JP7484407B2 - 電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法 - Google Patents

電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法 Download PDF

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Description

本発明は、各種材料の表面の洗浄や改質、特にプラスチック材料表面へのめっき処理に先立って行われるエッチング処理に好適な電解硫酸溶液を製造するシステムの立上げ方法に関する。
ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸といった過硫酸成分を含む硫酸溶液は、きわめて強い酸化性を有する。この強い酸化性を利用して、過硫酸成分を含む硫酸溶液は、金属、シリコン、ガラス、プラスチックなどの各種材料の洗浄や表面改質に利用されている。
過硫酸成分を含む硫酸溶液は、硫酸成分を主体とする溶液を電気分解して生成することができる。この硫酸成分を主体とする溶液を電気分解することで生成される過硫酸成分を含む酸化性溶液(以下、電解硫酸溶液という場合がある)を製造するシステムは、例えば、電解硫酸溶液を貯留する貯留槽と、電解セル及び直流電源と、貯留槽と電解セルの間で溶液を循環させるための循環ポンプを備えた配管と、循環液を加温・冷却するためのヒーターや熱交換器などとから構成される。そして、硫酸成分を主体とする溶液を循環させながら電解セル内の電極に通電して電気分解を行うことで電解硫酸溶液を生成する。このようなシステムを用いて電解硫酸を製造する方法として、プラスチック材料表面をめっきするために行われる樹脂表面のエッチング処理に適用するために電解硫酸を製造する技術が特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載の電解硫酸の製造方法では、硫酸濃度が60~87wt%、溶液の温度が50~80℃及び過硫酸濃度が3g/L以上になるよう硫酸を電気分解した電解硫酸溶液によりABS樹脂表面をエッチングすることで、ABS系樹脂表面のブタジエン成分が溶解するとともに親水性の官能基が露出し粗面化する。これによりこのエッチング処理を施したABS系樹脂にめっきを施すと十分に密着しためっきを析出させることができる。この電解硫酸溶液によるエッチング処理は、従来クロム酸を用いて行われてきた樹脂エッチングに比べ環境負荷の少ない有効な処理方法として提案されている。さらに、特許文献1には、初期状態において所定の濃度の硫酸が充填されていて、この溶液を陽極および陰極に直流電源ユニットから所定の電流を通電して、硫酸を電気分解することにより、ペルオキソ二硫酸等の過硫酸溶液を生成することが記載されている。また、特許文献1には、電解硫酸溶液の代わりに、硫酸と過酸化水素との混合溶液を用いてABS樹脂表面をエッチングした例が比較例として記載されており、この比較例では、めっき皮膜は形成されるものの、過酸化水素の消費により処理の長期安定性に問題があることが記載されている。
特開2019-044229号公報
このように、電解硫酸溶液を用いた各種材料表面の洗浄や改質処理は、環境への影響の点で非常に有効な方法である。しかしながら、電解硫酸溶液を製造するシステムは、竣工後の初回のシステムの立上げ時、電解硫酸溶液の交換後のシステムの立上げ時、あるいはシステムの稼働停止により電解硫酸溶液中の有効成分である過硫酸濃度が低下した場合のシステムの再立上げ時などには、すぐに各種材料表面の洗浄や改質処理を行うことができる状態にない。すなわち、前述したような電解硫酸溶液製造システムを立上げる場合には、準備段階として、硫酸溶液自体あるいは過硫酸濃度が低くなった電解硫酸溶液を、目的に応じた所定の過硫酸濃度になるまで電解セルを稼働して電気分解を継続する必要がある。このため、各種材料表面の洗浄や改質処理に必要な過硫酸濃度の電解硫酸溶液を得るまでにエネルギーを要し、短時間にシステムを立上げられない、という課題がある。
具体的には、プラスチック材料表面をめっきするために行われる樹脂表面のエッチング処理に電解硫酸溶液を用いるめっき部品の製造ラインにおいて、エッチング槽の定期点検等によりエッチング液を入れ換えた際の再立上げ後や電解硫酸溶液製造システムの再立上げ後には、所定の濃度に調整した硫酸溶液を電解セルに循環通液しながら、有効なエッチング効果が得られる液性まで電解を継続しなければならず、めっき部品の製造を開始できるまでに長時間を要し、さらに、めっき製品の製造を開始するまでの間に多くのエネルギーを消費する、という課題がある。これらの課題は、例えばめっき前処理用のエッチング槽の容量が大きい場合など、電解硫酸溶液製造システムの保有溶液量が多い場合に特に顕著である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、硫酸を電気分解して生成した過硫酸成分を含む電解硫酸溶液を製造するシステムの立上げを短時間に完了できるとともにエネルギー消費量を低減することが可能な電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、硫酸成分を主体とする溶液を電気分解して生成する過硫酸成分を含む酸化性溶液を製造するシステムの立ち上げ方法であって、前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液の全部あるいは一部に過酸化水素水を添加して前記硫酸成分を主体とする溶液の酸化力を高めた状態に調整し、その溶液を電解セルに供給して電気分解を行う、電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法を提供する(発明1)。上記発明(発明1)においては、前記システムの立ち上げが、該システムの竣工後の初回稼働時、該システム内の過硫酸成分を含む酸化性溶液の交換後、該システムの稼働停止によりシステム内に貯留している酸化性溶液中の過硫酸成分の濃度が低下した後の稼働時のいずれかであることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明1,2)によれば、硫酸成分を主体とする溶液を電気分解して生成する過硫酸成分を含む酸化性溶液の製造システムの稼立ち上げ時、すなわちシステムの竣工後の初回稼働時、該システム内の硫酸含有溶液交換後、は該システムの稼働停止によりシステム内に貯留している電解硫酸溶液中の過硫酸成分の濃度が低下した後の稼働時などには、前記システム内に保有されている硫酸成分を主体とする溶液の酸化剤濃度(過硫酸濃度)は目的とする酸化性溶液の酸化剤濃度よりも低下している。そこで、過酸化水素水を該システム内の硫酸成分を主体とする溶液に添加して酸化力を高めた状態に調整した後、電解セルにより電気分解を行うことで、目的とする酸化剤濃度の酸性溶液を短時間で製造することができる。これにより電解硫酸溶液製造システムの立上げに必要な時間とエネルギー消費量を大幅に低減することが可能となる。なお、本発明において、前記システム内に保有されている硫酸成分を主体とする溶液とは、過硫酸成分を全く含まないもののみならず、酸化剤濃度(過硫酸濃度)が目的とする値より低下した状態の酸化性溶液も含むものとする。
上記発明(発明1,2)においては、前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液の全部あるいは一部にさらに硫酸及び/又は水を添加することが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液の酸化剤濃度と硫酸濃度の両方を目的とする処理に好適な濃度とすることができる。
上記発明(発明3)においては、前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液中の硫酸濃度及び/又は過硫酸濃度の測定値に応じて前記過酸化水素水、硫酸及び/又は水を添加する濃度調整工程と、前記過硫酸濃度が目的値となるように各濃度の測定値に応じて溶液を電気分解する電解処理工程と、前記酸化性溶液の温度が目的値となるように温度の測定値に応じて該溶液の加温又は冷却を行う温度調整工程とを有することが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、目的とする処理に好適な過硫酸濃度、硫酸濃度及び温度の過硫酸成分を含む酸化性溶液を、前記システムの立ち上げ後短時間で効率良く供給することが可能となる。
上記発明(発明3又は4)においては、前記システムが、前記酸化性溶液を貯留する貯留槽と、前記酸化性溶液を処理する電解セルと、前記貯留槽と前記電解セルとの間に溶液を循環させるための送液機構を備えた循環配管と、前記貯留槽内の酸化性溶液の温度及び/又は前記電解セルに供給する溶液の温度を制御する制御機構と、過酸化水素添加機構と、硫酸及び/又は水の添加機構とを備えることが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、電解硫酸溶液製造システムの通常の稼働時には硫酸成分を主体とする溶液を電解セルにおいて電気分解して過硫酸成分を含む酸化性溶液を生成し、この酸化性溶液を貯留槽に貯留するとともに、酸化性溶液を貯留槽と電解セルとの間を循環させ、所望とする酸化剤濃度及び硫酸濃度となったら温度制御を行う。これにより所望の硫酸濃度、過硫酸濃度及び温度の過硫酸成分を含む酸化性溶液を製造することができる。そして、電解硫酸溶液製造システムの立ち上げ時には、過酸化水素水の添加機構から該システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液に過酸化水素水を添加して酸化性溶液の過硫酸濃度を目的とする値に近づけるとともに、硫酸及び/又は水の添加機構から硫酸及び/又は水を添加することで硫酸濃度を調節して、被電解処理液を調整し、これを電解セルに供給して電解処理することで、電解硫酸溶液製造システムの立上げに必要な時間とエネルギー消費量を大幅に低減することができる。
本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法によれば、電解硫酸溶液製造システムの立上げ時に前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液の全部あるいは一部に過酸化水素水を添加して前記硫酸成分を主体とする溶液の酸化力を高めた状態に調整した後、電解セルにより電気分解を行うことで、電解硫酸溶液製造システムの立上げに必要な時間とエネルギー消費量を大幅に低減することができる。
本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法を適用可能な第一の実施形態による電解硫酸溶液製造システムを示す概略図である。 本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法を適用可能な第二の実施形態による電解硫酸溶液製造システムを示す概略図である。
以下、本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法について添付図面を参照して詳細に説明する。
<第一の実施形態>
[電解硫酸溶液]
本実施形態において、製造対象となる電解硫酸溶液は、硫酸成分を主体とする溶液を電気分解することで生成される過硫酸成分を含む酸化性溶液である。ここで、硫酸を電気分解すると、以下の反応式(1)に従ってペルオキソ二硫酸が生成する。
2HSO → H + 2e ・・・(1)
また、ペルオキソ二硫酸から式(2)に示す平衡反応でペルオキソ一硫酸が生成し、さらには式(3)に示す平衡反応で過酸化水素が生成する。したがって、硫酸の電解液中にはペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸(ここではペルオキソ二硫酸とペルオキソ一硫酸を総称して過硫酸とする)、過酸化水素といった酸化性物質が混在する。これらはいずれも強い酸化力を有する。
+ HO ⇔ HSO + HSO ・・・(2)
SO + HO ⇔ H + HSO ・・・(3)
[電解硫酸溶液製造システム]
次に上述したような電解硫酸溶液を製造する電解硫酸溶液製造システムについて説明する。図1は本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法を適用可能な第一の実施形態による電解硫酸溶液製造システムを示している。
図1において、電解硫酸溶液製造システム1は、電解硫酸溶液3を受ける貯留槽2と、この貯留槽2内に配置された温度制御機構としての加熱器4とを備える。この貯留槽2には、該貯留槽2の底部を出て再度貯留槽2に還流する循環配管5が設けられている。この循環配管5には、出口側(基端側)から順に送液機構としての循環ポンプ6と温度制御機構としての冷却用の熱交換器7と直流電源9に接続された電解セル8とが設けられている。この電解セル8内には、アノード電極8Aとバイポーラ電極8Bとカソード電極8Cとがそれぞれ設けられている。
[電解硫酸溶液の製造方法]
次に上述したような電解硫酸溶液製造システム1を用いた電解硫酸溶液3の製造方法について説明する。まず、貯留槽2に硫酸成分を主体とする溶液を入れたら循環ポンプ6により循環配管5を経由して電解セル8に供給する。そして、直流電源9から所定の電流を通電して、硫酸成分を主体とする溶液を電気分解することで生成されるペルオキソ二硫酸等の過硫酸成分を含む酸化性溶液(電解硫酸溶液3)を製造する。この際、電解セル8による電解効率を向上させるため、熱交換器7により電解硫酸溶液3を冷却することが好ましい。この電解硫酸溶液3を、循環配管5を経由して貯留槽2に還流し、これを繰り返して循環させる。このとき電解硫酸溶液3により生成するペルオキソ二硫酸等の過硫酸の濃度を、該電解硫酸溶液3を用いた処理に応じた所望とする濃度となるように電解セル8における電流量を制御すればよい。そして、貯留槽2内に貯留された電解硫酸溶液3の温度が、該電解硫酸溶液3を用いた処理に応じた所望の温度となるように加熱器4により加熱することが好ましい。このようにして貯留槽2に張り込んだ電解硫酸溶液3を用いて、目的とする処理、例えば樹脂成形体のエッチングなどの処理を行えばよい。
[電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法]
上述したような電解硫酸溶液の製造工程において、電解硫酸溶液製造システム1の立ち上げ時、具体的には、電解硫酸溶液製造システム1の竣工後の初回稼働時、該システム1の過硫酸溶液3の交換後、又は該システム1の稼働停止によりシステム内に貯留している過硫酸溶液3中の過硫酸成分の濃度が低下した後の稼働時などには、貯留槽2に貯留されている電解硫酸溶液3は、過硫酸成分の濃度が所望とする処理のための目的とする濃度より低いのでそのままでは使用できない。そこで従来は、所望とする過硫酸濃度となるまで、貯留槽2と循環配管5と電解セル8との間で電解硫酸溶液3の循環を継続する必要があった。このため、所望とする過硫酸濃度の電解硫酸溶液3を得るまでに長い時間と大きなエネルギーを要し、短時間で電解硫酸溶液製造システム1を立上げられない、という問題点があった。
そこで、本実施形態においては、電解硫酸溶液製造システム1の立ち上げ時に所望とする過硫酸濃度及び硫酸濃度に短時間で到達するように調整を行う(濃度調整工程)。この調整は、例えば、過酸化水素水を添加し、さらに必要に応じて硫酸及び/又は水を添加することにより、それぞれの比率(濃度)を調整した被電解処理液を製造する。
これは、硫酸と過酸化水素と混合することにより、下記式(4)の反応により強い酸化性を有する過硫酸(ペルオキソ一硫酸)成分を生成することで、過硫酸濃度を調整することができるからである。
SO+H ⇔ HSO+HO ・・・(4)
ここで、添加する過酸化水素水は、一般的な工業薬品として使用される35wt%の過酸化水素水などの任意の濃度の過酸化水素水を用いることができるが、電解硫酸溶液3中の酸化剤濃度を目的とする値とするための添加量が少なくて済むことから、高濃度の過酸化水素水を用いることが好ましく、一般工業薬品や電子工業用ELグレード薬品を使い分けることができる。
また、上記式(4)の反応における硫酸としては、濃度70~98重量のものが好ましいが、一般工業薬品や電子工業用ELグレード薬品を使い分けることができる。
さらに、被電解処理液の硫酸濃度が高すぎる場合には、希釈する必要があるか、この希釈に過酸化水素水を用いると、被電解処理液の酸化性が高くなりすぎる場合があるので、このような場合には、希釈用に水を添加することが好ましい。硫酸の希釈に用いる水は、水道水などの市水を使用することが可能であるが、各種カチオンやアニオンの混入を避けるために純水を使用するのが望ましく、各種材料表面の洗浄や改質に適用する処理対象によっては超純水を使用することもできる。
これら各成分の添加方法に特に制限はないが、最終的な硫酸濃度に応じてあらかじめ水に濃硫酸を溶解した硫酸溶液を電解硫酸溶液製造システム1の貯留槽2に張り込み、急激な反応に注意しながら過酸化水素を緩やかに混合し、被電解処理液を調整する方法が好ましい。また、濃度調整された硫酸溶液と過酸化水素水を別途混合した被電解処理液を貯留槽2に張り込む方法でもよい。この操作の過程で、循環ポンプ6を稼働させるとともに電解セル8に通電し、循環液(被電解処理液)の電気分解を開始すればよい。
この過酸化水素水、硫酸及び水(純水)の添加量は、立ち上げ時の電解硫酸溶液3の性状を測定した結果に基づき決定すればよい。例えば、貯留槽2や循環配管5などに酸化剤濃度計や硫酸濃度計を設置しておき、この測定結果により過酸化水素水、硫酸又は純水の添加量を決定すればよい。具体的には、電解硫酸溶液3の過硫酸濃度が目的とする値よりも低い場合には、過酸化水素水及び必要に応じて硫酸や水を追加添加して過硫酸濃度(酸化剤濃度)を高める操作を行えばよい。ここで、過硫酸濃度の測定法としては、正しい値が測定できる方法であれば特に制限はなく、吸光光度法、酸化還元滴定法、ラマン分光法、ポーラログラフ法、電位測定法などを用いることができる。
また、硫酸濃度計で測定された硫酸濃度が目的とする値よりも低い場合には硫酸を添加して濃度調整を行う。一方、硫酸濃度が目的とする値よりも高い場合には水および/または過酸化水素水を添加して濃度調整を行う。ここで、硫酸濃度の測定法としては、正しい値が測定できる方法であれば特に制限はなく、密度測定法、中和滴定法、超音波伝搬速度測定法、パックテスト法などを用いることができる。
そして、この過硫酸(酸化剤濃度)を向上させた硫酸溶液(被電解処理液)を電解セル8に供給して電気分解し、過硫酸濃度及び硫酸濃度が目的とする値なるまるまで必要に応じて循環して電解を継続する(電解処理工程)。さらに、貯留槽2内の電解硫酸溶液3の温度が所望とする温度となるように加熱器4で加温することで、目的とする温度に調整すればよい(温度調整工程)。
<第二の実施形態>
次に本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、電解硫酸溶液製造システム1が異なる以外、前述した第一の実施形態と同じ作用効果を発揮する。
[電解硫酸溶液製造システム]
図2は本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法を適用可能な第二の実施形態による電解硫酸溶液製造システムを示している。図2において、電解硫酸溶液製造システム1は、電解硫酸溶液3を受ける貯留槽2と、この貯留槽2の底部を出て中間槽10に連通する配管5Aと、中間槽10から貯留槽2に還流する配管5Bとが設けられており、配管5Aには送液機構としての送液ポンプ6Aが設けられている一方、配管5Bには送液機構としての送液ポンプ6Bと、温度制御機構としての加熱用の熱交換器7Aが設けられている。また、中間槽10の底部には、この中間槽10の底部を出て、再度中間槽10に還流する循環配管5Cが設けられている。この循環配管5Cには、出口側(基端側)から順に送液機構としての循環ポンプ6Cと温度制御機構としての冷却用の熱交換器7Bと直流電源9に接続された電解セル8とが設けられている。この電解セル8は、アノード電極8Aとバイポーラ電極8Bとカソード電極8Cとが設けられている。
[電解硫酸溶液の製造方法]
次に上述したような電解硫酸溶液製造システム1を用いた電解硫酸溶液3の製造方法について説明する。まず、中間槽10に硫酸成分を主体とする溶液を入れたら、中間槽10から循環ポンプ6Cにより循環流路5Cを経由して電解セル8に供給し、直流電源9から所定の電流を通電して、硫酸成分を主体とする溶液を電気分解してペルオキソ二硫酸等の過硫酸成分を含む酸化性溶液(電解硫酸溶液3)を製造する。この酸化性溶液(電解硫酸溶液3)は、電解セル8による電解効率を向上させるため、冷却用熱交換器7Bにより冷却することが好ましい。この電解硫酸溶液3を循環配管5Cを経由して龍間奏10に返送し、これを送液ポンプ6Bにより配管5Bから貯留槽2に供給する。このとき電解硫酸溶液3の温度が、該電解硫酸溶液3を用いた処理に応じた所望の温度となるように加熱用熱交換器7Aにより加熱することが好ましい。このとき電解硫酸溶液3により生成するペルオキソ二硫酸等の過硫酸の濃度が該電解硫酸溶液3を用いる処理に応じた所望とする濃度となるように電解セル8における電流量を制御すればよい。そして、この電解硫酸溶液3を用いて、例えば樹脂成形体のエッチングなど目的とする処理を行えばよい。
[電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法]
上述したような第二の実施形態において、電解硫酸溶液製造システム1の立ち上げ時には、前述した第一の実施形態と同様に過酸化水素水、必要に応じて硫酸及び/又は水を添加してやればよい。この場合、過酸化水素水、硫酸及び/又は水の添加する位置に特に制限はなく、貯留槽2、中間槽10、配管5A、5B、循環配管5Cなどに添加することができるが、特に中間槽10に添加することが一般的である。また添加方法にも特に制限はなく、ポンプを用いて添加するなど汎用的な方法を適用することができる。
このような第二の実施形態によれば、硫酸溶液に過酸化水素水を添加して被電解処理液を調整し、この被電解処理液を各種処理や改質処理に必要となる液性に近い酸化力を有するまで中間槽10と電解セル8を循環させて電解硫酸溶液3とし、その後貯留槽2に電解硫酸溶液3を所定の温度に調整して供給することができるので、貯留槽2をそのまま処理槽として用いることができる。さらに貯留槽2での所望とする処理と並行して、電解硫酸溶液3の製造を行うことができる。例えば、プラスチック材料表面をめっきするために行われる樹脂表面のエッチング処理に電解硫酸溶液を用いるめっき部品製造ラインにおいては、貯留槽2をエッチング槽として利用することができる。
上述した第一の実施形態及び第二の実施形態の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法によれば、電解硫酸溶液製造システム1の立上げ時に、過酸化水素水、必要に応じ硫酸及び/又は水を添加して酸化性を高めた被電解処理液を調整し、この被電解処理液を電解セル8に通電して電気分解を行うことで、短時間で所望とする過硫酸濃度及び硫酸濃度の電解硫酸溶液3を製造することができ、短時間で電解硫酸溶液製造システムの立上げを完了することができる。これにより、各種材料表面の洗浄処理や改質処理に必要となる液性に近い酸化力を有する溶液を、短時間の電解処理により得ることができ、洗浄や改質処理を開始するまでに要するエネルギー使用量を大幅に削減することが可能となる。
また、本実施形態によれば、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などの塩を添加することがないので、過硫酸塩に起因する水素イオン以外のカチオン成分の電解硫酸液への混入が生じることもない。さらに、液体のみを添加しているので取り扱いが容易である、という効果も奏する。
以上、本発明の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、硫酸、過酸化水素水及び水の添加手段を、硫酸濃度計及び酸化剤濃度計の測定結果に基づいて、それぞれの添加量をパーソナルコンピュータなどの演算・制御手段により最適値に制御することで、硫酸、過酸化水素水及び水の添加や電解セル8による電解時間(循環時間)を自動化するなどしてもよい。また、電解硫酸溶液3の硫酸濃度、過硫酸濃度及び温度は処理対象に応じて種々変更可能である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの記載により何ら限定されるものではない。
[比較例1]
ABS樹脂成形体にめっきする前処理のための樹脂エッチング用いる過硫酸成分を含む電解硫酸溶液3の液性として、硫酸濃度78wt%、過硫酸濃度7g/L as S及び温度60℃を設定し、図1に示す電解硫酸溶液製造システム1で電解硫酸溶液3を以下の工程により製造した。
はじめに、貯留槽2に純水と96wt%硫酸とを合計液容量15Lとなるよう添加・混合し、硫酸濃度が78wt%となるよう硫酸溶液を調整した。この硫酸溶液を循環ポンプ6を稼働させて流量2L/分で循環配管5から電解セル8に供給した。この際、電解セル8を循環する硫酸溶液の液温が50℃以下となるよう、熱交換器7を用いて温度調整した。
電解セル8では、直流電源9からアノード電極8Aとカソード電極8Cとの間に20Aの電流を通電し、循環している硫酸溶液の電気分解を行った。このアノード電極8A、カソード電極8C、バイポーラ電極8Bとしては、シリコンウエハ表面にダイヤモンドを成膜した電極(ダイヤモンド電極)を使用した。また、アノード電極8Aとカソード電極8Cの電極面積はいずれも5.2dmとした。そして、電解セル8を通過した循環液(硫酸溶液)は貯留槽2に戻した。この際、循環液(硫酸溶液)中の過硫酸濃度を適宜測定し、循環液の性状が上記で設定したエッチングに用いる液性に達するまで循環し、電解セル8による電気分解を継続して電解硫酸溶液3を製造した。このとき貯留槽2内の電解硫酸溶液3は貯留槽2に設置した電気ヒーター(加熱器4)を用いて設定温度(60℃)となるよう加温した。
ここで、過硫酸濃度は、ヨウ素滴定法により測定した酸化剤濃度と過マンガン酸滴定法により測定した酸化剤濃度の差より求めた。ここで、ヨウ素滴定法とは、少量分取した測定対象液にKIを加えてIを遊離させ、そのIをNa標準溶液で滴定してIの量を求め、そのIの量から酸化剤濃度を求める方法で、全酸化剤成分濃度が測定される。一方、過マンガン酸滴定は、少量分取した測定対象液に過マンガン酸カリウムを滴定する測定法で、測定対象液中の過酸化水素濃度のみを求めることができる。過硫酸濃度は、ヨウ素滴定法で求めた全酸化剤濃度から過酸化水素濃度に相当する酸化剤濃度を差し引くことにより算出する。
これらの工程により、設定した液性の電解硫酸溶液3を製造するまでに2.5時間を要した。また、この間の電解に要した消費電力量は1kWhであった。
上述したようにして製造した電解硫酸液3にABS樹脂試験片(BULKSAM TM-25、テクノUMG(株)製:40mm×130mm×t3mm)を10分間浸漬してエッチングを行った。具体的には治具に取り付けた試験片を貯留槽2に浸漬した。そして、このエッチング後の試験片を50℃の温水に10分間浸漬した後、水洗し、さらに中和液(濃塩酸50mL/L,35℃)に1分間浸漬した。次に、試験片をパラジウム-スズコロイド触媒液(パラジウム濃度0.11g/L,スズ濃度10.7g/L,濃塩酸180mL/L,40℃)に2分間浸漬し、水洗した後に活性化液(濃塩酸100mL/L,40℃)に10分間浸漬して活性化処理を行った。この試験片を水洗した後、無電解ニッケルめっき液(ニッケル濃度8.0g/L,pH9.0,40℃)に15分浸漬することでめっき処理を行った。このめっき処理工程を経た試験片には、全面に銀色のニッケルめっきが析出することが確認できた。
[参考例]
比較例1で使用したABS樹脂試験片にエッチング処理を施すことなく、比較例1と同じ条件でめっき前処理を施し、さらにめっき処理を行った。このめっき処理工程を経た試験片には、表面積の約10%以下程度でまばらにしかめっきが析出しておらず、エッチング処理がなければ、めっき製品としては不適当であることがわかった。
[実施例1]
比較例1と同じ電解硫酸溶液製造システム1を用い、ABS樹脂成形体にめっきする前処理のための樹脂エッチング用いる過硫酸成分を含む電解硫酸溶液3の液性として、硫酸濃度78wt%、過硫酸濃度7g/L as S、温度60℃を設定し、電解硫酸溶液3を以下の工程により製造した。
はじめに、貯留槽2に純水と96wt%硫酸とを合計液容量15Lとなるよう添加・混合し、硫酸濃度が78wt%となるよう硫酸溶液を調整した。この硫酸溶液を循環ポンプ6を稼働させて流量2L/分で循環配管5から電解セル8に供給した。この際、電解セル8を稼働させない状態、すなわち溶液の電気分解を行わない状態で、循環ポンプ6を稼働し循環配管5と貯留槽2との間で硫酸溶液を循環させた。
次に貯留槽2へ35wt%過酸化水素水を0.05L添加した。この過酸化水素水の添加により液温が上昇するので、熱交換器7を用いて50℃以下に冷却した。その後、硫酸溶液中の硫酸濃度を測定し、測定結果に応じて96wt%硫酸を少量添加し、硫酸濃度78wt%に調整して被電解処理液とした。その後、電解セル8を稼働して、この被電解処理液を循環ポンプ6を稼働させて循環配管5から流量2L/分で電解セル8に供給した。この際、電解セル8に供給される被電解処理液の液温が50℃以下となるよう、熱交換器7を用いて温度を調整した。
電解セル8では、前述した比較例1と同じ条件で通電し、電解セル8を通過した循環液は貯留槽2に戻した。この際、循環液中の過硫酸濃度を適宜測定し、循環液の性状が上記で設定したエッチングに用いる液性に達するまで電気分解を継続し、電解硫酸溶液3を製造した。このとき貯留槽2内の電解硫酸溶液3は貯留槽2に設置した電気ヒーター(加熱器4)を用いて設定温度(60℃)となるよう加温した。
これらの工程により、設定した液性の電解硫酸溶液3を調整するまでに10分を要した。また、この間に電解に要した消費電力量は0.07kWhであった。これらのことから、所要時間及び消費電力量のいずれも比較例1と比較して約1/15となっており、システムの立上げを短時間で完了できるとともにエネルギー消費量を大幅に低減することできることがわかる。
上述したようにして製造した電解硫酸液3を用いて、比較例1と同じ条件でABS樹脂試験片にエッチング処理及びめっき前処理を施し、さらにめっき処理を行った。このめっき処理工程を経た試験片には、比較例1と同様に全面に銀色のニッケルめっきが析出することが確認できた。
1 電解硫酸溶液製造システム
2 貯留槽
3 電解硫酸溶液
4 加熱器(温度制御機構)
5,5C 循環配管
5A 配管
5B 配管
6,6C 循環ポンプ
6A,6B 送液ポンプ
7 熱交換器(温度制御機構)
7A 加熱用熱交換器(温度制御機構)
7B 冷却用熱交換器(温度制御機構)
8 電解セル
8A アノード電極
8B バイポーラ電極
8C カソード電極
9 直流電源
10 中間槽

Claims (5)

  1. 硫酸成分を主体とする溶液を電気分解して生成する過硫酸成分を含む酸化性溶液を製造するシステムの立ち上げ方法であって、
    前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液の全部あるいは一部に過酸化水素水を添加して前記硫酸成分を主体とする溶液の酸化力を高めた状態に調整し、その溶液を電解セルに供給して電気分解を行う、電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法。
  2. 前記システムの立ち上げが、該システムの竣工後の初回稼働時、該システム内の過硫酸成分を含む酸化性溶液の交換後、該システムの稼働停止によりシステム内に貯留している酸化性溶液中の過硫酸成分の濃度が低下した後の稼働時のいずれかである、請求項1に記載の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法。
  3. 前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液の全部あるいは一部にさらに硫酸及び/又は水を添加する、請求項1又は2に記載の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法。
  4. 前記システム内に存在する硫酸成分を主体とする溶液中の硫酸濃度及び/又は過硫酸濃度の測定値に応じて前記過酸化水素水、硫酸及び/又は水を添加する濃度調整工程と、前記過硫酸濃度が目的値となるように各濃度の測定値に応じて溶液を電気分解する電解処理工程と、前記酸化性溶液の温度が目的値となるように温度の測定値に応じて該溶液の加温又は冷却を行う温度調整工程とを有する、請求項3に記載の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法。
  5. 前記システムが、前記酸化性溶液を貯留する貯留槽と、前記酸化性溶液を処理する電解セルと、前記貯留槽と前記電解セルとの間に溶液を循環させるための送液機構を備えた循環配管と、前記貯留槽内の酸化性溶液の温度及び/又は前記電解セルに供給する溶液の温度を制御する制御機構と、過酸化水素添加機構と、硫酸及び/又は水の添加機構とを備える、請求項3又は4に記載の電解硫酸溶液製造システムの立上げ方法。
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