JP7462887B2 - 移乗装置 - Google Patents
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Description
支持構造体と、受入れ姿勢から持上げ姿勢へ変位することで使用者の身体を持ち上げる持上げ動作と、前記持上げ姿勢から前記受入れ姿勢へ変位することで前記使用者の身体を下ろすための降下動作と、を実行する持上げ機構と、を備え、前記持上げ機構は、前記支持構造体に対して第1揺動軸を中心に揺動可能な支持アームと、前記支持アームに対して第2揺動軸を中心に揺動可能であり前記使用者の上体を支持する上体支持部と、前記支持アームを前記第1揺動軸を中心に揺動させる第1揺動機構と、前記上体支持部を前記第2揺動軸を中心に揺動させる第2揺動機構と、を備え、前記持上げ機構が前記受入れ姿勢にあるとき、前記上体支持部は直立姿勢とされる移乗装置が記載されている(同文献1の請求項1参照)。
また、下記特許文献2に係る特許第6317146号公報には、移動可能な本体部と、被介護者が着座可能な座面部と、前記座面部を前記本体部に着脱可能に連結する連結部と、前記座面部を前記本体部に対して昇降させることが可能な昇降部材と、を具備し、前記本体部は、前記座面部に着座した前記被介護者の上半身を保持可能な上半身保持部と、前記座面部に着座した前記被介護者の膝を保持可能な膝保持部と、前記上半身保持部及び前記膝保持部、並びに当該本体部に連結された前記座面部を一体的に傾斜させることが可能な傾動部と、を具備し、前記連結部は、前記本体部に昇降可能に設けられると共に、前記座面部を受ける受け部材を具備し、前記昇降部材は、前記本体部に対して昇降可能に設けられ、昇降することで前記座面部と当接して前記座面部を前記受け部材に保持し、前記座面部と当接した状態で昇降することで前記座面部を昇降させる、移乗支援装置が記載されている(同文献2の請求項1参照)。
また、要介護者が足を乗せ易いように足乗せ板を可及的に低くし、傾動動作で一緒に足乗せ板を傾動させ、要介護者が上肢保持部に体を預けやすくする。さらに、保持アームを保持アーム回動軸を中心に回動させ、その間隔を要介護者に合わせて調整自在で使い勝手に優れた移乗装置を提供することを目的とする。
前記本体アーム1は、ベース部4に傾動中心軸10が備えられ、前記傾動中心軸10を中心に傾動可能に前記ベース部4に連結して起立され、
前記上肢保持部2は、前記本体アーム1の上端近傍位置に設けられた上肢保持部回動軸11に回動可能に連結され、
前記ベース部4の前側Pに起立連結部46が立設されており、前記伸縮機構3は、傾斜状態で下端が前記ベース部4の前記本体アーム1から前側P方向に突き出して、前記起立連結部46の連結軸31に回動可能に連結されていると共に、前記伸縮機構3の上端が前記上肢保持部回動軸11より前側P方向にずらした位置で穿設された前記本体アーム1のガイド穴12に沿って移動するガイド軸30に回動可能に連結され、
且つ前記上肢保持部回動軸11より前側P方向にずらした位置で前記ガイド軸30が前記上肢保持部2に連結されて成り、
前記伸縮機構3の動作で、前記本体アーム1のガイド軸30は前記ガイド穴12に沿って移動すると共に、前記上肢保持部2が上肢保持部回動軸11を中心に回動して起き上がる又は元位置に復帰する構成であることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1~5のいずれか一に記載した移乗装置において、移乗装置の後部に、対象物に対する移乗装置の後部側を位置決めするための位置決め具が設置されていることを特徴とする。
また、足乗せ板が本体アームの下端部から後方に突出すると共に、ベース部より低く且つ床面から僅か上方位置に設けて足を乗せ易くして、前記本体アームの傾動動作と一緒に傾動する構成とし、要介護者が足を乗せて、膝当て部と一緒に力を掛け易くして体が安定すると共に、本体アームの上肢保持部に体を預けやすくして、要介護者に安心感を与える。
さらに、一対の保持アームが保持アーム固定具を中心に左右方向(図9で紙面に垂直方向)で拡幅または挟幅方向へ回動し、保持アームの間隔を要介護者に合わせて調整できる使い勝手にも優れる。
この移乗装置は、図9に示したような要介護者Mの立ち上がり動作、座る動作を補助して移乗するために、基本的構成としてベース部4に起立する本体アーム1と、上肢保持部2及び伸縮機構3を備えている。
ベース部4は、板状の後半部が後述の足乗せ板5が上下方向に傾動する動きが出来るように開口スペース44がある平面方向視コ字状に形成されている。前記開口スペース44を除く前半部上に左右一対の起立連結部13、13が立設されており、その左右一対の起立連結部13、13の間隔は、後述する本体アーム1の下端が嵌る間隔に設定されている(図3)。また、その各起立連結部13の前後には通孔13a、13bがそれぞれ穿設されている。
なお、このベース部4の前端には、剛性確保を兼ねて折り曲げた、前記開口スペース44より一段高い面4aが形成されており、そこには段差を乗り越え易い大きな車輪40が付き、それより低い面のその後端と中央部には、小さな車輪41、42が取り付けられていて、この移乗装置を必要な場所に持って行き易くしている。
そして、要介護者Mがこの移乗装置に乗り込む場合等に、不用意に車輪が動いてしまわないように、車輪40、40間の中央にストッパー43が取り付けられている。符号45または符号45’は、移載装置のベース部4の後部が、ベッド(対象物)下の隙間に入り込み過ぎず、移乗装置の後部が所定位置で止まり、要介護者Mのアキレス腱付近がベッドの角で摺れないようにする、または便器(対象物)の前部に当接させて、便器に対し介護者Mのお尻位置を位置決めするための位置決め具を示している。
と共に、前記本体アーム1の垂直部1aの下端部の後方には、前方に中心をなしてその回動半径の軌跡に沿った円弧状のガイド穴14が穿設されており、一対の前記起立連結部13、13の後方の通孔13bに挿通された傾動規制軸15に軸支され、前記傾動中心軸10を中心に傾動する当該本体アーム1(垂直部1a)の傾動を所定角度(本実施例では約25°程度)で規制する構成となっている(図7B参照)。
前記本体アーム1の上端近傍位置をなす左右一対の水平部1b、1bの後方部には、図5に示したように左右一対の水平部1b、1b間にまたがって上肢保持部回動軸11が挿通して設けられており、上肢保持部2が、この上肢保持部回動軸11に回動可能に連結されている(図6参照)。また、前記本体アーム1の左右一対の水平部1b、1bの前方部には、それより後方側に位置する前記上肢保持部回動軸11を中心とする回動半径の軌跡に沿った円弧状のガイド穴12が、左右一対の水平部1b、1bに穿設されている。
前記保持板21は、前記本体アーム4の水平部1b、1bの後方部近傍に位置し、左右方向に渡した保持板21の両端21a近傍は、前側P方向に向かって所定角度で屈曲しており、その両端21a上から突き出す左右一対の前記保持アーム20、20なので、左右方向に先端が広がって突き出している。
また、前記保持アーム20の前方に備わる保持板21に保持アーム固定具22が設けられ、前記保持アーム20の底面20aは、その底面外周近くの一点を保持アーム固定具22で回動可能に留められ、かつ前記保持板21上に左右方向に穿設された、所定の回動半径の軌跡に沿ったガイド穴23の中を移動するガイド具22aでも留められており、そこに突き出す前記保持アーム20は、前記保持アーム固定具22を中心にガイド穴23の穴に沿って回動するガイド具22aの移動で、一対の前記保持アーム20、20の間隔を拡幅または挟幅方向へ変えられ、左右方向に位置した一対の前記保持アーム20、20の間隔を調節可能に構成し、前記ガイド具22aを留めれば、その位置で保持アーム20が固定される。
そして、前記連結部25と前記左右一対の連結片26、26の一端側との連結は、前記連結部25の側面に本体アーム1の高さ方向に並ぶ複数の固定穴25aのいずれかに、前記連結片26に通される位置決めピン27を通して位置決めし、前記固定穴25aを適宜選択することで、上肢保持部2の前記保持アーム20の床からの高さ位置を調節可能になっている。
また、前記左右一対の連結片26、26の他端への途中位置で上肢保持部回動軸11が挿通し、更に前記左右一対の連結片26、26の他端近傍位置に前記ガイド軸30が挿通している。
よって、一本の前記電動シリンダー3の駆動だけで、持ち上げ動作と傾動動作を連続に発生して、要介護者Mを持ち上げ動作が完了でき、反対方向の要介護者Mを座らせる動作は、一本の電動シリンダー3を伸ばす方向の駆動だけで実現できる。
そこから反対に電動シリンダー3を伸ばすと、本体アーム1は後方に動いて傾きが戻り、本体アーム1が起立状態に復帰する。
更に電動シリンダー3を伸ばすと、前記ガイド軸30を押す力は、円弧状の前記ガイド穴12で逃げ、本体アーム1の方には力が掛からなくなるので、前記ガイド軸30がガイド穴12に沿ってその下端から上端に移動し、それに伴って上肢保持部2が水平状態に元の位置に復帰する。
ゆえに、一本の電動シリンダー3の動作が、前記上肢保持部2が上肢保持部回動軸11を中心に回動して要介護者Mを起こす(持ち上げる)又は元位置に復帰させるし、本体アーム1が前記傾動中心軸10を中心に傾動して、要介護者Mを傾動させる又は元位置に復帰させる構成を実現している。
なお、この電動シリンダー3は、モーター9によって伸縮自在であると共に、介護者は、操作盤8の操作ボタンの起きるボタン、座るボタンのどちらかを押せば、要介護者Mを起こす動作か、要介護者Mを座らせる動作が好適に実施される。
また、この足乗せ板5は、図9A、Bに示したように、本体アーム1の起立時に前記ベース部4より低く且つ床面9から僅か上方のできる限り低い位置に設けられ、要介護者Mが足を乗せ易くして、前記本体アーム1の傾動動作と一体で傾動するように構成されている(図9C、図1)。
また、図3、図9に示したように、前記本体アーム1の垂直部1aの中段位置に設置された取付板16は、差し込み管16aを有し、要介護者Mの膝Nを当接して保持可能な膝当て部6が、その差し込み部6bの先端にピン6aで、上下に回動可能に簡単に首を振る状態で取付けられており、前記差し込み部6bの他端を、前記差し込み管16aに差し込んで、前記差し込み管16aの穴と差し込み部6b上に設けられた目的の穴位置とを合わせたら、その差し込み管16aの外周から固定具6cを貫通させ、かつ取付板16に当接させて嵌め込み、前記本体アーム1に取付けている。
さらに、本体アーム1の垂直部1aの先端(前方)位置に設置された取付板17に、前記要介護者Mが前方で把持可能な把持部7が設置されている。
予め、上肢保持部2の保持アーム20、20の間隔は、利用者である要介護者Mの体の幅に合わせておくと共に、膝当て部6の上下位置も合わせておく。
図2と図7に示したスタンバイ状態時の移乗装置を、要介護者Mが腰掛けた状態の対象物のベッドや車椅子の所に移動して行く。その時、移乗装置のベース4の後部の位置決め具45をベッドの前面に当接させれば、ベース4の後部が対象物のベッド下の隙間に入り込み過ぎないように、移乗装置が位置決めされる(図10参照)。
また、図10の(B)、(C)のように、対象物の便器の前側に、膝当て部6に設けた位置決め具45’を当接させれば、要介護者Mのお尻の位置は、対象物に対して一定になる。
次に、図9Aに示したように、足乗せ板5へ、座っている要介護者Mに足を乗させながら、把持部7に同要介護者Mの手を掛けさせ、膝Nを膝当て部6に当接させて、同要介護者Mが、移乗装置の上肢保持部2の保持アーム20、20の間に上肢K(胸)を入れるようにして、移乗装置に乗る体勢をつくる。
このように、操作が、操作盤8の操作ボタン2つだけで行うシンプルさであるので、年配の要介護者Mに対して、やさしい操作性を実現した。
また、一対の保持アーム20、20は、奥に向って先に行くと少し間隔が狭まるように突き出しており、保持アーム20クッション性及び胸当てクッション24とも相まって要介護者Mの上肢Kがすっぽりと固定されるようになっている上、一対の保持アーム20、20の間隔も微調整ができる(図5~図7参照)。
K 上肢
N 膝
1 本体アーム
10 傾動中心軸
11 上肢保持部回動軸
12 ガイド穴
2 上肢保持部
20 保持アーム
21 保持板
22 保持アーム回動軸
23 ガイド穴
3 伸縮機構(電動シリンダー)
3a 一端
3b 他端
30 ガイド軸
31 連結軸
4 ベース部
46 起立連結部
46a 通孔
5 足乗せ板
6 膝当て部
7 把持部
8 操作盤
P 前側
Claims (6)
- 要介護者の立ち上がり動作、座る動作を補助して移乗するための移乗装置であって、本体アームと上肢保持部及び伸縮機構を備え、
前記本体アームは、ベース部に傾動中心軸が備えられ、前記傾動中心軸を中心に傾動可能に前記ベース部に連結して起立され、
前記上肢保持部は、前記本体アームの上端近傍位置に設けられた上肢保持部回動軸に回動可能に連結され、
前記ベース部の前側に起立連結部が立設されており、前記伸縮機構は、傾斜状態で下端が前記ベース部の前記本体アームから前側方向に突き出して、前記起立連結部の連結軸に回動可能に連結されていると共に、前記伸縮機構の上端が前記上肢保持部回動軸より前側方向にずらした位置で穿設された前記本体アームのガイド穴に沿って移動するガイド軸に回動可能に連結され、
且つ前記上肢保持部回動軸より前側方向にずらした位置で前記ガイド軸が前記上肢保持部に連結されて成り、
前記伸縮機構の動作で、前記本体アームのガイド軸は前記ガイド穴に沿って移動すると共に、前記上肢保持部が上肢保持部回動軸を中心に回動して起き上がる又は元位置に復帰する構成であることを特徴とする移乗装置。 - 前記伸縮機構の縮む動作により前記ガイド軸が前記ガイド穴に沿って移動して、前記ガイド軸が前記ガイド穴の下端部に到達すると前記伸縮機構の更なる縮む動作により、前記本体アームが前記傾動中心軸を中心に傾動し、又は前記本体アームが傾動している状態で、前記伸縮機構の伸ばす動作により、前記本体アームが起立状態の元位置に復帰する構成であることを特徴とする、請求項1に記載した移乗装置。
- 足乗せ板が、前記本体アームの下端部から後方に突出すると共に、前記本体アームの起立時に前記ベース部より低く且つ床面から僅か上方のできる限り低い位置に設けられ、前記本体アームが傾動しない状態で足を乗せ易く構成されていると共に、前記本体アームの傾動動作に応じて一体で傾動する構成であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した移乗装置。
- 前記上肢保持部は、要介護者の上肢を保持する一対の保持アームを備え、前記保持アームの前方に備わる保持板に保持アーム固定具が設けられ、前記保持アームは、その底面外周近くの一点で前記保持アーム固定具に回動可能に留められ、且つ前記保持アームは、前記保持アーム固定具から所定の回動半径で前記保持板上に左右方向に穿設された、ガイド穴の中を移動するガイド具でも留められており、前記保持アーム固定具を中心に前記ガイド穴に沿って回動する前記ガイド具の移動で、前記一対の保持アームの間隔を調節可能に構成されていること特徴とする、請求項1~3のいずれか一に記載した移乗装置。
- 前記本体アームには、要介護者の膝を当接して保持可能な膝当て部と、前記要介護者が前方で把持可能な把持部が設置されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一に記載した移乗装置。
- 移乗装置の後部に、対象物に対する移乗装置の後部側を位置決めするための位置決め具が設置されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一に記載した移乗装置。
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