JP7480571B2 - 車両用窓ガラス - Google Patents

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Description

本発明は車両用窓ガラスに関し、例えば、放送波等の無線信号を受信するアンテナを備えた車両用窓ガラスに関する。
車両のガラスには、放送波等を受信できるアンテナなど様々な機能部材が備えられている。このような放送波を受信するアンテナとして、欧州規格のDAB(Digital Audio Broadcast)のBand IIIの174MHz~240MHzの周波数帯の電波を受信できるアンテナ導体が、車両用ガラスに配置されている例がある。例えば、特許文献1~3にそのようなアンテナの一例が開示されている。
特許文献1及び特許文献2には、サイドウィンドウ(サイドガラス)に、特許文献3には、リアクォーターガラスに、DAB放送波用の電波を受信できるガラスアンテナが、所定パターンで配置されている例が開示されている。
特開2011-160236号公報 特開2014-064141号公報 特開2016-111556号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載のアンテナは、DAB規格のBand IIIの周波数帯で所定の利得は得られるが、さらに高い利得を有するアンテナが求められている。
本発明は、該課題を解決するために、従来のアンテナよりもDAB規格(とくにBand IIIの周波数帯)の放送波の電波を、高い利得で受信可能なアンテナを有する車両用窓ガラスを提供することを目的とする。
一実施の形態にかかる車両用窓ガラスは、車体に取り付けられる車両用窓ガラスであって、ガラス板と、前記ガラス板に設けられるアンテナと、を備え、前記アンテナは、給電導体部と、アース導体部と、を有し、前記給電導体部は、給電用の給電電極と、前記給電電極に接続される給電側エレメントと、を有し、前記アース導体部は、アース用のアース電極と、前記アース電極に接続されるアース側エレメントと、を有し、前記給電導体部は、前記アース導体部よりも上方に位置し、前記給電側エレメントは、前記ガラス板が前記車体に取り付けられた状態で水平方向である第1方向に延伸する給電側水平エレメントを有し、前記アース側エレメントは、前記アース電極側から前記第1方向に延伸するアース側第1水平エレメントと、前記第1方向と反対方向である第2方向に延伸するアース側第2水平エレメントと、前記アース側第1水平エレメントの前記アース電極と反対側の端部と前記アース側第2水平エレメントとを繋ぐ第1接続エレメントと、を有するU字状エレメントを含み、前記アース側第1水平エレメントの長さ及び前記アース側第2水平エレメントの長さは、前記アース側第1水平エレメントと前記アース側第2水平エレメントの間隔より長いものである。
一実施の形態によれば、DAB規格(とくにBand IIIの周波数帯)の放送波の電波を、高い利得で受信可能なアンテナを有する車両用窓ガラスを提供できる。
双極タイプのアンテナを有する車両用窓ガラスの概略図である。 実施の形態の第1の例にかかる車両用窓ガラスの概略図である。 実施の形態の第2の例にかかる車両用窓ガラスの概略図である。 実施の形態の第3の例にかかる車両用窓ガラスの概略図である。 参考例にかかる車両用窓ガラスの概略図である。 実施例1におけるアンテナの垂直偏波に関して測定したアンテナ利得のグラフである。 実施例1~3におけるアンテナの垂直偏波に関して測定したアンテナ利得のグラフである。 実施例3のアンテナ利得と参考例のアンテナ利得とを比較したグラフである。
実施の形態にかかるアンテナの構成
以下では、本発明にかかる車両用窓ガラスについて説明する。また、車両用窓ガラスは、窓ガラスが車両のボディに取り付けられた状態における実施の形態として説明を行う。窓ガラスは、車両ボディに取り付けられた状態では、金属枠等の枠体(以下、ボディフランジと称す)に囲まれた部分が開口部となっている。なお、ボディフランジは枠体全てが金属の場合に限らず、枠体の一部に樹脂が含まれてもよいが、以降、枠体全てが金属であるもの(金属枠体)として説明する。また、窓ガラスとなるガラス板は、ボディフランジ内に埋め込まれる部分を含み、ボディフランジに囲まれる開口部の窓ガラスを車両用窓ガラスと称す。そして、車両用窓ガラスに形成されるアンテナについて説明する。さらに、以下で説明するアンテナは、給電電極とアース電極とが一対で用いられる、いわゆる双極タイプのアンテナである。
また、以下で説明する図面は、車両にガラス板を取り付けた状態の車両用窓ガラスを示し、図面上下方向が、車両の高さ方向となり、図面左右方向が車両の前後方向または車幅方向とする。車両用窓ガラスは、車両のフロントガラス、サイドガラス、リアガラスのいずれに適用してもよい。また、車両用窓ガラスは、例えば、車両のサイドガラスであり、図面左右方向が車両の前後方向に相当する。そして、本発明にかかる車両用窓ガラスは、非可動式の窓(いわゆる嵌め殺し窓)に採用される。なお、本明細書では、とくにことわりがない限り、図面左右方向が車両の水平方向と平行方向とし、図面上下方向が水平面に対する法線方向(鉛直方向)とする。
まず、実施の形態にかかる車両用窓ガラスの動作原理について説明する。図1は、双極タイプのアンテナを有する車両用窓ガラス100の概略図である。図1に示す車両用窓ガラス100は、例えば、略三角形状のボディフランジ(枠体)に囲まれた開口部の領域にガラス板GLSが設けられる。そして、ガラス板GLSには、例えば、DAB(Digital Audio Broadcast)規格のBand IIIの周波数帯の放送波の電波を受信するアンテナANT0が配置される。このアンテナANT0は、給電導体部110及びアース導体部120を有する。そして、図1に示すように、給電導体部110は、給電電極111及び給電側エレメント112を有し、アース導体部120は、アース電極121及びアース側エレメント122を有する。そして、車両用窓ガラス100において、給電電極111、アース電極121、給電側エレメント112及びアース側エレメント122は、例えば、ガラス板GLSの主面に導電性金属として銀ペーストをプリントして焼き付けることで形成できる。
車両用窓ガラス100では、給電電極111とアース電極121をボディフランジ(枠体)に沿って上下方向に配置する。より具体的には、給電電極111とアース電極121とは、水平方向に対して略直交方向(略垂直方向)に延伸するボディフランジの辺の近傍に、所定の間隔で配置され、給電電極111がアース電極121よりも上方に配置される。なお、給電電極111とアース電極121のいずれが上方に配置されるかは、各電極に接続される(不図示の)アンプ等の回路に設けられるコネクタの配線により決定される場合がある。車両用窓ガラス100について、給電電極111がアース電極121よりも上方に配置されると、アンテナANT0に、例えばアンプ等を介して、フィーダ線(不図示)を結線する時、車両下側から上側に向かって結線できる。そのため、車内側が結露した場合、水滴が当該フィーダ線を伝わって、当該アンプ及び当該アンテナANT0側への侵入防止の効果が期待できる。また、アース電極121は、フィーダ線等によりボディにアースされる。
給電側エレメント112は、給電電極111に接続される。そして、給電側エレメント112は、給電電極111を起点にして、水平方向である第1方向に延伸するように形成される。なお、第1方向は、例えば、図1において、右側から左側に水平方向に延伸する方向とする。給電側エレメント112において給電電極111と接していない側の端部(図面左端)は、開放端となる。なお、給電側エレメント112は、水平方向に延伸して給電電極111とは反対側の端部から、水平方向とは異なる方向に延伸する(不図示の)延長エレメントを有し、該延長エレメントが開放端を含んでもよい。
アース側エレメント122は、アース電極121に接続される。そして、アース側エレメント122は、アース電極121を起点にして、水平方向である第1方向に延伸するように形成される。図1に示す例では、アース側エレメント122の長さは、給電側エレメント112よりも長くなるように形成される。そして、アース側エレメント122の端部のうちアース電極121と接続される端部と反対側となる端部は開放端となる。また、図1に示す例では、アース側エレメント122は、給電側エレメント112と平行し、かつ、屈曲部を設けないように形成される。また、給電側エレメント112とアース側エレメント122との間隔h1は、給電側エレメント112とアース側エレメント122とが隣り合う部分が容量結合するように設定される。容量結合する距離については後述する。
ここで、給電側エレメント112及びアース側エレメント122の長さは、受信する信号の周波数帯の中心周波数における空気中の波長λ0に基づき設定される。さらに、後述する実施の形態の第1の例から第3の例では、アース側エレメントに屈曲部を設けて、水平方向に延伸するエレメントが多段になるように形成する。これにより、実施の形態の第1の例から第3の例では、アンテナ利得を向上できる。次に、図2の車両用窓ガラス1を用いて、水平方向に延伸するアース側エレメントを複数の屈曲部を設けて多段にすることでアンテナ利得が向上する原理について説明する。



[実施の形態にかかる第1の例]
図2は、実施の形態の第1の例にかかる車両用窓ガラス1の概略図である。図2に示す第1の例では、ボディフランジFRGに囲まれる開口部にガラス板GLSが備えられる。そして、ガラス板GLSには、アンテナANT1が設けられ、アンテナANT1は、給電導体部10及びアース導体部20を有する。
給電導体部10は、給電電極11及び給電側エレメント12を有する。給電電極11は、給電用の端子である。給電側エレメント12は、給電電極11に接続される。また、給電側エレメント12は、ガラス板GLSが車体(例えば、ボディフランジFRG)に取り付けられた状態で水平方向である第1方向(例えば、図面右側から左側に向かう方向)に延伸するように設けられる。なお、図2では、給電側エレメント12は、屈曲部のない形状で示したが、ボディフランジFRGの開口部の形状に応じて、給電電極11から、第1方向とは異なる方向に延伸する(不図示の)引出線を設けて、該引出線の端部近傍から第1方向に延伸してもよい。さらに、給電側エレメント12は、給電電極11側とは反対側の端部から第1方向とは異なる方向に延伸して開放端を有する(不図示の)延長エレメントを含んでもよい。
アース導体部20は、アース電極21及びアース側エレメントEE1を有する。そして、アース側エレメントEE1は、アース電極21から水平方向(第1方向)に延伸するアース側第1水平エレメント22、アース側第1水平エレメント22のアース電極21側とは反対側の端部近傍から給電側エレメント12側とは反対方向(下方向)に延伸する第1接続エレメント23及び、第1接続エレメント23のアース側第1水平エレメント22側とは反対側の端部近傍から水平方向(第1方向とは反対の第2方向)に延伸するアース側第2水平エレメント24を含む。また、アース側第1水平エレメント22と給電側エレメント12とは、容量結合される距離h1に設定される。そして、アース側第1水平エレメント22とアース側第2水平エレメント24とは、容量結合される距離h2に設定される。
アース側第1水平エレメント22の長さ及びアース側第2水平エレメント24の長さは、上記距離h2より長くなるように設定する。なお、アース側エレメントEE1は、アース側第1水平エレメント22、第1接続エレメント23及びアース側第2水平エレメント24により、U字状エレメントを構成する。また、アース側第1水平エレメント22は、給電側エレメント12と同程度の長さとして、給電側エレメント12と容量結合させることが好ましい。
ここで、図2に示す、実施の形態のアンテナANT1のアンテナ利得向上の原理について説明する。まず、一例として、給電側エレメント12は受信電波の1/4波長(λ/4)程度の長さに設定する。そして、給電側エレメント12とアース側エレメントEE1とが、容量結合する間隔で配置する。この場合、給電側エレメント12の長さは、1/4波長程度に設定されるため、給電側エレメント12の開放端付近の電流は最小で、当該給電電極11付近の電流は最大となる電流分布が生じる。
一方、アース側エレメントEE1は、給電側エレメント12より下方側で2度折り返してU字形状となるので、折り返して第2方向に延伸するアース側第2水平エレメント24の効果により給電側エレメント12に分布する電流強度を高められる。U字形状のアース側エレメントEE1を用いる場合、給電側エレメント12の長さ及び、給電側エレメント12とアース側エレメントEE1との間隔h1は、図1における車両用窓ガラス100と同様である。そして、アース側エレメントEE1は、1/2波長(λ/2)程度の長さに設定し、アース側第2水平エレメント24は、1/4波長(λ/4)程度の長さに設定する。なお、波長λは、所定放送波における周波数帯の中心周波数における空気中の波長λにガラス板GLSの波長短縮率kを乗じた値である。
図2に示す実施の形態にかかる車両用窓ガラス1のように、アンテナANT1は、U字形状となるアース側エレメントEE1を設定し、給電側エレメント12と容量結合させる。そうすることで、アンテナANT1は、給電電極11付近の電流値が、U字形状のアース側エレメントEE1を用いないアンテナANT0より大きくなると考えられる。よって、U字形状のアース側エレメントEE1を用いるアンテナANT1は、アンテナANT0よりも、アンテナ利得が向上する。つまり、アース側エレメントEE1は、折り返し部を有することで、給電側エレメント12との共振が強くなるため、給電電極11付近の電流値がより大きくなり、アンテナANT1全体のアンテナ利得が向上すると考えられる。さらに、後述する「第2の例」、「第3の例」のように、折り返し部を加えて多段にすることで、アンテナ(ANT2,ANT3)のアンテナ利得向上の効果が増すと考えられる。
U字形状のアース側エレメントEE1は、アース電極21側である第2方向に向かって開口する。つまり、図2の例において、アース側エレメントEE1は、アース電極21から第1方向にアース側第1水平エレメント22を延伸させて、半時計回りに2つの屈曲部を有してU字形状となる。一方、図2に示す例とは異なり、アース側エレメントEE1が仮に、アース電極21からアース側第1水平エレメント22を有し、第1接続エレメント23とアース側第2水平エレメント24によって、時計回りのU字形状をなして、給電側エレメント12とアース側第2水平エレメント24とが容量結合する場合を考える。このとき、これらは、給電側エレメント12の開放端に向かう方向(第1方向)と、アース側第2水平エレメント24の開放端に向かう方向(第2方向)とが、容量結合しながら逆方向となるため、給電側エレメント12の電気長への影響が大きくなり、好ましくない。例えば、給電側エレメント12が、DAB規格のBand IIIの周波数帯の電波の1波長の約1/4波長程度(λ/4)の長さに設定され、共振させるとする。この場合、給電電極11を起点に給電側エレメント12が延伸する第1方向と、アース電極21を起点にアース側第2水平エレメント24が延伸する第2方向が、互いに逆向きで、容量結合するので、給電側エレメント12の共振周波数がBand IIIの周波数帯から外れ、さらに、共振も弱まるので、アンテナ利得が低下する。
そのため、図2のアンテナANT1のように、給電電極11を起点に給電側エレメント12が開放端に向かう方向と、アース側エレメントEE1のうち、アース電極21を起点に給電側エレメント12と容量結合するアース側第1水平エレメントが延伸する方向は、同じ第1方向にするとよい。したがって、図2の例において、アンテナANT1のアース側エレメントEE1は、反時計回りとなるU字形状に形成するとよい。次に、アンテナANT1の詳細な構成について説明する。
まず、給電側エレメント12の長さLは、アンテナが受信する所定周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス板GLSの波長短縮率をk、とするとき、(1a)式の関係を満たす長さに設定するとよい。
≦(1/4)×k×λ ・・・ (1a)
この長さLは、例えば、DABのBand III帯(174MHz~240MHz)の電波を受信できるように設定してもよい。なお、DABのBand III帯の中心周波数における空気中の波長λは、1448mmであり、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64とすると給電側エレメント12の長さLは、約232mm以下に設定するとよい。
また、給電側エレメント12の長さLは、(1b)式を満たすと好ましく、(1c)式を満たすとより好ましい。
≦0.9×(1/4)×λ×k ・・・ (1b)
≦0.8×(1/4)×λ×k ・・・ (1c)
このとき、給電側エレメント12の長さLは、一例としては150mm程度である。
次に、アース側エレメントEE1の長さについて、説明する。また、以下の説明では、アース電極21とアース側第1水平エレメント22との接続点をa1点とし、アース側第1水平エレメント22と第1接続エレメント23の一端との接続点をa2点とする。さらに、第1接続エレメント23の他端とアース側第2水平エレメント24との接続点をa3点とし、アース側第2水平エレメント24の開放端をa4点とする。また、U字形状をなすアース側エレメントEE1は、アース電極21が設けられる側である第2方向に向かって開口する。つまり、アース側エレメントEE1は、前述のとおりU字形状をなすU字状エレメントであり、当該U字状エレメントの長さDについて説明する。以降、アース側エレメントEE1は、「U字状エレメントEU」とも称する。また、アース側エレメントEE1は、第1接続エレメント23に接続し、第2方向に開口するように複数のエレメントを有する、櫛歯状エレメントでもある。
U字状エレメントEUのa1点からa4点までの長さDは、受信する信号の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス板GLSの波長短縮率をk、としたとき(2a)式の関係を満たす長さに設定するとよい。
(1/2)×λ×k×0.7≦D≦(1/2)×λ×k×1.5 ・・・ (2a)
この長さDは、例えば、DABのBand III帯(174MHz~240MHz)の電波を受信できる長さに設定する。なお、DABのBand III帯の中心周波数における空気中の波長λは、1448mmであり、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64とするとU字状エレメントEE1の長さDは、約325mm以上、約696mm以下に設定するとよい。
また、U字状エレメントEUの長さDは、(2b)式を満たすと好ましく、(2c)式を満たすとより好ましい。
0.8×(1/2)×λ×k≦D≦(1/2)×λ×k×1.4 ・・・ (2b)
0.9×(1/2)×λ×k≦D≦(1/2)×λ×k×1.3 ・・・ (2c)
このとき、U字状エレメントEUの長さDは、一例としては515mm程度である。
ここで、距離h1と距離h2について説明する。距離h1は、給電側エレメント12とアース側第1水平エレメント22とが容量結合する距離である。距離h1は、30mm以下であればよく、20mm以下が好ましく15mm以下がより好ましい。また、距離h2は、アース側第1水平エレメント22とアース側第2水平エレメント24とが近接していればよく、容量結合する距離が好ましい。距離h2は、ともに50mm以下であればよく、30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。例えば、車両用窓ガラス1が、サイドガラスとして適用される場合、これらのエレメント間の距離が狭すぎると、エレメントが目立つようになるため、意匠性とアンテナ性能の両立を考慮して距離h1,h2を設定してもよい。また、アンテナ性能を考慮すると、隣り合うエレメントどうしが容量結合する距離(h1,h2)の下限は、0mm超であればよく、例えば、3mm以上が好ましい。
ここで、アース側第1水平エレメント22の長さをDG1、アース側第2水平エレメント24の長さをDG2、アース側第1水平エレメント22とアース側第2水平エレメント24との間隔(h2)をDGW1とするとき、これらの長さの関係は(3a)式及び(4a)式を満たす関係に設定するとよい。
4:1≪DG1:DGW1≪32:1 ・・・ (3a)
4:1≪DG2:DGW1≪32:1 ・・・ (4a)
また、これらの長さの関係は(3b)式及び(4b)式を満たすと好ましく、(3c)式及び(4c)式を満たすとより好ましい。
5:1≪DG1:DGW1≪27:1 ・・・ (3b)
5:1≪DG2:DGW1≪27:1 ・・・ (4b)
8:1≪DG1:DGW1≪20:1 ・・・ (3c)
8:1≪DG2:DGW1≪20:1 ・・・ (4c)
なお、第1の例にかかる車両用窓ガラス1のガラス板GLSの大きさは、例えば、幅が400mm程度、高さが300mm程度の大きさのものが挙げられる。このような大きさの場合、U字状エレメントEUの全長Dよりも金属枠体の一辺の長さが短い。また、車両用窓ガラス1のボディフランジFRGの開口部(金属枠体)の形状は、三角形に限られず、四角形、四角以上の多角形でもよい。そして、ボディフランジの開口部の面積としては、給電側エレメント12及びU字状エレメントEUを配置可能な面積である0.04m以上であればよく、0.05m以上が好ましく、0.06m以上がより好ましい。また、ボディフランジFRGの開口部の面積は、上述した(2a)式の寸法範囲でU字状エレメントEUを設計する観点から、0.25m以下であればよい。なお、ボディフランジFRGの開口部の面積の条件は、後述する第2の例及び第3の例においても同様である。
[実施の形態にかかる第2の例]
実施の形態の第2の例は、第1の例にかかる車両用窓ガラス1の変形例となる、車両用窓ガラス2である。なお、第2の例の説明において第1の例で説明した構成要素と同じ構成要素については、第1の例と同じ符号を付して説明を省略する。
図3は、第2の例にかかる車両用窓ガラス2の概略図である。図3に示すように、第2の例にかかる車両用窓ガラス2は、アース導体部20に代えてアース導体部30を有する。図3に示す第2の例では、ガラス板GLSには、アンテナANT2が設けられ、アンテナANT2は、給電導体部10、アース導体部30を有する。アース導体部30は、アース導体部20のアース側エレメントEE1(U字状エレメントEU)に加えて第1L字状エレメントEL1を含む、アース側エレメントEE2を有する。第1L字状エレメントEL1は、第2接続エレメント31及びアース側第3水平エレメント32を含んでL字形状をなす。
第2接続エレメント31は、アース側第3水平エレメント32とアース側第2水平エレメント24とを繋ぎ、下方(給電側エレメント12側と反対方向)に延伸するエレメントである。アース側第3水平エレメント32は、第2方向に延伸する。そのため、第2接続エレメント31とアース側第3水平エレメント32は、アース側第2水平エレメント24よりも下方に位置する。また、アース側第2水平エレメント24と、第1L字状エレメントEL1により構成されるU字状エレメントは、第2の方向に開口する。このように、アース側エレメントEE2は、第1接続エレメント23及び第2接続エレメント31に接続し、第2方向に開口するように複数のエレメントを有する、櫛歯状エレメントでもある。さらに、図3に示すように、第2の例にかかる車両用窓ガラス2では、アース側第2水平エレメント24とアース側第3水平エレメント32との距離h3は、距離h2と同じ条件としてもよい。
ここで、第1L字状エレメントEL1の長さDL1について説明する。なお、第2接続エレメント31は、a3点において、第1接続エレメント23と接続する。しかし、第2接続エレメント31は、屈曲点となるa3点に接続する構成に限らず、例えば、アース側第2水平エレメント24のうちa3点よりも第2方向側に接続されてもよい。第1L字状エレメントEL1のa3点からb2点までの長さDL1は、受信する信号の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス板GLSの波長短縮率をk、としたとき(5a)式の関係を満たす長さに設定するとよい。
(1/4)×λ×k≦DL1≦(1/2)×λ×k ・・・ (5a)
この長さDL1は、例えば、DABのBand III帯(174MHz~240MHz)の電波を受信できる長さに設定する。なお、DABのBand III帯の中心周波数の空気中の波長λは、1448mmであり、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64とすると第1L字状エレメントEL1の長さDL1は、約231mm以上、約463mm以下に設定するとよい。
また、第1L字状エレメントEL1の長さDL1は、(5b)式を満たすと好ましく、(5c)式を満たすとより好ましい。
1.1×(1/4)×λ×k≦DL1≦(1/2)×λ×k×0.9 ・・・ (5b)
1.2×(1/4)×λ×k≦DL1≦(1/2)×λ×k×0.8 ・・・ (5c)
このとき、第1L字状エレメントEL1の長さDL1は、一例としては330mm程度である。
また、アース側第3水平エレメント32の長さをDG3、アース側第2水平エレメント24とアース側第3水平エレメント32との間隔(h3)をDGW2とするとき、これらは(6a)式を満たす関係に設定するとよい。
4:1≪DG3:DGW2≪32:1 ・・・ (6a)
また、これらの長さの関係は(6b)式を満たすと好ましく、(6c)式を満たすとより好ましい。
5:1≪DG3:DGW2≪27:1 ・・・ (6b)
8:1≪DG3:DGW2≪20:1 ・・・ (6c)
[実施の形態にかかる第3の例]
実施の形態の第3の例は、第2の例にかかる車両用窓ガラス2の変形例となる、車両用窓ガラス3である。なお、第3の例の説明において第1の例及び第2の例で説明した構成要素と同じ構成要素については、第1の例及び第2の例と同じ符号を付して説明を省略する。
図4は、第3の例にかかる車両用窓ガラス3の概略図である。図4に示すように、第3の例にかかる車両用窓ガラス3は、アース導体部30に代えてアース導体部40を有する。図4に示す第3の例では、ガラス板GLSには、アンテナANT3が設けられ、アンテナANT3は、給電導体部10、アース導体部40を有する。アース導体部40は、アース導体部30のアース側エレメントEE2に加えて第2L字状エレメントEL2を含む、アース側エレメントEE3を有する。第2L字状エレメントEL2は、第3接続エレメント41及びアース側第4水平エレメント42を含んでL字形状をなす。
第3接続エレメント41は、アース側第4水平エレメント42とアース側第3水平エレメント32とを繋ぎ、下方(給電側エレメント12側とは反対方向)に延伸するエレメントである。アース側第4水平エレメント42は、第2方向に延伸する。そのため、第3接続エレメント41とアース側第4水平エレメント42は、アース側第3水平エレメント32よりも下方に位置する。そして、アース側第3水平エレメント32と、第2L字状エレメントEL2により構成されるU字状エレメントは、第2方向に開口する。このように、アース側エレメントEE3は、第1接続エレメント23、第2接続エレメント31及び第3接続エレメント41に接続し第2方向に開口するように複数のエレメントを有する、櫛歯状エレメントでもある。さらに、図4に示すように、第3の例にかかる車両用窓ガラス3では、アース側第3水平エレメント32とアース側第4水平エレメント42との距離h4は、距離h2と同じ条件としてもよい。
ここで、第2L字状エレメントEL2の長さDL2について説明する。なお、第3接続エレメント41は、b1点において、第2接続エレメント31と接続する。しかし、第3接続エレメント41は、屈曲点となる接続点b1に接続する構成に限らず、例えば、アース側第2水平エレメント24のうち接続点b1よりも第2方向側に接続されてもよい。第2L字状エレメントEL2のb1点からc2点までの長さDL2は、受信する信号の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ、ガラス板GLSの波長短縮率をk、としたとき(7a)式の関係を満たす長さに設定するとよい。
(1/4)×λ×k≦DL2≦(1/2)×λ×k ・・・ (7a)
この長さDL2は、例えば、DABのBand III帯(174MHz~240MHz)の電波を受信できる長さに設定する。なお、DABのBand III帯の中心周波数の空気中の波長λは、1448mmであり、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64とすると第2L字状エレメントEL2の長さDL2は、約231mm以上、約463mm以下に設定するとよい。
また、第2L字状エレメントEL2の長さDL2は、(7b)式を満たすと好ましく、(7c)式を満たすとより好ましい。
1.1×(1/4)×λ×k≦DL2≦(1/2)×λ×k×0.9 ・・・ (7b)
1.2×(1/4)×λ×k≦DL2≦(1/2)×λ×k×0.8 ・・・ (7c)
このとき、第2L字状エレメントEL2の長さDL2は、一例としては355mm程度である。
また、アース側第4水平エレメント42の長さをDG4、アース側第3水平エレメント32とアース側第4水平エレメント42との間隔(h4)をDGW3とするとき、これらの長さの関係は(8a)式を満たす関係に設定するとよい。
4:1≪DG4:DGW3≪32:1 ・・・ (8a)
また、これらの長さの関係は(8b)式を満たすと好ましく、(8c)式を満たすとより好ましい。
5:1≪DG4:DGW3≪27:1 ・・・ (8b)
8:1≪DG4:DGW3≪20:1 ・・・ (8c)
[参考例]
参考例は、第3の例にかかる車両用窓ガラス3のアンテナ利得の特徴を検証するための車両用窓ガラスCOMPであり、第3の例に対する比較例の構成に相当する。なお、参考例の説明において第1の例から第3の例で説明した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する。
図5は、参考例にかかる車両用窓ガラスCOMPの概略図である。図5に示すように、参考例にかかる車両用窓ガラスCOMPは、アース導体部40に代えてアース導体部50を有する。図5に示す参考例では、ガラス板GLSには、アンテナANTcが設けられ、アンテナANTcは、給電導体部10、アース導体部50を有する。アース導体部50は、アース導体部40のアース側エレメントEE3にループエレメント51を追加したアース側エレメントEEcを有する。ループエレメント51は、第3の例における、アース側第4水平エレメント42の開放端となるc2点、アース側第3水平エレメント32の開放端となるb2点、アース側第2水平エレメント24の開放端となるa4点及びアース側第1水平エレメント22とアース電極21(の接続点であるa1点)を接続するエレメントである。言い換えると、参考例において、ループエレメント51は、上記4つの点を短絡してアース導体部40に3つの閉ループを形成するエレメントである。つまり、アース導体部50は、ループエレメント51を含むことで第2方向に開口しない。
ここで、上記実施の形態で説明した車両用窓ガラスのアンテナのアンテナ特性の評価結果の一例について図6~図8を用いて説明する。以下で説明する実施例では、上述した実施の形態の車両用窓ガラスのアンテナの具体例であり、DAB規格のBand III放送波の周波数帯(174MHz~240MHz)の電波を受信する仕様とした。以下の説明では、各車両用窓ガラスのアンテナの具体的構成に基づく各アンテナのアンテナ利得について説明する。
(実施例1)
実施例1は、第1の例にかかる車両用窓ガラス1の具体例であり、実施例1にかかる車両用窓ガラス1におけるアンテナANT1の給電側エレメント12は、給電電極11から離れるように、水平方向に140mmとした。このとき、給電側エレメント12の長さLは、中心周波数における空気中の波長λ=1448mm、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64であり、L≒0.15×λ×kの関係であった。
また、実施例1にかかる車両用窓ガラス1におけるアンテナANT1のアース側第1水平エレメント22、第1接続エレメント23及びアース側第2水平エレメント24を構成するU字状エレメントEUの形状は、a1点からa2点の長さ(=DG1)を210mm、a2点からa3点の長さを40mm、a3点からa4点の長さ(=DG2)を265mmとした。このとき、U字状エレメントEUの長さDは、515mmであり、中心周波数の空気中の波長λ=1448mm、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64であり、D≒0.57×λ×kの関係であった。
また、給電側エレメント12とアース側第1水平エレメント22との距離h1は、20mmとした。このときのDG1:DGW1は、7:1であった。さらに、アース側第1水平エレメント22とアース側第2水平エレメント24との距離h2(=DGw1)は、30mmとした。このときのDG2:DGW1は、8.8:1であった。
(実施例2)
実施例2は、第2の例にかかる車両用窓ガラス2の具体例である。実施例2にかかる車両用窓ガラス2におけるアンテナANT2では、実施例1の車両用窓ガラス1におけるアンテナANT1の構成に、アース側第2水平エレメント24と第1接続エレメント23との接続点であるa3点に第2接続エレメント31とアース側第3水平エレメント32とにより構成される第1L字状エレメントEL1を追加した。
そして、実施例2では、この第1L字状エレメントEL1の形状として、a3点からb1点の長さを40mm、b1点からb2点の長さ(=DG3)を290mmとした。このとき、第1L字状エレメントEL1の長さDL1は、330mmであり、中心周波数における空気中の波長λ=1448mm、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64であり、DL1≒0.35×λ×kの関係であった。また、アース側第2水平エレメント24とアース側第3水平エレメント32との距離h3(=DGw2)は、30mmとした。このときのDG3:DGW2は、9.7:1であった。
(実施例3)
実施例3は、第3の例にかかる車両用窓ガラス3の具体例である。実施例3にかかる車両用窓ガラス3におけるアンテナANT3では、実施例2の車両用窓ガラス2におけるアンテナANT2の構成に、アース側第3水平エレメント32と第2接続エレメント31との接続点であるb1点に第3接続エレメント41とアース側第4水平エレメント42とにより構成される第2L字状エレメントEL2を追加した。
そして、実施例3では、この第2L字状エレメントEL2の形状として、b1点からc1点の長さを40mm、c1点からc2点の長さ(=DG4)を315mmとした。このとき、第2L字状エレメントEL2の長さDL2は、355mmであり、中心周波数の空気中における波長λ=1448mm、ガラス板GLSの波長短縮率k=0.64であり、DL2≒0.38×λ×kの関係であった。また、アース側第3水平エレメント32とアース側第4水平エレメント42との距離h4(=DGw3)は、30mmとした。このときのDG4:DGW3は、10.5:1であった。
(比較例)
比較例は、参考例にかかる車両用窓ガラスCOMPの具体例である。比較例にかかる車両用窓ガラスCOMPにおけるアンテナANTcでは、実施例3の車両用窓ガラス3におけるアンテナANT3の構成に、アース側第2水平エレメント24、アース側第3水平エレメント32及びアース側第4水平エレメント42の開放端を互いに繋ぎ、かつ、a1点(アース電極21)まで延伸するループエレメント51を追加した。比較例にかかる車両用窓ガラスCOMPのその他部分は車両用窓ガラス3と同じであった。
(実施例1~3、比較例のアンテナ利得)
続いて、実施例1~3および比較例の車両用窓ガラスにおけるアンテナのアンテナ利得について説明する。図6は、実施例1におけるアンテナの垂直偏波に関して測定したアンテナ利得のグラフである。実施例1(図6)が示すアンテナ利得(ゲイン)の数値は、水平面内の車両全周範囲(0°~360°)において所定の角度毎に測定されたアンテナ利得の平均値を示す。以降の実施例(実施例2、実施例3および比較例)についても同様の条件でアンテナ利得の平均値を測定した。具体的に、図6は、実施例1におけるアンテナの垂直偏波に関して測定したアンテナ利得のグラフである。なお、図6のグラフでは、実施例1の車両用窓ガラス1のアンテナ利得に加えて、参考例として図1に示した車両用窓ガラス100のアンテナANT0のアンテナ利得も示した。なお、車両用窓ガラス100は、上述した形状の車両用窓ガラス1から第1接続エレメント23及びアース側第2水平エレメント24を除いたものである。
図6に示すように、実施例1の車両用窓ガラス1におけるアンテナANT1のアンテナ利得は、車両用窓ガラス100におけるアンテナANT0のアンテナ利得に比べて全体的に高い。特に、186MHz~220MHzの範囲では、車両用窓ガラス1におけるアンテナANT1のアンテナ利得は、車両用窓ガラス100におけるANT0のアンテナ利得に比べて2dB以上高いアンテナ利得が得られた。
図7は、実施例1~3におけるアンテナの垂直偏波に関して測定したアンテナ利得のグラフである。図7に示すように、実施の形態にかかる車両用窓ガラス1~3におけるアンテナANT1~ANT3は、アース導体部に含まれるアース側水平エレメントの本数(L字状エレメント)が増えるほど対象とした周波数帯域の全体で高いアンテナ利得が得られた。
図8は、実施例3、比較例におけるアンテナの垂直偏波に関して測定したアンテナ利得のグラフである。図8に示すように、比較例は、ループエレメント51を設けない実施例3の車両用窓ガラス3におけるアンテナANT3のアンテナ利得よりも、174MHz~220MHzの範囲においてアンテナ利得が低減し、とくに174MHz~200MHzの範囲において、大きく低減した。
上記実施例1~3及び比較例より、実施例1~3の車両用窓ガラス1~3におけるアンテナANT1~ANT3は、車両用窓ガラス100におけるアンテナANT0及び比較例の車両用窓ガラスANTCOMPにおけるアンテナANTcよりも高いアンテナ利得が得られた。このように、実施例1~3の車両用窓ガラス1~3におけるアンテナANT1~ANT3は、アース導体部において受信電波の波長に応じた長さで設定したエレメントを接続エレメントで接続し、かつ、所定方向に開口するように多段に配置する構成を有する。これにより、実施例1~3で示した車両用窓ガラスの各アンテナは、高いアンテナ利得を得ることができる。
また、実施の形態にかかる車両用窓ガラスは、車体のサイドガラスに使用する場合、両サイド(左右)に配置する対となる窓ガラス(サイドガラス)に形成されたアンテナにより構成されるダイバーシティアンテナとして使用できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。例えば、ガラス板GLS上にDAB規格のBand III帯の放送波に対応したアンテナのみならず、AM放送波の電波、FM放送波の電波、地上デジタルテレビ放送波の電波のうち少なくとも1つを受信するためのアンテナが形成されてもよい。
1 車両用窓ガラス
2 車両用窓ガラス
3 車両用窓ガラス
10 給電導体部
11 給電電極
12 給電側エレメント
20 アース導体部
21 アース電極
22 アース側第1水平エレメント
23 第1接続エレメント
24 アース側第2水平エレメント
30 アース導体部
31 第2接続エレメント
32 アース側第3水平エレメント
40 アース導体部
41 第3接続エレメント
42 アース側第4水平エレメント
51 ループエレメント
FRG ボディフランジ
GLS ガラス板
100 車両用窓ガラス
110 給電導体部
111 給電電極
112 給電側エレメント
120 アース導体部
121 アース電極
122 アース側エレメント
COMP 車両用窓ガラス
EE1 アース側エレメント
EE2 アース側エレメント
EE3 アース側エレメント
EEc アース側エレメント
ANT0 アンテナ
ANT1 アンテナ
ANT2 アンテナ
ANT3 アンテナ
ANTc アンテナ
EU U字状エレメント
ELl 第1L字状エレメント
EL2 第2L字状エレメント

Claims (19)

  1. 車体に取り付けられる車両用窓ガラスであって、
    ガラス板と、
    前記ガラス板に設けられるアンテナと、を備え、
    前記アンテナは、給電導体部と、アース導体部と、を有し、
    前記給電導体部は、給電用の給電電極と、前記給電電極に接続される給電側エレメントと、を有し、
    前記アース導体部は、アース用のアース電極と、前記アース電極に接続されるアース側エレメントと、を有し、
    前記給電導体部は、前記アース導体部よりも上方に位置し、
    前記給電側エレメントは、前記ガラス板が前記車体に取り付けられた状態で水平方向である第1方向に延伸する給電側水平エレメントを有し、
    前記アース側エレメントは、前記アース電極側から前記第1方向に延伸するアース側第1水平エレメントと、前記第1方向と反対方向である第2方向に延伸するアース側第2水平エレメントと、前記アース側第1水平エレメントの前記アース電極と反対側の端部と前記アース側第2水平エレメントとを繋ぐ第1接続エレメントと、を有するU字状エレメントを含み、
    前記アース側第1水平エレメントの長さ及び前記アース側第2水平エレメントの長さは、前記アース側第1水平エレメントと前記アース側第2水平エレメントの間隔より長
    前記アース側第1水平エレメントの長さをDG1、前記アース側第2水平エレメントの長さをDG2、前記アース側第1水平エレメントと前記アース側第2水平エレメントとの間隔をDGW1とするとき、
    4:1≪DG1:DGW1≪32:1であり、
    4:1≪DG2:DGW1≪32:1である、車両用窓ガラス。
  2. 車体に取り付けられる車両用窓ガラスであって、
    ガラス板と、
    前記ガラス板に設けられるアンテナと、を備え、
    前記アンテナは、給電導体部と、アース導体部と、を有し、
    前記給電導体部は、給電用の給電電極と、前記給電電極に接続される給電側エレメントと、を有し、
    前記アース導体部は、アース用のアース電極と、前記アース電極に接続されるアース側エレメントと、を有し、
    前記給電導体部は、前記アース導体部よりも上方に位置し、
    前記給電側エレメントは、前記ガラス板が前記車体に取り付けられた状態で水平方向である第1方向に延伸する給電側水平エレメントを有し、
    前記アース側エレメントは、前記アース電極側から前記第1方向に延伸するアース側第1水平エレメントと、前記第1方向と反対方向である第2方向に延伸するアース側第2水平エレメントと、前記アース側第1水平エレメントの前記アース電極と反対側の端部と前記アース側第2水平エレメントとを繋ぐ第1接続エレメントと、を有するU字状エレメントを含み、
    前記アース側第1水平エレメントの長さ及び前記アース側第2水平エレメントの長さは、前記アース側第1水平エレメントと前記アース側第2水平エレメントの間隔より長く、
    前記アース側エレメントは、前記アース側第2水平エレメントと接続する第2接続エレメントと、前記第2接続エレメントと接続して前記第2方向に延伸するアース側第3水平エレメントを有し、前記第2接続エレメントと前記アース側第3水平エレメントが、前記U字状エレメントより下方に位置する、第1L字状エレメントをなす、車両用窓ガラス。
  3. 前記給電電極と前記アース電極は、前記車体の枠体に囲まれた開口部の略垂直方向の端辺の近傍に所定の間隔で配置される、請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記U字状エレメントは、前記第2方向に向かって開口する、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  5. 前記給電側水平エレメントは、アース側第1水平エレメントの少なくとも一部と容量結合する、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記アンテナが受信する所定周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0、前記ガラス板の波長短縮率をk、とするとき、
    前記U字状エレメントの長さDUは、
    (1/2)×k×λ0×0.7≦Du≦(1/2)×k×λ0×1.5
    を満足する、請求項1からのいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記アース側第2水平エレメントと前記第1L字状エレメントによってできるエレメントは、前記第2方向に開口する、請求項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記第2接続エレメントは、前記第1接続エレメントと接続する、請求項又はに記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記アンテナが受信する所定周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0、前記ガラス板の波長短縮率をk、とするとき、
    前記第1L字状エレメントの長さDL1は、
    (1/4)×k×λ0≦DL1≦(1/2)×k×λ0
    を満足する、請求項2、7、8のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記アース側第3水平エレメントの長さをDG3、前記アース側第2水平エレメントと前記アース側第3水平エレメントとの間隔をDGW2とするとき、
    4:1≪DG3:DGW2≪32:1である、請求項2及び7からのいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  11. 前記アース側エレメントは、前記アース側第3水平エレメントと接続する第3接続エレメントと、前記第3接続エレメントと接続して前記第2方向に延伸するアース側第4水平エレメントを有し、前記第3接続エレメントと前記アース側第4水平エレメントが、前記第1L字状エレメントより下方に位置する、第2L字状エレメントをなす、請求項2及び7から10のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  12. 前記アース側第3水平エレメントと前記第2L字状エレメントによってできるエレメントは、前記第2方向に開口する、請求項11に記載の車両用窓ガラス。
  13. 前記第3接続エレメントは、前記第2接続エレメントと接続する、請求項11又は12に記載の車両用窓ガラス。
  14. 前記アンテナが受信する所定周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0、前記ガラス板の波長短縮率をk、とするとき、
    前記第2L字状エレメントの長さDL2は、
    (1/4)×k×λ0≦DL2≦(1/2)×k×λ0
    を満足する請求項11から13のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  15. 前記アース側第4水平エレメントの長さをDG4、前記アース側第3水平エレメントと前記アース側第4水平エレメントとの間隔をDGW3とするとき、
    4:1≪DG4:DGW3≪32:1である、請求項11から14のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  16. 前記アンテナが受信する所定周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0、前記ガラス板の波長短縮率をk、とするとき、
    前記給電側エレメントの長さLHは、
    LH≦(1/4)×k×λ0
    を満足する、請求項1から15のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  17. 前記ガラス板が取り付けられる枠によってできる、開口部の面積は、0.04m2以上である、請求項1から16のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  18. 前記アンテナは、DAB規格のBand IIIの周波数帯の放送波の電波を受信する、請求項1から17のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  19. 前記ガラス板は、前記車体の側部に取り付けられる固定窓ガラスである、請求項1から18のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
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