(本開示の概要)
本開示の一態様に係る部品実装システムは、複数の部品を基板に実装する部品実装機を備える部品実装システムであって、前記部品実装機は、前記部品を吸着する複数の吸着ノズルと、前記複数の吸着ノズルを保持するヘッドと、前記複数の部品が供給される第1位置と前記基板が配置される第2位置との間で、前記ヘッドを往復移動させる駆動機構と、を備え、前記部品実装システムは、前記複数の吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識する認識部と、前記認識部による認識結果を記憶する記憶部と、を備え、前記駆動機構は、前記第1位置から前記第2位置まで前記ヘッドを第1速度で移動させ、前記第2位置から前記第1位置まで前記ヘッドを前記第1速度より速い第2速度で移動させ、前記複数の吸着ノズルの1つである第1ノズルは、前記第1位置で吸着した第1部品を前記第2位置で前記基板に実装し、前記複数の吸着ノズルの1つである第2ノズルは、前記第1位置で吸着した第2部品を前記第2位置で前記基板に実装することなく、前記第2部品を吸着したまま前記第2位置から前記第1位置へ移動した後、前記第2部品を吸着したまま前記第1位置から前記第2位置へ移動する。
基板が配置される第2位置から部品が供給される第1位置に移動するときのヘッド(及び吸着ノズル)の移動速度が高速であるので、本態様に係る部品実装システムでは、当該高速の移動を利用して、高速の移動に部品の吸着状態が耐えうるか否かの実験を行う。ヘッドが保持する複数の吸着ノズルのうち、生産に使用されない第2ノズルを利用して実験を行うことで、量産品の生産を行いながら、吸着状態の認識結果を実験結果として蓄積することができる。つまり、量産品の生産を停止する必要がないので、生産効率の低下を抑制しながら、実験結果を大量に得ることができる。このように、本態様に係る部品実装システムによれば、生産効率の低下の抑制と吸着ノズルの移動速度の最適化との両立を支援することができる。
また、例えば、本開示の一態様に係る部品実装システムは、さらに、前記記憶部に記憶された認識結果に基づいて、前記第2ノズルによる前記第2部品の吸着状態が正常であるか否かを判定する判定部を備えてもよい。
これにより、吸着状態の判定結果が得られるので、高速移動に耐えうるか否かの判断に判定結果を利用することができる。また、量産品の生産に用いられる部品の吸着状態の判定結果は、基板への実装の可否にも利用することができる。
また、例えば、前記駆動機構は、前記判定部によって前記第2部品の吸着状態が正常である判定された場合、前記第2ノズルが前記第2部品を吸着したまま、前記ヘッドの往復移動を複数回繰り返してもよい。
これにより、実験を連続的に行うことができるので、短期間で多くの認識結果を蓄積することができる。認識結果が増えれば増える程、実験結果の信頼性を高めることができる。したがって、移動速度の最適化の精度を高めることができる。
また、例えば、前記駆動機構は、前記ヘッドの往復移動の繰り返しにおいて、前記第2位置から前記第1位置までの移動速度を、前記第2速度より遅い第3速度から段階的に速度を上げることで、前記第2速度に到達させてもよい。
これにより、速度を段階的に目標速度まで上昇させることにより、速度上昇の途中で吸着状態が正常でなくなった場合に、速やかに実験を中止し、部品落下などの発生による量産品の生産の停止を防ぐことができる。
また、例えば、前記駆動機構は、前記第2位置から前記第1位置までの移動速度が前記第2速度に到達した後、前記第2位置から前記第1位置までの移動速度を前記第2速度で維持した状態で、前記第2ノズルが前記第2部品を吸着したまま、前記ヘッドの往復移動を繰り返してもよい。
これにより、実験を連続的に行うことができるので、短期間で多くの認識結果を蓄積することができる。認識結果が増えれば増える程、実験結果の信頼性を高めることができる。したがって、移動速度の最適化の精度を高めることができる。
また、例えば、前記認識部は、前記第1位置と前記第2位置との間を通過する前記複数の吸着ノズルを撮像し、前記認識結果は、前記第2ノズルと、前記第2ノズルに吸着された前記第2部品とを含む画像であり、前記判定部は、前記画像に基づいて前記第2ノズルの基準位置と前記第2部品の基準位置とのずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて前記第2部品の吸着状態が正常であるか否かを判定してもよい。
これにより、基準位置間のずれ量に基づいて、吸着状態が正常な状態であるか否かを簡単かつ精度良く判定することができる。
また、例えば、前記判定部は、前記ヘッドの往復移動の繰り返しの度に、算出した前記ずれ量と直前の前記ずれ量との差分に基づいて、前記第2部品の吸着状態が正常であるか否かを判定してもよい。
これにより、今回のずれ量と直前のずれ量との差分を利用することで、1回の高速移動に基づく吸着状態の変化を精度良く検出することができる。このため、高速移動に耐えうるか否かを精度良く判定することができる。
また、例えば、前記駆動機構は、さらに、前記第2部品の吸着状態が正常であると判定された回数が所定回数以上になった場合に、前記第1位置から前記第2位置までの移動速度を前記第2速度に変更してもよい。
これにより、生産用の部品を吸着して第1位置から第2位置まで移動する移動速度を、高速移動に耐えうると判断できた速度に上昇させることができる。これにより、1回のヘッドの往復移動にかかる時間を短くすることができるので、生産効率を高めることができる。
また、例えば、前記第2ノズルは、前記ヘッドの往復移動の繰り返しの後、前記第2部品の吸着を解除し、前記第1位置で前記複数の部品の1つを吸着し、吸着した部品を前記第2位置で前記基板に実装してもよい。
これにより、実験に利用した吸着ノズルを生産にも利用することができる。量産品の生産中に空いた吸着ノズル(一定期間、生産に使用されない吸着ノズル)を有効に利用することができるので、実験の影響で生産効率が低下しないようにすることができる。また、実験に利用した部品は廃棄されるので、生産に使用される部品とは異なる種類の部品の実験を行うことができる。
また、例えば、前記第2ノズルは、前記ヘッドの往復移動の繰り返しの後、前記第2部品を前記第2位置で前記基板に実装してもよい。
これにより、実験に利用した吸着ノズル及び部品を生産にも利用することができる。量産品の生産中に空いた吸着ノズル(一定期間、生産に使用されない吸着ノズル)を有効に利用することができるので、実験の影響で生産効率が低下しないようにすることができる。また、実験に利用した部品を基板への実装にも利用することができるので、部品の廃棄数を減らすことができる。
また、例えば、前記第2ノズルは、少なくとも前記基板に対する前記複数の部品の実装には使用されなくてもよい。
これにより、実験用ノズルは生産に使用されないので、長期間、実験に利用することができる。より多くの蓄積結果を得ることができるので、実験結果の信頼性を高めることができる。
また、本開示の一態様に係る部品実装機の制御方法は、複数の部品を基板に実装する部品実装機の制御方法であって、前記部品実装機は、前記部品を吸着する複数の吸着ノズルと、前記複数の吸着ノズルを保持するヘッドと、前記複数の部品が供給される第1位置と前記基板が配置される第2位置との間で、前記ヘッドを往復移動させる駆動機構と、を備え、前記部品実装機の制御方法は、前記ヘッドが前記第1位置から前記第2位置まで第1速度で移動し、前記第2位置から前記第1位置まで前記第1速度より速い第2速度で移動するように、前記駆動機構を制御する速度制御ステップと、前記複数の吸着ノズルによる部品の吸着を制御する吸着制御ステップと、前記複数の吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識する認識ステップと、前記認識ステップにおける認識結果を記憶部に記憶する記憶ステップと、を含み、前記吸着制御ステップでは、前記複数の吸着ノズルの1つである第1ノズルに対して、前記第1位置で第1部品を吸着させ、吸着した第1部品を前記第2位置で前記基板に実装させ、前記複数の吸着ノズルの1つである第2ノズルに対して、前記第1位置で第2部品を吸着させ、吸着した第2部品を前記第2位置で前記基板に実装することなく、前記第2位置から前記第1位置への移動中、及び、前記第1位置から前記第2位置への移動中、前記第2部品を吸着したまま維持させる。
これにより、上述した部品実装システムと同様の効果を得ることができる。
また、例えば、本開示の一態様に係る部品実装機の制御方法は、さらに、前記記憶部に記憶された認識結果に基づいて、前記第2ノズルによる前記第2部品の吸着状態が正常であるか否かを判定する判定ステップと、前記第2部品の吸着状態が正常であると判定された回数が所定回数以上になった場合に、前記第2速度に関する情報を出力する出力ステップと、を含んでもよい。
これにより、実験を行った部品実装機だけでなく、他の部品実装機にも判定結果を利用することができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、以下の説明において、1回のターンとは、部品実装機のヘッドの1回の往復移動を意味している。つまり、ヘッドが第1位置から第2位置に移動し、かつ、第2位置から第1位置に移動することを、1回のターンとしてカウントする。
(実施の形態)
[1.部品実装システム]
まず、実施の形態に係る部品実装システムの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る部品実装システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、部品実装システム1は、部品実装機10と、計画装置20と、制御装置30と、管理装置40と、を備える。各装置間は、有線又は無線で通信可能に接続されている。以下では、部品実装システム1を構成する各装置の具体的な構成について説明する。
[1-1.部品実装機]
まず、部品実装機10について説明する。
部品実装機10は、複数の部品を基板3に実装する装置である。部品実装機10は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末などの携帯端末、車載機器、家電機器、並びにコンピュータ機器などの各種機器が有する電子基板を製造する。基板3は、例えばプリント回路基板である。
複数の部品はそれぞれ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランスなどの回路部品である。複数の部品は、例えば、表面実装可能なSMD(Surface Mount Device)型の回路部品である。
複数の部品には、図1に示されるように、生産用部品2aと、実験用部品2bと、が含まれる。生産用部品2aは、生産に使用される第1部品の一例であり、基板3に実装される部品である。実験用部品2bは、実験に使用される第2部品の一例であり、基板3には実装されない。実験用部品2bは、生産用部品2aと同じ種別の部品であってもよく、異なる種別の部品であってもよい。
なお、「実験」とは、吸着ノズルが部品を吸着した状態で吸着ノズルを高速に移動させることである。高速移動後の部品の吸着状態を確認することで、高速移動に部品の吸着状態が耐えうるか否か、具体的には、高速移動後の部品をそのまま基板に実装できるか否かを判断することができる。実験回数が多い程、実験結果の信頼性が高くなるので、移動速度の最適化の精度を高めることができる。
また、詳細については後述するが、実験用部品2bは、実験に使用された後に、基板3に実装されてもよい。つまり、1つの部品は、実験用部品2bであり、かつ、生産用部品2aであってもよい。
図1に示されるように、部品実装機10は、部品を吸着する複数の吸着ノズルと、ヘッド12と、駆動機構13と、フィーダ14と、認識部15と、を備える。複数の吸着ノズルは、生産用ノズル11aと、実験用ノズル11bと、を含む。
生産用ノズル11aは、複数の吸着ノズルの1つである第1ノズルの一例であり、生産に使用される。具体的には、生産用ノズル11aは、フィーダ14から供給される生産用部品2aを吸着し、吸着した生産用部品2aを基板3に実装する。生産用ノズル11aは、生産用部品2aの吸着と基板3への実装とを繰り返し行う。
実験用ノズル11bは、複数の吸着ノズルの1つである第2ノズルの一例であり、実験に使用される。具体的には、実験用ノズル11bは、フィーダ14から供給される実験用部品2bを吸着し、吸着した実験用部品2bを基板3に実装することなく、実験用部品2bを吸着したまま維持する。
生産用ノズル11a及び実験用ノズル11bの各々の具体的な動作は、図4及び図5を用いて後で説明する。また、詳細については後述するが、実験用ノズル11bは、実験に使用された後に、生産用ノズル11aとして機能してもよい。つまり、1つの吸着ノズルは、所定のターンでは実験用ノズル11bであり、かつ、別のターンでは生産用ノズル11aであってもよい。
ヘッド12は、複数の吸着ノズルを保持する。図2は、本実施の形態に係る部品実装機10が備えるヘッド12及び吸着ノズルの模式的な斜視図である。
図2に示されるように、ヘッド12は、吸着ノズルを保持するための複数のノズルホルダ12aを有する。複数のノズルホルダ12aには、吸着ノズルが一対一で取り付け可能である。図2では、ヘッド12が4本の吸着ノズルを保持できる例を示している。4本の吸着ノズルは、生産用ノズル11a、11c及び11dと、実験用ノズル11bとを含んでいる。なお、実験用ノズルの本数が複数であってもよく、生産用ノズルの本数が1本のみであってもよい。
駆動機構13は、吸着位置と実装位置との間でヘッド12を往復移動させる。駆動機構13は、例えば、アクチュエータ又はステッピングモータなどで実現される。
吸着位置は、複数の部品が供給される第1位置の一例であり、吸着ノズルが部品を吸着する位置である。具体的には、吸着位置は、フィーダ14によって部品が供給される位置である。吸着位置は、部品供給位置とも呼称される。実装位置は、基板3が配置される第2位置の一例であり、吸着ノズルが部品を基板に実装する位置である。実装位置は、基板配置位置とも呼称される。
以下では、吸着位置から実装位置までのヘッド12の移動を「往路」と記載する。また、往路のヘッド12の移動速度を「往路速度」と記載する。実装位置から吸着位置までのヘッド12の移動を「復路」と記載する。復路のヘッド12の移動速度を「復路速度」と記載する。往路速度は、第1速度の一例である。復路速度は、第2速度の一例であり、往路速度より速い。つまり、駆動機構13は、吸着位置から実装位置までヘッド12を往路速度で移動させ、実装位置から吸着位置までヘッド12を、往路速度より速い復路速度で移動させる。駆動機構13は、ヘッド12の往復移動を複数回繰り返す。
駆動機構13がヘッド12を移動させることによって、ヘッド12と複数の吸着ノズルとは一体的に移動する。つまり、ヘッド12が移動することによって、ヘッド12に取り付けられた生産用ノズル11a及び実験用ノズル11bの両方が移動する。ヘッド12の移動速度と生産用ノズル11a及び実験用ノズル11bの各々の移動速度とは等しくなる。つまり、生産用ノズル11aの往路速度は、実験用ノズル11bの往路速度に等しい。生産用ノズル11aの復路速度は、実験用ノズル11bの復路速度に等しい。生産用ノズル11c及び11dについても同様である。
フィーダ14は、生産用部品2a及び実験用部品2bを供給する部品供給部である。
認識部15は、複数の吸着ノズルによる部品の吸着状態を認識する。具体的には、認識部15は、吸着位置と実装位置との間を通過する複数の吸着ノズルを撮像する撮像部である。より具体的には、認識部15は、ヘッド12が往路を移動する度(すなわち、ターン毎)に撮像を行う。認識部15は、例えば、レンズなどの光学素子及びイメージセンサなどで実現される。
認識部15は、部品を吸着した状態の吸着ノズルを撮像することで、吸着ノズルと、吸着ノズルに吸着された部品とを含む画像(以下、「認識画像」と記載する)を生成する。認識画像には、例えば、ヘッド12の保持された全ての吸着ノズルが含まれる。つまり、認識画像には、生産用ノズル11a、生産用部品2a、実験用ノズル11b及び実験用部品2bが含まれる。認識画像は、全ての吸着ノズルによる部品の吸着状態を一括して表す画像である。
[1-2.計画装置]
次に、計画装置20について説明する。
計画装置20は、量産品の生産計画及び移動速度の実験計画を作成する装置である。計画装置20は、例えば、プロセッサ、メモリ及び入出力装置などを備えるコンピュータ機器で実現される。図1に示されるように、計画装置20は、入力部21と、記憶部22と、実験計画部24と、生産計画部25と、を備える。
入力部21は、ユーザから実験候補条件の入力を受け付ける。ユーザは、部品実装システム1の生産管理者又は生産計画者などである。実験候補条件は、移動速度の最適化のための実験条件であり、吸着ノズルの種別、部品の種別(品種)及び基板の種別の少なくとも1つ、又は、これらの少なくとも2つの組み合わせで表される。
記憶部22は、条件情報23を記憶する。条件情報23は、入力部21によって入力された実験候補条件を示す情報である。記憶部22には、計画装置20を動作させるためのプログラムなどが記憶されていてもよい。記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの不揮発性記憶装置で実現される。
実験計画部24は、条件情報23に基づいて、生産計画を参照しながら実験計画を作成する。具体的には、実験計画部24は、生産計画に基づいて算出可能な生産効率を低下させることなく、実験用ノズル11bを確保できるか否かを判定する。具体的には、連続する所定回数以上のターンで生産に使用されない吸着ノズルが存在する場合に、実験計画部24は、当該吸着ノズルを実験用ノズル11bとして確保できると判定する。例えば、実験計画部24は、生産計画において使用されない吸着ノズルが存在し、かつ、当該吸着ノズルの種別が、条件情報23が示す吸着ノズルの種別である場合、当該吸着ノズルを実験用ノズル11bとして使用する実験計画を作成する。
生産計画部25は、量産品の生産計画を作成する。生産計画は、基板3に実装される複数の部品と複数の吸着ノズルとの組み合わせをターン毎に示す情報である。例えば、生産計画に基づいて、1枚の基板3に対する全ての部品の実装に要する時間が生産効率の一例として算出可能である。
また、生産計画部25は、実験計画部24によって作成された実験計画に基づいて、生産計画を修正する。例えば、部品が実装されるターン、及び/又は、部品の実装に使用される吸着ノズルを変更することで、生産効率を下げずに実験用ノズル11bを確保することができる場合がある。この場合、生産計画部25は、実験計画に基づいて実験用ノズル11bが確保されるように、生産計画を修正する。生産計画部25は、生成した生産計画及び実験計画を制御装置30に送信する。
[1-3.制御装置]
次に、制御装置30について説明する。
制御装置30は、生産計画及び実験計画に基づいて、部品実装機10を制御する。制御装置30は、例えば、マイクロコントローラ又はコンピュータ機器であるが、これらに限定されない。
制御装置30は、駆動機構13を制御することにより、ヘッド12の移動を制御する。制御装置30は、管理装置40の判定部44による判定結果に基づいて、ヘッド12の移動速度を変更してもよい。
また、制御装置30は、ヘッド12を介して複数の吸着ノズルの動作を制御する。具体的には、制御装置30は、複数の吸着ノズルの各々の吸着及び吸着の解除を制御する。例えば、制御装置30は、判定部44によって生産用部品2aの吸着状態が正常ではないと判定された場合、その生産用部品2aを吸着する生産用ノズル11aを制御することで、生産用部品2aを基板3に実装せずに廃棄させる。
[1-4.管理装置]
次に、管理装置40について説明する。
管理装置40は、認識部15による認識結果を蓄積する装置である。また、管理装置40は、蓄積された認識結果に基づいて実験結果の評価を行う。管理装置40は、例えば、プロセッサ、メモリ及び入出力装置などを備えるコンピュータ機器で実現される。図1に示されるように、管理装置40は、取得部41と、記憶部42と、判定部44と、表示部45と、を備える。
取得部41は、認識部15から認識結果を取得する。
記憶部42は、蓄積情報43を記憶する。蓄積情報43は、認識部15による認識結果を示す情報である。具体的には、蓄積情報43は、ターン毎に撮像で得られる複数の認識画像を含んでいる。なお、蓄積情報43は、認識画像の代わりに、又は、認識画像に加えて、後述する認識量又はターン間変化量を含んでいてもよい。記憶部42には、管理装置40を動作させるためのプログラムなどが記憶されていてもよい。記憶部42は、HDD又は半導体メモリなどの不揮発性記憶装置で実現される。
判定部44は、生産用ノズル11aによる生産用部品2aの吸着状態が正常であるか否かを判定する。生産用部品2aの吸着状態が正常ではない場合、基板3への実装ができないので、当該判定結果は、制御装置30に出力され、基板3への実装をしないように生産用ノズル11aが制御される。
また、判定部44は、記憶部42に記憶された認識結果に基づいて、実験用ノズル11bによる実験用部品2bの吸着状態が正常であるか否かを判定する。実験用部品2bの判定結果は、ヘッド12(吸着ノズル)の移動速度の評価に利用される。
具体的には、判定部44は、認識画像に基づいて実験用ノズル11bの基準位置と実験用部品2bの基準位置とのずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて実験用部品2bの吸着状態が正常であるか否かを判定する。より具体的には、判定部44は、ヘッド12の往復移動の繰り返しの度に、算出したずれ量と直前のずれ量との差分に基づいて、実験用部品2bの吸着状態が正常であるか否かを判定する。なお、ずれ量は、認識量とも呼称される。ずれ量の差分は、ターン間変化量とも呼称される。認識量及びターン間変化量の具体例については、後で説明する。
表示部45は、認識結果に基づいて生成される所定の情報を表示する。表示部45は、例えば、液晶表示装置又は有機EL(Electroluminescence)表示装置で実現される。
例えば、表示部45は、認識量又はターン間変化量の散布図を生成し、生成した散布図を表示する。散布図の横軸及び縦軸は、認識画像の横(X軸)及び縦(Y軸)である。散布図によって、ターン毎の認識量又はターン間変化量のばらつきを把握することができる。
[2.移動ずれ]
次に、吸着ノズルが高速で移動した場合に生じうる部品のずれ(以下、移動ずれと記載)について、図3を用いて説明する。
図3は、吸着ノズルの高速移動による部品の移動ずれを説明するための図である。図3の(a)は、高速移動前の吸着状態を表し、(b)は、高速移動後の吸着状態を表している。また、(b)には、高速移動前の部品を移動前部品2xとして図示している。
図3に示されるように、生産用ノズル11aが高速移動を行った場合、加速及び減速の影響を受けて、吸着した生産用部品2aがずれることがある。移動によるずれ量が大きすぎる場合、生産用部品2aを基板3の正確な位置に実装することができなくなる。この場合、生産用ノズル11aは、吸着した生産用部品2aを基板3に実装せずに廃棄する。
生産用部品2aが廃棄されると、部品の廃棄数が増えて生産コストが悪化する。また、再度、同種の生産用部品2aの吸着と実装とを繰り返す必要があるので、タクトタイムが増加し、生産効率が低下する。このため、往路速度は、移動ずれが発生しないように低速に抑えられている。
一方で、生産用ノズル11aは、復路で部品を吸着していない。このため、復路速度を往路速度より高速にすることができる。
移動ずれは、移動速度、部品の大きさ及び重さ、並びに、吸着ノズルによる吸着されやすさなどに応じて変化する。つまり、部品の種別及び吸着ノズルの種別が異なれば、同じ移動速度であっても、移動によるずれ量が異なりうる。したがって、基板3に対する実装が正しく行える移動速度の許容範囲が、部品の種別と吸着ノズルの種別との組み合わせに応じて異なるので、部品の種別と吸着ノズルの種別の組み合わせ毎に、移動速度の許容範囲を決定し、最適な移動速度(例えば、許容範囲の上限値)を決定する必要がある。最適な移動速度を精度良く決定するためには、部品の種別と吸着ノズルの種別との組み合わせ毎に、高速移動による移動ずれが許容範囲内であるか否かの実験を繰り返す必要がある。本実施の形態では、往路速度よりも高速の復路速度を実験速度として利用して、実験を繰り返し行う。
[3.吸着ノズルの挙動]
続いて、吸着ノズルの挙動について、図4及び図5を用いて説明する。
[3-1.生産用ノズル]
図4は、本実施の形態に係る部品実装システム1における生産用ノズル11aの挙動を示す図である。図4の(a)~(c)は、生産用ノズル11aの往路の挙動を表している。また、図4の(d)~(f)は、生産用ノズル11aの復路の挙動を表している。図4の(a)及び(f)は、吸着位置での生産用ノズル11aの挙動を表している。図4の(c)及び(d)は、実装位置での生産用ノズル11aの挙動を表している。図4の(b)及び(e)は、吸着位置と実装位置との間における生産用ノズル11aの挙動を表している。図4の(a)~(f)が1回のターンである。
図4の(a)に示されるように、生産用ノズル11aは、フィーダ14から供給される生産用部品2aを吸着する。生産用ノズル11aは、生産用部品2aを吸着したまま、吸着位置から実装位置まで往路速度で移動する。この移動の途中で、図4の(b)に示されるように、認識部15によって吸着状態が認識される。
次に、図4の(c)及び(d)に示されるように、生産用ノズル11aは、生産用部品2aを基板3に実装する。このとき、認識部15による認識結果に基づいて生産用部品2aの吸着状態が正常ではないと判定された場合、生産用ノズル11aは、生産用部品2aの実装を行わずに廃棄する。
次に、図4の(e)及び(f)に示されるように、生産用ノズル11aは、実装位置から吸着位置まで、往路速度より速い復路速度で移動する。このとき、生産用ノズル11aは、部品を吸着していない。図4の(f)では、吸着位置でフィーダ14から次の生産用部品2cが供給されている様子を示している。
以降、生産用ノズル11aは、吸着、低速移動、実装、高速移動のサイクルで構成されるターンを繰り返し行う。生産用ノズル11c及び11dも同様に、同じヘッド12に保持されているので、生産用ノズル11aと同じサイクルでターンを繰り返す。
[3-2.実験用ノズル]
図5は、本実施の形態に係る部品実装システム1における実験用ノズル11bの挙動を示す図である。図5の(a)~(f)はそれぞれ、図4の(a)~(f)と同じタイミングにおける実験用ノズル11bの挙動を表している。
図5の(a)に示されるように、実験用ノズル11bは、フィーダ14から供給される実験用部品2bを吸着する。実験用ノズル11bは、実験用部品2bを吸着したまま、吸着位置から実装位置まで往路速度で移動する。この移動の途中で、図5の(b)に示されるように、認識部15によって吸着状態が認識される。
次に、図5の(c)及び(d)に示されるように、実験用ノズル11bは、実験用部品2bを実装位置で基板3に実装しない。つまり、実験用ノズル11bは、実験用部品2bを吸着したまま維持する。なお、認識部15による認識結果に基づいて実験用部品2bの吸着状態が正常ではないと判定された場合、実験用ノズル11bは、実験用部品2bを廃棄する。
次に、図5の(e)及び(f)に示されるように、実験用ノズル11bは、実装位置から吸着位置まで、実験用部品2bを吸着したまま、往路速度より速い復路速度で移動する。実験用ノズル11bは、吸着位置においても実験用部品2bを吸着したままである。実験用ノズル11bは、実験用部品2bを吸着したまま、吸着位置から実装位置まで往路速度で移動する。このとき、図5の(b)に示されるように、認識部15によって吸着状態が認識される。実験用部品2bは、高速移動を経た後であるので、移動ずれが発生している可能性がある。したがって、認識部15による認識結果によって、移動ずれの発生の有無を判断することができる。
以降、実験用ノズル11bは、低速移動と高速移動とのサイクルで構成されるターンを繰り返し行う。つまり、連続する複数のターンに亘って、1つの実験用部品2bが実験用ノズル11bに吸着されたまま維持される。
なお、図5の(f)に示される吸着位置に戻ったときに実験用部品2bを廃棄していた場合には、図5の(a)に示されるように、実験用ノズル11bは、吸着位置で新たな実験用部品2bを吸着する。新たな実験用部品2bに対して複数のターンが繰り返し行われる。
生産用ノズル11a及び実験用ノズル11bは、同じヘッド12に保持されているので、生産と実験とが同時進行的に行われる。つまり、生産効率を低下させずに、実験を重ねて多くの認識結果を得ることができる。
[4.認識画像と判定処理]
次に、認識部15による認識結果と、認識結果を利用した判定処理とについて、図6A及び図6Bを用いて説明する。
図6Aは、直前のターンの認識画像15aの一例を示す図である。図6Bは、今回のターンの認識画像15bの一例を示す図である。図6A及び図6Bではいずれも、認識画像15a及び15bの各々に実験用ノズル11b及び実験用部品2bのみが存在する場合を示しており、他の吸着ノズルの図示を省略している。
認識部15は、ヘッド12、複数の吸着ノズル及び複数の部品が通過する空間の下方に配置され、下から上向きに複数の吸着ノズル及び複数の部品を撮像する。このため、認識画像15a及び15bはそれぞれ、部品の下面が撮影された画像になる。図6A及び図6Bでは、実験用ノズル11bの先端部分(すなわち、実験用部品2bとの接触部分)を破線で表している。実験用ノズル11bの正確な位置は、実験用ノズル11bが実験用部品2bの陰に隠れて見えない場合であっても、認識画像15a及び15bの各々に含まれるノズルホルダ12a又はヘッド12(図6A及び図6Bには示されていない)の基準位置に基づいて決定することができる。
図6A及び図6Bではそれぞれ、実験用ノズル11bの基準位置Nと、実験用部品2bの基準位置Pとが示されている。実験用ノズル11bの基準位置Nは、実験用ノズル11bの先端部を正面(下方)から見たときの中心位置である。実験用ノズル11bの先端形状が円形である場合、基準位置Nは、当該円形の中心である。実験用部品2bの基準位置Pは、実験用部品2bの下面を正面から見たときの中心位置である。実験用部品2bの下面視形状が長方形又は正方形の場合、基準位置Pは、2本の対角線の交点になる。なお、基準位置N及びPは、各々の中心位置でなくてもよく、各々の輪郭の一点などであってもよく、特に限定されない。
本実施の形態では、判定部44は、基準位置Pと基準位置Nとの距離をずれ量として算出する。図6Aに示される直前のターンのずれ量がd1であり、図6Bに示される今回のターンのずれ量がd2である。ここでは、ずれ量d2がずれ量d1より大きい。つまり、1回の高速移動によって吸着状態に変化があったことが分かる。
判定部44は、ずれ量d2とずれ量d1との差分に基づいて、実験用部品2bの吸着状態が正常であるか否かを判定する。例えば、判定部44は、差分d2-d1と所定の閾値とを比較し、差分が閾値より大きい場合に、吸着状態が正常ではないと判定する。差分が閾値より小さい場合に、吸着状態が正常であると判定する。閾値は、基板3に実装可能か否かに基づいて決定される値であり、部品の種別などに基づいて決定される。閾値は、0であってもよい。
このように、ターン間でのずれ量の差分を利用することにより、1回の高速移動で発生する移動ずれを正確に把握することができる。このため、高速移動による移動ずれが許容可能であるか否か、すなわち、往路速度の高速化が可能であるか否かを精度良く判定することができる。
判定部44は、実験用部品2bの吸着状態が正常であると判定された回数(以下、「正常回数」と記載する)をカウントし、カウントした正常回数が所定回数以上になったか否かを判定する。正常回数が所定回数以上になった場合、判定部44は、往路速度を復路速度(実験速度)に変更可能であると判定し、復路速度に関する速度情報を制御装置30に出力する。速度情報は、往路速度を復路速度に変更可能であることを示す情報である。速度情報には、復路速度の値が含まれてもよい。
なお、判定部44は、複数の認識量又はターン間変化量を統計処理することで、往路速度を復路速度に変更可能か否かを判定してもよい。例えば、判定部44は、ターン間変化量の散布図を作成してもよい。具体的には、判定部44は、ターン間変化量のX成分及びY成分を算出し、算出したターン間変化量を、X軸及びY軸をそれぞれ横軸及び縦軸とする散布図にプロットする。
ターン間変化量のX成分は、dx2-dx1で算出される。ターン間変化量のY成分は、dy2-dy1で算出される。dx1及びdy1はそれぞれ、図6Aに示されるように、認識量d1のX成分及びY成分である。dx2及びdy2はそれぞれ、図6Bに示されるように、認識量d2のX成分及びY成分である。
図7は、ターン間変化量の散布図の一例を示す図である。図7に示される散布図は、表示部45に表示される。これにより、ターン間変化量のばらつきが視覚的に分かりやすくなるので、ユーザが往路速度を復路速度に変更可能か否かを判定してもよい。あるいは、判定部44は、複数のターン間変化量の平均、標準偏差(又は分散)及び最大値の少なくとも1つを算出してもよい。
例えば、判定部44は、平均及び標準偏差を算出し、算出した各値がそれぞれ所定値より小さい場合に、往路速度を復路速度に変更可能であると判定してもよい。これにより、移動ずれが少なく、かつ、そのばらつきが少なく安定している場合の復路速度を往路速度に利用することができる。あるいは、判定部44は、最大値及び標準偏差を算出し、算出した各値がそれぞれ所定値より小さい場合に、往路速度を復路速度に変更可能であると判定してもよい。これにより、エラーが起こる可能性が少なく、かつ、そのばらつきが少なく安定している場合の復路速度を往路速度に利用することができる。よって、生産の安定性を高め、生産効率の向上に貢献することができる。
[5.復路速度(実験速度)の設定]
次に、復路速度(実験速度)の設定処理について、図8を用いて説明する。
図8は、ヘッド12の実験速度(復路速度)の変化を示す図である。図8において、横軸はターン数を表し、縦軸は復路速度を表している。図8は、実験用部品2bの吸着状態が正常であると判定された場合であり、1つの実験用部品2bを吸着したまま、ヘッド12の往復移動が繰り返される場合の復路速度の変化を示している。
図8に示されるように、実験を行う場合、復路速度の目標速度が設定されている。目標速度は、第2速度の一例である。例えば、計画装置20の入力部21がユーザからの入力を受け付けることによって目標速度を取得する。
本実施の形態では、駆動機構13は、ヘッド12の往復移動の繰り返しにおいて、復路速度を、開始速度から段階的に速度を上げることにより、目標速度に到達させる。速度上昇のターン数(ステップ数)は、例えば20回などであるが、特に限定されない。開始速度は、第3速度の一例であり、目標速度より遅い速度である。例えば、開始速度は、往路速度であるが、往路速度より速い速度であってもよい。
速度上昇の各ターンにおいても認識は行われる。このため、認識結果に基づいて、実験用部品2bの吸着状態が正常でないと判断された場合には、速やかに実験を中止することができる。これにより、部品落下などの発生による量産品の生産の停止を防ぐことができる。あるいは、生産効率の低下が許容される範囲内で、実験の目標速度を遅くするように生産計画及び実験計画を変更してもよい。
さらに、駆動機構13は、復路速度が目標速度に到達した後、復路速度を目標速度で維持した状態で、実験用ノズル11bが実験用部品2bを吸着したまま、ヘッド12の往復移動を繰り返す。目標速度で繰り返される往復移動の回数、すなわち、ターンの回数が所定回数以上になった場合に、判定部44は、往路速度を目標速度に変更可能であると判定する。以降、駆動機構13は、往路速度を目標速度に変更する。駆動機構13は、新たに目標速度を設定して、実験を繰り返してもよく、往路速度と復路速度とが同じ速度で生産のみを行ってもよい。
[6.動作]
次に、部品実装システム1の動作について説明する。部品実装システム1は、実験用ノズル11bの選択の仕方によって異なる動作を行う。以下では、実験用ノズル11bの選択例と、当該選択例に基づく動作について説明する。
[6-1.第1例]
まず、第1例について、図9及び図10を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係る部品実装システム1における実験用ノズル11bの選択の第1例を示す図である。図9の(a)は、実験計画に基づく修正前の生産計画を表している。図9の(b)は、実験計画に基づいて修正された生産計画を表している。
図9では、4つのノズルN001~N004の8ターン分の用途が示されている。例えば、図9は、基板3に対して実装する部品の個数が24個であり、3つのノズルのみで全ての部品が8ターンで完了する場合の生産計画に相当する。
図9の(a)に示されるように、ノズルN001~N003はいずれも、全てのターンで生産に使用される。一方で、ノズルN004は、全てのターンで生産に使用されない。つまり、ノズルN004は、1枚の基板3に対する複数の部品の実装には使用されない吸着ノズルである。この場合、図9の(b)に示されるように、生産に使用されないノズルN004が実験用ノズル11bとして選択され、全てのターンで実験に使用される。
図10は、図9に示される第1例に係る部品実装システム1の動作を示すフローチャートである。
図10に示されるように、まず、入力部21を介して、実験したい吸着ノズルと部品との組み合わせを登録する(S10)。入力部21は、入力された吸着ノズルと部品との組み合わせを条件情報23として記憶部22に記憶する。
次に、生産計画部25は、生産計画に基づいて実験用ノズル11bを確保することができるか否かを判定する(S11)。例えば、図9に示される例において、ノズルN004も生産に使用される場合、生産に使用されない吸着ノズルがないので、実験用ノズル11bが確保できない。したがって、実験用ノズル11bを確保できない場合(S11でNo)、部品実装システム1は、処理を終了する。なお、部品実装システム1は、処理を終了する代わりに、実験を行うことなく、生産のみを行ってもよい。
実験用ノズル11bを確保できる場合(S11でYes)、実験計画部24は、実験計画を作成する(S12)。具体的には、図9に示されるノズルN004を実験用ノズル11bとして用いて、条件情報23を参照することで、ノズルN004と組み合わされた部品を実験用部品2bとして決定する。
次に、生産計画部25は、実験計画に基づいて生産計画を修正する(S13)。具体的には、図9の(b)に示されるように、ノズルN004に関する実験計画を生産計画に組み込む。修正された生産計画は、制御装置30に送信される。
次に、ヘッド12に吸着ノズルを装着する(S14)。例えば、ユーザが、生産用ノズル11aと実験用ノズル11bとをヘッド12のノズルホルダ12aに装着する。そして、部品実装システム1は、生産及び実験が開始されるまで待機する(S15でNo)。
生産及び実験が開始されると(S15でYes)、実験用ノズル11bが実験用部品2bを吸着し(S16)、生産用ノズル11aが生産用部品2aを吸着する(S17)。なお、部品の吸着は、いずれが先に行われてもよく、同時に行われてもよい。
次に、駆動機構13は、ヘッド12を吸着位置から実装位置に向けて移動を開始させる(S18)。ヘッド12の移動の途中で、認識部15は、全ての部品の吸着状態を認識する(S19)。具体的には、認識部15は、全ての吸着ノズル及び全ての部品を撮像することで、全ての吸着ノズル及び全ての部品を含む認識画像を生成する。生成された認識画像は、取得部41を介して記憶部42に蓄積情報43として記憶される(S20)。
次に、判定部44は、全ての部品の吸着状態が正常であるか否かを判定する(S21)。吸着状態が正常でない部品が1つでも含まれる場合(S21でNo)、制御装置30は、該当する吸着ノズルを制御することで、正常でない部品を廃棄させる(S22)。このとき、生産用部品2aが廃棄される場合もあれば、実験用部品2bが廃棄される場合もある。
正常でない部品を廃棄した後、又は、全ての部品の吸着状態が正常である場合(S21でYes)、生産用ノズル11aは、生産用部品2aを基板3に実装する(S23)。次に、駆動機構13は、ヘッド12を実装位置から吸着位置まで高速の復路速度で移動させる(S24)。
実験を終了しない場合(S25でNo)、制御装置30は、実験用ノズル11bが実験用部品2bを吸着したまま保持しているか否かを判定する(S26)。実験用ノズル11bが実験用部品2bを保持していない、すなわち、ステップS22で実験用部品2bが廃棄されていた場合(S26でNo)、実験用ノズル11bが新たな実験用部品2bを吸着し(S16)、ステップS17以降の処理が繰り返される。実験用ノズル11bが実験用部品2bを保持している場合、すなわち、ステップS22で実験用部品2bが廃棄されていない場合(S26でYes)、生産用ノズル11aは、次の生産用部品2aを吸着し(S17)、ステップS18以降の処理が繰り返される。この場合、実験用ノズル11bは実験用部品2bを吸着したまま維持される。
以降、実験を終了するまで(S25でYes)、部品の実装と実験とがそれぞれ繰り返し行われる。これにより、管理装置40の記憶部42には、認識結果が蓄積情報43として蓄積される。
図9から明らかなように、生産に使用しない吸着ノズルを実験用ノズル11bとして利用するので、生産効率を低下させずに実験を繰り返し行うことができる。したがって、本実施の形態に係る部品実装システム1によれば、生産効率の低下の抑制と吸着ノズルの移動速度の最適化との両立を支援することができる。
[6-2.第2例]
次に、第2例について、図11及び図12を用いて説明する。
図11は、本実施の形態に係る部品実装システム1における実験用ノズル11bの選択の第2例を示す図である。図11の(a)は、実験計画に基づく修正前の生産計画を表している。図11の(b)は、実験計画に基づいて修正された生産計画を表している。
図11では、4つのノズルN001~N004の8ターン分の用途が示されている。図11の(a)に示されるように、ノズルN001~N003はいずれも、全てのターンで生産に使用される。一方で、ノズルN004は、ターン1、2、7及び8では生産に使用されるが、ターン3~6で生産に使用されない。
この場合、図11の(b)に示されるように、ノズルN004が、生産に使用されないターン3~6でのみ実験用ノズル11bとして選択される。ノズルN004は、ターン1、2、7及び8では、最初の生産計画の通りに、生産用ノズル11aとして機能する。ノズルN004は、ターン3~6で実験用ノズル11bとして往復移動を繰り返した後、実験用部品2bの吸着を解除することで実験用部品2bを廃棄する。その後、ターン7では、ノズルN004は、生産用ノズル11aとして生産用部品2aを吸着し、基板3に実装する。
図12は、図11に示される第2例に係る部品実装システム1の動作を示すフローチャートである。以下では、図10との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図12に示されるように、生産及び実験が開始されるまでの処理(S10~S15)は、図10に示される処理と同じである。生産及び実験が開始されると(S15でYes)、最初に実験用ノズル11bが確保されている場合(S30でYes)、実験用ノズル11bが実験用部品2bを吸着し(S16)、生産用ノズル11aが生産用部品2aを吸着する(S17)。
図11に示されるように、最初に実験用ノズル11bが確保されていない場合(S30でNo)、生産用ノズル11aが生産用部品2aを吸着する(S17)。つまり、最初のターンでは、複数の吸着ノズルの全てが生産用ノズル11aとして機能する。
以降、認識結果に基づいて全ての部品の吸着状態が正常であるか否かが判定されるまでの処理(S18~S21)は、図10に示される処理と同じである。正常でない部品を廃棄した後、又は、全ての部品の吸着状態が正常である場合(S21でYes)、制御装置30は、生産計画に基づいて次のターンで実験用ノズル11bを生産に使用するか否かを判定する(S31)。なお、実験用ノズル11bが確保されていないターン(例えば、図11のターン1、2、7及び8)では、当該判定は省略される。
図11のターン6では、実験用ノズル11bであるノズルN004は、次のターン7で生産に使用される。したがって、この場合(S31でYes)、制御装置30は、実験用ノズル11bに実験用部品2bの吸着を解除させることで、実験用部品2bを廃棄させる(S32)。
図11のターン3~5では、実験用ノズル11bであるノズルN004は、次のターンでも実験用ノズル11bとして使用される。したがって、実験用ノズル11bが生産に使用されないので(S31でNo)、実験用部品2bを廃棄せず、吸着を維持したままになる。
続いて、生産用ノズル11aは、生産用部品2aを基板3に実装する(S23)。次に、駆動機構13は、ヘッド12を実装位置から吸着位置まで高速の復路速度で移動させる(S24)。
実験を終了しない場合(S25でNo)、制御装置30は、実験用ノズル11bが実験用部品2bを吸着したまま保持しているか否かを判定する(S26)。実験用ノズル11bが実験用部品2bを保持していない場合で、かつ、吸着状態が正常でないためにステップS22で実験用部品2bが廃棄されていたとき(S26でNo、かつ、S33でNo)、実験用ノズル11bが新たな実験用部品2bを吸着し(S16)、ステップS17以降の処理が繰り返される。
実験用ノズル11bが実験用部品2bを保持していない場合で、かつ、次のターンで実験用ノズル11bを生産に使用するためにステップS32で実験用部品2bが廃棄されていたとき(S26でNo、かつ、S33でYes)、制御装置30は、実験用ノズル11bの機能を生産用ノズル11aに変更する(S34)。これにより、ステップS17で、直前のターンで実験用ノズル11bであった生産用ノズル11aは、他の生産用ノズル11aと同様に、生産用部品2aを吸着することができる。以降、ステップS18以降の処理が繰り返される。
実験用ノズル11bが実験用部品2bを保持している場合、すなわち、ステップS22又はS32で実験用部品2bが廃棄されていない場合(S26でYes)、生産用ノズル11aは、次の生産用部品2aを吸着し(S17)、ステップS18以降の処理が繰り返される。この場合、実験用ノズル11bは実験用部品2bを吸着したまま維持される。
以降、実験を終了するまで(S25でYes)、部品の実装と実験とが繰り返し行われる。これにより、管理装置40の記憶部42には、認識結果が蓄積情報43として蓄積される。また、実験用ノズル11bとして機能した吸着ノズルが次のターンで生産に用いられる場合には、直前のターンで実験用部品2bが廃棄される。これにより、生産に影響を与えずに、実験を繰り返し行うことができる。
図11から明らかなように、生産に使用しないターンでのみ吸着ノズルを実験用ノズル11bとして利用するので、生産効率を低下させずに実験を繰り返し行うことができる。したがって、本実施の形態に係る部品実装システム1によれば、生産効率の低下の抑制と吸着ノズルの移動速度の最適化との両立を支援することができる。
[6-3.第3例]
次に、第3例について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、本実施の形態に係る部品実装システム1における実験用ノズル11bの選択の第3例を示す図である。図13の(a)は、実験計画に基づく修正前の生産計画を表している。図13の(b)は、実験計画に基づいて修正された生産計画を表している。
図13では、4つのノズルN001~N004の8ターン分の用途が示されている。図13に示される生産計画は、各吸着ノズルの機能は、図11に示される生産計画と同じである。図11と比較して、実験用部品2bが生産用部品2aでもある点が相違する。具体的には、図13の(b)に示されるように、実験が開始されるターン3では、生産が再開されるターン7の生産に用いる生産用部品2aを実験用部品2bとして吸着する。ターン7では、実験中、吸着され続けていた実験用部品2bを生産用部品2aとして基板3に実装する。
図14は、図13に示される第3例に係る部品実装システム1の動作を示すフローチャートである。以下では、図10及び図12との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図14に示されるように、生産及び実験が開始されるまでの処理(S10~S15)は、図10に示される処理と同じである。生産及び実験が開始されると(S15でYes)、最初に実験用ノズル11bが確保されている場合(S30でYes)、実験用ノズル11bは、後のターンで基板3に実装される生産用部品2aを実験用部品2bとして吸着する(S40)。例えば、図13に示される例では、ターン3でノズルN004が実験用ノズル11bとして確保されるので、このときに生産用部品2aを吸着する。具体的には、次に生産用ノズル11aとして機能するターン7で実装する生産用部品2aを実験用部品2bとして吸着する。その後、生産用ノズル11aが生産用部品2aを吸着する(S17)。
最初に実験用ノズル11bが確保されていない場合(S30でNo)、生産用ノズル11aが生産用部品2aを吸着する(S17)。つまり、最初のターンでは、複数の吸着ノズルの全てが生産用ノズル11aとして機能する。
以降、認識結果に基づいて全ての部品の吸着状態が正常であるか否かが判定されるまでの処理(S18~S21)は、図10に示される処理と同じである。全ての部品の吸着状態が正常である場合(S21でYes)、制御装置30は、生産計画に基づいて当該ターンで実験用ノズル11bが生産に使用されるか否かを判定する(S41)。
図13に示されるターン7のように、実験用ノズル11bが生産に使用されるターンである場合(S41でYes)、実験用ノズル11bは、吸着したままになっていた実験用部品2bを生産用部品2aとして基板3に実装する(S42)。実験用ノズル11bが生産に使用されるターンではない場合(S41でNo)、実験用部品2bは吸着されたまま維持される。
以降の処理は、図10に示される処理と同じである。これにより、管理装置40の記憶部42には、認識結果が蓄積情報43として蓄積される。また、実験用ノズル11bとして機能した吸着ノズルが次のターンで生産に用いられる場合には、生産に使用される生産用部品2aを実験用部品2bとして予め吸着しておき、そのまま基板3に実装される。これにより、部品の廃棄数を減らしながら、生産に影響を与えずに、実験を繰り返し行うことができる。
図13から明らかなように、生産に使用しないターンでのみ吸着ノズルを実験用ノズル11bとして利用するので、生産効率を低下させずに実験を繰り返し行うことができる。したがって、本実施の形態に係る部品実装システム1によれば、生産効率の低下の抑制と吸着ノズルの移動速度の最適化との両立を支援することができる。
[7.速度変更処理]
次に、認識結果を利用した速度変更処理について、図15を用いて説明する。図15は、本実施の形態に係る部品実装システム1における速度変更処理を示すフローチャートである。
図15に示されるように、まず、判定部44は、蓄積情報43を記憶部42から読み出す(S50)。次に、判定部44は、実験用部品2bの認識量及びターン間変化量を算出する(S51)。このとき、表示部45は、認識量の散布図、及び/又はターン間変化量の散布図を表示してもよい。
次に、判定部44は、往路速度を高速に変更可能であるか否かを判定する(S52)。具体的には、判定部44は、ターン間変化量と閾値との比較結果、又は、散布図に基づく平均及び標準偏差と閾値との比較結果などに基づいて、往路速度を実験速度に変更可能であるか否かを判定する。往路速度を変更可能ではない場合(S52でNo)、処理を終了する。このとき、実験速度を低くして実験が行われてもよい。
往路速度を変更可能である場合(S52でYes)、判定部44は、速度情報を出力する(S53)。例えば、判定部44は、速度情報を制御装置30に出力するが、他の部品実装機の制御装置に出力してもよい。
次に、制御装置30は、速度情報に基づいて、往路速度を実験速度(復路速度)に変更する(S54)。これにより、往路速度が速くなることで、1回のターンに要する時間が短縮化される。このため、生産効率を高めることができる。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る部品実装システム及び部品実装機の制御方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、部品実装機10が認識部15を備える例を示したが、部品実装機10と認識部15とは別体で構成されていてもよい。また、例えば、管理装置40が判定部44を備える例を示したが、制御装置30が判定部44を備えてもよい。あるいは、認識部15が判定部44を備えてもよい。
また、認識部15による認識は、往路ではなく、復路で行われてもよく、往路と復路との両方で行われてもよい。図4及び図5に示されるように、生産用ノズル11a及び実験用ノズル11bは、認識部15による認識が可能な範囲(具体的には、撮影範囲)を通過する。認識が往路と復路との両方で行われる場合、1回のターンで2回の認識結果が得られる。
判定部44は、ターン間変化量として、復路の認識量の変化量を算出してもよい。また、判定部44は、ターン間変化量の代わりに、往路の認識量と復路の認識量との差分を算出し、吸着状態の判定に利用してもよい。
また、例えば、実験の目標速度まで段階的に復路速度を上昇される例を示したが、復路速度は、最初から目標速度であってもよい。
また、例えば、部品実装システム1では、往路速度の高速化が可能か否かの判定を行ったが、当該判定は行わなくてもよい。具体的には、部品実装システム1は、蓄積情報43の蓄積を行えばよく、蓄積された蓄積情報43の利用は、他の装置によって行われてもよい。
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、部品実装システムが備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、部品実装システムは、単一の装置として実現されてもよい。
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御部などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。