JP7504147B2 - 無人フォークリフトの初期設定方法、調整用パレット、無人フォークリフトの調整システム - Google Patents
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Description
(無人フォークリフトシステムの構成)
ここで、無人フォークリフトの調整システム10Aの説明に先立ち、無人フォークリフトの調整システム10Aが適用される無人搬送フォークリフトシステム(AGF:Automated Guided Forklift)1について説明する。図1に示すように、無人搬送フォークリフトシステム1が設置される施設としては、例えば、倉庫、工場、商業施設、貨物取扱施設等が挙げられる。倉庫では、例えば、パレットに搭載した各種の物品を保管する。工場では、例えば、パレットに搭載した各種の部品や資材を、工場内の工程間で搬送する。商業施設では、パレットに搭載した商品を、例えば、商品陳列棚に陳列する。貨物取扱施設では、例えば、パレットに搭載した貨物の一時的な保管、貨物の送付先に向けての仕分け等を行う。ここで、パレットには、無人フォークリフトで運搬可能なコンテナを含んでもよい。
このような施設内には、物品、部品、商品、貨物等を搭載可能なパレット5が載置可能なラック構造物100を備える。ラック構造物100は、無人フォークリフト2の経路Rに沿って複数配置される。図2に示すように、ラック構造物100は、例えば、上下に複数層に構成される。図2、図3に示すように、ラック構造物100は、床面F上に設けられる複数本の支柱102と、隣り合う支柱102間に架設されるビーム材103と、を備える。支柱102、及びビーム材103は、例えば鉄骨材から形成される。
図2、図3に示すように、無人フォークリフト2は、フォークリフト本体21と、二本一対のフォーク22と、フォークリフト制御部23と、を備える。
フォークリフト本体21は、フォークリフト制御部23の制御に基づいて、施設内で経路Rに沿って走行移動可能に構成される。フォークリフト本体21は、ジャイロやレーザを用いることで施設内における無人フォークリフト2自体の位置を認識しながら走行するガイドレス式、又は、経路Rに沿って敷設されるガイドに沿って走行するガイド式によって、経路Rに沿って走行する。
図4に示す無人フォークリフトの調整システム10Aは、上記の無人フォークリフト2、及び無人搬送フォークリフトシステム1を、新たに施設に導入する際に適用される。無人フォークリフトの調整システム10Aは、調整用パレット50Aと、処理端末60Aと、を備える。
図4~図6に示すように、調整用パレット50Aは、パレット本体51Aと、位置情報取得部53Aと、を備える。調整用パレット50Aは、ラック構造物100のパレット載置部Sに実際に載置される、荷物を搭載したパレット5を模して、例えば1t(トン)の重さを有するように形成するのが好ましい。無人フォークリフト2のフォークリフト本体21は、荷物を搭載したパレット5を保持した状態でフォーク22を上昇させると、その荷重により前方に撓み変形することがある。つまり、無人フォークリフト2で、ラック構造物100の上下方向Dvの異なる層のパレット載置部Sにパレット5を載置した場合、フォークリフト本体21の撓み変形の影響により、ラック構造物100に対するパレット5の位置が、第一方向Dxで異なる可能性がある。そこで、調整用パレット50Aを、実際に使用するパレット5と同等の重さに設定することで、フォークリフト本体21の撓み変形を加味して、後に詳述する無人フォークリフト2の事前調整を行うのが好ましい。
処理端末60Aは、調整用パレット50Aから送信された相対位置情報に基づき、調整用パレット50Aのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する処理を実行する。処理端末60Aは、例えば、図5に示すように、調整用パレット50Aに設定されたパレット側基準位置Psと、パレット載置部S側に設定されたラック側基準位置Q1とのずれ量を算出する。本実施形態において、パレット側基準位置Psは、例えば、パレット本体51Aにおいて第一方向Dxの第一側Dx1の端面における、第二方向Dyの中央部に設定される。本実施形態において、ラック側基準位置Q1は、例えば、各パレット載置部Sにおいて第一方向Dxの第一側Dx1の端部における、第二方向Dyの中央部に設定される。なお、図5においては、調整用パレット50Aが、パレット載置部Sに位置ずれなくされて、パレット側基準位置Psとラック側基準位置Q1とが合致している。
図11に示すように、処理端末60Aは、CPU61(Central Processing Unit)、ROM62(Read Only Memory)、RAM63(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置64、信号送受信モジュール65を備えるコンピュータである。処理端末60Aは、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートブック型パーソナルコンピュータ等、可搬性を有するコンピュータ端末である。
図12に示すように、処理端末60AのCPU61は予め自装置で記憶するプログラムを実行することにより、入力部71、算出部72A、出力部73の各構成を備える。
入力部71は、ハードウェア的には信号送受信モジュール65であり、調整用パレット50Aからのデータを受信する。算出部72Aは、相対位置情報に基づき、調整用パレット50Aのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する処理を実行する。出力部73は、ハードウェア的には信号送受信モジュール65であり、算出されたずれ量を、無線LAN等の無線通信を介してシステムコントローラ3に送信する。
図13に示すように、本開示の実施形態に係る無人フォークリフト2の初期設定方法S11は、調整用パレット50Aをパレット載置部Sに載置するステップS12、相対位置情報を取得するステップS13、調整用パレット50Aのパレット載置部Sに対するずれ量を算出するステップS14、及び無人フォークリフトの動作プログラムを補正するステップS15を含む。
Δθ=tan-1(L12-L13)/D1 ・・・(1)
ここで、D1は、第二方向Dyにおける第三のレーザ変位計554、555の間隔(既知)である。ここで、図16に示すように、第三のレーザ変位計554で検出した距離L12よりも第三のレーザ変位計555で検出した距離L13が大きければ、Δθは負の値となる。
ΔY=L11・cosΔθ+D3・cosΔθ-D2・sin(-Δθ)-D4 ・・・(2)
ΔX={(L12-L12_0)・cosΔθ+(L13-L13_0)・cosΔθ }/2 ・・・(3)
ここで、D2は、第一のレーザ変位計551とパレット側基準位置Psとの第二方向Dyにおける間隔(既知)である。D3は、第一のレーザ変位計551とパレット側基準位置Psとの第一方向Dxにおける間隔(既知)である。D4は、前部支柱102Fとラック側基準位置Q1との第二方向Dyにおける間隔(既知)である。L12_0、L13_0は、調整用パレット50A(50B、50C)が、正しいパレット載置部S(SL、SR)に荷下しした際の距離L12、L13の距離である。
ΔY=D4-L11・cosΔθ-D3・cosΔθ+D2・sin(Δθ) ・・・(4)
ΔX={(L12-L12_0)・cosΔθ+(L13-L13_0)・cosΔθ }/2 ・・・(5)
上記構成の無人フォークリフト2の初期設定方法S11では、ラック構造物100を備えた施設に無人フォークリフト2を導入する際、無人フォークリフト2でラック構造物100のパレット載置部Sに、実際に調整用パレット50Aを載置する。パレット載置部Sに載置された調整用パレット50Aとラック構造物100との相対位置情報を、位置情報取得部53Aにより取得する。取得された相対位置情報に基づいて、調整用パレット50Aのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する。これにより、無人フォークリフト2で物品を載せたパレット5をラック構造物100のパレット載置部Sに載置する場合のずれ量を把握することができる。把握したずれ量に基づいて、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正することで、施設に無人フォークリフト2を導入する際の初期設定を容易に行うことができる。また、位置情報取得部53Aは、調整用パレット50Aに備えられているので、ラック構造物100に複数設定されるパレット載置部Sのそれぞれにおいて、ラック構造物100側に、調整用パレット50Aとのずれ量を検出するためのセンサーなどを設ける必要が無い。したがって、無人フォークリフト2の導入を容易に行い、正式稼働前の試験走行に要する時間、及びコストを抑えることができる。
これにより、調整用パレット50Aの、パレット載置部Sに対する水平面内でのずれ量ΔX、ΔYを取得することができる。
これにより、水平面内のずれ量ΔX、ΔYに加えて、回転方向Dcのずれ量Δθを取得することができる。したがって、無人フォークリフト2の動作プログラムを、より高精度に補正することが可能となる。
このような調整用パレット50Aを用いることで、上記したような無人フォークリフト2の初期設定方法S11を実施することができる。位置情報取得部53Aは、調整用パレット50Aに備えられているので、ラック構造物100に複数設定されるパレット載置部Sのそれぞれにおいて、ラック構造物100側に、調整用パレット50Aとのずれ量を検出するためのセンサーなどを設ける必要が無い。したがって、無人フォークリフト2の導入を容易に行い、正式稼働前の試験走行に要する時間、及びコストを抑えることができる。
これにより、レーザ変位計55により、相対位置情報として、ラック構造物100との距離を非接触で計測することができる。したがって、相対位置情報を、容易かつ迅速に取得することができる。
第三のレーザ変位計555は、第一方向Dxの第二側Dx2に向かってレーザを発する。これにより、調整用パレット50Aの第一方向Dxの第二側Dx2の斜め下方に位置するラック構造物100の部材の存在を、第三のレーザ変位計555によって検出することができる。これにより、調整用パレット50Aの第一方向Dxの第二側Dx2の斜め下方に位置するラック構造物100の部材に対する、ラック構造物100の相対位置情報を取得することができる。
この無人フォークリフト2の調整システム10Aは、調整用パレット50Aの位置情報取得部53Aによって取得された、調整用パレット50Aとラック構造物100との相対位置情報に基づき、算出部72Aにより、ラック構造物100に載置された調整用パレット50Aのパレット載置部Sに対するずれ量を算出することができる。したがって、無人フォークリフト2の導入を容易に行い、正式稼働前の試験走行に要する時間、及びコストを抑えることができる。
次に、本開示に係る無人フォークリフトの初期設定方法、調整用パレット、無人フォークリフトの調整システムの第二実施形態について説明する。なお、以下に説明する第二実施形態においては、上記第一実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第二実施形態では、調整用パレットの構成が第一実施形態と異なっている。
無人フォークリフトの調整システム10Bは、無人フォークリフト2、及び無人搬送フォークリフトシステム1を、新たに施設に導入する際に適用される。図18に示すように、無人フォークリフトの調整システム10Bは、調整用パレット50Bと、処理端末60Bと、を備える。
図18、図19に示すように、調整用パレット50Bは、パレット本体51Bと、位置情報取得部53Bと、を備える。パレット本体51Bは、平面視矩形状で、無人搬送フォークリフトシステム1で用いられるパレットと平面視で同サイズのものが用いられる。パレット本体51Bは、無人フォークリフト2のフォーク22が挿入される挿入孔52を有する。これにより、パレット本体51Bは、無人フォークリフト2のフォーク22で支持可能に構成される。パレット本体51Bは、ラック構造物100のパレット載置部Sに載置可能である。
処理端末60Bは、調整用パレット50Bから送信された相対位置情報に基づき、調整用パレット50Bのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する処理を実行する。処理端末60Bは、例えば、調整用パレット50Bに設定されたパレット側基準位置Ptと、パレット載置部S側に設定されたラック側基準位置Q2とのずれ量を算出する。本実施形態において、パレット側基準位置Ptは、例えば、カメラ57で撮影する画像300中に設定される。パレット側基準位置Ptは、調整用パレット50Bがパレット載置部Sに対するずれ量が0である場合に、ラック側基準位置Q2に合致する位置に設定される。本実施形態において、ラック側基準位置Q2は、例えば、一方のマークM1の中心点と他方のマークM2の中心点との中心位置に設定される。
図11に示すように、処理端末60Bは、CPU61(Central Processing Unit)、ROM62(Read Only Memory)、RAM63(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置64、信号送受信モジュール65を備えるコンピュータである。処理端末60Bは、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートブック型パーソナルコンピュータ等、可搬性を有するコンピュータ端末である。
図12に示すように、処理端末60BのCPU61は予め自装置で記憶するプログラムを実行することにより、入力部71、算出部72B、出力部73の各構成を備える。
入力部71は、ハードウェア的には信号送受信モジュール65であり、調整用パレット50Bからのデータを受信する。算出部72Bは、相対位置情報に基づき、調整用パレット50Bのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する処理を実行する。出力部73は、ハードウェア的には信号送受信モジュール65であり、算出されたずれ量を、無線LAN等の無線通信を介してシステムコントローラ3に送信する。
図13に示すように、本開示の実施形態に係る無人フォークリフト2の初期設定方法S21は、調整用パレット50Bをパレット載置部Sに載置するステップS22、相対位置情報を取得するステップS23、調整用パレット50Bのパレット載置部Sに対するずれ量を算出するステップS24、及び無人フォークリフトの動作プログラムを補正するステップS25を含む。
続いて、算出部72Bにより、ラック側基準位置Q2であるマークM1とマークM2との中心点の位置座標(Xc、Yc)を、下式(6)、(7)により算出する。
ΔX=Xc=(X21+X22)/2 ・・・(6)
ΔY=Yc=(Y21+Y22)/2 ・・・(7)
さらに、算出部72Bにより、パレット載置部Sに対する調整用パレット50Bの鉛直軸周りの回転方向Dcのずれ量Δθcを、下式(8)により算出する。
Δθc=tan-1((X21-X22)/D11) ・・・(8)
ここで、D11は、マークM1の中心点とマークM2の中心点との第二方向Dyにおける間隔である。
上記構成の無人フォークリフト2の初期設定方法S21では、ラック構造物100を備えた施設に無人フォークリフト2を導入する際、無人フォークリフト2でラック構造物100のパレット載置部Sに、実際に調整用パレット50Bを載置する。パレット載置部Sに載置された調整用パレット50Bとラック構造物100との相対位置情報を、位置情報取得部53Bにより取得する。取得された相対位置情報に基づいて、調整用パレット50Bのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する。これにより、無人フォークリフト2で、物品を載せたパレットをラック構造物100のパレット載置部Sに載置した場合に生じるずれ量を把握することができる。把握したずれ量に基づいて、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正することで、施設に無人フォークリフト2を導入する際の初期設定を容易に行うことができる。また、位置情報取得部53Bは、調整用パレット50Bに備えられているので、ラック構造物100に複数設定されるパレット載置部Sのそれぞれにおいて、ラック構造物100側に、調整用パレット50Bとのずれ量を検出するためのセンサーなどを設ける必要が無い。したがって、無人フォークリフト2の導入を容易に行い、正式稼働前の試験走行に要する時間、及びコストを抑えることができる。
このような調整用パレット50Bを用いることで、上記したような無人フォークリフト2の初期設定方法S21を実施することができる。位置情報取得部53Bは、調整用パレット50Bに備えられているので、ラック構造物100に複数設定されるパレット載置部Sのそれぞれにおいて、ラック構造物100側に、調整用パレット50Bとのずれ量を検出するためのセンサーなどを設ける必要が無い。したがって、無人フォークリフト2の導入を容易に行い、正式稼働前の試験走行に要する時間、及びコストを抑えることができる。
これにより、カメラ57により、マークM1、M2を含む画像300を撮影することによって、調整用パレット50Bの、パレット載置部Sに対するずれ量を取得することができる。したがって、相対位置情報を、容易かつ迅速に取得することができる。
この無人フォークリフト2の調整システム10Bは、調整用パレット50Bの位置情報取得部53Bによって取得された、調整用パレット50Bとラック構造物100との相対位置情報に基づき、算出部72Bにより、ラック構造物100に載置された調整用パレット50Bのパレット載置部Sに対するずれ量を算出することができる。したがって、無人フォークリフト2の導入を容易に行い、正式稼働前の試験走行に要する時間、及びコストを抑えることができる。
次に、本開示に係る無人フォークリフトの初期設定方法、調整用パレット、無人フォークリフトの調整システムの第三実施形態について説明する。なお、以下に説明する第三実施形態においては、上記第一、第二実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第三実施形態では、調整用パレットと無人フォークリフトとの位置ずれを調整する構成が、第一、第二実施形態と異なっている。
図4に示す無人フォークリフトの調整システム10Cは、無人フォークリフト2、及び無人搬送フォークリフトシステム1を、新たに施設に導入する際に適用される。無人フォークリフトの調整システム10Cは、調整用パレット50Cと、システムコントローラ3Cと、を備える。
図22、図23に示すように、調整用パレット50Cは、パレット本体51Aと、位置情報取得部53Cと、を備える。調整用パレット50Cは、ラック構造物100のパレット載置部Sに実際に載置される、荷物を搭載したパレット5(図2参照)を模して、例えば1t(トン)程度の重さを有するように形成するのが好ましい。
図25に示すように、第四のレーザ変位計556は、レーザを、第一方向Dxの第二側Dx2に沿って、無人フォークリフト側基準位置表示部90としての前向面91に照射することで、二本一対のフォーク22の前向面91までの距離Bx1、Bx2を計測する。本実施形態において、第四のレーザ変位計556は、二本一対のフォーク22に合わせ、第二方向Dyに間隔をあけて一対が配置される。一対の第四のレーザ変位計556で計測される、各フォーク22の前向面91までの距離Bx1、Bx2の差から、調整用パレット50Cの無人フォークリフト2に対する鉛直軸周りの回転方向のずれを検出することもできる。
また、フォーク22で支持した調整用パレット50Cをパレット載置部Sに搭載する際、調整用パレット50Cに対してフォーク基部22bが相対的に下方に変位する。これにより、第二パレットセンサー27Bがパレット支持部22aから上方に突出し、調整用パレット50Cが荷下ろしされたことを示す信号を、無線通信により変位計コントローラ58に送信するようにしてもよい。
変位計コントローラ58は、調整用パレット50Cがパレット載置部Sに荷下ろしされたことを示す信号を第二パレットセンサー27Bから受信した場合、第一のレーザ変位計551、第二のレーザ変位計552、及び中間レーザ変位計553を作動させ、調整用パレット50Cのラック構造物100に対する位置ずれ量を計測するようにしてもよい。
システムコントローラ3Cは、無人フォークリフトの調整システム10Cにおける無人フォークリフト2の動作を制御する。システムコントローラ3Cは、無人フォークリフト2を、フォーク22上にパレット5を積む荷取り位置、またはフォーク22上に積載したパレット5の荷下ろし位置へと移動させる。システムコントローラ3Cは、荷取り位置では、フォーク22を作動させ、所定の荷取り動作を実行させる。システムコントローラ3Cは、荷下ろし位置において、フォーク22を作動させ、所定の荷下ろし動作を実行させる。システムコントローラ3Cは、調整用パレット50Cから送信される相対位置情報に基づき、荷下ろし時における調整用パレット50Cのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する処理、及び荷取り時における調整用パレット50Cの無人フォークリフト2に対するずれ量を算出する処理、を実行する。
図26に示すように、システムコントローラ3Cは、CPU301(Central Processing Unit)、ROM302(Read Only Memory)、RAM303(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置304、信号受信モジュール305を備えるコンピュータである。
図27に示すように、システムコントローラ3CのCPU301は予め自装置で記憶するプログラムを実行することにより、入力部311、フォークリフト制御部312、算出部314、出力部315の各構成を備える。
入力部311は、ハードウェア的には信号受信モジュール305であり、調整用パレット50Cからのデータを受信する。フォークリフト制御部312は、無人フォークリフト2の動作を制御する。フォークリフト制御部312は、無線LAN等の無線通信手段を介して、無人フォークリフト2のフォークリフト制御部23に対し、荷取り位置、荷下ろし位置等の位置情報を含む動作指令を出力する。算出部314は、相対位置情報に基づき、調整用パレット50Cのパレット載置部Sに対するずれ量、及び調整用パレット50Cのパレット載置部Sに対するずれ量を算出する処理を実行する。算出部314は、算出されたずれ量に基づき、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正する。出力部315は、ハードウェア的には信号受信モジュール305であり、無線LAN等の無線通信手段を介して無人フォークリフト2に指令信号等を送信する。
図28に示すように、本開示の実施形態に係る無人フォークリフト2の初期設定方法S30は、事前準備を行うステップS31と、無人フォークリフト2をホームポジションに移動させるステップS32と、調整用パレット50Cを荷取りするステップS33と、無人フォークリフト2に対する調整用パレット50Cのずれ量を取得するステップS34と、無人フォークリフト2をパレット載置部Sに移動させるステップS35と、調整用パレット50Cをパレット載置部Sに載置するステップS36と、調整用パレット50Cのパレット載置部Sに対するずれ量を取得するステップS37と、パレット載置部Sから調整用パレット50Cを荷取りするステップS38と、無人フォークリフト2に対する調整用パレット50Cのずれ量を取得するステップS39と、全てのパレット載置部Sにおけるずれ量の取得が終了したか確認するステップS40と、無人フォークリフトの動作プログラムを補正するステップS41と、を含む。
また、ステップS37では、第一のレーザ変位計551、第三のレーザ変位計554、555で検出した距離L11、L12、L13のデータを、相対位置情報としてデータ送信部56Cによりシステムコントローラ3Cに送信する。システムコントローラ3Cでは、入力部311により、相対位置情報として距離L11、L12、L13のデータを受信する。
一方、ステップS40において、全てのパレット載置部Sにおけるずれ量の取得が終了した場合、ステップS41に移行する。
上記構成の無人フォークリフト2の初期設定方法S30では、無人フォークリフト2で調整用パレット50Cを実際に荷取りし、荷取りした調整用パレット50Cと、無人フォークリフト2との相対位置情報を、位置情報取得部53Cにより取得する。取得された相対位置情報に基づいて、無人フォークリフト2に対する調整用パレット50Cのずれ量を算出する。これにより、無人フォークリフト2で、パレットを荷取りした場合の、ずれ量を把握することができる。把握したずれ量に基づいて、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正することで、施設に無人フォークリフト2を導入する際の初期設定を容易に行うことができる。
これにより、調整用パレット50Cの無人フォークリフト2に対する水平面内でのずれ量を取得することができる。
さらに、無人フォークリフト側基準位置表示部90を、無人フォークリフト2のフォークリフト本体21に設けられて幅方向を向く横向き面92を有した反射部材93に設定することによって、調整用パレット50Cと無人フォークリフト2との、無人フォークリフト2の幅方向における相対位置情報を取得することができる。
これにより、位置情報取得部53Cによって、調整用パレット50Cと無人フォークリフト2との相対位置情報を取得することができる。したがって、無人フォークリフト2で、パレットを荷取りした場合の、ずれ量を把握することができる。把握したずれ量に基づいて、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正することで、施設に無人フォークリフト2を導入する際の初期設定を容易に行うことができる。
これにより、無人フォークリフト2で、パレットを荷取りした場合の、ずれ量を把握することができる。把握したずれ量に基づいて、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正することで、施設に無人フォークリフト2を導入する際の初期設定を容易に行うことができる。
これにより、パレットセンサー27が、調整用パレット50Cを荷取りしたことを検出した場合、調整用パレット50Cと無人フォークリフト2との相対位置情報の取得を自動的に開始させることができる。
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では、ステップS14、S24で、算出されたずれ量のデータを、システムコントローラ3に無線通信により出力するようにしたが、これに限られない。例えば、処理端末60A、60Bで算出されたずれ量のデータを、オペレータがシステムコントローラ3に手入力することで、無人フォークリフト2の動作プログラムを補正してもよい。
また、上記第一、第二実施形態において、処理端末60A、60Bと、システムコントローラ3とを一体化した構成とすることも可能である。
また、上記第二実施形態では、位置情報取得部53Bとして、カメラ57を備える構成としたが、その設置位置は、基準位置表示部Mを撮影できるのであれば、適宜変更可能である。
上記実施形態では、基準位置表示部Mとして、マークM1、M2を備える構成としたが、その形状、大きさ、数、配置等は適宜変更可能である。例えば、基準位置表示部Mとして、マークM1、M2等を付すのではなく、各パレット載置部Sに対する位置関係が一定となるラック構造物100の特定部位(例えば、支柱102とビーム材103との接合部等を、基準位置表示部Mとして採用することも可能である。
各実施形態に記載の無人フォークリフト2の初期設定方法S11、S21、S30、調整用パレット50A~50C、無人フォークリフト2の調整システムは、例えば以下のように把握される。
施設の例としては、倉庫や工場、商業施設、貨物取扱施設が挙げられる。
位置情報取得部53A、53Cにより、ラック構造物100との距離を非接触で計測する例としては、レーザをラック構造物100に照射することで、ラック構造物100との距離を計測するレーザ変位計55や、超音波、赤外線等を用いた距離計測器が挙げられる。
2…無人フォークリフト
3、3C…システムコントローラ
10A~10C…調整システム
21…フォークリフト本体
21s ストラドルレッグ
22…フォーク
23…フォークリフト制御部
27A…第一パレットセンサー(パレットセンサー)
27B…第二パレットセンサー(パレットセンサー)
50A~50C…調整用パレット
51A、51B…パレット本体
51k…切欠き凹部
52…挿入孔
53A~53C…位置情報取得部
55、55C…レーザ変位計
551…第一のレーザ変位計
552…第二のレーザ変位計
553…中間レーザ変位計
554、555…第三のレーザ変位計
556…第四のレーザ変位計
557…第五のレーザ変位計
56、56C…データ送信部
57…カメラ
58…変位計コントローラ
59…支持部材
60A、60B…処理端末
61、301…CPU
62、302…ROM
63、303…RAM
64、304…記憶装置
65、305…信号送受信モジュール
71…入力部
72A、72B…算出部
73…出力部
90…無人フォークリフト側基準位置表示部
91…前向面
92…横向き面
93…反射部材
100…ラック構造物
100b…下層部
100m…中層部
100t…上層部
102…支柱
102F…前部支柱
102R…後部支柱
103…ビーム材
103F…前部ビーム材
103R…後部ビーム材
103S…側部ビーム材
105…反射部
200…パレット位置調整台
201…調整台本体
202…球状ローラ
300…画像
Dc…回転方向
Dc…周方向
Dv…上下方向
Dx…第一方向
Dx1…第一側
Dx2…第二側
Dy…第二方向
Dy1…第一側
Dy2…第二側
F…床面
Bx1、Bx2、By…距離
L11…距離
L12…距離
L13…距離
M…基準位置表示部
M1…マーク
M2…マーク
Ps、Pt…パレット側基準位置
Q1、Q2…ラック側基準位置
R…経路
S、SL、SR…パレット載置部
S11、S21、S30…無人フォークリフトの初期設定方法
S12、S22…調整用パレットをパレット載置部に載置するステップ
S13、S23…相対位置情報を取得するステップ
S14、S24…調整用パレットのパレット載置部に対するずれ量を算出するステップ
S15、S25…無人フォークリフトの動作プログラムを補正するステップ
S31…事前準備を行うステップ
S32…無人フォークリフトをホームポジションに移動させるステップ
S33…調整用パレットを荷取りするステップ
S34…無人フォークリフトに対する調整用パレットのずれ量を取得するステップ
S35…無人フォークリフトをパレット載置部に移動させるステップ
S36…調整用パレットをパレット載置部に載置するステップ
S37…調整用パレットのパレット載置部に対するずれ量を取得するステップ
S38…パレット載置部から調整用パレットを荷取りするステップ
S39…無人フォークリフトに対する調整用パレットのずれ量を取得するステップ
S40…全てのパレット載置部におけるずれ量の取得が終了したか確認するステップ
S41…無人フォークリフトの動作プログラムを補正するステップ
ΔX…第一方向のずれ量
ΔY…第二方向のずれ量
Δθ、Δθc…回転方向のずれ量
Claims (24)
- ラック構造物を備えた施設に無人フォークリフトを導入する際の初期設定方法であって、
予め設定された動作プログラムに基づいて、前記無人フォークリフトにより、前記ラック構造物のパレット載置部に調整用パレットを載置するステップと、
前記調整用パレットが備える位置情報取得部により、前記調整用パレットと前記ラック構造物との相対位置情報を取得するステップと、
前記相対位置情報に基づいて、前記ラック構造物に載置される前記調整用パレットの前記パレット載置部に対するずれ量を算出するステップと、
を含む無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記位置情報を取得するステップでは、前記位置情報取得部により、前記相対位置情報として、前記調整用パレットが載置される前記ラック構造物との距離を計測する、
請求項1に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記算出するステップでは、前記ずれ量として、
前記ラック構造物に対する前記無人フォークリフトの進退方向に沿った第一方向のずれ量と、
水平面内で前記第一方向に交差する第二方向のずれ量と、を算出する
請求項2に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記算出するステップでは、前記ずれ量として、
鉛直軸周りの回転方向のずれ量、をさらに算出する
請求項3に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記位置情報を取得するステップでは、前記位置情報取得部により、前記相対位置情報として、前記ラック構造物に設定されて前記ラック構造物におけるラック側基準位置を示す基準位置表示部を含む画像を撮影し、
前記算出するステップでは、前記相対位置情報に基づいて、前記調整用パレットに設定されるパレット側基準位置に対する、前記画像中の前記ラック側基準位置のずれ量を算出する
請求項1に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記位置情報を取得するステップでは、前記ラック構造物に前記基準位置表示部として設置されるマークを含む前記画像を撮影し、
前記算出するステップでは、前記ずれ量として、
前記ラック構造物に対する前記無人フォークリフトの進退方向に沿った第一方向のずれ量と、
水平面内で前記第一方向に交差する第二方向のずれ量と、を算出する
請求項5に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記相対位置情報を取得するステップでは、前記ラック構造物に設定される複数のマークを撮影し、
前記算出するステップでは、前記パレット側基準位置と複数の前記マークとの位置関係に基づき、鉛直軸周りの回転方向のずれ量をさらに算出する
請求項6に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 予め設定された動作プログラムに基づいて、前記調整用パレットを、前記無人フォークリフトで荷取りするステップと、
前記調整用パレットが備える位置情報取得部により、前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報を取得するステップと、
前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報に基づいて、前記無人フォークリフトに対する前記調整用パレットのずれ量を算出するステップと、をさらに含む
請求項1から7の何れか一項に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記無人フォークリフトに対する前記調整用パレットのずれ量を算出するステップでは、
前記調整用パレットに対する前記無人フォークリフトの進退方向のずれ量と、
水平面内で前記進退方向に交差する前記無人フォークリフトの幅方向のずれ量と、を算出する
請求項8に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報を取得するステップでは、前記位置情報取得部により、前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報として、前記無人フォークリフトに設定されて前記無人フォークリフトにおける無人フォークリフト側基準位置を示す無人フォークリフト側基準位置表示部までの距離を測定する
請求項8又は9に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記無人フォークリフト側基準位置表示部は、前記無人フォークリフトにおいて、フォークリフト本体に対して上下方向に昇降可能に設けられ、前記調整用パレットを支持するフォークにおいて、前記無人フォークリフトの進退方向の前方を向く前向面に設定される
請求項10に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 前記無人フォークリフト側基準位置表示部は、前記無人フォークリフトのフォークリフト本体に設けられ、前記無人フォークリフトの幅方向を向く横向き面を有した反射部材に設定される
請求項10又は11に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 算出された前記ずれ量に基づき、前記無人フォークリフトの前記動作プログラムを補正するステップをさらに含む
請求項1から12の何れか一項に記載の無人フォークリフトの初期設定方法。 - 請求項1から13の何れか一項に記載の無人フォークリフトの初期設定方法で用いられる調整用パレットであって、
前記無人フォークリフトのフォークで支持可能、かつラック構造物上に載置可能なパレット本体と、
前記パレット本体に設けられ、前記調整用パレットが載置される前記ラック構造物との相対位置情報を取得する前記位置情報取得部と、を備える
調整用パレット。 - 前記位置情報取得部は、レーザを前記ラック構造物に照射することで前記ラック構造物との距離を計測するレーザ変位計を備える
請求項14に記載の調整用パレット。 - 前記位置情報取得部は、
前記ラック構造物に対する前記無人フォークリフトの進退方向に沿った第一方向の第一側に配置され、前記パレット本体に対して水平面内で前記第一方向に交差する第二方向に位置する前記ラック構造物の一部を検出する第一のレーザ変位計と、
前記第一方向の第二側に配置され、前記パレット本体に対して前記第二方向に位置する前記ラック構造物の他の一部を検出する第二のレーザ変位計と、を備える
請求項15に記載の調整用パレット。 - 前記第一のレーザ変位計、及び前記第二のレーザ変位計は、前記パレット本体に対して前記第二方向の両側にそれぞれ設けられ、
前記第一のレーザ変位計、及び前記第二のレーザ変位計のそれぞれは、定められた距離の範囲内でのみ、前記ラック構造物の存在の有無を検出可能である
請求項16に記載の調整用パレット。 - 前記位置情報取得部は、
前記ラック構造物に対する前記無人フォークリフトの進退方向に沿った第一方向の第二側に向かってレーザを発する第三のレーザ変位計、をさらに備える
請求項17に記載の調整用パレット。 - 前記位置情報取得部は、前記ラック構造物に設定されるマークを撮影するカメラを備える
請求項14に記載の調整用パレット。 - 前記位置情報取得部は、前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報を取得する
請求項14から19の何れか一項に記載の調整用パレット。 - 前記位置情報取得部は、
前記無人フォークリフトのフォークに支持された状態で、前記フォークにおいて前記無人フォークリフトの進退方向の前方を向く前向面までの距離を計測する第四のレーザ変位計と、
前記無人フォークリフトのフォークリフト本体に設けられ、前記無人フォークリフトの幅方向を向く横向き面を有した反射部材までの距離を計測する第五のレーザ変位計と、を備える
請求項20に記載の調整用パレット。 - 請求項14から21の何れか一項に記載の調整用パレットと、
前記位置情報取得部で取得される前記相対位置情報に基づき、前記ラック構造物に載置される前記調整用パレットの前記パレット載置部に対するずれ量を算出する算出部と、を備える
無人フォークリフトの調整システム。 - 前記算出部は、前記位置情報取得部により取得される、前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報に基づき、前記無人フォークリフトに対する前記調整用パレットのずれ量を算出する
請求項22に記載の無人フォークリフトの調整システム。 - 前記無人フォークリフトは、前記調整用パレットを荷取りしたことを検出するパレットセンサーを備え、
前記パレットセンサーが、前記調整用パレットを荷取りしたことを検出した場合、前記調整用パレットと前記無人フォークリフトとの相対位置情報の取得を開始する
請求項23に記載の無人フォークリフトの調整システム。
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