JP7499568B2 - レンズユニット、光学ユニットおよびレンズに親水膜を形成する方法 - Google Patents

レンズユニット、光学ユニットおよびレンズに親水膜を形成する方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材及び光学ユニットに関する。
特許文献1に記載の広角レンズユニットは、軸に沿って並べられた複数のレンズを備える。前記レンズのうちの最も物体側の第1レンズは、モース硬度6以上の強化ガラスからなる。前記第1レンズには、接触角が20度以下となる親水コートが設けられている。前記親水コートには、表面抵抗値が1×1010Ω・cm以下となるように帯電防止性が付与されている。
特開2018-180264号公報
しかしながら、特許文献1に記載の広角レンズユニットは、親水コートを払拭した際に親水コートが摩耗して親水性が低下し易い(親水コートの耐払拭性が低い)。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた耐払拭性を有する親水膜を備える光学部材を提供することにある。
本発明の例示的な光学部材は、少なくとも一方の面が凸面である透光性部材と、前記透光性部材の前記凸面を被覆する親水膜とを備える。前記透光性部材の光軸上における前記親水膜の厚さhcは、前記透光性部材の外周部上における前記親水膜の厚さheよりも大きい。
本発明の例示的な光学ユニットは、1又は複数の光学部材を備える。前記1又は複数の光学部材のうち、最も物体側に位置する第1光学部材は、上述の光学部材である。前記第1光学部材の物体側の面は、前記親水膜側の面である。
例示的な本発明は、優れた耐払拭性を有する親水膜を備える光学部材と、上述の光学部材を備える光学ユニットとを提供できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学部材の一例の模式図である。 図2は、親水膜の厚さと、透光性部材の光軸からの距離との関係を示すグラフである。 図3は、本発明の第1実施形態に係る光学部材の一例の模式図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係る光学部材の製造方法の一例を示す模式図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る光学部材の製造方法の一例を示す模式図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る光学部材の製造方法の一例を示す模式図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る光学ユニットの一例を示す模式図である。 図8は、実施例で製造した光学部材に対して行った払拭試験の結果を示すグラフである。 図9は、実施例で製造した光学部材において、透光性部材の光軸と透光性部材の回転軸との距離Lと、反射率との関係を示すグラフである。
以下、図面を適宜参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。図中の寸法、形状及び構成要素間の大小関係は、実際の寸法、形状及び構成要素間の大小関係とは必ずしも同一ではない。特に、図中の親水膜、反射防止膜、透光性部材及び基材の厚さ及び曲率は、実物の親水膜、反射防止膜、透光性部材及び基材の厚さ及び曲率と大きく異なる場合がある。
本明細書において、光学部材の各部位の「厚さ」は、光学部材の光軸方向における長さを示す。「親水膜の厚さhc」及び「親水膜の厚さhe」は、走査電子顕微鏡を用い、実施例に記載の方法又はこれに準拠した方法により測定される。
<第1実施形態:光学部材>
本発明の第1実施形態に係る光学部材は、少なくとも一方の面が凸面である透光性部材と、透光性部材の上述の凸面を被覆する親水膜とを備える。透光性部材の光軸上における親水膜の厚さhcは、透光性部材の外周部上における親水膜の厚さheよりも大きい。
第1実施形態に係る光学部材は、例えば、1又は複数の光学部材を備える光学ユニット(特に、屋外で使用される光学ユニット)に用いる光学部材として好適である。第1実施形態に係る光学部材は、光学ユニットの備える1又は複数のレンズのうち最も物体側に位置する光学部材(以下、第1光学部材と記載することがある)として特に好適できる。第1実施形態に係る光学部材は、第1光学部材として使用される場合、通常、親水膜側の面を物体側に向けた状態で使用される。具体的には、第1実施形態に係る光学部材は、車両の周囲をモニタするための車載カメラのレンズユニット用レンズとして好適である。
ここで、一般的に、光学ユニットの備える第1光学部材は、少なくとも一方の面が凸面であり、かつ上述の凸面を物体側に向けた状態で使用される。このような第1光学部材は、物体側の面(上述の凸面)に親水膜が形成されていることが望ましい。物体側の面に親水膜が形成されている第1光学部材は、物体側の面に水が付着しても、付着した水が親水膜上に薄く広がり、水滴が形成されない。そのため、物体側の面に親水膜が形成されている第1光学部材は、曇りの発生を抑制できる。また、上述の第1光学部材は、物体側の面に付着した汚れ(例えば、泥及び埃)の除去を目的として、物体側の面をワイパー又は手作業により定期的に払拭される場合がある。そのため、上述の第1光学部材は、払拭されても親水膜の性能が低下しない(優れた耐払拭性を有する)ことが望ましい。
ここで、親水膜は、厚さが増大するに伴って強度が増大する。また、厚い親水膜は、多少摩耗したとしても、下地(透光性部材)が露出し難い。以上から、親水膜は、厚さが増大するに伴って耐払拭性が増大する。但し、親水膜の全体的な厚さ(平均厚さ)を増大させると、光学部材の製造コストが増大し、かつ光学部材の光学性能が低下する傾向がある。第1実施形態に係る光学部材は、親水膜の平均厚さを過度に厚くせずに、親水膜に十分な耐払拭性を発揮させることができる。その理由を以下に説明する。まず、一方の面が凸面である光学部材の上述の凸面を払拭すると、凸面において最も盛り上がっている部位である光軸付近に特に強い力が加わる。一方で、上述の凸面を払拭しても、凸面の外周部付近にはあまり強い力が加わらない。第1実施形態に係る光学部材は、透光性部材の光軸上における親水膜の厚さhcが、透光性部材の外周部上における親水膜の厚さheよりも大きい。即ち、第1実施形態に係る光学部材は、払拭時に強い力が加わる凸面の光軸付近では親水膜が比較的厚く、払拭時にあまり強い力が加わらない凸面の外周部付近では親水膜が比較的薄い。以上から、第1実施形態に係る光学部材は、親水膜が優れた耐払拭性を有しているが、親水膜の平均厚さは過度に大きくない。そのため、第1実施形態に係る光学部材は、上述の光学ユニットの第1光学部材として好適である。
以下、図1を参照して、第1実施形態に係る光学部材1を説明する。図1は、第1実施形態に係る光学部材1の模式図である。光学部材1は、少なくとも一方の面が凸面2aである透光性部材2と、透光性部材2の凸面2aを被覆する親水膜3とを備える。透光性部材2は、基材4と、基材4を被覆する反射防止膜5とを備える。透光性部材2の反射防止膜5側の面は、凸面2aである。
[透光性部材]
透光性部材2は、基材4及び反射防止膜5を有する。但し、後述する変形例に示す通り、第1実施形態に係る光学部材の透光性部材は、単一部材から構成されていてもよい。透光性部材2は透光性を有する。即ち、透光性部材2は光を透過させる。透光性部材2は、透明であってもよく、半透明であってもよい。
透光性部材2は、少なくとも一方の面が凸面2aである。透光性部材2の凸面2aとは反対側の面(図示略)は、平面、凸面、及び凹面の何れであってもよい。透光性部材2は、例えば、レンズ(具体的には、例えば、両凸レンズ、平凸レンズ、凸メニスカスレンズ及び凹メニスカスレンズ)としての機能を有する。なお、本明細書において、凸面及び凹面は、球面形状であっても非球面形状であってもよい。
透光性部材2の凸面2aの曲率半径としては、10mm以上15mm以下が好ましい。透光性部材2の曲率半径が10mm未満である場合、親水膜3の厚さを調整し難くなる傾向がある。透光性部材2の曲率半径が15mm超である場合、光学部材1に所望の画角を付与し難くなる傾向がある。
(基材)
基材4は、例えば、主成分としてガラス又は樹脂を含有する。
(反射防止膜)
反射防止膜5は、光の反射を抑制する。具体的には、光学部材1は、反射防止膜5を備えることにより、親水膜3から透光性部材2に進入しようとする光が凸面2aで反射することを抑制する。
反射防止膜5は、一層構造でもよく、多層構造でもよい。反射防止膜5は、例えば、金属又は金属酸化物を含有する。反射防止膜5は、例えば、蒸着膜又はスパッタリング膜である。
反射防止膜5の厚さとしては、200nm以上400nm以下が好ましい。反射防止膜5の厚さが200nm未満の場合、十分な反射防止効果が得られない傾向がある。反射防止膜5の厚さが400nm超の場合、光学部材1の生産性が低下する傾向がある。
なお、反射防止膜5は、厚さが一様であることが好ましい。具体的には、反射防止膜5の平均厚さをhaveとし、反射防止膜5の最大厚さ及び最小厚さの差をhdifとしたときに、hdif/haveが0.10以下であることが好ましい。なお、反射防止膜5の平均厚さは、走査電子顕微鏡(例えば、日本電子株式会社製「JSM-7900F」)により測定される。
[親水膜]
親水膜3は、親水性を有する。図1に示す通り、親水膜3は、部位ごとに厚さが異なる。即ち、透光性部材2の光軸AO上における親水膜3の厚さhcは、透光性部材2の外周部上における親水膜3の厚さheよりも大きい。
光学部材1は、下記式(1)を満たすことが好ましい。光学部材1は、下記式(1)を満たすことで、親水膜3の耐払拭性の高さと、反射率の低さとを両立できる。詳しくは、hc/heが1.2以上であることで、親水膜3の耐払拭性がより向上する。hc/heは、2.0以上がより好ましい。また、hc/heが20.0以下であることで、光学部材1の反射率が低減する。hc/heは、10.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましい。
1.2≦hc/he≦20.0・・・(1)
親水膜3の厚さhcとしては、5nm以上400nm以下が好ましく、10nm以上260nm以下がより好ましく、20nm以上200nm以下が更に好ましく、30nm以上70nm以下が特に好ましい。親水膜3の厚さhcが5nm以上であることで、親水膜3の耐払拭性がより向上する。親水膜3の厚さhcが可視光の波長以下(400nm以下)であることで、光学部材1の反射率が低減する。
親水膜3の厚さheとしては、4nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上80nm以下がより好ましく、10nm以上25nm以下が更に好ましい。親水膜3の厚さheが4nm以上であることで、親水膜3の親水性を向上できる。親水膜3の厚さheが300nm以下であることで、光学部材1の反射率を低減できる。
親水膜3は、透光性部材2の光軸AO上において最も厚くなっていることが好ましい。このような親水膜3は、平均厚さを抑えつつ、優れた耐払拭性を発揮できる。
親水膜3の厚さは、透光性部材2の光軸AO上から透光性部材2の外周部上にかけて、漸減していることが好ましい。このような親水膜3を備えることにより、光学部材1は優れた光学特性を発揮できる。具体的には、親水膜3について、Y軸を親水膜3の厚さ、X軸を透光性部材2の光軸AOからの距離とするグラフを作成する。親水膜3は、このグラフに変曲点が存在しないことが好ましい。また、親水膜3は、上述のグラフが微分可能であることが好ましい。
親水膜3の形状について詳しく説明する。図2に示すグラフA~Cは、それぞれ、親水膜3の厚さと、透光性部材2の光軸AOからの距離との関係を示す。グラフA~Cにおいて、親水膜3の厚さhcは同一である。また、グラフA~Cにおいて、親水膜3の厚さheは同一である。グラフAでは、親水膜3は、透光性部材2の光軸AOから離れるに伴い、直線的に厚さが減少する。グラフBでは、親水膜3は、透光性部材2の光軸AOから離れるに伴い、ガウス曲線的に厚さが減少する。グラフCでは、親水膜3は、透光性部材2の光軸AOから離れるに伴い、放物線的に厚さが減少する。
ここで、透光性部材2の形状(特に凸面2aの形状)は、用途にあわせて様々な形状から選択される。そのため、親水膜3についても、透光性部材2に対応した適切な形状(例えば、グラフA~Cで表される形状の何れか)を有することが好ましい。
また、光学部材1の親水膜3を払拭すると、親水膜3の硬度に応じて摩耗が発生する領域が変化する。具体的には、硬度の高い親水膜3を備える光学部材1は、親水膜3を払拭すると、透光性部材2の光軸AOを中心とする比較的狭い範囲のみで親水膜3が摩耗する。そのため、硬度の高い親水膜3は、光軸AOを中心とする比較的狭い範囲のみが厚い形状(例えば、グラフAで表される形状)を有することが好ましい。一方、硬度の低い親水膜3を備える光学部材1は、親水膜3を払拭すると、透光性部材2の光軸AOを中心とする比較的広い範囲で親水膜3が摩耗する。そのため、硬度の低い親水膜3は、光軸AO上を中心とする比較的広い範囲が厚い形状(例えば、グラフB又はCで表される形状)を有することが好ましい。
親水膜3の表面の純水に対する静的接触角としては、30.0°以下が好ましく、20.0°以下がより好ましく、10.0°以下が更に好ましい。以下、純水に対する静的接触角を、単に「接触角」と記載することがある。なお、親水膜3の接触角は、温度23℃±3℃、相対湿度50%±3%の環境で測定した値である。
親水膜3の成分としては、特に限定されず、公知の成分を用いることができる。親水膜3は、例えば、光触媒粒子と、バインダとを含有する。以下、各成分について説明する。
(光触媒粒子)
光触媒粒子は、光触媒を含有する粒子である。光触媒粒子のうち少なくとも一部は、二次粒子を構成していてもよい。光触媒粒子は、光触媒を含有する限り、光触媒以外の成分を更に含有していてもよい。光触媒以外の成分としては、例えば、電子捕捉効果を有する成分が挙げられる。電子捕捉効果を有する物質としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、鉄、ニッケル、コバルト、亜鉛及び酸化銅が挙げられる。光触媒粒子における光触媒の含有割合としては、90質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
光触媒粒子が含有する光触媒としては、例えば、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、リン酸ガリウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム及び三硫化モリブデンが挙げられる。光触媒粒子は、酸化チタンを含有することが好ましい。光触媒粒子が酸化チタンを含有することで、親水膜3の親水性がより向上する。
酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、光触媒活性の観点から、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
光触媒粒子の一次粒子の平均粒径としては、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上18nm以下がより好ましい。光触媒粒子の一次粒子の平均粒径が1nm以上20nm以下であることにより、光学部材1の透光性が向上する。
光触媒粒子の二次粒子の平均粒径としては、10nm以上90nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましい。光触媒粒子の二次粒子の平均粒径が10nm以上であることにより、親水膜3の親水性がより向上する。光触媒粒子の二次粒子の平均粒径が90nm以下であることにより、親水膜3の透光性が向上する。
(バインダ)
バインダは、無機バインダ及び有機バインダの何れであってもよい。無機バインダとしては、例えば、シリカ及びシリケートが挙げられる。有機バインダとしては、例えば、樹脂が挙げられる。光触媒活性によるバインダの分解を抑制する観点から、バインダとしては、無機バインダが好ましく、シリカ又はシリケートがより好ましい。
<変形例>
次に、図3を参照して、光学部材1の変形例に係る光学部材11を説明する。光学部材11は、一方の面が凸面12aである透光性部材12と、透光性部材12の凸面12aを被覆する親水膜13とを備える。
変形例に係る光学部材11は、図1の光学部材1と比較し、透光性部材12が単一部材であるという点のみが相違する。そのため、光学部材1と重複する説明については省略する。光学部材11の透光性部材12は、光学部材1の基材4に相当する。光学部材11は、図1の光学部材1と比較し、反射防止膜5の形成が不要であるため製造コストが低いというメリットを有する。
[その他の変形例]
以上、第1実施形態に係る光学部材について、図面を参照しつつ説明した。しかし、第1実施形態に係る光学部材は、図1の光学部材1、及び図3の光学部材11に限定されない。
具体的には、例えば、親水膜は、単層構造を有することが好ましいが、多層構造を有していてもよい。また、親水膜は、透光性部材の凸面の全面を被覆していることが好ましいが、必ずしも透光性部材の凸面の全面を被覆していなくてもよい。
[光学部材の製造方法]
以下、第1実施形態に係る光学部材の製造方法の一例について説明する。光学部材の製造方法は、少なくとも一方の面が凸面である透光性部材の凸面上に親水膜形成用塗布液を塗布する塗布工程を備える。親水膜形成用塗布液は、例えば、光触媒粒子と、バインダ原料と、溶媒とを含有する。
親水膜形成用塗布液の塗布方法としては、ウェットプロセスが好ましい。ウェットプロセスとしては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法及びこれらのうち2以上を組み合わせた方法(例えば、ディップスピンコート法)が挙げられる。ウェットプロセスとしては、スピンコート法、ディップコート法又はディップスピンコート法が好ましい。
親水膜形成用塗布液をスピンコート法又はディップスピンコート法で塗布する場合、回転速度としては、500rpm以上10000rpm以下が好ましい。親水膜形成用塗布液の固形分濃度としては、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%1.0質量%以下がより好ましい。
溶剤としては、水系溶剤が好ましい。水系溶剤は、水及び添加物を含有する。添加物としては、例えば、有機酸、アルコール化合物及びアンモニアが挙げられる。水系溶剤における添加物の含有割合としては、0質量%超20質量%以下が好ましい。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸及びリンゴ酸が挙げられる。アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール及びブタノールが挙げられる。
塗布工程では、透光性部材の凸面の光軸上に塗布する親水膜形成用塗布液の塗布量を、透光性部材の凸面の外周部上に塗布する親水膜形成用塗布液の塗布量よりも多くする。これにより、上述の親水膜の厚さhcが厚さheよりも大きくなる。以下、塗布工程において塗布量を調整する方法を例示する。但し、塗布工程において塗布量を調整する方法は、以下の方法に限定されない。
図4は、光学部材の製造方法における塗布工程の一例を示す。この塗布工程では、スピンコート法が用いられる。まず、基材24及び反射防止膜25を有し、反射防止膜25側の面が凸面22aである透光性部材22を用意する。次に、透光性部材22の凸面22aに、親水膜形成用塗布液を滴下する。そして、スピンコーターを用い、透光性部材22を回転させる。透光性部材22の回転では、透光性部材22の回転軸ARを、透光性部材22の光軸AOと一致させる。これにより、透光性部材22の凸面22a上に親水膜形成用塗布液の液膜Xが形成される。ここで、一般的なスピンコート法では、形成される塗膜の厚さが部位ごとに均一になる回転速度で塗布対象を回転させる。一方、光学部材の製造方法では、形成される塗膜の厚さが部位ごとに均一になる回転速度よりも遅い回転速度で透光性部材22を回転させる。これにより、透光性部材22上に形成される液膜Xは、透光性部材22の回転軸AR上が最も厚くなり、回転軸ARから離れるに伴って薄くなる。そのため、液膜Xにより形成される親水膜は、厚さhcが厚さheよりも大きくなる。
図5は、光学部材の製造方法における塗布工程の図4とは別の一例を示す。図5の塗布工程は、図4の塗布工程と比較し、透光性部材22の回転において、透光性部材22の光軸AOと、透光性部材22の回転軸ARとを離間させているという点が相違する。これにより、透光性部材22上に形成される液膜Xは、透光性部材22の光軸AOを中心とする比較的広い領域において厚くなる。透光性部材22の光軸AO及び透光性部材22の回転軸ARの距離Lとしては、0mm超0.50mm以下が好ましい。距離Lが0.50mmを超えると、透光性部材22の回転が不安定となる傾向がある。
図6は、光学部材の製造方法における塗布工程の図4~5とは別の一例を示す。図6の塗布工程では、ディップスピンコート法が用いられる。まず、透光性部材22を、凸面22aを鉛直方向下側にした状態で親水膜形成用塗布液に浸漬する。次に、透光性部材22を親水膜形成用塗布液から引き上げ、透光性部材22の凸面22aに親水膜形成用塗布液の液膜Xを形成させる。そして、透光性部材22を回転させる。透光性部材22の回転では、透光性部材22の回転軸ARを、透光性部材22の光軸AOと一致させる。この際、液膜Xには、重力により、回転軸ARから滴下しようとする力が働く。そのため、液膜Xは、透光性部材22の回転軸AR上において最も厚くなり、透光性部材22の回転軸ARから離れるに伴って薄くなる。そのため、液膜Xにより形成される親水膜は、上述の厚さhcが厚さheよりも大きくなる。
なお、図6の塗布工程では、図5の塗布工程と同様に、透光性部材22の光軸AO及び透光性部材22の回転軸ARを離間させてもよい。
塗布工程では、塗布後に加熱処理することが好ましい。加熱処理により、親水膜形成用塗布液中の揮発性成分の除去が促進される。加熱条件としては、例えば、処理温度60℃以上200℃以下、処理時間10分以上10時間以下とすることができる。
なお、光学部材の製造方法は、塗布工程前、透光性部材の表面を処理する表面処理工程を更に備えることが好ましい。表面処理は、例えば、プラズマ処理、電子ビーム処理、コロナ処理及びフレーム処理が挙げられる。プラズマ処理としては、例えば、高周波放電プラズマ処理又は大気圧グロー放電プラズマ処理が挙げられる。これらの表面処理は、複数を組み合わせて用いることもできる。
<第2実施形態:光学ユニット>
本発明の第2実施形態に係る光学ユニットは、1又は複数の光学部材を備える。1又は複数の光学部材のうち、最も物体側に位置する第1光学部材は、本発明の第1実施形態に係る光学部材である。第1光学部材の物体側の面は、親水膜側の面である。第2実施形態に係る光学ユニットは、第1実施形態に係る光学部材を第1光学部材として備える。そのため、第2実施形態に係る光学ユニットは、第1光学部材の親水膜を払拭しても、親水膜の親水性が低下し難い。
以下、図7を参照して、第2実施形態に係る光学ユニット101を説明する。図7は、第2実施形態に係る光学ユニット101の模式図である。光学ユニット101は、5個の光学部材と、5個の光学部材を保持する筒状のホルダ107とを主に備える。5個の光学部材は、具体的には、物体側から順番に、第1光学部材102、第2光学部材103、第3光学部材104、第4光学部材105、及び第5光学部材106である。5個の光学部材のうち、最も物体側に位置する第1光学部材102は、第1実施形態に係る光学部材である。第1光学部材102の物体側の面は、親水膜側の面(凸面)である。第1光学部材102の撮像側の面は、凹面である。
以上、第2実施形態に係る光学ユニットについて、図面を参照しつつ説明した。しかし、第2実施形態に係る光学ユニットは、図7の光学ユニット101に限定されない。特に、第2実施形態に係る光学ユニットの備える各光学部材の数及び形状については、光学ユニットの用途に応じて適宜変更可能である。
[実施例1]
以下の方法により、実施例1の光学部材を製造した。
(透光性部材)
基材として、レンズ(HOYA株式会社製「TAFD-5G」、組成:ガラス、直径12.9mm)を用意した。このレンズは、一方の面が凸面(曲率半径12mm)、他方の面が凹面(曲率半径3.07mm)であった。次に、このレンズの凸面上に反射防止膜(組成:SiO2層、TiO2層、及びTa25層)を形成した。反射防止膜の合計厚さは、約300nmであった。これにより、一方の面が凸面である透光性部材を得た。次に、透光性部材の凸面(反射防止膜側の面)に表面処理を行った。表面処理としては、プラズマ表面改質装置を用いたプラズマ処理を行った。
(親水膜形成用塗布液)
酸化チタン粒子の水分散体(石原産業株式会社製「STS-01」、酸化チタン粒子の平均粒径:7nm、酸化チタン粒子濃度:30質量%)1mLに、イソプロピルアルコール29mLを添加し、混合液Aを得た。次に、酸化チタン粒子及びバインダ原料(シリケートオリゴマー)を含有するコーティング剤(石原産業株式会社製「ST-K211」、溶媒:水及びエタノール、固形分濃度:0.2質量%)と、混合液Aとを、質量比1:1で混合し、これを親水膜形成用塗布液とした。
上述の透光性部材の凸面に、上述の親水膜形成用塗布液を塗布した。詳しくは、透光性部材の光軸上に親水膜形成用塗布液を40μL滴下した。次に、スピンコーター(ミカサ株式会社製「MS-B100」)を用い、透光性部材を回転速度5000rpmで回転させた。この際、透光性部材の回転軸は、透光性部材の光軸と一致させた。塗布後、80℃、30分間の加熱処理を行った。これにより、透光性部材の凸面を被覆する親水膜を形成した。
[比較例1]
以下の点を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の光学部材を製造した。比較例1の光学部材の製造では、親水膜形成用塗布液の塗布において、透光性部材の回転速度を8000rpmに変更した。
実施例1及び比較例1の光学部材について、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM-7900F)を用いて親水膜の厚さを測定した。親水膜の厚さの測定は、透光性部材の光軸上(厚さhc)と、透光性部材の外周部上(厚さhe)とで行った。詳しくは、包埋樹脂(Struers社製「EpoFix」)を用いて光学部材を包埋した。その後、包埋された光学部材を、研磨機(Struers社製「LaboForce-100」)を用いて研磨した。この際、測定対象となる部位(厚さhc又は厚さheが測定できる部位)が露出するように、包埋された光学部材を研磨した。その後、研磨後の光学部材に対して、断面試料作製装置(日本電子株式会社製「IB-19510CP」)を用いて断面研磨を実施した。得られた断面試料を上述の走査電子顕微鏡で観察した。そして、透光性部材の光軸から10μm以内の領域において無作為に選択された5箇所で親水膜の厚さを測定し、その平均値Aを求めた。測定された平均値Aを、透光性部材の光軸上における親水膜の厚さhcとした。また、透光性部材の外周部から20μm以内の領域において無作為に選択された5箇所で親水膜の厚さを測定し、その平均値Bを求めた。平均値Bの測定は、光学部材の外周部のうち無作為に選択された5箇所でそれぞれ測定した。測定された各平均値Bの平均値を、透光性部材の外周部上における親水膜の厚さheとした。
実施例1の光学部材は、hcが40nm、heが16nmであった(hc/he=2.5)。比較例1の光学部材は、hcが16nm、heが16nmであった(hc/he=1.0)。
<評価>
以下の方法により、各光学部材に対して払拭試験を行い、親水膜の親水性が維持されるか否かを評価した。なお、各測定は、いずれも温度23℃±3℃、相対湿度50%±3%の環境下で行った。
[払拭試験]
まず、各光学部材の親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を「初期」の接触角とした。接触角の測定は、試料として純水を用い、測定機器として自動接触角計(協和界面科学株式会社製「DMo-601」)を用いた。なお、本実施例では、以降に行う各接触角の測定についても上述の自動接触角計を用いた。本実施例では、光学部材の接触角は、30°以下が良好と判定される。
次に、紙ワイパー(日本製紙クレシア株式会社製「ケイドライ(登録商標)」)を用い、各光学部材の親水膜側の面を10往復軽くこすった。その後、各光学部材の親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を「払拭A」の接触角とした。
次に、各光学部材の親水膜側の面に紫外線を1時間照射した後に親水膜側の面の接触角を測定するという操作を合計4回行った。得られた結果を、それぞれ「UV1h」、「UV2h」、「UV3h」及び「UV4h」の接触角とした。紫外線の照射条件は、波長352nm、放射照度1mW/cm2とした。なお、以降に行う紫外線の照射についても、同様の照射条件とした。
次に、紙ワイパー(日本製紙クレシア株式会社製「ケイドライ(登録商標)」)を用い、各光学部材の親水膜側の面を20往復軽くこすった。その後、各光学部材の親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を「払拭B」の接触角とした。
次に、各光学部材の親水膜側の面に紫外線を1時間照射した後に親水膜側の面の接触角を測定するという操作を合計4回行った。得られた結果を、それぞれ「UV1h」、「UV2h」、「UV3h」及び「UV4h」の接触角とした。
ここで、比較例1の光学部材は、紫外線を合計4時間照射した後でも接触角が30°超であった。この結果から、比較例1の光学部材は、親水膜が親水性を失った判断した。そのため、比較例1の光学部材に対しては、以降の試験を行わなかった。
次に、紙ワイパー(日本製紙クレシア株式会社製「ケイドライ(登録商標)」)を用い、実施例1の光学部材の親水膜側の面を30往復軽くこすった。その後、実施例1の光学部材の親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を「払拭C」の接触角とした。
次に、実施例1の光学部材の親水膜側の面に紫外線を1時間照射した後に親水膜側の面の接触角を測定するという操作を合計2回行った。その後、実施例1の光学部材の親水膜側の面に紫外線を更に2時間照射した後に、親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を、それぞれ「UV1h」、「UV2h」及び「UV4h」の接触角とした。その後、実施例1の光学部材の親水膜側の面に紫外線を更に16時間照射(合計20時間照射)した後に親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を、「UV20h」の接触角とした。その後、実施例1の光学部材の親水膜側の面に紫外線を更に76時間照射(合計96時間照射)した後に親水膜側の面の接触角を測定した。得られた結果を、「UV96h」の接触角とした。各測定結果を下記表1及び図8に示す。
Figure 0007499568000001
表1及び図8に示すように、各光学部材は、払拭処理を行うことで親水膜側の面の接触角が増大した(親水性が低下した)。これは、払拭処理によって親水膜から一部の光触媒粒子が脱離し、かつ親水膜の表面に有機物が付着したためと判断される。
実施例1の光学部材は、払拭処理後にUVを照射することで親水膜側の面の接触角が低下した(親水性が回復した)。一方、比較例1の光学部材は、2回目の払拭処理後は、UVを照射しても親水膜側の面の接触角が十分に低下しなかった(親水性が回復しなかった)。以上から、実施例1の光学部材は、比較例1の光学部材と比較し、親水膜が優れた耐払拭性を有していたと判断した。
[親水膜の厚さの検討]
以下、親水膜の適切な厚さを検討するため、更なる試験を行った。詳しくは、光学部材は、親水膜が厚い(特に、厚さhcが大きい)ほど耐払拭性に優れる。一方、光学部材は、親水膜が極端に厚い場合には光学特性が低下する可能性がある。そこで、光学部材の光学特性(具体的には、反射率)と、親水膜の厚さとの関係を試験した。
[参考例1~4]
実施例1の光学部材の製造と同様の方法により、透光性部材を作成し、得られた透光性部材の凸面(反射防止膜側の面)に表面処理を行った。その後、公知のドライプロセス(スパッタリング法)により、透光性部材の凸面を被覆する親水膜(酸化チタン膜)を形成した。これにより、参考例1~4の光学部材を得た。ドライプロセスにより形成した親水膜は、厚さhe及びhcが同一であった。形成した親水膜の厚さを下記表2に示す。
(最大反射率の測定)
参考例1~4の光学部材について、親水膜側の面から入射する波長450nm以上780nm以下の入射光に対する最大反射率を測定した。測定には、反射率測定装置(オリンパス株式会社製「USPM-RU」)を用い、入射角0度で測定される反射率を測定した。測定では、まず波長380nm以上800nm以下の範囲における分光反射率のグラフを作成した。分光反射率のグラフに基づいて、波長450nm以上780nm以下の入射光に対する最大反射率を求めた。各光学部材の最大反射率を下記表2に示す。
Figure 0007499568000002
表2に示す通り、光学部材は、親水膜が厚くなるほど、最大反射率が増大する傾向があった。ここで、光学部材の最大反射率は、反射防止膜の設計によってある程度低減可能であるが、一般的に20%以下が好ましい。そのため、親水膜の厚さが部位ごとに異なる場合、親水膜には厚さ260nm超の部位が存在しないことが好ましい。以上から、親水膜の厚さhcとしては、260nm以下が好ましいと判断される。
[親水膜の厚さの検討]
以下、光学部材の製造方法について、更なる検討を行った。詳しくは、図5に例示されるように、塗布工程で透光性部材を回転させる際に、透光性部材の光軸AOと、透光性部材の回転軸ARとを離間させた。そして、得られた光学部材の光学特性(具体的には、反射率)を測定した。これにより、スピンコート法において透光性部材の光軸AO及び回転軸ARを一致させなかった場合に、光学部材の光学特性に影響が生じるか否かを検討した。
[実施例2~4]
以下の点を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2~4の光学部材を製造した。実施例2~4の光学部材の製造では、親水膜形成用塗布液の塗布において、透光性部材を回転させる際に、透光性部材の回転軸ARと、透光性部材の光軸AOとを離間させた。透光性部材の回転軸ARと、透光性部材の光軸AOとの距離Lは、下記表3に示す通りとした。
(平均反射率の測定)
実施例2~4の光学部材について、親水膜側の面から入射する波長450nm以上780nm以下の入射光に対する平均反射率を測定した。測定には、反射率測定装置(オリンパス株式会社製「USPM-RU」)を用い、入射角0度で測定される反射率を測定した。測定では、まず波長380nm以上800nm以下の範囲における分光反射率のグラフを作成した。分光反射率のグラフに基づいて、波長450nm以上780nm以下の入射光に対する平均反射率を求めた。各光学部材の平均反射率を下記表3及び図9に示す。
Figure 0007499568000003
表3及び図9に示す通り、距離Lを大きくしても平均反射率はほとんど変化しなかった。そのため、スピンコート法において透光性部材の光軸AO及び回転軸ARを一致させなかった場合に、光学部材の光学特性に与える影響は軽微であった。
但し、距離Lを0.51mm超にすると、透光性部材の回転が不安定になり、光学部材の製造が困難になる傾向があった。そのため、距離Lは、0.50mm以内が好ましいと判断した。
本発明は、センサ又は撮影機器用の光学部材又は光学ユニットとして好適である。
1,11 光学部材
2,12,22 透光性部材
3,13 親水膜
4,24 基材
5,25 反射防止膜
101 光学ユニット
102 第1光学部材
103 第2光学部材
104 第3光学部材
105 第4光学部材
106 第5光学部材
107 ホルダ
AO 光軸
AR 回転軸
X 液膜

Claims (1)

  1. レンズに親水膜を形成する方法であって、
    光軸を有し、少なくとも一方の面が凸面であるレンズを、前記レンズの回転中心を前記レンズの前記光軸と所定の距離だけ離間させた状態で回転させるステップと、
    前記レンズを回転させるステップにおいて前記レンズが回転している間に、前記レンズの前記凸面に親水膜形成用塗布液を塗布するステップと、
    前記親水膜形成用塗布液を塗布した前記レンズを加熱して、前記レンズの前記凸面に親水膜を形成するステップと
    を包含し、
    前記親水膜を形成するステップにおいて、
    前記レンズの前記光軸上における前記親水膜の厚さhcは、前記レンズの外周部上における前記親水膜の厚さheよりも大きく、
    前記親水膜のうち最も厚い部分の厚さは、前記レンズの前記光軸上における前記親水膜の厚さhcよりも大きい、レンズに親水膜を形成する方法。
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