JP7487637B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
前記電子時計は、前記第1電圧基準値として、指針が通常運針されている場合の電圧閾値である通常基準値と、指針が早送り運針されている場合の電圧閾値である早送り時基準値とが設定され、早送り時基準値は通常基準値よりも高い電圧値に設定されている。例えば、通常基準値は1.15V、早送り時基準値は1.20Vに設定される。
以下、本開示の第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。
電子時計1は、図1に示すように、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、外装ケース2と、円板状の文字板3と、図示略のムーブメントと、指針である秒針5、分針6、時針7、日車8と、りゅうず11およびボタン12、13とを備える。
操作部10は、りゅうず11およびボタン12、13を備えて構成される。りゅうず11は、0段位置、1段位置、2段位置に移動可能とされている。ここで、りゅうず11の0段位置が押し込み位置であり、1段位置や2段位置が引き出し位置である。本実施形態では、りゅうず11を0段位置に押し込んだ場合は、指針で時刻を表示する時刻表示モードが実行される。また、りゅうず11を1段位置に引き出すと、手動で日付を修正する修正モードが実行され、りゅうず11を2段位置に引き出すと、手動で時刻を修正する修正モードが実行される。すなわち、りゅうず11が押し込み位置に位置する場合は時刻表示モードが実行され、りゅうず11が引き出し位置に位置する場合は修正モードが実行される。
電圧検出部21は、充電池30の電池電圧を一定の周期で検出する。
充電制御部22は、充電手段40から充電池30への充電を制御する。例えば、充電制御部22は、充電手段40による充電電圧が閾値以上の場合に充電池30への充電を実行し、充電手段40による充電電圧が閾値未満に低下している場合は充電池30への充電を中断するなどの制御を実行する。
時刻修正部24は、標準電波を受信した場合や、手動でタイムゾーンを修正した場合に、後述する内部時刻データ520を修正する。さらに、操作部10によって、手動で表示時刻を修正した場合も、内部時刻データ520を修正する。
表示制御部25は、内部時刻データ520に応じて表示手段70を制御し、内部時刻を秒針5、分針6、時針7、日車8を用いて表示する。
充電手段40は、充電池30を充電する手段であり、例えば、光エネルギーにより発電するソーラー発電装置を利用できる。なお、充電手段40としては、ソーラー発電装置に限定されず、回転錘でローターを回転させて発電する発電装置、熱エネルギーにより発電する熱発電装置、圧電効果を利用した圧電型発電装置、帯電膜を利用した発電装置、浮遊電波等の外部の誘導により発電する発電装置等の各種の発電装置が利用できる。
受信装置60は、標準電波を受信するアンテナおよびアンテナで受信した信号を処理する受信回路を備え、時刻情報を時刻制御手段20に出力するものである。
受信時刻データ510には、受信装置60で受信した時刻情報が記憶される。
内部時刻データ520には、計時部23で更新される内部時刻が記憶される。この内部時刻データ520は、受信装置60で標準電波を受信して受信時刻データ510が更新された場合は、受信した時刻情報で更新される。
設定タイムゾーンデータ530は、表示時刻のタイムゾーンが記憶される。例えば、日本の標準電波であるJJYを受信し、受信時刻データ510に時刻情報が記憶された場合は、設定タイムゾーンデータ530には、UTC+9時間のタイムゾーンデータが記憶される。
また、操作部10を操作して手動でタイムゾーンを変更した場合は、設定タイムゾーンデータ530は変更され、連動して内部時刻データ520も変更される。例えば、ボタン13を所定時間押してタイムゾーン選択モードに移行すると、秒針5が現在のタイムゾーンを指示する位置に移動する。そして、ボタン12を押すと時計回りに秒針5が移動し、ボタン13を押すと反時計回りに秒針5が移動し、連動して設定タイムゾーンデータ530に記憶されるタイムゾーンを変更できる。ボタン12,13を押して設定タイムゾーンデータ530に記憶されるタイムゾーンを変更すると、内部時刻データ520に記憶される内部時刻も変更される。例えば、設定タイムゾーンデータ530を、UTC+9時間からUTC+8時間に1時間戻した場合、内部時刻データ520の時刻も-1時間の時刻に修正される。
具体的には、図4に示すように、時刻表示モード中に通常動作モードからパワーセーブモードへの移行を判定する第1電圧閾値V1と、修正モード中に通常動作モードからパワーセーブモードへの移行を判定する第2電圧閾値V2と、通常動作モード中および修正モード中にパワーセーブモードを解除して通常動作モードへの移行を判定するパワーセーブ解除電圧閾値とが記憶されている。
ここで、第2電圧閾値V2は、第1電圧閾値V1よりも低い電圧値に設定される。また、パワーセーブ解除電圧閾値は、第1電圧閾値V1よりも高い電圧値に設定される。このため、V2<V1<パワーセーブ解除電圧閾値に設定される。
修正モードは、操作部10による操作に応じて指針の少なくとも一つの指針を移動させることができるモードであり、具体的には以下に説明する各モードの少なくとも一つを含む。本実施形態では、修正モードは、りゅうず11を2段位置に引き出して手動で時刻を修正するモードと、りゅうず11を1段位置に引き出して手動で日付を修正するモードとを含む。また、修正モードは、りゅうず11が0段位置の状態でボタン12を所定時間、例えば3秒以上押して実行する強制受信モードと、りゅうず11が0段位置の状態でボタン13を所定時間、例えば3秒以上押して実行する時差修正モードと、りゅうず11が0段位置の状態でボタン12、13を同時に所定時間、例えば3秒以上押して実行する基準位置合わせモードとを含む。
また、修正モードが複数設けられている場合、少なくとも一つの修正モードにおいて、時刻表示モードの第1電圧閾値V1よりも低い第2電圧閾値V2を設定すればよい。すなわち、複数の修正モードのすべてで第2電圧閾値V2を設定してもよいし、一部の修正モードで第2電圧閾値V2を設定し、他の修正モードは第1電圧閾値V1を設定してもよい。さらに、複数の修正モードで第2電圧閾値V2を設定する場合、第2電圧閾値V2は第1電圧閾値V1よりも低い電圧値であればよく、各修正モードで異なる電圧値に設定してもよい。
また、時刻制御手段20は、各修正モードが終了した場合、すなわち、手動で時刻を修正するモードや日付を修正するモードではりゅうず11が0段位置に押し込まれた場合、強制受信モードでは受信が実行され時刻修正などの処理が終了した場合、時差修正モードや基準位置合わせモードでは修正操作が実行されない時間が所定時間以上継続した場合やボタン12やボタン13で所定の操作が実行された場合に、各修正モードから時刻表示モードに切り替える。
なお、操作部10を操作することで、アラーム時刻の設定やアラームのオン、オフを各指針を移動して設定するアラーム設定モードを備える場合や、操作部10を操作することで移行するクロノグラフモードを備える場合、アラーム設定モードやクロノグラフモードも修正モードに含んでもよい。
なお、修正モードにおける具体的な操作は、例えば、ボタン12、13を押して各指針の指示を修正してもよいし、りゅうず11として回転方向および操作量を検出できる電子りゅうずを用い、りゅうず11の回転操作で各指針の指示を修正してもよい。
操作部10で各指針の修正操作を行うと、入力された修正量に応じて内部時刻データ520に記憶されている内部時刻が修正される。内部時刻が修正されると、表示制御部25は、時刻表示モード時の各指針の運針速度よりも早い速度で各指針を前記内部時刻に応じた位置に移動させる。これにより、操作部10の操作で各指針の指示を修正できる。
本実施形態では、パワーセーブモードの実行中、表示制御部25は、表示手段70の分針6、時針7、日車8の駆動を停止させ、秒針5はパワーセーブモードであることを示す所定位置、例えば45秒位置に移動して停止させている。また、計時部23は内部時刻の計時を継続し、内部時刻データ520を更新する。
すなわち、パワーセーブモードでは、計時部23では基準クロックパルスに基づいた現時刻カウントが継続され、内部時刻データ520も連動して現時刻を更新する。一方、表示制御部25は、秒針5が所定位置に移動するまで秒針用のステップモーターを作動し、秒針5が所定位置に移動したら秒針用のステップモーターを停止する。また、表示制御部25は、分針6、時針7、日車8を動かす各ステップモーターは、パワーセーブモードに遷移した時点で停止させている。
なお、パワーセーブモードでは、受信装置60での標準電波の受信は停止され、予め設定された自動受信時刻に至った場合やボタン12の操作などで手動受信操作が行われた場合でも、時刻制御手段20は標準電波の受信動作を実行しない。
このため、パワーセーブモードの実行中は、通常動作モードに比べて消費電力は大幅に低減される。
時刻制御手段20は、制御を開始すると、一定の周期でステップS10の第1電圧判定処理を実行する。一定の周期は、例えば、時刻表示モードを実行している場合は、予め設定された時間間隔、例えば10秒間隔に設定されている。また、修正モードでは、あらかじめ設定された時間間隔による周期に加え、早送り動作を実行している場合に、所定のステッピングモーターの駆動パルス数が所定数になる時間間隔が設定されている。例えば、分針6および時針7を1つのステッピングモーターで駆動しており、この時分針用のステッピングモーターを、例えば80Hzの早送り用の運針周波数で駆動している場合に、早送り動作の実行中の周期は、駆動パルス数が300発になる時間間隔、つまり300/80=3.75秒間隔に設定されている。
すなわち、本実施形態では、ステップS10の第1電圧判定処理は、時刻表示モード中は、10秒間隔などの設定時間間隔で実行され、修正モード中は、10秒間隔などの設定時間間隔で実行されるのに加えて、早送り動作中は駆動パルス数が所定数になる時間間隔でも実行される。
次に、時刻制御手段20は、ステップS12を実行し、現在実行中のモードが、時刻表示モードであるか否かを判定する。
時刻制御手段20は、ステップS12でYESと判定すると、ステップS13を実行し、ステップS11で取得した電池電圧が時刻表示モード中の判定閾値である第1電圧閾値V1よりも高いか否かを判定する。
また、時刻制御手段20は、現在実行中のモードが修正モードであり、ステップS12でNOと判定した場合、ステップS14を実行し、ステップS11で取得した電池電圧が修正モード中の判定閾値である第2電圧閾値V2よりも高いか否かを判定する。
また、時刻制御手段20は、ステップS13またはステップS14でNOと判定すると、ステップS15を実行し、通常動作モードからパワーセーブモードに遷移して第1電圧判定処理S10を終了する。
一方、パワーセーブモードに遷移した後は、時刻制御手段20は、一定の周期、例えば充電手段40によって充電中であると充電制御部22が判定している場合に、10秒間隔で電池電圧を取得し、取得した電池電圧がパワーセーブ解除電圧閾値を超えると通常動作モードに遷移し、取得した電池電圧がパワーセーブ解除電圧閾値以下であればパワーセーブモードを継続する。このように、パワーセーブモード中の電池電圧の取得処理を充電中に限定することで、消費電流を抑制できる。
パワーセーブ解除電圧閾値は、第1電圧閾値V1および第2電圧閾値V2よりも高い電圧値であるため、時刻制御手段20は、電池電圧が第2電圧閾値V2や第1電圧閾値V1以上に復帰しても、パワーセーブ解除電圧閾値を超えるまではパワーセーブモードを継続し、パワーセーブ解除電圧閾値を超えると通常動作モードに移行する。
また、修正モード中にパワーセーブモードから通常動作モードに移行すると、時刻制御手段20は、修正モードの動作を継続する。
第1実施形態によれば、修正モード時に通常動作モードからパワーセーブモードに移行する第2電圧閾値V2を、時刻表示モード時に通常動作モードからパワーセーブモードに移行する第1電圧閾値V1未満としている。このため、時刻表示モードの通常動作モードで動作している場合、ユーザーが操作部10を操作して修正モードに移行しても、電池電圧は第2電圧閾値V2以上を維持する。したがって、ユーザーが操作部10を操作して修正モードに移行しても、直ちにパワーセーブモードに移行することを防止でき、指針の修正作業を確実に実行できる。
さらに、パワーセーブモードに移行することをできるだけ防止できるため、時刻表示モードを実行する時刻表示期間の短縮を防止できる。
また、指針の早送り中は、駆動パルス数が所定数になる時間間隔で第1電圧判定処理S10を実行しているので、指針の早送りで電池電圧が急激に低下してもその変化を検出でき、電圧閾値と乖離した電圧でモード遷移を行うことを防止できる。
さらに、修正モードに移行しても、指針を移動させる操作を行わない場合は、第1電圧判定処理S10を10秒間隔などの一定の周期で実行するため、指針が早送りされていない間も電池電圧の変化を検出できる。その上、修正モードの実行中、指針が早送りされていない間も短い時間間隔、例えば3~4秒程度で電池電圧の変化を検出する場合に比べて、省電力化を図ることができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態とは制御フローのみが異なるため、図7に示す制御フローを参照して説明する。
図7に示すように、時刻制御手段20は、第1電圧判定処理S10と同様に、時刻修正モードまたは修正モードを実行中に、一定の周期でステップS20の第2電圧判定処理を実行する。
時刻制御手段20は、第2電圧判定処理S20を実行すると、ステップS21を実行し、第1実施形態のステップS11と同じく充電池30の電池電圧を取得する。
時刻制御手段20は、ステップS22でYESと判定すると、ステップS23を実行し、ステップS21で取得した電池電圧が時刻表示モード中の判定閾値である第1電圧閾値V1よりも高いか否かを判定する。
また、時刻制御手段20は、ステップS22でNOと判定した場合、ステップS24を実行し、ステップS21で取得した電池電圧が修正モード中の判定閾値である第2電圧閾値V2よりも高いか否かを判定する。
また、時刻制御手段20は、ステップS23またはステップS24でNOと判定すると、ステップS25を実行し、通常動作モードからパワーセーブモードに遷移して第2電圧判定処理S20を終了する。
通常動作モードの実行中に一定の周期で第2電圧判定処理S20を実行する点や、パワーセーブモードでの動作、さらには、パワーセーブモードから通常動作モードに移行する処理は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
第2実施形態においても第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
第2実施形態では、りゅうず11の位置に応じて、時刻表示モードであるか否かを判定しているので、特に、りゅうず11を引き出したまま0段位置に戻し忘れて放置した場合に、電池電圧が第2電圧閾値V2以下に低下するまでパワーセーブモードへの遷移を防止できる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1、2実施形態とは制御フローのみが異なるため、図8に示す制御フローに関して説明する。
図8に示すように、時刻制御手段20は、第1電圧判定処理S10と同様に、時刻修正モードまたは修正モードを実行中に、一定の周期でステップS30の第3電圧判定処理を実行する。
時刻制御手段20は、第3電圧判定処理S30を実行すると、ステップS31を実行し、第1実施形態のステップS11と同じく充電池30の電池電圧を取得する。
時刻制御手段20は、ステップS32でYESと判定すると、ステップS33を実行し、ステップS31で取得した電池電圧が時刻表示モード中の判定閾値である第1電圧閾値V1よりも高いか否かを判定する。
また、時刻制御手段20は、ステップS32でNOと判定した場合、ステップS34を実行し、ステップS31で取得した電池電圧が修正モード中の判定閾値である第2電圧閾値V2よりも高いか否かを判定する。
時刻制御手段20は、ステップS36でNOと判定した場合、つまり、時刻表示モードであり、取得した電池電圧が第1電圧閾値V1よりも高く、第3電圧閾値V3以下の場合は、ステップS37のBLD運針モードを実行する。電池電圧が低下したことを報知するBLD運針モードでは、表示制御部25はBLD運針を実行し、第3電圧判定処理S30を終了する。BLD運針とは、電池電圧が低下したことを表示する運針であり、秒針5を2秒以上の間隔、例えば2秒間隔や5秒間隔で運針するものである。なお、BLD運針中、分針6、時針7は通常通り運針する。BLD運針モードは、電池電圧低下表示モード(Battery Low Display)や、電池寿命切れ予告表示モード(battery life indicator)などとも呼ばれる。
時刻制御手段20は、ステップS36でYESと判定した場合、つまり、時刻表示モードであり、取得した電池電圧が第3電圧閾値V3よりも高い場合は、ステップS38を実行して通常運針を行い、第3電圧判定処理S30を終了する。
通常動作モードの実行中に一定の周期で第3電圧判定処理S30を実行する点や、パワーセーブモードでの動作、さらには、パワーセーブモードから通常動作モードに移行する処理は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
第3実施形態においても第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
第3実施形態では、時刻表示モードの通常動作モード時に、第3電圧閾値V3以下に低下するとBLD運針を行うので、ユーザーは電池電圧が低下していることを容易に確認でき、ユーザーに対して充電手段40による充電を促すことができる。このため、電子時計1が、突然、パワーセーブモードに入って使用できない状況が発生する頻度を減らすことができる。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、前記各実施形態とは修正モード時の電池電圧判定処理が相違する。このため、修正モード時の電池電圧判定処理について図9を参照して説明する。
時刻制御手段20は、第1電圧判定処理S10と同様に、修正モードの実行中に、一定の周期でステップS40の第4電圧判定処理を実行する。
時刻制御手段20は、第4電圧判定処理S40を実行すると、ステップS41を実行し、第1実施形態のステップS11と同じく充電池30の電池電圧を取得する。
時刻制御手段20は、ステップS42でNOと判定すると、ステップS43を実行し、修正モードでの運針が終了してから規定時間経過したか否かを判定する。ここで、規定時間は、充電池30の電圧復帰特性などに応じて設定され、例えば、10秒から60秒の範囲で設定される。
時刻制御手段20は、ステップS43でYESと判定した場合、すなわち、修正モードでの運針が終了してから規定時間が経過した場合は、ステップS44を実行し、ステップS41で取得した電池電圧が第1電圧閾値V1よりも高いか否かを判定する。
また、時刻制御手段20は、ステップS43でNOと判定した場合、すなわち、修正モードでの運針が終了してから規定時間が経過していない場合と、ステップS42でYESと判定した場合には、ステップS45を実行し、ステップS41で取得した電池電圧が第2電圧閾値V2よりも高いか否かを判定する。
このため、例えば、修正モード時に10秒間隔で第4電圧判定処理S40を実行しており、規定時間として60秒を設定した場合、修正モードでの運針終了から6回は、ステップS45を実行し、運針終了から60秒経過すると、指針が運針中でなければ、修正モードが継続していても、ステップS44を実行する。
また、時刻制御手段20は、ステップS44またはステップS45でNOと判定すると、ステップS46を実行し、通常動作モードからパワーセーブモードに遷移して第4電圧判定処理S40を終了する。なお、パワーセーブモードでの動作、さらには、パワーセーブモードから通常動作モードに移行する処理は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
そして、時刻制御手段20は、次の電圧判定処理のタイミング、つまり一定の周期後に、修正モードを継続していれば第4電圧判定処理S40を実行し、時刻表示モードに戻っていた場合は、前記第1~3実施形態の各電圧判定処理S10、S20、S30のいずれかを実行する。
第4実施形態では、修正モード時に指針の早送り修正操作などが行われて充電池30の電圧が低下した場合、運針終了から規定時間が経過するまではステップS45で電池電圧を第2電圧閾値V2と比較しているので、パワーセーブモードに遷移することを防止できる。
また、指針が運針中ではなく、かつ、運針終了から規定時間が経過した時点では、ステップS44で電池電圧を第1電圧閾値V1と比較しているので、運針終了から規定時間が経過しても降下した電池電圧が第1電圧閾値V1よりも高い電圧値に復帰しない場合は、パワーセーブモードに遷移する。例えば、通常は、図5で説明したように、運針終了すると徐々に電池電圧が復帰するが、電池が劣化している場合など異常が生じている場合は、電池電圧が復帰しない場合がある。このため、ユーザーは、充電池30や充電手段40で異常が発生している可能性を早期に検知できる。
なお、本開示は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、パワーセーブモード時の動作は前記実施形態の例に限定されない。例えば、秒針5のみを停止し、分針6、時針7、日車8の動作は継続するパワーセーブモードを採用してもよい。秒針5は、1秒毎に運針されるため、他の指針に比べて単位時間当たりの消費電力が高い。このため、パワーセーブモード時に秒針5のみを停止することで、消費電力を低減できる。
また、ボタンの操作で時刻表示モードから修正モードへ切り替える場合、修正モードから時刻表示モードへの切り替えは、所定時間ボタンの操作が無かった場合に自動で切り替えてもよいし、再度ボタンの所定の操作が実行された場合に切り替えてもよい。ボタンの操作で修正モードから時刻表示モードへ切り替える場合は、ボタンの操作が行われずに修正モードが維持されていれば、電池電圧が第2電圧閾値以下に低下するまでパワーセーブモードへの遷移を防止できる。また、ボタンの操作は、りゅうずの操作に比べて比較的容易であるため、ユーザーは、比較的容易に時刻表示モードから修正モードへ切り替えることができる。
すなわち、修正モードとは、操作部10の操作に応じて少なくとも一つの指針を移動させることができるモードである。
さらに、電子時計1において、複数の修正モードが設定されている場合に、第2電圧閾値V2は、修正モード毎に設定してもよい。
本開示の電子時計は、複数の指針と、充放電可能な電池と、前記電池の電圧を検出する電池電圧検出部と、りゅうず又はボタンを備える操作部と、時刻を表示する時刻表示モードと、前記操作部による操作に応じて前記指針の少なくとも一つの指針を移動させる修正モードと、前記指針の少なくとも一部を停止して前記時刻表示モードより消費電力が少ないパワーセーブモードと、を切り替えて実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記時刻表示モードを実行している場合に、前記電池電圧検出部で検出された電池電圧が第1電圧閾値未満であることが検出されると前記パワーセーブモードに切り替え、前記修正モードを実行している場合に、前記電池電圧が前記第1電圧閾値より低い第2電圧閾値未満であることが検出されると、前記パワーセーブモードに切り替えることを特徴とする。
本開示の電子時計によれば、修正モード時に通常動作モードからパワーセーブモードに移行する第2電圧閾値を、時刻表示モード時に通常動作モードからパワーセーブモードに移行する第1電圧閾値未満としている。このため、時刻表示モードの通常動作モードで動作している場合、ユーザーが操作部を操作して修正モードに移行しても、電池電圧は第2電圧閾値以上を維持する。したがって、ユーザーが操作部を操作して修正モードに移行しても、直ちにパワーセーブモードに移行することを防止でき、指針の修正作業を確実に実行できる。
本開示の電子時計によれば、りゅうずの位置に応じて、時刻表示モードであるか否かを判定しているので、特に、りゅうずを引き出したまま押し込み位置に戻し忘れて放置した場合に、電池電圧が第2電圧閾値以下に低下するまでパワーセーブモードへの遷移を防止できる。
本開示の電子時計によれば、ボタンの操作に応じて、時刻表示モードから修正モードに切り替えているので、ユーザーが容易に修正モードに切り替えることができる。
本開示の電子時計によれば、修正モードで指針の早送りが行われると、電池電圧が一時的に降下するが、修正モードに移行する直前まで第1電圧閾値以上の電池電圧を確保しているので、電池電圧が降下しても第2電圧閾値を下回る大幅な電圧降下が発生することもなく、早送り移動を終了すれば、電池電圧が上昇し、通常は、時刻表示モードの第1電圧閾値以上に戻すことができる。そして、修正モードでは、電子時計の利用者や場面によって指針の早送り量や早送り発生頻度が変わるため、修正モードでの第2電圧閾値を少なくともモーター動作保証電圧に設定することで、修正モードの実行をできるだけ阻害しないように設定できる。特に、利用者が意図して時計内部の値、例えば内部時刻や各種モード、設定値を修正する修正モードでは、利用者が修正操作を行って指針の早送りが発生する頻度も多い。このように頻繁に指針が動く修正モードでは、早送り時に一時的に電圧が低下するため、修正モード時にパワーセーブモードへの遷移を判定する第2電圧閾値が時刻表示モード時の第1電圧閾値であると、すぐにパワーセーブモードに遷移してしまう。これに対し、第2電圧閾値を第1電圧閾値よりも低い電圧に設定することで、正常動作可能な電圧を維持しながらパワーセーブを回避することができる。
本開示の電子時計によれば、時刻表示モード時に、第3電圧閾値以下に低下するとBLD運針を行うので、ユーザーは電池電圧が低下していることを容易に確認でき、ユーザーに対して充電を促すことができる。このため、電子時計が、突然、パワーセーブモードに入って使用できない状況が発生する頻度を減らすことができる。
本開示の電子時計によれば、10秒間隔などの一定の周期で電池電圧の検出を実行するため、電池電圧を常時監視することができる。このため、電池電圧の変化をほぼリアルタイムに検出でき、設定した電圧閾値付近でのモード遷移を可能とすることができる。
本開示の電子時計によれば、運針終了から規定時間が経過した時点では、電池電圧の閾値を第1電圧閾値に切り替えているので、運針終了から規定時間が経過しても降下した電池電圧が第1電圧閾値よりも高い電圧値に復帰しない場合は、パワーセーブモードに遷移する。このため、ユーザーは、充電池や充電手段で異常が発生している可能性を早期に検知できる。
本開示の電子時計によれば、修正モードから前記パワーセーブモードへの移行を判定する第2電圧閾値を修正モード毎に設定しているので、各修正モードの特性に応じてパワーセーブモードへの移行を適切に判定できる。
Claims (8)
- 複数の指針と、
充放電可能な電池と、
前記電池の電圧を検出する電池電圧検出部と、
りゅうず又はボタンを備える操作部と、
時刻を表示する時刻表示モードと、前記操作部による操作に応じて前記指針の少なくとも一つの指針を移動させる修正モードと、前記指針の少なくとも一部を停止して前記時刻表示モードより消費電力が少ないパワーセーブモードと、を切り替えて実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記時刻表示モードを実行している場合に、前記電池電圧検出部で検出された電池電圧が第1電圧閾値未満であることが検出されると前記パワーセーブモードに切り替え、
前記修正モードを実行している場合に、前記電池電圧が前記第1電圧閾値より低い第2電圧閾値未満であることが検出されると、前記パワーセーブモードに切り替える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記操作部は、前記りゅうずを備え、
前記りゅうずは、押し込み位置および引き出し位置に移動可能に構成され、
前記制御部は、
前記りゅうずが前記押し込み位置に位置する場合は前記時刻表示モードを実行し、
前記りゅうずが前記引き出し位置に位置する場合は前記修正モードを実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記操作部は、前記ボタンを備え、
前記制御部は、前記ボタンの操作に応じて前記時刻表示モードを前記修正モードに切り替えて実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子時計において、
内部時刻を計時する計時部を備え、
前記時刻表示モードは、前記内部時刻に基づく時刻を前記指針で表示し、
前記修正モードは、前記操作部による操作に応じて前記内部時刻を修正し、前記時刻表示モード時の運針速度よりも早い速度で前記指針を前記内部時刻に応じた位置に移動させる
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子時計において、
前記指針は秒針を含み、
前記制御部は、
前記時刻表示モードを実行している場合に、前記電池電圧が前記第1電圧閾値より高い第3電圧閾値未満であることを前記電池電圧検出部が検出すると、前記秒針を2秒以上の間隔で運針させるBLD運針モードを実行する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子時計において、
前記電池電圧検出部は、一定の周期で前記電池の電圧を検出する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電子時計において、
前記制御部は、
前記修正モードを実行している場合に、前記指針のうちの少なくとも一つの指針を移動させる処理が終了してから規定時間経過後に、前記電池電圧の閾値を前記第1電圧閾値に切り替える
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の電子時計において、
前記修正モードは、複数の修正モードを備え、
前記修正モードから前記パワーセーブモードへの移行を判定する前記第2電圧閾値は、前記第1電圧閾値より低く、かつ、修正モード毎に設定された閾値である
ことを特徴とする電子時計。
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