JP7503653B2 - フィルターセグメント及びたばこ製品 - Google Patents

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Description

本発明はフィルターセグメント及びたばこ製品に関する。
たばこ製品、例えば、通常のシガレットは、乾燥たばこ葉を巻紙で包んでロッド状に成形したたばこ含有セグメントと、酢酸セルロース繊維束を含むフィルター、または、パルプを含む不織布を束ねたり折りたたんだりして作製したフィルターをフィルター包装紙で包んでロッド状に成形したフィルターセグメントと、を備える。前記シガレットは、前記たばこ含有セグメントの端部と、前記フィルターセグメントの端部とを接続した状態で、チップペーパー部材で両者を接着するように全周にわたって巻くことで一体化して得られる。
前記シガレットは、たばこ含有セグメントの先端を燃焼させて煙を生成する燃焼たばこ製品である。燃焼たばこ製品としては、前記シガレット以外にも、シガーやシガリロ等が挙げられる。また、たばこ製品としては、燃焼たばこ製品以外にも、たばこ、香料成分、グリセリン等のエアロゾル生成基材を含むたばこ含有セグメントを、燃焼を伴わずに加熱することで香味成分を生成させる非燃焼加熱たばこ製品が挙げられる(例えば特許文献1及び2)。燃焼を伴わずに加熱する方法としては、電気抵抗、IH、化学変化又は相変化による加熱方法等が挙げられる。
フィルターセグメントに関して、従来から、フィルター内に香料を含む破壊性カプセルを組み込み、使用時に前記破壊性カプセルを指で破砕し、吸引時に内容液の香りを楽しんだり、消火後の吸殻のにおいをマスキングしたりすることが行われている(例えば特許文献3~6)。
特許5990500号公報 特許5292410号公報 特許6078657号公報 特表2007-520204号公報 特表2016-533764号公報 特表2016-524924号公報
シガレットやシガリロのフィルターセグメントには、煙のろ過、煙の希釈、煙への香料の付与、濾材以外の部材や第2の濾材(活性炭等)の保持、通気抵抗の調節等、多くの機能が求められる。また、非燃焼加熱たばこ製品のフィルターセグメントには、エアロゾルのろ過、エアロゾルの希釈、エアロゾルへの香料の付与、エアロゾルの冷却、濾材以外の部材や第2の濾材(活性炭等)の保持、通気抵抗の調節等、更に多くの機能が求められる。そのため、近年、シガレットや非燃焼加熱たばこ製品のフィルターセグメントは、それぞれの機能を担うフィルターセグメントを複数含み、各フィルターセグメントの軸方向の長さを5~15mm程度まで短くすることが求められている。
通常、フィルターセグメントは、酢酸セルロース繊維等の長い繊維を多数束ねて連続的に巻き取った連続棒状体を、長手方向に対して垂直な面で切断して製造される。フィルターセグメントを構成する繊維はフィルターセグメントの軸方向と略平行に延びるため、前記破壊性カプセルを含むフィルターセグメントでは、外力が加えられた際に破壊性カプセルの位置ずれが生じる場合がある。破壊性カプセルの位置ずれが生じると、破壊性カプセルが容易に破砕できない場合がある。特に、フィルターセグメントの軸方向の長さが短い場合、繊維同士が絡まる箇所が少ないため破壊性カプセルの保持能力が低く、外力が加わった際に破壊性カプセルの位置ずれが生じやすい。また、顕著な位置ずれが生じると破壊性カプセルがフィルターセグメントの外部へ逸脱する可能性がある。
本発明では、外力が加えられた場合にも破壊性カプセルの位置ずれが抑制されたフィルターセグメント、及び該フィルターセグメントを含むたばこ製品を提供することを目的とする。
本発明に係るフィルターセグメントは、
繊維を含むフィルターと、
前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、
を含むたばこ製品用のフィルターセグメントであって、
前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤で融着して形成される、前記破壊性カプセルを覆う第一の硬化構造、又は、
前記フィルターセグメントの中心軸の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造、
を有する。
本発明に係るたばこ製品は、
たばこ含有セグメントと、
本発明に係るフィルターセグメントと、を含む。
本発明によれば、外力が加えられた場合にも破壊性カプセルの位置ずれが抑制されたフィルターセグメント、及び該フィルターセグメントを含むたばこ製品を提供することができる。
本発明に係るフィルターセグメントの一例を示す断面図である。 第一の硬化構造及び第二の硬化構造を有する本発明に係るフィルターセグメントの一例を示す断面図である。 本発明に係るフィルターセグメントの一例における円柱状の領域及び扇柱状の領域を示す断面図である。 本発明に係るフィルターセグメントの製造に用いられるフィルターセグメントの製造装置の一例を示す模式図である。 一例であるフィルターセグメントの製造装置の破壊性カプセル供給部材周辺の拡大模式図である。 破壊性カプセル供給部材によって破壊性カプセルを繊維に埋め込む際の状態の一例を示す断面図である。 切断前の連続した繊維束の一例を示す模式的な水平断面図である。 本発明に係るたばこ製品(シガレット)の一例を示す断面図である。 本発明に係るたばこ製品(シガレット)の他の一例を示す断面図である。 本発明に係るたばこ製品(非燃焼加熱たばこ製品)及び加熱装置の一例を示す模式図である。 実施例1のフィルターセグメントにおいて、破壊性カプセルと、該破壊性カプセルの周囲に存在する酢酸セルロース繊維とが融着した状態を示す拡大写真である。 実施例1のフィルターセグメントにおいて、酢酸セルロース繊維同士がトリアセチンによって融着した繭状の第一の硬化構造が、破壊性カプセルの周囲に形成されたことを示す拡大写真である。 本発明に係るフィルターセグメントの第二の硬化構造の一例を示す拡大写真である。 実施例及び比較例の破壊性カプセルの位置ずれ評価において用いられた挟み込み試験機を示す模式図である。
[フィルターセグメント]
本発明に係るフィルターセグメントは、繊維を含むフィルターと、前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、を含むたばこ製品用のフィルターセグメントである。該フィルターセグメントは、たばこ製品において、たばこを含むたばこ含有セグメントよりも下流に配置され、たばこ製品の吸口端に配置されることができる。ここで、該フィルターセグメントは、前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤(以下、第一の可塑剤という。)で融着して形成される、前記破壊性カプセルを覆う第一の硬化構造、又は、前記フィルターセグメントの中心軸(以下、軸Aともいう。)の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造、を有する。
前記第一の硬化構造を有するフィルターセグメントでは、破壊性カプセルが第一の硬化構造によって繭状に覆われているため、フィルター外部から力が加えられた場合にも破壊性カプセルの移動が制限され、破壊性カプセルの位置ずれを抑制することができる。また、前記第二の硬化構造を有するフィルターセグメントでは、前記軸Aの近傍に形成された、破壊性カプセルからフィルターセグメントの軸方向に延びる第二の硬化構造の存在によって、破壊性カプセルの移動が制限されるため、破壊性カプセルの位置ずれを抑制することができる。
特に、フィルターセグメントの軸方向の長さが例えば5~15mmと短く、フィルターセグメントを構成する繊維の破壊性カプセルの保持能力が低い場合にも、本発明によれば破壊性カプセルの位置ずれを十分に抑制することができる。また、前記第一の可塑剤としては、フィルターの硬さを調節するために通常フィルターを構成する繊維に予め均一に添加されるトリアセチン等の可塑剤(以下、第二の可塑剤ともいう。)と同じものを用いることができるため、通常フィルターに添加されない一般的な接着剤を融着のために別途用いる必要がない。そのため、フィルターの物性を変化させることなく破壊性カプセルの位置ずれを抑制でき、また製造コストを低減できる。なお、前記第二の可塑剤は、破壊性カプセルを埋め込む前に繊維に対して予め均一に添加されるため、局所的な繊維の融着には寄与しない。即ち、従来のフィルターセグメントは、本発明に係る第一の硬化構造や第二の硬化構造を有さない。本発明に係るフィルターセグメントは、前記第一の硬化構造と前記第二の硬化構造の両方ともを有することが、破壊性カプセルの位置ずれをより抑制できるため好ましい。
また、本発明に係るフィルターセグメントの好ましい態様では、破壊性カプセルと、フィルターを構成する繊維とが第一の可塑剤によって融着されている。該態様では、フィルター外部から力が加えられた場合にも、該融着により破壊性カプセルの位置ずれをより抑制することができる。なお、前記第二の可塑剤は、破壊性カプセルを埋め込む前に繊維に対して予め均一に添加されるため、破壊性カプセルを埋め込む時点では固化しており、破壊性カプセルとフィルターを構成する繊維との融着には寄与しない。即ち、従来のフィルターセグメントでは、破壊性カプセルとフィルターを構成する繊維とは可塑剤によって融着されていない。以下、本発明の詳細について説明する。
本発明に係るフィルターセグメントの一例を図1に示す。図1に示されるフィルターセグメント10は円柱状であり、フィルター11と、破壊性カプセル12と、フィルター包装紙13とを有する。フィルター11は酢酸セルロース繊維等の繊維から構成される。前記繊維は、フィルターセグメント10の軸方向(図1の水平方向)と略平行に延びる。破壊性カプセル12はフィルター11内に埋め込まれており、前記繊維間に存在する。また、破壊性カプセル12はフィルターセグメント10の中心軸である軸A上に位置する。フィルターセグメント10は、破壊性カプセル12の近傍に位置する繊維同士が第一の可塑剤で融着して形成される、破壊性カプセル12を覆う第一の硬化構造14と、軸Aの近傍に位置する繊維同士が第一の可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造15を有する。フィルターセグメント10では、第一の硬化構造14と第二の硬化構造15とは結合しており、第一の硬化構造14から軸Aに沿って延びるように第二の硬化構造15が形成されている。図1には示されていないが、破壊性カプセル12の表面と、破壊性カプセル12の近傍に位置するフィルター11の繊維とは、第一の可塑剤によって融着されている。破壊性カプセル12を内包するフィルター11の周囲には、紙等のフィルター包装紙13が巻かれている。なお、フィルター11の周囲にフィルター包装紙13が巻かれていなくてもよい。なお、前記軸Aは、フィルターセグメント10の端面が真円ではない場合においては、フィルターセグメント10の一方の端面の重心と、他方の端面の重心を結び、破壊性カプセル12にかかる線分として表される。
(フィルター)
フィルターは繊維を含む。該繊維は、フィルターセグメントの軸方向(中心軸)と略平行に延びることができる。ここで、フィルターセグメントの軸方向と「略平行」に延びるとは、繊維が延びる方向が、フィルターセグメントの軸方向に対して±10°の範囲内となるように、繊維が延びることを示す。該繊維としては、酢酸セルロース繊維、ポリプロピレン繊維等が挙げられ、酢酸セルロース繊維が好ましい。酢酸セルロース繊維の束であるアセテートトウは、例えば、単糸繊度:1.9~12.0(g/9000m)、総繊度:10000~44000(g/9000m)、繊維本数:830~23500(本)、通気抵抗:100~800(mmHO/120mm)、トウ質量:0.300~1.100(g/本)であることができる。
(破壊性カプセル)
本発明において「破壊性カプセル」とは、外力を加えることにより破砕可能なカプセルを示す。破壊性カプセルは、皮膜と、該皮膜内に収納された香料等を含有する内容液と、を含むことができる。皮膜の材料としては、可食性の材料を用いることができ、例えばデンプン、デキストリン、多糖類、寒天、ジェランガム、ゼラチン、天然ゲル化剤、グリセリン、ソルビトール、塩化カルシウム等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。即ち、破壊性カプセルの表面は、デンプン、デキストリン、多糖類、寒天、ジェランガム、ゼラチン、天然ゲル化剤、グリセリン、ソルビトール、及び塩化カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物によって構成されることができる。これらの材料は主に親水性が高いため、両親媒性の第一の可塑剤と繊維材料とが相溶した混合物との親和性に優れ、高い融着性を示すことができる。皮膜は、さらに香料を含むことができる。また、使用者が破壊性カプセルを破砕する際に、破壊性カプセルの位置を使用者が容易に認識できるように、破壊性カプセルは着色されていることが好ましい。この観点から、皮膜は青色1号等の着色料を含むことが好ましい。
内容液に含まれる香料としては、例えばメンソール、植物精油などのたばこ製品に用いられる任意の香料を用いることができる。具体的には、メンソール、葉たばこ抽出エキス、天然植物性香料(例えば、シナモン、セージ、ハーブ、カモミール、葛草、甘茶、クローブ、ラベンダー、カルダモン、チョウジ、ナツメグ、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、レモン、オレンジ、ケイ皮、キャラウェー、ジャスミン、ジンジャー、コリアンダー、バニラエキス、スペアミント、ペパーミント、カシア、コーヒー、セロリー、カスカリラ、サンダルウッド、ココア、イランイラン、フェンネル、アニス、リコリス、セントジョンズブレッド、スモモエキス、ピーチエキス等)、糖類(例えば、グルコース、フルクトース、異性化糖、カラメル等)、ココア類(パウダー、エキス等)、エステル類(例えば、酢酸イソアミル、酢酸リナリル、プロピオン酸イソアミル、酪酸リナリル等)、ケトン類(例えば、メントン、イオノン、ダマセノン、エチルマルトール等)、アルコール類(例えば、ゲラニオール、リナロール、アネトール、オイゲノール等)、アルデヒド類(例えば、バニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド等)、ラクトン類(例えば、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン等)、動物性香料(例えば、ムスク、アンバーグリス、シベット、カストリウム等)、炭化水素類(例えば、リモネン、ピネン等)等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
内容液は溶媒を含むことができる。該溶媒としては、香料に適した溶媒を用いることができ、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)(具体的には、トリカプリル/カプリン酸グリセリン)、プロピレングリコール、水、エタノールなどを用いることができる。内容液は、さらに他の溶媒、色素、乳化剤、増粘剤などの他の添加剤を含有してもよい。
破壊性カプセルの製造方法は特に限定されないが、例えば滴下法を用いることができる。滴下法では、二重ノズルを用い、内側ノズルから内容液を、外側ノズルから液状の皮膜物質を同時に吐出することにより、皮膜液が、継ぎ目を有することなく内容液を包み込むことができる。そのため、該方法によれば、シームレスな皮膜を有する破壊性カプセルを製造することができる。
破壊性カプセルの形状は特に限定されないが、例えば球形、円筒形であることができる。球形は、断面がほぼ円である略球形および断面が楕円である楕円形の何れも含む。破壊性カプセルは略球形であることが好ましい。ここで、略球形とは、真球度が95%以上であることを示す。真球度は、以下のとおり算出される。破壊性カプセル100gを、CAMSIZER P4(商品名、RETSCH TECHNOLOGY社製)測定装置へ供し、同装置が備えるCCDカメラで撮像した1つ1つのカプセルの画像から短径と長径を解析し、同測定装置の新粒子形状ディスクリプター機能で算出する。
破壊性カプセルが略球形である場合、破壊性カプセルの径(破壊性カプセルの差し渡し長さの最大)は、1.0~3.5mmであることが好ましく、1.5~3.5mmであることがより好ましく、2.0~3.5mmであることがさらに好ましい。破壊性カプセルの径が1.0mm以上であることにより、破壊性カプセルの皮膜内に香料を含む内容液を十分な量充填することができ、使用者に十分な満足感を与えることができる。また、使用者が破壊性カプセルを破砕する際に、容易に破壊性カプセルの位置を認識することができる。破壊性カプセルの径が3.5mm以下であることにより、フィルターセグメントの断面積に対する破壊性カプセルの断面積の割合を小さくできるため、破壊性カプセルの存在によるフィルターセグメントの通気抵抗の増加を抑制でき、使用者の吸いやすさが向上する。また、破壊性カプセルの表面には微小な***が存在していてもよい。該***が存在することにより、該***が繊維との融着点となり、破壊性カプセルと繊維とを第一の可塑剤によってより良好に融着することができる。
破壊性カプセルは、フィルター内に埋め込まれており、フィルターを構成する繊維間に存在する。破壊性カプセルは、一つのフィルターセグメントのフィルター内に1個埋め込まれていてもよく、2個以上(例えば2~10個)埋め込まれていてもよい。破壊性カプセルは、フィルターセグメントの中心軸である軸Aと重なる位置に配置されており、軸A上に破壊性カプセルの中心が位置することが好ましい。また、フィルターの軸方向において、吸口端側の端部の位置を0%、吸口端とは反対側の端部の位置を100%とする場合、破壊性カプセルの中心は、16.7%~83.3%の区間内に位置することが好ましく、30.0%~53.3%の区間内に位置することがより好ましい。破壊性カプセルの中心が16.7%以上の区間内に位置することで、破壊性カプセルが顕著に位置ずれしてフィルターセグメント外部への逸脱をより防止することができる。また、破壊性カプセルが83.3%以下の区間内に存在することで、使用者は、破壊性カプセルを指で破砕するだけでなく、使用時に歯によって噛むことでも破壊性カプセルを容易に破砕することができる。さらに、香味発生源が吸口端に近いため、使用者がより強い香料感を味わうことができる。
破壊性カプセルの外皮の末端は、最大の区間として10.8~89.2%の区間内に位置することができ、それより小さい区間として12.0~88.0%の区間内に位置することができ、さらに小さい区間として32.5%~67.5%の区間内に位置することができ、最小の区間として36.0%~64.0%の区間内に位置することができる。さらに、フィルターセグメントの吸口端と、吸口端とは反対側の端の中央に破壊性カプセルの中心が位置する場合、破壊性カプセルの外皮の末端は、最大の区間として32.5%~67.5%の区間内に位置することができ、それより小さい区間として36.0%~64.0%の区間内に位置することができ、さらに小さい区間として44.2%~55.8%の区間内に位置することができ、最小の区間として45.3%~54.7%の区間内に位置することができる。
(第一の硬化構造)
本発明に係る第一の硬化構造は、破壊性カプセルの近傍に位置する繊維同士が第一の可塑剤によって融着して形成される硬化構造であり、破壊性カプセルの少なくとも一部を繭状に覆っている。これにより、フィルター外部から力が加えられた場合にも破壊性カプセルの移動を抑制できる。第一の硬化構造においては、破壊性カプセルの近傍に位置する繊維の少なくとも一部が第一の可塑剤によって互いに融着していればよい。例えば、図12に示される拡大写真のように、第一の硬化構造は、繊維同士が第一の可塑剤によって互いに融着している部分と、融着していない部分とを含むことができる。なお、図12は、便宜上破壊性カプセルが取り出されて撮影された拡大写真である。第一の硬化構造の厚みは、例えば0.1~1.0mmであることができる。
第一の硬化構造は、例えば後述するように、破壊性カプセルの表面に第一の可塑剤を予め付与しておき、該破壊性カプセルを、破壊性カプセルを挿入する部材によってフィルター内に埋め込むことで形成することができる。この場合、破壊性カプセル表面に付与された第一の可塑剤は破壊性カプセルの近傍に位置する繊維に拡散し、破壊性カプセルの近傍に位置する繊維同士が該第一の可塑剤によって融着することで、破壊性カプセルの周囲を覆う繭状の第一の硬化構造が形成される。
(第二の硬化構造)
本発明に係る第二の硬化構造は、フィルターセグメントの中心軸である軸Aの近傍に位置する繊維同士が、第一の可塑剤で融着して形成される硬化構造である。即ち、第二の硬化構造は、破壊性カプセルから軸Aへ延びるように連続して形成されている。フィルターセグメントがこのような第二の硬化構造を有することで、外力が加えられた場合にも破壊性カプセルの位置ずれを抑制することができる。フィルターセグメントが第一の硬化構造も有する場合には、第二の硬化構造は第一の硬化構造と結合しており、第一の硬化構造から軸Aに沿って延びるように形成されている。例えば、図13に示されるように、破壊性カプセルを繭状に覆う第一の硬化構造は、第一の硬化構造から軸Aに沿って延びるように形成されている第二の硬化構造と一体化している。なお、図13では便宜上破壊性カプセルの一部が露出するように撮影されているが、破壊性カプセルは第一の硬化構造によって全て覆われていてもよい。
第二の硬化構造は、例えば軸Aを中心軸とする円筒状であることができる。この時、円筒の直径は破壊性カプセルの径よりも小さいことができ、例えば破壊性カプセルの径の14.0~86.0%であることができ、直径0.5~3.0mmであることができる。第二の硬化構造においては、軸Aの近傍に位置する繊維の少なくとも一部が第一の可塑剤によって互いに融着していればよい。第二の硬化構造は、繊維同士が第一の可塑剤によって互いに融着している部分と、融着していない部分とを含むことができる。
第二の硬化構造は、軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ延びる部分にも形成されていてもよい。すなわち、第二の硬化構造は、軸Aの近傍に位置する繊維同士が第一の可塑剤で融着され、かつ、軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ延びる部分に位置する繊維同士も第一の可塑剤で融着されることで、リブ状に形成されていてもよい。例えば、図2に示されるように、フィルターセグメント20は、破壊性カプセル23を覆う第一の硬化構造22と、軸Aからフィルターセグメント20の周縁部へ延びる第二の硬化構造24と、を有することができる。第一の硬化構造22と第二の硬化構造24は、フィルター21を構成する繊維同士が第一の可塑剤によって融着することで形成されている。このように、第一の硬化構造22と第二の硬化構造24とは結合して一体化していることができる。
第二の硬化構造は、例えば後述するように、破壊性カプセルを挿入する部材の表面に第一の可塑剤を予め付与しておき、破壊性カプセルを該部材によってフィルター内に埋め込むことで形成することができる。この場合、破壊性カプセルを挿入する部材の表面に付与された第一の可塑剤は、破壊性カプセルを該部材によってフィルター内に埋め込む際に該部材と接触する繊維、即ち軸Aの近傍に位置する繊維と、軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ延びる領域内に存在する繊維に拡散し、該繊維同士が該第一の可塑剤によって融着することで、第二の硬化構造が形成される。後述するように、該部材が例えばインサーションホイールであり、切断前の長尺の連続フィルターセグメントに対して破壊性カプセルを等間隔で連続的に埋め込む場合、該第二の硬化構造は、フィルターセグメントの軸方向と略平行に連続して設けられる。即ち、該第二の硬化構造は、フィルターセグメントの軸方向に沿って線状に延びるように設けられる。
(可塑剤)
第一の可塑剤としては、通常たばこ製品に用いられる可食性の可塑剤であれば特に限定されないが、例えばクエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ-2-メトキシエチル、酒石酸ジブチル、オルト-ベンゾイル安息香酸エチル、エチルフタリル・エチルグリコレート、メチルフタリル・エチルグリコレート、N-エチルトルエンスルホアミド、トリアセチン、パラ-トルエンスルホン酸オルト-クレジル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、トリプロピオニン等が挙げられる。これらの第一の可塑剤は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、第一の可塑剤としてはトリアセチンが好ましい。
前述したように、融着に用いられる第一の可塑剤とは別に、フィルターには、通常フィルターの硬さを調節するために繊維に対して予め均一に添加される第二の可塑剤が含まれていてもよい。第二の可塑剤としては、前述した融着に用いられる第一の可塑剤と同様の可塑剤を用いることができる。第一の可塑剤と第二の可塑剤とは同じであってもよく、異なっていてもよい。なお、第二の可塑剤は、第一及び第二の硬化構造の形成、並びに破壊性カプセルと繊維との融着には寄与しない。
なお、本発明において、「繊維同士が第一の可塑剤で融着されている」とは、繊維同士が第一の可塑剤のみによって融着されていてもよく、繊維同士が繊維材料と第一の可塑剤とが相溶した混合物によって融着されていてもよい。即ち、繊維同士の融着部が第一の可塑剤を含めばよい。また、本発明において、「破壊性カプセルと繊維とが第一の可塑剤によって融着されている」とは、破壊性カプセルと繊維とが第一の可塑剤のみによって融着されていてもよく、破壊性カプセルと繊維とが、繊維材料と第一の可塑剤とが相溶した混合物によって融着されていてもよく、破壊性カプセルと繊維とが、破壊性カプセルの皮膜材料と第一の可塑剤とが相溶した混合物によって融着されていてもよく、破壊性カプセルと繊維とが、繊維材料と破壊性カプセルの皮膜材料と第一の可塑剤とが相溶した混合物によって融着されていてもよい。即ち、破壊性カプセルと繊維との融着部が第一の可塑剤を含めばよい。また、破壊性カプセル表面の少なくとも一部と、破壊性カプセル表面の近傍に位置する繊維の少なくとも一部とが第一の可塑剤によって融着されていればよい。破壊性カプセルと繊維とが第一の可塑剤によって融着されていることは、破壊性カプセル表面近傍の拡大写真および融着部に含まれる化合物の同定により判断することができる。例えば、図11に示される拡大写真では、破壊性カプセルの表面の一部と繊維の一部とが融着していることが確認できる。
第一の可塑剤による破壊性カプセルと繊維との融着は、例えば後述するように、破壊性カプセルの表面に第一の可塑剤を予め付与しておき、該破壊性カプセルを、破壊性カプセルを挿入する部材によってフィルター内に埋め込むことで行うことができる。この場合、破壊性カプセル表面に付与された第一の可塑剤は破壊性カプセルの近傍に位置する繊維に付着し、例えば繊維材料と第一の可塑剤とが相溶した混合物が形成されて破壊性カプセルと繊維とが融着する。
(可塑剤の含有率)
フィルターセグメント全体のフィルターに対する可塑剤の含有率(第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)は、5~15質量%であることが好ましく、7.8~13.3質量%であることが好ましく、9.0~13.3質量%であることがより好ましく、10.3~13.3質量%であることがさらに好ましく、12.1~13.3質量%であることがもっとも好ましい。前記含有率が5質量%以上であることにより、第一の硬化構造又は第二の硬化構造を十分に形成することができ、またフィルターの硬さを調節できる。また、前記含有率が15質量%以下であることにより、フィルター内に空洞が生じることによる通気抵抗等のフィルター物性の低下を抑制でき、また可塑剤による臭気を抑制できる。なお、可塑剤の含有量はガスクロマトグラフィーにより定量する。
フィルターセグメント全体のフィルターに対する第一の可塑剤の含有率は、0.1~3質量%が好ましく、0.2~2質量%がより好ましく、0.3~1.5質量%がさらに好ましい。フィルターセグメント全体のフィルターに対する第二の可塑剤の含有率は、3~9質量%が好ましく、4~8質量%がより好ましく、5~7質量%がさらに好ましい。なお、第一の可塑剤と第二の可塑剤とが同じ場合には、前記第二の可塑剤の含有率は、繊維に対して第二の可塑剤を付与した後、第一の可塑剤が付着した破壊性カプセルをフィルター内に埋め込む前に、第二の可塑剤の含有量を測定することで算出できる。また、前記第一の可塑剤の含有率は、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計の含有率から、前記第二の可塑剤の含有率を差し引くことで算出できる。
前記破壊性カプセルの径(差し渡しの最大長さ)が5mm以下(例えば1.0~3.5mm)である場合、フィルターセグメントの軸方向において、破壊性カプセルの近傍の区間、すなわち破壊性カプセルを中心に含む5mm幅の区間(カプセル近傍区間)における可塑剤の含有率(質量%、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)は、前記近傍区間に隣接する区間、すなわち前記近傍区間以外の区間(隣接区間)における可塑剤の含有率(質量%、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)の1.05倍以上であることが好ましく、1.20倍以上であることがより好ましい。前記カプセル近傍区間内の可塑剤の含有率が前記隣接区間内の可塑剤の含有率の1.05倍以上であることにより、破壊性カプセル近傍において可塑剤の濃度が高く、破壊性カプセルの周囲を覆う繭状の第一の硬化構造の形成に寄与する。また、破壊性カプセルと繊維との融着がより強固となる。なお、フィルターセグメント内に破壊性カプセルが複数含まれる場合には、破壊性カプセルを含む各区間全てにおいて前記条件を満たすことが好ましい。
フィルターセグメントが円柱状であって、前記フィルターセグメントの中心軸である軸Aを中心とし、前記フィルターセグメントの直径の75%(好ましくは65%、より好ましくは55%)の長さを直径とする円柱状の領域内における可塑剤の含有率(質量%、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)は、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率(質量%、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)よりも高いことが好ましい。前記円柱状の領域内における可塑剤の含有率が、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける可塑剤の含有率よりも高いことにより、破壊性カプセル近傍において可塑剤の濃度が高く、破壊性カプセルの周囲を覆う繭状の第一の硬化構造の形成に寄与する。また、破壊性カプセルと繊維との融着がより強固となる。
前記円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率は5~20質量%であり、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率は3~8質量%であることが好ましい。前記円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率は6~18質量%であり、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率は4~7質量%であることがより好ましい。前記円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率は6.7~16質量%であり、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率は5~6.4質量%であることがさらに好ましい。
また、フィルターセグメントが、軸Aの近傍に位置する繊維同士が第一の可塑剤で融着し、かつ、軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ延びる部分に位置する繊維同士が第一の可塑剤で融着した前記第二の硬化構造を有する場合、フィルターセグメントが円柱状であって、前記軸Aを中心とし、前記フィルターセグメントの直径の75%(好ましくは65%、より好ましくは55%)の長さを直径とする円柱状の領域、及び前記軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ放射状に延びる中心角が30~90°の扇柱状の領域の内部における前記可塑剤の含有率(質量%、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)が、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の外部のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率(質量%、第一の可塑剤と第二の可塑剤の合計)よりも高いことが好ましい。具体的には、図3に示されるように、軸Aを中心とし、フィルターセグメントの直径の75%の長さを直径とする円柱状の領域33、及び軸Aからフィルターセグメント30の周縁部へ放射状に延びる中心角Φが30~90°の扇柱状の領域34の内部における可塑剤の含有率が、円柱状の領域33及び扇柱状の領域34の外部の領域31における可塑剤の含有率よりも高いことが好ましい。前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域内における可塑剤の含有率が、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域外のフィルターセグメントにおける可塑剤の含有率よりも高いことにより、破壊性カプセルの周囲を覆う繭状の第一の硬化構造の形成に寄与する。また、軸Aからフィルターセグメント周縁部へ延びる第二の硬化構造の形成にも寄与する。さらに、破壊性カプセル近傍において可塑剤の濃度が高く、破壊性カプセルと繊維との融着がより強固となる。
前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域内における前記可塑剤の含有率は5~20質量%であり、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率は3~8質量%であることが好ましい。前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域内における前記可塑剤の含有率は6~18質量%であり、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率は4~7質量%であることがより好ましい。前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域内における前記可塑剤の含有率は6.7~16質量%であり、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率は5~6.4質量%であることがさらに好ましい。
(フィルターセグメントの寸法、物性)
フィルターセグメントの軸方向の長さは、本発明における破壊性カプセルの位置ずれ抑制効果がより好適に得られる観点から短い方が好ましく、例えば5~15mmであることが好ましく、7~15mmであることがより好ましく、10~15mmであることがさらに好ましい。フィルターセグメントの軸方向の長さ(L)に対する破壊性カプセルの径(d)の比率(d/L)は、0.1~0.5であることが好ましく、0.15~0.4であることがより好ましく、0.2~0.3であることがさらに好ましい。フィルターセグメントの周の長さは特に限定されないが、16~25mmであることが好ましく、20~24mmであることがより好ましい。
フィルターセグメントの通気抵抗は4~200mmHOであることが好ましい。なお、フィルターセグメントの通気抵抗は、通気抵抗測定器(FQA、QTM等)により測定される。フィルターセグメントが円柱状である場合、フィルターセグメントの軸方向に対して垂直な断面における真円性は、85~100%であることが好ましい。なお、該真円性は、円周測定器(レーザー)により測定される。フィルターセグメントの硬さは75~100%であることが好ましい。なお、フィルターセグメントの硬さは、硬さ測定器(FQA等)で定荷重300gfを加えた時の変形量により測定される。
(フィルターセグメントの製造方法)
本発明に係るフィルターセグメントの製造方法は特に限定されないが、例えば図4に示されるフィルターセグメントの製造装置40を用いて製造することができる。まず、繊維束41を繊維ディスペンサより、通常、ベール42の圧縮繊維の形で供給する。繊維束41をストランド処理ユニット43において、圧縮空気およびシリンダを用いて伸ばし、緩める。結果として、繊維束41は広がり、その間により多くの空気を含むことが可能になる。その後、繊維束41を第二の可塑剤で湿らせる。例えば繊維束41全体に対して第二の可塑剤を均一に噴霧することで、所定量の第二の可塑剤を均一に繊維束41に添加することができる。その後、漏斗形状の挿入部材44内に繊維束41を通し、繊維束41の予備圧縮を行う。挿入部材44には通常開口が設けられており、繊維束41の間の余分な空気を容易に排出できるようになっている。挿入部材44の下流には破壊性カプセル供給部材46が配置されており、破壊性カプセル供給部材46によって破壊性カプセルを繊維束41内に埋め込む。
破壊性カプセル供給部材周辺の拡大図を図5に示す。図5に示される破壊性カプセル供給部材50は、周囲に複数の破壊性カプセル供給ポケット55が等間隔に配列された回転可能な円盤形状のインサーションホイール53を備える。破壊性カプセル供給ポケット55は破壊性カプセル54を保持することができる。挿入部材51を通過した繊維束は、繊維誘導部材52において、インサーションホイール53の破壊性カプセル供給ポケット55に保持された破壊性カプセル54が連続的に等間隔で埋め込まれる。ここで、破壊性カプセル54が繊維束に埋め込まれる前に、破壊性カプセル54及びインサーションホイール53の周縁部に対して、第一の可塑剤供給部材56によって第一の可塑剤57が供給される。第一の可塑剤供給部材56は、例えば第一の可塑剤57を噴霧することにより、破壊性カプセル54の表面及びインサーションホイール53の周縁部に対して第一の可塑剤57を付着させることができる。第一の可塑剤供給部材56は、破壊性カプセル54とインサーションホイール53の境界面を指向して第一の可塑剤57を噴霧することができる。
このように、第一の可塑剤供給部材によって、破壊性カプセル及びインサーションホイールの周縁部に対して予め第一の可塑剤を供給することで、該破壊性カプセルを繊維束に埋め込む際に、例えば図6に示されるように、破壊性カプセル61の表面及びインサーションホイール63の周縁部に付着した第一の可塑剤62は、破壊性カプセル61及びインサーションホイール63の近傍に位置する繊維60に付着及び拡散する。したがって、破壊性カプセルの表面に付着した第一の可塑剤は、破壊性カプセルの周囲に位置する繊維に付着し、破壊性カプセルと、破壊性カプセルの周囲に位置する繊維とを融着する。また、破壊性カプセルの表面に付着した第一の可塑剤は、破壊性カプセルの周囲に位置する繊維に拡散し、該繊維同士が第一の可塑剤によって融着した繭状の第一の硬化構造が、破壊性カプセルの周囲を覆うように形成される。さらに、インサーションホイールの周縁部に付着した第一の可塑剤は、インサーションホイールの周縁部と接触する繊維、即ち軸Aの近傍に位置する繊維、及び軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ延びる部分に位置する繊維に拡散し、該繊維同士が第一の可塑剤によって融着した第二の硬化構造が、リブ状に形成される。
その後、図4に示されるように、繊維束41をラッパーユニット48に導入し、繊維束41をフィルター包装紙で包む。なお、フィルター包装紙は、ラッパーユニット48へ供給される前に接着剤供給ユニット47に導入され、その側縁部であってフィルターセグメントとして形成された後にはフィルター包装紙が重なり貼り合わされる箇所、すなわち糊代に、接着剤を塗布される。フィルター包装紙で包まれた繊維束41は、ラッパーユニット48を通過すると、連続する棒状体に成形される。最後に、フィルター包装紙で包まれた繊維束41を回転切断ヘッド49により切断し、フィルターセグメントが得られる。回転切断ヘッドによって切断する前の連続する繊維の模式的な水平断面図を図7に示す。図7に示される繊維70は、フィルター包装紙71で包まれている。破壊性カプセル72の周囲には、破壊性カプセル72を覆うように繭状の第一の硬化構造73が形成されている。また、第二の硬化構造74が、繊維70の軸方向(図7の水平方向)と略平行に連続して設けられている。繊維70を点線部分において等間隔に切断することにより、フィルターセグメントが得られる。なお、フィルター包装紙としては、製紙会社が製造する任意のたばこ巻紙・フィルター包装紙を用いることができ、特に35NFBまたは50NFB(商品名、日本製紙パピリア製)を用いることができる。
[たばこ製品]
本発明に係るたばこ製品は、たばこ含有セグメントと、本発明に係るフィルターセグメントと、を含む。本発明に係るたばこ製品は、本発明に係るフィルターセグメントを含むため、外力が加えられた場合にも破壊性カプセルの位置ずれを抑制することができる。
たばこ製品には、通常のシガレット、葉巻、手巻きたばこ、シガリロ等のシガレット、ヒーター等によってたばこを加熱したり或いは蒸気でたばこを蒸したりすることでたばこの香味を吸引可能なたばこ製品(電子たばこ)、炭素熱源などによりたばこを加熱することでたばこの香味を吸引可能なたばこ製品等の非燃焼加熱たばこ製品、および非加熱型でたばこの香味を吸引可能なたばこ製品、などが含まれる。
(シガレット)
以下、本発明に係るたばこ製品の一例として、シガレットの実施形態について説明する。図8に示されるように、シガレット80は、たばこ刻み83(刻み葉、煙草)およびたばこ刻み83の周囲を巻いた巻紙84を含むたばこ含有セグメント81と、たばこ含有セグメント81に隣接して設けられた本発明に係るフィルターセグメント82と、を含む。たばこ含有セグメント81とフィルターセグメント82とは、たばこ含有セグメント81及びフィルターセグメント82上に巻かれたチップペーパー部材85によって連結されている。チップペーパー部材85は、その外周の一部に通気孔を有していてもよい。通気孔の数は1つでも複数でもよく、例えば10~40個形成されていることができる。通気孔の数が複数の場合、通気孔は例えばチップペーパー部材85の外周部に一列に並んで環状に配置される。複数の通気孔は、略一定の間隔で配置されることができる。通気孔を設けることによって、吸引時に通気孔からフィルターセグメント82内に空気が取り込まれる。主流煙を通気孔からの外気によって薄めることで、所望のタール値の製品設計を行うことができる。
使用者は、たばこ含有セグメント81の先端に着火して、フィルターセグメント82の吸口端を口でくわえて吸引することで、たばこの香味を楽しむことができる。その際、破壊性カプセルを破砕することで、主流煙には破壊性カプセルの内容液に含まれる香料が混合され、使用者の口腔内で予定された香味が発揮される。本発明では、破壊性カプセルを破砕する際に破壊性カプセルの移動が抑制されるため、使用者は、好みのタイミングで容易に破壊性カプセルを破砕することができ、それによって変化した香味を楽しむことができる。
本発明に係るたばこ製品は、本発明に係る破壊性カプセルを内包するフィルターセグメントに加えて、少なくとも一つ以上の第二のフィルターセグメントを更に有してもよい。例えば、図9に示されるシガレット90は、たばこ含有セグメント91と、本発明に係るフィルターセグメント93との間に、第二のフィルターセグメント92を有する。第二のフィルターセグメント92は、本発明に係るフィルターセグメント93と破壊性カプセルを有さない以外同じであってもよく、異なっていてもよい。第二のフィルターセグメント92には本発明に係るフィルターセグメント93とは異なる機能を持たせることができるため、フィルターに対して複数の機能を付与することができる。
(非燃焼加熱たばこ製品)
本発明に係るたばこ製品の他の一例として、非燃焼加熱たばこ製品の実施形態について説明する。非燃焼加熱たばこ製品は、電気的なヒーター等によってたばこ含有セグメントを加熱する、いわゆる電子シガレットの分野に属する。図10に、本発明に係る非燃焼加熱たばこ製品であるたばこ製品と、該たばこ製品を加熱する加熱装置と、を含む非燃焼加熱たばこシステムの一例を示す。図10は、たばこ製品100と、加熱装置101とを中心軸Cを含む面で切断して示した断面図である。
図10に示される非燃焼加熱たばこシステムは、電池106、電気的加熱部107、および凹部108を有する加熱装置101と、加熱装置101の凹部108に対して着脱可能に差し込まれるたばこ製品100と、を有する。凹部108は、加熱装置101のケース109の一部に窪んで設けられている。電池106は、充電および放電が可能である。電気的加熱部107は、いわゆるヒーターであり、凹部108を取り囲むように設けられた発熱素子を有する。電気的加熱部107の発熱素子は、たばこ含有セグメント102を加熱し、たばこ含有セグメント102の充填物から香味を周辺の空気中に放出させる。電気的加熱部107によるたばこ含有セグメント102の加熱温度は、例えば400℃以下であり、加熱たばこ製品の燃焼温度(700~800℃)よりも低い。このように低い温度で加熱を行うことで、たばこ含有セグメント102から発生する主流煙の量は加熱たばこ製品と比較して少なくなる。このため、フィルターセグメント(104、105)における濾過機能は、加熱たばこ製品におけるフィルターセグメントの濾過機能と比較して、低いほうが使用者の口内に共有される主流煙量が好適となる。即ち、フィルターセグメント(104、105)の軸方向の長さは、加熱たばこ製品におけるフィルターセグメントの軸方向の長さと比較して短い方が好ましい。フィルターセグメント(104、105)の軸方向の長さを短くし、残りの箇所に筒部やその他の主流煙の濾過率が低いセグメントを配置することもできる。
たばこ製品100は円柱状であり、たばこと、加熱によりエアロゾルを生成するエアロゾル生成基材と、を含むたばこ含有セグメント102と、たばこ含有セグメント102に隣接して設けられた筒状セグメント103と、筒状セグメント103に隣接して設けられた第二のフィルターセグメント104と、第二のフィルターセグメント104に隣接して設けられた本発明に係る第一のフィルターセグメント105と、を有する。たばこ含有セグメント102と、筒状セグメント103と、第二のフィルターセグメント104と、第一のフィルターセグメント105とは、チップペーパー部材110によって連結されている。
たばこ含有セグメント102は、たばこと、エアロゾル生成基材と、を含むたばこ充填物111と、たばこ充填物の周囲を巻いた巻紙112と、を有する。たばことしては、たばこ刻み(刻み葉、煙草)、たばこシート刻み、たばこシートを折りたたむか円周状に巻いたもの、たばこシートにひだを付けて寄せ集めたもの等を用いることができる。エアロゾル生成基材としては、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチルシトレート、1,3-ブタンジオール等が挙げられる。巻紙112は、紙のみであってもよく、アルミニウム箔やステンレス箔等の熱伝導性の良好な金属箔を貼り合せた紙であってもよい。
筒状セグメント103は、例えば、厚さ100~300μmの厚紙によって所定の剛性を有するように円筒形に形成されている。チップペーパー部材110は、剛性のある筒状セグメント103によって支持されており、たばこ製品100が中心軸C方向に押圧された場合にも、チップペーパー部材110が中心軸C方向に潰れることが抑制される。チップペーパー部材110および筒状セグメント103は、その外周の一部に、複数の通気孔113を有する。複数の通気孔113は、チップペーパー部材110および筒状セグメント103を貫通している。通気孔113の数は、例えば10~40個であることができる。複数の通気孔113は、例えば一列に並んで筒状の外周部に環状に配置される。複数の通気孔113は、一定の間隔で配置されることができる。
第二のフィルターセグメント104は、第一のフィルターセグメント105と破壊性カプセルを有さない以外同じであってもよく、異なっていてもよい。図10では筒状セグメント103と第一のフィルターセグメント105との間に一つの第二のフィルターセグメント104が設けられているが、二つ以上の第二のフィルターセグメント104が設けられていてもよい。この場合、二つ以上の第二のフィルターセグメント104は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。第二のフィルターセグメント104と第一のフィルターセグメント105とは、第二のフィルター包装紙114によって連結されている。
使用者は、たばこ製品100を加熱装置101に装着したまま、又は加熱装置101から外して第一のフィルターセグメント105を介して吸引を行うことで、口腔内でたばこ製品100の香味を楽しむことができる。たばこ製品100は本発明に係る第一のフィルターセグメント105を備えるため、破壊性カプセルの移動が抑制され、破壊性カプセルの割り易さを向上することができ、使用者の利便性を向上できる。特に、たばこ製品100では主流煙の量が少ないため、第一のフィルターセグメント105の軸方向の長さを短くする傾向がある。しかしながら、本発明では、第一のフィルターセグメント105の長さが短い場合においても、破壊性カプセル部材の移動を十分に抑制することができる。このように、破壊性カプセルが第一のフィルターセグメント105の内部から外部へ脱落してしまう可能性がある、短い第一のフィルターセグメント105を有するたばこ製品100において破壊性カプセルの移動を有効に抑制できることは、製品設計上有用である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)物性評価
[実施例1]
(フィルターセグメントの作製)
図4に示されるフィルターセグメントの製造装置40を用いて、破壊性カプセルを含むフィルターセグメントを作製した(機械速度:500fpm)。酢酸セルロース繊維束(5.9Y35、トウ質量目標:0.636g/本)である繊維束41を繊維ディスペンサより、ベール42の圧縮繊維の形で供給した。繊維束41をストランド処理ユニット43において、圧縮空気およびシリンダを用いて伸ばし、緩めた後、繊維束41に対して第二の可塑剤としてのトリアセチン(以下、TAともいう。)を噴霧して均一に添加した。該トリアセチンの添加は、繊維に対する第二の可塑剤としてのトリアセチンの含有率が6質量%となることを目標として行った。
挿入部材44内に繊維束41を通過させた後、破壊性カプセル供給部材46により繊維束41内に破壊性カプセルを配置した。破壊性カプセルには、香料としての中鎖脂肪酸トリグリセリド、メンソールおよび植物精油の混合物を、ジェランガム、酸化デンプンおよび塩化カルシウムを含む皮膜で覆った、径が3.5mmの略球形のカプセルを用いた。破壊性カプセル供給部材46は、周囲に複数の破壊性カプセル供給ポケットが配列されたインサーションホイールを備え、該インサーションホイールの周縁部に対して第一の可塑剤噴霧部材45により第一の可塑剤としてのトリアセチンが噴霧された。本実施例では、繊維に対する第一の可塑剤としてのトリアセチンの含有率が1質量%となることを目標として、トリアセチンの噴霧を7g/分で行った。
噴霧されたトリアセチンは、破壊性カプセルの表面及びインサーションホイールの周縁部に付着した。したがって、破壊性カプセルの表面に付着したトリアセチンは、破壊性カプセルと、破壊性カプセルの周囲に存在する酢酸セルロース繊維とを融着させた。該融着を示す拡大写真を図11に示す。また、破壊性カプセルの表面に付着したトリアセチンが破壊性カプセルの周囲に存在する酢酸セルロース繊維に拡散し、酢酸セルロース繊維同士がトリアセチンによって融着した繭状の第一の硬化構造が、破壊性カプセルの周囲に形成された。該繭状の第一の硬化構造の形成を示す拡大写真を図12に示す。なお、図12では、便宜上破壊性カプセルを取り出して拡大写真を撮影した。さらに、破壊性カプセル供給部材46のインサーションホイールの周縁部に付着したトリアセチンが、該インサーションホイールの周縁部と接触した酢酸セルロース繊維、即ち軸Aの近傍に位置する酢酸セルロース繊維、及び軸Aからフィルターセグメントの周縁部へ延びる部分に位置する酢酸セルロース繊維に拡散し、酢酸セルロース繊維同士がトリアセチンによって融着した第二の硬化構造が、リブ状に形成された。
その後、繊維束41をラッパーユニット48(商品名:50NFB、日本製紙パピリア製)に導入し、繊維束41をフィルター包装紙で包んだ。なお、フィルター包装紙は、ラッパーユニット48へ供給される前に接着剤供給ユニット47に導入され、その側縁部であってフィルターセグメントとして形成された後にはフィルター包装紙が重なり貼り合わされる箇所、すなわち糊代に、接着剤を塗布された。フィルター包装紙で包まれた繊維束41は、ラッパーユニット48を通過すると、連続する棒状体に成形された。最後に、該棒状体を回転切断ヘッド49により切断し、長軸方向の長さ120mmで破壊性カプセルを8個含む円柱状の連続フィルターセグメント、すなわち15mmのフィルターセグメントが8個連続したフィルターセグメントを得た。該連続フィルターセグメントの各物性の目標値を表1に、評価結果を表2に示す。各物性の評価は以下の方法により行った。
なお、実施例1においては、第一と第二の可塑剤それぞれを定量するために、2つの連続フィルターセグメントが製造装置40で作製された。すなわち、製造装置40で第二の可塑剤としてのトリアセチンを噴霧して均一に添加して、製造装置40の第一の可塑剤噴霧部材45を稼働せずに第一の可塑剤としてのトリアセチンを噴霧せず、第二の可塑剤としてのトリアセチンを含む連続フィルターセグメントが作製され、引き続き、製造装置40の第一の可塑剤噴霧部材45を稼働して、第一の可塑剤としてのトリアセチンを噴霧して、製造装置40のその余の設定をそのままに、第一の可塑剤と第二の可塑剤としてのトリアセチンを含む連続フィルターセグメントが作製された。前者の連続フィルターセグメントは、第二の可塑剤としてのトリアセチンを定量する試料とした。後者の連続フィルターセグメントは、第一の可塑剤と第二の可塑剤としてのトリアセチンを定量する試料とした。実施例1における第一の可塑剤としてのトリアセチンの定量結果は、後者の連続フィルターセグメントと前者の連続フィルターセグメントのトリアセチンの定量結果の差として得た。
(物性評価)
<トリアセチン含有率>
フィルターセグメント中のトリアセチンの含有率は、カプセルを含む連続フィルターセグメントを試料として、連続フィルターセグメントが含むフィルター繊維の質量とトリアセチンの質量の百分率として算出した。フィルター繊維の質量は、精密上皿天秤で秤量した。トリアセチンの質量はガスクロマトグラフィー(Agilent Technology社製)で定量した。定量に供したトリアセチンの抽出液は、内部標準として1mg/3mlのアネトールを含む25mlエタノール(特級)に試料を浸漬し、往復振盪200±10往復/分で20分間振盪後、一晩静置し、再度20分間振盪して得た。トリアセチンの定量は、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィーに抽出液1μlを供して得られたデータを、トリアセチン濃度が0.020mg/ml~5.000mg/mlの範囲である8点の検量線用標準液で同様に得られた検量線に外挿して、結果を得た。秤量と定量からなる一連の測定は2回~3回繰り返し、それぞれ算出された結果を平均してトリアセチン含有率とした。
<真円性>
フィルターセグメントの軸方向に対して垂直な断面における真円性は、レーザー円周測定器(ミツトヨ製、非接触真円度測定機RL-2200(商品名))の真円度測定機能により測定した。
<通気抵抗(PD)>
フィルターセグメントの通気抵抗(PD)は、ISO 6565:2015に従い通気抵抗測定器により測定した。
<通気抵抗の変動係数(PD CV)>
通気抵抗の変動係数(PD CV)は、測定された通気抵抗の標準偏差を平均値で除して算出した。
<硬さ>
フィルターセグメントの硬さは、ロックウェル硬さ計により、圧子により300グラム重の荷重をフィルターセグメントに加え、荷重前後の直径の100分率により算出した。
[実施例2]
繊維に対する第一の可塑剤としてのトリアセチンの含有率が2質量%となることを目標として、トリアセチンの噴霧を14g/分で行った以外は、実施例1と同様に連続フィルターセグメントを作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
[実施例3]
繊維に対する第一の可塑剤としてのトリアセチンの含有率が3質量%となることを目標として、トリアセチンの噴霧を21g/分で行った以外は、実施例1と同様に連続フィルターセグメントを作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
[実施例4]
トウ質量目標を0.580g/本に変更した以外は、実施例1と同様に連続フィルターセグメントを作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
[実施例5]
トウ質量目標を0.580g/本に変更した以外は、実施例3と同様に連続フィルターセグメントを作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
[比較例1]
第一の可塑剤噴霧部材による第一の可塑剤としてのトリアセチンの噴霧を行わなかった以外は、実施例1と同様に連続フィルターセグメントを作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
[比較例2]
第一の可塑剤噴霧部材による第一の可塑剤としてのトリアセチンの噴霧を行わなかった以外は、実施例4と同様に連続フィルターセグメントを作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示されるように、第一の可塑剤としてのトリアセチンの添加を行った実施例1~5のフィルターセグメントは、第一の可塑剤としてのトリアセチンの添加を行わなかった比較例1及び2のフィルターセグメントと同等の物性を示した。これより、第二の可塑剤の均一添加とは別に、第一の可塑剤の局所添加を行ってもフィルターセグメントの物性には影響を与えないことが確認された。
[実施例6]
実施例2と同様に連続フィルターセグメントを作製し、破壊性カプセルの近傍の区間、すなわち破壊性カプセルを含む5mm幅の区間(カプセル近傍区間)と、破壊性カプセル近傍区間に隣接する区間(隣接区間)におけるトリアセチンの質量(第一の可塑剤としてのトリアセチンと第二の可塑剤としてのトリアセチンの合計質量)を定量し、フィルター繊維におけるトリアセチンの質量%を測定した。結果を表3に示す。
[比較例3]
第一の可塑剤噴霧部材による第一の可塑剤としてのトリアセチンの噴霧を行わなかった以外は、実施例2と同様に連続フィルターセグメントを作製し、破壊性カプセルの近傍の区間、すなわち破壊性カプセルを含む5mm幅の区間(カプセル近傍区間)と、破壊性カプセル近傍区間に隣接する区間(隣接区間)におけるトリアセチンの質量(第一の可塑剤としてのトリアセチンと第二の可塑剤としてのトリアセチンの合計質量)を定量し、フィルター繊維におけるトリアセチンの質量%を測定した。結果を表3に示す。
表3から明らかなとおり、比較例3において、破壊性カプセルの近傍の区間(カプセル近傍区間)におけるトリアセチン濃度平均値は、破壊性カプセル近傍区間に隣接する区間(隣接区間)におけるそれと、同等であった。実施例6において、破壊性カプセルの近傍の区間(カプセル近傍区間)におけるトリアセチン濃度平均値は、破壊性カプセル近傍区間に隣接する区間(隣接区間)におけるそれの、1.05倍以上であった。
(2)位置ずれ評価
[実施例7]
(連続フィルターセグメントの作製)
酢酸セルロース繊維として3.5Y35を使用した。第一の可塑剤として、99質量%のトリアセチン(TA)と、1質量%のセルロースアセテート(CA)との混合物を用いた。フィルターセグメント全体のフィルター繊維に対する第一の可塑剤の含有率が3.0±1.5質量%となることを目標として、第一の可塑剤の噴霧を行った。これら以外は実施例1のフィルターセグメントの作製と同様に実施し、径が3.5mmの破壊性カプセルが15mm間隔で埋め込まれた連続フィルターセグメントを作製した。
(破壊性カプセルの位置ずれ評価)
挟み込み試験機を用いて、連続フィルターセグメントの末端に位置するフィルターセグメント(以下、末端フィルターセグメントともいう。)に含まれる破壊性カプセルについて顕著な位置ずれの評価を行った。具体的には、図14に示されるように、軸方向の長さが15mmの末端フィルターセグメント142と、末端フィルターセグメント142に隣接する、軸方向の長さが15mmの第2位フィルターセグメント141との境界部に対して、挟み込み試験機の挟み込み部材143を用いて加圧し、挟み込みを行った。挟み込み終了後、連続フィルターセグメントを送り込み方向144へ1mm移動させ、挟み込み箇所を1mm末端側へ移動させた後、再度挟み込みを行う工程を11回繰り返した。
挟み込み部材143に生ずる歪から、末端フィルターセグメント142からの応力(Rebound Stress)を計測した。また、試験終了後、末端フィルターセグメント142の破壊性カプセル140が3.0mm以上移動した場合、顕著な位置ずれと評価した。これらの評価を30本の連続フィルターセグメントに対して実施し、顕著な位置ずれ率、試験開始時における破壊性カプセル140の中心位置を0mmとした場合における最大応力位置、最大応力、平均応力を算出した。結果を表4に示す。
[実施例8]
第一の可塑剤としてトリアセチン(TA)を用いた以外は、実施例7と同様に連続フィルターセグメントを作製し、位置ずれ評価を行った。結果を表4に示す。
[実施例9]
第二の可塑剤の添加を、繊維に対する第一の可塑剤の含有率が9質量%となることを目標として行った以外は、実施例7と同様に連続フィルターセグメントを作製し、位置ずれ評価を行った。結果を表4に示す。
[実施例10]
第二の可塑剤の添加を、繊維に対する第一の可塑剤の含有率が9質量%となることを目標として行った以外は、実施例8と同様に連続フィルターセグメントを作製し、位置ずれ評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例4]
第一の可塑剤の添加を行わなかった以外は、実施例7と同様に連続フィルターセグメントを作製し、位置ずれ評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例5]
第一の可塑剤の添加を行わなかった以外は、実施例9と同様に連続フィルターセグメントを作製し、位置ずれ評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例6]
再度、比較例5と同様に連続フィルターセグメントを作製し、位置ずれ評価を行った。結果を表4に示す。
表4に示されるように、第一の可塑剤の添加を行った実施例7~10の末端フィルターセグメントでは、第一の可塑剤の添加を行わなかった比較例4~6の末端フィルターセグメントよりも破壊性カプセルの顕著な位置ずれ率が低かった。即ち、実施例7~10では、外力が加えられた場合にも破壊性カプセルの位置ずれが抑制された。
また、実施例7~10では、最大応力が試験開始位置(-7.5mm)よりも破壊性カプセル側の位置において計測されたのに対し、比較例4~6では試験開始位置において最大応力が計測された。実施例7~10では破壊性カプセルの移動が抑制されたため、試験開始位置から次第に応力が増加し、最大応力を迎えた後に低減し、低減した挟み込み回において破壊性カプセルが破砕された。一方、比較例4~6では挟み込み毎に破壊性カプセルが移動したため、試験開始位置から応力がわずかに漸減し、挟み込みを行っても破壊性カプセルは破砕されなかった。
また、実施例7~10では平均応力の値よりも最大応力の値が有意に大きかったのに対し、比較例4~6では平均応力の値と最大応力の値は同等であった。実施例7~10では破壊性カプセルの移動が抑制されたため、破壊性カプセルの破砕前において応力が大きく、平均応力の値よりも最大応力の値が有意に大きかった。一方、比較例4~6では挟み込み毎に破壊性カプセルが移動したため、試験開始位置から応力はわずかに漸減したものの大きな変化はなく、平均応力の値と最大応力の値はほぼ同等であった。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]繊維を含むフィルターと、
前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、
を含むたばこ製品用のフィルターセグメントであって、
前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤で融着して形成される、前記破壊性カプセルを覆う第一の硬化構造、又は、
前記フィルターセグメントの中心軸の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造、
を有するフィルターセグメント。
[2]前記第一の硬化構造及び前記第二の硬化構造を有する[1]に記載のフィルターセグメント。
[3]前記破壊性カプセルと前記繊維とが前記可塑剤によって融着されている[1]又は[2]に記載のフィルターセグメント。
[4]前記繊維が前記フィルターセグメントの軸方向と略平行に延びる[1]から[3]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[5]前記可塑剤が、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ-2-メトキシエチル、酒石酸ジブチル、オルト-ベンゾイル安息香酸エチル、エチルフタリル・エチルグリコレート、メチルフタリル・エチルグリコレート、N-エチルトルエンスルホアミド、トリアセチン、パラ-トルエンスルホン酸オルト-クレジル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、及びトリプロピオニンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である[1]から[4]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[6]前記可塑剤がトリアセチンである[5]に記載のフィルターセグメント。
[7]前記破壊性カプセルの表面が、デンプン、デキストリン、多糖類、寒天、ジェランガム、ゼラチン、天然ゲル化剤、グリセリン、ソルビトール、及び塩化カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物によって構成される[1]から[6]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[8]前記繊維が酢酸セルロース繊維である[1]から[7]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[9]前記フィルターセグメント全体の前記フィルターに対する可塑剤の含有率が5~15質量%である[1]から[7]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[10]前記フィルターセグメントの軸方向の長さが5~15mmである[1]から[9]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[11]前記破壊性カプセルが略球形である[1]から[10]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[12]前記破壊性カプセルの径が1.0~3.5mmである[11]に記載のフィルターセグメント。
[13]フィルターセグメントの軸方向において、前記破壊性カプセルを中心に含む5mm幅の区間における前記可塑剤の含有率(質量%)が、前記区間に隣接する区間における前記可塑剤の含有率(質量%)の1.05倍以上である[12]に記載のフィルターセグメント。
[14]前記フィルターセグメントが円柱状であって、
前記フィルターセグメントの中心軸を中心とし、前記フィルターセグメントの直径の75%の長さを直径とする円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率(質量%)が、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率(質量%)よりも高い[1]から[13]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[15]前記円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率が5~20質量%であり、前記領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率が3~8質量%である[14]に記載のフィルターセグメント。
[16]前記第二の硬化構造が、前記フィルターセグメントの中心軸から前記フィルターセグメントの周縁部へ延びる[1]から[15]のいずれかに記載のフィルターセグメント。
[17]前記フィルターセグメントが円柱状であって、
前記フィルターセグメントの中心軸を中心とし、前記フィルターセグメントの直径の75%の長さを直径とする円柱状の領域、及び前記中心軸から前記フィルターセグメントの周縁部へ放射状に延びる中心角が30~90°の扇柱状の領域の内部における前記可塑剤の含有率(質量%)が、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の外部のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率(質量%)よりも高い[16]に記載のフィルターセグメント。
[18]前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の内部における前記可塑剤の含有率が5~20質量%であり、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の外部のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率が3~8質量%である[17]に記載のフィルターセグメント。
[19]たばこ含有セグメントと、[1]から[18]のいずれかに記載のフィルターセグメントと、を含むたばこ製品。
[20]前記たばこ含有セグメントと、前記フィルターセグメントとの間に、少なくとも一つ以上の第二のフィルターセグメントを含む[19]に記載のたばこ製品。
[21]前記たばこ製品がシガレットである[19]又は[20]に記載のたばこ製品。
[22]前記たばこ製品が非燃焼加熱たばこ製品である[19]又は[20]に記載のたばこ製品。
[23]前記たばこ含有セグメントがたばこと、エアロゾル生成基材と、を含む[22]に記載のたばこ製品。
10 フィルターセグメント
11 フィルター
12 破壊性カプセル

Claims (23)

  1. 繊維を含むフィルターと、
    前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、
    を含むたばこ製品用のフィルターセグメントであって、
    前記フィルターセグメントは、
    前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤で融着して形成される、前記破壊性カプセルを覆う第一の硬化構造、又は、
    前記フィルターセグメントの中心軸の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造、
    を有し、
    前記破壊性カプセルが略球形であり、
    前記破壊性カプセルの径が1.0~3.5mmであり、
    フィルターセグメントの軸方向において、前記破壊性カプセルを中心に含む5mm幅の区間における前記可塑剤の含有率(質量%)が、前記区間に隣接する区間における前記可塑剤の含有率(質量%)の1.05倍以上である、フィルターセグメント。
  2. 繊維を含むフィルターと、
    前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、
    を含むたばこ製品用のフィルターセグメントであって、
    前記フィルターセグメントは、
    前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤で融着して形成される、前記破壊性カプセルを覆う第一の硬化構造、又は、
    前記フィルターセグメントの中心軸の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造、
    を有し、
    前記フィルターセグメントが円柱状であって、
    前記フィルターセグメントの中心軸を中心とし、前記フィルターセグメントの直径の75%の長さを直径とする円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率(質量%)が、前記円柱状の領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率(質量%)よりも高い、フィルターセグメント。
  3. 繊維を含むフィルターと、
    前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、
    を含むたばこ製品用のフィルターセグメントであって、
    前記フィルターセグメントは、
    前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤で融着して形成される、前記破壊性カプセルを覆う第一の硬化構造、又は、
    前記フィルターセグメントの中心軸の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造、
    を有し、
    前記第二の硬化構造が、前記フィルターセグメントの中心軸から前記フィルターセグメントの周縁部へ延び、
    前記フィルターセグメントが円柱状であって、
    前記フィルターセグメントの中心軸を中心とし、前記フィルターセグメントの直径の75%の長さを直径とする円柱状の領域、及び前記中心軸から前記フィルターセグメントの周縁部へ放射状に延びる中心角が30~90°の扇柱状の領域の内部における前記可塑剤の含有率(質量%)が、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の外部のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率(質量%)よりも高い、フィルターセグメント。
  4. 繊維を含むフィルターと、
    前記フィルター内に埋め込まれ、フィルターセグメントの中心軸上に位置する破壊性カプセルと、
    を含むたばこ製品用のフィルターセグメントであって、
    前記破壊性カプセルの近傍に位置する前記繊維同士が可塑剤で融着して形成される、前記破壊性カプセルを全て覆う第一の硬化構造を有するフィルターセグメント。
  5. 前記第一の硬化構造及び前記フィルターセグメントの中心軸の近傍に位置する前記繊維同士が、前記可塑剤で融着して形成される第二の硬化構造を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  6. 前記破壊性カプセルと前記繊維とが前記可塑剤によって融着されている請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  7. 前記繊維が前記フィルターセグメントの軸方向と略平行に延びる請求項1からのいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  8. 前記可塑剤が、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ-2-メトキシエチル、酒石酸ジブチル、オルト-ベンゾイル安息香酸エチル、エチルフタリル・エチルグリコレート、メチルフタリル・エチルグリコレート、N-エチルトルエンスルホアミド、トリアセチン、パラ-トルエンスルホン酸オルト-クレジル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、及びトリプロピオニンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物である請求項1からのいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  9. 前記可塑剤がトリアセチンである請求項に記載のフィルターセグメント。
  10. 前記破壊性カプセルの表面が、デンプン、デキストリン、多糖類、寒天、ジェランガム、ゼラチン、天然ゲル化剤、グリセリン、ソルビトール、及び塩化カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物によって構成される請求項1からのいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  11. 前記繊維が酢酸セルロース繊維である請求項1から10のいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  12. 前記フィルターセグメント全体の前記フィルターに対する可塑剤の含有率が5~15質量%である請求項1から11のいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  13. 前記フィルターセグメントの軸方向の長さが5~15mmである請求項1から12のいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  14. 前記破壊性カプセルが略球形である請求項からのいずれか一項に記載のフィルターセグメント。
  15. 前記破壊性カプセルの径が1.0~3.5mmである請求項14に記載のフィルターセグメント。
  16. 前記円柱状の領域内における前記可塑剤の含有率が5~20質量%であり、前記領域外のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率が3~8質量%である請求項に記載のフィルターセグメント。
  17. 前記第二の硬化構造が、前記フィルターセグメントの中心軸から前記フィルターセグメントの周縁部へ延びる請求項1又は2に記載のフィルターセグメント。
  18. 前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の内部における前記可塑剤の含有率が5~20質量%であり、前記円柱状の領域及び前記扇柱状の領域の外部のフィルターセグメントにおける前記可塑剤の含有率が3~8質量%である請求項に記載のフィルターセグメント。
  19. たばこ含有セグメントと、請求項1から18のいずれか一項に記載のフィルターセグメントと、を含むたばこ製品。
  20. 前記たばこ含有セグメントと、前記フィルターセグメントとの間に、少なくとも一つ以上の第二のフィルターセグメントを含む請求項19に記載のたばこ製品。
  21. 前記たばこ製品がシガレットである請求項19又は20に記載のたばこ製品。
  22. 前記たばこ製品が非燃焼加熱たばこ製品である請求項19又は20に記載のたばこ製品。
  23. 前記たばこ含有セグメントがたばこと、エアロゾル生成基材と、を含む請求項22に記載のたばこ製品。
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