JP7474468B2 - 樹脂製シート及び塗工液セット - Google Patents

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本発明は、樹脂製シート及び塗工液セットに関し、特に、電柱などに取り付けられて屋外で使用される、広告や標識を示す印刷加工がされた樹脂製シート及びこれを保護するバインダー層及びコーティング層を形成するための塗工液セットに関する。
特許文献1には、インクジェットプリンタを用いて凹凸媒体からなる表示物を作製する場合であって、しかも電離放射線硬化型インクを用いた場合であっても、複雑な機構を要することなくインクの舞い上がりを防止し、ヘッドが汚れることなく、良好な画像が得られる表示物の作製方法が開示されている。この表示物の作製方法は、噴射ノズルから射出されたインク滴が射出後に結合可能に構成されてなり、電離放射線硬化型インクを搭載してなるインクジェットプリンタを用い、凹凸媒体に画像を形成することにより、凹凸媒体からなる表示物を作製するというものである。
特開2010-149513号公報
しかし、特許文献1に開示されている表示物の作製方法は、凹凸媒体を屋外で使用する場合に、直射日光等が照射されることでインクが風化することによって、表示内容が見づらくなることを回避することについては検討されていない。
本発明者は、特許文献1に記載されている条件で、樹脂製シートに印刷を施し、自社ビル屋上といった直射日光が恒常的に照射される環境において耐候性試験を実施した。その結果、2年~3年間経過すると、その印刷の文字が可読できないほど退色してしまったことを把握した。
そうすると、電柱などには、広告や標識など様々な印刷がされた樹脂製シートが巻き付けられることがあるが、印刷面が可読可能な期間を考慮して、相対的に短周期で新たな樹脂製シートに取り替えしなければならないといった問題が生じる。このような問題は、エコロジーの観点、地球環境の観点から改善すべきである。
そこで、本発明は、電柱などに取り付けられる、広告や標識を示す印刷加工がされた樹脂製シート(凹凸媒体)の印刷面を風化しにくくすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
樹脂製シートの印刷面に形成される透光性を有するバインダー層の前駆体であるバインダー液と、
前記バインダー層を保護する透光性を有するコーティング層の前駆体であるコーティング液と、
を含む塗工液セットであって、
前記バインダー液は、前記印刷面への紫外線の到達回避性を有し、
前記コーティング液は、少なくとも前記到達回避性の劣化を遅らせる塗膜耐久性を有する。
この場合、バインダー液は、前記印刷面に形成されるインク層のインク成分の分解性が低いものを用いるとよい。さもないと、風化とは別の原因で、表示物の文字が可読しにくくなってしまうからである。
また、本発明の樹脂製シートは、
上記塗工液セットに含まれるバインダー液及びコーティング液を用いて、前記バインダー層及び前記コーティング層が前記印刷面に形成されている。
この場合、前記バインダー層及び前記コーティング層は可撓性を有すると、円筒状の電柱に対しても取り付けやすいという利点がある。
また、前記バインダー層と前記コーティング層との熱膨張率差が所定範囲内とすることも好ましい。これは、屋外での使用を考慮したものであり、真夏の炎天下といった使用環境でも、前記バインダー層と前記コーティング層との熱膨張率差によっていずれかにひび割れ等が発生することを防止するためである。
なお、樹脂製シートにチラシなどの貼紙を貼付しづらくするように、前記印刷面に凹凸部が形成されているとよい。
また、夜間など暗環境下においても、印刷内容の視認性を高めるために、前記印刷面に蓄光層を形成することも一法である。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の樹脂製シートの分解斜視図である。図1には、以下説明する、樹脂製シート本体10と、印刷面12と、凹凸部14と、インク層20と、バインダー層30と、コーティング層40と、を示している。
樹脂製シート本体10は、避難場所や公共施設の道案内に用いられるものである。樹脂製シート本体10は、電柱などに巻き付けられる巻広告又は巻付広告とも称される電柱広告として、湾曲した態様で使用することができる。また、壁やフェンスなどに平面のままの態様で使用することもできる。
樹脂製シート本体10は、塩化ビニールなどの樹脂素材から成り、印刷面12には広告内容・標識内容等が印刷される。なお、印刷面12は、樹脂製シート本体10の一方の面とされることが多いが、これに限定されず、両面となることもある。両面とした場合には、本実施形態の樹脂製シートは、例えばフェンスに取り付けて用いることができる。
印刷面12は、樹脂製シート本体10の使用時に視認される面である。印刷面12には、適宜、広告や標識など、様々な文字、図形、記号などが、印刷される。本実施形態では、印刷面12は、インクを用いて形成している。
凹凸部14は、樹脂製シート本体10における印刷面12に形成されるものである。凹凸部14は、主として、樹脂製シート本体10の使用中に、チラシなどの貼紙が無許可で貼付されることを防止するためのものである。凹凸部14は、貼紙との接触面を少なくして、貼紙を貼付しづらくする機能を有する。
なお、図1には、発明の理解容易のために、凹凸部14は印刷面12の一部にしか示していないが、実際には、印刷面12の全てに形成されている点に留意されたい。
もっとも、そもそも凹凸部14を形成すること自体が必須ではなく、樹脂製シートの使用環境に応じて適宜形成の有無を決定すればよい。例えば、樹脂製シートの設置位置が貼紙を貼付されないような場所、例えば、高所であるというような場合には、必ずしも凹凸部14を形成しなくてもよい。
また、真正面以外から見たときにでも印刷内容を把握できるように、凹凸部14の各凸部分の側面にもインク層12を形成するとよい。凹凸部14の形状は、限定的ではなく、円柱状、角柱状、角錐状又はこれらの幾つかが組み合わされたもの、或いは、線状(断面が凹凸状となる)としてもよい。凹凸部14のサイズは、これに限定されるものではないが、例えば、高低差が1mm~3mm程度とすることができる。
インク層20は、樹脂製シート本体10の印刷面12に、適宜に印刷加工されることによって形成されるものである。インク層20を形成するためのインクは、紫外線によってより劣化しにくいように、耐候インキを用いるとよいが、本実施形態では、バインダー層30を紫外線の到達回避性のあるものとすることで、耐候性のないインキを用いることもできる。
その他にも、仮に、コーティング層40、更には、バインダー層30が劣化をしたとしても、インク層20が、雨などによる影響を受けにくいように、耐水性、耐酸性も有する、耐候インクを用いるとよい。
インク層20は、インクジェット印刷方式、シルク印刷方式、グラビア印刷方式などを適宜採用して形成することができるが、樹脂製シート本体10の大きさ、凹凸部14の形成の有無などによって向き/不向きがある。
なお、グラビア印刷方式を採用する場合には、樹脂製シート本体10に凹凸部14を形成するのではなく、グラビア印刷を行った透明の印刷シート自体に凹凸部14を形成することもできる。具体的には、印刷シートの裏面にグラビア印刷を施し、その透明シートと樹脂製シート本体10とを合わせ凹凸部14を形成します。或いは、印刷シートの樹脂製シート本体10側にインク層20を形成し、その裏面に凹凸部14を形成するとよい。
また、例えば、樹脂製シート本体10が、巻広告のように湾曲状態で使用される場合には、凹凸部14が形成されているか否かに拘わらず、インクジェット印刷方式又はグラビア印刷方式を採用するとよい。
なお、巻広告は、多くの場合、限られた地域でのみ使用されるといった使用地域性があるため、樹脂製シート本体10に対する印刷数は相対的に少ない。このため、版の作成が不要であるインクジェット印刷方式を採用するとコスト面で有利である。
これに対して、使用地域性がなく、道路標識のように相対的に印刷数が多くなる場合には、グラビア印刷方式を採用することも一法である。この場合には、ロール状の樹脂製シート本体10を用意して、これにグラビア印刷方式で連続的に同じ内容の印刷を行っていき、その後に、樹脂製シート本体10を裁断するという手法を採用するとよい。
また、樹脂製シート本体10が、平面状態で使用され、かつ、凹凸部14が形成されていない場合には、印刷方式の自由度は増して、インクジェット印刷方式、グラビア印刷方式、シルク印刷方式のいずれを採用することもできる。
したがって、この場合には、コスト面を考慮して、例えば、樹脂製シート本体10に対する印刷数が100枚程度以下である場合には、インクジェット印刷方式を採用し、300枚程度以上であればグラビア印刷方式を採用し、これらの中間的な枚数であれば、シルク印刷方式を採用するとよいといえる。
また、樹脂製シート本体10が、平面状態で使用され、かつ、凹凸部14が形成されている場合には、インクジェット印刷方式を採用するとよい。さらに、下地の印刷など、印刷種別によっては、インクをスプレーによる吹き付けてインク層20の一部を形成することも可能である。
バインダー層30は、樹脂製シート本体10とコーティング層40とを仲介するものである。このため、バインダー層30は、樹脂製シート本体10及びコーティング層40との間である程度の密着性が必要である。さらに、バインダー層30は、インク層20ともある程度の密着性が必要である。
このような密着性の目安としては、例えば、鉛筆硬度試験で2H以上あることが好ましく、5H以上あればより好ましい。また、バインダー層30は、併せて、対擦過性を有することが好ましい。
また、バインダー層30は、印刷面12に印刷されたインク層20が視認可能なように透光性と、インク層20のインク成分の低分解性と、インク層20への紫外線の到達回避性とが必要である。
とりわけ、屋外での広告等の用途での使用を想定した場合には、インク層20への紫外線の到達回避性を高めることが好ましいと考えられる。屋外で太陽光が照射される環境下において設置から2年~3年後でも広告等に用いられる文字の視認性が担保されるくらいの紫外線の到達回避性があれば、併せて所望のコーティング層40を用いることで、視認性の低下を抑止できることが分かった。
さらに、バインダー層30は、樹脂製シート本体10を巻広告のように湾曲した状態で使用する場合には、バインダー層30自体が、破断したりひび割れしたりすることなどを防止するために、柔軟性があり、また、コーティング層40のものと同程度の熱膨張性(熱膨張係数でいうと±10%程度)を有するとよい。
バインダー層30は、樹脂製シート本体10の印刷面12にバインダー液を用いて、刷毛又はスプレーで塗布することによって形成する。バインダー液は、有機系又は無機系の紫外線を吸収、反射又は拡散する機能を有する紫外線防御剤を含む、ポリウレタン系樹脂又はアクリルウレタン系樹脂としている。
バインダー層30は、紫外線吸収率でいうと少なくとも70%以上、好ましくは80%以上とするとよく、例えば、酸化チタン、インドール化合物、ベンゾトリアゾール化合物などを用いることができる。
このような条件をすべて満たすバインダー層30は、その前駆体となるバインダー液の一例を示すと、
変性ポリウレタン樹脂:40wt%~60wt%
紫外線吸収剤:10wt%~20wt%
シリコン樹脂:4wt%~10wt%
調整剤:5wt%~16wt%
の割合で混合したものが挙げられる。
なお、このバインダー液は、紫外線吸収率については90%程度ある。したがって、このバインダー液を用いてバインダー層30を形成することは、屋外での用途とされる樹脂製シート本体10にとっては好適である。なお、このバインダー液を用いる場合には、塗布量を10mL/m~20mL/m程度とするとよい。
しかし、この種のバインダー液は、通常、相対的にいうと塗膜耐久性が高くないものが多い。そこで必要となるものがコーティング層40である。
コーティング層40は、樹脂製シート本体10及びバインダー層30を被覆するものである。コーティング層40は、主として、バインダー層30を保護するものであり、樹脂製シート本体10を広告等として用いる場合には、透光性を有していることが必要である。
コーティング層40も、巻広告のように湾曲した状態で使用する場合には、コーティング層40自体が、破断したりひび割れしたりすることなどを防止するために、柔軟性を有することが必要である。
なお、コーティング層40は、バインダー層30を十分に保護するためには、所望の密着性が必要であるが、樹脂製シート本体10の用途が、避難場所や公共施設の道案内に用いる場合には、鉛筆硬度評価で要求される引っかきに対抗しうる密着性である。
この用途の場合、密着性評価における、スタッドプルテスト、引き倒しテスト、スクラッチテストで要求されるような密着性の必要性は乏しく、とりわけ、凹凸部14が形成されている樹脂製シート本体10の場合には、貼紙が貼付されても、凸部分と接触することから、テープテストで要求されるような密着性の必要性も乏しいからである。
このような条件をすべて満たすコーティング層40は、その前駆体となるコーティング液の一例を示すと、
シリカ:約70wt%~約80wt%
シラン化合物:約8wt%~約10wt%、
アルコール系及び/又はエステル系溶剤:約5.5wt%~約7.0wt%、
調整剤(錫・チタン・ホウ酸など):約3.0wt%~約4.5wt%
の割合で混合したものが挙げられる。
このコーティング液は、バインダー層30が形成された樹脂製シート本体10の印刷面12に、40mL/m~70mL/mの量で、刷毛又はスプレーで略均一に塗布することによって、コーティング層40を形成することができる。この場合、コーティング層40の厚さは、概ね10μm~20μm程度となる。
コーティング層40は、上記成分のものをそのまま用いてもよいし、作業時期の周辺温度、天候などに応じて、10%~20%程度のシンナーなどの有機溶剤を混合して希釈したものを用いてもよい。
また、例えばインク層20の上面と周辺とに択一的に、蓄光層を一層又は二層以上に形成することもできる。これによって、夜間などの暗環境下においても、印刷内容の視認性を高めることが可能となる。
蓄光層は、例えば、アルミン酸塩蛍光体又は硫化物蛍光体などを主成分とした蓄光剤を、アクリル系又はポリステル系の溶剤に混合して成る蓄光液を塗布することによって形成することができる。
溶剤に対する蓄光剤の含有条件は、例えばJIS Z 9097(津波避難誘導標識の燐光輝度)で規定されているI類の規格条件を満たすように、平均粒子径が50μm~120μm、含有量が700g/m~1200g/mという条件で調整すればよい。
一例としては、アルファペイント社蓄光剤(ルミアルファコート)を用いることができ、この蓄光剤をそのまま或いは水などを塗布量の5%ほど混ぜて希釈してから、例えば1回あたり400mL/mの塗布量で2度塗りして、二層とすることができる。
表1は、本発明の実施例の樹脂製シート及びその比較例1~2の評価結果を示す表である。実施例では、バインダー層30及びコーティング層40を以下の条件のバインダー液及びコーティング液を用いて形成した樹脂製シートを製造し、2500時間のサンシャインウェザーメータによる耐候性試験を行った。
本実施例のバインダー液の組成は、以下のとおりである。
変性ポリウレタン樹脂:約60wt%
紫外線吸収剤:約20wt%
シリコン樹脂:約10wt%
調整剤:約10wt%
本実施例では、このバインダー液を、蒸留水で1/2に希釈して用いた。
本実施例のコーティング液の組成は、以下のとおりである。
シリカ:約80.0wt%
シラン化合物:約9.8wt%、
アルコール系溶剤:約4.0wt%
エステル系溶剤:約2.0wt%
調整剤(錫・チタン・ホウ酸など):約4.2wt%
なお、実施例及び各比較例のものについては、燃焼性、鉛筆硬度についても測定したので、その評価結果についても表1に記載している。また、各評価項目の概要及び基準は以下のとおりである。
「耐酸性」及び「耐アルカリ性」は、JIS K 5600-6-1の浸漬法に基づいて行った。「遮塩性」は、JIS K 5600-7-1に基づいて行った。これらの評価基準については全く問題ないものを「〇」とし、これらの基準のほぼ2倍の負荷で「◎」とした。
「塗膜耐久性」の評価については、JIS K 5600-7-7に基づいて行った。「燃焼性」は、防耐火性能試験・評価業務方法で定める「不燃性能試験」、「準不燃性能試験」、「難燃性能試験」における合格基準に基づく。「鉛筆硬度」は、JIS K 5600-5-4に基づく引っ掻き硬度(鉛筆法)に基づく。
なお、「耐酸性」及び「耐アルカリ性」の評価に着目すると、実施例のものは少なくとも「◎」が1つ含まれる。一方、比較例1~2のものはいずれも市販品であるが、いずれも「〇」であり、「◎」とは評価できなかった。また、比較例1~2のものは、鉛筆硬度の評価が低かった。
このため、比較例1~2についての「遮塩性」の評価は中止した。その他に、表1に掲載するまでもないものとして、「耐酸性」」及び「耐アルカリ性」のいずれかで「×」評価となったものも、その後の評価を中止した。
なお、比較例1のものは鈴木産業社のセラニック(製品名)、比較例2のものはダイフレックス社のダイヤセラゼックス(製品名)という、いずれも透光性を有する、屋外で使用可能である、いわゆるコーティング剤である。
表1の評価を見ると、まず、実施例のものは、測定項目の中で「耐アルカリ性」のみが相対的に中程度の評価であるが、これを除いた測定項目についてはいずれも高評価であった。
特に、樹脂製シート本体10の用途が、避難場所や公共施設の道案内に用いる場合には、酸性雨が降ることによる耐酸性は求められても、耐アルカリ性が求められるような自体はそれほどないと考えられるので、実施例のものは当該用途においては好適である。
一方、比較例1,2のものは、既述のように、「耐酸性」及び「耐アルカリ性」の測定結果がいずれも「〇」という中程度の評価であったため、その後の「遮塩性」及び「塗膜耐久性」の測定を行っていないが、仮に、これらがいずれも中程度又は高程度の評価であるとしても、「鉛筆硬度」が劣ることから、バインダー層30との密着性の点で低評価であり低評価となった。
さらに、本発明者は、本実施例の樹脂製シートを約6年間、自社ビル屋上で曝露試験を行った。その結果、インク層20を構成する5mm四方の大きさの文字も視認できた。これは、バインダー層30が有する通常2年~3年で劣化する紫外線吸収機能が、コーティング層40によって保護されたことで、その後も担保されていたからであると想定される。
以上説明したように、本実施形態又は本実施例の樹脂製シートは、樹脂製シート本体10及びコーティング層40に対する密着性と、印刷面12への紫外線の到達回避性を有するバインダー液によってバインダー層30を形成し、少なくとも当該到達回避性の劣化を遅らせる塗膜耐久性を有するコーティング液によってコーティング層40を形成しているので、バインダー層30の耐年数を延ばすことができる。
つまり、この樹脂製シートは、バインダー層30によって印刷面12への紫外線の到達回避性を担保するとともに、塗膜耐久性が相対的に低いバインダー層30を、塗膜耐久性が相対的に高いコーティング層40によって保護することで、バインダー層30が有する性能の劣化を防止することによって、その耐年数を延ばすことができるという効果を奏する。
本発明の実施形態の樹脂製シートの分解斜視図である。
10 樹脂製シート本体
12 印刷面
14 凹凸
20 インク層
30 バインダー層
40 コーティング層

Claims (6)

  1. 樹脂製シートの印刷面に形成される透光性を有するバインダー層の前駆体であるバインダー液と、
    前記バインダー層を保護する透光性を有するコーティング層の前駆体であるコーティング液と、
    を含む塗工液セットであって、
    前記バインダー液は、前記印刷面への紫外線の到達回避性を有する、40wt%~60wtの変性ポリウレタン樹脂と10wt%~20wtの紫外線吸収剤とを含む液であり、
    前記コーティング液は、少なくとも前記到達回避性の劣化を遅らせる塗膜耐久性を有する、70wt%~80wtのシリカと8wt%~10wt%のシラン化合物とを含む液である、
    塗工液セット。
  2. 前記バインダー液は、前記印刷面に形成されるインク層のインク成分の分解性が低い、
    請求項1記載の塗工液セット。
  3. 請求項1記載の塗工液セットに含まれるバインダー液及びコーティング液を用いて、前記バインダー層及び前記コーティング層が前記印刷面に形成されている、
    樹脂製シート。
  4. 前記バインダー層及び前記コーティング層は可撓性を有する、
    請求項3記載の樹脂製シート。
  5. 前記印刷面に凹凸部が形成されている、
    請求項3記載の樹脂製シート。
  6. 前記印刷面に蓄光層が形成されている、請求項3記載の樹脂製シート。

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