JP7473787B2 - 耐力壁及び木造建物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐力壁及び木造建物に関する。
建物用の耐力壁として、鋼板を用いて面材と枠材とを一体成形した耐力壁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5582556号公報
特許文献1に開示された耐力壁は、木材よりもせん断強度と弾性率の高い鋼板によって形成されている。このような耐力壁を木造躯体(例えば、軸組工法の柱梁骨組)の隣り合う柱材間に真壁として設置し、その状態で耐力壁に地震等による水平荷重が伝達された場合、耐力壁がせん断変形せずに剛体回転して、耐力壁に接合された柱材が面外方向にはらみ出す、又は、柱材が梁材から引き抜かれる虞がある。一方、耐力壁の板厚を減じるなどしてせん断剛性を低下させた場合、水平荷重の伝達により耐力壁がせん断変形しやすくなるが、大変形に至る前に、早期にせん断座屈が生じる虞がある。水平荷重によって耐力壁にせん断座屈が生じた場合、耐力壁の対角方向にしわが発生し、このしわに沿って引張力が作用する応力場(張力場)が形成される。このような張力場が耐力壁に早期に形成されると、大変形に至る前に耐力壁と木造躯体の柱材との接合部が破損して、耐力壁が木造躯体の柱材から引き剥がされる虞がある。
上記のように水平荷重によって耐力壁が大変形に至る前に、木造躯体と耐力壁との接合部に破損が生じたり、木造躯体の耐力壁が接合される躯体構成部材(柱材)に破損が生じたりすることで、耐力壁を大変形まで安定して変形させられない。
本発明は上記事実を考慮し、木造躯体に用いられる耐力壁において、木造躯体との接合部や該接合部周辺の躯体構成部材に破損が生じるのを抑制しつつ、大変形時まで安定した耐力を保持できる耐力壁、及びこの耐力壁を用いた木造建物を提供することを課題とする。
本発明の第1態様の耐力壁は、木造躯体に用いられる金属製の耐力壁であって、上下方向に間隔をあけて開口が形成された面板部と、前記面板部の前記上下方向と直交する幅方向の両端部から該面板部の厚み方向にそれぞれ突出すると共に前記上下方向に沿って延び、隣り合う前記木造躯体の柱材にそれぞれ接合される一対の側板部と、前記面板部の開口の縁部に沿って設けられ、該縁部から前記厚み方向に突出する環状のリブと、を有する。
第1態様の耐力壁は、一対の側板部を隣り合う柱材にそれぞれ接合することで木造躯体に設置される。ここで、地震等による水平荷重が耐力壁に伝達された場合、面板部における上下方向に隣り合う開口間の部分が変形(せん断変形)することで、耐力壁の剛体回転が抑制される。すなわち、上記耐力壁では、例えば、面板部に開口が形成されていない構成と比べて、伝達された水平荷重に対して面板部が変形しやすいため、耐力壁の剛体回転を抑制できる。これにより、耐力壁に接合される柱材の面外方向へのはらみ出しや、柱材の梁材からの引き抜けが抑制される。すなわち、耐力壁が接合される柱材に破損が生じるのが抑制される。
また、面板部の開口の縁部には、該縁部に沿って環状のリブを設けているため、例えば、開口の縁部にリブを設けない構成と比べて、面板部に早期にせん断座屈が生じるのが抑制される。そして、大変形によって面板部にせん断座屈が生じた場合、面板部における上下方向に隣り合う開口間の部分に張力場が形成される。このため、耐力壁では、例えば、面板部に開口が形成されていない構成と比べて、張力場が分散されて形成されるため、耐力壁が柱材から引き剥がされるのが抑制される。すなわち、耐力壁と木造躯体との接合部の破損が抑制される。
このように上記耐力壁では、耐力壁が大変形に至る前に、木造躯体と耐力壁との接合部や、木造躯体の耐力壁が接合される柱材に破損が生じるのが抑制されるため、大変形まで安定して変形できる。すなわち、耐力壁は、大変形時まで安定した耐力を保持できる。その結果、第1態様の耐力壁は、地震エネルギー等を安定して吸収することが可能となる。
本発明の第2態様の耐力壁は、第1態様の耐力壁において、前記面板部の上端部から前記厚み方向に突出すると共に前記幅方向に沿って延び、前記木造躯体の上梁材に接合される上板部と、前記面板部の下端部から前記厚み方向に突出すると共に前記幅方向に沿って延び、前記木造躯体の下梁材に接合される下板部と、を更に有する。
第2態様の耐力壁では、面板部の上端部に上板部が設けられ、下端部に下板部が設けられているため、面板部の幅方向の曲げ剛性が向上する。また、耐力壁の上板部を上梁材に接合し、下板部を下梁材に接合することで、側板部と柱材との接合部に作用する力を分散することができる。
本発明の第3態様の耐力壁は、第1態様又は第2態様の耐力壁において、前記面板部を構成する金属板の折り曲げ部によって前記側板部が形成されている。
第3態様の耐力壁では、金属板の折り曲げ部によって面板部の側板部が形成されていることから、例えば、面板部に後付けで側板部を設ける構成と比べて、耐力壁の部品点数を減らすことができる。
本発明の第4態様の耐力壁は、第1態様~第3態様のいずれか1態様の耐力壁において、一対の前記側板部は、前記厚み方向で同じ側に突出している。
第4態様の耐力壁では、一対の側板部が面板部の厚み方向で同じ側に突出していることから、例えば、一対の側板部が面板部の厚み方向で互いに逆向きに突出している構成と比べて、耐力壁の厚みを抑えることができる。
本発明の第5態様の耐力壁は、第1態様~第4態様のいずれか1態様の耐力壁において、前記側板部の内側面に木材が取り付けられている。
第5態様の耐力壁では、内側面に木材が取り付けられた側板部を柱材に接合することで、側板部の接合部が補強され、側板部における柱材との接合部の剛性及び耐力が向上する。
本発明の第6態様の耐力壁は、第1態様~第4態様のいずれか1態様の耐力壁において、前記側板部の前記面板部と反対側の端部には、該端部から前記側板部の突出方向と反対側に折り返されて前記側板部を前記柱材に接合した状態で前記側板部に重なる折り返し部が設けられている。
第6態様の耐力壁では、側板部の面板部と反対側の端部に、該端部から側板部の突出方向と反対側に折り返した折り返し部を設けている。この折り返し部は、側板部を柱材に接合した状態で側板部に重なるため、側板部における柱材との接合部の剛性及び耐力が向上する。
本発明の第7態様の耐力壁は、第1態様~第4態様のいずれか1態様の耐力壁において、前記側板部には、前記柱材への接合用に印が設けられており、前記面板部の表面から前記印までの前記厚み方向の距離が、前記側板部の前記厚み方向の長さの半分よりも長い。
第7態様の耐力壁では、側板部に柱材への接合用の印が設けられており、この面板部の表面から印までの面板部厚み方向の距離が、側板部の面板部厚み方向の長さの半分よりも長い。このような構成とすることで、耐力壁の側板部を柱材に接合した状態で耐力壁に水平荷重が作用した場合、側板部の板曲げ変形が誘起される。これにより、上記耐力壁では、例えば、面板部の表面から印までの面板部厚み方向の距離が側板部の面板部厚み方向の長さの半分よりも短い又は同じものと比べて、面板部がせん断座屈した場合であっても、耐力壁の面板部に張力場が早期に形成されるのが抑制される。
本発明の第8態様の耐力壁は、第1態様~第7態様のいずれか1態様の耐力壁において、前記面板部を厚み方向から見て、前記開口の形状及び大きさが同じである。
第8態様の耐力壁では、面板部を厚み方向から見て、開口の形状及び大きさが同じであることから、例えば、開口の形状及び大きさの少なくとも一方が異なる構成と比べて、開口及び開口の縁部に設けられるリブ毎に作用する応力を一定にできる。これにより、面板部に早期にせん断座屈が生じるのが抑制される。また、面板部に開口及びリブを形成するに際して、開口及びリブの形状及び大きさに合わせた様々な加工具(金型含む)を用いる必要がないため、耐力壁の製造(加工)が容易になる。
本発明の第9態様の耐力壁は、第8態様の耐力壁において、前記面板部を厚み方向から見て、前記開口の形状が円形である。
第9態様の耐力壁では、面板部を厚み方向から見て、開口の形状を円形としていることから、例えば、開口の形状を多角形状とした構成と比べて、水平荷重が作用したときの、開口及び開口の縁部に設けられるリブへの局部応力集中が緩和され、大変形時まで安定した耐力を保持できる。
本発明の第10態様の木造建物は、複数の柱材と複数の梁材を組み立てた木造躯体と、前記木造躯体に用いられる第1態様~第9態様のいずれか1態様の耐力壁と、を備え、前記耐力壁は、隣り合う前記柱材の間に配置された状態で一対の側板部が前記隣り合う柱材にそれぞれ接合されている。
地震等による水平荷重が耐力壁に伝達されても、第1態様~第11態様のいずれか1態様の耐力壁では、大変形に至る前に、木造躯体と耐力壁との接合部や耐力壁が接合される柱材に破損が生じるのが抑制されるため、大変形時まで安定した耐力を保持できる。第10態様の木造建物では、上記のような耐力壁を用いることから、地震エネルギーが耐力壁によって安定して吸収されるため、耐震性能が向上する。
本発明によれば、木造躯体との接合部や該接合部周辺の躯体構成部材に破損が生じるのを抑制しつつ、大変形時まで安定した耐力を保持できる耐力壁、及びこの耐力壁を用いた木造建物を提供することができる。
本発明の第1実施形態の耐力壁の正面図である。 図1の矢印2X-2X線断面図である。 図1の矢印3X-3X線断面図である。 図1の耐力壁を木造躯体に設置した状態を示す、耐力壁の正面図である。 図4の矢印5X-5X線断面図である。 図4の矢印6X-6X線断面図である。 比較例1の耐力壁に水平荷重が作用した状態を示す、耐力壁の正面図である。 比較例2の耐力壁に水平荷重が作用した状態を示す、耐力壁の正面図である。 図4の耐力壁に水平荷重が作用した状態を示す、耐力壁の正面図である。 第1実施形態の耐力壁の変形例の正面図である。 図10の耐力壁を木造躯体に設置した状態を示す、耐力壁の正面図である。 図11の矢印12X-12X線断面図である。 本発明の第2実施形態の耐力壁の正面図である。 図13の耐力壁を木造躯体に設置した状態を示す、耐力壁の正面図である。 図14の矢印15X-15X線断面図である。 第2実施形態の耐力壁の第1変形例の正面図である。 第2実施形態の耐力壁の第2変形例の正面図である。 第2実施形態の耐力壁の第3変形例の正面図である。 第3実施形態の耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 図19の耐力壁を木造躯体に設置した状態において、当該耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 第4実施形態の耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 図21の耐力壁を木造躯体に設置した状態において、当該耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 第4実施形態の耐力壁の変形例を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 図23の耐力壁を木造躯体に設置した状態において、当該耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 第5実施形態の耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。 図25の耐力壁を木造躯体に設置した状態において、当該耐力壁を幅方向に沿って切断した断面のうち、一方の側板部周辺を拡大した拡大断面図である。
図面を用いて、本発明の一実施形態の耐力壁及びこの耐力壁を用いた木造建物について説明する。
[第1実施形態]
まず、図1~図9を用いて本発明の第1実施形態の耐力壁20及びこの耐力壁20を用いた木造建物100について説明する。なお、図中に示された矢印UPは、本実施形態の耐力壁20が用いられる木造建物100の上方向を示している。また、図中に示された矢印Wは、耐力壁20の幅方向(以下、適宜「壁幅方向」と記載する。)を示し、矢印Tは、耐力壁20の厚み方向(以下、適宜「壁厚み方向」と記載する。)を示している。なお、本実施形態では、壁幅方向と木造建物100の水平方向が一致している。また、壁幅方向と壁厚み方向は直交している。
<木造建物100>
まず、耐力壁20を用いた木造建物100について説明する。図4~図6に示すように、木造建物100は、木造躯体102と、この木造躯体102に設置された耐力壁20を備えている。木造躯体102は、軸組工法の柱梁骨組であり、複数の柱材と複数の梁材とを組み立てて形成されている。具体的には、木造躯体102は、図4に示すように、複数の柱材104と、複数の柱材104の下端部が固定される下梁材108と、複数の柱材104の上端部が固定される上梁材106と、を備えている。なお、本実施形態の柱材104、上梁材106及び下梁材108は、それぞれ断面形状が略矩形の木材である。
図4に示すように、耐力壁20は、木造躯体102の隣り合う柱材104間に配置されており、後述する一対の側板部24が、隣り合う柱材104にそれぞれ接合されている。このように一対の側板部24が隣り合う柱材104にそれぞれ接合されることで、耐力壁20が木造躯体102に設置された設置状態となる。
なお、本実施形態の耐力壁20は、木造建物100の真壁として用いられる。耐力壁20の表面側(図5では耐力壁20の左側)、すなわち、建物の室内側には、図示しない内装材が配設され、耐力壁20の裏面側(図5では耐力壁20の右側)、すなわち、建物の室外側には、図示しない外装材が配設されている。
<耐力壁20>
図1及び図2に示すように、本実施形態の耐力壁20は、1枚の素材金属板(本実施形態では、厚み0.8mm~1.2mmの鋼板であり、所謂薄板)を加工して形成された壁面材21を備えている。この壁面材21は、面板部22と、側板部24と、環状リブ26(本発明におけるリブの一例)と、を有している。
(面板部22)
図1に示すように、面板部22は、矩形状に形成されている。この面板部22には、上下方向に間隔をあけて複数(本実施形態では7つ)の開口28が形成されている。これら7つの開口28は、上下方向に1列に形成されている。なお、本実施形態では、面板部22の壁幅方向の中心を通って上下方向に延びる中心線上に全ての開口28の中心が位置しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、面板部22の中心線に対して壁幅方向にオフセットした直線上に全ての開口28の中心が位置していてもよい。
なお、本実施形態における面板部22の幅方向及び厚み方向は、それぞれ壁幅方向及び壁厚み方向と同じ方向である。
図1に示すように、開口28の形状は、面板部22を壁厚み方向から見て、円形である。そして、面板部22を壁厚み方向から見て、上下方向に隣り合う開口28の形状及び大きさが、同じ形状及び大きさとされている。なお、本実施形態では、全ての開口28の形状及び大きさが同じに設定されている。また、開口28の直径は、配管や配線を通す観点から150mm以上、より好ましくは200mm以上に設定されている。
(側板部24)
図3に示すように、側板部24は、面板部22の壁幅方向の両端部から壁厚み方向にそれぞれ突出すると共に上下方向に沿って延びる板状部であり、本実施形態では、隣り合う柱材104にそれぞれ接合される部分である。この側板部24は、面板部22を構成する金属板の折り曲げ部によって形成されている。具体的には、面板部22となる素材金属板に折り曲げ加工が施されることで、上記折り曲げ部である側板部24が形成される。なお、本実施形態では、一対の側板部24は、それぞれ壁厚み方向に沿って突出している。
側板部24は、面板部22の上下方向の下端部から上端部まで連続して形成されている。この側板部24は、接合具30によって柱材104に接合される。接合具30としては、木ネジや釘等が挙げられる。なお、接合具30で側板部24に貫通孔を形成する場合には、ドリル付きの木ネジや鋼板釘等を用いることが好ましい。また、側板部24には、接合具30用に印を設けておいてもよい。なお、印としては、側板部24の内側面24Aに形成されたケガキ線やへこみ、側板部24に形成された下孔等が挙げられる。また、側板部24に上記印として接合具30用の取付孔を設けておいてもよい。なお、ここでいう、側板部24に形成される「下孔」とは、側板部24に予め形成された孔であり、接合具30の軸径(断面)よりも小さい孔(接合具30で穿孔し易くするための孔)を指す。また、ここでいう側板部24に形成される「取付孔」とは、側板部24に予め形成された孔であり、接合具30の軸径(断面)よりも大きい孔を指す。さらにここでいう側板部24に形成された「貫通孔」とは、接合具30によって側板部24に形成された孔を指す。
なお、本実施形態では、接合具30としてドリル付きの木ネジを用いて、側板部24と柱材104とを接合している。
また、以下では、側板部24と柱材104との接合具30による接合部分を接合部36と記載する。これらの接合部36は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、本実施形態の耐力壁20では、接合部36が略一定の間隔で設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、耐力壁20に地震等による水平荷重が伝達された場合に、せん断力が大きく作用する領域に接合部36を密に配置してもよい。
図3に示すように、一対の側板部24は、壁厚み方向で同じ側に突出している。
(環状リブ26)
図2及び図3に示すように、環状リブ26は、面板部22の開口28の縁部に沿って設けられており、該縁部から壁厚み方向に突出する環状の突条部である。なお、本実施形態では、開口28の形状が円形のため、環状リブ26の形状が円環状とされている。
また、本実施形態では、面板部22となる素材金属板(本実施形態では、鋼板)にバーリング加工を施すことで、面板部22に開口28及び環状リブ26を形成している。このため、環状リブ26は、面板部22と一体に形成されている。なお、本発明は上記構成に限定されず、例えば、面板部22となる素材金属板にプレス加工で開口28を形成し、この開口28の縁部に円形の環状部材(筒状部材)を接合して環状リブ26を形成してもよい。
図3に示すように、環状リブ26は、壁厚み方向で一対の側板部24と同じ側に突出している。
図2及び図3に示すように、耐力壁20の壁面材21は、上板部32と、下板部34と、を更に有している。
(上板部32)
図2に示すように、上板部32は、面板部22の上端部から壁厚み方向に突出すると共に壁幅方向に沿って延びる板状部であり、上梁材106に接合される部分である。この上板部32は、面板部22を構成する金属板の折り曲げ部によって形成されている。具体的には、面板部22となる素材金属板に折り曲げ加工が施されることで、上記折り曲げ部である上板部32が形成される。なお、本実施形態では、上板部32は、壁厚み方向に沿って突出している。
上板部32は、面板部22の壁幅方向の一端部から他端部まで連続して形成されている。この上板部32は、側板部24と同様に、接合具30によって上梁材106に接合される。なお、上板部32には、側板部24と同様に、印や取付孔が設けられてもよい。なお、本実施形態では、接合具30としてドリル付きの木ネジを用いて、上板部32と上梁材106とを接合している。
また、図2に示すように、上板部32は、壁厚み方向で一対の側板部24と同じ側に突出している。
(下板部34)
図2に示すように、下板部34は、面板部22の下端部から壁厚み方向に突出すると共に壁幅方向に沿って延びる板状部であり、下梁材108に接合される部分である。この下板部34は、面板部22を構成する金属板の折り曲げ部によって形成されている。具体的には、面板部22となる素材金属板に折り曲げ加工が施されることで、上記折り曲げ部である下板部34が形成される。なお、本実施形態では、下板部34は、壁厚み方向に沿って突出している。
下板部34は、面板部22の壁幅方向の一端部から他端部まで連続して形成されている。この下板部34は、側板部24と同様に、接合具30によって下梁材108に接合される。なお、下板部34には、側板部24と同様に、印や取付孔が設けられてもよい。なお、本実施形態では、接合具30としてドリル付きの木ネジを用いて、下板部34と下梁材108とを接合している。
図2に示すように、下板部34は、壁厚み方向で一対の側板部24と同じ側に突出している。
また、以下では、上板部32と上梁材106との接合具30による接合部分、及び、下板部34と下梁材108との接合具30による接合部分を接合部38と記載する。これらの接合部38は、壁幅方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、本実施形態の耐力壁20では、接合部38が略一定の間隔で設けられているが、本発明はこの構成に限定されず、接合部38を非等間隔に設けてもよい。
本実施形態の耐力壁20を構成する壁面材21の面板部22、側板部24、環状リブ26、上板部32及び下板部34は、1枚の素材金属板を折り曲げ加工して形成されており、一体とされている。なお、本実施形態では、素材金属板を折り曲げ加工しているため、一対の側板部24の上端部と上板部32の壁幅方向の両端部との間に隙間があり、一対の側板部24の下端部と下板部34の壁幅方向の両端部との間に隙間がある。これに対して、これらの隙間を埋めるように板部の端部同士を溶接することで、一対の側板部24、上板部32及び下板部34で構成された枠体を形成してもよい。
図1に示すように、上下方向に隣り合う開口28の中心間距離D1は、一対の側板部24間の水平距離D2よりも短くなっている。なお、水平距離D2は、一対の側板部24の外側面24B間の壁幅方向に沿った距離である。また、本実施形態においては、一対の側板部24の外側面24B間の壁幅方向に沿った距離と、一対の接合部36(側板部24と柱材104との接合面)間の壁幅方向に沿った距離が同じである。
そして、開口28の水平方向(壁幅方向)に沿った幅W1は、水平距離D2の30%~80%の範囲内に設定されている。
次に本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図7には、比較例1の耐力壁50が示されている。この耐力壁50は、面板部52に開口が設けられていない点を除いて、第1実施形態の耐力壁20と同じ構成である。すなわち、耐力壁50における面板部52の厚みは、第1実施形態の耐力壁20の面板部22の厚みと同等である。このような耐力壁50を木造躯体102の隣り合う柱材104間に設置した状態で、地震等による水平荷重HLが耐力壁50に伝達されると、木板(合板含む)よりもせん断剛性が高い耐力壁20がせん断変形せずに剛体回転し、一方の柱材104が面外方向(ここでは壁厚み方向と同じ)にはらみ出す、又は、他方の柱材104が下梁材108から引き抜かれる虞がある。すなわち、耐力壁50では、水平荷重HLによって木造躯体102を構成する躯体構成部材である柱材104に破損が生じる虞がある。
また、図8には、比較例2の耐力壁54が示されている。この耐力壁54は、水平荷重HLに対するせん断剛性を面板部56の厚みを減じることで比較例1の耐力壁50よりも低くしている点を除いて、耐力壁50と同じ構成である。このような耐力壁54を木造躯体102の隣り合う柱材104間に設置した状態で、水平荷重HLが耐力壁54に伝達されると、耐力壁54がせん断変形するため、比較例1の耐力壁50のように水平荷重HLによって木造躯体102を構成する柱材104に破損が生じるのが抑制される。しかし、耐力壁54が大変形に至る前に、早期にせん断座屈が生じることがある。水平荷重HLによって耐力壁54にせん断座屈が生じた場合、耐力壁54の対角方向にしわが発生し、このしわに沿って引張力Tが作用する応力場(張力場TF)が形成される。耐力壁54に張力場TFが形成されると、耐力壁54が大変形に至る前に木造躯体102の柱材104から耐力壁54が引き剥がされる虞がある。すなわち、耐力壁54では、水平荷重HLによって木造躯体102の柱材104と耐力壁54との接合部36に破損、具体的には、接合具30の強制引き抜きによる柱材104の破損や接合具30の破断等が生じる虞がある。
上記のように、水平荷重によって耐力壁が大変形に至る前に、木造躯体と耐力壁との接合部や、木造躯体の耐力壁が接合される躯体構成部材(柱材)に破損が生じた場合、耐力壁が大変形まで安定して変形できない。そのため、耐力壁には、木造躯体との接合部や該接合部周辺の躯体構成部材に破損が生じるのを抑制しつつ、大変形時まで安定した耐力を保持できることが求められている。これらのことを考慮のうえ、本発明者らは、本発明の開発に至った。
本実施形態の耐力壁20では、木造躯体102の隣り合う柱材104間に設置された状態で、水平荷重HLが伝達された場合、面板部22における上下方向に隣り合う開口28間の部分が変形(せん断変形)することで、耐力壁20の剛体回転が抑制される。すなわち、耐力壁20では、例えば、面板部52に開口が形成されていない比較例1の耐力壁50と比べて、水平荷重HLに対して面板部22が変形しやすく、耐力壁20の剛体回転を抑制できる。これにより、耐力壁20に接合される一方の柱材104の面外方向へのはらみ出しや、他方の柱材104の下梁材108からの引き抜けが抑制される。すなわち、耐力壁20では、水平荷重HLによって木造躯体102を構成する柱材104に破損が生じるのを抑制することができる。
また、耐力壁20では、面板部22の開口28の縁部に環状リブ26を設けているため、例えば、面板部22の開口28の縁部に環状リブ26を設けない構成と比べて、面板部22に早期にせん断座屈が生じるのを抑制することができる。そして、耐力壁20の大変形によって面板部22にせん断座屈が生じた場合、図9に示すように、面板部22における上下方向に隣り合う開口28間の部分毎に張力場TFが形成される。このため、耐力壁20では、例えば、面板部22に開口28が形成されていない構成と比べて、張力場TFが分散されて形成されるため、柱材104から引き剥がされるのが抑制される。すなわち、耐力壁20と木造躯体102との接合部36の破損、具体的には、接合具30の強制引き抜きによる柱材104の破損や接合具30の破断等が抑制される。
上記のように耐力壁20では、大変形に至る前に、木造躯体102と耐力壁20との接合部36や、耐力壁20が接合される柱材104に破損が生じるのを抑制できるため、大変形まで安定して変形することができる。すなわち、耐力壁20は、大変形時まで安定した耐力を保持することができる。その結果、耐力壁20は、地震エネルギー等を安定して吸収することが可能となる。このような耐力壁20を用いる木造建物100では、耐力壁20によって地震エネルギーが安定して吸収されるため、耐震性能が向上する。
耐力壁20では、金属板を折り曲げた折り曲げ部によって側板部24が形成されていることから、例えば、面板部に後付けで側板部を設ける構成と比べて、耐力壁20の部品点数を減らすことができる。同様に、耐力壁20では、金属板を折り曲げた折り曲げ部によって上板部32及び下板部34が形成されていることから、例えば、面板部に後付けで上板部及び下板部を設ける構成と比べて、耐力壁20の部品点数を減らすことができる。
また、耐力壁20では、一対の側板部24が壁厚み方向で同じ側に突出していることから、例えば、一対の側板部24が壁厚み方向で互いに逆向きに突出している構成と比べて、耐力壁20の厚みを抑えることができる。さらに、耐力壁20では、一対の側板部24、上板部32、下板部34及び環状リブ26が壁厚み方向で同じ側に突出していることから、耐力壁20の厚みを効果的に抑えることができる。このように耐力壁20の厚みを抑えることで、運搬効率が向上する。
さらに、耐力壁20では、面板部22に上板部32及び下板部34が設けられているため、面板部22の壁幅方向の曲げ剛性が向上する。また、耐力壁20の上板部32を上梁材106に接合し、下板部34を下梁材108に接合することで、側板部24と柱材104との接合部36に作用する力を分散させることができる。これにより、耐力壁20と木造躯体102との接合部36の破損を抑制することができる。
また、耐力壁20では、面板部22を厚み方向から見て、全ての開口28の形状及び大きさが同じであることから、例えば、開口28の形状及び大きさの少なくとも一方が異なる構成と比べて、開口28及び開口28の縁部に設けられる環状リブ26毎に作用する応力を一定にできる。これにより、面板部22に早期にせん断座屈が生じるのが抑制される。また、面板部22に開口28及び環状リブ26を形成するに際して、開口28及び環状リブ26の形状及び大きさに合わせた様々な加工具(金型含む)を用いる必要がないため、耐力壁の製造(加工)が容易になる。
さらに、耐力壁20では、面板部22を厚み方向から見て、全ての開口28の形状を円形としていることから、例えば、開口28の形状を多角形状とした構成と比べて、水平荷重HLが作用したときの、開口28及び環状リブ26への局部応力集中が緩和され、大変形時まで安定した耐力を保持できる。
耐力壁20では、中心間距離D1が水平距離D2よりも短いため、水平荷重HLが耐力壁20に伝達された場合に、面板部22において、隣り合う柱材104にそれぞれ接合される一対の側板部24と開口28との水平方向の中間部22Bにおけるせん断応力(ミーゼス応力)値が、上下方向に隣り合う開口28間の上下方向の中間部22Aのせん断応力値よりも低くなる。その結果、耐力壁20では、面板部22における上下方向に隣り合う開口間の上下方向の中間部22Aが変形する前に、側板部24と柱材104との接合部36に破損が生じるのが抑制され、大変形時まで安定した耐力を保持できる。
また、耐力壁20では、幅W1が水平距離D2の30%~80%の範囲内であることから、面板部22において上下方向に隣り合う開口28間の中間部22Aが変形する前に、側板部24と柱材104との接合部36に破損が生じるのを効果的に抑制できる。
耐力壁20では、面板部22に開口28が形成されているため、この開口28を用いて配管や配線を実施できる。このため、耐力壁20では、例えば、面板部に開口を形成しない構成と比べて、配管や配線を迂回させる必要がなく、また、面板部に貫通孔を現場加工する必要もないため、施工現場において省力化が図れる。さらに、面板部22に開口28を形成することで、軽量化を図ることができる。また、耐力壁20では、面板部22に一対の側板部24を設けることで、例えば、金属製の面材の両側に金属製の一対の縦材を接合する耐力壁と比べて、部品点数を減らすことができる。
第1実施形態では、耐力壁20を構成する壁面材21の面板部22に開口28を1列形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図10に示す耐力壁40のように、耐力壁40を構成する壁面材41の面板部42に開口28を複数列(耐力壁40では2列)形成してもよい。この耐力壁40は、隣り合う柱材104間の距離が広い場合に用いられるため、第1実施形態よりも面板部42の壁幅方向の幅が広くなっている。このような耐力壁40を隣り合う柱材104間に設置すると、面板部42における2列の開口28間の部分の剛性が不足するため、図11及び図12では隣り合う柱材104間に間柱110を配置し、この間柱110で面板部42の上記部分を補強している。具体的には、接合具30を用いて間柱110に面板部42の上記部分を接合して補強している。なお、以下では、面板部42と間柱110との接合具30による接合部分を接合部48と記載する。これらの接合部48は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。ここで、図11に示すように、耐力壁40では、側板部44から接合部48までの水平距離をD3としたとき、中心間距離D1が水平距離D3よりも短くなっている。なお、水平距離D3は、側板部44の外側面44Bから接合部48の中心までの壁幅方向(水平方向)に沿った距離である。そして、開口28の幅W1は、水平距離D3の30%~80%の範囲内に設定されている。これらの構成により、耐力壁40では、水平荷重HLが耐力壁40に伝達された場合に、面板部42において、側板部24と開口28との水平方向の中間部42Bにおけるせん断応力(ミーゼス応力)値及び接合部48と開口28との水平方向の中間部42Cにおけるせん断応力値が、上下方向に隣り合う開口28間の上下方向の中間部42Aのせん断応力値よりも低くなる。その結果、耐力壁40では、面板部42における上下方向に隣り合う開口28間の中間部42Aが変形する前に、接合部48と、側板部44と柱材104との接合部46に破損が生じるのが抑制され、大変形時まで安定した耐力を保持できる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態の耐力壁60について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
図14及び図15に示すように、本実施形態の耐力壁60は、隣り合う柱材104間の距離が第1実施形態よりも広い木造躯体102に用いられる。このため、図13~図15に示すように、耐力壁60は、第1実施形態の壁面材21を2枚用いて構成されている(同一寸法形状の壁面材21を2枚用いている)。具体的には、図13及び図15に示すように、2枚の壁面材21を同じ向きで壁幅方向に並べると共に、対向する側板部24同士を接合具61で接合している。この接合具61として、金属用のドリル付きねじを用いている。なお、以下では、壁幅方向に隣接する壁面材21の対向する側板部24同士の接合具61による接合部分を接合部69と記載する。これらの接合部69は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。また、隣接する壁面材21の接合部69と反対側に位置する側板部24は、隣り合う柱材104に接合具30によって接合されている。なお、耐力壁60の面板部62は、2枚の壁面材21の面板部22によって構成されている。また、耐力壁60の上板部66は、2枚の壁面材21の上板部32によって構成されている。さらに、耐力壁60の下板部68は、2枚の壁面材21の下板部34によって構成されている。また、耐力壁60の一対の側板部64は、隣接する壁面材21の接合部69と反対側に位置する側板部24(言い換えると、耐力壁60の壁幅方向両外側に位置する側板部24)によって構成されている。
また、図13及び図15に示すように、耐力壁60では、壁面材21において、中心間距離D1が水平距離D2よりも短くなっている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成で得られる作用並びに効果については、その説明を省略する。
耐力壁60は、2枚の壁面材21を壁幅方向に並べると共に対向する側板部24同士を接合具61で接合して形成されている。ここで、耐力壁60では、面板部62に2列の開口28が形成されているが、面板部62の2列の開口28間の部分に、接合具61で接合された2つの側板部24が位置するため、上記2列の開口28間の部分の剛性が補強されている。このため、耐力壁60を1枚の壁面材で形成する構成と比べて、面板部62の2列の開口28間に補強材を設ける必要がない。また、同一寸法形状の2枚の壁面材21を用いるため、異なる寸法形状の壁面材を用いる構成と比べて、部品管理が容易であり、生産コストの削減も図れる。
第2実施形態の耐力壁60では、隣接する壁面材21の対向する側板部24同士をドリル付きねじ等の接合具61で接合しているが、本発明はこの構成に限定されない。接合具61として、鋼板釘等を用いてもよい。また、隣接する壁面材21の対向する側板部24同士を溶接(例えば、スポット溶接)で接合してもよい。溶接の場合は、対向する側板部24の溶接により接合した部分を接合部とする。
また、第2実施形態の耐力壁60では、隣接する壁面材21の対向する側板部24同士をドリル付きねじ等の接合具61で接合しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図16に示す耐力壁70のように、1枚目の壁面材21に対して2枚目の壁面材21を逆向きにして、1枚目の壁面材21の面板部22の一部と2枚目の壁面材21の面板部22の一部を重ね、この重ねた部分を接合具61で接合してもよい。また、図17に示す耐力壁72のように、1枚目の壁面材21の面板部22の一部と2枚目の壁面材73の面板部74の一部を重ね、この重ねた部分を接合具61で接合してもよい。なお、壁面材73は、面板部74における環状リブ26の突出方向が側板部75と逆向きである点を除いて、壁面材21と同じ構成である。またさらに、図18に示す耐力壁76のように、2枚の壁面材73を並べると共に、対向する側板部75同士をドリル付きねじ等の接合具61で接合してもよいし、接合具61の代わりに、鋼板釘や溶接等を用いてもよい。
なお、耐力壁が複数枚の壁面材(例えば、壁面材21等)によって形成される場合には、耐力壁の面板部は、複数枚の壁面材の面板部によって構成され、耐力壁の上板部及び下板部は、複数枚の壁面材の各上板部及び各下板部によって構成され、耐力壁の一対の側板部は、耐力壁の壁幅方向両外側に位置する側板部によって構成されている。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態の耐力壁80について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
図19及び図20に示すように、本実施形態の耐力壁80は、第1実施形態の壁面材21と、この壁面材21の側板部24の内側面24Aに取り付けられた木材82とを有している。この木材82は、側板部24の上端部から下端部に亘って取り付けられている。なお、木材82は、1枚又は複数枚を並べて用いてもよい。また、本実施形態の木材82は、側板部24の内側面24Aに接着剤によって取り付けられているが、本発明はこの構成に限定されない。また、壁面材21の側板部24は、木材82と共に接合具30によって柱材104に接合されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成で得られる作用並びに効果については、その説明を省略する。
耐力壁80では、側板部24の内側面24Aに木材82が取り付けられており、この側板部24を木材82と共に柱材104に接合することで、側板部24の接合部36が補強され、側板部24における柱材104との接合部36の剛性及び耐力が向上する。
第3実施形態の耐力壁80では、木材82を側板部24の上端部から下端部に亘って取り付けているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、側板部24と柱材104とを接合する部分周辺にのみ木材82を取り付ける構成としてもよい。
また、第3実施形態の耐力壁80では、木材82を側板部24の内側面24Aに接着剤で取り付けているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、接合具30で側板部24を柱材104に接合すると共に、木材82を側板部24に取り付けてもよい。
第3実施形態の耐力壁の側板部の内側面に木材を取り付ける構成については、第1実施形態及びその変形例、並びに、第2実施形態及びその変形例に適用してもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態の耐力壁86について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
図21及び図22に示すように、本実施形態の耐力壁86は、第1実施形態の壁面材21と、この壁面材21の側板部24の端部に設けられた折り返し部88と、を有している。具体的には、折り返し部88は、耐力壁86の側板部24の面板部22と反対側の端部から側板部24の突出方向と反対側に折り返された部分であり、側板部24と一体成形されている。この折り返し部88は、側板部24を柱材104に接合した状態で側板部24に重なる。なお、本実施形態では、折り返し部88が側板部24に対して壁幅方向内側に折り返されている。また、折り返し部88は、側板部24と共に接合具30によって柱材104に接合されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成で得られる作用並びに効果については、その説明を省略する。
耐力壁86では、側板部24の面板部22と反対側の端部に、該端部から側板部24の突出方向と反対側に折り返した折り返し部88が設けられている。この折り返し部88は、側板部24を柱材104に接合した状態で側板部24に重なるため、耐力壁86と柱材104との接合部の剛性及び耐力が向上する。また、接合具30の傾きが抑制されるため、上記接合部の剛性及び耐力が向上する。
第4実施形態の耐力壁86では、折り返し部88が側板部24に対して壁幅方向内側に折り返されているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図23及び図24に示す耐力壁90のように、折り返し部88が側板部24に対して壁幅方向外側に折り返されていてもよい。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態の耐力壁92について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
図25及び図26に示すように、本実施形態の耐力壁92は、第1実施形態の壁面材21と、この壁面材21の側板部24に設けられた印94と、を有している。具体的には、印94は、側板部24を柱材104に接合するための接合具30用の取付孔である。この印94は、側板部24に上下方向に間隔をあけて複数形成されている。また、面板部22の表面から印94までの壁厚み方向の距離L1は、側板部24の壁厚み方向の長さL2の半分よりも長くなっている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成で得られる作用並びに効果については、その説明を省略する。
耐力壁92では、側板部24に柱材104への接合用の印94が設けられており、距離L1が、長さL2の半分よりも長くなっている。このような構成とすることで、耐力壁92の側板部24を柱材104に接合した状態で耐力壁92に水平荷重が作用した場合、側板部24の板曲げ変形が誘起されるため、面板部22がせん断座屈した場合であっても、耐力壁92の面板部22に張力場TFが早期に形成されるのが抑制される。
第5実施形態では、側板部24に印94として取付孔を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。印としては、側板部24の内側面24Aに形成されたケガキ線やへこみ、側板部24に形成された下孔等を用いてもよい。
前述の実施形態では、壁厚み方向から見て、開口28の形状を円形にしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、開口28の形状を楕円形にしてもよいし、多角形状としてもよい。
また、前述の実施形態では、壁厚み方向から見て、全ての開口28の形状及び大きさを同じ形状及び寸法としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、隣り合う開口28の形状及び大きさが異なっていてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
20 耐力壁
22 面板部
24 側板部
24A 内側面
26 環状リブ(リブ)
28 開口
32 上板部
34 下板部
40 耐力壁
42 面板部
44 側板部
60 耐力壁
62 面板部
64 側板部
66 上板部
68 下板部
70 耐力壁
72 耐力壁
74 面板部
75 側板部
76 耐力壁
80 耐力壁
82 木材
86 耐力壁
88 折り返し部
90 耐力壁
92 耐力壁
94 印
100 木造建物
102 木造躯体
104 柱材
106 上梁材
108 下梁材

Claims (10)

  1. 木造躯体に用いられ、一枚の金属板を折り曲げ加工して形成された耐力壁であって、
    上下方向に間隔をあけて開口が形成された面板部と、
    前記面板部の前記上下方向と直交する幅方向の両端部から該面板部の厚み方向にそれぞれ突出すると共に前記上下方向に沿って延び、隣り合う前記木造躯体の柱材にそれぞれ接合される一対の側板部と、
    前記面板部の開口の縁部に沿って設けられ、該縁部から前記厚み方向に突出する環状のリブと、
    を有し、
    複数の前記開口は、前記面板部の前記一対の側板間に前記上下方向に沿って一列のみ形成されており、
    前記側板部には、前記柱材への接合用に印が設けられており、
    前記面板部の表面から前記印までの前記厚み方向の距離が、前記側板部の前記厚み方向の長さの半分よりも長い、耐力壁。
  2. 木造躯体に用いられ、一枚の金属板を折り曲げ加工して形成された金属製の耐力壁であって、
    上下方向に間隔をあけて開口が形成された面板部と、
    前記面板部の前記上下方向と直交する幅方向の両端部から該面板部の厚み方向にそれぞれ突出すると共に前記上下方向に沿って延び、隣り合う前記木造躯体の柱材にそれぞれ接合される一対の側板部と、
    前記面板部の開口の縁部に沿って設けられ、該縁部から前記厚み方向に突出する環状のリブと、
    を有し、
    前記面板部は、隣り合う前記柱材間に配置された間柱に接合され、
    複数の前記開口は、前記面板部における一方の前記側板部と前記間柱との間に前記上下方向に沿って一列のみ形成されると共に前記面板部における他方の前記側板部と前記間柱との間に前記上下方向に沿って一列のみ形成されおり、
    前記側板部には、前記柱材への接合用に印が設けられており、
    前記面板部の表面から前記印までの前記厚み方向の距離が、前記側板部の前記厚み方向の長さの半分よりも長い、耐力壁。
  3. 前記面板部の上端部から前記厚み方向に突出すると共に前記幅方向に沿って延び、前記木造躯体の上梁材に接合される上板部と、
    前記面板部の下端部から前記厚み方向に突出すると共に前記幅方向に沿って延び、前記木造躯体の下梁材に接合される下板部と、
    を更に有する、請求項1又は請求項2に記載の耐力壁。
  4. 前記面板部を構成する金属板の折り曲げ部によって前記側板部が形成されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の耐力壁。
  5. 一対の前記側板部は、前記厚み方向で同じ側に突出している、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の耐力壁。
  6. 前記側板部の内側面に木材が取り付けられている、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の耐力壁。
  7. 前記側板部の前記面板部と反対側の端部には、該端部から前記側板部の突出方向と反対側に折り返されて前記側板部を前記柱材に接合した状態で前記側板部に重なる折り返し部が設けられている、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の耐力壁。
  8. 前記面板部を厚み方向から見て、前記開口の形状及び大きさが同じである、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の耐力壁。
  9. 前記面板部を厚み方向から見て、前記開口の形状が円形である、請求項に記載の耐力壁。
  10. 複数の柱材と複数の梁材を組み立てた木造躯体と、
    前記木造躯体に用いられる請求項1~請求項のいずれか1項に記載の耐力壁と、を備え、
    前記耐力壁は、隣り合う前記柱材の間に配置された状態で一対の側板部が前記隣り合う柱材にそれぞれ接合されている、木造建物。
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