JP7492190B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板と樹脂板とが中間層を介して接着一体化された積層体を製造するための方法に関する。
周知のように、ガラス板は、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性に優れる反面、物理衝撃や熱衝撃に対して破損しやすいという欠点を持つ。このガラス板の欠点を解消するため、ガラス板と樹脂板とを中間層(接着層)を介して一体化させた積層体が提案されている(特許文献1を参照)。
樹脂板は、ガラス板と比較して耐候性、耐薬品性、耐擦傷性に劣る反面、ガラス板よりも比重が小さく、物理衝撃にも強いという利点がある。このため、上記の積層体では、ガラス板と樹脂板との各々における短所を、各々の長所により補うことが可能である。さらに、上記の積層体においては、当該積層体と同じ厚みを有するガラス板に比べて大幅に軽量化を図ることも可能である。
上記の積層体を製造するにあたっては、中間層として、例えば熱可塑性又は熱硬化性の中間層を使用することができる。熱可塑性の中間層を使用する場合、一例として下記のような工程を経て積層体が製造される。
まず、常温下において、図2(a)に示すように、樹脂板100の表裏両側のそれぞれに中間層200を介してガラス板300を重ね合わせ、積層体400の元となる仮積層体400xを作製する。次に、仮積層体400xに対して熱処理を行う。具体的には、オートクレーブを使用して仮積層体400xを加圧しながら加熱し、その温度を中間層200の軟化点を超える温度にした後、所定の時間保持し、その後、仮積層体400xを冷却する。冷却過程の軟化点付近で中間層200が固化し、樹脂板100とガラス板300とが中間層200を介して接着され一体化される。このようにして、図2(b)に示すような積層体400が得られる。
特開2012-254625号公報
しかしながら、上記の積層体の製造方法においては、下記のような解決すべき問題が生じていた。
すなわち、上記の製造方法では、仮積層体400xを加熱し、その温度を昇温させるのに伴って、仮積層体400xに含まれた樹脂板100の寸法が伸びる。これに対し、一体化後の樹脂板100およびガラス板300の温度を降温させる際には、昇温時とは反対に樹脂板100の寸法が縮む。しかしながら、降温後の樹脂板100の寸法は、昇温前と同じ寸法までは戻らず、昇温前よりも大きくなる。これは、昇温時の樹脂板100は、ガラス板300と接着される前の状態にあるのに対し、降温時(より具体的には中間層200の軟化点未満)の樹脂板100は、既にガラス板300と接着された後の状態にあることによる。つまり、昇温時の樹脂板100は、概ね自由に伸長が可能である一方で、降温時(中間層200の軟化点未満)の樹脂板100は、当該樹脂板100よりも大幅に熱膨張率が小さいガラス板300により寸法の縮みが大きく阻害される。このとおり、上記の製造方法では、熱処理の前後で樹脂板100の寸法が変化し、熱処理後には熱処理前と比較して樹脂板100の寸法が伸びた(ΔLだけ伸びた)状態となる。
ここで、仮積層体400xの作製に際して準備する樹脂板100としては、その寸法La(熱処理前の寸法)が、積層体400を構成する樹脂板100の設計寸法Lb(寸法のみを図示)と同一であるものを準備していた。ところがこの場合、熱処理後の樹脂板100の寸法Lc(=寸法La+伸びΔL)が熱処理前の寸法Laよりも大きくなることにより、熱処理後の樹脂板100の寸法Lcが、設計寸法Lbに対して過大になってしまう不具合があった。そのため、積層体400を得たのち、これを製品として仕上げるにあたり、過大になった樹脂板100の寸法Lcを設計寸法Lbまで修正するべく、樹脂板100の外周端部を加工することが必要であった。これにより、製造コストが高騰してしまう問題が生じていた。
上記の事情に鑑みなされた本発明は、中間層を使用してガラス板と樹脂板とを接着一体化させた積層体を製造するに際して、製造コストを抑制することを技術的な課題とする。
上記の課題を解決するための本発明は、ガラス板と樹脂板と両板の相互間に介在させる中間層とを重ね合わせて仮積層体を作製する積層工程と、仮積層体を加熱することで、ガラス板と樹脂板とが中間層を介して接着一体化された積層体を得る熱処理工程と、を含んだ積層体の製造方法であって、積層工程で準備する樹脂板の寸法を、積層体を構成する樹脂板の設計寸法よりも小さくすることを特徴とする。
本製造方法では、積層工程で準備する樹脂板の寸法を、積層体を構成する樹脂板の設計寸法よりも小さくしている。これにより、熱処理工程前と比較して大きくなる熱処理工程後の樹脂板の寸法が、設計寸法に対して過大となることを回避できる。従って、熱処理工程により積層体を得たのち、これを製品として仕上げるために、樹脂板の寸法を設計寸法まで修正するべく外周端部を加工するような作業を皆無、或いは、大幅に少なくすることが可能となる。その結果、製造コストを抑制できる。
上記の製造方法において、積層工程で準備する樹脂板の寸法を、樹脂板の設計寸法、熱処理工程で樹脂板が接着一体化する温度と常温との差、及び、樹脂板の熱膨張率に基づいて決定することが好ましい。
熱処理工程における樹脂板の伸びは、主に樹脂板の設計寸法、熱処理工程で樹脂板が接着一体化する温度と常温との差、及び、樹脂板の熱膨張率に応じて変化する。このため、樹脂板の設計寸法、熱処理工程で樹脂板が接着一体化する温度と常温との差、及び、樹脂板の熱膨張率に基づいて積層工程で準備する樹脂板の寸法を決定すれば、上述の樹脂板の外周端部を加工する作業を的確に皆無、或いは、大幅に少なくすることが可能となる。
上記の製造方法において、積層工程で準備する樹脂板の寸法L1を、下記の[数1]式に基づいて決定することが好ましい。
Figure 0007492190000001

ここで、L2は樹脂板の設計寸法、ΔTは熱処理工程で樹脂板が接着一体化する温度と常温との差、αは樹脂板の熱膨張率である。
このようにすれば、上述の樹脂板の外周端部を加工する作業を皆無にでき、製造コストを更に抑制することが可能となる。これは下記の理由による。すなわち、積層工程にて寸法がL1の樹脂板を準備した場合、その後の熱処理工程において、熱処理工程前に対する熱処理工程後の樹脂板の伸びは、略L1×α×ΔTとなることが発明者の鋭意研究により判明した。このことから、熱処理工程前の樹脂板の寸法であるL1と、熱処理工程に伴う樹脂板の伸びであるL1×α×ΔTとの和が、樹脂板の設計寸法であるL2と等しくなるように、[数1]式に基づいてL1を決定する。これにより、熱処理工程後の樹脂板の寸法が設計寸法よりも大きくなることを略確実に防止できる。また、仮に熱処理工程後の樹脂板の寸法が設計寸法よりも大きくなったとしても、設計寸法との差異を許容される誤差の範囲(寸法公差)に収めることができる。その結果、上述の作業を不要とすることが可能となり、製造コストを更に抑制できる。
上記の製造方法において、積層工程では、樹脂板の表裏両側のそれぞれに中間層を介してガラス板を重ね合わせた仮積層体を作製することが好ましい。
このようにすれば、積層体として、樹脂板を基準として表側と裏側とが対称な構造を有する積層体を製造できる。これにより、積層体に反りが発生するような恐れを可及的に排除することが可能となる。
本発明によれば、中間層を使用してガラス板と樹脂板とを接着一体化させた積層体を製造するに際して、製造コストを抑制することが可能となる。
(a)は、積層工程により作製される仮積層体を示す断面図であり、(b)は、熱処理工程により得られる積層体を示す断面図である。 (a),(b)は、従来技術の問題点を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る積層体の製造方法について、添付の図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、図1(a)に示す積層工程と、積層工程の後に実行される熱処理工程とを含んでいる。積層工程は、仮積層体1xを作製するための工程である。熱処理工程は、仮積層体1xに対して熱処理を施すことで、図1(b)に示す積層体1を得るための工程である。本実施形態においては、熱処理工程で得られた積層体1がそのまま製品となる。
積層工程では、まず、仮積層体1xの元となるガラス板2、樹脂板3、及び中間層4を準備する。その後、常温下において、樹脂板3の表裏両側のそれぞれに中間層4を介してガラス板2を重ね合わせて仮積層体1xを作製する。
本実施形態において、ガラス板2と樹脂板3との相互間に介在させる中間層4は、加熱により軟化すると共に冷却により固化して接着力を発揮する熱可塑性の中間層4である。仮積層体1xは、中間層4に対して熱が加えられる前のものである。このため、仮積層体1xにおいては、ガラス板2と樹脂板3とは中間層4により接着されておらず、単に積み重ねられた状態にある。
積層工程で準備するガラス板2および樹脂板3は、いずれも矩形のものである。樹脂板3としては、ガラス板2と比較して一回り面積が大きいものを準備する。これにより、仮積層体1xにおいて、樹脂板3の外周端部の全周をガラス板2から食み出させている。なお、中間層4の形状や大きさについては、ガラス板2よりも面積が大きい限りで任意としてよい。中間層4は、熱処理工程の後で不要な部分(ガラス板2や樹脂板3から食み出した部分等)を容易に切断して除去できるため、図示例以外の種々のものを用いてよい。
積層工程で準備する樹脂板3の寸法L1は、積層体1を構成する樹脂板3の設計寸法L2(寸法のみを図示)よりも小さくする。ここで、本実施形態における「樹脂板3の寸法L1」とは、積層工程を実行する時点(一体化前)での樹脂板3に関し、当該樹脂板3がなす矩形の一辺の長さを表す寸法である。また、「積層体1を構成する樹脂板3の設計寸法L2」とは、積層工程および熱処理工程を経て一体化された積層体1(製品)に関し、上記一辺の設計上の長さを表す寸法である。このように設計寸法L2は、あくまで設計上の長さを表す寸法であるため、実際に製造した積層体1における樹脂板3の寸法L3は、設計寸法L2とは大きさが異なる場合がある。また、設計寸法L2は基準寸法であり、この基準寸法に対して許容される誤差の範囲(寸法公差)が設定されている。そして、上述のように、寸法L1を設計寸法L2よりも小さくするのは、後に実行する熱処理工程に伴って樹脂板3が伸びΔLの分だけ伸長することを考慮したものである。具体的には、熱処理工程後における樹脂板3の寸法L3が設計寸法L2と等しくなるのが理想であるため、熱処理工程により見込まれる伸びΔLの分の長さを予め設計寸法L2から差し引いておく目的である。
積層工程で準備する樹脂板3の寸法L1は、以下のようにして決定すればよい。すなわち、後に実行する熱処理工程で樹脂板3が接着一体化する温度T1と常温T2との差(T1-T2)をΔT、樹脂板3の熱膨張率をαとしたとき、L1=L2/(1+αΔT)に基づいて寸法L1を決定する。本実施形態のように熱可塑性の中間層4を用いる場合、ΔTにおける樹脂板3が接着一体化する温度は中間層4の軟化点とすることができる。この理由は下記の通りである。
後に実行する熱処理工程において、熱処理工程前(積層工程時)の樹脂板3の寸法L1に対して、熱処理工程後の樹脂板3の寸法L3は、伸びΔLの分だけ伸長した状態となる。本実施形態のように熱可塑性の中間層4を用いる場合、熱処理工程の冷却過程の軟化点付近で樹脂板3がガラス板2と接着一体化し、軟化点付近未満で樹脂板3の熱収縮が阻害される。このため、伸びΔLの大きさは、略L1×α×ΔTとなり、つまり、常温から軟化点まで温度上昇させた場合の熱膨張量と略等しくなる。これに基づいて、熱処理工程前の樹脂板3の寸法L1と、熱処理工程に伴う樹脂板3の伸びL1×α×ΔT(=ΔL)との和、すなわちL1(1+αΔT)の値が、樹脂板3の設計寸法L2と等しくなるように、上記L1=L2/(1+αΔT)に基づいて寸法L1を決定する。このように寸法L1を決定すれば、熱処理工程後の樹脂板3の寸法L3が、設計寸法L2よりも大きくなることを略確実に防止できる。また、仮に寸法L3が設計寸法L2よりも大きくなったとしても、寸法L3が設計寸法L2に対して許容される誤差の範囲(寸法公差)に収まる。従って、熱処理工程後に樹脂板3の寸法L3を設計寸法L2まで修正するべく、樹脂板3の外周端部を加工するような作業を不要にできる。
ここで、ガラス板2は、特に限定されるものではないが、無アルカリガラス又は化学強化ガラスのガラス板2を用いることが好ましい。化学強化ガラスの組成としては、アルミノシリケートガラスを用いることが好ましい。ここで、「無アルカリガラス」とは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)を実質的に含まないガラスであり、具体的には、アルカリ成分の重量比が1000ppm以下のガラスである。アルカリ成分の重量比は、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは300ppm以下である。
ガラス板2の厚みは、700μm以下であることが好ましく、100μm~500μmであることがより好ましく、200μm~500μmであることがさらにより好ましい。このような厚みであれば、積層体1の厚みに占めるガラス板2の厚みの割合を抑制しやすくなり、積層体1の軽量化を図りやすくなる。一方、厚みが100μm未満になると、ガラス板2の強度が不足しやすく、積層体1に対して飛来物が打突した場合に、ガラス板2が破損する恐れがある。
樹脂板3を構成する樹脂は、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等とすることができる。なお、樹脂板3は、積層体1(製品)の用途に合わせて透明であってもよいし、不透明であってもよい。
樹脂板3の厚みは、0.01mm~20mm程度とする。なお、積層体1が携帯用電子デバイスに搭載されるタッチパネルの保護カバーであるような場合には、樹脂板3の厚みは、0.1mm~3mmであることが好ましく、0.1mm~2mmであることがより好ましい。樹脂板3の厚みは、ガラス板2の厚みよりも大きいことが好ましい。
中間層4としては、エチレン酢酸ビニル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シクロオレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤等を使用することが可能である。なお、中間層4の中には、機能膜を設けてもよい。機能膜の一例としては、熱遮蔽性膜、遮音性膜、意匠性膜、紫外線遮蔽膜等を挙げることが可能である。
中間層4の厚みは、100μm~1000μm程度とする。
積層工程の実行により、上述のごとくガラス板2、樹脂板3、及び中間層4を重ね合わせて仮積層体1xが作製されると、次に熱処理工程を実行する。
熱処理工程では、まず、オートクレーブを使用して仮積層体1xを加圧しながら加熱することで、仮積層体1xの温度を常温から熱処理温度とした後、熱処理温度で所定の時間保持することで中間層4を軟化させ、その後、仮積層体1xを冷却して常温とする。冷却過程の軟化点付近で、中間層4が固化し、樹脂板3と表裏両側のガラス板2とが中間層4を介して接着され一体化される。以上により、熱処理工程が完了して積層体1が得られる。
積層体1における樹脂板3は、熱処理工程前と比較して伸びΔLの分だけ伸長した状態にある。なお、図1(b)に例示した形態では、樹脂板3の一端側と他端側とで均等にΔL/2ずつ伸びが生じているが、両端での伸びが不均等になる場合もある。伸びΔLにより、積層体1における樹脂板3の寸法L3は、熱処理工程前の寸法L1と伸びΔLとの和に等しくなる。伸びΔLの大きさは、上述のとおり略L1×α×ΔTであるから、寸法L3(=寸法L1+伸びΔL)の大きさは、設計寸法L2と等しいか、若しくは、設計寸法L2に対して許容される誤差の範囲(寸法公差)に収まっている。従って、樹脂板3の外周端部の加工を必要とせず、積層体1をそのまま製品とできる。その結果、製造コストを抑制することが可能である。
前述の通り、熱処理工程の冷却過程の軟化点付近で樹脂板3がガラス板2と接着一体化し、軟化点付近未満で樹脂板3の熱収縮が阻害される。これに伴い、ガラス板2に圧縮応力が発生するので、得られる積層体1のガラス板2は、圧縮応力が付与された状態となる。この圧縮応力により、積層体1は、ガラス板2の破損を低減できる。また、積層体1を屋外や軟化点未満の高温環境で使用する場合でも、ガラス板2に引張り応力が発生することがないことから、ガラス板2の破損を低減できる。
以下、本実施形態に係る積層体の製造方法の具体例を一つ挙げる。
具体例では、ガラス板2として日本電気硝子社製の無アルカリガラス(製品名:OA-10G)を用いる。ガラス板2の熱膨張率は38×10-7/℃である。一方、樹脂板3としてポリカーボネート板を用いる。樹脂板3の熱膨張率αは600×10-7/℃である。樹脂板3の設計寸法L2は1000mmである。また、中間層4としてエチレン酢酸ビニル系接着剤を用い、その軟化点は60℃である。熱処理工程の条件は、仮積層体1xの温度を20℃から100℃まで昇温させた後、100℃で30分間保持する条件とした。つまり、上記のΔTは40℃である。
以上に掲げた条件を上記の寸法条件に適用すると、L1=1000/(1+600×10-7×40)となり、L1=997.60・・・となる。これに基づいて、積層工程を実行するに際して、寸法L1が998mmである樹脂板3を準備した。
上記の条件の下、積層体1を製造した所、熱処理工程の前後で樹脂板3が伸びΔLとして2.4mm伸長して、樹脂板3の寸法L3が1000.4mmとなった。ΔLの2.4mmという値は、L1×α×ΔT(998×600×10-7×40)から算出される値と略一致している。そして、寸法L3の1000.4mmという値は、設計寸法L2である1000mmよりも0.4mm大きいが、0.4mmという値は、設計寸法L2に対して許容される誤差の範囲(寸法公差)であった。従って、製造した積層体1をそのまま製品とすることが可能であった。
ここで、本発明に係る積層体の製造方法は、上記の実施形態で説明した態様に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態においては、樹脂板3の表裏両側にそれぞれガラス板2が重ね合わされた積層体1を製造しているが、表裏のいずれか一方側にのみガラス板2が重ね合わされた積層体1を製造するようにしてもよい。
上記の実施形態においては、熱可塑性の中間層4を用いたが、熱硬化性の中間層4を用いてもよい。熱硬化性の中間層4を用いる場合であっても、熱可塑性の中間層4を用いる場合と同様に、熱処理工程では、仮積層体1xを加圧しながら常温から熱処理温度まで加熱した後で、熱処理温度で所定の時間保持し、その後、仮積層体1xを冷却して常温とする。熱可塑性の中間層4を用いる場合、冷却過程の軟化点付近で樹脂板3がガラス板2と接着一体化するが、熱硬化性の中間層4を用いる場合、所定の時間保持する過程で中間層4が硬化して樹脂板3がガラス板2と接着一体化する。このため、熱硬化性の中間層4を用いる場合、熱処理工程で樹脂板3が接着一体化する温度は、熱処理温度とすることができる。
1 積層体
1x 仮積層体
2 ガラス板
3 樹脂板
4 中間層
L1 寸法
L2 設計寸法
L3 寸法

Claims (4)

  1. ガラス板と樹脂板と両板の相互間に介在させる熱可塑性の中間層とを相互に接着されていない状態で重ね合わせて仮積層体を作製する積層工程と、
    前記仮積層体を加熱することで、前記ガラス板と前記樹脂板とが前記中間層を介して接着一体化された積層体を得る熱処理工程と、を含んだ積層体の製造方法であって、
    前記熱処理工程は、前記仮積層体を常温から前記中間層の軟化点を超える熱処理温度まで昇温させるステップと、昇温させた前記仮積層体を前記熱処理温度に所定の時間保持して前記中間層を軟化させるステップと、前記熱処理温度に所定の時間保持された前記仮積層体を常温まで冷却することで前記中間層を固化させて前記積層体を得るステップと、を含み、
    前記樹脂板は、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリエチレンナフタレートからなり、
    前記積層工程で準備する前記樹脂板の寸法を、前記積層体を構成する前記樹脂板の設計寸法よりも小さくし、
    前記積層工程で準備する前記樹脂板の寸法L1を、下記の[数1]式に基づいて決定することを特徴とする積層体の製造方法。
    ここで、L2は前記樹脂板の設計寸法、ΔTは前記中間層の軟化点と常温との差、αは前記樹脂板の熱膨張率である。
  2. 前記積層工程では、前記樹脂板の表裏両側のそれぞれに前記中間層を介して前記ガラス板を重ね合わせた前記仮積層体を作製することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記ガラス板は、無アルカリガラス又は化学強化ガラスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記中間層は、エチレン酢酸ビニル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シクロオレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、メラミン系接着剤、又は、フェノール系接着剤からなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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