。このとおり、軸BXが、「切削インサートを仮想的に貫通する所定軸」の一例に相当する。
ここで、第1端面10U側の第1切れ刃31は、第1長辺11U及び第1短辺13U間にある第1コーナ部Cn1を含み、且つ、第1長辺11Uから第1短辺13Uにかけて延在する。同様に、第2端面10L側の第1切れ刃31は、第1長辺11L及び第1短辺14L間にある第1コーナ部Cn1を含み、且つ、第1長辺11Lから第1短辺14Lにかけて延在する。この第1切れ刃31は、第1状態3Cにおいて、被削材6の穴あけ加工の際に、主として加工底面を切削する切れ刃として機能する。また、図1及び図2に示すように、切削インサート3が第1状態3Cでボディ2に固定されているとき、第1コーナ部Cn1は、工具外周側に位置し、第1長辺11U,11Lを挟んで第1コーナ部Cn1の反対側に位置する第3コーナ部Cn3は、工具中心側(回転軸AX近傍)に位置することとなる。
そして、本実施形態においては、第3コーナ部Cn3の曲率半径R3が、第1コーナ部Cn1の曲率半径R1よりも比較的大きくされている。また、上述した180°回転対称の関係において、第1端面10Uにおける第1コーナ部Cn1と第2端面10Lにおける第3コーナ部Cn3は、短側面13を挟んで互いに対向する位置関係にあり、第1端面10Uにおける第3コーナ部Cn3と第2端面10Lにおける第1コーナ部Cn1も同様に、短側面14を挟んで互いに対向する位置関係にある。
一方、第1端面10U側の第2切れ刃32は、第2長辺12U及び第1短辺13U間にある第2コーナ部Cn2を含み、且つ、第2長辺12Uから第1短辺13Uにかけて延在する。同様に、第2端面10L側の第2切れ刃32は、第2長辺12L及び第1短辺14L間にある第2コーナ部Cn2を含み、且つ、第2長辺12Lから第1短辺14Lにかけて延在する。この第2切れ刃32は、第2状態3Pにおいて、被削材6を転削加工する際に、主として加工周面を切削する切れ刃として機能する。
また、図3及び図4に示すとおり、第1短側面13及び第2短側面14は、傾斜面であり、すなわち、第1端面10U及び第2端面10Lに垂直な面に対して斜めに傾いて設けられている。かかる構成において、第1短辺13U,14Lは、第1切れ刃31の一部及び第2切れ刃32の一部として用いられ、これらの第1短辺13U,14Lにおける逃げ角は、正の角度である。これに対し、第2短辺14U,13Lは、第1切れ刃31及び第2切れ刃32としては用いられず、これらの第2短辺14U,13Lにおける逃げ角は、負の角度となっている。
また、切削インサート3の第1切れ刃31に関して、第1端面10U及び第2端面10L(何れもすくい面)には、チップブレーカ3Bが形成されている。ここで、そのチップブレーカ3Bが、第1長辺11U,11Lの中心よりも第1コーナ部Cn1側(工具外周側)に位置する仮想部位(第1チップブレーカ)と、第1長辺11U,11Lの中心よりも第3コーナ部Cn3側(工具中心側)に位置する仮想部位(第2チップブレーカ)とから構成されるとする。このとき、本実施形態では、第2チップブレーカの最大幅(Wcmax)が、第1チップブレーカの最大幅(Wpmax)よりも大きくされている。更に具体的には、第2チップブレーカの最大幅Wcmaxは、第1短辺13U,14Lの長さの50%以下(1/2以下)となるように形成されている。
以上のように構成された切削インサート3,3、及び、それが装着された切削工具1によれば、切削インサート3が両面仕様で且つ交換式の多機能加工用エンドミルとして機能する。すなわち、切削インサート3,3を、それぞれ第1端面10Uと第2端面10Lで反転入れ替えして再使用でき、また、それぞれを交換して再使用できるので、1つの切削インサート3を合計4回分使用することが可能となる。よって、工具の経済性向上させ、製品の在庫管理を容易化することができる。
また、工具中心側に位置し得る第3コーナ部Cn3の曲率半径R3が、工具外周側に位置し得る第1コーナ部Cn1の曲率半径R1よりも比較的大きくされている。これにより、被削材6の穴あけ加工に際して残存し得る図5に示すようなコア6Tを第1状態3Cで装着された切削インサート3の第3コーナ部Cn3によって折損するときにも、その部位の加工耐性を従来に比して有意に高めることができる。従って、被削材6の穴あけ加工を行う際に、第3コーナ部Cn3の欠損等を有効に抑止することが可能となる。
さらに、第1長辺11U,11Lの中心よりも第3コーナ部Cn3側に位置する第2チップブレーカの最大幅Wcmaxが、第1長辺11U,11Lの中心よりも第1コーナ部Cn1側に位置する第1チップブレーカの最大幅Wpmaxよりも大きくされている。これにより、工具外周側に位置し得る第1チップブレーカにおいて、「壁」までの距離が比較的近くなるので、切り屑を強制的にカールさせ易くなる。その一方で、工具中心側に位置し得る第2チップブレーカにおいて、「壁」までの距離が比較的遠くなるので、切り屑を強制的にカールさせ難くなる。つまり、本構成は、切り屑の厚さに応じたカール処理を所望に調整し易くなる利点を有する。その結果、切削インサート3による総合的な加工性能を更に向上させることができる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明したが、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。つまり、本開示は、これらの具体例に限定されるものではなく、これらの具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備える限り、本開示の範囲に包含される。また、前述した各具体例が備える各要素、配置、材料、条件、形状、寸法サイズ、縮尺等は、特に明示のない限り、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。さらに、前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変更することができる。
すなわち、例えば、切削インサート3としては、第1状態3Cと第2状態3Pで兼用できなくてもよく、少なくとも第1コーナ部Cn1及び第3コーナ部Cn3を有する第1切れ刃31が形成されており、且つ、曲率半径R3>曲率半径R1で表される関係が満たされていればよい。また、ボディ2の先端部21及び後端部22を別体部品とし、両者を組み立て型(モジュラー式)やヘッド交換式となるように構成してもよく、溶接等によって連結してもよい。さらに、インサートポケットD1,D2を複数設け、複数の切削インサート3をそれぞれのポケットに装着してもよい。またさらに、切削インサート3のインサートポケットD1,D2への装着手法としては、スクリューオン式やレバーロック式が挙げられるが、これらに限定されず、例えばろう接でもよい。またさらに、複数の切削インサート3の配置ピッチは、等ピッチに限定されず、不等ピッチで配設しても構わない。さらにまた、切削インサート3を転削に用いる場合、チップブレーカ3Bは、主として正のすくい角を付与するために形成することができ、この場合、「壁」に切り屑を当てて細片化することを意図しなくてもよい。
加えて、第1端面10U側の第1切れ刃31は、第1長辺11Uから第1コーナ部Cn1にかけて延びていればよく、必ずしも第1短辺13Uにかけて形成されていなくてもよい。また、第2端面10L側の第1切れ刃31は、第1長辺11Lから第1コーナ部Cn1にかけて延びていればよく、必ずしも第1短辺14Lにかけて形成されていなくてもよい。同様に、第1端面10U側の第2切れ刃32は、第2長辺12Uから第2コーナ部Cn2にかけて延びていればよく、必ずしも第1短辺13Uにかけて形成されていなくてもよい。また、第2端面10L側の第2切れ刃32は、第2長辺12Lから第2コーナ部Cn2にかけて延びていればよく、必ずしも第1短辺14Lにかけて形成されていなくてもよい。換言すれば、第1短辺13U,14Lを、第1切れ刃31及び第2切れ刃32の一部として用いなくてもよい。
1…切削工具、2…ボディ、2P…外周面、3…切削インサート、3B…チップブレーカ、3C…第1状態、3P…第2状態、5A,5B…切削インサート(従来)、6…被削材、6B…加工底面、6T…コア、8…螺子、10L…第2端面(すくい面)、10U…第1端面(すくい面)、11…第1長側面、12…第2長側面、11L,11U…第1長辺、12L,12U…第2長辺、13…第1短側面(短側面)、14…第2短側面(短側面)、13U,14L…第1短辺、13L,14U…第2短辺、21…先端部、22…後端部、31…第1切れ刃、32…第2切れ刃、61…穴、AX…回転軸、BX…軸(所定軸)、Cn…コーナ部(従来)、Cn1…第1コーナ部、Cn2…第2コーナ部、Cn3…第3コーナ部、D1,D2…インサートポケット、H…取付け孔、Wcmax,Wpmax…最大幅、YA…回転方向。

Claims (7)

  1. 略多角形板状をなしており、それぞれ、第1長辺及び第2長辺、並びに、該第1長辺及び該第2長辺間にある第1短辺及び第2短辺を含み、且つ、互いに対向する第1端面及び第2端面を備え、
    前記第1端面及び前記第2端面は、前記第1長辺から、前記第1長辺及び前記第1短辺間にある第1コーナ部にかけて延びる第1切れ刃と、前記第2長辺から、前記第2長辺及び前記第1短辺間にある第2コーナ部にかけて延びる第2切れ刃とを有し、
    前記第1長辺を挟んで前記第1コーナ部の反対側に位置する第3コーナ部の曲率半径R3は、前記第1コーナ部の曲率半径R1よりも大きくされている、
    切削インサート。
  2. 前記第1端面及び前記第2端面に繋がり、且つ、前記第1短辺及び前記第2短辺を含んで互いに対向する短側面を備え、
    前記短側面は、前記第1端面及び前記第2端面に垂直な面に対して斜めに傾いており、
    前記第1短辺における逃げ角は、正の角度であり、
    前記第2短辺における逃げ角は、負の角度である、
    請求項1記載の切削インサート。
  3. 前記第1端面の前記第1切れ刃及び前記第2切れ刃と、前記第2端面の前記第1切れ刃及び前記第2切れ刃とは、当該切削インサートの中心を仮想的に貫通し且つ前記第1短辺及び前記第2短辺に沿って延在する軸の周りに、互いに180°回転対称の関係にある、請求項1又は2記載の切削インサート。
  4. 前記180°回転対称の関係においては、前記第1端面における前記第1コーナ部と前記第2端面における前記第3コーナ部、及び、前記第1端面における前記第3コーナ部と前記第2端面における前記第1コーナ部が、それぞれ、前記短側面を挟んで互いに対向する位置関係にある、請求項2を引用する請求項3記載の切削インサート。
  5. 前記第1切れ刃に関するすくい面に形成されており、前記第1長辺の中心よりも前記第1コーナ部側に位置する第1チップブレーカ、及び、前記第1長辺の中心よりも前記第3コーナ部側に位置する第2チップブレーカを含む、チップブレーカを備え、
    前記第2チップブレーカの最大幅Wcmaxが、前記第1チップブレーカの最大幅Wpmaxよりも大きくされている、
    請求項1又は2記載の切削インサート。
  6. 前記第2チップブレーカの最大幅Wcmaxは、前記第1短辺の長さの50%以下である、
    請求項5記載の切削インサート。
  7. ボディと、
    前記ボディに取り付けられた切削インサートと、
    を備えており、
    前記切削インサートは、
    略多角形板状をなしており、それぞれ、第1長辺及び第2長辺、並びに、該第1長辺及び該第2長辺間にある第1短辺及び第2短辺を含み、且つ、互いに対向する第1端面及び第2端面を備え、
    前記第1端面及び前記第2端面は、前記第1長辺から、前記第1長辺及び前記第1短辺間にある第1コーナ部にかけて延びる第1切れ刃と、前記第2長辺から、前記第2長辺及び前記第1短辺間にある第2コーナ部にかけて延びる第2切れ刃とを有し、
    前記第1長辺を挟んで前記第1コーナ部の反対側に位置する第3コーナ部の曲率半径R3は、前記第1コーナ部の曲率半径R1よりも大きくされている、
    切削工具。
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