JP7495580B2 - エンドミル - Google Patents

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Description

本発明は、特に切りくずを排出し易くできると共に、切りくずの巻き付きを抑制できるエンドミルに関するものである。
切削工具の一種であるエンドミルは、円柱状の工具本体と、工具本体の外周に凹設されるねじれ溝と、工具本体の先端部に形成される底刃と、を備えている。従来、このエンドミルにおいて、ねじれ溝の先端側に凹設したギャッシュにより底刃のすくい面が形成されるものが知られている。例えば、特許文献1では、このギャッシュによるすくい面が平坦面によって形成され、そのすくい面と逃げ面との稜線からなる底刃が直線状に形成されている。
特開2017-226048号公報
しかしながら、特許文献1のように底刃が直線状である場合には、その底刃によって生成される切りくずがギャッシュ内で滞留し易く、エンドミルの外部へ切りくずが排出され難いという問題点がある。更に、直線状の底刃で生成された切りくずは、比較的厚くて分断され難いため、その切りくずがエンドミルに巻き付き易いという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、切りくずを排出し易くできると共に、切りくずの巻き付きを抑制できるエンドミルを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のエンドミルは、軸線を回転軸として回転される円柱状の工具本体と、前記工具本体の外周に前記軸線回りにねじれて凹設されるねじれ溝と、前記工具本体の先端部に形成される底刃と、前記底刃から周方向に延びる逃げ面と、外周側から前記軸線に向かって前記ねじれ溝の先端側に凹設され、前記底刃のすくい面を形成するギャッシュと、を備え、前記ギャッシュにより形成された前記すくい面が凹状の湾曲面に形成され、前記ギャッシュにより形成された前記すくい面と前記逃げ面との稜線からなる前記底刃が軸線方向視において凹状に湾曲し、前記ギャッシュは、軸線方向のうち前記先端部へ向かうにつれて深くなり、前記すくい面は、前記ギャッシュの溝底と平行に延びる溝であって径方向の中央部分が凹んだ溝により凹状の湾曲面に形成されている
請求項1記載のエンドミルによれば、ギャッシュにより形成された凹状の湾曲面のすくい面により底刃が軸線方向視において凹状に湾曲しているので、底刃による切削時には、湾曲面における径方向の中央部分へ切りくずを案内するように、切りくずを螺旋状に生成でき、ギャッシュ内での切りくずの滞留を抑制できる。これにより、ギャッシュの近傍からエンドミルの外部へ切りくずを排出し易くできる。また、直線状の底刃と比べ凹状の底刃の方が、同一量を長い底刃で切削できるため、底刃により生成される切りくずを薄くし易い。その結果、切りくずを分断させ易くできるので、エンドミルへの切りくずの巻き付きを抑制できる。
請求項2記載のエンドミルによれば、請求項1記載のエンドミルの奏する効果に加え、次の効果を奏する。軸線方向視において、底刃のうち最も周方向に凹んだ点の接線から底刃の最外端までの最短距離である凹量をmとし、工具本体の直径をDとする。m≦0.05Dを満たすことで、エンドミルの剛性を確保でき、エンドミルの折損を抑制できる。
請求項3記載のエンドミルによれば、請求項1又は2に記載のエンドミルの奏する効果に加え、次の効果を奏する。軸線方向視において、底刃のうち最も周方向に凹んだ点の接線から底刃の最外端までの最短距離である凹量をmとし、軸線に垂直な仮想平面と逃げ面とのなす角度をβとする。m<0.15/tanβを満たすことで、底刃による切削面の平面度を0.15mm未満にし易くできる。この切削面の平面度が0.15mm未満であれば、例えば、その後の切削面の仕上げ加工において1回で平面度を0.02~0.05mmに仕上げることができ、仕上げ加工の加工回数を低減できる。
請求項4記載のエンドミルによれば、請求項1から3のいずれかに記載のエンドミルの奏する効果に加え、次の効果を奏する。底刃は、軸線に面する中心刃を備える。この中心刃によってエンドミルによる軸線方向への切削を可能にできる。特に、軸線方向への切削時に切りくずの排出や巻き付きが問題になり易いが、上述の通り、凹状の底刃によって、切りくずを排出し易くできると共に、エンドミルへの切りくずの巻き付きを抑制できる。
請求項5記載のエンドミルによれば、請求項1から4のいずれかに記載のエンドミルの奏する効果に加え、次の効果を奏する。互いに連なる底刃、ギャッシュ及びねじれ溝は、周方向に複数設けられる。軸線に垂直な仮想平面に対するギャッシュの溝底の勾配であるギャッシュ角を20°以上65°以下とする。これにより、複数のギャッシュからねじれ溝を通して切りくずを排出し易くでき、切りくずの噛み込み等に起因した切削抵抗の増大を抑制し易くできる。
請求項6記載のエンドミルによれば、請求項1から5のいずれかに記載のエンドミルの奏する効果に加え、次の効果を奏する。ねじれ溝のねじれ角を20°以上50°以下とすることで、底刃で生成された切りくずを排出し易くでき、切りくずの噛み込み等に起因した切削抵抗の増大を抑制し易くできる。
一実施形態におけるエンドミルの側面図である。 エンドミルの底面図である。 比較例及び実施例のエンドミルに作用するトルク荷重を示すグラフである。 比較例及び実施例のエンドミルに作用するスラスト荷重を示すグラフである。
以下、好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、一実施形態におけるエンドミル10の側面図である。図2は、エンドミル10の底面図である。なお、図1では、エンドミル10の先端(底面)側を拡大して示している。
エンドミル10は、加工機械(図示せず)から伝達される回転力によって被加工物(図示せず)を切削加工するための工具であり、ソリッドタイプのスクエアエンドミルとして構成されている。エンドミル10は、タングステンカーバイド等を加圧焼結した超硬合金からなる工具本体11を備える。なお、工具本体11の素材は、超硬合金に限らず、高速度工具鋼としても良い。
工具本体11は、軸線Oを中心とした円柱状に形成され、基端側(図1紙面上側)にシャンク(図示せず)が設けられる。このシャンクを加工機械のホルダーに保持させることで、エンドミル10が加工機械に取り付けられ、軸線Oを回転軸として加工機械によってエンドミル10が回転する。
工具本体11の先端側(図1紙面下側)には、ねじれ溝12、外周刃14、底刃16a~16c、ギャッシュ18a~18cが主に形成されている。これらの各部により工具本体11に刃部が形成され、刃部によって被加工物の切削加工が行われる。
ねじれ溝12は、切削加工中の切りくずの収容および排出を行うためのものである。ねじれ溝12は、工具本体11の先端部から基端側へ向けて、工具本体11の外周に軸線O回りにねじれて(螺旋状に)凹設される。3本のねじれ溝12は、軸線Oに対して対称に配置されている。
外周刃14は、被加工物を切削するための部位である。外周刃14は、3本のねじれ溝12の周方向の一端縁(回転方向の後端縁)に沿って工具本体11の外周にそれぞれ計3枚が形成され、普通刃から構成されている。外周刃14のすくい面は、ねじれ溝12によって形成される。
エンドミル10の側面視(軸線Oに垂直な方向から見た場合)における、軸線Oに対するねじれ溝12(外周刃14)の傾斜角度をねじれ角θ1と言う。このねじれ角θ1が大きい程、切削時の外周刃14に加わる負荷が減少して外周刃14の耐久性を向上できる一方で、外周刃14による切削抵抗が大きくなる。
なお、ねじれ角θ1が20°以上であれば、ねじれ溝12内の切りくずをその傾斜に沿って基端側へ送り出し易くできる。これにより、被加工物と底刃16a~16cや外周刃14との間に切りくずを噛み込み難くでき、その噛み込みに起因した切削抵抗の増大を抑制し易い。また、ねじれ角θ1が50°以下であれば、外周刃14の長さを抑制でき、外周刃14による切削時の切削抵抗の増大を抑制し易い。
底刃16a~16cは、外周刃14と同様に被加工物を切削するための部位であり、工具本体11の先端部に形成されている。3枚の底刃16a~16cは、3枚の外周刃14にそれぞれ連なるように設けられている。
底刃16a~16cから周方向に延びる逃げ面17a~17cが、工具本体11の先端面に形成されている。逃げ面17a~17cは、底刃16a~16cから離れるにつれて、軸線Oに垂直な仮想平面から離れるように上昇傾斜する。この仮想平面と逃げ面17a~17cとのなす角度である逃げ角βが大きい程、底刃16a~16cによる切削時の摩擦が低下する一方で、底刃16a~16cの強度が低下する。
ギャッシュ18a~18cは、底刃16a~16cを軸線O側まで延長すると共に、底刃16a~16cで生成された切りくずの排出性能を高めるための溝である。ギャッシュ18a~18cは、外周側から軸線Oに向かって、3本のねじれ溝12の先端側にそれぞれ1本ずつ計3本が凹設されている。
ギャッシュ18a~18cは、エンドミル10の先端へ向かうにつれて深くなるように形成されている。ギャッシュ18aは、エンドミル10の先端でギャッシュ18bに連なり、ギャッシュ18bは、エンドミル10の先端でギャッシュ18cに連なる。ギャッシュ18cは、2本のギャッシュ18a,18bよりも浅く形成されており、ギャッシュ18aに連ならない。
これにより、ギャッシュ18aに面する底刃16aには、軸線Oに面する中心刃24が形成される。この中心刃24によって底刃16aが工具本体11の半径(D/2)よりも長くなり、軸線O近傍でも被加工物を底刃16a(中心刃24)で切削できる。即ち、中心刃24によってエンドミル10による軸線O方向への切削(ヘリカル加工やランピング加工、突込み加工など)が可能となる。
ギャッシュ18a~18cは、底刃16a~16cのすくい面19a~19cを形成すると共に、そのすくい面19a~19cと周方向に相対するギャッシュ面20a~20cを形成する。すくい面19a~19cとギャッシュ面20a~20cとの境界部分がギャッシュ18a~18cの溝底21a~21cである。本実施形態では溝底21a~21cが直線状に形成されているが、溝底21a~21cを幅広の帯状に形成しても良い。
軸線Oに垂直な仮想平面に対する溝底21a~21cの勾配をギャッシュ角θ2と言う。このギャッシュ角θ2が大きい程、ギャッシュ18a~18cによる切りくずの収容空間の容積を大きくできる一方で、工具本体11の先端部の肉厚が薄くなって剛性が低下する。
なお、ギャッシュ角θ2が20°以上であれば、ギャッシュ18a~18cによる切りくずの収容空間の容積を十分に確保できる。これにより、被加工物と底刃16a~16cや外周刃14との間に切りくずを噛み込み難くでき、その噛み込みに起因した切削抵抗の増大を抑制し易い。また、ギャッシュ角θ2が65°以下であれば、ギャッシュ18a~18c近傍の工具本体11の剛性を十分に確保でき、例えば工具本体11の変形や欠けに伴う切削抵抗の増大を抑制し易い。
すくい面19a~19cは、凹状の湾曲面によって形成されている。より具体的に、すくい面19a~19cは、軸線Oに対し傾いた溝底21a~21cと平行に延びる溝であって、径方向の中央部分が凹んだ溝によって形成されている。これにより、すくい面19a~19cが平坦面である場合と比べて凹状の湾曲面である方が、特に底刃16a~16cの外周側のギャッシュすくい角を大きくし易い。その結果、底刃16a~16cにより生成される切りくずを薄くし易い。
なお、ギャッシュすくい角とは、軸線Oと底刃16a~16cの一点とを含む仮想平面に対する、その一点に連なる部分のすくい面19a~19cの傾斜角度を言う。ギャッシュすくい角は、特に指定が無ければ、底刃16a~16cの径方向の中央の一点におけるものを指す。また、ギャッシュすくい角は、軸線Oを含む仮想平面に対しすくい面19a~19cが切削方向の後方側にある場合を正とし、切削方向の前方側にある場合を負とする。
なお、ギャッシュすくい角が-20°~20°の範囲にあれば、底刃16a~16cの耐久性と必要な切削力とのバランスを取ることができ、底刃16a~16cの変形や欠けに伴う切削抵抗の増大を抑制し易く、切削力に応じた切削抵抗の増大を抑制し易い。
ギャッシュ面20a~20cは、平坦面によって形成されている。なお、ギャッシュ面20a~20cに垂直な断面において、そのギャッシュ面20a~20cと、相対するすくい面19a~19cとは互いに平行である。
また、すくい面19a~19cが凹状の湾曲面であるため、すくい面19a~19cと逃げ面17a~17cとの稜線によって形成される底刃16a~16cも凹状に湾曲する。具体的に、底刃16a~16cは、軸線O方向視において径方向の中央部分が周方向に凹むように湾曲する。
これにより、凹状の底刃16a~16cによる被加工物の切削時には、すくい面19a~19cの湾曲面の中央側へ切りくずを案内するように、切りくずを螺旋状に生成できる。そのため、ギャッシュ18a~18c内での切りくずの滞留を抑制できるので、ギャッシュ18a~18cの近傍からエンドミル10の外部へ切りくずを排出し易くできる。
また、底刃16a~16cが直線状である場合と比べて凹状である方が、同一量の被加工物を長い底刃16a~16cで切削できるため、底刃16a~16cにより生成される切りくずを薄くし易い。その結果、エンドミル10の回転に伴う遠心力によって切りくずを分断させ易くできるので、エンドミル10への切りくずの巻き付きを抑制できる。
特に、中心刃24を有するエンドミル10は、軸線O方向への切削が可能であり、この軸線O方向への切削時に切りくずの排出や巻き付きが問題になり易い。しかし、上述した通り、凹状の底刃16a~16cによって、切りくずを排出し易くできると共に、エンドミル10への切りくずの巻き付きを抑制できる。
エンドミル10の先端部において、すくい面19a~19cが外周刃14まで設けられることで、すくい面19a~19cによる凹状の底刃16a~16cがエンドミル10の外周端まで設けられ、ギャッシュランド(図示せず)を形成している。これにより、底刃16a~16cと外周刃14とによる刃先コーナの強度を向上でき、エンドミル10の折損を抑制できる。
軸線O方向視において、底刃16a~16cのうち最も周方向に凹んだ点の接線から、その底刃16a~16cの最外端までの最短距離を凹量mとする。凹量mは、工具本体11の直径(外周刃14の直径)Dに対し、m≦0.05Dを満たすことが好ましい。m>0.05Dでは、工具本体11の直径Dに対し凹量mが大き過ぎて、ギャッシュ18a~18c近傍の工具本体11の肉厚が確保できず、エンドミル10が折損し易くなるおそれがある。これに対し、m≦0.05Dを満たすことで、エンドミル10の剛性を確保でき、エンドミル10の折損を抑制できる。
また、凹状の湾曲面によるすくい面19a~19cと、底刃16a~16cから離れるにつれて上昇傾斜する逃げ面17a~17cとの組み合わせによって、そのすくい面19a~19cを正面から見た場合にも、底刃16a~16cの径方向の中央部分が基端側(上側)へ若干凹む。この底刃16a~16cの軸線O方向の凹量は、周方向の凹量m及び逃げ角βを用いて、m×tanβと算出される。
この底刃16a~16cの軸線O方向の凹量と、底刃16a~16cによる切削面の平面度とが略同一になる。切削面の平面度を、エンドミル10による切削後の仕上げ加工において1回で0.02~0.05mmに仕上げるためには、エンドミル10による切削直後の平面度を0.15mm未満にすることが好ましい。m<0.15/tanβを満たすことによって、底刃16a~16cによる切削面の平面度を0.15mm(軸線O方向の凹量を0.15mm)未満にし易くでき、その後の仕上げ加工の加工回数を低減できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例では、上記実施形態で説明したエンドミル10を用いた。なお本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例のエンドミルでは、工具本体11の素材を超硬合金、工具本体11の直径Dを6mm、ねじれ角θ1を41°、逃げ角βを6°、ギャッシュ角θ2を45°、凹量mを0.15mm、ギャッシュすくい角3°とした。
実施例のエンドミルは、上述した通り、すくい面19a~19cが凹状の湾曲面であって底刃16a~16cが凹状である。これに対し、比較例のエンドミルは、すくい面を平坦面とし、そのすくい面と逃げ面との稜線による底刃を直線状としたものであり、その他の構成は実施例と同一である。
これらの実施例および比較例のエンドミルを用いて、突込み加工試験を行い、エンドミルへの切りくずの巻き付きを評価した。巻き付き評価のための突込み加工試験の各条件は、被加工物:SCM440(30HRC)、切削速度:80m/min、回転速度:4244min-1、送り速度:127mm/min、軸方向の切込深さ:3mm、冷却方法:ドライ、ドウェル(加工穴の底でエンドミルの送り待機):0.5secとした。
この突込み加工試験において、比較例では、エンドミルに切りくずが巻き付くことが確認され、切りくずの巻き付きに起因してエンドミルが折損する場合もあった。一方、実施例では、エンドミルに切りくずが巻き付かないことが確認された。よって、すくい面19a~19cを凹状の湾曲面とし底刃16a~16cを凹状に湾曲させることで、エンドミルへの切りくずの巻き付きを抑制できることが明らかとなった。
次に、実施例および比較例のエンドミルを用いて、突込み加工試験時におけるエンドミルの切削抵抗(負荷トルクおよびスラスト荷重)を測定した。この突込み加工試験の各条件は、被加工物:SUS304、切削速度:50m/min、回転速度:2650min-1、送り速度:60mm/min、軸方向の切込深さ:3mm、冷却方法:ウェット(切削油)、ドウェル:0.5secとした。
比較例における負荷トルク-加工時間のグラフを図3(a)に示し、実施例における負荷トルク-加工時間のグラフを図3(b)に示す。比較例におけるスラスト荷重-加工時間のグラフを図4(a)に示し、実施例におけるスラスト荷重-加工時間のグラフを図4(b)に示す。
いずれのグラフも横軸が加工時間(Time)[s]である。横軸の左端が加工開始時点であり、右端が加工終了時点である。図3(a)及び図3(b)では、縦軸が負荷トルク(Torque)[N・cm]であり、図4(a)及び図4(b)では、縦軸がスラスト荷重(Thrust)[N]である。
図3(a)及び図4(a)に示すように、比較例では、突込み加工の終了間際で負荷トルク及びスラスト荷重が増大することが確認された。直線状の底刃で生成された切りくずがギャッシュやねじれ溝12内に滞留してしまい、その切りくずが被加工物と底刃や外周刃14との間に噛み込まれることに起因して、負荷トルク及びスラスト荷重が増大したと推察される。
これに対し、図3(b)及び図4(b)に示すように、底刃16a~16cが凹状である実施例では、突込み加工の終了間際で負荷トルク及びスラスト荷重が増大することは無く、略一定の負荷トルク及びスラスト荷重で加工が行われることが確認された。このとき、実施例では、比較例と比べて切りくずがエンドミルの外部へ良好に排出されていることが確認された。以上の結果、すくい面19a~19cを凹状の湾曲面とし底刃16a~16cを凹状に湾曲させることで、エンドミルの外部へ切りくずを排出し易くできたため、切削抵抗を抑制できたものと推察される。
次に実施例のエンドミルのねじれ角θ1、ギャッシュ角θ2、ギャッシュすくい角を変化させた複数のサンプルを作成し、突込み加工試験時における各サンプルの切削抵抗を評価した。この突込み加工試験の各条件は、上述した実施例および比較例の切削抵抗の測定時と同一とした。
各サンプルのエンドミルの切削抵抗の評価を以下の表1に示す。なお、各サンプルの切削抵抗の評価は、図3(b)及び図4(b)に示すように、サンプルによる加工時の切削抵抗(負荷トルク及びスラスト荷重)が略一定である場合に「○」とした。また、サンプルによる加工時の負荷トルク及びスラスト荷重に、図3(a)及び図4(a)に示すような切削抵抗の増大が見られた場合に、排出性能を「△」とした。また、切削抵抗の増大が図3(a)及び図4(a)よりも大きい場合、又は、サンプルの製造が構造的に不可能である場合に、排出性能を「×」とした。
なお、サンプルによる加工時の切削抵抗の増大の原因は、滞留した切りくずの噛み込みだけでなく、工具本体11の変形や欠け、外周刃14による切削部分の増大などが挙げられる。よって、サンプルの切削抵抗の増大が見られた場合でも、そのサンプルの切りくずの排出性が必ずしも低下しているとは言えない。
Figure 0007495580000001
表1に示すように、ギャッシュ角θ2が20°以上65°以下、且つ、ギャッシュすくい角が-20°~20°の範囲、且つ、ねじれ角θ1が20°以上50°以下である場合に、サンプルの切削抵抗を抑制できることが明らかとなった。これらの角度の条件下では、エンドミルの外部へ切りくずを排出し易くでき、他に切削抵抗の増大の要因が無かったため、切削抵抗を抑制できたものと推察される。
次に実施例のエンドミルの直径D[mm]及び凹量m[mm]を変化させた複数のサンプルと、比較例のエンドミルの直径Dを変化させた複数の比較品とを作成した。これら各サンプル及び各比較品に対し突込み加工試験を行い、各サンプルのエンドミルの耐久性を評価した。この突込み加工試験の各条件は、上述した実施例および比較例の切削抵抗の測定時と同一とした。
各サンプルのエンドミルの耐久性を以下の表2に示す。なお、各サンプルの耐久性は、同じ直径Dの比較品が折損するまでに加工できた数である加工可能数に基づいて評価した。比較品の加工可能数に対してサンプルの加工可能数が0.9~1.1倍である場合に、即ちそれらの加工可能数が略同一である場合に、耐久性を「△」とした。比較品の加工可能数に対してサンプルの加工可能数が1.1倍よりも多い場合に、耐久性を「○」とした。比較品の加工可能数に対してサンプルの加工可能数が0.9倍よりも少ない場合、又は、サンプルの製造が構造的に不可能である場合に、耐久性を「×」とした。
Figure 0007495580000002
表2に示すように、直径Dの大小に関わらず、m≦0.05Dを満たすことで、直線状の底刃を有する比較品に対し、実施例の各サンプルの耐久性(剛性)を向上できることが確認された。
以上、実施形態および実施例に基づき説明したが、本発明は上記形態等に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。外周刃14や底刃16a~16c等の数、ねじれ角θ1やギャッシュ角θ2等の数値は適宜変更しても良い。
上記実施形態では、エンドミル10がスクエアエンドミルとして構成される場合について説明したが、これに限られない。例えば、ラジアスエンドミルとしてエンドミル10を構成しても良い。また、エンドミル10は、ソリッドタイプに限らず、スローアウェイタイプとしても良い。
上記実施形態では、外周刃14が普通刃から構成される場合について説明したが、これに限られない。複数の溝を設けたニック刃や、波状のラフィング刃から外周刃14を構成しても良い。
上記実施形態では、刃先コーナにギャッシュランドが形成されたエンドミル10について説明したが、これに限られない。エンドミル10の先端部において、すくい面19a~19cを外周刃14まで設けないことで、刃先コーナをシャープコーナとしても良い。また、刃先コーナにチッピング防止用の微小Rを設けても良い。
10 エンドミル
11 工具本体
12 ねじれ溝
16a~16c 底刃
17a~17c 逃げ面
18a~18c ギャッシュ
19a~19c すくい面
21a~21c 溝底
24 中心刃
O 軸線
D 直径
m 凹量
β 逃げ角
θ1 ねじれ角
θ2 ギャッシュ角

Claims (6)

  1. 軸線を回転軸として回転される円柱状の工具本体と、
    前記工具本体の外周に前記軸線回りにねじれて凹設されるねじれ溝と、
    前記工具本体の先端部に形成される底刃と、
    前記底刃から周方向に延びる逃げ面と、
    外周側から前記軸線に向かって前記ねじれ溝の先端側に凹設され、前記底刃のすくい面を形成するギャッシュと、を備え、
    前記ギャッシュにより形成された前記すくい面が凹状の湾曲面に形成され、前記ギャッシュにより形成された前記すくい面と前記逃げ面との稜線からなる前記底刃が軸線方向視において凹状に湾曲し
    前記ギャッシュは、軸線方向のうち前記先端部へ向かうにつれて深くなり、
    前記すくい面は、前記ギャッシュの溝底と平行に延びる溝であって径方向の中央部分が凹んだ溝により凹状の湾曲面に形成されていることを特徴とするエンドミル。
  2. 軸線方向視において、前記底刃のうち最も周方向に凹んだ点の接線から前記底刃の最外端までの最短距離である凹量をmとし、
    前記工具本体の直径をDとした場合に、
    m≦0.05D
    を満たすことを特徴とする請求項1記載のエンドミル。
  3. 軸線方向視において、前記底刃のうち最も周方向に凹んだ点の接線から前記底刃の最外端までの最短距離である凹量をmとし、
    前記軸線に垂直な仮想平面と前記逃げ面とのなす角度をβとした場合に、
    m<0.15/tanβ
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンドミル。
  4. 前記底刃は、前記軸線に面する中心刃を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンドミル。
  5. 互いに連なる前記底刃、前記ギャッシュ及び前記ねじれ溝は、周方向に複数設けられ、
    前記軸線に垂直な仮想平面に対する前記ギャッシュの溝底の勾配であるギャッシュ角は、20°以上65°以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエンドミル。
  6. 前記ねじれ溝のねじれ角は、20°以上50°以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエンドミル。
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