JP2013539550A - 多孔質シリカナノ粒子を含む光学コーティング - Google Patents

多孔質シリカナノ粒子を含む光学コーティング Download PDF

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Abstract

バインダと細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子とを備えた光学コーティング、溶媒と細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子とを備えた光学コーティングを形成するための溶液、光学コーティングを作製する方法、及び光学コーティングの製造における細孔がランダムに配向された多孔質シリカナノ粒子の使用。
【選択図】図3

Description

本発明は、適当なバインダ中の多孔質シリカナノ粒子を含む、又は多孔質シリカナノ粒子から得られる光学コーティングであって、好ましくは可視光に対して透過性であり、好ましくは反射防止特性を提供し、任意に他の付加的な機能性を提供する光学コーティングに関する。このコーティングは特に、眼科及び眼鏡類、太陽電池、ディスプレイ、窓、発光ダイオード、及び太陽光集光装置への適用に適しているがこれに限定されない。
眼鏡類、太陽電池、及びディスプレイは概して、ガラス又はポリマーのシートから成る環境に曝される外側基板から成る。これらは通常、屈折率が1.5〜1.7であり、各面で入射太陽光の約4%〜5%を反射し、これは、基板を通した可視性を低下させるか又は太陽電池に与えられないエネルギーである。これらの基板は、この反射を2%未満まで低減する反射防止コーティング層でコーティングすることができる。図1は、基板2上の従来の単層反射防止(AR)コーティング1を概略的に示す。ARコーティング1の厚さはhである。ARコーティング1の前面及び後面から反射した光を相殺的に干渉するようにした場合、反射率は低下する。これが(垂直入射について)達成されるのは、コーティング1の厚さがコーティングの媒体における入射光の波長の1/4に等しい、すなわち以下の場合である。
式中、λは真空中の光の波長であり、nはコーティングの屈折率である。これは、コーティング1の屈折率nが基板2の屈折率nよりも小さいことで、コーティング1と基板2との間の境界で反射される光のπ位相変化があることを想定したものである。厚さhは、当然ながら、コーティングにおける光の波長の1/4の任意の奇数倍であり得る。完全な相殺的干渉のために、2つの反射波の振幅は相互に等しくなければならない。これが達成されるのは、屈折率が以下のように一致する場合である。
これを変形すると以下のようになる。
空気の場合はn=1、ガラスの場合はn=1.5であり、これは、コーティングの理想的な屈折率をn=1.22として与える。
所与のレンズからの反射率は、その屈折率に関連し、屈折率が大きいほど反射が大きくなる。垂直光入射では、これは次式を用いて単純に計算され得る。屈折率n=1.586の通常のポリカーボネートレンズの場合、反射率Rはレンズ表面当たり5.1%であり、合計10.2%の反射光が得られる。
反射率は、入射角を大きくすれば大幅に向上し、反射の弱い面でさえも視斜角で鏡状に見え得る。入射角65°では、通常のレンズは、各面に当たる光を25%よりも多く反射する。この挙動を表す式は、フレネルの式として知られており、さらなる情報は、任意の光学教科書、例えば非特許文献1に見ることができる。
上述のように、反射防止コーティング層厚は、2つの波間の位相差を左右し、層の屈折率は、反射波の振幅を左右する。コーティング系の挙動は次式により表され、この場合、屈折率nのコーティングを屈折率nのレンズに塗布する。
項k及びhは、入射光の位相角及び膜の光学的厚さをそれぞれ指す。入射光波長λ及び膜厚d=λ/4nについて、式2は、以下のように簡略化される。
したがって、コーティングの屈折率がレンズの屈折率の平方根であるとき、反射率R=0%である。それゆえ、ポリカーボネートレンズの場合、レンズ表面上の屈折率1.26のコーティングの厚さが110nmであれば、可視スペクトルの中心550nmにおいて反射率がゼロとなる。
これは、反射問題に対する最も単純な解決手段であるが、このようなコーティングの選択肢は限られていた。既知の最低屈折率を有する材料は、MgF(屈折率=1.38)又はCaF(屈折率=1.43)等のフッ化物である傾向があり、これらは通常のレンズ表面からの反射を1.3%〜1.5%にしか減らさず、いずれの場合も水溶性であり、反射防止特性をさらに低下させる封入層を必要とする。
眼鏡類用途では、ARコーティングを用いて、光の透過率を高めると共に着用者の眼を傷め得る内側レンズ表面内の反射を低減する。
ディスプレイ用途では、ARコーティングを用いて、ディスプレイの可視性を低下させる反射率を低下させ、すなわちグレアを低減する。このようなコーティングの別の望ましい特性は、広視角にわたる反射率の低下である。このような場合、ガラスを用いることもできるが、ARコーティングは主にプラスチック基板に塗布される。
しかしながら、従来のARコーティングには多数の問題がある。所望の低屈折率を有する適当なコーティング材料を見付けることは困難である。コーティングは、通常は化学蒸着法(CVD)又は物理蒸着法(PVD)等の技法により塗布されるが、それには高い加工費が必要であり、太陽光集光装置のプラスチック窓等、ガラス以外の基板と共に用いることが困難である。さらに、これらのコンポーネントに用いる通常のポリマー材料の比較的不活性な表面の化学的性質により、その後コーティングされる層の接着が弱くなり得る。
上記解析は、最適な反射防止特性が1つの波長で1つの特定の入射角に関してしか達成されず、他の波長及び入射角では、反射防止率(anti-reflectance)が低下するので、太陽電池の効率又はディスプレイの可読性が低下することを示す。広帯域ARコーティング(すなわち、ある範囲の波長及び入射角で有用な反射防止特性を提供するコーティング)は、屈折率の異なる複数のコーティング層を用いることにより達成できるが、これは、複雑性を高めると共に製造費を増加させることで、太陽電池又はディスプレイをより高価且つ採算性の乏しいものにする。いわゆる「セルフクリーニング」コーティング等の望ましくは太陽電池上にあり得る他の機能性コーティングに加えてARコーティングを塗布することにも、問題(例えば、接着問題)があり得る。
本出願人の先行特許出願である特許文献1(本願の優先日前に出願したが優先日後に公開)において、有効な広帯域単層反射防止コーティングをスピンコーティング、浸漬コーティング、ウェブコーティング、又はロールコーティング等の単純な低温湿式化学コーティング技法により形成することができ、このような反射防止コーティングが、低屈折率の多孔質シリカナノ粒子及び機械的強度を与えるために用いられるバインダから成ることが提案された。
例えば、特許文献2は、細孔構造の鋳型化(template)に用いられるカチオン性界面活性剤を用いて形成した細孔の規則的な六方配列から成るメソポーラスシリカナノ粒子を用いることを提案している。これらの粒子は、界面活性剤を除去して層を緻密化するために、コーティングの焼成前に、好ましくは500℃よりも高い温度で基板に塗布される。しかしながら、これは、焼成温度が高いのでポリマー基板での使用が許されない。バインダ系の欠如と、焼成に起因したナノ粒子の焼結度とが、系の機械的可撓性とその耐屈曲及び耐衝撃能力とを低下させる。
特許文献3も、第四アンモニウム塩カチオン性界面活性剤により鋳型化した細孔の規則的配列で粒子が形成されるメソポーラスシリカナノ粒子系を用いることを提案している。粒子形成後、界面活性剤は酸性溶液での洗浄により除去され、反射防止コーティングが、バインダ系中に粒子を分散させて適当な基板上にそれらを堆積させた後にバインダ系を乾燥させ硬化することにより形成される。ナノ粒子における細孔の規則的構造と、界面活性剤の性質とが、界面活性剤の完全な除去を容易にする。しかしながら、この規則的構造は、細孔が毛管力による細孔系へのバインダ及び溶媒の進入を許すことを意味する。このバインダ及び溶媒の進入は、形成された粒子の屈折率を高めることにより反射防止性能を低下させる。
非特許文献2は、細孔が粒子全体に延びる本質的に規則的な間隔のカラムである粒子を記載している。粒子の湾曲の結果として、また表面細孔構造が最低エネルギー表面状態ではないことの結果として、粒子表面におけるこれらの細孔のわずかな拡大及び湾曲がある。粒子が小さくなるにつれて、粒子表面におけるこの歪み領域の割合が粒子体積全体に対して大きくなるが、粒子の本質的な内部構造はそのままである。細孔を通る液体の自由な流れを止めるものがないので、このような構造は毛管作用及びバインダ材料での細孔充填(pore filing)につながる。
国際公開WO2010/106326号明細書 米国出願公開第2009−0220774号明細書 特開2009−40967号明細書
Hecht E, Optics, 2002 pp113-122 Chem. Mater. 2010, 22, 12-14 (Hoshikawa et al)
本発明の目的は、上記問題のいくつか又はいずれかを少なくとも部分的に軽減することである。
多種多様なシリカナノ粒子が多種多様な用途について当該技術分野で既知である。この広範な用途内で、特定タイプのシリカナノ粒子がNanoScape AGにより生産され、商標名NMC−1−PH及びNMC−1−Siで販売されている。本発明の発明時に、これらの粒子の使用は知られていなかった。本発明者らは、これらのナノ粒子をARコーティングに含めることで光学特性を改善できることを意外にも発見した。
本発明で用いるシリカナノ粒子は多孔質であり、好ましくは実質的に全部の細孔(より好ましくは全部の細孔)の平均孔径は、1nm〜10nmの範囲、好ましくは1nm〜5nmの範囲、より好ましくは1nm〜3nmの範囲である。細孔は、ランダムに配向される。ナノ粒子の細孔は、疎水層を少なくとも部分的に備えた内面を有する。
したがって、本発明は、バインダと細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子とを備える光学コーティングを提供する。
「ナノ粒子」という用語は、本発明に関して、1nm〜100nmの範囲の平均直径を有する粒子を指すために用いられる。好ましくは、ナノ粒子は、1nm〜50nmの範囲、より好ましくは10nm〜40nmの範囲、さらにより好ましくは20nm〜30nmの範囲の平均直径を有する。
「ランダムに配向」という用語は、本発明に関して、反復(又は部分的又は完全に対称な)構造を形成しない細孔を指すために用いられる。この例は、蛇行路を有する、且つ/又は無秩序な、且つ/又は不均一な、且つ/又は非周期的な、且つ/又は不規則な、且つ/又は非対称な細孔である。
「親水性」という用語は、本発明に関して、水接触角が90°未満の表面を有する物質を指すために用いられる。「疎水性」という用語は、本発明に関して、水接触角が90°よりも大きな表面を有する物質を指すために用いられる。
本発明は、上述の光学コーティング及び基板の組み合わせにも関する。
本発明は、溶媒と細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子とを備える光学コーティングを形成するための溶液にも関する。いくつかの実施形態では、溶液はバインダも含む。他の実施形態では、バインダ及び溶媒を備えた光学コーティングを形成するためのさらに別の溶液が提供される。
さらに、本発明は、光学コーティングの製造における細孔がランダムに配向された多孔質シリカナノ粒子の使用に関する。
本発明の別の態様は、光学コーティングを作製する方法であって、
(i)バインダ、溶媒、及び細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子を備えた光学コーティングを形成するための溶液、又は(ii)バインダ及び溶媒を含むものと、細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子及び溶媒を含むものとの、光学コーティングを形成するための2つの溶液を調製するステップと、
溶液を基板に塗布するステップと、
溶液から溶媒を除去して光学コーティングを形成するステップと
を含む方法を提供する。
細孔は、疎水層を少なくとも部分的に備えた内面を有することが好ましく、層は、好ましくは有機層、より好ましくはポリマーである。ナノ粒子は、バインダ中に分布することが好ましい。
2つの光学コーティング溶液は、上述の方法で調製される場合、基板に別個に又は順次塗布される。
上述のように、本発明者らは、記載のシリカナノ粒子(これまで既知の用途がなかった)を、特性を改善した光学コーティングに配合できることを意外にも発見した。理論に束縛されることを望むものではないが、この意外な改善は、ランダムに配向された細孔を有する多孔質シリカナノ粒子によるものと考えられ、この蛇行状細孔路には液体の進入(すなわち、光学コーティングへのバインダの進入)を減らす効果がある。細孔は、薄い(例えば単層)有機層、好ましくはポリマー、実施形態によってはポリスチレンでコーティングされ得る。本発明で用いるナノ粒子は、複雑な蛇行路に配置されたランダムな細孔群から成る。このタイプの構造は、任意に疎水性内部細孔コーティングと共に、粒子コアへのバインダの進入を阻止して、粒子がバインダに固定されたときに粒子の低屈折率を維持する傾向がある。
シリカナノ粒子の細孔のランダム配向は、ナノ粒子がバインダと共にコーティングに配合される場合に、薄い有機内面を除いて細孔が主に空気を充填される(すなわち、細孔の体積の少なくとも50%が空気である)ことを意味する。内部細孔構造のランダム性により、細孔へのバインダ進入が実質的にないことが好ましい。これにより、コーティングの屈折率を1.20未満に維持することができる。この効果は、細孔が疎水層を少なくとも部分的に備えた内面を有し、且つバインダが親水性である場合に高まる。好ましくは、ナノ粒子の外面(すなわち、細孔を除く)は親水性である。
バインダは有機又は無機であり得る。光学コーティングにおいて、バインダは粒子を包囲し、膜に機械的強度を与える働きをする。バインダは、親水性バインダであることが好ましい。特に好ましいバインダとして、テトラエトキシシラン(TEOS)又はMP−1154D(SDC technologies)が挙げられる。MP−1154Dは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)を含むシロキサン系ハードコートであり、光学用途のハードコートとして既知である。しかしながら、本発明者らは、本発明の光学コーティングを提供するために、MP−1154Dが上述のシリカナノ粒子と適合するバインダであることを意外にも発見した。
下の基板と同様の特性(すなわち、バインダが基板に付着するような化学的適合性)を有するバインダを選択することで、コーティングに著しい歪みを引き起こす荷重下でも脆性破損及び境界膜破損を低減するか又は実質的になくすことができる。適当な組み合わせの例として、(i)TEOSバインダ及びガラス基板及び(ii)TEOSバインダ及びTAC基板が挙げられる。
いくつかの実施形態では、光学コーティングを塗布する基板の表面は、光学コーティング溶液の塗布前に処理される。いくつかの実施形態では、この表面処理は、コーティングと基板との間の接着を高めるための基板又はハードコートへのプライマの塗布の形態であり得る。適当なプライマとして、水中ポリウレタンであるPR1165等のポリウレタン系プライマが挙げられる。PR1165は、ポリカーボネート基板とシロキサンMP−1154Dを含む層との間での使用に特に適している。
他の実施形態では、表面処理は、基板の表面の化学的又は物理的特性を変えることを伴い得る。これを行って基板の表面エネルギーを増加させることができる。こうした処理として、酸(例えば、塩酸又は硫酸)若しくは塩基(例えば、水酸化ナトリウム)での処理、又はプラズマ若しくはコロナ処理を挙げることができる。酸又は塩基処理は、基板の表面を加水分解することができ、これら処理の全てを用いて基板の表面を酸化及び/又はエッチングすることができる。基板の表面上の結合を加水分解することで、より極性の高い表面を提供することにより、極性相互作用を高めることができる。酸化及びエッチングは、表面粗さ及び接触面積を増加させることができる。加水分解、酸化、及びエッチングの全てを用いて、基板とバインダとの適合性(したがって付着)を高めることができる。
好ましい基板として、ポリカーボネート、ガラス、トリアセテートセルロース(TAC)、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。これらの基板、特にポリカーボネートは、プライマの塗布等の表面処理の有無を問わず、光学コーティングが塗布されるハードコート(例えば、MP−1154D)を含み得る。
ポリカーボネート基板(上述のハードコートの有無を問わない)に好ましい表面処理として、好ましくは酸素でのプラズマ処理(好ましくは、1Barで1分間)が挙げられる。
TC基板に好ましい表面処理として、塩基での処理が挙げられる。塩基は、好ましくは通常は約10重量%濃度での水溶液中の水酸化ナトリウムであることが好ましい。塩基での処理後に水での洗浄が行われることが好ましい。
PMMA基板に好ましい表面処理は、酸での処理又は塩基での処理を含む。好ましい酸は、硫酸、好ましくは3M水溶液である。好ましい塩基は、エチルアミンジアミン、好ましくは1Mイソプロパノール溶液である。好ましくは、酸又は塩基での処理後に、水及び/又はIPAでの洗浄が行われる。
全ての基板は、表面処理の前又は後に使用前に洗浄することが好ましい。洗浄は、非イオン界面活性剤溶液及び/又はイソプロパノール及び/又はアセトン及び/又は水による、場合によっては音波処理によるものであり得る。好ましくは、非イオン界面活性剤は、親水性ポリエチレン基(hydrophilic polyethylene group)及び疎水基、例えばTriton X−100(好ましくは、1重量%水溶液)を有する。超音波処理の後に水及び/又はイソプロパノールでの洗浄が行われることが好ましい。
さらに別のコーティングを光学コーティングに塗布して、その耐摩耗性を向上させることができる。好ましいコーティングは、エトキシシラン末端基を有するパーフルオロエチレン、例えばFluorolink S10(Solvay Solexis)を含む。好ましくは、このコーティングは、イソプロパノール溶液として、好ましくは水及び/又は酢酸と共に塗布される。
好ましくは、光学コーティング溶液(単数又は複数)で用いる溶媒は、アルコール、より好ましくはイソプロパノールを含む。好ましくは、バインダがTEOSである場合、光学コーティング溶液は、酸、好ましくは塩酸を含む。塩酸は、TEOSの加水分解を触媒し、加水分解によりアルコールが放出されて反応性シラノール(Si−OH)基が生成される。これらのシラノール基が、続いて縮合反応を経て−Si−O−Si−結合を形成する結果として、連続的なシリカネットワークが得られる。酸の含入も、縮合反応を遅くすることで、光を散乱させる(すなわち、材料の光透過性を保つ)ほど大きくない高分子シリカ鎖をもたらすので有利である。
好ましくは、光学コーティングは、反射防止(AR)コーティングである。「反射防止コーティング」という用語は、本発明に関して、基板に塗布されると基板により反射される入射光(又は他の電磁放射線)の量を減らすコーティングを指すために用いられる。
好ましくは、光学コーティングは、ナノインデンテーションにより測定して、通常は0.7GPaよりも大きな、又はより好ましくは1.0GPaよりも大きな硬さを示し得る。同じく好ましくは、コーティングは、下の基板の弾性率の半分よりも大きく2倍未満の弾性率を有する。より好ましくは、コーティングは、基板の弾性率の±25%以内の、さらにより好ましくは±10%以内の、いくつかの実施形態では基板の弾性率と実質的に同一の弾性率を有する。このように、弾性率を下の基板と一致させることができ、これは膜が大きく屈曲可能であることを示す。本発明を具現したコーティングは、可撓性基板、例えばポリマー基板上のコーティング厚さの10倍まで脆性破損を伴わずに(すなわち、塑性変形、例えば割れ及び/又は層間剥離を伴わずに)屈曲することが好ましい。この屈曲は、無機バインダを備えるコーティングをポリマー基板上で用いた場合にさえ見られる。この驚くべき結果は、ナノ粒子の複合多孔質シリカ−有機構造の別の側面である。
コーティングは、通常は1.0〜1.4の範囲の屈折率を有する。コーティングは、基板の屈折率の平方根の±20%、より好ましくは±15%、さらにより好ましくは±10%の屈折率を有することが好ましい。ガラス基板は、通常は屈折率が1.5であり、ポリカーボネート基板は、普通は屈折率が1.58である。バインダは、通常は屈折率が約1.5となり、ナノ粒子は、屈折率が約1.16である。したがって、粒子及びバインダの混合物の屈折率は、バインダ対ナノ粒子の比を変えることにより特定の基板に合わせることができる。これにより、系は、反射防止コーティング膜の場合に光学コーティングの反射率を最小化するようコーティングの屈折率を最適化することができる。
好ましくは、300nm〜1900nmの範囲の少なくとも1つの波長での、本発明の光学コーティングを備えた1つの表面コーティングを有する基板に対する入射光の反射率は、2%未満、より好ましくは1.5%未満である。
本明細書中、「光学的」という用語は、例えば「光学コーティング」で用いられるが、この用語には、可視光のみに限定することを暗示する意図はない。本発明は、必要であれば、例えば少なくとも紫外線(UV)及び赤外線(IR)を含む電磁スペクトルの他の部分に適用することができる。本発明のコーティングは、文脈によっては膜とも称する。
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して単なる例として説明する。
基板に設けた従来の均一な厚さの単層ARコーティングの概略図である。 太陽電池用途に関するガラス基板上の本発明の光学コーティングの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図2の光学コーティングの反射防止性能を示す可視波長範囲の反射率曲線である。 眼科用途で用いるシリコーンハードコートポリカーボネート(PC)基板上の本発明の光学コーティングの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図4の光学コーティングの反射防止性能を示す透過曲線である。 本発明のシリカナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
本発明のナノ粒子は、開放又は多孔質構造を有することが好ましい。このような粒子の一例を図6に示す。これらの多孔質粒子を本発明の反射防止コーティングで用いるが、その理由は、材料の多孔性及び細孔のランダム配向が屈折率を低下させるからである(すなわち、屈折率は、空気及び粒子材料の屈折率の平均となる)。したがって、コーティングは、表面に塗布されてガラスと空気との中間付近の屈折率を提供し得る。
ナノ粒子の細孔は、疎水層、好ましくは有機層、より好ましくはポリマーで少なくとも部分的にコーティングされることが好ましい。有機層及び/又はポリマー層は、フェニル基又はアルキル基を含み得る。これらの基は、ハロゲン基及び/又はアミン基で置換することができる。いくつかの実施形態では、有機層は、1つ又は複数のトリアルキルアミン又はトリエタノールアミンを含む。ポリマーは単層にあり得る。ポリマーは、例えば有機ポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリスチレン及び/又はポリビニルブタジエンを含み得る。疎水層は、好ましくは各粒子の重量の50重量%未満、より好ましくは40重量%未満、さらにより好ましくは30重量%未満である。
より好ましくは、多孔質粒子は、膜の表面粗さを30nm未満に減らすために20nm〜30nmのサイズ範囲にある。
発明の実施形態で用いる粒子の合成
多孔質シリカナノ粒子は、アルコキシシラン(テトラメチルオルトシリケート及びテトラエチルオルトシリケート等)の加水分解に続いて、加水分解前駆体を共縮合させて無機シリカポリマーを生成することにより通常は調製する。微粒子構造を生成するために、縮合反応を加速する塩基の存在下で反応を触媒する。任意の適当な塩基、例えばアンモニア、NaOH、又はKOHを用いることができる。したがって、反応は、通常は塩基の水溶液であるアルカリ溶液で通常は行われる。通常、この反応で、大きく緻密な球状シリカ粒子が得られる。
高分子鋳型剤の含入は、粒子の構造変化及びランダム配向細孔構造の発生をもたらす。例えば、ポリスチレンを上記反応と同じ溶液中で重合させた場合、有機ポリマーが占める空間をシリカが占めることができないので、シリカがポリマーの周りで成長することにより均質混合有機/無機粒子が得られる。ポリマーを溶解するがシリカは溶解しない溶媒により鋳型ポリマーを除去すると、ポリマー除去で生じた細孔を有するシリカ粒子が得られる。シリカ表面からポリマーを完全に除去する表面エネルギーの増加は大きすぎるので、ポリマー除去は完全ではない。したがって、ある程度のポリマーコーティングがシリカナノ粒子内で細孔の内面に保持される。
全体的粒径は、水中油型乳剤の形成により制御する。乳剤液滴は、液滴の領域を超えた粒子の成長を停止させるよう働く。液滴径は、油対水の比(ratio of oil, water)及び乳化剤タイプ及び濃度により制御する。したがって、適切な条件下では、粒径及び直径分布を20nm〜30nmの好ましい範囲内に保つことができる。
上述のように作製した多孔質シリカ粒子は、細孔構造がランダムに配向され、細孔の内面を疎水層でコーティングされ、粒子の外面が親水性であるようなものである。
光学コーティング
粒子を用いて、ガラス又はポリマー等の基板上にコーティング層を形成する。コーティングの平均厚さは、好ましくは75nm〜500nm、より好ましくは75nm〜300nm、さらにより好ましくは100nm〜200nmの範囲である。コーティングの平均表面粗さは、原子力間顕微鏡法(AFM)又は干渉法により測定して、好ましくは2nm〜50nm、より好ましくは5nm〜30nm、さらにより好ましくは10nm〜30nmである。
光学コーティングは、バインダ中の上記粒子及び溶媒を配合して光学コーティング溶液を形成することにより得ることができる。
バインダは、ケイ酸塩、シリカ、シリコーン系ポリマー、シロキサン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、セルロース、セルロース誘導体、又はビニルアルコールの少なくとも1つを含み得る。
上述のように、本発明のコーティング溶液は溶媒を含む。溶媒は、アルコールを好ましくは少なくとも50容量%のレベルで含むことが好ましい。好ましいアルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノールが挙げられる。特に好ましいアルコールはイソプロパノールである。
コーティング溶液は、水、酸(好ましくは塩酸)、及び/又はシリコーン等の他の成分をさらに含み得る。これらの付加的な成分は、コーティング溶液の粘度及び粒子の分散を制御するのに有用である。
上述のコーティング溶液は、標準的な湿式化学コーティング技法により基板に塗布することができ、これは、基板上のスピンコーティング、浸漬コーティング、ロールツーロールコーティング、スプレーコーティング、及びウェブコーティング等を含むがこれに限定されない。
基板は、例えば、ガラス、石英、ポリカーボネート、シリコーンハードコートポリカーボネート、アクリレートコートポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、又はセルローストリアセテート(TAC)の1つであり得る。
コーティング溶液を基板上で乾燥させ任意に硬化させて、光学コーティングを形成することができる。乾燥は、溶媒を除去するプロセスであり、任意に加熱を伴う。乾燥は、硬化と同時に行ってもよく、又は別個のプロセスを構成してもよい。いくつかの実施形態では、硬化は、50℃〜250℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲の温度を維持することにより行う。代替的に、UV硬化を周囲温度又は高温(すなわち25℃以上)で行う。使用する高温は、基板及びバインダに応じて当業者が選択できる。
光学コーティング及び下の基板の組み合わせは、粒子対バインダの比の操作及びバインダの選択によりマッチングすることができる。光学コーティングは、好ましくは基板の屈折率が1.5である場合、好ましくは40重量%〜60重量%、より好ましくは48重量%〜54重量%、さらにより好ましくは50重量%〜52重量%、最も好ましくは約51重量%のナノ粒子を含む。好ましくは、光学コーティングの残りはバインダであり、場合によっては、使用された任意の添加剤である。このマッチングは、例えば砂粒子が表面に当たることによる連続的な圧力下で又は衝撃時に、光学コーティングの硬さを維持しつつコーティングを屈曲させることを可能にする。
太陽電池用途に関するガラス基板上の光学コーティング
メタノール中1.4重量容量%のメソポーラスシリカナノ粒子(上述)の溶液を、粒子源として用いた(溶液A)。メソポーラスシリカ粒子の平均粒径は20nm〜30nmであった。トリエチルオルトシリケート(TEOS)100μl、イソプロパノール(IPA)2ml、及び塩酸50μlを含むバインダ溶液を調整した(溶液B)。ガラス基板を、アセテート中で60℃にて10分間、IPAで60℃にて10分間洗浄することにより調製してから乾燥させた。基板の寸法は25mm×25mmとした。
スピンコータを用いて光学コーティングを調製した。基板を4200rpmで回転させ、基板を25秒間回転させ続けたまま270μlの溶液Bを堆積させた。これに続き、基板を4200rpmで25秒間回転させたまま270μlの溶液Aを堆積させた。これら2つの堆積ステップを続いて繰り返し、必要な光学的及び機械的特性を有する最終コーティングを与えた。
形成した光学コーティングの構造を図2に断面で示し、図中、光学コーティング1がガス基板2上にある。コーティングしていないガラス基板と比べた反射特性を図3に示す。このように、390nm〜750nmの範囲の可視光の全波長に関する反射率は、2%未満であり、実際には1.5%未満である。これらの低い反射率は、300nm〜1900nmの範囲の波長でも達成することができる。
眼科用途に関するポリカーボネート基板上のシリカ粒子及びシリコーンバインダ
メソポーラスシリカナノ粒子(上述)の溶液(エタノール中4.7重量%)1gをイソプロパノール2.35mlで希釈して、1.4重量%の溶液を得た(溶液A)。SDC Coatings(カリフォルニア州アナハイム)の熱硬化可能なハードコートMP1154Dをバインダとして用いた。1mlのMP1154Dのバインダ溶液をイソプロパノール1mlで希釈して、10重量%のバインダ溶液を得た(溶液B)。3.4mlの溶液Aを0.6mlの溶液Bと混合して、光学コーティング溶液を得た(溶液C)。ポリカーボネートレンズにPR−1165(SDC)を下塗りし、MP−1154D(SDC)を用いてハードコートを施した。レンズを続いて400rpmで60秒間回転させた。500μlの溶液Cを、回転中にレンズの中心に堆積させた。得られた光学コーティングを、続いて空気中で190℃にて4時間硬化させ、光学コーティング1、シリコーンハードコート2、及びポリカーボネート基板3を備える図4に示すコーティング構造を生成した。反射防止層(光学コーティング)有り及び無しの基板の透過率を図5に示す。コーティングで透過率が高いほど、反射の減少を示す。
MP−1154Dハードコート及びプラズマ処理を用いたポリカーボネート基板上のシリカ粒子及びTEOSバインダ
MP−1154Dハードコートでコーティングした5cm×5cmのポリカーボネートプラークを、パワー50%及び酸素1BarのPiCo Systemプラズマ処理装置を用いて1分間、酸素中でプラズマ処理した。
イソプロパノール中5重量%のSiOメソポーラスシリカ粒子1.5gの溶液を、イソプロパノール13.5gで希釈した。バインダ溶液を、テトラエトキシシラン4.5g、HPLCグレードのイソプロパノール20g、及び1M HCl 0.5gから調製し、希釈メソポーラスシリカコロイドと混合して光学コーティング溶液を形成した。PCプラークを続いて溶液中で浸漬コーティングし、80mm/分で引き抜いた。基板を続いて周囲空気中で30秒間乾燥させた後に、浸漬プロセスを4回繰り返した。シリカ粒子は、基板上で得られた光学コーティングの51重量%を構成した。
これら試料の最大透過率は97.8%(UV/VIS分光法を用いて測定)であり、コーティングは耐薄葉紙性(tissue abrasion resistant)であった。全ての例について、耐摩耗性をBS ISO9211−4:2006光学及び光学機器−光学コーティング、第4部、特殊試験法に従って試験した。これは、チーズクロス/薄葉紙又はスチールウールで10回擦ることを伴った。
さらに、疎水性トップコーティングを、ARCの光学特性に著しい悪影響を及ぼすことなく塗布した。これを達成するために、HPLCグレードのイソプロパノール150g、脱イオン水6.4g、Fluorolink S10(Solvay Solexis)1.6g、及び酢酸1.6gから成る溶液を調製した。この溶液を用いた上述の浸漬プロセスにより、単層コーティングを塗布した。光学特性に影響はなかったが、耐スチールウール性が得られた。
MP−1154Dハードコートを用いたガラス基板上のシリカ粒子及びTEOSバインダ
上述と同じコーティングを用いたが、基板を顕微鏡スライドガラスと交換した。Triton X−100を用いて超音波処理により10分間スライドを洗浄してから、脱イオン水で完全にすすぎ、圧縮空気を用いて乾燥させた。それ以上の表面処理は用いなかった。
スライドを上述のように調製し、これは、最大透過率が98.5%で耐薄葉紙性を有していた。この場合も、シリカ粒子は、基板上で得られた膜の51重量%を構成した。疎水性のFluorolink S10コーティングの塗布は、耐スチールウール性を与えた。
HaOH処理を用いたポリカーボネート基板(CR−39)上のシリカ粒子及びMP1154Dバインダ
CR39レンズを、1重量%のTriton X−100溶液で10分間超音波処理してから、脱イオン水で完全にすすぎ、HPLCグレードのイソプロパノールですすぎ、圧縮空気を用いて乾燥させた。レンズを続いて10重量%の水酸化ナトリウム溶液に10分間室温にて浸漬させた。
「粒子」と称するイソプロパノール中1.4重量%のメソポーラスシリカナノ粒子の溶液を、「バインダ」と称する10重量%のMP1154Dの溶液(供給された20重量%溶液からHPLCグレードのイソプロパノールを用いて希釈した)と混合して、光学コーティング溶液を形成した。これら2つの溶液は粒子88重量%で残りがバインダという比(ratio of 88wt% particle with balance of binder)で混合した。
凹面レンズ表面をARC溶液500μLの分注によりコーティングしてから、レンズを4000rpmで30秒間回転させた。レンズの凸面を最初に4000rpmで回転させた後に、ARC溶液1000μlをレンズ中心に分注してから、さらに30秒間回転させた。
レンズを110℃にて3時間硬化させた。シリカ粒子は、基板上で得られた膜の50.7重量%を構成した。得られたコーティングは、レンズの最大光透過率を88%から97%に増加させ、薄葉紙での手動摩擦に耐性があった。
MP1154Dハードコート及びHaOH処理を用いたポリカーボネート基板(CR−39)上のシリカ粒子及びMP1154Dバインダ
CR39レンズを1重量%のTriton X−100溶液で10分間超音波処理してから、脱イオン水で完全にすすぎ、HPLCグレードのイソプロパノールですすぎ、圧縮空気を用いて乾燥させた。レンズを続いてPR−1165に浸漬させて252mm/分の速度で引き抜いてから、15分間空気乾燥させた。レンズをMP−1154Dハードコート溶液に浸漬させ、252mm/分で引き抜いた。レンズを110℃にて3時間硬化させた。完全に硬化したレンズを、10重量%の水酸化ナトリウム溶液に10分間室温にて浸漬させた。
「粒子」と称するイソプロパノール中1.4重量%のメソポーラスシリカナノ粒子の溶液を、「バインダ」と称する10重量%のMP−1154Dの溶液(供給された20重量%溶液からHPLCグレードのイソプロパノールを用いて希釈した)と混合して、光学コーティング溶液を形成した。これら2つの溶液は粒子88重量%で残りがバインダという比で混合した。
凹面レンズ表面をARC溶液500μLの分注によりコーティングしてから、レンズを4000rpmで30秒間回転させた。レンズの凸面を最初に4000rpmで回転させた後に、ARC溶液1000μlをレンズ中心に分注してから、さらに30秒間回転させた。
レンズを110℃にて3時間硬化させた。シリカ粒子は、基板上で得られた膜の50.7重量%を構成した。得られたコーティングは、レンズの最大光透過率を88%から97%に増加させ、薄葉紙での手動摩擦に耐性があった。
MP1154Dハードコート及びプラズマ処理を用いたポリカーボネート基板上のシリカ粒子及びMP1154Dバインダ
SDC TechnologiesのMP−1154Dハードコートでコーティングした予備調製PCレンズを、The Norville Groupから入手して用いた。パワー50%及び酸素1Barに設定したPicoプラズマ処理装置にレンズを1分間入れた。
「粒子」と称するイソプロパノール中1.4重量%のメソポーラスシリカナノ粒子の溶液を、「バインダ」と称する10重量%のMP−1154Dの溶液(供給された20重量%溶液からHPLCグレードのイソプロパノールを用いて希釈した)と混合して、光学コーティング溶液を形成した。これら2つの溶液は粒子88重量%で残りがバインダという比で混合した。
凹面レンズ表面をARC溶液500μLの分注によりコーティングしてから、レンズを4000rpmで30秒間回転させた。レンズの凸面を最初に4000rpmで回転させた後に、ARC溶液1000μlをレンズ中心に分注してから、さらに30秒間回転させた。
レンズを続いて129℃にて4時間硬化させた。シリカ粒子は、基板上で得られた膜の50.7重量%を構成した。得られたコーティングは、レンズの最大光透過率を91%から97%に増加させ、薄葉紙での手動摩擦を切り抜けた。
NaOH処理を用いたトリアセテートセルロース基板上のシリカ粒子及びTEOSバインダ
トリアセテートセルロール(TAC)基板を1重量%のTriton X−100溶液で10分間洗浄して表面から汚れを除去し、その後に脱イオン水ですすいでTriton溶液の痕跡を除去した。各試料を続いて10重量%濃度の水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で合計5分間前処理した。試料を続いて脱イオン水で十分にすすぎ、圧縮空気で乾燥させてNaOHを除去した。
1.4重量%のメソポーラスシリカ粒子溶液を、メタノールでの希釈により5重量%溶液から調製した(溶液A)。テトラエトキシシラン(TEOS)バインダ溶液を、3.5:40:3.5のTEOS:イソプロパノール:0.1M塩酸の比で調製した(溶液B)。反射防止コーティング溶液(溶液C)を、続いてそれぞれ3:2の比での溶液A及び溶液Bの組み合わせから調製した。
調製した反射防止コーティング溶液である溶液Cを、続いて前処理したTAC基板にスピンコーティングした。各コート間で約10秒間の短い待機時間があることで、次の塗布前に前のコーティングを乾燥させた。シリカ粒子は、基板上で得られた膜の50.7重量%を構成した。
反射防止コーティングを基板の両面に2コート施した試料と、基板の片面に2コート施した試料とを調製した。コーティングしていない基板も試験した。試料の光学特性を以下の表1に示す。これらの結果は、基板の両面に反射防止コーティングを2コート塗布することで最大の光学特性が得られることを示す。
酸触媒加水分解を用いたポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)基板上のシリカ粒子及びMP1154Dバインダ
PMMA基板を50重量%のイソプロパノール(IPA)水溶液で10分間音波処理して圧縮空気で乾燥させ、ポリマー表面を水和させて洗浄した。PMMAを、続いて3M硫酸溶液に60℃にて20分間浸漬させた。これに続いて、試料を大量の水ですすいでから、IPAですすぎ、圧縮空気で乾燥させた。
5重量%のSiOメソポーラスシリカ粒子溶液を、イソプロパノールで1.4重量%に希釈し、これを「粒子」と称する。MP−1154Dを用いてこれを約20重量%の固形分から10重量%の固形分に希釈することにより、バインダ溶液を調製した。メソポーラスシリカ粒子及びバインダを、ある粒子対バインダ比で組み合わせて光学コーティング溶液を得た。この混合物を、続いてスピンコーティングにより塗布した。
粒子85%対バインダ15%の比では、コーティングした片面からの光透過率は93.96%の最大透過率となった。シリカ粒子は、基板上で得られた膜の50.7重量%を構成した。
アミノリシスを用いたPMMA基板上のシリカ粒子及びMP1154Dバインダ
PMMA基板を、50重量%のIPA水溶液で10分間音波処理して圧縮空気で乾燥させ、ポリマー表面を水和させて洗浄した。PMMA基板を、エチレンジアミン溶液(IPA中1M)に20分間室温にて浸漬させた。これに続いて、試料を大量の水ですすぎ、IPAですすぎ、圧縮空気で乾燥させた。
5重量%のSiOメソポーラスシリカ粒子溶液を、イソプロパノールで1.4重量%に希釈し、これを「粒子」と称する。MP−1154Dを用いてこれを約20重量%の固形分から10重量%の固形分に希釈することにより、バインダ溶液を調製した。メソポーラスシリカ粒子及びバインダを、ある粒子対バインダ比で組み合わせて光学コーティング溶液を得た。この混合物を、続いてスピンコーティングにより塗布した。
粒子85%対バインダ15%の比では、コーティングした片面からの光透過率は93.7%の最大透過率となった。シリカ粒子は、基板上で得られた膜の50.7重量%を構成した。
シロキサンハードコートを用いたポリカーボネート基板上のシリカ粒子及びTEOSバインダ
The Norville Groupにより供給された予備ハードコートした(シロキサンハードコート)ポリカーボネートレンズを、パワー50%及び酸素圧力1Barに設定したPicoプラズマ処理装置で1分間プラズマ処理した。
5重量%のSiOメソポーラスシリカ粒子溶液を、イソプロパノールで1.4重量%に希釈し、これを「粒子」と称する。テトラエトキシシラン1.75g、イソプロパノール20g、及び0.1M塩酸1.75gから成るバインダを作り、24時間攪拌して加水分解させた。バインダ及び粒子をそれぞれ2:3の比で組み合わせて、光学コーティング溶液を得た。
プラズマ処理に続き、光学コーティング溶液を回転によりレンズに施し、30分間乾燥させてから、溶液を再度スピンダウンさせた。レンズの最大光透過率は片面で95.99%であった。これは、薄葉紙摩耗を切り抜けた。
屈折率1.6〜1.8の樹脂基板(すなわち、Mitsui Resin(MR)1.6及び1.8)上のシリカ粒子及びMP−1154Dバインダ
超音波浴での10分間の音波処理による1重量%のTriton X−100溶液での洗浄により、レンズを調製した。レンズを続いて脱イオン水で洗浄してから、イソプロパノールで洗浄して圧縮空気で乾燥させた。
レンズを続いてプライマ(PR−1165)に浸漬させ、15分間乾燥させてからハードコート(MP−1154D)に浸漬させ、50%RHで30℃まで40分間加熱することにより部分硬化させた。
5重量%のSiOメソポーラスシリカ粒子溶液を、イソプロパノールで1.4重量%に希釈し、これを「粒子」と称する。MP−1154Dを用いてこれを約20重量%の固形分から10重量%の固形分に希釈することにより、バインダ溶液を調製した。メソポーラスシリカ粒子及びバインダを、様々な粒子対バインダ比(以下の表2を参照)で組み合わせて光学コーティング溶液を得た。粒子対バインダの比を変えることで、得られる膜コーティングの光透過性及び耐摩耗性が増減する。良好な光透過性及び耐摩耗性の両方を示す最適な配合物を得るために、正しい比でのこれら2つの特性間の妥協点を求める必要がある。
光学コーティング溶液(すなわち、ARC溶液)を、続いてレンズの両面にスピンダウンさせ、110℃にて4時間硬化させた。
最適な配合物の比は82:18であることが分かり、これは良好な光透過率及び耐摩耗性を示した。
比実験
5重量%のSiOメソポーラスシリカ粒子溶液を、イソプロパノールで1.4重量%に希釈した。MP−1154Dを用いてこれを約20重量%の固形分から10重量%の固形分に希釈することにより、バインダ溶液を調製した。メソポーラスシリカ粒子及びバインダを、様々な粒子対バインダ比(以下の表3を参照)で組み合わせて光学コーティング溶液を得た。粒子対バインダの比を変えることで、得られる膜コーティングの光透過性及び耐摩耗性が増減する。良好な光透過性及び耐摩耗性の両方を示す最適な配合物を得るために、正しい比でのこれら2つの特性間の妥協点を求める必要がある。
シリカ粒子コーティング溶液塗布後の基板への疎水性コーティングの塗布
Fluorolink S10(Solvay Plasticsから入手可能)として知られているエトキシシラン末端基を有する市販の疎水性パーフルオロポリエーテルを、技術データシートの仕様に従って配合した。すなわち、
Fluorolink 1重量%
酢酸 1重量%
水 4重量%
IPA 94重量%
この配合物を、混合物が実質的に均質になるまで合わせて攪拌した。この配合物の薄膜を基板の表面に形成することで、基板の表面エネルギーが低下し、したがってARCの耐摩耗性が向上した。
基板(この場合はMP−1154Dを備えたポリカーボネート)は、浸漬してもスピンコートしてもよい。基板は、引き抜き速度25mm/分で疎水性溶液に浸漬させることができる。代替的に、溶液1000μlを用いて、疎水性コーティングを3250rpmで凸側にスピンコートすることができる。加速度を250rpmに低下させて、凸側のコーティングが剥がれ落ちないように、又はスピンコータからのチャックマークを低減するようにすべきである。凹面コーティングを最初にレンズに供給してから(500ml)、4000rpmの速度で1分間スピンアップした。
最善の硬化条件は、炉内で129℃にて2時間45分であった。レンズの両面に疎水性コーティングがある場合、ARCのみでの95.483%と比べて、95.839%の最大光透過率が観察された。
ガラス及びポリカーボネート基板上のコーティングの硬さ及び弾性率の測定
平均粒径20nm〜30nmのメソポーラスシリカナノ粒子(本発明による)と、ケイ酸を含むバインダとから構成した厚さ150nmのコーティングを、実施例1に示した手順に従って石英及びシリコーンハードコートポリカーボネート基板上に形成した。光学コーティングの硬さ及び弾性率を確認するために、ナノインデンタ(Micro Materials UK)を用いてコーティングを解析した。結果を以下の表4に示し、この結果から、光学コーティング層の弾性率が基板の変化と共に劇的に変わることが分かる。これが証明するのは、力を加えた際に、この場合は超微粒子ダイヤモンドチップの力を受けた際に屈曲が膜に生じ、その変形が下の基板の変形と一致するような、光学コーティングの構造となっていることである。さらなる解析によれば、厚さ150nmの反射防止コーティングが破損するまで5ミクロンまで屈曲する、すなわち、膜がその厚さの33倍まで変形した後に破損が生じることが分かった。この粒子の構成は、各粒子が周囲の粒子と複数の接点を有するので、強度及び可撓性を提供する。
これにより、衝撃下での脆性破損及び膜の層間剥離がなくなり、膜が太陽電池及び眼鏡類等の屋外用途に適したものとなる。比較のために、通常のハードコートポリカーボネートプラークは、硬さが0.9GPaであり、弾性係数が9.0GPaである。物理蒸着法により堆積させた通常の反射防止コーティング(例えば、Norvillleにより供給される)は、インデンタが膜の厚さ約200nmまで達すると脆性膜層間剥離が始まることを示すが、これは、このような層では弾性変形が不可能だからである。
用途
本発明の光学コーティングは、光学(光ファイバを含む)、眼科(たとえば、レンズ等の眼科要素)、ディスプレイ(発光ディスプレイ及び反射ディスプレイの両方、例えば、LCDバックライト、LED、及び/又はAmazon Kindleで用いられるようなEインクディスプレイを含む)、太陽光収集(太陽電池、及び例えばシリコン太陽電池のSiコーティング上の反射防止コーティングとしてのそのコンポーンネントを含む)、照明コンポーネント、窓(例えば、建物用の窓、車両窓(例えば、自動車)、レーザ窓、セルフクリーニング窓、及びZnO:Al、酸化インジウムスズ(ITO)、又は他の透明コート窓等の帯電防止窓)、写真/絵画の保護用ガラス、陳列ケース、魚槽/観賞魚水槽、及び機器表示パネル等、多くの分野で用いることができる。光学コーティングの1つの例示的な用途は、太陽光電池の上のガラス又はポリマー窓上にある。太陽電池は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜シリコン、及びハイブリッド技術等の任意の適当な種類のものであり得る。光学コーティングは、太陽光を太陽電池セルに集めて指向させるために用いる太陽光集光装置として知られる他の光学コンポーネントで用いてもよい。このようなコンポーネントに適したポリマー材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及び二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)等のポリオレフフィンが挙げられるが、これに限定されない。しかしながら、本発明を具現した光学コーティングは、一般的なディスプレイ及び一般的な窓用途に、例えば建物の熱管理に用いることもできる。本発明を具現した光学コーティングは、ガラス材料製かプラスチック材料製かを問わず眼科要素、例えば眼鏡レンズに用いることもできる。

Claims (15)

  1. バインダと細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子とを備えた光学コーティング。
  2. 溶媒と細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子とを備えた光学コーティングを形成するための溶液。
  3. 光学コーティングを作製する方法であって、
    (i)バインダ、溶媒、及び細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子を備えた光学コーティングを形成する溶液、又は(ii)バインダ及び溶媒を含むものと、細孔がランダムに配向された複数の多孔質シリカナノ粒子及び溶媒を含むものとの、光学コーティングを形成するための2つの溶液を調製するステップと、
    前記溶液を基板に塗布するステップと、
    前記溶液から溶媒を除去して前記光学コーティングを形成するステップと
    を含む方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記細孔は、疎水層を少なくとも部分的に備えた内面を有するコーティング、溶液、又は方法。
  5. 請求項4に記載のコーティング又は方法において、前記バインダは親水性であるコーティング又は方法。
  6. 請求項5に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記バインダは、テトラエトキシシラン又は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含むシロキサン系ハードコートであるコーティング、溶液、又は方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記細孔へのバインダ浸入が実質的にないコーティング、溶液、又は方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記細孔の体積の少なくとも50%は空気であるコーティング、溶液、又は方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記ナノ粒子は、10nm未満の平均孔径を有するコーティング、溶液、又は方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記ナノ粒子は、20nm〜30nmの範囲の平均直径を有するコーティング、溶液、又は方法。
  11. 請求項3〜10のいずれか1項に記載の方法において、前記光学コーティングを塗布する前記基板の表面を前記溶液の塗布前に処理し、該処理は前記基板の表面エネルギーを増加させる方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のコーティング、溶液、又は方法において、前記光学コーティングは、下の基板の弾性率の半分よりも大きく2倍未満の弾性率を有するコーティング、溶液、又は方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学コーティングを備えた太陽電池、レンズ、照明コンポーネント、窓、又はガラスパネル。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の基板及び光学コーティングの組み合わせであって、前記コーティングは、前記基板の屈折率の平方根の±20%の屈折率を有する組み合わせ。
  15. 光学コーティングの製造における細孔がランダムに配向された多孔質シリカナノ粒子の使用。
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